JPH0834377B2 - 静止衛星追尾用車載アンテナの制御方法 - Google Patents

静止衛星追尾用車載アンテナの制御方法

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JPH0834377B2
JPH0834377B2 JP6826088A JP6826088A JPH0834377B2 JP H0834377 B2 JPH0834377 B2 JP H0834377B2 JP 6826088 A JP6826088 A JP 6826088A JP 6826088 A JP6826088 A JP 6826088A JP H0834377 B2 JPH0834377 B2 JP H0834377B2
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祐吉 関口
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三輪精機株式会社
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【発明の詳細な説明】 a.発明の目的 (産業上の利用分野) この発明に係る静止衛星追尾用車載アンテナの制御方
法は、地震、台風等の災害時に出動し、上空に存在する
静止衛星を利用して各種連絡を行なう無線車のアンテナ
装置を制御し、常にアンテナが静止衛星に向く様にする
ものである。
(従来の技術) 地震や台風等の災害時に於いて現場と対策本部等との
間の連絡を行なう手段として、無線が使用されるが、近
年、上空に打ち上げられた静止衛星を利用して、遠く離
れた場所同士で明瞭な通信を行なえる様にする事が多く
なっている。
この様な静止衛星を利用した無線通信を行なう場合、
アンテナ(通常パラボラアンテナを使用する。)を所定
の静止衛星に正しく向ける事が必要である。何となれ
ば、現在上空には多くの静止衛星が打ち上げられてお
り、アンテナの向きが僅か(5度程度)にずれた場合に
於いても、アンテナが本来向いていなければならない静
止衛星の隣の静止衛星に向いてしまい、静止衛星を利用
した無線通信が行なえなくなる為である。
この為従来は、現場に運んだアンテナをモータにより
ギヤを介して駆動し、静止衛星に向ける様にしていた。
ところが、上述の様にアンテナをギヤを介して駆動す
る事により静止衛星に向ける場合、アンテナの向きを変
えるのに若干の時間を要する為、通信用のアンテナを自
動車に積んで現場に向かう場合、走行中にアンテナを利
用して無線通信を行なう事は出来なかった。
即ち、自動車の走行中には、進路変更に伴なって絶え
ず自動車の向きが変化するだけでなく、悪路を走行する
際にはローリングやピッチングの繰り返しにより、激し
くアンテナの向きが変化する傾向となるが、モータによ
りギヤを介して行なう従来のアンテナ駆動装置の場合、
この様な激しい動きに対応して常にアンテナを静止衛星
に向けておく事は殆ど不可能である。
この為従来は、走行中にも通信を行なえる静止衛星追
尾用アンテナ装置は実用化されていないのが現状である
が、本発明者はこの様な事情に鑑みて、走行中でも通信
を行なえる静止衛星追尾用車載アンテナ装置を提案した
(特願昭61−241287号)。
この先発明に係る静止衛星追尾用車載アンテナ装置
は、例えば第4図に示す様に構成され、第5図のフロー
チャートに示す様に作用する。
即ち、無線車の屋根上等に固定される基台1の上部に
設けられた支持筒2の内側に挿入された垂直支持軸3
は、ラジアル軸受4とスラスト軸受5とにより、捻り方
向の回転を自在としている。
この様な垂直支持軸3の上端部には、例えば第6図に
示す様な自在継手6を介して、アンテナ支持枠7の中間
部を結合する事により、このアンテナ支持枠7を何れの
方向にも揺動自在に支承している。
この様に、垂直支持軸3の上端部に揺動自在に支承し
たアンテナ支持枠7の一端部上側には、アンテナ8を固
定して、アンテナ支持枠7の揺動に伴なって、このアン
