JPH0834624A - ガラス器物の吹成方法 - Google Patents

ガラス器物の吹成方法

Info

Publication number
JPH0834624A
JPH0834624A JP19480094A JP19480094A JPH0834624A JP H0834624 A JPH0834624 A JP H0834624A JP 19480094 A JP19480094 A JP 19480094A JP 19480094 A JP19480094 A JP 19480094A JP H0834624 A JPH0834624 A JP H0834624A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
blowing
fluorine
blow
human body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP19480094A
Other languages
English (en)
Inventor
Hitoshi Onoda
仁 小野田
Hisakazu Kamimura
久和 上村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Techno Glass Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Glass Co Ltd filed Critical Toshiba Glass Co Ltd
Priority to JP19480094A priority Critical patent/JPH0834624A/ja
Publication of JPH0834624A publication Critical patent/JPH0834624A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Glass Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 有害成分を含有するガラスを使用して手吹き
成形を行う際の人体への悪影響を排除すること。 【構成】 吹き竿の先端に乳白ガラスと近似の物性値に
調整されかつ弗素を含有しないガラスを巻き付けて下玉
を形成した後、下玉の外表面に弗素を含有する乳白ガラ
スを巻き付けて任意の形状に吹成する。 【効果】 下玉により有害揮発成分が遮断されて吹き竿
からの吸入が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、手吹き成形によるガラ
ス器物の吹成方法に係り、特に人体に有害な成分を含ん
だガラスを使用して吹成を行う場合に有効な方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ガラス器物の吹成方法には、大量生産に
適した自動吹成装置によるいわゆる機械吹きと、作業者
が吹き竿を用いて型吹きまたは宙吹きするいわゆる手吹
きがある。ガラス工芸の分野では専ら手吹きが主流であ
るが、工業製品分野においても生産数量が少ないものや
機械成形が難しい形状の物、あるいは量産品の試作段階
等では現在でも手吹きによるガラス成形が重宝されてい
る。
【0003】手吹きによる製品の吹成方法としては、ま
ず水飴を巻き取るのと同じ要領で吹き竿の先端にガラス
種を巻き取り、鋳鉄または木製の椀型をしたリン台と称
する容器内でガラス種の肉厚を整えた後、所定の金型の
中に入れて呼気によって吹上げ、製品形状とする。ま
た、大形の製品などでは、吹き竿の先端に製品を形成す
るのに要する分量のガラスを一度に巻き付けることが難
しく、2回に別けて巻き付ける方法も行われている。
【0004】さらに、その改良方法として、特開昭49-2
9309号公報に記載された方法がある。この方法は、あら
かじめ基本形となるガラス基型を量産しておき、このガ
ラス基型に吹き竿を溶着し、溶融窯内に挿入して基型の
表面に溶融ガラスを層着してから所望の形状に成形する
ものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】工業製品分野におい
て、手吹き成形が行われているものの例として照明用グ
ローブがある。照明用グローブには、透明なガラスによ
るもののほか乳白ガラスを用いた製品が多く存在する。
一般的な乳白ガラスは、高温でガラス組成に乳白剤とし
てフッ化物を混合溶解させ、これを冷却過程で微粒子と
して析出させてガラスを乳白化したものである。このよ
