JPH0838334A - ハンガー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 未使用時におけるハンガーをコンパクトにし
てその格納スペースを小さいものにするとともに、支持
する衣類の形状に応じてハンガー幅を調節可能にする。 【構成】 ハンガーを所定の係合具に垂下させるための
係止部材１と、この係止部材１の下方に連結される垂下
部材３と、垂下部材３に設けられる一対の軸部４、４
と、この一対の軸部４、４の軸方向と所定の角度Ｃを有
してそれぞれ一端を軸部４、４に滑動可能に連結される
一対のハンガー腕６、６と、を備えて形成し、前記一対
の軸部４、４は、一対のハンガー腕６、６を回動させた
際、一対のハンガー腕６、６がハ字形状と略平行状態と
になる所定の角度Ｓに設定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は衣類を掛け止めるため
のハンガーに関し、詳しくは衣類の形状に応じてハンガ
ー幅が調節可能であるとともに未使用時にはコンパクト
になるハンガーに関するものである。

【０００２】

【発明の背景】衣類（上着）を型くずれすることがない
ように掛け止めておくために従来より図７に示すハンガ
ーが使用されている。このハンガーは、ハンガーを所定
の係合具に垂下させるための係止部材１と、この係止部
材１の下端に設けられ、衣類（上着）の肩部の内側に接
するハ字形状の腕部２と、を備えて構成されている。こ
のハンガーは、衣類に対して無理な圧力を与えることな
く衣類を自然な状態で掛け止めることができるので、例
えばタンス内等で衣類を長期間保存するのに適してい
る。

【０００３】また、ハンガーは衣類を身に着けた状態と
ほぼ同様の形状にすることができるので、衣類の全体的
なデザインの確認を明確にする等の利点もあり洋服販売
店においても多く使用されている。そして、このハンガ
ーは、衣類を掛け止める際、衣類の内側に適度の空隙、
すなわち空気の流動経路を形成した状態で掛け止めるこ
とができるので洗濯後の衣類を乾かす場合に使用される
ことも多い。

【０００４】しかしながらこの従来のハンガーには次に
挙げるような問題がある。すなわち、ハンガーは使用時
においては上述のように衣類を適正に支持することが可
能であるが、未使用時においては左右に突出する腕部２
により格納スペースを多く必要とするという不都合が生
じる。特に、未使用のハンガーが複数個ある場合これら
ハンガーはかさばって非常に邪魔であり、例えばタンス
内に複数の未使用のハンガーを格納した場合において
は、他の衣服の取り出し作業の妨げになることがある。

【０００５】また、図８（ａ）に示すように首まわりに
形成される首孔部Ｎが頭部を通す程度の小さな形状を有
する衣服、あるいは同図（ｂ）に示すように２、３個の
ボタンが設けられ首孔部Ｎが僅かにしかに開くことので
きない衣類等をハンガーにより掛け止めるのは困難な作
業を余儀なくされる。すなわち、これら首孔部Ｎの形状
の小さい衣類を従来のハンガーに掛け止める場合には、
図９に示すように首孔部Ｎから斜めにしたハンガーを衣
服内へ無理に押し込むようにするか、あるいは衣類の下
方からハンガーを差し入れるようにしなければならずそ
の作業は困難な作業を余儀なくされる。そして首孔部Ｎ
からハンガーを差し入れる場合、この首孔部Ｎを強く広
げなければならないことも多く、衣類の形状を変化させ
てしまう等の不都合が生じることもある。

【０００６】また衣類は、子供用、婦人用、紳士用等、
その大きさはまちまちであるが、例えば子供用の衣類を
一般の紳士用のハンガーで支持させる場合のように、無
理に形状の異なるハンガーを使用することでそのハンガ
ーにより衣類を変形させてしまうこともある。

【０００７】

【発明の概要】この発明に係るハンガーは、ハンガーを
所定の係合具に垂下させるための係止部材と、この係止
部材の下方に連結される垂下部材と、垂下部材に設けら
れる一対の軸部と、前記一対の軸部の軸方向と所定の角
度を有してそれぞれ一端を軸部に滑動可能に連結される
一対のハンガー腕と、を備えて構成し、前記一対の軸部
は、一対のハンガー腕を回動させた際、一対のハンガー
がハ字状態と略平行状態とになる所定の角度に設定す
る。そして、前記垂下部材に設けられる一対の軸部は、
軸方向にそれぞれのハンガー腕を滑動可能に支持するよ
うに構成して、上記従来の課題を解決しようとするもの
である。

