JPH0840795A - 酸化物単結晶製造用るつぼ - Google Patents

酸化物単結晶製造用るつぼ

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JPH0840795A
JPH0840795A JP17888494A JP17888494A JPH0840795A JP H0840795 A JPH0840795 A JP H0840795A JP 17888494 A JP17888494 A JP 17888494A JP 17888494 A JP17888494 A JP 17888494A JP H0840795 A JPH0840795 A JP H0840795A
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JP
Japan
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crucible
single crystal
oxide
quartz glass
thermal expansion
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JP17888494A
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English (en)
Inventor
Mikako Takeda
実佳子 武田
Hiroshi Okada
広 岡田
Takeo Kawanaka
岳穂 川中
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 るつぼの破壊等の問題を発生させることな
く、るつぼから単結晶や残留原料の取出しが容易であ
り、低コストで良質の酸化物単結晶を製造するための酸
化物単結晶製造用るつぼを提供する。 【構成】 るつぼ本体を、前記酸化物単結晶よりも熱膨
張係数の小さい材料で構成すると共に、その内面に白金
層を形成したものであり、必要により該るつぼ本体を、
酸化物単結晶よりも前記熱膨張係数の小さい材料の内側
に多孔質石英ガラスを積層した2重層構造からなるもの
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ニオブ酸リチウム(L
iNbO3 )を始めとする酸化物単結晶を、チョクラル
スキー法や垂直ブリッジマン法等によって製造する際
に、その融液を保持する容器として使用する酸化物単結
晶製造用るつぼに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ニオブ酸リチウム(LiNbO3 )等の
酸化物単結晶は、無線通信やポケットベル等において特
定周波数の信号のみを取出すフィルターとして使用する
弾性表面波(SAW)デバイス用材料として広く使用さ
れている。また近年では、第2高周波発生(SHG)素
子等の光関係デバイスとしての需要も高まりつつある。
【0003】上記の様な酸化物単結晶を製造するに当た
っては、一般に高周波加熱や抵抗加熱により溶融させた
酸化物を引上げつつ固化させるチョクラルスキー(C
Z)法が採用されている。また、るつぼの下部に種結晶
をおき、上部に溶融酸化物を形成して種付けし、るつぼ
を低温側へ移動させて単結晶化させる垂直ブリッジマン
法(VB法)も、低温度勾配下で成長可能であり、転位
などの欠陥が導入されにくいことから、上記の様な酸化
物単結晶を製造する方法として採用されている。
【0004】上記の様な酸化物単結晶製造法において、
融液を保持する容器としてのるつぼは、耐熱性が優れて
いること、溶融酸化物との濡れ性が悪いこと、溶融酸化
物への不純物の溶出を防ぐ必要があること等の観点か
ら、白金等の貴金属製のものが一般的に使用されてい
る。しかしながら、白金等をるつぼとして使用すると、
下記に示す様な問題がある。
【0005】VB法で、酸化物単結晶成長後の結晶を取
出す際、単結晶が白金るつぼに固着するので、白金るつ
ぼを破壊するか、るつぼと酸化物の界面を溶融して取出
す等の方法が採られる。しかしながら、これらの方法で
は破壊による再生白金の減少、単結晶の目減りなどの問
題がある。また白金るつぼと単結晶の固着により、単結
晶へのクラック発生が避けられない。一方CZ法におい
ては、溶融酸化物をるつぼ外で引き上げるため、結晶の
取出しは容易であるあが、るつぼ内に残留した酸化物原
料(残留原料)の分離が非常に困難である。
【0006】尚酸化物単結晶製造用るつぼとして、再結
晶による白金の結晶粒子が粗大化することを抑制し、白
金るつぼの耐熱強度を高める方法として、白金中に酸化
物粒子を分散させる方法も提案されている(例えば、特
開平4−2687号)。しかしながら、この方法では、
白金るつぼの寿命は伸びるものの、白金るつぼと酸化物
単結晶の固着により、単結晶取出しの際に、単結晶にク
ラックが発生し、単結晶の歩留まりが低下するという問