テナ8の向きを自由に変えられる様にしている。
アンテナ支持枠7の他側下方に設けた支持腕9にはバ
ランスウェイト10を固定する事により、アンテナ8、バ
ランスウェイト10、後述する複数のノズル等、各種部品
を固定したアンテナ支持枠7の重心を、前記自在継手6
の中心(第6図に示す様な、自在継手6に違いに直交す
る2本の回転中心軸11、12が存在する構造の場合、両回
転中心軸11、12の交点。)に一致させている。
又、アンテナ支持枠7の中間部側方に第7〜8図に示
す様に突出させた支持腕13の先端部には、上下1対のノ
ズル14、15から成る第一のノズル組16が固定されてい
る。この第一のノズル組16を構成する上下1対のノズル
14、15の噴出口は、互いに上下逆方向に開口しており、
何れかの噴出口から圧縮空気を選択的に噴出させる事に
より、このアンテナ支持枠7を、上記自在継手6の回転
中心軸11を中心として捻り方向に回転させる様に構成し
ている。
一方、アンテナ支持枠7の、アンテナ8と反対側端部
には、第9図に示す様に、第二、第三のノズル組17、18
を固定している。この内、第二のノズル組17は、噴出口
を上下逆方向に開口させた上下1対のノズル19、20によ
り構成されており、何れかのノズル19(或は20)の噴出
口から選択的に圧縮空気を噴出させる事により、このア
ンテナ支持枠7を水平軸(前記自在継手6の回転中心軸
12)を中心として揺動する方向に回転させる様にしてい
る。
アンテナ支持枠7の反対側端部に上記第二のノズル組
17と同様に固定された第三のノズル組18は、それぞれ左
右反対方向に開口したノズル21、22により構成されてお
り、何れかのノズル21(或は22)の噴出口から圧縮空気
を選択的に噴出させる事により、上記支持枠7を前記垂
直支持軸3を中心として回転させる様に構成している。
更に上記アンテナ支持枠7には、このアンテナ支持枠
7の一端に固定されたアンテナ8の向きを検知する為、
方位センサと垂直センサとを内蔵した検知手段23を固定
している。この内の方位センサは、アンテナ8の水平方
向の向き(東西南北の向き)を検出し、予め解っている
静止衛星の方角とアンテナ8の指向方向とがずれている
場合に、そのずれの方向と大きさ(ずれ角度)とを検出
出来る様にしている。この方位センサとしては、方位ジ
ャイロ、或は地磁気方位センサ等、従来から知られてい
る東西南北検出用の各種機器を採用する事が出来る。
又垂直センサは、アンテナ8の上下方向の向きを検出
して、アンテナ8の仰角と静止衛星の高さ位置とがずれ
ている場合に、このずれの方向と大きさ(ずれ角度)と
を検出出来る様にしている。この垂直センサとしては、
傾斜計、或はアンテナ支持枠7の水平状態を検出するバ
ーチカルジャイロ、水準器等、従来から知られた各種機
器を採用する事が出来る。
尚、静止衛星は赤道の上空約36000kmの位置に静止し
ており、無線車から見た静止衛星の方向は、無線車の位
置(経度、緯度、標高)が多少(水平方向に数十km〜数
百km程度。車載式アンテナの場合、垂直方向のずれ(標
高差)は実際上問題となり得ない。)動いたとしても衛
星通信を行なうのに支障が生じる程変わる事はない為、
上記方位センサと垂直センサとから成る検知手段23から
の信号に基づいてアンテナ8の向きを制御する事によ
り、十分に実用的な通信を行なう事が出来る。
即ち、上記先発明に係る静止衛星追尾用車載アンテナ
装置に於いては、方位センサと垂直センサとから成る検
知手段23から出される信号ハを、第10図のブロック図に
示す様に、上記第一〜第三のノズル組16〜18を構成する
ノズル14、15、19〜22への圧縮空気の流路の途中に設け
た電磁弁(実際の場合、電磁弁は各ノズルの噴出口に近
い部分に内蔵されている。)の開閉を制御する制御器24
に入力している。そしてこの制御器24は、上記検知手段
23から送られて来る信号ハに基づき、上記6個のノズル
の内の適当なノズルに通じる電磁弁を開いてこのノズル
から圧縮空気を噴出させ、この噴出の反作用としてアン
