JPH083491A - 電着塗料用はじき防止剤、電着塗料組成物および電着塗料のはじき防止方法 - Google Patents

電着塗料用はじき防止剤、電着塗料組成物および電着塗料のはじき防止方法

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JPH083491A
JPH083491A JP6163271A JP16327194A JPH083491A JP H083491 A JPH083491 A JP H083491A JP 6163271 A JP6163271 A JP 6163271A JP 16327194 A JP16327194 A JP 16327194A JP H083491 A JPH083491 A JP H083491A
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JP
Japan
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electrodeposition coating
group
coating composition
cissing
compound
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Pending
Application number
JP6163271A
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English (en)
Inventor
Masamichi Furukawa
正道 古川
Satoru Urano
哲 浦野
Shiyousuke Tsuboniwa
章介 坪庭
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電着塗料について、突沸はじきおよび自己は
じきの双方を抑制する。 【構成】 電着塗料用はじき防止剤は、下記の一般式
(1)で示される繰返し単位を有する高分子化合物を含
んでいる。一般式(1)中、R1 は水素原子または炭素
数が1〜4のアルキル基、R2 は炭化水素基、Xは酸素
原子、窒素原子または硫黄原子、を示している。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、はじき防止剤、電着塗
料組成物およびはじき防止方法、特に、電着塗料用はじ
き防止剤、それを用いた電着塗料組成物、および電着塗
料のはじき防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電着塗装を実施した場合、塗料が被塗面
に均一にぬれ広がらないで、ところどころにクレーター
やくぼみ模様が発生する、いわゆるはじき現象が起こる
場合がある。このようなはじき現象は、電着塗膜の外観
を損なうので、電着塗装不良の一因となる。
【0003】ところで、このようなはじき現象は、自己
はじきと突沸はじきとの2種類があるものと考えられて
いる。ここで、自己はじきとは、塗料中に含まれる不純
物や焼き付け炉内に付着した不純物が原因となって塗膜
にクレーター等を発生させるはじき現象を云い、突沸は
じきとは、塗料中に含まれる油が塗装後のウエット膜中
に入り込み、これが焼き付け時にはじいてクレーター等
を発生させるはじき現象を云う。
【0004】このようなはじき現象を防止するために、
電着塗料中にははじき防止剤が添加されている。はじき
防止剤としては、例えば、分子量が大きく高粘度の樹
脂、例えばアクリル樹脂やシリコン樹脂が用いられてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記従来のはじき防止
剤は、突沸はじきに対しては効果が認められるが、自己
はじきに対しては十分な効果を発揮し得ない。また、従
来のはじき防止剤は、電着塗膜の平滑性を損なう場合が
多い。本発明の目的は、突沸はじきおよび自己はじきの
双方を抑制することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の電着塗料用はじ
き防止剤は、下記の一般式(1)で示される繰り返し単
位を有する高分子化合物を含んでいる。
【0007】
【化4】
【0008】式中、R1 は水素原子または炭素数が1〜
4のアルキル基、R2 は炭化水素基、Xは酸素原子、窒
素原子または硫黄原子を示している。
【0009】また、本発明の電着塗料組成物は、電着可
能なフイルム形成性樹脂を含む水性分散体と、上述のは
じき防止剤とを含んでいる。
【0010】さらに、本発明のはじき防止方法は、上述
のはじき防止剤を電着塗料中に添加する工程を含んでい
る。 *******
【0011】はじき防止剤 本発明に係るはじき防止剤は、下記の一般式(1)で示
される繰り返し単位を有する高分子化合物を含んでい
る。
【0012】
【化5】
【0013】一般式(1)において、R1 は、水素また
は炭素数が1〜4個のアルキル基である。このアルキル
基は、分岐していてもよい。アルキル基の具体例として
は、メチル基、エチル基、n−ブチル基、t−ブチル
基、sec−ブチル基が挙げられる。また、R2 は、炭
化水素基である。ここでの炭化水素基としては、例え
ば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコ
キシ基、フェニル基、フェノキシ基があげられる。ま
た、R2 は、これらの炭化水素基のうち、一部に酸素原
子、窒素原子および硫黄原子等のヘテロ原子を含むもの
