JPH083950B2 - テ−プカセツト - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、ビデオテープレコーダー等の磁気記録再生
装置に使用するのに最適なテープカセットに関するもの
である。

従来の技術 従来、ビデオテープレコーダー等の磁気記録再生装置
に用いられるテープカセットには、その前面に開口部が
設けられ、上記開口部と連通してテープカセット下面に
切欠部が設けられており、テープ使用時には、上記切欠
部に上記磁気記録再生装置のテープローディングガイド
を挿入し、テープとともに上記開口部からテープカセッ
ト前面に引出すことで、テープを所定のテープ走行位置
にローディングできるようになっている。また、テープ
カセット下面の下ハーフ底面壁には左右一対のリールシ
ャフト挿入孔が設けられ、テープ使用時には上記磁気記
録再生装置のリールシャフトが上記リールシャフト挿入
孔から挿入し、テープカセット内にあるリールのリール
シャフト受穴に装着され、上記リールは上記リールシャ
フトにより回転できるようになっている。

ところで従来は、テープが不用意に上記開口部からテ
ープカセット外に露出して損傷を起こしたり塵埃等が付
着しないように、上記開口部の前面には回動自在の回動
蓋が設けられている。また、上記リールシャフト挿入孔
から、テープカセット内に収納されたリールの下フラン
ジ及びリールシャフト受穴が露出していると、容易にテ
ープカセット外からリールに触れることができるため、
リールにガタが生じ易く、リールに巻装されたテープの
端面がリールの上下テランジ等に接触して損傷を起こ
し、テープ走行時にトラッキング不良等を引き起こす原
因となっている。この点についても、公開実用新案昭60
−54277号公報に示されているように、上記回動蓋に加
えてテープカセット下面に上記切欠部および上記リール
シャフト挿入孔を一体的に覆う摺動自在の摺動蓋を設け
てカセットの密封性をさらに高め、テープの損傷や塵埃
等の付着を防止できるようにしたテープカセットが考案
されている。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら上記のような構成では、例えばビデオテ
ープレコーダ用のテープカセットのように、リールシャ
フト挿入孔がテープカセットの下面に対して比較的大き
な場合は、一つの摺動蓋だけでは十分にリールシャフト
挿入孔を開閉することはできないという問題点を有して
いた。

本発明はかかる点に鑑み、リールシャフト挿入孔がテ
ープカセットの下面に対して比較的大きな場合も、テー
プとリールとをカセット筐体内に完全に密封できるよう
な閉塞手段を持つテープカセットを提供することを目的
とする。

問題点を解決するための手段 本発明は、テープカセット前面には開口部を覆う回動
自在の回動蓋を、下ハーフ下面には切欠部を覆う摺動自
在の摺動蓋を各々備え、さらに下ハーフ底面壁に設けら
れた一対のリールシャフト挿入孔を閉塞する閉塞体を備
え、しかもその閉塞体が上記摺動蓋と連動するように構
成されたテープカセットである。

作用 本発明のテープカセットは前記した構成により、テー
プ未使用時には、下方附勢された回動蓋が上記開口部を
閉塞し、前方附勢された摺動蓋が上記切欠部を閉塞し、
この摺動蓋と連動する閉塞体が上記リールシャフト挿入
孔を閉塞した状態にあり、また、記録または再生等テー
プ使用時には、上記回動蓋を適当な回動蓋押上げ手段に
よって回動させて上記開口部を開放し、上記摺動蓋をカ
セットホルダー等に設けた突起によって摺動させて上記
切欠部を開放すると共に、上記閉塞体が上記摺動蓋と連
動して上記リールシャフト挿入孔を開放する。

実施例 以下に、本発明のテープカセットの実施例について説
明する。

第１図は本実施例のテープカセットの上側から見た分
解斜視図である。第２図はテープ未使用時における本実
施例のテープカセットのリールを除いた内部平面図
（ａ）及び底面図（ｂ）であり、テープカセット下面の
切欠部及びリールシャフト挿入孔はともに閉塞された状
態にある。同様に、第３図は記録または再生等テープ使
用時におけるテープカセットの内部平面図（ａ）及び底
面図（ｂ）であり、上記切欠部及び上記リールシャフト
挿入孔はともに開放された状態にある。

