JPH0838840A - パルスジェット式集塵機用フイルタ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧縮エアーの吹込みによるフイルタの極端な
外方への脹らみを、周辺部にダストを溜めたり、摩擦に
よってフイルタを劣化させて破損させることなく、更
に、フイルタのヒダを片寄せたり反転させたりすること
なく、確実に制限する。 【構成】 フイルタ１の内部に挿入するケージ６の周囲
に一定幅の帯状に造ったベースプレート６Ｔを取付け、
このベースプレート６Ｔの表面にフイルタ１の内側面を
直接、又は、両面接着テープ８を用いて接着する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、集塵運転によってフイ
ルタに付着したダストを、フイルタの内部に圧縮エアー
を吹込んで払い落すように構成したパルスジェット式集
塵機の技術分野で利用されるものであって、具体的に
は、パルスジェット式集塵機に使用して好適なフイルタ
装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】パルスジェット式集塵機用に使用する従
来のフイルタは、図５に記載の如く、集塵機の仕切板Ｔ
にその上端取付口Ｘを取付けたフイルタＳの内部に、補
強用のケージＧが嵌込まれており、且つ、上端取付口Ｘ
の内部にはブローパイプＰから噴射されるダスト払い落
し用の圧縮エアーをフイルタＳの内部に吹込むベンチュ
リＶが取付けられていて、圧縮エアーが吹込まれた時に
はフイルタＳが図示の如く外方に勢い良く脹らむ仕組み
に成っていて、この圧縮エアーの吹込みを繰返すことに
より、その衝激によって表面に付着していたダストを払
い落すように構成されている。

【０００３】しかし、上記従来のフイルタＳの場合は、
表面に大量のダストが付着した状態で圧縮エアーを吹込
むと、フイルタＳが図示の如く大きく外方に脹らむた
め、この状態のまま伸縮を繰返すと、フイルタＳと取付
口Ｘとの接続部とか、その他各所の継目部分が劣化して
破損し、エアー漏れが発生する問題があった。

【０００４】そこで従来は、図６（或は実開昭５５−１
４７８１１号公報）に記載の如く、フイルタＳの外周を
リングＡで押さえたり、或は、バンドとかテープ等で押
さえることによって、フイルタＳが極度に外方に広がる
ことを防止して、圧縮エアーの繰返しの吹込みによって
もフイルタＳの接続部分とか継目部分が容易に破損しな
いように工夫していた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、フイルタＳの
外周にリングＡとかバンド或はテープ類を取付けた場合
は、これ等リングＡ等を取付けたフイルタＳの外周部分
にダストが付着して溜ってしまい、フイルタＳの集塵能
力を低下させたり、或は、繰返しの伸縮によってフイル
タＳとリングＡ等との間に摩擦が生じて、この摩擦部分
でフイルタＳが劣化して穴があいてしまうと云った問題
が発生していた。

【０００６】更に、フイルタＳとして濾紙を断面略星型
（プリーツ型）に折って成形した多数のヒダを有する成
形フイルタを使用し、且つ、このフイルタＳの周面を図
６の如くリングＡ等で押さえた場合には、圧縮エアーの
吹込み時にフイルタＳの各ヒダが左右に揺れたり、場合
によっては片側に寄せられたりして接着部を破損してし
まう場合があり、更に極端な場合は、フイルタＳの各ヒ
ダの山折り部と谷折り部が反転してしまって、払い落し
の都度これ等反転した山折り部と谷折り部を元の状態に
復元させる必要があって、その取扱いが非常に面倒であ
った。

【０００７】従って本発明の技術的課題は、圧縮エアー
の吹込みによるフイルタの極端な外方への脹らみを、周
辺部にダストを溜めることなく、また、摩擦によってフ
イルタを破損したり、フイルタのヒダを片寄せたり反転
させることなく、確実に制限することである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記の技術的課題を解決
するために本発明で講じた手段は以下の如くである。

【０００９】内部に補強用のケージを挿入し、上端口に
は圧縮エアー吹込み用のベンチュリを取付けたパルスジ
ェット式集塵機用のフイルタに於いて、

【００１０】（１） 上記ケージの周囲に一定幅の帯状
に形成したベースプレートを取付け、このベースプレー
トの表面にフイルタの内側面を接着固定すること。

【００１１】（２） ケージの周囲に対して、金属又は
合成樹脂を用いて一定幅の帯状に形成した複数枚のベー
スプレートをケージの長手方向に間隔をあけて取付け、
これ等各ベースプレートの表面にフイルタの内側面を夫
々接着固定すること。

