JPH0838483A - 消化管臓器の検査方法 - Google Patents
消化管臓器の検査方法Info
- Publication number
- JPH0838483A JPH0838483A JP6193777A JP19377794A JPH0838483A JP H0838483 A JPH0838483 A JP H0838483A JP 6193777 A JP6193777 A JP 6193777A JP 19377794 A JP19377794 A JP 19377794A JP H0838483 A JPH0838483 A JP H0838483A
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- JP
- Japan
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- carrier
- alimentary canal
- digestive tract
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Abstract
(57)【要約】
【構成】被検者にバリウムを飲ませ、排泄されたバリウ
ムを含む便から消化器臓器由来の組織片、細胞、組織か
らの分泌物および腸内細菌を分離し、検査に供する。 【効果】内視鏡が到達し得ない部分の消化管の組織片や
細胞を、ほとんど変性することなく、分離可能な状態で
得ることができる。このため、高度な技術や特別な施設
を必要とせず、かつ外科的な手術を施すことなく、消化
管臓器由来の組織片や細胞を非侵襲的に採集し、検査を
行なうことが可能となる。
ムを含む便から消化器臓器由来の組織片、細胞、組織か
らの分泌物および腸内細菌を分離し、検査に供する。 【効果】内視鏡が到達し得ない部分の消化管の組織片や
細胞を、ほとんど変性することなく、分離可能な状態で
得ることができる。このため、高度な技術や特別な施設
を必要とせず、かつ外科的な手術を施すことなく、消化
管臓器由来の組織片や細胞を非侵襲的に採集し、検査を
行なうことが可能となる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、外科的手術を行なう
ことなく、非侵襲的に消化管臓器を検査する方法に関す
る。
ことなく、非侵襲的に消化管臓器を検査する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、胃や腸などの消化管臓器の検査
は、X線造影、内視鏡検査、超音波エコー、検便もしく
は血液検査等を複合的に組み合わせて行なわれている
(消化器疾患 - state of arts I.胃・腸、別冊 医
学のあゆみ、医歯薬出版(株))。
は、X線造影、内視鏡検査、超音波エコー、検便もしく
は血液検査等を複合的に組み合わせて行なわれている
(消化器疾患 - state of arts I.胃・腸、別冊 医
学のあゆみ、医歯薬出版(株))。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、体表面
の検査とは異なり、消化管の組織の一部もしくはその分
泌物を採取して検査する場合には、検便および内視鏡を
用いた組織の採取に頼らざるを得ないのが実情である。
の検査とは異なり、消化管の組織の一部もしくはその分
泌物を採取して検査する場合には、検便および内視鏡を
用いた組織の採取に頼らざるを得ないのが実情である。
【0004】このうち、検便では、自然排泄または浣腸
により便を回収することができるものの、消化管より剥
離した組織片、細胞もしくは組織からの分泌物は、繁殖
した腸内細菌や消化されずに残った食物の滓にまみれ、
また消化作用も受けており、検査用の検体として用いる
ことはできない。さらに、従来の細胞診に見られるよう
に、浣腸後に細胞の剥離を促進するため腹壁をマッサー
ジする必要があるなど被検者側の負担や作業上の手間も
大きくなる。
により便を回収することができるものの、消化管より剥
離した組織片、細胞もしくは組織からの分泌物は、繁殖
した腸内細菌や消化されずに残った食物の滓にまみれ、
また消化作用も受けており、検査用の検体として用いる
ことはできない。さらに、従来の細胞診に見られるよう
に、浣腸後に細胞の剥離を促進するため腹壁をマッサー
