JPH084055A - 油圧機械の油圧駆動回路 - Google Patents

油圧機械の油圧駆動回路

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JPH084055A
JPH084055A JP13713894A JP13713894A JPH084055A JP H084055 A JPH084055 A JP H084055A JP 13713894 A JP13713894 A JP 13713894A JP 13713894 A JP13713894 A JP 13713894A JP H084055 A JPH084055 A JP H084055A
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pressure
valve
hydraulic
regeneration
side main
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JP13713894A
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English (en)
Inventor
Yusaku Nozawa
勇作 野沢
Yusuke Kajita
勇輔 梶田
Kinya Takahashi
欣也 高橋
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】パイロット圧を用いることなく、操作量に応じ
て再生弁の再生・非再生状態を切り換えることができる
油圧機械の油圧駆動回路を提供することである。 【構成】操作レバー23のY方向への操作量が比較的小
さく固定絞り32を通過する流量Qrが所定の流量以下
であるときは再生弁28は閉じ状態に維持され再生は行
われない。Y方向への操作量が比較的大きくなり固定絞
り32を通過する流量Qrが所定の流量Qtを超えようと
すると、配管7a,11で圧力室29,30に導かれる固
定絞り32前後の差圧が所定差圧を超え、再生弁28は
バネ14の力に抗して開き状態となる。これによりロッ
ド側配管5とボトム側配管9とが配管7a,7bにより
導通され、所定の流量を超える部分の圧油量Qcがボト
ム側配管9へ供給され、油圧シリンダ2へ供給される流
量はQb+Qcとなって油圧シリンダ2の増速が行われ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油圧ショベル等の油圧
機械に備えられた油圧駆動回路に係わり、特に、油圧シ
リンダがタンクに排出する圧油を利用(再生)してその
油圧シリンダを増速させる再生回路を備えた油圧機械の
油圧駆動回路に関する。
【0002】
【従来の技術】油圧シリンダにより駆動される機構には
数多くの種類がある。例えば油圧ショベルにあっては、
ブーム・アーム・バケット、及びバケットの代わりに取
り付けられる種々のアタッチメント等がある。これらの
うち、近年、運転者が油圧機械の操作に習熟するにつ
れ、より速いアクチュエータ速度が要求されているもの
がある。例えば、アームクラウド動作を行う場合におけ
るバケットが地表面に到達するまでの間、あるいは、ア
タッチメントの1つである破砕機で物体を挟むまでの間
等は、作業効率上高速で動作するのが好ましく、それぞ
れの機構の増速が要求されている。また増速の要求は次
のような場合にも存在する。すなわち、アタッチメント
を本体に取り付けて駆動する場合に、そのアタッチメン
トの設計上の最高圧力が本体の最高圧力よりも低いとき
には、アタッチメントへの圧油の供給量が少なくなって
作業速度が低下する。したがってこのような場合にもア
タッチメントの増速が要求される。
【0003】このような増速の要求に応じる手段とし
て、油圧シリンダのロッド側の油を切換弁等を用いてボ
トム側へ還流することにより、同一のポンプ油量でシリ
ンダロッドが伸びる速度を増速することができる(ある
いは少ないポンプ油量でも同一速度を保てる)再生回路
が知られている。
【0004】この再生回路を備えた油圧駆動回路の公知
技術として、例えば以下のものがある。 特開平6−81801号公報 この公知技術の油圧駆動回路は、油圧ポンプと、油圧ポ
ンプにより駆動される油圧シリンダと、油圧ポンプと油
圧シリンダとの間に介在し油圧シリンダの駆動を制御す
る流量制御弁と、油圧シリンダのロッド側管路とボトム
側管路との間の導通・遮断を行う再生弁と、ロッド側管
路と流量制御弁との間に設けられボトム側の圧力が所定
値以下であるときにロッド側管路と流量制御弁とを導通
状態から絞り状態に切り換える切換弁と、ボトム側の圧
力と切換弁の出口圧力のうち高い方の圧力を再生弁の室
へ導入するパイロット管路とを有している。
【0005】これによって、流量制御弁が切り換えられ
油圧シリンダがロッドを伸長させる方向に駆動されてい
るときであって、シリンダへの負荷が小さくボトム側圧
力が上昇しない状態においては、切換弁によってロッド
側管路と流量制御弁との間の油圧管路は絞り状態に切り
換えられる。そしてロッド側からの圧油のほとんどが再
生弁を開いて直接ボトム側管路に還流され油圧シリンダ
の増速が行われる一方、その圧油のうちわずかな量が絞
りを通ってタンクに排出される。シリンダへの負荷が大
きくボトム側管路の圧力が上昇すると、この圧力が再生
弁室に導かれ再生弁を遮断状態にするとともに、切換弁
によってロッド側管路と流量制御弁との間の油圧管路は
導通状態に切り換えられ、ロッド側からの圧油は切換弁
・流量制御弁を介してタンクに排出される。
【0006】特公平5−50601号公報 この公知技術における油圧駆動回路は、パイロット圧に
よって駆動され油圧シリンダを伸長させる操作に連動し
て開路する切換弁と、その下流側から油圧シリンダへの
ボトム側に通ずる管路と、その管路の途中に設けられ切
換弁からのシリンダボトム側への流れのみを許容する逆
止弁と、切換弁の上流側から油圧シリンダのロッド側に
通ずる管路とを備え、流量制御弁と油圧シリンダのヘッ
ド側及びロッド側とを接続する管路の中間に設けられた
再生弁を有している。