であってもよい。そのようなR2 の具体例としては、ブ
トキシエチル基、ヘキシルオキシエチル基、ブトキシカ
ルボニルメチル基、メトキシカルボニルメチル基、メチ
ルエチルイミノ基、メチルイソブチルイミノ基およびグ
リシジル基が挙げられる。さらに、Xは、酸素原子、窒
素原子、または硫黄原子を示している。
【0014】上述の高分子化合物は、上述の繰り返し単
位のみからなるホモポリマーであってもよいし、上述の
繰り返し単位を含むコポリマーであってもよい。高分子
化合物がコポリマーの場合、上述の繰り返し単位以外の
繰り返し単位としては、スチレン、メタクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、メタクリル酸ラウリル、アクリ
ル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸−2−ヒドロ
キシエチル、アクリル酸グリシジル、ジメチルアミノプ
ロピルメタクリルアミド、メタクリル酸、アクリル酸等
の一般的なアクリル酸系モノマー由来の繰り返し単位が
例示できる。
【0015】上述の高分子化合物の分子量は、2,00
0〜50,000、好ましくは2,000〜10,00
0である。
【0016】上述の高分子化合物は、下記の一般式
(2)で示されるN−メタクリロイルカーバメイト(N
−MAC)を単独で重合することにより、あるいは上述
のアクリル系モノマーと共重合することにより製造でき
る。
【0017】
【化6】
【0018】式中、R1 、R2 およびXは、上述の一般
式(1)の場合と同じである。なお、このようなN−メ
タクリロイルカーバメイトは、下記の一般式(3)で示
されるアシルイソシアネートと下記の一般式(4)で示
される活性水素化合物とを反応させると得られる。
【0019】
【化7】
【0020】なお、一般式(3)および(4)に含まれ
るR1 、R2 およびXは、上述の一般式(1)の場合と
同じである。重合方法としては、アクリル樹脂に関する
通常の合成法が採用され得る。この際、反応溶媒として
は、トルエン、キシレン、メチルイソブチルケトン等の
一般的なものが用いられ得る。なお、モノマー成分に水
酸基を有するものを含む場合は、アクリル樹脂合成中に
水酸基とN−メタクリロイルカーバメートとの反応によ
るゲル化を防ぐために、反応溶媒として置換基に用いら
れたアルコール(R2OH)と同じものを50〜100
%含むものを用いるのが好ましい。また、開始剤として
は、カヤエステル−O(商品名:化薬アクゾ株式会社
製)等の過酸化物系開始剤やアゾビスイソブチロニトリ
ル等のアゾ系開始剤が用いられ得る。
【0021】電着塗料組成物 本発明の電着塗料組成物は、電着可能なフイルム形成性
樹脂を含む水性分散体と、上述の高分子化合物を含むは
じき防止剤とを含んでいる。水性分散体に含まれる電着
可能なフイルム形成性樹脂は、アニオン型樹脂とカチオ
ン型樹脂とがあるが、カチオン型樹脂が好ましい。カチ
オン型樹脂としては、アミン変性樹脂、スルホニウム基
含有樹脂、ホスホニウム基含有樹脂、およびカルボン酸
基含有樹脂等が挙げられる。これらの樹脂のうちでは、
カチオン電着塗料に一般的に用いられているアミン変性
樹脂が好ましい。アミン変性樹脂の具体例としては、ア
ミン変性エポキシ樹脂、アミン変性ポリウレタンポリオ
ール樹脂、アミン変性ポリブタジエン樹脂、アミン変性
アクリル樹脂等が挙げられる。
【0022】上述のアミン変性樹脂として好ましいの
は、アミン変性エポキシ樹脂およびアミン変性ポリウレ
タンポリオール樹脂である。 (アミン変性エポキシ樹脂)アミン変性エポキシ樹脂と
しては、エポキシ樹脂を1級、2級、または3級アミン
により変性したものが利用できる。具体的には、特開昭
54−4978号に記載されたアミン変性エポキシ樹脂
が挙げられる。なお、エポキシ樹脂としては、例えば下
記のものが挙げられる。
【0023】◎ビスフェノールA等のポリフェノール類
のポリグリシジルエーテル。この種のエポキシ樹脂は、
アルカリの存在下、ポリフェノールとエピクロルヒドリ
ンもしくはジクロロヒドリンとをエーテル化すると調整
できる。フェノール性化合物(ポリフェノール)として
は、ビス(4−ヒドロキシ−フェニル)2,2−プロパ
ン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4
−ヒドロキシ−フェニル)1,1−エタン、ビス(4−
ヒドロキシ−フェニル)1,1−イソブタン、ビス(4
−ヒドロキシ−tert−ブチル−フェニル)2,2−
プロパン、ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタン、
1,5−ヒドロキシ−ナフタレン等が挙げられる。
【0024】◎ノボラック樹脂または類似のフェノール
樹脂から製造されるポリエポキシド。 ◎多価アルコールから誘導される、多価アルコールのポ
リグリシジルエーテル。多価アルコールとしては、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−
ブチレングリコール、1,5−ペンタジオール、1,
2,6−ヘキサントリオール、グリセロール、ビス(4
−ヒドロキシ−シクロヘキシル)2,2−プロパン等が
例示できる。
【0025】◎脂肪族または芳香族ポリカルボン酸とエ
ピクロルヒドリンないし類似のエポキシ化合物との反応
により得られるポリカルボン酸のポリグリシジルエーテ
ル。脂肪族または芳香族ポリカルボン酸としては、オキ