ジする必要があるなど被検者側の負担や作業上の手間も
大きくなる。
【0005】また、内視鏡による組織の採取には高度の
技術が必要とされ、従来医師のみが行ない得る方法であ
った。さらに、内視鏡の到達範囲は、上部からは十二指
腸まで、下部からは大腸までに限られており、十二指腸
と大腸の間に存在する消化管の組織は内視鏡では採取す
ることができない。その上、検体毎に内視鏡を入念に殺
菌・消毒しなければならないなどの手間がかかる。
技術が必要とされ、従来医師のみが行ない得る方法であ
った。さらに、内視鏡の到達範囲は、上部からは十二指
腸まで、下部からは大腸までに限られており、十二指腸
と大腸の間に存在する消化管の組織は内視鏡では採取す
ることができない。その上、検体毎に内視鏡を入念に殺
菌・消毒しなければならないなどの手間がかかる。
【0006】このような理由から、内視鏡が到達し得な
い部分については、超音波で撮像しながらの穿刺か、も
しくは実際に開腹する以外に細胞を採取する方法は知ら
れていない。しかしながら、この方法は被検者に苦痛を
もたらすだけではなく、病原体による感染等の危険をも
伴う。
い部分については、超音波で撮像しながらの穿刺か、も
しくは実際に開腹する以外に細胞を採取する方法は知ら
れていない。しかしながら、この方法は被検者に苦痛を
もたらすだけではなく、病原体による感染等の危険をも
伴う。
【0007】したがって、この発明は、高度な技術を必
要とせず、かつ外科的な手術を施すことなく、非侵襲的
に消化管臓器を検査することが可能な方法を提供するこ
とを目的とする。
要とせず、かつ外科的な手術を施すことなく、非侵襲的
に消化管臓器を検査することが可能な方法を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記事情に
鑑み、鋭意研究の結果、消化吸収され難い物質または腸
管洗浄剤のような液体を被検者の消化管を通過させるこ
とにより、消化管の組織や細胞が強い消化作用を受ける
ことなく、容易に分離可能な状態で排出されることを見
出し、この発明を完成するに至った。すなわち、この発
明による消化管臓器の検査方法は、被検体に、無害で消
化吸収され難く、かつ通常の細胞と区別し得る物性を有
する担体を経口摂取させ、被検者によって排泄される担
体を含む排泄物を回収し、回収された排泄物から消化管
内物質を分離し、並びに分離された消化管内物質を検査
することを特徴とする。
鑑み、鋭意研究の結果、消化吸収され難い物質または腸
管洗浄剤のような液体を被検者の消化管を通過させるこ
とにより、消化管の組織や細胞が強い消化作用を受ける
ことなく、容易に分離可能な状態で排出されることを見
出し、この発明を完成するに至った。すなわち、この発
明による消化管臓器の検査方法は、被検体に、無害で消
化吸収され難く、かつ通常の細胞と区別し得る物性を有
する担体を経口摂取させ、被検者によって排泄される担
体を含む排泄物を回収し、回収された排泄物から消化管
内物質を分離し、並びに分離された消化管内物質を検査
することを特徴とする。
【0009】以下、この発明を詳細に説明する。
【0010】この明細書において、「消化管内物質」と
は、通常消化管内部に存在する、消化管臓器より剥離し
た消化管臓器由来の組織片や細胞、消化管組織からの分
泌物のような可溶性成分、腸内細菌のような微生物など
を指す。
は、通常消化管内部に存在する、消化管臓器より剥離し
た消化管臓器由来の組織片や細胞、消化管組織からの分
泌物のような可溶性成分、腸内細菌のような微生物など
を指す。
【0011】また、「被検体」とは、消化管を有するあ
らゆる動物を意味し、具体的にはヒトや、愛玩用ペッ
ト、家畜用動物または研究用動物としての各種哺乳類、
爬虫類、鳥類、魚類等を挙げることができる。
らゆる動物を意味し、具体的にはヒトや、愛玩用ペッ
ト、家畜用動物または研究用動物としての各種哺乳類、
爬虫類、鳥類、魚類等を挙げることができる。
【0012】この発明の消化管臓器の検査方法において
は、まず、被検者に担体を経口摂取させる。この際、検
査日当日の朝食など事前の食事は控えることが好ましい
が、X線像影とは異なり強制されるものではない。事前
に平常通り飲食したとしても細胞等の回収が不可能にな
ることはない。必要であれば、栄養補給または水分補給
の際に飲食物と混ぜたり、適宜希釈して体内に自然に導
