JPH0837695A - 超音波探触子 - Google Patents

超音波探触子

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Publication number
JPH0837695A
JPH0837695A JP6172593A JP17259394A JPH0837695A JP H0837695 A JPH0837695 A JP H0837695A JP 6172593 A JP6172593 A JP 6172593A JP 17259394 A JP17259394 A JP 17259394A JP H0837695 A JPH0837695 A JP H0837695A
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JP
Japan
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ultrasonic
sound
ultrasonic probe
sound field
electrode
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP6172593A
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English (en)
Inventor
Akiko Mizunuma
明子 水沼
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
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  • Transducers For Ultrasonic Waves (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
  • Ultra Sonic Daignosis Equipment (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 焦点深度が深く、しかも焦点でのビーム径が
細い超音波を送受でき、広範囲に亘って鮮明な超音波画
像を、より簡単な観測装置によって得られる超音波探触
子を提供する。 【構成】 電気音響変換を行う第1の超音波振動部を有
し、収束音場の焦点面上で音圧分布の第1極小を干渉効
果によって発生させるように形成した第1の収束型トラ
ンスジューサ(15, 21, 22, 23)と、電気音響変換を行う
第2の超音波振動部を有し、収束音場の焦点面上で音圧
分布の第1極小を回折効果によって発生させるように形
成した第2の収束型トランスジューサ(15, 21, 22, 24)
とを有し、第1の収束型トランスジューサおよび第2の
収束型トランスジューサを、両者の音圧分布の極大方向
の少なくとも一つの方向が一致するように配置したこと
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、被検体に超音波を送
波し、反射した超音波を受波して、被検体の内部構造を
映像化するのに用いる超音波探触子に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来の超音波探触子として、例えば、図
15に示すようなものがある。この超音波探触子は、一
枚の圧電素子1を超音波の送受波用として用いるもの
で、圧電素子1は、圧電体2およびその両面に設けられ
た電極3a,3bをもって構成されている。この圧電素
子1は、中空の導電性のハウジング4の内周側に設けら
れた中空の絶縁層5の一端部に装着され、その一方の電
極3b側には、収束音場を形成する音響レンズ6が、他
方の電極3a側には、超音波を吸収するダンパ層7が設
けられている。送受信用の同軸ケーブル8は、その心線
が電極3aに電気的に接続され、シールド線がハウジン
グ4に接続され、このハウジング4と電極3bとがリー
ド線9を介して電気的に接続されている。
【0003】また、他の超音波探触子として、例えば、
特開平1−270499号公報には、圧電体の一方の面
に共通電極を、他方の面に送信用および受信用の電極を
独立して設けた圧電素子を用いるものが開示されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】超音波探触子を用い
て、鮮明なBモードの超音波画像を広範囲に亘って得る
ためには、焦点深度が深く、ビーム径の細い超音波ビー
ムを広範囲に亘って送受信する必要がある。
【0005】しかしながら、図15に示した超音波探触
子においては、単一の圧電素子1を送受波用に用いてい
るため、鮮明な超音波画像を得ることが困難になるとい
う問題がある。。以下、この点について、さらに詳細に
説明する。
【0006】図15に示した超音波探触子において、超
音波の放射面または受波面を、単純な円形開口Aとした
場合の収束音場を、UA (r,z) とする。ここで、r,z
は、焦点を原点とする円筒座標で、zは、音波の進行方
向を正の向きに取ってある。焦点面上での音圧分布UA
(r,0) は、焦点距離f、開口Aの半径d、超音波の波長
λとすると、
【数1】UA (r,0) =UA (0,0) |J1((2π/λ)(d/f)
r)/((2 π/λ)(d/f)r)| となる。ここで、J1(x)は、1次のベッセル関数であ
る。J1(x)/xの第1零点は、x=1.220πの位置
にあるので、回折像UA (r,0) の第1極小は、
【数2】 rA =0.61λf/d (1) を半径とする円を形成する。
【0007】また、軸上の音圧分布UA (0,z) は、
【数3】UA (0,z) =UA (0,0) |sin ((1/4)(2π/