テープカセット１は、上ハーフ２と下ハーフ３から構
成される筐体であり、内部にはテープ４を巻装した左右
一対のリール5,6を収納している。このテープカセット
の前面には開口部７が、下面にはこの開口部７と連通し
て切欠部８がそれぞれ設けられ、テープ使用時には、テ
ープカセット下面から上記切欠部８に磁気記録再生装置
のテープローディングポスト（図示せず）を挿入して、
上記開口部７からテープ４をテープカセット前面に引き
出せるようにしている。また、テープカセット下面即ち
下ハーフ３の底面壁9aには、磁気記録再生装置のリール
シャフト（図示せず）をテープカセット内のリール5,6
に係合させるための左右一対のリールシャフト挿入孔1
0,11が設けられている。これらの開口部７と切欠部８お
よびリールシャフト挿入孔10,11は、テープ未使用時に
は以下に説明する回動蓋12と摺動蓋13及び一対の閉塞体
14,15によってそれぞれ覆われている。

回動蓋12は、断面がコの字型をしており、その左右両
端の側板16,17には支点ピン18,19が一体的に設けられ、
この支点ピン18,19を下ハーフ側面壁9cに設けた上端が
開放された回動蓋支持孔20,21に嵌め込み、上ハーフ２
の側面壁22bとによって挟み込むことで軸支し、上下方
向に回動できるようになっている。なお、回動蓋12のど
ちから一方の支点ピン18あるいは19にはねじりコイルバ
ネ23が巻着され、このねじりコイルバネ23により回動蓋
12は下方に回動附勢され、テープカセット前面の開口部
７を常時閉塞するようになっている。

一方、摺動蓋13は、摺動側板24,25・段付摺動部26・
摺動アーム27,28とともに一体的に成形され、一つの摺
動部材29を構成している。摺動側板24,25は、上記切欠
部８を覆う摺動蓋13の左右両端に設けられ、この摺動側
板24,25の内側に一定の長さを持つ突起部30,31を設け
て、下ハーフ側面壁9cの摺動案内溝32,33と嵌合させ
て、下ハーフ底面壁9bと同一平面内で摺動出来るように
なっている。また、摺動蓋13の中央部上側には段付摺動
部26が固着されており、下ハーフ底面壁9b中央の切欠部
８に設けた摺動案内部34と当接しながら摺動出来るよう
になっている。ここで、上記突起部30,31と上記段付摺
動部26により、摺動蓋13はテープカセットに対して上下
附勢されている。なお、下ハーフ底面壁9aおよび9bは２
段になっており、下ハーフ３下面に摺動蓋13が設けられ
てもテープカセット下面には段差のない平滑な面が構成
されるようにしてあって、磁気記録再生装置等へのテー
プカセットのスムーズな装着が可能となっている。摺動
部材29はこの段付摺動部26において、下ハーフ３下面の
切欠部８からテープカセット内に入り込んでいる。テー
プカセット内の段付摺動部26の後端には、円柱状のバネ
係止部35が一体的に設けられ、これと対向して下ハーフ
後面壁9d内側中央部にも円柱状のバネ係止部36が一体的
に設けられている。バネ係止部35あるいは36はどちから
一方が凸状を、もう一方が凹状を為しており、完全に嵌
合することで上下方向の位置を規定し、摺動部材29のテ
ープカセット後面方向へのストッパーも兼ねている。ま
た、バネ37が、両バネ係止部35,36に挿入され係止され
ており、常時切欠部８を閉塞するようにあらかじめ圧縮
されている。摺動部材29のテープカセット前面方向への
摺動附勢は、上ハーフ２と下ハーフ３とを組み合わせた
ときに、左右両摺動側板24,25の内側にある突起部30,31
の前面が、上ハーフ２前面の左右両端に設けた摺動係止
片38,39によって係止されることで行っている。このテ
ープカセット内の段付摺動部26からは左右に薄板状の摺
動アーム27,28が下ハーフ底面壁9aと平行な面内で伸び
ており、この摺動アーム27,28に設けた連動案内ピン40,
41により、閉塞体14,15と連動できるようになってい
る。

閉塞体14,15は、薄板状を為しており、テープカセッ
ト内で下ハーフ底面壁9aに設けられた回動支点ピン42,4
3に枢支され、下ハーフ底面壁9bと平行な面内で回動可
能となっている。また、この閉塞体14,15は、下ハーフ
底面壁9aと摺動アーム27,28との間に挟み込まれるよう
に構成され、連動案内溝44,45において上記摺動アーム2
7,28下面に設けられた連動案内ピン40,41と接合してお
り、摺動蓋13がテープカセット後面方向に摺動して切欠
部８を開放するにしたがい、連動案内溝44,45にて当接
した摺動アーム27,28の連動案内ピン40,41に連動して、
回動支点ピン42,43を中心に回動し、リールシャフト挿
入孔10,11を開放する。