ザル酸、コハク酸、グルタル酸、テレフタル酸、2,6
−ナフタレンジカルボン酸、二量化リノール酸が例示で
きる。なお、この種のエポキシ樹脂の具体例としては、
ジグリシジルアジペート、ジグリシジルフタレート等が
挙げられる。
【0026】◎オレフィン系不飽和脂環式化合物のエポ
キシ化により誘導されるポリエポキシド。この種のポリ
エポキシドは、1ないしそれ以上のモノエポキシド中に
ジエポキシドを含んでいてもよい。これらのポリエポキ
シドは、非フェノール性であり、例えば酸素および選択
金属触媒、過安息香酸、酸−アルデヒドモノ過酢酸(a
cid−aldehydemonoperacetat
e)または過酢酸等による脂環式オレフィン類のエポキ
シ化によって得られる。なお、ポリエポキシド類には、
当業者にとって公知のエポキシ樹脂族エーテルおよびエ
ステル類がある。
【0027】◎エポキシ基およびヒドロキシル基含有ア
クリル系ポリマー。この種のアクリル系ポリマーは、例
えば、グリシジルアクリレートもしくはメタクリレート
のごときエポキシ基含有モノマーをヒドロキシル一含有
不飽和モノマーおよび少なくとも一種の他の不飽和モノ
マーと共重合させることにより得られるポリマーであ
る。ここで利用可能な重合性モノマーは、少なくとも一
つのアクリル重合性基を好ましくは末端に有するもので
ある。なお、この種の重合性モノマーを不飽和グリシジ
ル化合物と重合させてもよい。なお、重合性モノマー
は、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等
の芳香族化合物でもよい。また、重合性モノマーとして
は、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、メタクリル酸メチル等のオレフィン酸およびそのエ
ステル等の脂肪族化合物が用いられてもよい。ヒドロキ
シル一含有不飽和モノマーとして好ましいものは、ヒド
ロキシアルキルアクリレート類、例えばヒドロキシエチ
ルアクリレートもしくはメタクリレート、ヒドロキシプ
ロピルアクリレートもしくはメタクリレートである。
【0028】なお、重合反応方法としては、周知の方法
が採用され得る。重合反応では、過酸化型触媒が通常使
用されるが、ジアゾ化合物またはレドックス触媒が用い
られてもよい。なお、この種のアクリルポリマーを製造
するための別の方法としては、反応位置とヒドロキシル
基とを含有するアクリル系ポリマーと、ビスフェノール
Aのジグリシジルエーテルまたは通常のポリエポキシド
のようなエポキシ基含有化合物とを反応させる方法が挙
げられる。
【0029】(アミン変性ポリウレタンポリオール樹
脂)アミン変性ポリウレタンポリオール樹脂は、特開昭
55−115476号に記載されているように、ポリイ
ソシアネート化合物、ポリヒドロキシ化合物、第3級ア
ミノ基を有するヒドロキシ化合物、第4級アンモニウム
基を有するヒドロキシ化合物およびブロック剤を反応さ
せると得られる。
【0030】ここでの反応は、本質的にイソシアネート
基とヒドロキシル基との反応、およびイソシアネート基
とブロック剤との反応からなるものであり、通常はイソ
シアネート基に対して不活性な溶媒を用い、必要であれ
ば通常のウレタン化触媒を用いて10〜150℃、好ま
しくは20〜100℃の温度範囲で反応させる。なお、
第3級アミノ基を有するヒドロキシ化合物と第4級アン
モニウム基を有するヒドロキシ化合物とは、互いに混合
した上で使用するのが好ましい。アミン変性ポリウレタ
ンポリオール樹脂を製造するための上述の各種成分は、
一度に混合して反応させてもよいし、任意の順序で個々
に反応させてもよい。また、各成分の混合比率は適宜調
整することができる。
【0031】次に、アミン変性ポリウレタンポリオール
樹脂の好ましい製造例について説明する。先ず、ポリイ
ソシアネート化合物(a)とポリヒドロキシ化合物
(b)とをNCO/OH(当量比)が1.0よりも大き
くなるように反応させ、末端にイソシアネート基を有す
るポリウレタンプレポリマー(I)を得る。次いで、こ
のポリウレタンプレポリマー(I)と第3級アミノ基を
有するヒドロキシ化合物(c)と第4級アンモニウム基
を有するヒドロキシ化合物(d)との混合物を反応させ
る。ここでは、当該混合物中のヒドロキシ基含有化合物
1分子中のヒドロキシ基の平均個数をfとすると、ポリ
ウレタンプレポリマー(I)のイソシアネート基1当量
当たりヒドロキシ基が(f−1.0)当量よりも多い割
合で反応させて末端にヒドロキシ基を有するポリウレタ
ン(II)を得る。一方、他の反応容器でポリイソシア
ネート化合物(a)(ポリウレタンプレポリマー(I)
を得る際に使用したポリイソシアネート化合物と同一の
ものであってもよいし、異なるものであってもよい)
と、単官能ブロック剤(e)とを反応させて1分子中に
平均0.8〜1.5個、好ましくは1個の遊離イソシア
ネート基を有する化合物(III)を得る。次に、ポリ
ウレタン(II)の水酸基に対して化合物(III)の
イソシアネート基が当量に達しない割合で反応させる
と、最終反応生成物(IV)が得られる。
【0032】なお、第3級アミノ基を有するヒドロキシ
化合物(c)と第4級アンモニウム基を有するヒドロキ
シ化合物(d)との使用割合は、(c)および(d)中
の全窒素の0.1〜95モル%、好ましくは0.5〜8
0モル%、更に好ましくは1〜60モル%に当たる窒素
が第4級アンモニウム基になるよう設定するのが望まし
い。
【0033】他の製造方法としては、使用する全ポリイ
ソシアネート化合物とポリヒドロキシ化合物とを上述の