【0007】これにより、油圧シリンダのロッドを伸長
する方向に操作レバーが操作されると、パイロット圧に
よって流量制御弁が切り換えられる。このときにこのパ
イロット圧が切換弁にも導かれて切換弁が開路され、ロ
ッド側からの圧油の全てが逆止弁を介しボトム側に還流
され、油圧シリンダの増速が行われる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
知技術には以下の課題が存在する。一般に、上記したよ
うな増速の要求であっても、すべての操作領域において
増速が要求されているわけではない。すなわち、正確な
操作をそれ程必要としないオペレータによる操作量の大
きな領域(フル操作付近の領域、以下適宜、フル操作領
域という)においては増速を行いたいという要求があっ
ても、正確な操作が要求される操作量の小さな領域(フ
ル操作領域以外の領域、以下適宜、中間領域という)に
おいては増速は必要とされない。
【0009】しかし、公知技術においては、上記のよ
うな配慮がされておらず、シリンダへの負荷が小さい場
合には、オペレータの操作量のいかんにかかわらず再生
弁が切り換えられて、常にロッド側からの圧油のほとん
どがボトム側に還流されて再生される。よって、本来増
速の必要がない中間領域でも増速されてしまうので、こ
の領域で正確な操作を行うのが困難であるという課題が
あった。
【0010】また、公知技術においては、弁切換用配
管の構成を調整して再生弁の切り換え時期すなわち再生
開始時期を設定し、ある操作量までは非再生、これを超
えれば再生というように操作領域に応じた設定が可能で
はある。しかし、パイロット圧を導く再生弁切換用配管
を調整することから、流量制御弁のバネやスプールをも
変更・交換する必要が生じるので、調整作業が煩雑とな
りまたコスト高となる。また、再生回路を備えていない
油圧回路に新たにこの再生回路を設ける場合に流量制御
弁のスプールの交換が必要となることがあり同様の問題
が生じる。さらに、操作量に応じ油圧源からのパイロッ
ト圧を減圧する減圧弁と流量制御弁とを連結する第1の
弁切換用配管と、その第1の弁切換用配管から分岐しパ
イロット圧を再生弁へ導く第2の弁切換用配管との長さ
の相違が低温時に応答速度の相違となってあらわれ、再
生弁の切り換え時期の不整合を生ずるおそれがあった。
【0011】本発明の目的は、パイロット圧を用いるこ
となく、操作量に応じて再生弁の再生・非再生状態を切
り換えることができる油圧機械の油圧駆動回路を提供す
ることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、可変容量型の油圧ポンプと、この
油圧ポンプからの吐出油により駆動される油圧シリンダ
と、前記油圧ポンプからの吐出油を前記油圧シリンダに
導く流量制御弁と、この流量制御弁のストローク量を制
御する操作手段と、前記油圧ポンプの吐出圧力と前記油
圧シリンダの負荷圧力との差圧に応じて前記油圧ポンプ
の押しのけ容積を制御するポンプ制御手段とを備えた油
圧機械の油圧駆動回路において、前記油圧シリンダのロ
ッド側主管路とボトム側主管路との間に設けられた連絡
ライン及びその連絡ラインに設けられ、そのロッド側主
管路とボトム側主管路との導通・遮断を行う再生弁と、
前記ロッド側主管路の前記連絡ラインとの接続点と前記
流量制御弁との間に設けられ、かつ開弁方向に作用する
油圧駆動部を有し、その油圧駆動部に導入される圧力が
設定値より小さいときには絞りを介し前記ロッド側主管
路を絞り状態に切り換え、前記導入される圧力が設定値
以上のときには前記ロッド側主管路を導通状態に切り換
える切換弁と、前記ボトム側主管路の圧力を前記油圧駆
動部へ導く第1のパイロット管路と、前記切換弁が前記
ロッド側主管路を絞り状態に切り換えているとき、前記
切換弁を通過する圧油の流量が所定の流量を超えようと
すると、前記再生弁を開いて前記ロッド側主管路とボト
ム側主管路とを導通させ、前記所定の流量を超える部分
の圧油を前記ロッド側主管路から前記連絡ラインを介し
前記ボトム側主管路へと供給する再生制御手段と、を有
することを特徴とする油圧機械の油圧駆動回路が提供さ
れる。
【0013】好ましくは、前記油圧機械の油圧駆動回路
において、前記再生制御手段は、前記切換弁の絞りの前
後差圧を検出し、その差圧が所定値を超えようとすると
前記再生弁を開き前記差圧を所定値に保持する手段であ
ることを特徴とする油圧機械の油圧駆動回路が提供され
る。
【0014】また好ましくは、前記油圧機械の油圧駆動
回路において、前記再生弁は閉弁方向に作用するバネを
有し、前記再生制御手段は、前記再生弁の一端に設けら
れ開弁方向に作用する第1の圧力室と、前記再生弁の他
端に設けられ閉弁方向に作用する第2の圧力室と、前記
油圧シリンダのロッド側主管路の圧力を前記第1の圧力
室に導く第2のパイロット管路と、前記ロッド側主管路
の前記切換弁の出側の圧力を前記第2の圧力室に導く第
3のパイロット管路とを有することを特徴とする油圧機
械の油圧駆動回路が提供される。
【0015】さらに好ましくは、前記油圧機械の油圧駆
動回路において、前記切換弁の絞りの開口面積は、前記
流量制御弁のメータアウトの可変絞りの最大開口面積よ
りも大きいことを特徴とする油圧機械の油圧駆動回路が
提供される。
【0016】また好ましくは、前記油圧機械の油圧駆動
回路において、前記ロッド側主管路の前記切換弁の出側
の圧力と前記ボトム側主管路の圧力とのうち高い方の圧
力を選択する高圧選択弁と、その高圧選択弁で選択され
た圧力を前記第2の圧力室に導く第4のパイロット管路
とをさらに有することを特徴とする油圧機械の油圧駆動
回路が提供される。
【0017】さらに好ましくは、前記油圧機械の油圧駆
動回路において、前記連絡ラインの前記再生弁と前記ボ
トム側主管路との間に設けられ、前記再生弁から前記ボ
トム側主管路への圧油の流れを許容し、その逆の流れを
阻止する逆止弁をさらに有することを特徴とする油圧機
械の油圧駆動回路が提供される。
【0018】
【作用】以上のように構成した本発明においては、可変
容量型の油圧ポンプからの圧油を、操作手段でストロー