λ)(d/f)2z) /((2π/λ)(d/f)2z) | となり、sin(x)/xの第1零点は、x=πの位置にある
ので、軸上の第1極小の位置は、
【数4】 zA =2λ(f/d)2 (2) となる。
【0008】以上のことから、回折効果のみで、焦点面
上の分解能を上げるには、(1)式から、f/d を小さく
して、rA を小さくすれば良いが、このようにf/d を小
さくすると、(2)式から、その2乗でzA が小さくな
って、分解能の改善効果以上に、焦点深度が浅くなって
しまう。
【0009】このため、単純な円形開口を有するだけの
超音波探触子では、超音波ビームを焦点で細くしようと
すると、焦点が探触子に近づき、かつ焦点深度が浅くな
り、また、焦点深度を深くしようとすると、焦点での超
音波ビームが太く、かつ焦点が探触子から遠くなって、
広範囲に亘って鮮明な超音波画像を得ることが困難にな
る。
【0010】また、特開平1−270499号公報に開
示されている超音波探触子は、同公報に記載されている
ように、例えば車両用の障害物検知装置に用いるもので
あるため、使用される超音波の周波数が、一般にkHz
のオーダーと低い。このような低周波の超音波を送受波
する超音波探触子においては、圧電素子の超音波の波長
に対する寸法が小さくなるため、圧電素子は、ほぼ点音
源と見なされる。したがって、圧電素子の送信部と受信
部との形状差による指向特性の差異がなく、焦点深度が
深く、かつ超音波ビームの細い送受波音場特性が得られ
ないため、広範囲に亘って鮮明な超音波画像を得ること
ができないという問題がある。
【0011】一方、超音波診断装置として、多数の圧電
素子の励振時刻に時間差を与えることにより、その時間
差の大きさによって焦点位置を制御するようにした電子
フォーカス方式の超音波診断装置が実用化されている。
かかる超音波診断装置に用いられる超音波探触子として
は、例えば、多数の長方形圧電素子を直線状に配列した
リニアアレイや、扇形状に配列したコンベックスアレイ
型のものがある。また、体腔内から管腔状臓器をラジア
ル走査して観察するために、多数の圧電素子を円筒状に
配列した電子フォーカス型ラジアルプローブも提案され
ている。
【0012】また、多数の環状素子を有するアニュラア
レイを用い、このアニュラアレイを機械的に回転させな
がら、電子フォーカス方式によりアニュラアレイの励振
時刻に時間差を与えて、焦点距離を変化させるようにし
た超音波診断装置も提案されている。
【0013】しかしながら、上述したように多数の圧電
素子を有する超音波探触子を用い、電子フォーカス方式
により焦点位置を制御する超音波診断装置にあっては、
圧電素子の駆動に時間差を与えたり、受信信号を合成す
るために、多数の駆動電圧発生回路、これらを所定の時
間差をもって作動させるための回路、各圧電素子での受
信信号を増幅する回路や、各増幅回路からの信号を所定
の時間差分ずらして合成する回路等を有する複雑な観測
装置が必要となる。また、多数の圧電素子に配線する必
要があるため、小型化が要求される体腔内超音波探触子
として使用するのが困難となる。
【0014】さらに、ある特定の位置に超音波をフォー
カスすることはできるが、そのフォーカス位置の前後で
は超音波音場が広がっているため、超音波画像がぼやけ
るという問題もある。この問題を解決する方法として、
多くの位置にフォーカスさせながら、それぞれの超音波
画像を得、各超音波画像中の所望のフォーカス位置近傍
の画像を合成して1枚の超音波画像を生成することが提
案されている。
【0015】しかし、この場合には、例えば、3枚の画
像を合成して1枚の超音波画像を得ようとすると、単位
時間当たりに取得可能な画像数、すなわちフレームレー
トが1/3に低下してしまう。このため、観察中の生体
の動き等の影響を受けて、むしろ超音波画像が不鮮明に
なり、リアルタイム性が重要である臨床的な応用には実
用的でなくなる。また、画像合成を行うため、観測装置
の構成が複雑になると共に、超音波探触子において多数
の配線を要することから、体腔内超音波探触子として適
用するのが困難になる。
【0016】この発明は、上述した従来の問題点に着目
してなされたもので、焦点深度が深く、しかも焦点での
ビーム径が細い超音波を送受でき、広範囲に亘って鮮明
な超音波画像を、より簡単な観測装置によって得られる
よう適切に構成した超音波探触子を提供することを目的
とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明の超音波探触子は、電気音響変換を行う第
1の超音波振動部を有し、収束音場の焦点面上で音圧分
布の第1極小を干渉効果によって発生させるように形成
した第1の収束型トランスジューサと、電気音響変換を
行う第2の超音波振動部を有し、収束音場の焦点面上で
音圧分布の第1極小を回折効果によって発生させるよう
に形成した第2の収束型トランスジューサとを有し、前
記第1の収束型トランスジューサおよび第2の収束型ト
ランスジューサを、両者の音圧分布の極大方向の少なく
とも一つの方向が一致するように配置したことを特徴と
するものである。
【0018】
【作用】この発明において、第1の収束型トランスジュ
ーサは、例えば、中央部が遮蔽された円環形状の開口
(以下、中央遮蔽開口Bと称する)を有するように構成
することができる。この場合の分解能、サイドローブの
抑圧および焦点深度について、以下に説明する。
【0019】(1)分解能 簡単のため、2次元として説明する。図1は、2重のス
リットを通過した後、レンズLによって収束される音場
を幾何光学的に示したものである。スリットO1,O2
は、それぞれ開口幅2dを有し、距離2hだけ離れて設
けられている。レンズLは、焦点距離fを有し、その軸