テナ支持枠7を適当な方向に回動或は揺動させて、この
アンテナ支持枠7の一端に固定されたアンテナ8の向き
を常に上空の静止衛星に向ける作用をする。
尚、第10図に示す様に、アンテナ8から送り出された
受信信号イはAGC(オートゲインコントローラ)により
増幅されて受信器に入力される。又、上記AGCの増幅率
を表わす信号ロは、上記制御器24に送り込まれ、アンテ
ナ8の指向方向を制御する際の補助とされる。尚、この
部分に就いては、先発明の明細書に記載されており、且
つ本願発明と直接関係がない為、詳しい説明は省略す
る。
上述の様に構成される先発明に係る静止衛生追尾用車
載アンテナ装置に於いては、このアンテナ装置を積んだ
無線車が走行する際に、この無線車の走行方向が変化し
たり、或は悪路走行に伴なうローリングやピッチングが
生じても、この走行方向の変化やローリング、ピッチン
グにより、一端にアンテナ8を固定したアンテナ支持枠
7の方向が変化したり、或は支持枠7にローリングやピ
ッチングを生じて、アンテナ8の向きが静止衛星からず
れる事はない。
即ち、上記アンテナ支持枠7を上端部に支承した垂直
支持軸3は、捻れ方向に回転自在であり、この垂直支持
軸3の上端部に自在継手6を介して装着されたアンテナ
支持枠7の重心は自在継手6の中心、即ちこの自在継手
6を構成する回転中心軸11、12の交点に一致している
為、アンテナ支持枠7は、外力を加えない限りその姿勢
を維持しようとする傾向となり、しかもアンテナ8やバ
ランスウェイト10を含むアンテナ支持枠7の慣性質量は
50〜100kg、或はそれ以上と十分に大きい為、アンテナ
支持枠7がそのままの姿勢を維持しようとする傾向は顕
著になり、アンテナ装置を積んだ無線車の向きが急激に
変化したり、或は悪路走行に伴なうローリングやピッチ
ングが生じた場合でも、アンテナ支持枠7はその大きい
慣性質量の為、そのままの姿勢を維持する。
無線車の姿勢が変化するにも拘らず、アンテナ支持枠
7がそのままの姿勢を維持する為、上記アンテナ支持枠
7と無線車とが相対的に変位するが、この変位は垂直支
持軸3が回転したり、自在継手6が変位したりする事で
補償される。
更に、第4図に示した例に於いては、アンテナ支持枠
7と無線車との相対的変位時に、上記垂直支持軸3が極
く軽い力で回転出来る様に、スリップリング等の摩擦抵
抗が垂直支持軸3の回転抵抗となる事を防止する機構を
付設している。
即ち、無線車の車体に固定の部分と垂直支持軸3との
間には、圧縮空気源から前記複数のノズルに圧縮空気を
送る為の空気配管、検知手段23や電磁弁のソレノイドに
通電する為の電源コード、或は検知手段23から制御器24
に信号を送る為のコード等を接続するスリップリング及
びフリージョイント(これらを総称してスリップリング
等とする。)25を設けなければならないが、このスリッ
プリング等25の回転抵抗は圧縮空気の漏れを防止する必
要上、かなり大きなものとならざるを得ず、そのまま対
策を講じなければ垂直支持軸3の回転抵抗が大きくなっ
て、無線車の姿勢変化に対応してアンテナ支持枠7の姿
勢が多少なりとも変化する事が避けられなくなる。
この為、第4図に示した例に於いては、スリットプリ
ング等25の上部と垂直支持軸3の下端部とを直接接続す
る事をせず、スリップリング等25の上端部に設けた接続
口と垂直支持軸3の下端部に設けた接続口とを、可撓性
を有する導線及びチューブ26により接続している。上記
スリップリング等25の上端部には、モータ27により回転
駆動される歯車28を、この歯車28の上面と垂直支持軸3
の下端部に固定された検出板29との間には角変位検出器
30を、それぞれ設けている。上記歯車28は、これを回転
させる事により、スリップリング等25の上端部の接続口
が回転する様に、この接続口に対して固定されており、
モータ27によって歯車28を回転させた場合に、スリップ
リング等25上端の接続部が回転する様に構成している。
角変位検出器30は、垂直支持軸3と歯車28との変位量が
大きくなり、上記導線及びチューブ26の捻れ量が多くな