ク量を制御される流量制御弁で油圧シリンダに導き、こ
の油圧ポンプの吐出圧力と油圧シリンダの負荷圧力との
差圧に応じてポンプ制御手段で油圧ポンプの押しのけ容
積を制御する、いわゆるロードセンシング制御を行うこ
とにより、流量制御弁から油圧シリンダへ供給される圧
油の流量は、負荷の大小にかかわらず、操作手段の操作
量に常に一対一に対応する。
【0019】操作手段が操作され、油圧シリンダがロッ
ドを伸長させる方向に流量制御弁が切り換えられると、
油圧ポンプからの圧油が油圧シリンダのボトム側主管路
に供給される。このときボトム側主管路の圧力は第1の
パイロット管路で切換弁の油圧駆動部に導かれる。
【0020】油圧シリンダの負荷が大きくなく油圧駆動
部への圧力が設定値より小さい場合は、切換弁はロッド
側主管路を絞り状態に維持する。この絞り状態におい
て、操作手段の操作量が比較的小さく、ロッド側主管路
から流出し切換弁を通過する流量が所定の流量以下であ
る場合、再生制御手段は再生弁を閉じ状態に維持しロッ
ド側主管路とボトム側主管路とは遮断されるので再生は
行われない。すなわちロッド側主管路の圧油は、すべて
流量制御弁のメータアウト通路を介しタンクへと排出さ
れる。操作手段の操作量が比較的大きくなり、ロッド側
主管路から流出し切換弁を通過する流量が所定の流量を
超えようとすると、再生制御手段により再生弁が開かれ
て再生が開始され、すなわちロッド側主管路とボトム側
主管路とが導通されて、その所定の流量を超える部分の
圧油がロッド側主管路から連絡ラインを介しボトム側主
管路へ供給され油圧シリンダの増速が行われる。一方、
油圧シリンダの負荷が大きく切換弁の油圧駆動部への圧
力が設定値以上となった場合には、切換弁によってロッ
ド側主管路が導通状態に切り換えられるので、油圧シリ
ンダのロッド側主管路の圧油は流量制御弁のメータアウ
ト通路を介してタンクへと排出される。また、操作手段
が操作されず流量制御弁が中立位置にある時に、油圧シ
リンダのロッドが伸長される側に負荷が作用した場合
は、ボトム側の圧力が低いことから切換弁によってロッ
ド側主管路は絞り状態のまま維持され、切換弁を通過す
る流量はゼロであるから再生制御手段によって再生弁は
閉じ状態に維持される。また切換弁の出側は流量制御弁
によってブロックされているので、ロッド側の圧油の排
出路はなく油圧シリンダの中立状態は維持される。さた
に、油圧シリンダのロッド側圧力が異常に高くなった場
合は、ロッド側の圧油は絞りを介し切換弁の出側に供給
され、例えば流量制御弁の近くにもともと設けられてい
るリリーフ弁等によってタンクに排出される。
【0021】また再生制御手段は、切換弁の絞りの前後
差圧を検出し、その差圧が所定値を超えようとすると再
生弁を開き差圧を所定値に保持する手段である。ここで
絞り前後の差圧は絞りを通過する流量に対応しているこ
とから、結果的に、所定流量を超えようとすると再生弁
を開き、再生を開始させる手段を実現できる。
【0022】さらに再生制御手段の第2のパイロット管
路で油圧シリンダのロッド側主管路の圧力を第1の圧力
室に導き、第3のパイロット管路でロッド側主管路の切
換弁の出側の圧力を第2の圧力室に導くことにより、絞
り前後の差圧を検出することができる。またこの第1の
圧力室は再生弁の一端に設けられて開弁方向に作用し、
第2の圧力は再生弁の他端に設けられて閉弁方向に作用
することから、絞り前後の差圧の大きさによって再生弁
を開閉させることができる。さらに再生弁は閉弁方向に
作用するバネを有することにより、このバネのバネ力を
調整することで再生弁が開き始める差圧の値を任意に設
定することができる。
【0023】また切換弁の絞りの開口面積は、流量制御
弁のメータアウトの可変絞りの最大開口面積よりも大き
いことにより、切換弁の絞りの開口面積が流量制御弁の
メータアウトの可変絞りの最大開口面積よりも小さい従
来技術のように、ボトム側に圧油が供給されるとほぼ同
時に再生弁へと圧油が導かれ再生が開始されることがな
く、切換弁にある流量が流れるまで再生開始時期を確実
に遅らせることができる。
【0024】さらにロッド側主管路の切換弁の出側の圧
力とボトム側主管路の圧力とのうち高い方の圧力を高圧
選択弁で選択し、この圧力を第4のパイロット管路で第
2の圧力室に導くことにより、切換弁前後の差圧が設定
値以上で再生弁が開いているときに瞬間的にボトム側主
管路の圧力が高くなったとしても、この高圧を閉弁方向
に作用させて再生弁を閉じ状態にする。これによって高
圧のボトム側主管路から低圧のロッド側主管路への瞬間
的な逆流を防止することができる。
【0025】また再生弁からボトム側主管路への圧油の
流れを許容し、その逆の流れを阻止する逆止弁を連絡ラ
インに設けることにより、切換弁前後の差圧が設定値以
上で再生弁が開いているときに瞬間的にボトム側主管路
の圧力が高くなったとしても、この高圧のボトム側主管
路から低圧のロッド側主管路への瞬間的な逆流を防止す
ることができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1〜図7により説
明する。本発明の第1の実施例を図1〜図5により説明
する。本実施例の油圧機械の油圧駆動回路を図1に示
す。図1において、本実施例の油圧駆動回路は、図示し
ない原動機によって駆動される可変容量型の油圧ポンプ
16と、油圧ポンプ16からの吐出油により駆動されボ
トム側受圧面積Abとロッド側受圧面積Arとの受圧面積
比Ab/Ar=2.12の油圧シリンダ2と、油圧ポンプ
16から吐出管路17を介して導かれた吐出油をボトム
側配管9若しくはロッド側配管5を介し油圧シリンダ2
に導く流量制御弁1とを有する。
【0027】流量制御弁1は、図示実施例ではパイロッ
ト油圧式の弁であり、パイロットライン19a,19b
に伝えられるパイロット圧によって制御される。パイロ
ットライン19a,19bは、油圧シリンダ2の速度及
び駆動方向を指令する操作レバー23を備えた操作装置
に接続され、この操作装置では操作レバー23の操作量
及び操作方向に応じてパイロット圧が発生し、これがパ
イロットライン19a,19bを介して流量制御弁1に