(z軸)は、スリットO1,O2の中央を通るように配
置されている。スリットO1,O2が、中央遮蔽開口B
を構成し、レンズLが収束音場を与える。
【0020】この場合、焦点面上での音圧分布UB (r,
0) は、波動光学的な解析により、
【数5】 UB (r,0) =UB (0,0) {(sinα)/α} cosδexp j(ωt-φ+ δ) (3) で与えられる(福田他訳「ロッシ 光学上」237頁、
丸善、1967)。
【0021】(3)式の指数因子は、超音波の周波数ω
で音圧が振動するのを示している。この振動は、振幅検
波することによって除けるので、これを無視すると、
(3)式に現れるパラメータは、次のようになる。
【数6】 α=(2π/λ)(d/f)r (4) δ=(2π/λ)h sinθ 特に、δは、O1−Pに至る音線1と、O2−Pに至る
音線2とのPにおける位相差の1/2なる意味を有して
いる。
【0022】(3)式の第1因子は、幅2dの開口によ
る焦点面上での回折像を与えるもので、回折項と呼ばれ
る。また、第2因子は、2h離れて設けられている2つ
のスリットO1,O2からの回折波が干渉することによ
って生じるもので、干渉項と呼ばれる。
【0023】一般に、干渉効果および回折効果が観測で
きるのは、焦点の近傍であるから、rはfに比べて小さ
いと考えられる。このとき、 sinθは、r/fにほぼ等
しくなるので、
【数7】 δ=(2π/λ)(h/f)r (5) と表すことができる。
【0024】回折項と干渉項の第1極小位置rBd,rBi
は、それぞれ(3)式から、
【数8】 (2π/λ)(d/f)rBd=π →rBd= (1/2)λf/d (6a) (2π/λ)(h/f)rBi=π/2 →rBi= (1/4)λf/h (6b) となる。
【0025】すなわち、スリットO1,O2の間隔2h
が、スリット幅2dの0.5倍以上であれば、常に、r
Bi<rBdとなるので、分解能の決定においては、回折項
よりも干渉項のほうが支配的になることがわかる。
【0026】次に、同一の焦点距離f、同一の開口の外
寸法2aを有する、図2(A)に示す単純な円形開口A
のものと、図2(B)に示す中央遮蔽開口Bのものと
が、焦点面上で生成する音圧分布について、中央遮蔽開
口Bのほうが、高い分解能を与える条件を求める。
【0027】(6a)式より、単純な円形開口Aについ
ての第1極小rA1は、 rA1= (1/2)λf/a である。同様に、(6b)式より中央遮蔽開口Bについ
ての第1極小rB1は、 rB1= (1/4)λf/(a-d) である。したがって、中央遮蔽開口Bのほうが高い分解
能を与える条件は、rB1<rA1から、 2d<a となる。
【0028】つまり、中央遮蔽の径を小さくしていけ
ば、分解能は低下し、中央遮蔽がなくなると、回折効果
と同じ分解能になる。また、d→0において、中央遮蔽
開口Bは最高分解能を与え、同じ外寸法を有する単純な
円形開口Aの回折効果による分解能の2倍の改善を図る
ことができる。
【0029】(2)サイドローブの抑制 前項で示したように、外寸法が同じ条件のもとでは、干
渉効果のほうが回折効果よも高い分解能を与える。しか
し、干渉効果は同時にサイドローブ(副極大)の増大を
招く。ここで、単純な円形開口Aによる第1副極大は、
【数9】UA (r,0) =UA (0,0) |(sinα)/α| の極大を求めることにより得られる。この第1副極大
は、概ね、α=(3/2) πの位置に現れ、その振幅は、U
A (0,0) =1とするとき、UA =0.22、すなわち、
−13dBとかなり小さいものである。
【0030】一方、中央遮蔽開口Bによる第1副極大
は、
【数10】UB (r,0) =UB (0,0) |{(sinα)/α} c
osδ| の極大を求めることにより得られる。例えば、図2
(B)において、a=4dとすると、干渉項の極大は、
δ=πの位置に現れる。
【0031】対応する焦点面上の位置RB を得るため
に、(5)式に、h=a−d=3dを代入すると、
【数11】(2π/λ)(3d/f)RB =π
→RB =λf/6d となり、このときの回折項の大きさは、
【数12】 α=(2π/λ)(d/f)RB =(2π/λ)(d/f)(λf/6d) =(1/3)π から、
【数13】 |(sinα)/α|=(3/π) sin{(1/3)π} =0.83 となる。このことから、主極大(メイローブ)の80%
(−1.6dB)以上の振幅を有する大きなサイドロー
ブが発生することがわかる。
【0032】これらのサイドローブは、画質を劣化させ
るため、抑圧する必要がある。ここで、超音波探触子の
総合感度は、送信感度と受信感度との積で決まるので、
単純な円形開口Aのものを第2の収束型トランスジュー
サとして、これと中央遮蔽開口Bの第1の収束型トラン
スジューサとを、両者の音圧分布の極大方向の少なくと
も一つの方向が一致するように配置して、サイドローブ
の小さい第2の収束型トランスジューサを送信に、第1
の収束型トランスジューサを受信に用い、あるいはそれ
らの送受信の関係を逆にして用いれば、サイドローブを
有効に抑圧することが可能となる。
【0033】(3)焦点深度 中央遮蔽開口Bが、回転対称な形状を有するものとし
て、波動光学的な解析を行うと、軸上の音圧分布U
B (0,z) は、
【数14】 となる(久保田広、「波動光学」、322 頁、岩波、197
1)。
【0034】これによると、軸上の第1極小の位置zB
は、
【数15】 zB =2λ(f/d)2/ (1-(a-2d)2/a2) (7) となり、上記(2)式の単純な円形開口Aの第1極小の
位置と比較すると、(1-(a-2d)2/a2) -1倍だけ、焦点深
度が深くなっていることがわかる。例えば、a=4dの
とき、この因子は、4/3倍となる。このことから、中