【０００８】

【実施例】図面にもとづいてこの発明の実施例を説明す
る。図１ないし図５はこの発明に係るハンガーの第１実
施例を示す図である。図１において１はハンガーをタン
ス内に設置されたパイプ部材等の係合部に垂下させるた
めの係止部材としてのフックである。そして３は、フッ
ク１の下方端に連結される垂下部材であり、この垂下部
材３はフック１によりハンガーを所定の係合部に垂下さ
せた際、傾くことなく垂直状態に垂下されるようになっ
ている。

【０００９】一方、４は前記垂下部材３の下方に垂下部
材３と一体に形成される軸部であり、この軸部４は図に
示すように左右に一対設けられていて、所定の角度Ｓを
有し先端に向かうに従い上方に向かうＶ字状に形成され
ている。そして、６は前記一対の軸部４、４にそれぞれ
軸支される一対のハンガー腕であり、このハンガー腕
６、６は、軸部４、４に滑動可能に支持される支持部材
７を備えていて、この支持部材７により軸部４を中心に
回転可能であるとともの、軸部４の軸方向にスライド可
能となっている。なお、一対の軸部４にはそれぞれ軸方
向に沿って凹凸面４ａが形成されていて、支持部材７を
間欠的にスライドさせるとともに支持部材７を適宜の位
置で係止させることができるようになっている。また、
一対の軸部４の先端にはそれぞれストッパーが設けられ
ていて支持部材７が軸部材４から抜けてしまうことがな
いようになっている。

【００１０】そして、前記ハンガー腕６は、図に示すよ
うに軸部４の軸方向と所定の角度Ｃを有して支持部材７
に設けられている。なお、図２はハンガー腕６を示す平
面図であり、ハンガー腕６は図に示すように平坦な当接
面６ａを備えていて、この当接面６ａは先端に向かうに
したがい幅が広がる形状をなしていて衣類に無理な力を
与えることなく衣類を適正に支持することができるよう
になっている。

【００１１】以上の構成からなるハンガーは、ハンガー
腕６を回動させることにより、図３の点線で示すように
一対のハンター腕６をハ字形状、すなわち衣類を支持可
能な形状するすることができるとともに、図３の実線で
示すように一対のハンガー腕６を略平行状態にしてハン
ガー幅を縮小することができ、ハンガーの未使用時にお
けるハンガーの格納スペースを小さいものにすることが
できる。

【００１２】そして、このハンガーにより首孔部Ｎが小
さい衣類を支持させる場合には図４に示すよにまず一対
のハンガー腕６、６を略平行となる状態に回動させ、こ
のハンガーを首孔部Ｎから衣類内に挿入し、次いで衣類
内で垂下部３を回動させて一対のハンガー腕６、６をハ
字状態となるようにすれば良い。すなわち、このハンガ
ーにより首孔部Ｎの小さい衣類を支持させる場合におい
ては、首孔部Ｎを無理に広げる必要はないので、衣類を
変形させることなく容易に支持することが可能である。

【００１３】一方、一対のハンガー腕６、６は、支持部
材７によって軸部４にスライド可能に支持されているの
で、図５に示すようにハンガー腕６を軸部４の軸方向に
スライドさせれば、ハンガーの幅を自在に調節すること
が可能である。これにより、例えば子供用の衣類を支持
させる場合には一対のハンガー腕６、６をそれぞれ内側
方向に向けてスライドさせてハンガー幅を小さくすれば
良く、また大人用の衣類を支持させる場合には一対のハ
ンガー腕６、６をそれぞれ外側方向に向けてスライドさ
せてハンガー幅を大きくすれば良く、このハンガーは種
々の衣類の形状に応じて適正なハンガー幅を容易に得る
ことが可能である。

【００１４】一方、図６はこの発明の第２実施例を示す
図である。次に図６によりこのハンガーを説明する。な
お上述のハンガーと同一箇所には同一符号を付して重複
説明は省略する。図６に示すハンガーは、垂下部材３に
設けられる一対の軸部４は所定の角度を有し、先端に向
かうにしたがい下方に向かう逆Ｖ時形状をなしている。
そして、一対のハンガー腕６、６は、軸部４の軸方向と
所定の角度を有して軸部４に支持部材７を介して滑動可
能に連結されている。