伝達され、流量制御弁1の開度及び切換方向が制御され
る。
【0028】流量制御弁1には油圧シリンダ2の負荷圧
力を検出するための負荷ライン24が接続され、この負
荷圧力は、吐出管路17に接続されたアンロード弁26
に導かれる。そしてアンロード弁26は、油圧ポンプ1
6の吐出圧力が負荷圧に対してバネにより上記ロードセ
ンシング制御の設定差圧よりも若干高い圧力になるよう
にポンプ吐出圧力を制御し、これにより、操作レバー2
3がいずれの方向にも操作されず流量制御弁1が中立位
置にありポンプ傾転角が最小傾転角に保持されるとき、
ポンプ吐出圧力を最小に保持するようにしている。
【0029】油圧ポンプ16は斜板ポンプであり、レギ
ュレータ27によってその傾転角(すなわちポンプ押し
のけ容積)が制御される。レギュレータ27は、ロード
センシング制御の傾転制御弁38と傾転駆動アクチュエ
ータ39とで構成されている。傾転制御弁38には管路
38aを介して油圧ポンプ16の吐出圧力が導かれ、傾
転減少方向の制御力が付与される一方、管路38bを介
して負荷圧力が導かれ、バネ38cとともに回転増大方
向の制御力が付与されており、これにより油圧ポンプの
吐出圧が負荷圧よりもバネ3cで設定した所定値だけ高
くなるように油圧ポンプ1の吐出流量が制御される。
【0030】また、本実施例の油圧駆動回路は、ロッド
側配管5とボトム側配管9との間に設けられた連絡ライ
ン7と、連絡ライン7に設けられかつ閉弁方向に作用す
るバネ14を備えロッド側配管5とボトム側配管9との
導通・遮断を行う再生弁28と、ロッド側配管5の連絡
ライン7との接続点Pと流量制御弁1との間に設けられ
開弁方向に作用する油圧駆動部6Aを備えた切換弁6
と、ボトム側配管9の圧力Pbを切換弁6の油圧駆動部
6Aへ導くための配管15と、再生弁28の一端に設け
られ開弁方向に作用する圧力室29と、再生弁28の他
端に設けられ閉弁方向に作用する圧力室30と、ロッド
側配管5の切換弁6の出側の圧力Pcを導く配管11
と、ボトム側配管9の圧力Pbを導く配管12と、この
圧力Pc,Pbのうち高い方の圧力を選択するシャトル弁
13と、この選択された圧力を圧力室30に導く配管3
1とを有する。
【0031】連絡ライン7の一部を構成する配管7aは
また、ロッド側配管5の圧力Prを圧力室29に導くパ
イロットラインの役割を果たし、同様に連絡ライン7の
一部を構成する配管7bはまた、ボトム側配管9の圧力
bを切換弁6の油圧駆動部6Aへ導くパイロットライ
ンの一部を構成する。
【0032】切換弁6は、油圧駆動部6Aに導入される
圧力が設定値より小さいときには、開口面積acの固定
絞り32を備えた図示左側位置に切り換えられ、ロッド
側配管5を絞り状態とする。また切換弁6は、油圧駆動
部6Aに導入される圧力が設定値以上であるときは、図
示右側位置に切り換えられてロッド側配管5を導通状態
にする。この設定値は切換弁6に備えられたバネの調整
によって定めることができる。
【0033】ロッド側配管5は、連絡ライン7との接続
点Pと上記切換弁6とを接続する配管5aと、切換弁6
と流量制御弁1とを接続する配管5bと、一端が配管5
aから分岐され他端が配管5bに接続する配管5cとを
有する。この配管5cには、流量制御弁1から油圧シリ
ンダ2のロッド側への流れのみを許容し、その逆の流れ
を阻止するチェック弁5dが設けられている。
【0034】流量制御弁1はまた、開口面積がaiであ
るメータインの可変絞り1aと、開口面積がaoである
メータアウトの可変絞り1bとを備えている。流量制御
弁1のストローク量S[mm]と可変絞り1a,1bの
開口面積ai,ao[mm2]との関係を図2に示す。図2
において、中立位置からのストローク量Sの増加につれ
て可変絞り1a,1bの開口面積ai,aoはともに大きく
なっていくが、可変絞り1bの開口面積aoは可変絞り
1aの開口面積aiよりも常に極端に小さくなってい
る。これは、例えば油圧ショベルのアーム用油圧回路に
適用するときに、図3(A)に示すような負荷力Fが駆
動力Dに抵抗する正の負荷の場合のみでなく、(B)に
示すような負荷力Fが駆動力Dに加算される負の負荷の
場合もあり、この(B)の場合に負荷が逸走するのを防
止するためである。
【0035】また、メータアウトの可変絞り1bの開口
面積aoの最大値は、切換弁6の固定絞り32の開口面
積acよりも小さくなるよう構成されている。
【0036】以上の構成において、配管7a及び圧力室
29と、配管11,31及び圧力室30とは、切換弁6
がロッド側配管5を絞り状態に切り換えているとき、切
換弁6を通過する圧油の流量が所定の流量を超えようと
すると、再生弁28を開いてロッド側配管5とボトム側
配管9とを導通させ、所定の流量を超える部分の圧油を
ロッド側配管5から連絡ライン7を介しボトム側配管9
へと供給する再生制御手段を構成する。このとき、固定
絞り32を通過する流量は、配管7a又は11,31に
より圧力室29又は30に導かれる固定絞り32前後の
差圧と一対一に対応するので、この所定の流量を、固定
絞り32の開口面積acと再生弁28のバネ14との組
み合わせを調整し所定の差圧として設定することができ
る。すなわち、上記した再生制御手段は、固定絞り32
前後の差圧がこの所定の差圧を超えようとしたとき、再
生弁28を開いてロッド側配管5とボトム側配管9とを
導通させ、固定絞り32前後の差圧を所定の差圧に保持
するように作用する。
【0037】次に、本実施例の動作を説明する。操作レ
バー23が図1に示す矢印X方向に操作されると、その
操作量に応じたパイロット圧がパイロットライン19a
に立ち、流量制御弁1は図1の左側位置に切り換えられ
る。そして油圧ポンプ16から吐出管路17、流量制御
弁1、及び配管5cのチェック弁5dを介し油圧シリン
ダ2のロッド側に圧油が供給され、また油圧シリンダ2
のボトム側の圧油はボトム側配管9、流量制御弁1を介
してタンク35に排出され、これにより、油圧シリンダ
2は通常の場合と同様にロッドを縮めるように駆動され
る。
【0038】操作レバー23が図1に示す矢印Y方向に
操作されると、その操作量に応じたパイロット圧がパイ