入してもよい。ただし、この発明の検査方法は造影撮影
等の他の検査を併用することが可能であるが、その場合
には、併用する検査の都合上食事が制限されることもあ
り得る。
は、まず、被検者に担体を経口摂取させる。この際、検
査日当日の朝食など事前の食事は控えることが好ましい
が、X線像影とは異なり強制されるものではない。事前
に平常通り飲食したとしても細胞等の回収が不可能にな
ることはない。必要であれば、栄養補給または水分補給
の際に飲食物と混ぜたり、適宜希釈して体内に自然に導
入してもよい。ただし、この発明の検査方法は造影撮影
等の他の検査を併用することが可能であるが、その場合
には、併用する検査の都合上食事が制限されることもあ
り得る。
【0013】この発明による検査方法に用いられる担体
は、ヒト等の被検体の口から消化管の中に入れ、消化管
内を通過して排泄されたものを回収するものであるた
め、細胞毒性がなく、かつ容易に消化吸収されないもの
でなければならない。また、回収後に行なわれる担体と
担体中に含まれる消化管内物質との分離を容易にするた
めに、担体は形状、比重等の物性が通常の細胞と大きく
異なり、容易に区別し得るものであることが好ましい。
このような物質の例としては、高比重の固形物、例えば
X線間接撮影用のバリウム、水酸化アルミニウム、架橋
化アガロースやセルロース等のクロマトグラフ用担体、
ポリエチレングリコールやシリコン等の合成ポリマー、
ミネラルオイル、単分散性磁性粒子、前記合成ポリマー
と浸透圧調整用の適宜電解質との混合液からなる経口腸
管洗浄液を挙げることができる。
は、ヒト等の被検体の口から消化管の中に入れ、消化管
内を通過して排泄されたものを回収するものであるた
め、細胞毒性がなく、かつ容易に消化吸収されないもの
でなければならない。また、回収後に行なわれる担体と
担体中に含まれる消化管内物質との分離を容易にするた
めに、担体は形状、比重等の物性が通常の細胞と大きく
異なり、容易に区別し得るものであることが好ましい。
このような物質の例としては、高比重の固形物、例えば
X線間接撮影用のバリウム、水酸化アルミニウム、架橋
化アガロースやセルロース等のクロマトグラフ用担体、
ポリエチレングリコールやシリコン等の合成ポリマー、
ミネラルオイル、単分散性磁性粒子、前記合成ポリマー
と浸透圧調整用の適宜電解質との混合液からなる経口腸
管洗浄液を挙げることができる。
【0014】また、測定対象に対して新和性の物質を担
体とすることにより、測定対象を担体表面に吸着させた
状態で得ることも可能である。このような担体の例とし
ては、ハイドロキシアパタイト、DEAEやカルボキシ
メチル(CM)基を導入したクロマトグラフ用担体を挙
げることができ、さらに、消化管内でのプロテアーゼに
よる分解が生じないように適宜インヒビターを結合させ
た状態の分泌型IgA、特にSIgAを結合させてなる
任意のアフィニティクロマトグラフ用担体も有効に利用
することができる。
体とすることにより、測定対象を担体表面に吸着させた
状態で得ることも可能である。このような担体の例とし
ては、ハイドロキシアパタイト、DEAEやカルボキシ
メチル(CM)基を導入したクロマトグラフ用担体を挙
げることができ、さらに、消化管内でのプロテアーゼに
よる分解が生じないように適宜インヒビターを結合させ
た状態の分泌型IgA、特にSIgAを結合させてなる
任意のアフィニティクロマトグラフ用担体も有効に利用
することができる。
【0015】経口摂取させた担体は、自然に任せて、あ
るいは適度の下剤を用いて排泄させ、この担体を含む排
泄物、すなわち便を回収する。担体を下剤と併せて経口
摂取させた場合には、便の回収を早めることができ、特
に愛玩用ペットや家畜としての動物からの便回収の手間
を軽減する。
るいは適度の下剤を用いて排泄させ、この担体を含む排
泄物、すなわち便を回収する。担体を下剤と併せて経口
摂取させた場合には、便の回収を早めることができ、特
に愛玩用ペットや家畜としての動物からの便回収の手間
を軽減する。
【0016】便を回収した後、回収した便から消化管内
物質、例えば消化管由来の臓器の組織片や細胞、可溶性
画分、腸内細菌を分離する。この分離は、濾過、遠心分
離、自然沈降、クロマトグラフィー、電気泳動、向流分
配、遠沈、アルコール沈殿、透析などの生化学分野にお
いて通常用いられるいかなる方法をも用いることができ
る。