った場合に、上記モータ27を起動して、導線及びチュー
ブ26の捻れを修正する方向に歯車28を回転させる。
スリップリング等25と垂直支持軸3とをこの様に接続
する事により、垂直支持軸3を回転させる為に要する力
は、ラジアル軸受4とスラスト軸受5との回転抵抗の他
は、導線及びチューブ26を少し捻るのに要するだけの極
く小さなもので済む様になる為、垂直支持軸3は極く軽
い力で回転し、無線車の変位がアンテナ支持枠7に迄伝
わるのを有効に防止する。
アンテナ支持枠7の運転が自由に行なわれる様にする
為に、各軸受4、5、自在継手6の軸受部に空気軸受を
採用する事も、先発明を説明した明細書中で提案されて
いる。
無線車とアンテナ支持枠7との相対的変位が多数回繰
り返される事に伴ない、垂直支持軸3を支承したラジア
ル軸受4、スラスト軸受5、自在継手6の回転抵抗や導
線及びチューブ26の捻れによって発生する力、更にはア
ンテナ8やアンテナ支持枠7に当たる風(図示の例に於
いては防風板31によってアンテナ8を覆っているが、僅
かな隙間風や防風板31の内側で発生する対流により、ア
ンテナ支持枠7の付近に空気の流れが生じる事は避けら
れない。)によってアンテナ支持枠7が変位し、このア
ンテナ支持枠7に支持されたアンテナ8の指向方向が静
止衛星の方角からずれた場合、アンテナ支持枠7に装着
した検知手段23が制御器24に送る信号と、この制御器24
に予め記憶させていた静止衛星の位置を表わす信号との
間にずれが生じる。
この様な予め記憶していた信号に対してずれた信号を
受けた制御器24は、ずれの方向と大きさ(ずれ角度)と
を求め、このずれの方向と大きさとに応じて、第一〜第
三のノズル組16〜18を構成する複数のノズルの内、適当
なノズルに通じる圧縮空気流路途中の電磁弁を、ずれの
大きさに応じて適当な時間だけ開く。
例えばアンテナ8の仰角が小さくなり過ぎて、アンテ
ナ8が静止衛星の下側に向いた場合、制御器24は第二の
ノズル組17を構成する2個のノズル19、20の内、上側の
ノズル19に通じる流路途中の電磁弁を開き、このノズル
19から圧縮空気を噴出する。こと噴出によりアンテナ支
持枠7は第4図の矢印a方向に回転し、アンテナ8の仰
角が大きくなる。
アンテナ8が他の方向にずれた場合に於いても、3組
6個のノズルの内の1乃至3個の適当なノズルから圧縮
空気が噴出し、アンテナ支持枠7を揺動或は回動させ
て、アンテナ8を静止衛星に向ける。
以上に述べた様に、検知手段23からのアンテナ8の指
向方向を表わす信号により、このアンテナ8を静止衛星
に向ける事が出来、この静止衛星を使用して実用上十分
な無線通信を行なう事が出来る。
(発明が解決しようとする問題点) ところが、上述の様に構成され作用する先発明に係る
静止衛星追尾用車載アンテナ装置の場合、依然として次
の様な解決すべき問題が存在する。
即ち、検知手段23が検知するアンテナ8の指向方向
と、静止衛星の方角とにずれが生じた場合、第一〜第三
のノズル組16〜18を構成する6個のノズル14、15、19〜
22の内の何れかのノズルから空気を噴出し、その反動で
アンテナ支持枠7を揺動させる事で、アンテナ8の指向
方向と静止衛星の方角とを一致させるが、アンテナ支持
枠7は、前述の様に大きな慣性質量を有し、しかも軽い
力で揺動する様に支持される為、アンテナの指向方向と
静止衛星の方角とを一致させるのに長い時間を要し、そ
の間通信状態が不良となり易くなる。
即ち、ノズルからの空気噴出に伴なって揺動を開始し
たアンテナ支持枠7は、空気の噴出を停止しても直ちに
は停止しない。この為、アンテナの指向方向と静止衛星
の方角とのずれが小さくなった状態で空気を逆方向に噴
出する事により、上記指向方向と方角とが一致した状態
で、アンテナ支持枠7を停止させる様にはするが、空気
の噴出開始と停止とのタイミングを図る事が難しく、ア
ンテナの指向方向と静止衛星の方角とを一致させる迄に
は長い時間を要する。
本発明の静止衛星追尾用車載アンテナの制御方法は、
前述した先発明の利点はそのままにして、上述の様な不