ロットライン19bに立ち、流量制御弁1は図1に示し
た右側位置に切り換えられる。そして油圧ポンプ16か
ら吐出管路17及び流量制御弁1を介してボトム側配管
9に流量Qpの圧油が供給され、油圧シリンダ2のロッ
ドは伸長方向に駆動される。このとき前述したように流
量制御弁1の前後差圧が一定に保持されるロードセンシ
ング制御が行われているので、この流量Qpは負荷の大
小にかかわらず操作レバー23の操作量に常に一対一に
対応している。またこのときボトム側配管9の圧力Pb
は配管7b及び配管15を介し切換弁6の油圧駆動部6
Aに導かれている。
【0039】油圧シリンダ2の負荷が大きくなく油圧駆
動部6Aへの圧力Pbが設定値より小さい場合は、切換
弁6は図示左側の絞り位置に維持され配管5aと5bと
は固定絞り32を介して接続される。この絞り状態にお
いて、操作レバー23の操作量が比較的小さく、油圧シ
リンダ2のロッド側から配管5aを介して供給され固定
絞り32を通過する流量Qrが所定の流量以下であり、
配管7a,11及び31により圧力室29,30に導かれ
る固定絞り32前後の差圧が所定の差圧以下であるとき
には、再生弁28は図示のような閉じ状態に維持され、
ロッド側配管9とボトム側配管5とは遮断され再生は行
われない。よって油圧シリンダ2のロッド側の圧油は、
すべて配管5a、固定絞り32、配管5b、流量制御弁
1を介しタンク35へと排出される。
【0040】また操作レバー23のY方向への操作量が
比較的大きくなり、油圧シリンダ2のロッド側から配管
5aを介して供給され固定絞り32を通過する流量Qr
が所定の流量を超えようとすると、配管7a,11及び
31により圧力室29,30に導かれる固定絞り32前
後の差圧が所定の差圧を超えることとなるので、再生弁
28はバネ14の力に抗して図示下方へ移動しシート部
28Aによる閉じ状態が解除されて開き状態となる。こ
れにより、ロッド側配管5とボトム側配管9とが連絡ラ
イン7の配管7a,7bを介して導通し、所定の流量を
超える部分の圧油量Qcがボトム側配管9へ供給される
ので、油圧シリンダ2へ供給される総供給流量Qb=Qp
+Qcとなり、油圧シリンダ2の増速が行われる。そし
て、所定の流量である非再生流量Qt分の圧油だけが再
生されずに固定絞り32、配管5b、流量制御弁1を介
しタンク35へと排出される。
【0041】このとき、再生弁28が開き始める所定の
差圧は、バネ14のバネ力を調整することで任意に設定
することができ、固定絞り32前後の差圧と固定絞り3
2を通過する流量Qtとの関係は、固定絞り32の開口
面積acを調整することで任意に設定できるので、結果
として、これらバネ14のバネ力と切換弁6の固定絞り
32の開口面積acとを組み合わせて調整することで、
再生が開始される所定の流量Qtを任意に設定できる。
よって、再生を行う操作レバー23の操作領域及びその
ときの増速割合を任意に設定できる。この設定の例を図
4及び図5を用いて以下詳細に説明する。
【0042】前述したように、本実施例においてはロー
ドセンシング制御が行われており、流量制御弁1のスト
ローク量Sと、流量制御弁1からの供給流量Qpとは負
荷に無関係に常に一対一に対応する。本実施例の油圧駆
動回路における流量制御弁1のストローク量Sと流量Q
pとの関係の例を図4に示す。図4において、流量制御
弁1前後の差圧ΔP=8[kg/cm2]の場合を実線
で、ΔP=3[kg/cm2]の場合を2点鎖線で示
す。いずれもS=2.5[mm]程度から圧油が流れ始
め、ストローク量の増加とともに右上がりに増加し、そ
の増加の度合い(曲線の傾き)も増加するが、フルスト
ローク(S=9[mm])近傍では増加の度合いは低下
する。
【0043】いま、実線で示した差圧ΔP=8[kg/
cm2]の場合を例に取って再生による増速を考える。
流量制御弁1のフルストローク時(Qp=165[リッ
トル/分])で例えば1.5倍の増速を行うとすると、
再生後に油圧シリンダ2に供給される総供給流量Q
b(=流量制御弁1からの供給流量Qp+再生弁28から
の再生流量Qc)が、 Qb=165×1.5 =247.5[リットル/分] となればよい。よって、再生弁28からの再生流量Qc
は、 Qc=247.5−165 =82.5[リットル/分] となればよいことになる。
【0044】一方このとき、油圧シリンダ2のロッド側
からのロッド側流量Qrは、受圧面積比Ab/Ar=2.1
2であることから、 Qr=Qb/(Ab/Ar) =247.5/2.12 =116.7[リットル/分] となるので、配管5bを介し排出される非再生流量Qt
(=ロッド側流量Qr−再生流量Qc)は、 Qt=116.7−82.5 =34.2[リットル/分] となる。よってすなわち、1.5倍の増速を行う場合に
は、非再生流量Qt=34.2[リットル/分]となるよ
うに、固定絞り32の開口面積acとバネ14のバネ定
数とを調整すればよい。このためには例えば、通過流量
が34.2[リットル/分]のときに前後差圧が10k
gとなるように固定絞り32の開口面積acを調整する
とともに、圧力室29と30との差圧(=Pr−Pc)が
10kg/cm2になると再生弁28が開弁するように
バネ14のバネ力を調整すればよい。
【0045】ここで、ロッド側流量Qrが非再生流量Qt
(=34.2[リットル/分])に等しくなって、再生
が開始されるときにおける流量制御弁1からの供給流量
pを、再生開始時の供給流量Qpcとすると、 Qpc=Qr×(Ab/Ar) =Qt×(Ab/Ar) =34.2×2.12 =72.5[リットル/分] となる。
【0046】よって、この場合、図4において、Qp
72.5[リットル/分]となるA点から再生が開始さ
れることとなり、再生開始後の総供給流量Qb(=Qp
c)は、破線(1)で示すような特性となる。そして
このとき、再生を行う再生領域は、S=0〜9[mm]
のストローク範囲のうちストローク量の比較的大きなS
Aの範囲に限定して設定されることになる。よって正確
な操作が要求される流量制御弁1の中間領域では再生が
行われず、正確さよりも速さが重視されるフル操作領域
