JPH08385Y2 - ジャカード機の選針装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案はジャカード機の選針装置の改良に関する。

（従来の技術） ジャカード機では横針を織柄情報に基づいて選択的に
押動することにより、横針に連動する縦針を制御し、織
柄に対応した開口（ひ口）を形成するようにしている。

第３図において、１はジャカード２に取り付けた選針
機構、３は選針機構１内の移動枠（図示せず）に配設し
たソレノイドを織機４とのタイミングを取りながら織柄
情報に基づいて選択的にON−OFF制御するコントロー
ラ、５はコントローラ３への各種の指示を出すためのス
イッチを備える操作ボックスを示す。

そして、選針機構１内の移動枠は連結ロッド６を介し
てジャカードレバー７に接続され、織機４の回転に同期
して往復動し、往き工程でソレノイドにより選択した横
針を押動する。なお、横針には縦針が係止され、横針の
動きによって選択的にナイフと係合する。８は織機４の
エキセンで、選針機構１を動かすだけでなく、ジャカー
ド２のナイフを上下動させる役目も果たす。

（考案が解決しようとする課題） ところで、このようなジャカード機ではエキセン８に
よりストロークを調節しているが、エキセン８に作動中
の摩耗などでガタが発生するとストロークが変動する
し、また通糸９の伸びに応じてジャッキドボルト10を調
節して高さを合わせたり、ナイフの動きと選針機構のタ
イミングを織物の種類によって調整したりするときにエ
キセンストロークが変わってしまうこともあり、エキセ
ンストロークが変わると選針機構１の必要ストロークも
変わってしまうため、選針ミスを発生したり、はなはだ
しい場合には選針機構を破壊するという問題点があっ
た。

（課題を解決するための手段） この考案はこのような問題点を解決するため、固定フ
レームに形成したガイド孔の範囲で横針のストローク方
向へ摺動自由な移動枠を備え、織機の回転に同期して揺
動するジャカードレバーにより連結ロッドを介して移動
枠を動かし、ソレノイドで選択した横針を押動するよう
にしたジャカード機の選針装置において、連結ロッドに
ジャカードレバーの余分なストロークを吸収する伸縮機
構を介装すると共に、移動枠の初期位置を規制するスト
ッパを位置調整可能に設ける。

（作用） 織機のエキセンストロークが変わっても連結ロッドの
伸縮機構によりジャカードレバーの余分なストロークは
吸収される。またストッパの位置を調整することにより
横針の押動ストロークを一定に保つことができる。

（実施例） 第１、２図において、１は固定フレーム1Aに形成した
ガイド孔11の範囲で横針のストローク方向へ摺動自由な
移動枠を備える選針機構、７は織機の回転に同期して揺
動するジャカードレバー、６は選針機構１の移動枠とジ
ャカードレバー７を接続する連結ロッドを示す。

連結ロッド６には余分なエキセンストロークを吸収す
る伸縮機構として、選針機構１側とジャカードレバー７
側のそれぞれにシリンダ部12、13が形成され、シリンダ
部12、13の開口部に螺合したネジ14、15の軸孔を摺動自
由に貫通するロッド部16、17が設けられ、ロッド部16は
スプリング18により引き込み方向に、ロッド部17はスプ
リング19により伸び出し方向にそれぞれ付勢される。

また、20は選針機構１の移動枠の初期位置を規制する
ストッパで、固定フレーム1Aに設けたブラケット21のナ
ット22にアジャストスクリュ23を介して移動枠のストロ
ーク方向へ進退可能に取り付けられる。

このように構成すると、連結ロッド６は織機の回転に
同期して揺動するジャカードレバー７の往き工程でガイ
ド孔11の一端に突き当たってさらに引っぱられると、ロ
ッド部17がスプリング19を圧縮してシリンダ部13から伸
び出し、また同じく帰り工程でストッパ20に突き当たっ
てさらに押されると、ロッド部16がスプリング18を圧縮
してシリンダ部12内に侵入するので、余分なエキセンス
トロークを吸収できる。

また、エキセンストロークが選針機構１の必要ストロ
ークより小さい場合でストッパ20により、移動枠の初期
位置を調整すれば、横針の押動ストロークを一定に保つ
ことが可能となる。

その結果、織機のエキセンストロークが変わっても選
針機構１の必要ストロークを常に一定に保持することが
できるため、安定した良好な選針性能が得られ、エキセ
ンのストローク調整も容易となる。

（考案の効果） 以上要するにこの考案によれば、固定フレームに形成
したガイド孔の範囲で横針のストローク方向へ摺動自由
な移動枠を備え、織機の回転に同期して揺動するジャカ
ードレバーにより連結ロッドを介して移動枠を動かし、
ソレノイドで選択した横針を押動するようにしたジャカ
ード機を選針装置において、連結ロッドにジャカードレ
バーの余分なストロークを吸収する伸縮機構を介装する
と共に、移動枠の初期位置を規制するストッパを位置調
整可能に設けたので、織機のエキセンストロークが変わ
っても選針機構の必要ストロークを常に一定に保持する
ことができ、選針性能の向上などが図れるという効果が
得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例を示す要部断面図、第２図は
その側面図、第３図は従来技術を説明するジャカード機
の概略構成図である。 １……選針機構、６……連結ロッド、７……ジャカード
レバー、11……ガイド孔、12、13……シリンダ部、16、
17……ロッド部、18、19……スプリング、20……ストッ
パ、23……アジャストスクリュ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】固定フレームに形成したガイド孔の範囲で
   横針のストローク方向へ摺動自由な移動枠を備え、織機
   の回転に同期して揺動するジャカードレバーにより連結
   ロッドを介して移動枠を動かし、ソレノイドで選択した
   横針を押動するようにしたジャカード機の選針装置にお
   いて、連結ロッドにジャカードレバーの余分なストロー
   クを吸収する伸縮機構を介装すると共に、移動枠の初期
   位置を規制するストッパを位置調整可能に設けたことを
   特徴とするジャカード機の選針装置。