うな少量生産品種で、しかもフッ化物のような揮発性の
成分を含んだガラスは、ネコツボのような小型のポット
炉で溶解されるのが一般的である。
【0006】乳白ガラスは、上記のとおり、乳白剤とし
てフッ化物を含んでおり、高温においてガラスから弗素
が揮発する。周知のように弗素は人体にとって有毒であ
り、乳白ガラスを手吹きする際に吹き竿を通じて揮発し
た弗素を吸入して健康を害する被害が発生する問題があ
り、改善が求められていた。
【0007】弗素以外にもガラスに含有される成分で揮
発して人体に有害な物質として、着色剤としてのカドミ
ウムやセレン、また成形時での揮発性は弱いが鉛ガラス
の鉛などがある。
【0008】上記従来の方法では、ガラスを2回に別け
て巻き付ける方法にしても特開昭49-29309号公報に記載
の方法にしてもガラス成分と健康上の問題についての配
慮はなされておらず、同種のガラスを重層して成形が行
われている。このため、依然として上記問題は解消され
ていない。
【0009】本発明は、このような事情を考慮してなさ
れたもので、有害成分を含有するガラスを使用して手吹
き成形を行う際の人体への悪影響を排除することを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、手吹き成形に
よるガラス器物の吹成方法において、吹き竿の先端に人
体に有害な成分を実質的に含有せずかつ母ガラスと近似
の物性値を有するガラスを巻き付けて下玉を形成した
後、下玉の外表面に人体に有害な成分を含有する母ガラ
スを巻き付けて任意の形状に吹成することを特徴とする
ガラス器物の吹成方法である。
【0011】また、前記人体に有害な成分が、鉛、弗
素、カドミウム、セレン、のいずれかであるものであ
る。
【0012】また、前記人体に有害な成分が弗素であ
り、前記母ガラスが弗素を含有する乳白ガラスであるも
のである。
【0013】
【作用】上記構成によれば、まず吹き竿の先端に人体に
有害な成分を含有しないガラスを巻き付け下玉を形成し
てから人体に有害な成分を含有する母ガラスを巻き付け
て吹成するので、母ガラスからの揮発成分は下玉層に遮
られて吹き竿内に入り込まず、よって有害成分を吸入す
ることが防止できる。
【0014】また、下玉と母ガラスの物性値を近似に調
整したものを使用しているので、吹成時に下玉層と母ガ
ラス層は一体となって均一に伸張変形し、成形に困難性
はなく、成形途中で下玉層が破れることもない。また冷
却時に膨脹係数の差によりクラックを生ずることもな
い。
【0015】鉛、弗素、カドミウム、セレンは、高温に
おいて揮発性があるので、吹き竿を通して吸入する危険
性が高いため、本発明は、これら有害揮発成分を含有す
るガラスを母ガラスとする際に効果的である。
【0016】乳白ガラスに使用されるフッ化物中の弗素
は、非常に揮散しやすく毒性が強いにもかかわらず、乳
白ガラス原料として有用で製品の需要が多いため、フッ
化物を含有する乳白ガラス製品の成形に際して特に本発
明は有効に作用する。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図4を参
照して、照明用乳白ガラスグローブの成形について説明
する。表1に本実施例で使用した母ガラス(乳白ガラ
ス)および下玉ガラスの組成と物性値を示す。なお表中
の組成は質量%で示してある。
【0018】
【表1】
【0019】母ガラスは、乳白剤として弗素を含有した
乳白ガラスであり、下玉ガラスは母ガラスに近似した組
成を持ち弗素を含有しないガラスからなる。なお、下玉
ガラスは、円滑な成形と破損防止のために母ガラスと同
等の物性値を有することが必要であり、特に熱膨脹係数
が母ガラスのそれに対して±0.5×10-7/℃の範囲
内に、徐冷点がほぼ同等の値となるように組成を調整す
る。本実施例の下玉ガラスは、表1に示すとおり熱膨脹
係数、徐冷点ともこの条件を満たしたものを使用してい
る。なお、表中の熱膨脹係数は、0〜300℃における
値であり、単位は×10-7/℃である。
【0020】次に本発明の方法にしたがって、照明用乳
白ガラスグローブを吹成する。表1の組成となるようそ
れぞれ原料を調合して図示しない別々のポット炉にて溶
解しておく。まず、吹き竿3の先端を溶解した下玉ガラ
スに漬けて適量のガラスを巻き取り、若干の呼気を吹き
込んで図1のような下玉1を作成する。次に、下玉1を
溶解した乳白ガラスに漬けて、下玉の表面に所要量の乳
白ガラス2を巻き付けて馴染ませ、図2に示すパリソン
5を作成する。このパリソン5を図示しない金型内で呼