付近でのみ再生を行うことができる。
【0047】同様に、フルストローク時で1.35倍の
増速を行う場合は、 Qb=165×1.35=222.75[リットル/分] Qc=222.75−165=57.75[リットル/
分] Qr=222.75/2.12=105.07[リットル/
分] Qt=105.07−57.75=47.1[リットル/
分] Qpc=47.1×2.12=99.9[リットル/分] となって、図4において、Qp=99.9[リットル/
分]となるB点から再生が開始され、再生開始後の総供
給流量Qb(=Qp+Qc)は、破線(2)で示すような
特性となる。そして再生領域はストローク量SBの範囲
に限定して設定されることになり、1.5倍増速時より
も再生領域をフルストローク側に限定できる。
【0048】さらに同様に、フルストローク時で1.2
倍の増速を行う場合は、 Qb=165×1.2=198[リットル/分] Qc=198−165=33.0[リットル/分] Qr=198/2.12=93.40[リットル/分] Qt=93.40−33.0=60.4[リットル/分] Qpc=60.4×2.12=128[リットル/分] となって、図4において、Qp=128[リットル/
分]となるC点から再生が開始され、再生開始後の総供
給流量Qb(=Qp+Qc)は、破線(3)で示すような
特性となる。また再生領域はストローク量SCの範囲に
限定して設定されるので、1.35倍増速時よりもさら
に再生領域をフルストローク側に限定できる。
【0049】以上の1.5倍増速、1.35倍増速、1.
2倍増速の各場合における、流量制御弁1からの供給流
量Qp、再生弁28からの再生流量Qc、再生後に油圧シ
リンダ2に供給される総供給流量Qb、フルストローク
時の増速比Qb/Qp、配管5bを介し排出される非再生
流量Qt、再生開始時の供給流量Qpcを図5に比較して
示す。
【0050】なお、前述したように、メータアウトの可
変絞り1bの開口面積aoの最大値は、切換弁6の固定
絞り32の開口面積acよりも小さくなるよう構成され
ているので、切換弁の絞りの開口面積が流量制御弁のメ
ータアウトの可変絞りの最大開口面積よりも小さい従来
技術のように、ボトム側に圧油が供給されるとほぼ同時
に再生弁へと圧油が導かれ再生が開始されることがな
く、切換弁にある流量が流れるまで再生開始時期を確実
に遅らせることができる効果がある。また、切換弁6前
後の差圧が設定値以上となって再生弁28が開き再生を
行っているとき、何らかの原因で瞬間的にボトム側配管
9の圧力Pbが高くなった場合は、この高圧Pbが配管1
2によりシャトル弁13に導かれてシャトル弁13で選
択され、配管31を介し圧力室30に導かれて再生弁2
8を強制的に閉じ状態にする。これによって高圧のボト
ム側配管9から低圧のロッド側配管5への瞬間的な逆流
を防止することができる。
【0051】一方、油圧シリンダ2の負荷が大きく、配
管7b及び配管15を介し切換弁6の油圧駆動部6Aへ
導かれる圧力Pbが設定値以上となった場合には、切換
弁6は図示右側位置に切り替わりロッド側配管5aと5
bとは導通する。よって油圧シリンダ2のロッド側の圧
油は流量制御弁1を介してタンク35へと排出され、ロ
ッド側の背圧Prを下げることができ、油圧シリンダ2
は大きくなった負荷に対してもその推力を確保すること
ができる。
【0052】また、操作レバー23がX方向にもY方向
にも操作されず、流量制御弁1が中立位置にある時に、
油圧シリンダ2のロッドが伸長される側に負荷が作用し
た場合は、ボトム側の圧力Pbが低いことから切換弁6
は図示左側位置の絞り状態のまま維持され、また、配管
5cの切換弁6の出側は流量制御弁1によってブロック
され切換弁6を通過する流量はゼロであるから、配管7
a,11及び30により圧力室29,30に導かれる固定
絞り32前後の差圧はゼロであり、再生弁28は図示の
ような閉じ状態に維持される。よって油圧シリンダ2の
ロッド側の圧油の排出路はなく、油圧シリンダ2の中立
状態は維持され、停止位置が確実に保持される。
【0053】さらに、外力等何らかの理由により油圧シ
リンダ2のロッド側圧力が異常に高くなった場合は、ロ
ッド側の圧油は固定絞り32を介し切換弁6の出側に供
給され、流量制御弁1の近くにもともと設けられている
リリーフ弁33によってタンクに排出される。またボト
ム側圧力が異常に高くなった場合は同様に設けられたリ
リーフ弁34によってタンクに排出される。よってロッ
ド側配管5、ボトム側配管9や再生弁28等の破損を防
止することができる。
【0054】以上説明したように、本実施例によれば、
油圧シリンダ2の負荷が大きくなく操作レバー23のY
方向への操作量が比較的小さい場合、再生弁28は閉じ
状態に維持されて再生は行われず、ロッド側の圧油はす
べて流量制御弁1のメータアウト通路を介しタンク35
へと排出される。操作量が比較的大きくなると、再生弁
28が開かれて再生が開始され、非再生流量Qtを超え
る再生流量Qcの圧油がロッド側配管5から連絡ライン
7を介しボトム側配管9へ供給され油圧シリンダ2の増
速が行われる。すなわち、操作レバー23の操作量に応
じて再生弁28の再生・非再生を切り換えることができ
る。よって例えば、中間領域とフル操作領域との境界で
再生・非再生を切り換えるようにすれば、中間領域にお
ける操作の正確性を確保しつつフル操作領域における増
速を行うことができる。そしてこのとき従来技術のよう
にパイロット圧を用いることがないので、流量制御弁1
のバネやスプールを変更・交換する必要がない。
【0055】また、再生弁28の閉弁方向に作用するバ
ネ14を調整して再生弁28が開き始める固定絞り32
の前後差圧の値を任意に設定するとともに、固定絞り3
2の開口面積acを調整してこの差圧と通過流量との関
係を任意に設定できるので、これらバネ14と切換弁6
の固定絞り32とを組み合わせて調整することで、再生
が開始される所定の流量(=非再生流量Qt)を任意に
設定できる。よって、再生を行う操作領域及びそのとき
の増速割合を任意に設定できる。
【0056】さらに切換弁6の出側の圧力Pcとボトム