央遮蔽開口Bのものを用いれば、単純な円形開口Aのも
のを用いる場合に比べて、常に深い焦点深度が得られる
ことになる。
【0035】このように、中央遮蔽開口による干渉効果
を利用することにより、分解能および焦点深度を同時に
向上させることが可能となり、また、単純な円形開口の
ものと組み合わせることで、干渉効果によって発生する
サイドローブも抑圧することが可能となる。なお、この
ような効果は、有限開口のフラウンホーファー領域でも
得られるものであるが、この場合には、開口に対して極
めて遠方でしか実現できないため、超音波の減衰、吸収
を考慮すると実用的でない。したがって、上記の効果を
有効に達成するため、この発明では、収束音場を発生す
ることが必須要件となる。
【0036】図3〜5は、以上の原理に基づいて、シミ
ュレーションを行った結果を示すものである。図3は、
第1の収束型トランスジューサを送信用とした場合の超
音波の送信音場特性を示すもので、音軸上に一様に細い
高音圧領域があるが、音軸に対して45°の方向にサイ
ドローブが発生している。図4は、第2の収束型トラン
スジューサを受信用とした場合の超音波の受信音場特性
を示すもので、サイドローブはないが、焦点でも高音圧
領域が太く、しかも焦点の前後では、高音圧領域が更に
太くなっている。図5は、第1,第2の収束型トランス
ジューサを、それらの音圧分布の極大方向を一致して配
置した場合に、図3の送信音場と図4の受信音場との積
で表される超音波探触子の送受信総合音場特性を示すも
ので、サイドローブは発生せず、しかも音軸上に一様に
細い音場特性が得られる。
【0037】このように、シミュレーションの結果は、
上述した説明と一致している。したがって、この発明に
よれば、図5に示すような送受信総合音場をもつ超音波
探触子を得ることができるので、広い範囲に亘って鮮明
な超音波画像を得ることが可能となり、これにより超音
波診断能を向上させることが可能となる。
【0038】なお、第1の収束型トランスジューサは、
周辺部から強い超音波を発生するよう構成すればよく、
例えば、音響レンズの後側に、送信用の円板型トランス
ジューサと、受信用の円板型トランスジューサとを離間
して配置しても同等の作用効果を得ることができる。こ
の場合、送信用トランスジューサは、音響レンズの後焦
点面が、送信用トランスジューサのフレネル長(久保田
広、前掲書、298 頁)以下の位置に、好ましくはフレネ
ル長の1/2以下の適当な位置に存在するように配置す
る。このように配置すれば、音響レンズの後焦点面に入
射する音圧は、距離によっては、軸上で小さく、周辺で
大きくなり、音響レンズは実質的に中央遮蔽開口を有す
ることになるので、分解能および焦点深度を同時に改善
することが可能となる。また、受信用トランスジューサ
は、サイドローブを抑圧するために、音響レンズの後焦
点面が、受信用トランスジューサのフレネル長以上の位
置に存在するように配置する。
【0039】以上のように、この発明では、干渉効果お
よび回折効果を利用して、分解能および焦点深度を同時
に改善すると共に、不所望な方向の音圧の極大を抑圧す
る。したがって、第1,第2の収束型トランスジューサ
は、それらの主極大方向を一致させる配置に限らず、例
えば、図3に示した第1の収束型トランスジューサの1
つの副極大方向が、第2の収束型トランスジューサの主
極大方向と一致するように配置することも可能である。
【0040】
【実施例】図6は、この発明による超音波探触子の第1
実施例を示す断面図である。この超音波探触子11は、
中空の導電性のハウジング12、中空の絶縁層13、圧
電素子14、音響レンズ15、ダンパ層16、送信用同
軸ケーブル17および受信用同軸ケーブル18を有す
る。絶縁層13は、ハウジング12の内周面に設け、こ
の絶縁層13の一端部に圧電素子14を保持する。圧電
素子14は、この実施例では、高分子材料からなる円盤
状の圧電体21の一方の面に、円形状の共通電極22を
設け、他方の面には、図7に平面図をも示すように、リ
ング状の電極23と、円形状の電極24とを同心円状に
設けて、中心周波数が7.5MHzの超音波を送受波し
得るよう構成する。なお、電極23の外形は、例えば1
1mm、電極24の外形は、例えば5.8mm、電極2
3と電極24との間隙は、例えば0.3mmとする。
【0041】圧電素子14は、共通電極22側が超音波
の送受波面となるように、絶縁層13の一端部に保持
し、その共通電極22側に音響レンズ15を、他方の電
極23,電極24側に、超音波を吸収するダンパ層16
を設ける。共通電極22は、リード線25を介してハウ
ジング12に電気的に接続し、このハウジング12に、
送信用同軸ケーブル17および受信用同軸ケーブル18
のそれぞれのシールド線を電気的に接続する。また、送
信用同軸ケーブル17の心線は、電極23に接続し、受
信用同軸ケーブル18の心線は、電極24に接続する。
【0042】この超音波探触子11によれば、送信用同
軸ケーブル17を介して圧電素子14の共通電極22と
電極23との間に駆動パルスを印加すると、圧電素子1
4から超音波が発生し、その超音波は音響レンズ15に
より収束して放射される。ここで、電極23は、リング
状に形成されているので、収束音場の焦点面上での音圧
分布の第1極小は、干渉効果によって得られることにな
り、送信超音波の音場特性は、図3に示したと同様に、
音軸上に一様に細い高音圧領域を有し、かつ音軸に対し
て45°の方向にサイドローブを有するものとなる。
【0043】また、音響レンズ15を経て圧電素子14
で受波される超音波は、共通電極22および電極24か
ら受信用同軸ケーブルを経て電気信号として取り出され
る。ここで、電極24は、円形に形成されているので、
収束音場の焦点面上での音圧分布の第1極小は、回折効