製造方法と同一の配合比率で反応させ、次いでブロック
剤を反応系に添加した後、最後に第4級アンモニウム基
を有するヒドロキシ化合物および第3級アミノ基を有す
るヒドロキシ化合物を反応させる方法がある。また、使
用する全ポリイソシアネート化合物中に最終的に必要な
量のブロック剤を添加して一部のポリイソシアネート化
合物と反応させ、次いでポリヒドロキシ化合物を反応さ
せて、その後に第4級アンモニウム基を有するヒドロキ
シ化合物および第3級アミノ基を有するヒドロキシ化合
物を反応させる方法が採用されてもよい。
【0034】上述の各製造方法において、反応は有機溶
媒中で実施するのが望ましい。好ましい有機溶媒として
は、ポリイソシアネート化合物に対して不活性な酢酸エ
チル,酢酸ブチル等の酢酸エステル類、ジオキサン,テ
トラヒドロフラン等のエーテル類、アセトン,メチルエ
チルケトン等のケトン類、ベンゼン,トルエン等の芳香
族系溶媒、その他ジメチルホルムアミド、ジメチルスル
ホキシド等が例示できる。
【0035】上述の製造方法で用いられるポリイソシア
ネート化合物として好ましいものは、1分子中に2個の
イソシアネート基を有する芳香族または脂肪族のポリイ
ソシアネート類である。具体的には、2,4−トリレン
ジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネー
ト、ナフタレン−1、5−ジイソシアネート、キシリレ
ンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジ
イソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシ
アネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシア
ネート、4,4’−ジベンジルイソシアネート、1、3
−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジ
イソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類およびこ
れらの塩素化イソシアネート類、臭素化イソシアネート
類、燐含有イソシアネート類、テトラメチレンジイソシ
アネート,ヘキサメチレンジイソシアネート,ジシクロ
ヘキシルジイソシアネート,シクロヘキサン−1,4−
ジイソシアネート,リジンジイソシアネート,イソホロ
ンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート類が例
示できる。
【0036】また、これらのジイソシアネート類と、好
ましくは分子量が1,000以下のポリオールとをNC
O/OH(モル比)が1〜2となるよう反応させて得ら
れた、両端にイソシアネート基を有するプレポリマーを
ポリイソシアネート化合物として使用することもでき
る。ここでは、上述のジイソシアネート類の2種以上が
混合して用いられてもよい。さらに、上述のイソシアネ
ート類を多官能カルボン酸、ポリアミン、水等で変性し
たアミド基含有のジイソシアネート類、エポキシ基を有
する化合物で変性したオキサゾリドン環含有のジイソシ
アネート類、カルボジイミド変性したジイソシアネート
類を用いることもできる。なお、トリレンジイソシアネ
ート二量体および三量体のような重合ポリイソシアネー
ト類、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、2,
4,6−トリイソシアネートトルエン、またはトリレン
ジイソシアネートとトリメチロールプロパンとの付加
物、ヘキサメチレンジイソシアネートと水との付加物等
のトリイソシアネート類を混合することもできる。
【0037】上述のポリイソシアネート化合物と反応さ
せるポリヒドリン化合物としては、通常、分子量が50
〜10,000のものであり、一般にはポリウレタン製
造用として使用される公知のポリヒドロキシ化合物、例
えば低分子グリコール類、ポリエーテル類、ポリエステ
ル類、ポリアセタール類、ポリチオエーテル類、ポリブ
タジエングリコール類、ケイ素含有ポリオールおよびリ
ン含有ポリオール等が利用可能である。
【0038】ここで、低分子グリコール類としては、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレング
リコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジ
オール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレング
リコール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,
3−ヘキサンジオール、N−アルキルジエタノールアミ
ン、ビスフェノールA等が挙げられる。なお、ジフェノ
ール酸等のカルボキシル基を有するジオール類等を一部
混合して使用することもできる。ポリエーテル類として
は、例えば、酸化エチレン、酸化プロピレン、テトラヒ
ドロフラン等の重合生成物もしくは共重合体等が挙げら
れる。また、上述の低分子グリコール類の縮合によるポ
リエーテル類、或いは混合エーテル類、更にこれらに酸
化エチレン、酸化プロピレン、酸化ブチレン等を付加重
合させた生成物も使用できる。
【0039】ポリチオエーテル類としては、特にチオグ
リコール単独またはそれと他のグリコール類との縮合生
成物の利用が好ましい。ポリアセタール類としては、例