【００１５】このハンガーも上述のハンガーと同様に軸
部４を中心にしてハンガー腕６を回動させることで一対
のハンガー腕６、６をハ字形状および略平行状態にする
ことができ、未使用時のハンガーをコンパクトにするこ
とができるとともに首孔部の小さい衣類の支持を容易な
ものにすることができる。またハンガー腕６を軸部４の
軸方向にスライドさせることでハンガーの幅を種々の形
状の衣類に応じて容易に調節することができ、衣類を変
形させることなく適正に支持することが可能である。

【００１６】なお、この実施例ではハンガーを所定の係
合部に垂下させるための係止部材をフックにより構成し
た例を示したが、例えばこの係止部材を開閉自在な一対
の腕部と、この一対の腕部を常には閉状態に付勢するバ
ネ体と、を備えた挟持手段により構成しても良い。

【００１７】また、この実施例では係止部材と垂下部材
とを一体に形成されたハンガーを例に示したが、係止部
材と垂下部材との両者を回動可能に連結してハンガーを
構成しても良い。

【００１８】

【発明の効果】この発明に係るハンガーは、以上説明し
たようにハンガーを所定の係合具に垂下させるための係
止部材と、この係止部材の下方に連結される垂下部材
と、垂下部材に設けられる一対の軸部と、前記一対の軸
部の軸方向と所定の角度を有してそれぞれ一端を軸部に
滑動可能に連結される一対のハンガー腕と、を備えて構
成し、前記一対の軸部は、一対のハンガー腕を回動させ
た際、一対のハンガーがハ字状態と略平行状態とになる
所定の角度に設定するとともに前記一対の軸部は、軸方
向にそれぞれのハンガー腕を滑動可能に支持するように
構成したので、未使用時におけるハンガーを格納スペー
スをあまり必要としないコンパクトな形状することが可
能である。また、首孔部が小さい衣類においても、ハン
ガーをコンパクトな形状にして衣類に差し入れ、衣類内
においてハンガー腕を支持可能な状態に広げるようにす
れば首孔部を無理に広げてしまうことはなく衣類を適正
に支持することが可能となる。そして一対のハンガー腕
を軸部の軸方向にスライドさせることによりハンガー幅
を衣類の形状に応じて容易に調節することができるの
で、衣類を変形させてしまうことなく適正に支持するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係るハンガーの第１実施例を示す正
面図である。

【図２】図１に示したハンガーのハンガー腕を示す平面
図である。

【図３】図１に示したハンガーのハンガー腕を回動させ
てハンガーをコンパクトにした状態を示す説明図であ
る。

【図４】図１に示したハンガーにより、首孔部の小さい
衣類を支持する際のハンガーの衣類への差し入れ状態を
示す説明図である。

【図５】図１に示したハンガーのハンガー腕をスライド
させてハンガー幅を調節する作用を示す説明図である。

【図６】この発明に係るハンガーの第２実施例を示す作
用説明図である。

【図７】従来のハンガーを示す正面図である。

【図８】首孔部の形状の小さい衣類を示す正面図であ
る。

【図９】図７に示した従来のハンガーにより首孔部の小
さい衣類を支持させる際の作用を示す説明図である。

【符号の説明】

１ 係止部材（フック） ３ 垂下部材 ４ 軸部 ６ ハンガー腕

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ハンガーを所定の係合具に垂下させるた
   めの係止部材と、 この係止部材の下方に連結される垂下部材と、 垂下部材に設けられる一対の軸部と、 前記一対の軸部の軸方向と所定の角度を有してそれぞれ
   一端を軸部に滑動可能に連結される一対のハンガー腕
   と、 を備えて構成し、 前記一対の軸部は、一対のハンガー腕を回動させた際、
   一対のハンガーがハ字状態と略平行状態とになる所定の
   角度に設定したことを特徴とするハンガー。
2. 【請求項２】 前記垂下部材に設けられる一対の軸部
   は、軸方向にそれぞれのハンガー腕を滑動可能に支持す
   るように構成したことを特徴とする請求項１記載のハン
   ガー。