物質、例えば消化管由来の臓器の組織片や細胞、可溶性
画分、腸内細菌を分離する。この分離は、濾過、遠心分
離、自然沈降、クロマトグラフィー、電気泳動、向流分
配、遠沈、アルコール沈殿、透析などの生化学分野にお
いて通常用いられるいかなる方法をも用いることができ
る。
【0017】このようにして得られた消化管内物質を検
体として、組織培養、細胞診、遺伝子検査、微生物検
査、免疫検査、生化学ウイルス検査等の種々の検査を行
なう。具体的には、消化管のガン検診等を遺伝子検査に
より行なうことができる。また、従来の糞便を用いる方
法と比較してより高濃度の菌体希釈液を得ることが可能
であるため、腸内細菌の分離同定も容易に行なうことが
できる。さらに、可溶性画分には消化管組織の表面から
分泌された物質が含まれるため、便潜血検査のサンプル
として用いることができ、あるいはガンマーカーの分析
を同時に行なうこともできる。特に、担体として分泌型
IgAを結合させてなるアフィニティークロマトグラフ
用担体を用いた場合には、消化管内でのプロテアーゼに
よる分解が起こらず、消化管内から効率よくガンマーカ
ーを回収することができる。
体として、組織培養、細胞診、遺伝子検査、微生物検
査、免疫検査、生化学ウイルス検査等の種々の検査を行
なう。具体的には、消化管のガン検診等を遺伝子検査に
より行なうことができる。また、従来の糞便を用いる方
法と比較してより高濃度の菌体希釈液を得ることが可能
であるため、腸内細菌の分離同定も容易に行なうことが
できる。さらに、可溶性画分には消化管組織の表面から
分泌された物質が含まれるため、便潜血検査のサンプル
として用いることができ、あるいはガンマーカーの分析
を同時に行なうこともできる。特に、担体として分泌型
IgAを結合させてなるアフィニティークロマトグラフ
用担体を用いた場合には、消化管内でのプロテアーゼに
よる分解が起こらず、消化管内から効率よくガンマーカ
ーを回収することができる。
【0018】
【実施例】担体としてX線間接撮影用の炭酸入りバリウ
ムであるバリトップ 200(カイゲン社製)約 100mlを
被検者に空腹時に飲ませ、下剤を用いずに自然排泄され
た白色の便(バリウム便)を回収した。このバリウムの
比重は4.25〜 4.5と細胞に比べて非常に高く、粒子の大
きさも異なるため、この発明の検査方法に用いられる担
体として非常に適している。このバリウム便を顕微鏡下
で観察したところ、図1に示すようにバリウム中に細胞
等が混入した状態を呈しており、大多数が約0.2〜 0.5
μmのコロイド粒子で、その中に10μm程度の大きめの
粒子が散在していた。バリウムの組成には大きな変化は
なく、多少粘り気が少なくなった感じがするのみであ
る。なお、バリウムの量は50ml〜 500mlの範囲が実
用範囲であり、量に比例して回収量も増えるが、被検体
の負担も増すため、負担のない程度、例えば 300ml以
下が好ましい。比較のために、被検者に飲ませる前のバ
リウムの顕微鏡写真を図2に示す。
ムであるバリトップ 200(カイゲン社製)約 100mlを
被検者に空腹時に飲ませ、下剤を用いずに自然排泄され
た白色の便(バリウム便)を回収した。このバリウムの
比重は4.25〜 4.5と細胞に比べて非常に高く、粒子の大
きさも異なるため、この発明の検査方法に用いられる担
体として非常に適している。このバリウム便を顕微鏡下
で観察したところ、図1に示すようにバリウム中に細胞
等が混入した状態を呈しており、大多数が約0.2〜 0.5
μmのコロイド粒子で、その中に10μm程度の大きめの
粒子が散在していた。バリウムの組成には大きな変化は
なく、多少粘り気が少なくなった感じがするのみであ
る。なお、バリウムの量は50ml〜 500mlの範囲が実
用範囲であり、量に比例して回収量も増えるが、被検体
の負担も増すため、負担のない程度、例えば 300ml以
下が好ましい。比較のために、被検者に飲ませる前のバ
リウムの顕微鏡写真を図2に示す。
【0019】このバリウム便を、最初に生理食塩水で10
倍に希釈して懸濁させ、次いで 1分間静置して大きな混
入物を沈殿させた。その後、上清を Whatman Ashless 4
3 フィルターで濾過し、フィルター通過成分と通過しな
い大サイズ成分とに分離した。次に、これらの両者の各
々を、20%、25%および30%に調整した Ficolを予め重