えば、1,4−ブタンジオールとホルムアルデヒドとか
ら、または4,4’−ジオキシエトキシジフェニルジメ
チルメタンとホルムアルデヒドとから得られる水不活性
タイプのポリアセタール類等が挙げられる。
【0040】ポリエステル類としては、上述の低分子グ
リコール類と二塩基性酸とから脱水縮合反応により得ら
れるポリエステルグリコール類や、環状エステル化合物
の開環重合により得られるポリエステルグリコール類が
挙げられる。なお、上述のポリヒドロキシ化合物に三官
能以上のポリヒドロキシ化合物を一部混合して使用する
こともできる。さらに、上記ポリヒドロキシ化合物にポ
リアミン、水、エポキシ基含有化合物、多官能性カルボ
ン酸等を一部混合して使用することもできる。
【0041】第3級アミノ基を有するヒドロキシ化合物
としては、1分子中に少なくとも2個の水酸基を有する
第3級アミンが好ましい。具体的には、N−メチルジエ
タノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−
ブチルジエタノールアミン、N−オレイルジエタノール
アミン、N−シクロヘキシルジエタノールアミン、N−
メチルジイソプロパノールアミン、N−シクロヘキシル
ジイソプロパノールアミン、N,N−ビスヒドロキシエ
チルアニリン、N,N−ビスヒドロキシエチル−m−ト
ルイジン、N,N−ビスヒドロキシエチル−p−トルイ
ジン、N,N−ビスヒドロキシプロピルナフチルアミ
ン、N,N−ビス(ジヒドロキシエチル)−α−アミノ
ピリジン、N,N−ビスヒドロキシエチルピペラジン、
ポリエトキシ化ブチルジエタノールアミン、ポリプロポ
キシ化−メチルジエタノールアミン、第3級アミノ基含
有ポリエステル、N,N’−ジメチル−N,N’−ビス
ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、N,N’−ジメ
チル−N,N’−ビスヒドロキシエチルエチレンジアミ
ン、N,N−ジアルキル−N’,N’−ビスヒドロキシ
エチルエチレンジアミン、N,N−ジアルキル−N’,
N’−ビスヒドロキシプロピルエチレンジアミン、N,
N−ジアルキル−N’,N’−ビスヒドロキシエチルプ
ロピレンジアミン、N,N’−ジアルキル−N’,N’
−ビスヒドロキシプロピルプロピレンジアミン、トリエ
タノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−ア
ルキル−N’,N’,N’−トリスヒドロキシエチルエ
チレンジアミン、N−アルキル−N,N’,N’−トリ
スヒドロキシプロピルエチレンジアミン、N,N,
N’,N’−テトラキスヒドロキシエチルエチレンジア
ミン、N,N,N’,N’−テトラキスヒドロキシプロ
ピルエチレンジアミン、およびエポキシ基を有する化合
物と第2級アミンとの付加反応により得られた生成物等
が使用可能である。上述のアミンは、単独で或いは2種
以上の混合物として用いることもできる。
【0042】なお、第3級アミノ基を有するヒドロキシ
化合物は、第3級アミノ基を有するヒドロキシ化合物1
分子当たりの水酸基が平均して2.3以上、好ましくは
2.5以上の範囲になるように第3級アミノ基を有する
ヒドロキシ化合物を使用することが好ましい。勿論、水
酸基を1個有する第3級アミノ基含有化合物を一部混合
して使用することもできる。
【0043】第4級アンモニウム基を有するヒドロキシ
化合物としては、上述の第3級アミノ基を有するヒドロ
キシ化合物を種々の4級化剤で4級化することによって
得られるものが利用できる。4級化剤としては、酸また
は酸および水の存在下での1,2−エポキシ含有化合物
が最も好ましい。1,2−エポキシ基含有化合物として
は、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,
2−ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、グリシ
ドール等のアルキレンオキサイド、アクリル酸グリシジ
ル等の一塩基性のグリシジルエステル類、アルコールま
たはフェノールのグリシジルエーテル類等が好ましい。
1,2−エポキシ基含有化合物を4級化剤として用いた
場合は、4級化によりヒドロキシ基を導入できるので、
水酸基を1個しか有しない第3級アミン化合物、或いは
ヒドロキシ基を有しない第3級アミン化合物等も、4級
化により第4級アンモニウム基を有するヒドロキシ化合
物として使用できる。
【0044】なお、他の4級化剤としては、メチルクロ
ライド、エチルブロマイド、ブチルブロマイド等のアル
キルハライド、ジメチル硫酸、ジブチル硫酸等のジアル
キル硫酸およびベンジルクロライド、エチレンハロヒド
リン等が挙げられる。4級化反応では、エタノール、イ
ソプロパノール、ブタノール、エチレングリコールモノ
エチルエーテル等のアルコール類、ジオキサン、テトラ
ヒドロフラン等のエーテル類、アセトン、メチルエチル
ケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルのような
エステル類、水、ジメチルホルムアミド等の溶媒を使用
することが好ましい。反応条件は、通常の4級化条件と
同一であり、反応温度は30〜50℃に設定するのが好
ましい。4級化剤と第3級アミン化合物は、4級化剤/
第3級アミノ基の比率がモル比で0.01〜2.0とな
るよう設定するのが好ましい。
【0045】ブロック剤としては、ツェレビチノフ法で
測定し得る活性水素を1ケ有する化合物が用いられる。
具体的には、酸性亜硫酸カリウム,酸性亜硫酸ナトリウ