果によって得られることになり、受信超音波の音場特性
は、図4に示したと同様に、サイドローブはないが、焦
点でも高音圧領域が太く、しかも焦点の前後では、高音
圧領域が更に太くなったものとなる。
【0044】したがって、送信音場と受信音場との積で
表される超音波探触子11の送受信総合音場特性は、図
5に示したと同様に、サイドローブがなく、しかも音軸
上に一様に細い音場特性となるので、この超音波探触子
11を用いて超音波画像を得るようにすれば、広い範囲
に亘って鮮明な超音波画像を得ることができ、超音波診
断能を向上させることができると共に、電子フォーカス
等の複雑な回路構成を有する必要がないので、観測装置
の構成も簡単にできるようになる。
【0045】図8は、図6に示した超音波探触子11を
用いる超音波診断装置の原理図である。超音波探触子1
1は、その送信用同軸ケーブル17を駆動回路31の出
力側に接続し、受信用同軸ケーブル18をアンプ32の
入力側に接続する。また、駆動回路31の入力側および
アンプ32の出力側は、それぞれ観測装置33に接続す
る。このようにして、例えば、超音波探触子11を回転
駆動または直線駆動しながら、観測装置33の制御のも
とに、駆動回路31から送信用同軸ケーブル17を介し
て超音波探触子11に駆動パルスを供給して、被検体に
向けて超音波パルスを放射させる。また、被検体で反射
され、超音波探触子11で受波されて電気信号に変換さ
れた超音波パルスの受信エコー信号は、アンプ32で増
幅して観測装置33に取り込み、ここで所要の信号処理
を行って、図示しないモニタに超音波画像を表示するよ
うにする。
【0046】図9は、図6に示した超音波探触子11を
用いる医療用超音波内視鏡の外観図である。この超音波
内視鏡は、操作部35、副操作部36、挿入部37、ユ
ニバーサルコード38、中継部39およびコネクタ40
を有する。副操作部36には回転駆動部を設け、この回
転駆動部に連結して挿入部37内にフレキシブルシャフ
トを延在して設ける。超音波探触子11は、挿入部37
の先端部においてフレキシブルシャフトに連結して回転
自在に保持し、回転駆動部によりフレキシブルシャフト
を介して回転させるようにする。なお、挿入部37の先
端部には、超音波探触子11を覆うように先端キャップ
41を設ける。
【0047】中継部39には、超音波探触子11の駆動
回路を、副操作部35には、受信用のアンプをそれぞれ
設け、超音波探触子11の送信用同軸ケーブルを、挿入
部37、副操作部36、操作部35およびユニバーサル
コード38を経て中継部39内の駆動回路の出力側に接
続し、受信用同軸ケーブルを、挿入部37を経て副操作
部36内のアンプの入力側に接続する。アンプの出力側
は、操作部35およびユニバーサルコード38を経て中
継部39に接続して、駆動回路の入力側とともに、電気
コネクタ42を介して観測装置にそれぞれ接続する。
【0048】また、挿入部37内には、光学像を観察す
るためのライトガイドおよびイメージガイドを設けると
共に、各種の処置具を挿脱するための鉗子チャンネル等
も設け、ライトガイドの入射端をコネクタ40を介し
て、図示しない光源装置に結合し、イメージガイドの出
射端を操作部35の接眼レンズ系に結合する。
【0049】このように、図6に示した超音波探触子1
1を用いて超音波内視鏡を構成すれば、体腔内の所望の
部位において、超音波探触子11を回転駆動しながら、
超音波の送受波を行うことにより、所望の部位の超音波
画像を広い範囲に亘って鮮明に得ることができ、超音波
診断能を向上させることができる。また、観測装置にお
いては、電子フォーカス方式におけるような複雑な回路
を要しないので、構成が簡単となり、全体を安価にでき
る。
【0050】図10は、この発明による超音波探触子の
第2実施例を示す断面図である。この超音波探触子51
は、図6の圧電素子14に代えて、互いに分離した送信
用圧電素子52と受信用圧電素子53とを接着剤54を
介して接着したものを用いるようにしたもので、その他
の構成は図6と同様である。送信用圧電素子52は、P
ZT、PT、ニオブ酸塩等のセラミックよりなるリング
状の圧電体55の両面にそれぞれ電極56,57を設け
て構成し、受信用圧電素子53は、同様のセラミックよ
りなる円形状の圧電体58の両面にそれぞれ電極59,
60を設けて構成して、それぞれの圧電素子52,53
が同一平面で同心円状となるように接着剤54で接着す
る。
【0051】受信用圧電素子53の音響レンズ15側の
電極59は、リード線61を介して送信用圧電素子52
の音響レンズ15側の電極56に接続し、この電極56
をリード線25を介してハウジング12に接続する。ま
た、送信用同軸ケーブル17および受信用同軸ケーブル
18のそれぞれのシールド線は、ハウジング12に電気
的に接続し、送信用同軸ケーブル17の心線は、送信用
圧電素子52の電極57に、受信用同軸ケーブル18の
心線は、受信用圧電素子53の電極60にそれぞれ接続
する。
【0052】この実施例によれば、第1実施例における
効果に加えて、送受信の圧電素子52,53が互いに独
立しているので、これら間のクロストークを有効に防止
することができ、したがってアーチファクトのない鮮明
な超音波画像を得ることが可能となる。
【0053】図11は、この発明による超音波探触子の
第3実施例の部分平面図である。この実施例は、図6お
よび図7に示した第1実施例の超音波探触子11におい
て、圧電素子14のダンパ層16側の円形状の電極24
を送信用電極とし、リング状の電極23を送受信用電極
として、送信用同軸ケーブル17の心線を電極24に接
続し、同軸ケーブル18を送受信用として、その心線を
電極23に接続したもので、その他の構成は第1実施例
と同様である。すなわち、この実施例では、送信時は、