気により型吹き成形し、照明用乳白ガラスグローブ4の
製品形状とする。金型から取り出した状態を示すものが
図3である。この後、吹き竿3を切り離して製品を徐冷
し、切り口の研磨等の仕上げを行って照明用乳白ガラス
グローブ4が完成する。
【0021】この間、成形に困難な問題はなく、単一の
ガラスを吹成するのと同様に行うことができる。また、
吹き竿の先端に直接乳白ガラスを巻き付けて呼気により
吹成を行うと、口中が酸っぱく感じたり、喉が痛くなっ
たり、さらには作業者の気分が悪くなったりすることが
あるが、本実施例の工程においては、このような症状を
訴える者はいなかった。また、徐冷以降の工程において
も2種のガラスの接合面から製品にクラックや破損を生
じたものはなかった。
【0022】なお、下玉ガラスには有害成分をまったく
含有しないものを用いることが望ましいが、ガラスの物
性調整のため等でやむをえない場合には、物質による毒
性、揮発性、作業温度、製作数量等を勘案して作業者の
健康を害さないように制限する。本実施例の下玉ガラス
では清澄剤として微量の亜ヒ酸を含有しているが、その
半量程度は溶解時に揮散してしまい成型段階での揮発に
よる影響はほとんどない。しかし、できれば他の清澄剤
に置換するなどして亜ヒ酸を使用しない方がより望まし
い。
【0023】図4に図3の円内部分に相当する完成した
照明用乳白ガラスグローブ4の一部拡大断面図を示す。
肉厚4〜5mmの乳白ガラス2の内面に下玉ガラス1か
らなる層11が0.1〜0.3mm程度の均一な厚さで
形成されており、乳白ガラス2が内面に露出している部
分はなかった。このことからも弗素を含有しない下玉ガ
ラス1の存在により、乳白ガラス2から揮発する弗素が
遮断され、吹き竿3内に弗素が侵入しなかったことが確
認される。
【0024】製品における下玉層の厚さは、できるだけ
薄い方が望ましい。下玉ガラスの物性値を乳白ガラスに
合わせて調整してあるとはいっても、溶融・成形の間に
成分揮発などによる組成変動などによって、特性がずれ
ることも考えられ、このような場合、下玉層が厚いと熱
膨脹係数差などの影響が拡大されてクラック等の原因に
なるからである。また下玉層が厚くなると、所定の肉厚
に成形した際、相対的に乳白ガラス層の厚みが減り、所
望の乳白色が得られない場合もあるので好ましくない。
【0025】次に、上記実施例で作成した照明用乳白ガ
ラスグローブと、下玉ガラスをつけないで乳白ガラスの
みから作成した同一形状同一サイズの照明用乳白ガラス
グローブとについて、製品に必要とされる熱衝撃試験と
耐水性試験を行った。熱衝撃試験は、製品を電気炉内で
加熱した後、15℃の水に静かに投入し破壊するまでの
温度差をそれぞれ5個ずつの試料について測定した。こ
の結果、熱衝撃試験では、いずれのグローブも最大温度
差110℃に耐え、十分な熱衝撃強度をもっていること
が確認された。また、耐水性については、下玉ガラスと
乳白ガラスとについて、それぞれ大工試法によるアルカ
リ溶出量を求めた。この結果、乳白ガラスが6.0ml
であったのに対し、下玉ガラスは5.6mlといずれも
充分な値であり、本発明の方法による製品への悪影響は
ないものと考えられる。
【0026】以上、照明用乳白ガラスグローブの成形に
本発明を適用した例について説明したが、本発明はこれ
に限定されるものではなく、カドミウム、鉛、セレン等
人体に有害な揮発成分を含有するガラスを使用して手吹
き成形を行う際の人体への悪影響を効果的に排除するこ
とができる。
【0027】
【発明の効果】以上のように本発明は、有害成分を含む
ガラスを手吹き成形するに際し、有害成分を含まないガ
ラスにより先に下玉を作成し、その上に有害成分を含む
ガラスを巻き付けて吹成するので、有害揮発成分は下玉
に遮られて吹き竿内に入り込まず、作業者が有害成分を
吸入することがない。また、下玉と母ガラスの物性値を
近似に調整したものを使用しているので、母ガラスのみ
からなる製品と同等の特性をもった製品を困難なく成形
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における吹き竿の先端に下玉を
形成した状態を示す断面図である。
【図2】吹き竿の先端に乳白ガラスを巻き付けてパリソ
ンを形成した状態を示す断面図である。
【図3】照明用乳白ガラスグローブを形成した状態を示
す一部切欠正面図である。
【図4】図3に示す円内の拡大断面図である。
【符号の説明】
1 下玉ガラス(下玉) 2 母ガラス(乳白ガラス) 3 吹き竿 4 照明用乳白ガラスグローブ(ガラス器物) 5 パリソン