側配管9の圧力Pbとのうち高い方の圧力をシャトル弁
13で選択し、選択した圧力を配管31で圧力室30に
導くので、高圧のボトム側配管9から低圧のロッド側配
管5への瞬間的な逆流を防止することができる。
【0057】本発明の第2の実施例を図6により説明す
る。本実施例の油圧機械の油圧駆動回路を図6に示す。
第1の実施例と同等の部材はに同一の符号を付す。図6
において、本実施例の油圧駆動回路が図1に示した第1
の実施例と異なる主要な点は、ロッド側配管5の圧力P
rを圧力室29に導くパイロットラインとして、連絡ラ
イン7の一部を構成する配管7aから分岐する配管36
を設けた点である。またこれに対応する形で、再生弁に
はシート部28Aとは別に受圧部28Bが備えられてい
る。その他の構成は第1の実施例とほぼ同様である。
【0058】このような構成により、再生時の動作は以
下のようになる。すなわち、固定絞り32前後の差圧は
配管36,11及び31により圧力室29,30に導か
れ、この差圧が所定の差圧を超えると、圧力室29から
受圧部28Bが受圧した下方への力が、圧力室30及び
バネ14からの上方への力より大きくなり、再生弁28
全体が図示下方へ移動し、シート部28Aが開き状態と
なる。これにより配管7a,7bを介して所定の流量
(=非再生流量Qt)を超える圧油量Qcがボトム側配管
9へ供給される。
【0059】本実施例によれば、第1の実施例と同様の
効果に加え、圧力Prを導くパイロットラインである配
管36と、再生圧油を導く連絡ラインである配管7aと
を別々に分離して再生弁28へ接続したたので、これら
を1つの配管で兼ねていた第1の実施例に比し再生制御
時にハンチング等が生じにくく、制御の安定性を増すこ
とができる。また配管36に絞りを設ける等の手段によ
ってこの効果は特に大きくなる。
【0060】本発明の第3の実施例を図7により説明す
る。本実施例の油圧機械の油圧駆動回路を図7に示す。
第1の実施例と同等の部材には同一の符号を付す。図7
において、本実施例の油圧駆動回路が図1に示した第1
の実施例と異なる主要な点は、ボトム側配管9の圧力P
bを切換弁6の油圧駆動部6Aへ導く配管15を、連絡
ライン7の配管7bから分岐して設け、配管7bのその
分岐点より再生弁28側に、チェック弁37を設けたこ
とである。またこれに対応して、第1の実施例における
配管12、配管31、及びシャトル弁13が省略され、
ロッド側配管5の切換弁6の出側の圧力Pcは、配管1
1によって直接圧力室30に導かれる構造となってい
る。その他の構成は第1の実施例とほぼ同様である。
【0061】本実施例によれば、第1の実施例と同様の
効果に加え、チェック弁37を設けたので、切換弁6の
固定絞り32前後の差圧が設定値以上となっていて再生
弁28が開いているときに瞬間的にボトム側配管9の圧
力Pbが高くなったとしても、この高圧のボトム側配管
9から低圧のロッド側配管5への瞬間的な逆流を防止す
ることができる。
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、油圧シリンダの負荷が
大きくなく操作手段の操作量が比較的小さい場合、再生
制御手段は再生弁を閉じ状態に維持し再生は行われず、
ロッド側主管路の圧油はすべて流量制御弁のメータアウ
ト通路を介しタンクへと排出される。操作手段の操作量
が比較的大きくなると、再生制御手段により再生弁が開
かれて再生が開始され、所定の流量を超える部分の圧油
がロッド側主管路から連絡ラインを介しボトム側主管路
へ供給され油圧シリンダの増速が行われる。すなわち、
操作手段の操作量に応じて再生弁の再生・非再生を切り
換えることができる。よって例えば、中間領域とフル操
作領域との境界で再生・非再生を切り換えるようにすれ
ば、中間領域における操作の正確性を確保しつつフル操
作領域における増速を行うことができる。そしてこのと
き従来技術のようにパイロット圧を用いることがないの
で、流量制御弁のバネやスプールを変更・交換する必要
がない。
【0063】また再生制御手段の第2のパイロット管路
で油圧シリンダのロッド側主管路の圧力を開弁方向に作
用する第1の圧力室に導き、第3のパイロット管路でロ
ッド側主管路の切換弁の出側の圧力を閉弁方向に作用す
る第2の圧力室に導くので、検出した絞り前後の差圧の
大きさに応じて再生弁を開閉させることができる。この
ときさらに、閉弁方向に作用するバネを調整して再生弁
が開き始める差圧の値を任意に設定し、切換弁の絞りを
調整してこの差圧と通過流量との関係を任意に設定でき
るので、これらバネと切換弁の絞りとを組み合わせて調
整することで、再生が開始される所定の流量を任意に設
定できる。よって、再生を行う操作領域及びそのときの
増速割合を任意に設定できる。さらにロッド側主管路の
切換弁の出側の圧力とボトム側主管路の圧力とのうち高
い方の圧力を高圧選択弁で選択し、この選択した圧力を
第4のパイロット管路で第2の圧力室に導くか、若しく
は、再生弁からボトム側主管路への圧油の流れを許容し
その逆の流れを阻止する逆止弁を連絡ラインに設けるの
で、高圧のボトム側主管路から低圧のロッド側主管路へ
の瞬間的な逆流を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による油圧機械の油圧駆
動回路を示す回路図である。
【図2】図1に示した流量制御弁におけるストローク量
と可変絞りの開口面積との関係を示す図である。
【図3】アーム用油圧回路に適用したときの正の負荷・
負の負荷を説明する図である。
【図4】再生時・非再生時における流量制御弁のストロ
ーク量Sと流量Qpとの関係を示す図である。
【図5】1.5倍増速、1.35倍増速、1.2倍増速の
各場合における各部の流量を比較して示す図である。
【図6】本発明の第2の実施例による油圧機械の油圧駆
動回路を示す回路図である。
【図7】本発明の第3の実施例による油圧機械の油圧駆
動回路を示す回路図である。
【符号の説明】