電極23および24を送信用電極として、これら電極と
共通電極22(図6参照)との間に駆動パルスを印加し
て超音波を放射させ、受信時は、電極23を受信用電極
として、受波された超音波に応じて電極23と共通電極
22との間に生じる電圧を取り出すようにしたものであ
る。
【0054】この実施例の場合、圧電素子14は、超音
波の送信においては、その放射面が単純な円形開口のも
のとなり、受信時においては、その受波面が中央遮蔽開
口のものとなるので、送信音場特性と受信音場特性との
積に相当する送受信全体の音場特性は、第1,第2実施
例におけると同様に、サイドローブが発生せず、しかも
音軸上に一様に細い音場特性となる。したがって、上述
した実施例と同様に、広い範囲に亘って鮮明な超音波画
像を得ることが可能となる。また、送信時は、圧電素子
14全体が超音波送波面となり、第1,第2実施例にお
けるよりも面積が大きく、パワーの大きな超音波を送波
することができるので、超音波探触子を小型化でき、し
たがって狭窄部の診断に用いられる光学系をもたない、
カテーテル型の超音波プローブにも有効に適用すること
ができる。
【0055】図12は、図11に示した超音波探触子1
1を用いる超音波診断装置の原理図を示すものである。
この超音波診断装置においては、図8において、駆動回
路31およびアンプ32と、超音波探触子11との間に
切り替え回路65を設け、送信時には、切り替え回路6
5により送信用同軸ケーブル17および送受信用同軸ケ
ーブル18を駆動回路31の出力側に接続して、駆動回
路31の出力を、送信用同軸ケーブル17および送受信
用同軸ケーブル18に並列に供給して、超音波探触子1
1に印加し、受信時には、切り替え回路65により送受
信用同軸ケーブル18をアンプ32の入力側に接続し
て、超音波探触子11で受波されて電気信号に変換され
た超音波パルスの受信エコー信号をアンプ32を経て観
測装置33に取り込んで、超音波画像を表示するように
する。
【0056】なお、この発明は、上述した実施例にのみ
限定されるものではなく、幾多の変形または変更が可能
である。例えば、この発明の超音波探触子は、医療用の
超音波診断装置に限らず、金属材料等の材料内の欠陥等
を検出する超音波探傷装置にも有効に適用することがで
き、これにより材料内の欠陥等を広範囲に亘って明瞭に
検出することができる。また、上述した各実施例では、
音響レンズ15を用いて収束音場を形成するようにした
が、音響レンズに代えて、圧電素子の形状を、球殻形状
にしたり、背面を平面、超音波放射面を凹面とすること
により、収束音場を形成するようにすることもできる。
【0057】さらに、圧電素子を構成するリング状電極
の外形、円形状電極の外形、それらの間隔、超音波の中
心周波数等は、使用部位、使用目的等から適宜変更する
ことができる。例えば、リング状電極の外形を小さくす
れば、探触子の外形を小さくすることができ、これによ
り例えば超音波内視鏡においては、挿入部全体を細径化
することができるので、より細い部位や狭窄部位の診断
にも適用することが可能となる。また、中心周波数を高
くすることで、超音波画像の距離分解能を向上でき、よ
り明瞭な超音波画像を得ることができ、逆に、中心周波
数を低くすることで、生体内での超音波減衰を少なくし
て、より深達度の高い超音波画像を得ることができる。
さらに、リング状電極および円形状電極の外形を変更す
ることで、送受信総合の音場特性を変更でき、これによ
り使用目的、部位に合った音場特性を有する超音波探触
子を得ることができる。
【0058】また、第1実施例および第3実施例では、
圧電体を高分子材料をもって構成したが、第2実施例に
おけると同様に、PZT、PT、ニオブ酸鉛等のセラミ
ック材料をもって構成することもできる。このように、
セラミック圧電体を用いれば、高分子圧電体に比べ、耐
熱性に優れているので、輸送時等の過酷な環境にも十分
耐えられる超音波探触子を得ることができる。また、セ
ラミック圧電体は、高分子圧電体に比べて、電気機械結
合係数が大きいので、同一の駆動パルスで励振しても、
より強力な超音波を放射できるので、深部までの超音波
診断が可能となる。
【0059】同様にして、第2実施例においては、圧電
体を、セラミックに代えて高分子圧電体とすることがで
きる。また、この第2実施例においては、2つの圧電体
の素材を、送信に適した素材および受信に適した素材に
それぞれ異ならせて、超音波探触子の送受信の感度をさ
らに向上させることもできる。さらに、送信および受信
用圧電素子の中心周波数を異ならせることもできる。例
えば、生体内に放射される超音波は、高周波成分ほど減
衰し、受信超音波は送信超音波に比べ中心周波数が低く
なるので、受信用の圧電素子の中心周波数を、送信用の
圧電素子の中心周波数に比べて低くなるように構成すれ
ば、高周波成分が減衰した反射エコーを効率良く受信す
ることができる。これは、特に、探触子と被観察領域と
の間の距離が長い(超音波の伝搬距離が長い)場合に有
効である。
【0060】さらに、第3実施例では、中央の円形状の
電極24を超音波の送信用とし、その外側のリング状の
電極23を超音波の送受波用としたが、逆に、中央の円
形状の電極24を超音波の送受波用とし、その外側のリ
ング状の電極23を超音波の受波用としても、送受信全
体の総合音場特性として、第1,第2実施例におけると
同様に、サイドローブが発生せず、しかも音軸上に一様
に細い音場特性を得ることができ、したがって広い範囲
に亘って鮮明な超音波画像を得ることが可能となる。
【0061】また、超音波探触子を、細径化するため
に、例えば、図13(A)に示すように、音響レンズ1
5の音軸に関し対称な2か所を面取りしたり、あるいは
図13(B)に示すように、音響レンズ15の周囲全体