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 手吹き成形によるガラス器物の吹成方法
    において、吹き竿の先端に人体に有害な成分を実質的に
    含有せずかつ母ガラスと近似の物性値を有するガラスを
    巻き付けて下玉を形成した後、下玉の外表面に人体に有
    害な成分を含有する母ガラスを巻き付けて任意の形状に
    吹成することを特徴とするガラス器物の吹成方法。
  2. 【請求項2】 前記人体に有害な成分が、鉛、弗素、カ
    ドミウム、セレンのいずれかである請求項1記載のガラ
    ス器物の吹成方法。
  3. 【請求項3】 前記人体に有害な成分が弗素であり、前
    記母ガラスが弗素を含有する乳白ガラスである請求項1
    記載のガラス器物の吹成方法。
JP19480094A 1994-07-27 1994-07-27 ガラス器物の吹成方法 Pending JPH0834624A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19480094A JPH0834624A (ja) 1994-07-27 1994-07-27 ガラス器物の吹成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19480094A JPH0834624A (ja) 1994-07-27 1994-07-27 ガラス器物の吹成方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0834624A true JPH0834624A (ja) 1996-02-06

Family

ID=16330476

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19480094A Pending JPH0834624A (ja) 1994-07-27 1994-07-27 ガラス器物の吹成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0834624A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010241634A (ja) * 2009-04-06 2010-10-28 Eiko Yamada 外被せガラスおよびその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010241634A (ja) * 2009-04-06 2010-10-28 Eiko Yamada 外被せガラスおよびその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7226508B2 (en) Quartz glass crucible and method for the production thereof
JP4454266B2 (ja) ホウケイ酸ガラスおよびその使用
EP0463543A1 (en) Manufacture of quartz glass crucible for use in the manufacture of single crystal in silicon
JP2006089502A (ja) 歯科修復物の形成方法およびそのための装置
JP2006131480A (ja) 光学ガラス及び光学素子
JPS5999653A (ja) タングステン−ハロゲン電球用のガラス包囲体
CN101012101A (zh) 红色玻璃、红色玻璃的生产方法以及使用这种玻璃得到的着色灯泡和管
SK283669B6 (sk) Použitie sklenených kompozícií na prípravu zubných sklenených implantátov a podporných implantátov a spôsob výroby sklenených implantátov
ES2650732T3 (es) Proceso para la preparación de material de vidrio cerámico en forma de láminas y láminas obtenidas de ese modo.
JPH0834624A (ja) ガラス器物の吹成方法
WO2007045654A1 (en) Pellets for se encapsulation
JP3393063B2 (ja) 不純物金属遮蔽用耐熱性合成シリカガラス及びその製造方法
JP2003252646A (ja) 光学ガラス
JP2004292306A (ja) モールドプレス成形用光学ガラス
KR101149114B1 (ko) 호박색 유리의 제조 방법, 호박색 유리, 색상을 띤 전구용튜브 및 블랭크의 제조 방법, 및 그러한 유리로 얻어진색상을 띤 전구
JPH06305773A (ja) ガラス長繊維
JPS6212637A (ja) ガラスセラミツクス製歯冠およびその製造方法
JP3248279B2 (ja) 抗菌性ガラス用組成物
JP3584586B2 (ja) 耐蝕性ガラス繊維
JPH08165137A (ja) シャンペン色の透明ガラス
CN110330224B (zh) 一种适合人工成型的大瓶罐玻璃及其制备方法
JP2002173334A (ja) 光学ガラス
US20240115461A1 (en) Tube glass, primary packaging container for pharmaceutical preparations, and alkali silicate glass
JP5584414B2 (ja) 琥珀色のガラス
JP7141844B2 (ja) 石英ガラスるつぼの製造方法