ム等の亜硫酸塩、ジエチルアミン,ジブチルアミン,ジ
フェニルアミン,ブチルフェニルアミン,フェニルナフ
チルアミン等の第2級アミン類、メチルアルコール,エ
チルアルコール,クロロエチルアルコール,プロピルア
ルコール,ブチルアルコール,アミルアルコール,ヘキ
シルアルコール,ヘプチルアルコール,オクチルアルコ
ール,ノニルアルコール,デシルアルコール及びラウリ
ルアルコール等の脂肪酸アルコール類、シクロペンタノ
ール,シクロヘキサノール等の脂環式アルコール、フェ
ニルカルビノール、メチルフェニルカルビノールのよう
な芳香族アルキルアルコール類、エチレングリコールモ
ノメチルエーテル,エチレングリコールモノエチルエー
テル,エチレングリコールモノブチルエーテル,エチレ
ングリコールモノアミルエーテル,エチレングリコール
モノヘキシルエーテル,エチレングリコールモノフェニ
ルエーテル,ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のアル
キレングリコールのモノアルキルまたはアリールエーテ
ル類、フェノール,o−クレゾール、p−クレゾール、
m−クレゾール、tert−ブチルフェノール、p−エ
チルフェノール、o−イソプロピルフェノール、p−ニ
トロフェノール、p−クロロフェノール等のフェノール
類、ジメチルエタノールアミン,ジエチルエタノールア
ミン,N,N,N’−トリメチル−N’−ヒドロキシエ
チルエチレンジアミン,N−アルキル−N’−ヒドロキ
シエチルピペラジン、N−アルキル−N’−ヒドロキシ
イソプロピルピペラジンのような第3級アミノ基含有の
単官能アルコール類、トリエチルヒドロキシエチルアン
モニウムアセテート,トリメチルヒドロキシプロピルア
ンモニウムラクテートのようなトリアルキルヒドロキシ
アルキルアンモニウム塩類、アセトオキシム,メチルエ
チルケトオキシム,シクロヘキサノンオキシム等のオキ
シム類、ε−カプロラクタム,γ−ブチロラクタム,δ
−バレロラクタム,ピロリドン等のラクタム類、コハク
酸イミド、マレイン酸イミド等のイミド類、イミダゾー
ル,2−エチルイミダゾール等のイミダゾール類、マロ
ン酸ジメチル,マロン酸ジエチル,アセト酢酸メチル,
及びアセト酢酸エチル等の活性メチレン化合物が挙げら
れる。
【0046】上述の水性分散体には、上述のフイルム形
成性樹脂の他に硬化剤、触媒、その他の樹脂、顔料をは
じめとする各種添加剤が含まれていてもよい。硬化剤と
しては、例えば、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹
脂、フェノール樹脂、ブロックイソシアネート化合物な
どが挙げられる。触媒としては、使用するフイルム形成
性樹脂の種類に応じてマンガン、コバルト、銅、鉛、錫
などの金属化合物が用いられる。その他の樹脂として
は、電荷および親水性を与える官能基を持たない樹脂、
例えば、エポキシアクリレート系樹脂が挙げられる。こ
の樹脂を添加することにより、さらに塗膜性能を高める
ことができる。また、顔料としては、着色顔料、体質顔
料、防錆顔料等を用いることができる。着色顔料として
は、二酸化チタン、ベンガラ、カーボンブラック等が例
示できる。体質顔料としては、カオリン、ケイ酸アルミ
ニウム、沈降性硫酸バリュウム、シリカ、沈降性炭酸カ
ルシウム等が例示できる。防錆顔料としては、リンモリ
ブデン酸アルミニウム、クロム酸ストロンチウム、塩基
性ケイ酸鉛、クロム酸鉛等が例示できる。さらに、その
他の添加剤として、消泡剤などの界面活性剤、紫外線吸
収剤等が挙げられる。
【0047】本発明で用いられる水分散体は、上述のフ
イルム形成性樹脂、および必要に応じて添加された上述
のその他の成分とを水性媒体中に分散させたものであ
る。ここで用いる水性媒体は、水、または水と水混和性
有機溶剤とを混合した物である。水混和性有機溶剤とし
ては、例えば、エチルセロソルブ、プロピルセロソル
ブ、ブチルセロソルブ、エチレングリコールジメチルエ
ーテル、ジアセトンアルコール、4−メトキシ−4−メ
チルペンタノン−2、メチルエチルケトン等が挙げられ
る。なお、水性媒体は、必要に応じて水不混和性有機溶
剤を含んでいてもよい。水不混和性有機溶剤の具体例と
しては、キシレン、トルエン、メチルイソブチルケト
ン、2−エチルヘキサノール等が挙げられる。
【0048】フイルム形成性樹脂を水性媒体中に分散さ
せる場合は、中和剤として、カチオン型樹脂の場合には
酸を、アニオン型樹脂の場合には塩基を加える。酸とし
ては、燐酸等の無機酸、酢酸,プロピオン酸,乳酸等の
有機酸が挙げられる。塩基としては、トリエチルアミ
ン、ジメチルエタノールアミン等のアミンが挙げられ
る。なお、上述のフイルム形成性樹脂の水性分散体とし
ては、乳化重合法により得られたものを直接利用するこ
ともできる。
【0049】本発明の電着塗料組成物は、上述の水性分
散体に含まれる固形分に対して上述のはじき防止剤を1
〜10重量%、好ましくは1〜5重量%含んでいる。は
じき防止剤の含有量が1重量%未満の場合は、本発明が
目的とする突沸はじきおよび自己はじきの双方の抑制効
果が得られにくい。逆に、含有量が10重量%を越える
と、塗膜の表面平滑性が低下し、塗膜外観が損なわれる
場合がある。なお、はじき防止剤の添加方法は、任意で
あるが、一般には直接に、あるいは溶媒で希釈してから
添加する方法がとられる。また、はじき防止剤として
は、上述のはじき防止剤とともに、従来から公知のはじ
き防止剤を併用することもできる。
【0050】本発明の電着塗料組成物は、例えば、自動