を面取りすることもできる。このようにすれば、図13
(C)に示すように、探触子を覆うためのキャップ67
の径を小さくできるので、超音波内視鏡や光学系を有し
ない超音波プローブ等の外径を小さくでき、狭窄部等の
従来挿入が困難な部位にも容易に挿入することが可能と
なる。
【0062】さらに、超音波探触子を、より細径化する
ために、例えば、図14(A)に示すように、音響レン
ズ15の対称な2か所の面取りに加えて、探触子背面の
ハウジング15の対称な2か所も面取りしたり、あるい
は図14(B)に示すように、音響レンズ15の周囲全
体の面取りに加えて、探触子背面のハウジング15の周
囲全体も面取りすることもできる。このようにすれば、
図14(C)に示すように、探触子を覆うためのキャッ
プ67の径をより小さくできるので、超音波内視鏡や光
学系を有しない超音波プローブ等の外径をより小さくで
き、適用部位をより拡大することが可能となる。
【0063】〔付記〕 1.電気音響変換を行う第1の超音波振動部を有し、収
束音場の焦点面上で音圧分布の第1極小を干渉効果によ
って発生させるように形成した第1の収束型トランスジ
ューサと、電気音響変換を行う第2の超音波振動部を有
し、収束音場の焦点面上で音圧分布の第1極小を回折効
果によって発生させるように形成した第2の収束型トラ
ンスジューサとを有し、前記第1の収束型トランスジュ
ーサおよび第2の収束型トランスジューサを、両者の音
圧分布の極大方向の少なくとも一つの方向が一致するよ
うに配置したことを特徴とする超音波探触子。 2.前記第1の収束型トランスジューサおよび第2の収
束型トランスジューサは、両者の音圧分布の主極大方向
が一致して配置されていることを特徴とする付記項1記
載の超音波探触子。 3.付記項1または2記載の超音波探触子において、前
記収束音場を発生する音響レンズ手段を有することを特
徴とする超音波探触子。 4.前記音響レンズ手段は、前記主極大方向に沿った軸
について同軸に配置されていることを特徴とする付記項
3記載の超音波探触子。 5.前記第1の収束型トランスジューサおよび第2の収
束型トランスジューサは、前記音響レンズ手段を共有し
てなることを特徴とする付記項4記載の超音波探触子。 6.前記音響レンズ手段は、前記第1の収束型トランス
ジューサおよび第2の収束型トランスジューサが共焦点
を持つように形成された単一の凹曲面を有することを特
徴とする付記項5記載の超音波探触子。 7.前記単一の凹曲面は、前記音響レンズ手段の軸につ
いて回転対称な2次以上の高次曲面であることを特徴と
する付記項6記載の超音波探触子。 8.前記2次以上の高次曲面は、球面であることを特徴
とする付記項7記載の超音波探触子。 9.前記第1の超音波振動部および第2の超音波振動部
は、前記音響レンズ手段の軸について同軸に配置されて
いることを特徴とする付記項3〜8のいずれか1つに記
載の超音波探触子。 10.前記第2の超音波振動部は、超音波送受波面の中
央部に設けられ、前記第1の超音波振動部は、前記第2
の超音波振動部の外周部に設けられていることを特徴と
する付記項9記載の超音波探触子。 11.前記第2の超音波振動部は、ほぼ円形状に形成さ
れ、前記第1の超音波振動部は、ほぼ円環形状に形成さ
れていることを特徴とする付記項10記載の超音波探触
子。 12.前記第1の収束型トランスジューサおよび第2の
収束型トランスジューサは、それぞれ前記収束音場特性
を与える凹曲面の一部分である部分曲面をその形状とす
る前記第1の超音波振動部および第2の超音波振動部か
らなることを特徴とする付記項1または2記載の超音波
探触子。 13.前記第1の超音波振動部および第2の超音波振動
部は、同軸に配置されていることを特徴とする付記項1
2記載の超音波探触子。 14.前記第1の超音波振動部および第2の超音波振動
部の形状を構成する前記部分曲面は、それぞれ前記第1
の収束型トランスジューサおよび第2の収束型トランス
ジューサが共焦点を持つように形成された単一の凹曲面
の互いに異なる部分であることを特徴とする付記項13
記載の超音波探触子。 15.前記第2の超音波振動部は、超音波送受波面の中
央部に設けられ、前記第1の超音波振動部は、前記第2
の超音波振動部の外周部に設けられていることを特徴と
する付記項14記載の超音波探触子。 16.前記単一の凹曲面は、前記第1の超音波振動部お
よび第2の超音波振動部の軸について回転対称な2次以
上の高次曲面で、前記第2の超音波振動部の部分局面
は、前記高次曲面の頂部を含む曲面であり、前記第1の
超音波振動部の部分局面は、前記高次曲面の頂部を含ま
ない輪帯部からなる曲面であることを特徴とする付記項
15記載の超音波探触子。 17.前記2次以上の高次曲面は、球面であることを特
徴とする付記項16記載の超音波探触子。 18.前記第1の超音波振動部および第2の超音波振動
部は、同一の圧電体上に形成されていることを特徴とす
る付記項1〜17のいずれか1つに記載の超音波探触
子。 19.前記第1の超音波振動部および第2の超音波振動
部は、別体の圧電体上に形成されていることを特徴とす
る付記項1〜17のいずれか1つに記載の超音波探触
子。 20.前記第1の超音波振動部および第2の超音波振動
部は、その中心周波数が互いに異なることを特徴とする
付記項18または19記載の超音波探触子。 21.付記項1〜20のいずれか1つに記載の超音波探
触子において、その外形形状が面取りされていることを
特徴とする超音波探触子。 22.付記項1〜21のいずれか1つに記載の超音波探
触子において、前記第1の収束型トランスジューサで超
音波を送波し、前記第2の収束型トランスジューサで超
音波を受波するよう構成したことを特徴とする超音波探
触子。 23.付記項1〜21のいずれか1つに記載の超音波探
触子において、前記第1の収束型トランスジューサで超