1 流量制御弁 1a メータインの可変絞り 1b メータアウトの可変絞り 2 油圧シリンダ 5 ロッド側配管(ロッド側主管路) 5a〜c 配管 6 切換弁 6A 油圧駆動部 7 連絡ライン 7a 配管 7b 配管 9 ボトム側配管(ボトム側主管路) 11 配管(第3のパイロット管路) 13 シャトル弁(高圧選択弁) 14 バネ 15 配管(第1のパイロット管路) 16 油圧ポンプ 19a,b パイロットライン(操作手段) 22 コントローラ(ポンプ制御手段) 23 操作レバー(操作手段) 27 レギュレータ(ポンプ制御手段) 28 再生弁 28A シート部 29 圧力室(第1の圧力室) 30 圧力室(第2の圧力室) 31 配管(第4のパイロット管路) 32 固定絞り 36 配管(第2のパイロット管路) 37 チェック弁 Ab ボトム側受圧面積 Ar ロッド側受圧面積 ac 切換弁の固定絞りの開口面積 ai メータインの可変絞りの開口面積 ao メータアウトの可変絞りの開口面積 Pb ボトム側配管の圧力 Pc ロッド側配管の切換弁の出側の圧力 Pr ロッド側配管の圧力 Qb 再生後に油圧シリンダに供給される総供給流量 Qc 再生弁からの再生流量 Qp 流量制御弁からの供給流量 Qpc 再生開始時の供給流量 Qt 排出される非再生流量(所定の流量)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可変容量型の油圧ポンプと、この油圧ポ
    ンプからの吐出油により駆動される油圧シリンダと、前
    記油圧ポンプからの吐出油を前記油圧シリンダに導く流
    量制御弁と、この流量制御弁のストローク量を制御する
    操作手段と、前記油圧ポンプの吐出圧力と前記油圧シリ
    ンダの負荷圧力との差圧に応じて前記油圧ポンプの押し
    のけ容積を制御するポンプ制御手段とを備えた油圧機械
    の油圧駆動回路において、 前記油圧シリンダのロッド側主管路とボトム側主管路と
    の間に設けられた連絡ライン及びその連絡ラインに設け
    られ、そのロッド側主管路とボトム側主管路との導通・
    遮断を行う再生弁と、 前記ロッド側主管路の前記連絡ラインとの接続点と前記
    流量制御弁との間に設けられ、かつ開弁方向に作用する
    油圧駆動部を有し、その油圧駆動部に導入される圧力が
    設定値より小さいときには絞りを介し前記ロッド側主管
    路を絞り状態に切り換え、前記導入される圧力が設定値
    以上のときには前記ロッド側主管路を導通状態に切り換
    える切換弁と、 前記ボトム側主管路の圧力を前記油圧駆動部へ導く第1
    のパイロット管路と、 前記切換弁が前記ロッド側主管路を絞り状態に切り換え
    ているとき、前記切換弁を通過する圧油の流量が所定の
    流量を超えようとすると、前記再生弁を開いて前記ロッ
    ド側主管路とボトム側主管路とを導通させ、前記所定の
    流量を超える部分の圧油を前記ロッド側主管路から前記
    連絡ラインを介し前記ボトム側主管路へと供給する再生
    制御手段と、を有することを特徴とする油圧機械の油圧
    駆動回路。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の油圧機械の油圧駆動回路
    において、前記再生制御手段は、前記切換弁の絞りの前
    後差圧を検出し、その差圧が所定値を超えようとすると
    前記再生弁を開き前記差圧を所定値に保持する手段であ
    ることを特徴とする油圧機械の油圧駆動回路。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の油圧機械の油圧駆動回路
    において、前記再生弁は閉弁方向に作用するバネを有
    し、前記再生制御手段は、前記再生弁の一端に設けられ
    開弁方向に作用する第1の圧力室と、前記再生弁の他端
    に設けられ閉弁方向に作用する第2の圧力室と、前記油
    圧シリンダのロッド側主管路の圧力を前記第1の圧力室
    に導く第2のパイロット管路と、前記ロッド側主管路の
    前記切換弁の出側の圧力を前記第2の圧力室に導く第3
    のパイロット管路とを有することを特徴とする油圧機械
    の油圧駆動回路。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の油圧機械の油圧駆動回路
    において、前記切換弁の絞りの開口面積は、前記流量制
    御弁のメータアウトの可変絞りの最大開口面積よりも大
    きいことを特徴とする油圧機械の油圧駆動回路。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の油圧機械の油圧駆動回路
    において、前記ロッド側主管路の前記切換弁の出側の圧
    力と前記ボトム側主管路の圧力とのうち高い方の圧力を
    選択する高圧選択弁と、その高圧選択弁で選択された圧
    力を前記第2の圧力室に導く第4のパイロット管路とを
    さらに有することを特徴とする油圧機械の油圧駆動回
    路。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の油圧機械の油圧駆動回路
    において、前記連絡ラインの前記再生弁と前記ボトム側
    主管路との間に設けられ、前記再生弁から前記ボトム側
    主管路への圧油の流れを許容し、その逆の流れを阻止す
    る逆止弁をさらに有することを特徴とする油圧機械の油
    圧駆動回路。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0867567A3 (en) * 1997-03-24 1999-03-10 Oyodo Komatsu Co., Ltd. Oil-pressure device

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EP0867567A3 (en) * 1997-03-24 1999-03-10 Oyodo Komatsu Co., Ltd. Oil-pressure device

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