車のボディや部品を塗装するために用いられる。ここで
は、通常、塗料の不揮発分濃度を10〜20重量%に調
節し、この塗料を乾燥膜厚が15〜30μmになるよう
電着する。電着された塗料は、樹脂のタイプに応じて常
温硬化、熱硬化、紫外線硬化、電子線硬化等の手法によ
り硬化され、電着塗膜を形成する。この際、電着塗料組
成物に含まれているフイルム形成性樹脂とはじき防止剤
に含まれる高分子化合物とが相分離を起こし、はじき防
止剤の高分子化合物が塗膜表面に浮き出てくる。この高
分子化合物は、フイルム形成性樹脂に比べて反応性が極
めて早いため、塗膜表面で速やかに架橋し得る。この結
果、塗膜表面の硬度が速やかに高まり、突沸はじきおよ
び自己はじきの双方の抑制効果が発現するものと考えら
れる。
【0051】はじき防止方法 本発明のはじき防止方法は、上述のはじき防止剤を電着
塗料中に添加する工程を含んでいる。ここで、はじき防
止剤を添加する対象となる電着塗料は、特に限定されな
い。即ち、従来から公知の電着塗料であれば、上述の水
性分散体とは異なるものであってもあらゆる種類のもの
が対象となる。電着塗料に対するはじき防止剤の添加量
は、通常、電着塗料に含まれる固形分に対して1〜10
重量%、好ましくは1〜5重量%である。はじき防止剤
の添加量が1重量%未満の場合は、本発明が目的とする
突沸はじきおよび自己はじきの双方の抑制効果が得られ
にくい。逆に、添加量が10重量%を越えると、塗膜の
表面平滑性が低下し、塗膜外観が損なわれる場合があ
る。なお、はじき防止剤の添加方法は、任意であるが、
一般には直接に、あるいは溶媒で希釈してから添加する
方法がとられる。また、はじき防止剤としては、上述の
はじき防止剤とともに、従来から公知のはじき防止剤が
併用されてもよい。
【0052】
【実施例】製造例1(はじき防止剤(N−MAC重合体)Iの製
造) 滴下ロート、還流冷却器、温度計、撹拌機を備えた2l
の4つ口フラスコからなる重合反応装置を用意した。こ
の反応装置に、メチルイソブチルケトン1,300gお
よびn−ヘキシルセロソルブ600gをそれぞれ入れ、
これを撹拌しながら100℃に加熱した。次に、N−メ
タクリロイルカルバミン酸n−ヘキシルオキシエチル3
00gおよびアゾビスイソブチロニトリル15gをメチ
ルイソブチルケトン700gに予め溶解しておき、これ
を1時間30分かけて等速滴下した。さらに、メチルイ
ソブチルケトン100gにアゾビスイソブチロニトリル
3gを溶解し、この溶液をさらに30分かけて等速滴下
した。その後、100℃で1時間30分熟成し、数平均
分子量が4,000、ガラス転移温度が11℃、溶解性
パラメーターが11、不揮発分が34重量%のN−MA
C重合体(はじき防止剤I)を得た。
【0053】製造例2(はじき防止剤(N−MAC共重
合体)IIの製造) 300mlの4つ口フラスコに温度計、撹拌装置、窒素
導入管、および200mlの滴下ロートを設置し、反応
装置を用意した。この反応装置にメチルイソブチルケト
ン100gを入れ、100℃に加熱した。次に、N−メ
タクリルカルバミン酸n−ヘキシルオキシエチル40
g、スチレン35g、メタクリル酸2−ヒドロキシエチ
ル25g、およびN,N−アゾビスイソブチロニトリル
5gの混合物を200mlの滴下ロート内に仕込み、9
0分かけて等速滴下した。滴下終了後、100℃で30
分撹拌し、その後、メチルイソブチルケトン10gに溶
解したN,N−アゾビスイソブチロニトリル0.5gを
さらに10分かけて滴下した。その後、100℃で90
分撹拌し、転換率が93%、数平均分子量が5,10
0、ガラス転移温度が30℃、溶解性パラメーターが1
1、不揮発分が38重量%のN−MAC共重合体(はじ
き防止剤II)を得た。なお、このN−MAC共重合体
は、N−メタクリルカルバミン酸n−ヘキシロキシエチ
ル由来の繰り返し単位をモノマー比で40重量%含んで
いる。
【0054】製造例3(はじき防止剤(アクリルポリマ
ー)IIIの製造) 滴下ロート、還流冷却器、温度計、撹拌機を備えた50
0mlの4つ口フラスコからなる重合反応装置を用意し
た。この反応装置に、メチルイソブチルケトン60gを
入れ、これを撹拌しながら120℃に加熱した。次に、
t−ブチルメタクリレート67g、グリシジルメタクリ
レート15g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート1
8g、およびカヤエステル−O0.2gを予め混合し、
これを1時間30分かけて等速滴下した。次いで、メチ
ルイソブチルケトン5gにカヤエステル−O0.2gを
溶解し、これを30分かけてさらに等速滴下した。その
後、120℃で1時間30分熟成したところ、数平均分
子量が6,500、ガラス転移温度が81℃、溶解性パ
ラメーターが10.4、不揮発分が60重量%のアクリ
ルポリマー(はじき防止剤III)が得られた。
【0055】製造例4(アミン変性エポキシ樹脂エマル
ションAの製造) 滴下ロート、還流冷却器、温度計、撹拌機を備えた2l
の4つ口フラスコからなる重合反応装置を用意した。こ
の反応装置に、エポトートYD−011(東都化成株式
会社製のエピビス型エポキシ樹脂)920g、プラクセ
ル205(ダイセル化学工業株式会社製のカプロラクト
ンジオール)210gおよびキシレン60gを加えて溶
解し、130℃に加熱した。次に、ジメチルベンジルア
ミン3gを加え、エポキシ価が1,100になったとこ
ろでメチルイソブチルケトンを220g加えて冷却し
た。110℃になってからN−メチルエタノールアミン