音波を受波し、前記第2の収束型トランスジューサで超
音波を送波するよう構成したことを特徴とする超音波探
触子。 24.付記項1〜21のいずれか1つに記載の超音波探
触子と、超音波を送波する際に前記第1の収束型トラン
スジューサを選択し、超音波を受波する際に前記第2の
収束型トランスジューサを選択する切り替え手段とを有
することを特徴とする医療用または工業用超音波診断装
置。 25.付記項1〜21のいずれか1つに記載の超音波探
触子と、超音波を送波する際に前記第2の収束型トラン
スジューサを選択し、超音波を受波する際に前記第1の
収束型トランスジューサを選択する切り替え手段とを有
することを特徴とする医療用または工業用超音波診断装
置。 26.付記項1〜21のいずれか1つに記載の超音波探
触子と、超音波を送波する際に前記第1の収束型トラン
スジューサを選択し、超音波を受波する際に前記第1の
収束型トランスジューサおよび第2の収束型トランスジ
ューサを電気的に結合して選択する切り替え手段とを有
することを特徴とする医療用または工業用超音波診断装
置。 27.付記項1〜21のいずれか1つに記載の超音波探
触子と、超音波を送波する際に前記第1の収束型トラン
スジューサおよび第2の収束型トランスジューサを電気
的に結合して選択し、超音波を受波する際に前記第1の
収束型トランスジューサを選択する切り替え手段とを有
することを特徴とする医療用または工業用超音波診断装
置。
【0064】
【発明の効果】この発明によれば、収束音場の焦点面上
で音圧分布の第1極小を干渉効果によって発生させるよ
うに形成した第1の収束型トランスジューサと、収束音
場の焦点面上で音圧分布の第1極小を回折効果によって
発生させるように形成した第2の収束型トランスジュー
サとを、両者の音圧分布の極大方向の少なくとも一つの
方向が一致するように配置したので、焦点深度が深く、
かつ焦点でのビーム径が細い超音波を送受波することが
でき、したがって広範囲に亘って鮮明な超音波画像を、
より簡単な観測装置によって得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の原理を説明するための図である。
【図2】単純な円形開口と中央遮蔽開口とを示す図であ
る。
【図3】第1の収束型トランスジューサを送信用とした
場合の超音波の送信音場特性を示す図である。
【図4】第2の収束型トランスジューサを受信用とした
場合の超音波の受信音場特性を示す図である。
【図5】第1,第2の収束型トランスジューサを、それ
らの音圧分布の極大方向が一致するように配置した場合
に得られる、超音波探触子の送受信総合音場特性を示す
図である。
【図6】この発明による超音波探触子の第1実施例を示
す断面図である。
【図7】図6の部分平面図である。
【図8】図6に示した超音波探触子を用いる超音波診断
装置の原理図である。
【図9】図6に示した超音波探触子を用いる医療用超音
波内視鏡の外観図である。
【図10】この発明による超音波探触子の第2実施例を
示す断面図である。
【図11】同じく、第3実施例を示す部分平面図であ
る。
【図12】図11に示した超音波探触子を用いる超音波
診断装置の原理図である。
【図13】超音波探触子を細径化するための、2つの例
を説明するための図である。
【図14】同じく、超音波探触子を細径化するための、
他の2つの例を説明するための図である。
【図15】従来の超音波探触子を示す断面図である。
【符号の説明】
11 超音波探触子 12 ハウジング 13 絶縁層 14 圧電素子 15 音響レンズ 16 ダンパ層 17 送信用同軸ケーブル 18 受信用同軸ケーブル 21 圧電体 22 共通電極 23,24 電極 25 リード線

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気音響変換を行う第1の超音波振動部
    を有し、収束音場の焦点面上で音圧分布の第1極小を干
    渉効果によって発生させるように形成した第1の収束型
    トランスジューサと、 電気音響変換を行う第2の超音波振動部を有し、収束音
    場の焦点面上で音圧分布の第1極小を回折効果によって
    発生させるように形成した第2の収束型トランスジュー
    サとを有し、 前記第1の収束型トランスジューサおよび第2の収束型
    トランスジューサを、両者の音圧分布の極大方向の少な
    くとも一つの方向が一致するように配置したことを特徴
    とする超音波探触子。
JP6172593A 1994-07-25 1994-07-25 超音波探触子 Withdrawn JPH0837695A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002502622A (ja) * 1998-02-03 2002-01-29 ボストン・サイアンティフィック・リミテッド 環状アレイ構造の超音波カテーテル
JP2002248100A (ja) * 2001-02-23 2002-09-03 Olympus Optical Co Ltd 超音波トランスデューサとこれを用いた超音波トランスデューサシステム
JP2011010794A (ja) * 2009-07-01 2011-01-20 Konica Minolta Medical & Graphic Inc 超音波探触子およびそれを備えた超音波診断装置
JP2016508052A (ja) * 2012-12-31 2016-03-17 ヴォルカノ コーポレイションVolcano Corporation 小型超音波トランスデューサーを分離するためのレイアウト及び方法

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