都合を解消するものである。
b.発明の構成 (問題を解決する為の手段) 本発明の静止衛星追尾用車載アンテナの制御方法は、
捻り方向の回転自在な垂直支持軸の上端部に、自在継手
を介してアンテナ支持枠の中間部を装着し、このアンテ
ナ支持枠の一端にアンテナを固定すると共に、アンテナ
支持枠の他側に、上記アンテナの重量に見合う重量を有
する構造物を固定する事により、このアンテナ支持枠の
重心を前記自在継手の中心に一致させ、圧縮空気の噴出
によって、アンテナ支持枠を垂直支持軸と自在継手とを
中心として三次元の任意の方向に回転させる複数個のノ
ズルを設けた静止衛星追尾用車載アンテナを制御し、各
ノズルへの圧縮空気の供給を制御する電磁弁を適当なタ
イミングで開いて何れかのノズルから圧縮空気を噴出さ
せ、アンテナ支持枠を適当な方向に回動或は揺動させ
て、アンテナの指向方向と上空の静止衛星の方角とを一
致させるものである。
この様な本発明の静止衛星追尾用車載アンテナの制御
方法に於いては、アンテナの向きと静止衛星の方角との
ずれ角度θを横軸に、アンテナの運動の角速度ωを竪軸
にし、竪軸と横軸とをずれ角度θと角速度ωとが何れも
零の点で交差させた姿勢表示座標に、角速度ωが正に大
きく、ずれ角度θが負に大きくなるに従って、又角速度
ωが負に大きく、ずれ角度θが正に大きくなるに従っ
て、上記交点から離れる制御線により上記姿勢表示座標
を、ずれ角度θと角速度ωとが何れも正に大きい側に広
がる第一区画と、ずれ角度θと角速度ωとが何れも負に
大きい側に広がる第二の区画とに二分割し、アンテナの
状態が第一区画に存在する場合に、横軸の正の方向に対
応する方向に向いたノズルから圧縮空気の噴出を行なわ
せ、アンテナの状態が第二区画に存在する場合に、横軸
の負の方向に対応する方向に向いたノズルから圧縮空気
の噴出を行なわせ、アンテナの状態が上記制御線の近傍
に存在する場合に、何れのノズルからも圧縮空気の噴出
を行なわせない様にする。
更に、アンテナの動きを一層円滑にする為には、上記
姿勢表示座標中の制御線を、アンテナ支持枠の回転中心
からノズルの噴出口迄の距離をRとし、ノズルからの空
気噴出に伴なう反動力をFとし、アンテナ支持枠の慣性
能率をIとした場合に、 を満足する放物線とする。
(作用) 上述の様に構成される本発明の静止衛星追尾用車載ア
ンテナの制御方法の場合、アンテナの向きと運動角速度
との状態が、姿勢表示座標の第一区画に存在する場合に
は、ノズルから横軸の正の方向に対応する方向に圧縮空
気を噴出し、、アンテナを横軸の負の方向に対応する方
向に移動させる。
又、アンテナの向きと運動角速度との状態が、姿勢表
示座標の第二区画に存在する場合には、ノズルから横軸
の負の方向に対応する方向に圧縮空気を噴出し、アンテ
ナを横軸の正の方向に対応する方向に移動させる。
この結果、アンテナの指向方向と運動角速度との状態
が、姿勢表示座標の第一区画に存在する場合も、或は第
二区画に存在する場合も、アンテナの状態は制御線に向
けて移動する。
アンテナの指向方向と運動角速度との状態が、制御線
に近い状態となった場合、ノズルからは何れの方向にも
圧縮空気の噴出が行なわれなくなり、アンテナの状態
は、運動角速度が一定のまま、この制御線を姿勢制御座
標の横軸と平行に横切って、それ迄とは違う区画に出
る。
この結果、それ迄とは反対に向いたノズルから圧縮空
気の噴出が行なわれ、アンテナの運動角速度が小さくさ
れ、アンテナの向きと運動角速度とはこの制御線に沿っ
て変化し、アンテナの指向方向と静止衛星の方角とのず
れ角度、並びにアンテナの運動角速度が何れも零に近付
く。
更に、制御線として前記条件を満たす放物線を採用し
た場合は、それ迄とは逆方向のノズルから圧縮空気の噴
出を行なった状態のまま、圧縮空気の噴出方向の切り換
えや噴出の起動、停止を頻繁に繰り返さなくても、アン
テナの状態は制御線の近傍をトレースしつつ、アンテナ
の指向方向と静止衛星の方角とのずれ角度、及びアンテ
ナの運動角速度が零の状態に変化する。