層した試験管の上から静かに入れてさらに重層し、 160
Gで15分間遠心した。この際、Ficol による分離は、比
重が 1.1以上かもしくは 1.0以下のいずれかであれば、
細胞との区別が容易になる。
倍に希釈して懸濁させ、次いで 1分間静置して大きな混
入物を沈殿させた。その後、上清を Whatman Ashless 4
3 フィルターで濾過し、フィルター通過成分と通過しな
い大サイズ成分とに分離した。次に、これらの両者の各
々を、20%、25%および30%に調整した Ficolを予め重
層した試験管の上から静かに入れてさらに重層し、 160
Gで15分間遠心した。この際、Ficol による分離は、比
重が 1.1以上かもしくは 1.0以下のいずれかであれば、
細胞との区別が容易になる。
【0020】その結果、バリウムはその高い比重のため
に Ficolの 20 - 30%の部分に移動し、その他の成分は
Ficolの上部に沈殿するか、もしくは上清中に止まっ
た。図3は、フィルターを通過した濾液を加えた試験管
を遠心し、Ficol 上部に沈殿した沈殿物をピペットで吸
い上げたものの顕微鏡写真( 200×)である。この部分
では上皮性の細胞が観察される。図4は、フィルター上
に残留したものを Ficolで分画し、15% Ficol画分から
得られた組織片を示す顕微鏡写真(10×)である。図5
は、遠心上清をさらに強遠心(3000rpm×10分)した
結果得られた沈殿物の顕微鏡写真である。ここでは多く
の菌体が観察される。
に Ficolの 20 - 30%の部分に移動し、その他の成分は
Ficolの上部に沈殿するか、もしくは上清中に止まっ
た。図3は、フィルターを通過した濾液を加えた試験管
を遠心し、Ficol 上部に沈殿した沈殿物をピペットで吸
い上げたものの顕微鏡写真( 200×)である。この部分
では上皮性の細胞が観察される。図4は、フィルター上
に残留したものを Ficolで分画し、15% Ficol画分から
得られた組織片を示す顕微鏡写真(10×)である。図5
は、遠心上清をさらに強遠心(3000rpm×10分)した
結果得られた沈殿物の顕微鏡写真である。ここでは多く
の菌体が観察される。
【0021】これらのサンプルは、図からも明らかなよ
うにほとんど変性しておらず、かつ十分精製されてお
り、組織培養、細胞診、遺伝子検査、微生物検査、免疫
検査、生化学ウイルス検査等に供するに適したものであ
る。ちなみに、この発明においては、硫酸バリウム等の
生体物質に対して親和性が比較的低いものが担体として
使用されるので、例えサンプル中に担体が混入していた
としても、EIAやCLIAのような発色反応や発光反
応による測定を行なうに当って反応や測定を妨げること
はない。
うにほとんど変性しておらず、かつ十分精製されてお
り、組織培養、細胞診、遺伝子検査、微生物検査、免疫
検査、生化学ウイルス検査等に供するに適したものであ
る。ちなみに、この発明においては、硫酸バリウム等の
生体物質に対して親和性が比較的低いものが担体として
使用されるので、例えサンプル中に担体が混入していた
としても、EIAやCLIAのような発色反応や発光反
応による測定を行なうに当って反応や測定を妨げること
はない。
【0022】
【発明の効果】消化管内物質、すなわち、消化管より剥
離した組織片や細胞は、本来、強い消化作用を受けて変
性し、また腸内細菌や食物の滓にまみれてしまい検査用
の検体としては不適当であるが、消化され難い物質を消
化管に入れることにより、ほとんど変性せずに、かつ容
易に分離可能な状態で排泄される。したがって、この発
明の検査方法によると、担体を被検者に経口摂取させ、
その排泄物を回収するという高度な技術や特別な施設を
必要としない簡便な操作で、外科的な手術を施すことな
く、消化管臓器由来の組織片や細胞を非侵襲的に採集
し、検査を行なうことが可能となる。
離した組織片や細胞は、本来、強い消化作用を受けて変
性し、また腸内細菌や食物の滓にまみれてしまい検査用
の検体としては不適当であるが、消化され難い物質を消
化管に入れることにより、ほとんど変性せずに、かつ容
易に分離可能な状態で排泄される。したがって、この発
明の検査方法によると、担体を被検者に経口摂取させ、
その排泄物を回収するという高度な技術や特別な施設を
必要としない簡便な操作で、外科的な手術を施すことな
く、消化管臓器由来の組織片や細胞を非侵襲的に採集