【００１２】（３） ケージの周囲に取付けたベースプ
レートの表面に、両面接着テープを用いてフイルタの内
側面を接着すること。

【００１３】

【作用】上記（１），（２），（３）で述べた各手段は
以下の如く作用する。

【００１４】上記（１）で述べた手段によれば、フイル
タはその内側面をケージに取付けたベースプレート側に
接着することによって、圧縮エアー吹込時に外方への極
端な脹らみを防止する構造に成っているため、伸縮を繰
返しても摩擦が生じる部分がなく、また、周囲にダスト
が溜る部分も存在しないため、フイルタを劣化させて穴
をあけたり、或は、フイルタの集塵能力を低下させるこ
となく、フイルタの外方への極端な脹らみを確実に制限
することを可能にする。

【００１５】更に上記（１）で述べた手段によれば、フ
イルタが多数のヒダを有する成形フイルタの場合であっ
ても、各ヒダの谷折り部分がベースプレート側に接着さ
れているため、圧縮エアーが吹込まれた時に各ヒダが左
右に揺れたり片側に寄せられたりすることがなく、ま
た、各ヒダの谷折り部と山折り部で反転するようなこと
もないから、フイルタの成形状態を保持しながらダスト
を確実に払い落すことができる。

【００１６】上記（２）で述べた手段によれば、細長い
フイルタであっても、このフイルタの内側面を間隔的に
ケージのベースプレート側に接着固定するため、圧縮エ
アーの吹込み時に細長いフイルタが外方に極端に脹らむ
ことを防止する。

【００１７】上記（３）で述べた手段によれば、両面接
着テープを用いてフイルタ内側面とベースプレートとの
間の接着を行うため、フイルタの接着作業を極めて簡単
に、且つ、確実に行うことを可能にする。

【００１８】以上の如くであるから、上記の手段によっ
て上述した技術的課題を解決して、前記従来の技術の問
題点を解消することができる。

【００１９】

【実施例】以下に、上述した本発明に係るパルスジェッ
ト式集塵機用フイルタ装置の好適な実施例を添付した図
面と共に詳細に説明する。

【００２０】図１は本発明に係るフイルタを一部省略し
て示した正面図、図２はその一部断面正面図、図３は同
じく平面図、図４は図２のＸ−Ｘ線に沿った要部の拡大
断面図であって、これ等の各図面に於いて符号１で全体
的に示したのは、濾紙を断面略星型（プリーツ型）に成
形することによって、周面に多数のヒダ２…を連続形成
した成形フイルタであって、３と４はこのフイルタ１の
上下両端面に取付けたフイルタプレート、５はフイルタ
１の上端口に取付けた圧縮エアー吹込み用のベンチュ
リ、６はフイルタ１の内部に挿入した補強用のケージ、
７はこのケージ６の内部に取付けたフイルタ１の内部容
積を減少させる内部充填体を示す。

【００２１】また、上記のケージ６は図２に示すよう
に、複数本の縦杆６ａ…を複数本のリング杆６ｂ…の周
囲に溶接することによって、全体が細長い略篭状に造ら
れていて、このケージ６の周面に、ケージ６の長手方向
に間隔をあけて一定幅の帯状に形成した複数枚のベース
プレート６Ｔ…が溶接、又は、接着されている。

【００２２】８…は各ベースプレート６Ｔ…の表面に内
側面を接着した両面接着テープであって、これ等各接着
テープ８…の外側面（表面）には、図４に示すようにフ
イルタ１に形成した各ヒダ２…の谷折り部の内側面が接
着固定されるが、両面接着テープ８を使わずにフイルタ
１の内側面を直接ベースプレート６Ｔの表面に接着固定
する場合もある。

【００２３】また、上記各両面接着テープ８…の表面に
対するフイルタ１の接着方法には、各ベースプレート６
Ｔ…の表面に両面接着テープ８…を接着したケージ６を
フイルタ１の内部に挿入した後、各両面接着テープ８…
の表面に接着されている剥離テープを引き剥がしてフイ
ルタ１を押圧接着する方法と、両面接着テープ８…の剥
離テープを引き剥がした状態でケージ６をフイルタ１の
内部に挿入後、フイルタ１の外面を押してその内側面を
各テープ８…の面に接着させる方法とがあるが、その選
択は任意とする。

【００２４】また、フイルタ１の長さに対する両面接着
テープ８（ベースプレート６Ｔを含む）の使用数とその
幅は、例えば、１，０００ｍｍ長さのフイルタの場合で
３０ｍｍ幅の両面接着テープ８を２ケ所使用し、更に、
１，５００ｍｍ長さのフイルタの場合は５０ｍｍ幅の両
面接着テープ８を２ケ所使用するが、これ等はいずれも
実施の一例であって、フイルタ１の長さが更に長くなれ
ば両面接着テープ８の使用数が増加し、且つ、その幅も
広くなることは勿論であり、反対にフイルタ１の長さが
短くなった場合には、幅の狭い１枚の両面接着テープ８
を用いる場合もあるから、その選択は任意となる。