ところで、左右両リール5,6は、下ハーフ底面壁9aに
設けられた回動支点ピン42,43とリール支持台46,47並び
に下ハーフ底面壁9bによって、摺動部材29が摺動したり
閉塞体14,15が回動したりしても摺動アーム27,28や閉塞
体14,15がリール5,6下面に接触しないように、下ハーフ
底面壁9aから適当な高さを保つように支持されている。
両リール5,6に巻装されたテープ４は、下ハーフ３左右
両端部のテープガイドピン48,49に案内されて、テープ
カセット前面の開口部７に沿ってパスを形成している。

テープ使用時には、回動蓋12の端面に形成された切欠
部50,51から、磁気記録再生装置のカセットホルダー等
（図示せず）に設けた突起を下ハーフ底面壁9bと平行に
挿入させ、摺動部材29の一端面を押圧しながら摺動部材
29を圧縮ばね37の反発力に抗して後方へと移動させテー
プカセット下面の切欠部８を開放し、さらに、適当な回
動蓋押上げ手段（図示せず）によって回動蓋12をねじり
コイルバネ23の反発力に抗して上方に回動させてテープ
カセット前面の開口部７を開放し、磁気記録再生装置の
テープローディングポストの切欠部８への挿入並びにテ
ープカセット前方へのテープ４の引出しを可能にする。
このとき、摺動部材29の摺動アーム27,28を連動して閉
塞体14,15も回動するため、リールシャフト挿入孔10,11
も開放され、磁気記録再生装置のリールシャフトをテー
プカセット内のリール5,6に装着することも可能とな
る。

逆に、テープ収納時には上記回動蓋押上げ手段を解除
させて回動蓋12をねじりコイルバネ23の抗力によって下
方に回動させて開口部７を閉塞し、上記カセットホルダ
ー等に設けた突起を解放させて摺動部材29を圧縮バネ37
の抗力によって前方に摺動させて切欠部８を閉塞する。
このとき、摺動部材29と連動して閉塞体14,15も回動し
てリールシャフト挿入孔10,11を閉塞する。

発明の効果 以上説明したように、本発明のテープカセットによれ
ば、テープカセット下面の切欠部を覆う摺動蓋とは別に
リールシャフト挿入孔を覆う閉塞体を設けたことによ
り、摺動蓋の摺動方向およびストロークと閉塞体の移動
方向およびストロークとをそれぞれ別個に考慮すること
ができるため、ビデオテープレコーダー用のテープカセ
ットのようにリールシャフト挿入孔がテープカセットの
下面に対して比較的大きな場合にも、テープ未使用時
に、テープおよびリールをカセット筐体内に完全に密封
することができ、テープに手指等で触れられたり塵埃等
が付着したりすることがなく、リールのガタによってテ
ープ端面にキズがついたりすることもなく、テープを確
実に保護することができる。また、上記閉塞体が上記摺
動蓋と連動するように構成したテープカセットであるた
め、構造が簡単で組立性に富んでおり、部品点数も少な
く低コストで実現することができ、その実用的効果は大
きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例のテープカセットの上側から
見た分解斜視図、第２図a,bはテープ未使用時における
同実施例のテープカセットのリールを除いた内部平面図
及び底面図、第３図a,bは記録または再生等テープ使用
時におけるテープカセットの内部平面図及び底面図、第
４図は従来例の底面図、第５図は従来のビデオテープレ
コーダー用のテープカセットの底面図である。 １……テープカセット、２……上ハーフ、３……下ハー
フ、４……テープ、5,6……リール、７……開口部、８
……切欠部、1,11……リールシャフト挿入孔、12……回
動蓋、13……摺動蓋、14,15……閉塞体、26……段付摺
動部、27,28……摺動アーム、38,39……摺動係止片、4
0,41……連動案内ピン、44,45……連動案内溝。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】上ハーフと下ハーフとから構成され、テー
   プを巻装した左右一対のリールを収納したテープカセッ
   トにおいて、その前面には開口部をまたその下面には上
   記開口部と連通する切欠部を各々設け、上記開口部を覆
   う回動自在の回動蓋と上記切欠部を覆い上記テープカセ
   ット下面と平行な面内で摺動する摺動蓋とを備え、さら
   に下ハーフ底面壁に設けられた左右一対のリールシャフ
   ト挿入孔を閉塞する閉塞体を備え、しかもその閉塞体が
   上記摺動蓋と連動するように構成されたことを特徴とす
   るテープカセット。