60gと、ジエチレントリアミンのメチルイソブチルケ
トンによるケチミン溶液(不揮発分70重量%)75g
とを加えた。110℃で1時間撹拌を継続した後に冷却
し、不揮発分が84重量%のアミン化エポキシ樹脂を得
た。
【0056】次に、還流冷却器、温度計、撹拌機を備え
た1lの3つ口フラスコを用意し、これに得られたアミ
ン化エポキシ樹脂158gとブロック化イソシアネート
(トリメチロールプロパン1当量、トリレンジイソシア
ネート3当量および2−エチルヘキシルアルコール3当
量を反応させて合成した、不揮発分が70重量%のも
の)96gとを加え、40℃で30分撹拌した。次い
で、酢酸4.9gおよび脱イオン水500gを加え、固
形分が20重量%のアミン変性エポキシ樹脂エマルショ
ンAを得た。
【0057】製造例5(顔料ペーストBの製造) 製造例4で得られたアミン化エポキシ樹脂24g、酢酸
24g、脱イオン水47g、カーボンブラック1g、酸
化チタン14g、塩基性ケイ酸鉛5gおよび珪酸アルミ
ニウム14gを混合し、顔料ペーストBを得た。
【0058】実施例1〜4、比較例1〜2 表1に示す割合でアミン変性エポキシ樹脂エマルション
A、顔料ペーストBおよびはじき防止剤を混合し、電着
塗料組成物を調整した。得られた電着塗料組成物を燐酸
亜鉛処理鋼板に膜厚が20μmになるよう28℃、12
5Vで3分間電着塗装し、突沸はじき、自己はじきおよ
び上塗り密着性を調べた。試験方法および評価基準は次
の通りである。結果を表1に示す。
【0059】(突沸はじき)電着塗装した未硬化塗膜上
にアルミニウム製の小容器を配置し、その容器内に水と
潤滑油とを入れて塗膜を焼き付けた。この際、加熱によ
りはじいた潤滑油によるはじき跡を調べた。 ○:はじき跡がほとんど観察されない。 ×:塗膜全体にはじき跡が観察される。
【0060】(自己はじき)電着塗膜を目視で観察し、
クレーターの数を調べた。クレーターの数が30以下で
あれば良好である。
【0061】(上塗り密着性)電着塗膜の上に上塗り塗
料(OTO−630:日本ペイント株式会社製)を塗装
して焼き付けた後、1mmゴバン目剥離法により評価し
た。 ○:剥離なし(100/100) ×:剥離有り
【0062】
【表1】
【0063】
【発明の効果】本発明のはじき防止剤は、上述の繰り返
し単位を有する高分子化合物を含むので、突沸はじきお
よび自己はじきの双方を抑制することができる。
【0064】本発明の電着塗料組成物は、上述のはじき
防止剤を含んでいるので、突沸はじきおよび自己はじき
による外観不良の少ない電着塗膜を形成することができ
る。
【0065】本発明のはじき防止方法は、電着塗料中に
上述のはじき防止剤を添加しているので、突沸はじきお
よび自己はじきの双方を抑制することができる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の一般式(1)で示される繰り返し単
    位を有する高分子化合物を含む電着塗料用はじき防止
    剤。 【化1】 (式中、R1 は、水素原子または炭素数が1〜4のアル
    キル基、R2 は、炭化水素基、Xは、酸素原子、窒素原
    子または硫黄原子、を示す。)
  2. 【請求項2】前記高分子化合物は、前記繰り返し単位の
    みからなるホモポリマーである、請求項1に記載の電着
    塗料用はじき防止剤。
  3. 【請求項3】前記高分子化合物は、前記繰り返し単位を
    含むコポリマーである、請求項1に記載の電着塗料用は
    じき防止剤。
  4. 【請求項4】前記繰り返し単位をモノマー比で少なくと
    も5重量%含む、請求項3に記載の電着塗料用はじき防
    止剤。
  5. 【請求項5】前記高分子化合物は、分子量が2,000
    〜50,000である、請求項1、2、3または4に記
    載の電着塗料用はじき防止剤。
  6. 【請求項6】前記一般式(1)において、R2 は、アル
    キル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、
    フェニル基、フェノキシ基、およびこれらの置換基中に
    ヘテロ原子を含む基である、請求項1、2、3、4また
    は5に記載の電着塗料用はじき防止剤。
  7. 【請求項7】電着可能なフイルム形成性樹脂を含む水性
    分散体と、 下記の一般式(1)で示される繰り返し単位を有する高
    分子化合物を含むはじき防止剤と、を含む電着塗料組成
    物。 【化2】 (式中、R1 は、水素原子または炭素数が1〜4のアル
    キル基、R2 は、炭化水素基、Xは、酸素原子、窒素原
    子または硫黄原子、を示す。)
  8. 【請求項8】前記はじき防止剤を、前記水性分散体に含
    まれる固形分に対して1〜10重量%含む、請求項7に
    記載の電着塗料組成物。
  9. 【請求項9】下記の一般式(1)で示される繰り返し単
    位を有する高分子化合物を含むはじき防止剤を電着塗料
    中に添加する工程を含む、電着塗料のはじき防止方法。 【化3】 (式中、R1 は、水素原子または炭素数が1〜4のアル
    キル基、R2 は、炭化水素基、Xは、酸素原子、窒素原
    子または硫黄原子、を示す。)
  10. 【請求項10】前記はじき防止剤を、前記電着塗料中の
    固形分に対して1〜10重量%添加する、請求項9に記
    載の電着塗料のはじき防止方法。
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