し、検査を行なうことが可能となる。
【図1】X線間接撮影用バリウムを飲ませた被検者から
回収したバリウム便の状態を示す顕微鏡写真。
回収したバリウム便の状態を示す顕微鏡写真。
【図2】被検者に飲ませる前のバリウムの状態を示す顕
微鏡写真。
微鏡写真。
【図3】この発明の実施例において、Whatman Ashless
43フィルターを通過した濾液より得られた細胞画分を示
す顕微鏡写真。
43フィルターを通過した濾液より得られた細胞画分を示
す顕微鏡写真。
【図4】この発明の実施例において、Whatman Ashless
43フィルター上に残留したものの15% Ficol画分より得
られた組織片を示す顕微鏡写真。
43フィルター上に残留したものの15% Ficol画分より得
られた組織片を示す顕微鏡写真。
【図5】この発明の実施例において、遠心上清をさらに
強遠心することにより得られた沈殿物の顕微鏡写真。
強遠心することにより得られた沈殿物の顕微鏡写真。
Claims (4)
- 【請求項1】被検体に、無害で消化吸収され難く、かつ
通常の細胞と区別し得る物性を有する担体を経口摂取さ
せ、該被検者によって排泄される該担体を含む排泄物を
回収し、回収された排泄物から消化管内物質を分離し、
並びに分離された消化管内物質を検査する消化管臓器の
検査方法。 - 【請求項2】前記担体が、高比重の固形物またはポリマ
ーと電解質混合液とからなる経口腸管洗浄剤である請求
項1記載の方法。 - 【請求項3】前記分離を、濾過、遠心分離、自然沈降、
クロマトグラフィー、電気泳動、向流分配、遠沈、アル
コール沈殿または透析により行なう請求項1記載の方
法。 - 【請求項4】前記消化管内物質が、消化管臓器由来の組
織片、細胞もしくは可溶性成分、または腸内細菌である
請求項1記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6193777A JPH0838483A (ja) | 1994-07-27 | 1994-07-27 | 消化管臓器の検査方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6193777A JPH0838483A (ja) | 1994-07-27 | 1994-07-27 | 消化管臓器の検査方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0838483A true JPH0838483A (ja) | 1996-02-13 |
Family
ID=16313637
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6193777A Withdrawn JPH0838483A (ja) | 1994-07-27 | 1994-07-27 | 消化管臓器の検査方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0838483A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003515552A (ja) * | 1999-12-03 | 2003-05-07 | サイメディカ リミテッド | 口から服用可能な薬剤製品及びその製造方法 |
US6983983B2 (en) | 2003-10-17 | 2006-01-10 | Hyundai Motor Company | High roof structure of a vehicle |
-
1994
- 1994-07-27 JP JP6193777A patent/JPH0838483A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003515552A (ja) * | 1999-12-03 | 2003-05-07 | サイメディカ リミテッド | 口から服用可能な薬剤製品及びその製造方法 |
US6983983B2 (en) | 2003-10-17 | 2006-01-10 | Hyundai Motor Company | High roof structure of a vehicle |
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