題は解決されない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこうした技術
的課題を解決するためになされたものであって、その目
的は、るつぼの破壊等の問題を発生させることなく、る
つぼから単結晶や残留原料の取出しが容易であり、低コ
ストで良質の酸化物単結晶を製造するための酸化物単結
晶製造用るつぼを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成し得た本
発明のるつぼとは、酸化物単結晶を製造する際に用いる
単結晶製造用るつぼであって、るつぼ本体を、前記酸化
物単結晶よりも熱膨張係数の小さい材料で構成すると共
に、その内面に白金層を形成したものである点に要旨を
有するものである。
【0009】また本発明のるつぼは、るつぼ本体が、酸
化物単結晶よりも熱膨張係数の小さい材料の内側に多孔
質石英ガラスを積層した2重層構造からなり、更にその
内面に白金層を形成したものである点にも要旨を有す
る。更に、上記るつぼ本体の内側を構成する多孔質石英
ガス層は、その層厚が50μm以上であることが好まし
い。上記いずれのるつぼにおいても、最内層としての白
金層は、その厚さが10〜50μmであることが好まし
い。
【0010】
【作用】本発明は上記の如く構成されるが、要するに、
酸化物単結晶用るつぼの本体の材質として酸化物単結晶
より熱膨張係数の小さい材料(石英ガラス等)を用いる
ことにより、結晶成長後の冷却時のるつぼの収縮を最小
限に抑え、るつぼからの単結晶や残留原料の取出しを容
易にするものである。また、るつぼ本体の材料として、
例えば石英ガラスの内層に多孔質石英ガラスを積層した
2重層構造のものを採用すると、石英ガラスと多孔質石
英ガラスとの界面部分で剥離しやすくなるので、本発明
の効果がより一層顕著になるばかりか、下記に示す様に
るつぼ本体の材料としてMo,Ta,グラファイト等を
用いた場合に、該るつぼ本体材料と、白金層との反応を
防止するのにも有効である。
【0011】尚この様な構成を採用する場合に、石英ガ
ラス製るつぼの破壊を防ぐため、多孔質石英ガラスの厚
みは50μm以上であることが望ましい。また酸化物単
結晶より熱膨張係数の小さい材料としては、上記石英ガ
ラスの他、Mo,W,Ta等の高融点金属、グラファイ
ト、BN,AlN,Si33 ,SiC等の非酸化物系
セラミックス等が挙げられる。これらはいずれもLiN
bO3 ,PbMoO4,Bi4 Ge312等の酸化物単結
晶よりも小さい熱膨張係数を有する。例えばLiNbO
3 の熱膨張係数は、a軸:16.7×10-6(de
-1),c軸:2×10-4(deg-1)、PbMoO4
の熱膨張係数は、a軸:10×10-6(deg-1),c
軸:25×10-6(deg-1)、Bi4 Ge312の熱
膨張係数は、6.69×10-6(deg-1)であるが、
Mo,W,グラファイトの熱膨張係数は夫々5.1×1
-6(deg-1),4.4×10-7(deg-1),3〜
5×10-6(deg-1)である。但し、酸化物単結晶と
してAl23 を製造する際には、その融点は2000
℃よりも高くなるので、1500℃以下の融点であるA
lN,Si33 等はるつぼ材料として使用できないと
いう制限があるのは言うまでもない。
【0012】上記構成を採用することによって、単結晶
取出し時に比較的高価な石英ガラス製るつぼを破壊しな
ければならない確率が減少し、るつぼの再生利用も可能
となると共に、単結晶に及ぼす応力を緩和し、結晶の歪
やクラックの発生を抑えて単結晶の目減りを最小限に抑
えることができる。また、最内層に白金層をコーティン
グすることにより、石英ガラス製るつぼからの融液への
不純物の溶出を防ぐことができる様になる。
【0013】ところで白金は熱膨張係数が酸化物結晶よ
りも大きく、結晶成長後の冷却時に白金が収縮して単結
晶を締め付け、るつぼからの単結晶の取出しが困難にな
ることが予想される。したがって、この白金層は必要以
上に厚くすると、熱膨張係数の小さい材料を使用した意
味がなくなる。白金のコスト、コーティングに要する時
間等を考慮しても、白金層の厚さは薄い方がよい。融液
内への不純物の溶出を防ぐことが主目的であり、単結晶
を取出した後は削り取られるものであるため、白金層の
厚さは10〜50μm程度が適当である。
【0014】従来、酸化物単結晶とるつぼが固着して、
取出し後に単結晶にクラックが入り、光学特性や歩留り
の低下が問題となっていたが、上記構成を採用すること
により、クラックの発生を最小限に抑えることが可能と
なる。また、白金層を薄く積層することで、るつぼから
の不純物の溶出も防ぐことができる。
【0015】以下、本発明を実施例によって更に詳細に
説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のもの
ではなく、前・後記の趣旨に徹して設計変更することは
いずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0016】
【実施例】
実施例1 図1は、本発明の一実施例を示す概略説明図であり、図
中1はるつぼ本体、3は白金層の夫々を示す。この実施
例においては、るつぼ本体1の材質に、酸化物単結晶よ
り熱膨張係数の小さい石英ガラスを使用し、るつぼの収
縮を抑える。しかしながら、石英ガラス製るつぼと溶融
酸化物との濡れ性が良いこと、溶融酸化物への不純物の
溶出の可能性など考えられ、単結晶の品質を損う恐れが
る。そこで、石英ガラス製るつぼの内側に白金層3をコ
ーティングし、るつぼとの直接接触を避け、るつぼ内側
側と単結晶の固着や酸化物単結晶への不純物の溶出を抑
制するようにしたものである。
【0017】但し、前述した様に、白金層3は熱膨張係
数が大きく、結晶成長後の冷却時に結晶を締付ける恐れ
があるので、白金層3の厚さは非常に薄くし(10〜5
0μm程度)、締付けの影響を極力小さくする必要があ
る。これにより、取出し時の単結晶の目減りが減ると共
に、白金層3の存在により、不純物の単結晶への溶出が
防ぐことができた。こうしたるつぼを用いて得られた単
結晶は、クラックがなく、しかも不純物溶出による着色
がなく、所望の光学的特性を示すものとなる。
【0018】実施例2 図2は、本発明の他の実施例を示す概略説明図である。
この実施例においては、るつぼ本体1として、外側に熱
膨張係数の小さい石英ガラス1aと、その内側に多孔質
石英ガラス1bを積層した構成としたものである。また
るつぼ本体1の内側に、白金層3がコーティングされる
のは、図1に示した実施例と同じである。
【0019】この様な構成であれば、単結晶を取出す際
に石英ガラスと多孔質石英ガラスの界面部分で剥離する
ことができ、比較的容易に単結晶を取出しできる。また
石英ガラス1aと多孔質石英ガラス1bの界面部分で隔
離することによって、石英ガラス製るつぼが破壊される
ことなく、単結晶の取出しが可能となり、石英ガラス製
るつぼの再生利用もできる。また、白金層3により、不
純物の溶出が防ぐことができ、しかも白金層3は非常に
薄く形成されているため、材料コストの点からも有利で
ある。この様なるつぼを使用することにより、単結晶は
歩留まりよく生産でき、クラックや不純物等によって光
学的特性を損ねることがなくなる。
【0020】
【発明の効果】以上述べた如く本発明によれば、酸化物
単結晶より熱膨張係数の小さい材料をるつぼ本体の材質
として使用して、結晶成長終了後の冷却時のるつぼの収
縮を最小限に抑えることにより、クラック発生を抑制す
ると共に、その内層に極力薄く白金層をコーティングす
ることにより、不純物による融液汚染を防止でき、所望
の光学的特性の酸化物単結晶を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す概略説明図である。
【図2】本発明の他の実施例を示す概略説明図である。
【符号の説明】 1 るつぼ本体 1a 石英ガラス 1b 多孔質石英ガラス 3 白金層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化物単結晶を製造する際に用いる単結
    晶製造用るつぼであって、るつぼ本体を、前記酸化物単
    結晶よりも熱膨張係数の小さい材料で構成すると共に、
    その内面に白金層を形成したものであることを特徴とす
    る酸化物単結晶製造用るつぼ。
  2. 【請求項2】 るつぼ本体が、酸化物単結晶よりも熱膨
    張係数の小さい材料の内側に多孔質石英ガラスを積層し
    た2重層構造からなり、更にその内面に白金層を形成し
    たものである請求項1に記載の酸化物単結晶製造用るつ
    ぼ。
  3. 【請求項3】 多孔質石英ガラスの層厚が、50μm以
    上である請求項2に記載の酸化物単結晶製造用るつぼ。
  4. 【請求項4】 白金層の厚さが10〜50μmである請
    求項1〜3のいずれかに記載の酸化物単結晶製造用るつ
    ぼ。
JP17888494A 1994-07-29 1994-07-29 酸化物単結晶製造用るつぼ Withdrawn JPH0840795A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006179739A (ja) * 2004-12-24 2006-07-06 Ngk Insulators Ltd 誘電体層及び誘電体素子の製造方法、並びに誘電体素子及び圧電トランス
JP2011042560A (ja) * 2009-07-22 2011-03-03 Shinshu Univ サファイア単結晶の製造方法およびサファイア単結晶の製造装置
JP2018135228A (ja) * 2017-02-21 2018-08-30 住友金属鉱山株式会社 LiTaO3単結晶の育成方法とLiTaO3単結晶の処理方法

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