【００２５】更に、図示した実施例ではフイルタ１とし
て多数のヒダ２…を連設した成形フイルタが使用されて
いるが、本発明はバグフイルタに対しても同様に使用で
きることは勿論であって、特許請求の範囲に記載したフ
イルタには、これ等成形フイルタとバグフイルタの両方
が含まれているものとする。

【００２６】本発明に係るパルスジェット式集塵機用フ
イルタ装置は以上述べた如き構成であるから、フイルタ
１の内側面、即ち、成形フイルタの場合は各ヒダ２…の
谷折り部の内側面を、ケージ６に取付けたベースプレー
ト６Ｔの表面に直接、又は、両面接着テープ８を用いて
接着しているため、圧縮エアーの吹込み時、即ち、ダス
トの払い落し時にフイルタ１が極端に外方に脹らむこと
を制限することができ、また、フイルタ１はその内側面
をベースプレート６Ｔ側に接着固定されている関係で、
フイルタ１が伸縮を繰返しても摩擦が生じる部分がな
く、従って、摩擦によるフイルタ１の劣化及び穿孔の問
題を解決することができる。

【００２７】加えて、フイルタ１はその内側面をベース
プレート６Ｔ側に接着するだけで、接着部分の外側面は
平面状に成っているため、この部分にダストが溜る心配
がなく、従って、ダストの堆積による集塵能力低下の問
題も解決することができる。

【００２８】また、使用するフイルタ１が多数のヒダ２
…を有する成形フイルタである場合は、各ヒダ２…の内
側面がベースプレート６Ｔ側に接着されている関係で、
圧縮エアーの吹込み時に各ヒダ２…が揺れたり、片側に
寄ったりすることがなく、更に、各ヒダ２…の山折り部
と谷折り部とが反転してしまうようなこともないから、
フイルタ１の成形状態を常に正常な状態に維持しなが
ら、ダストを払い落すことができる。

【００２９】

【発明の効果】以上述べた次第で、本発明に係るパルス
ジェット式集塵機用フイルタ装置によれば、圧縮エアー
の吹込み時、即ち、パルスジェットによるダストの払い
落し時に、フイルタが圧縮エアーの圧力によって必要以
上に変形及び摩擦することを制限するため、フイルタの
無駄な劣化を防止して寿命を長くすることができ、且
つ、ダストの不要な堆積も防止してフイルタの能力低下
を防止できる利点を発揮できるものであって、パルスジ
ェット式集塵機用の成形フイルタ或はバグフイルタに実
施して洵に好適なものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るパルスジェット式集塵機用フイル
タ装置の一部を省略して示した正面図である。

【図２】図１に示したフイルタ装置の一部断面正面図で
ある。

【図３】同じく図１に示したフイルタ装置の平面図であ
る。

【図４】図２のＸ−Ｘ線に沿った要部の拡大断面図であ
る。

【図５】従来のフイルタ装置の構成図である。

【図６】リングによってフイルタの脹らみを制限してい
る状態を説明した従来のフイルタ装置の構成図である。

【符号の説明】

１ フイルタ ２ ヒダ ５ ベンチュリ ６ ケージ ６Ｔ ベースプレート ８ 両面接着テープ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内部に補強用のケージを挿入し、上端口
   には圧縮エアー吹込み用のベンチュリを取付けたパルス
   ジェット式集塵機用のフイルタに於いて、 上記ケージの周囲に一定幅の帯状に形成したベースプレ
   ートを取付け、このベースプレートの表面にフイルタの
   内側面を接着固定したことを特徴とするパルスジェット
   式集塵機用フイルタ装置。
2. 【請求項２】 ケージの周囲に対して、金属又は合成樹
   脂を用いて一定幅の帯状に形成した複数枚のベースプレ
   ートをケージの長手方向に間隔をあけて取付け、これ等
   各ベースプレートの表面にフイルタの内側面を夫々接着
   固定したことを特徴とする請求項１記載のパルスジェッ
   ト式集塵機用フイルタ装置。
3. 【請求項３】 ケージの周囲に取付けたベースプレート
   の表面に、両面接着テープを用いてフイルタの内側面を
   接着したことを特徴とする請求項１又は２記載のパルス
   ジェット式集塵機用フイルタ装置。