(実施例) 次に、図面を参照しつつ本発明を更に詳しく説明す
る。
第1図は本発明による静止衛星追尾用車載アンテナの
制御方法に利用する姿勢表示座標を、第2図はこの姿勢
表示座標の竪軸を成す角速度ωと横軸を成すずれ角度θ
との概念を、それぞれ示している。
第1図の姿勢表示座標に於いては、静止衛星が第2図
に実線で示す方角に存在する場合に於いて、アンテナ8
の指向方向が同図に破線aで示す方向にずれた場合に、
アンテナ8の指向方向と静止衛星の方角とのずれ角度が
正である(+θのずれ角度がある)とし、アンテナ8の
指向方向が同図に破線bで示す方向にずれた場合に、上
記ずれ角度が負である(−θのずれ角度がある)とす
る。
又、アンテナ8が第2図の矢印Aで示す様に、正のず
れ角度を大きくする方向に運動している場合に、正の運
動をしている(運動の角速度が+ωである)とし、アン
テナ8が矢印Bで示す様に、負のずれ角度を大きくする
方向に運動している場合に、負の運動をしている(運動
の角速度が−ωである)とする。
一方、第1図に示した姿勢表示座標は、アンテナの指
向方向と静止衛星の向きとのずれ角度θを横軸に、アン
テナの運動の角速度ωを竪軸にし、竪軸と横軸とを、ず
れ角度θと角速度ωとが何れも零の点で交差させてい
る。
この第1図に示した様な姿勢表示座標に於いて、鎖線
で表わされた制御線aは、 の条件を満たす放物線であり、 θ≧0の場合は、 で、θ<0の場合は、 で、それぞれ表わされる。
上記(2)(3)式で表わされ、竪軸と横軸との交点
Oで連続して1本の線となる2本の放物線の内、(2)
式で表わされる放物線は、姿勢表示座標の第四象限に存
在し、角速度ωが負に大きく、ずれ角度θが正に大きく
なるに従って、竪軸と横軸との交点Oから離れる。
又、(3)式で表わされる放物線は、姿勢表示座標の
第二象限に存在し、角速度ωが正に大きく、ずれ角度θ
が負に大きくなるに従って上記交点から離れる。
但し、上記(1)〜(3)の各式に於いて、Rはアン
テナ支持枠7の回転中からノズルの噴出口迄の距離、F
はノズルからの空気噴出に伴なう反動力、Iはアンテナ
支持枠の慣性能率であって、反動力Fと慣性能率Iとの
数値は実験的に求められる。
更に、上記(2)(3)両式により表わされる制御線
αの上下には、この制御線と平行な上下側両区画線β、
γが存在する。
簡単の為、制御線αをω=f(θ)で表わした場合、
上側区画線βはω=f(θ−x)で、下側区画線γはω
=f(θ+x)で、それぞれ表わされる。
上側区画線βと下側区画線γとで上下を区切られた帯
状部分(第1図の斜格子部分)は不感帯33で、アンテナ
8の状態(アンテナ8の指向方向と静止衛星の方角との
ずれ角度θ、並びにアンテナ8の運動角速度ω)が、こ
の不感帯33に属する場合、何れのノズルからも圧縮空気
の噴出を行なわせない。
上記姿勢表示座標は、上述の様に制御線αの両側に帯
状に存在する不感帯33によって、ずれ角度θと角速度ω
とが何れも正に大きい側に広がる第一区画34と、ずれ角
度θと角速度ωとが何れも負に大きい側に広がる第二区
画35とに二分割されている。
アンテナ8の状態が竪軸と横軸との交点Oから外れた
場合、静止衛星を利用して良好な通信を継続的に行なえ
る状態になく、しかもそのまま放置しても回復の見込が
ない為、何れかのノズルから圧縮空気を噴出するが、ア
ンテナ8の状態が第一区画34に存在する場合には、横軸
の正の方向(第1図の右方向)に対応する方向に向いた
ノズルから圧縮空気の噴出を行なわせ、アンテナ8の状
態が第二区画35に存在する場合には、横軸の負の方向
(第1図の左方向)に対応する方向に向いたノズルから
圧縮空気の噴出を行なわせる。
尚、不感帯33の中心を成す制御線αを、前記(2)
(3)式に表わされる様な放物線とする理由は、次の通
りである。
即ち、第1図に座標(θ、ω)で表わされる点36
の状態にあるアンテナ8は、時間の経過と共にずれ角度
並びに角速度を変化させ、t秒後には座標(θ
ω)で表わされる点37の状態に移るが、この点37の座
標成分θ、ωは、それぞれ次の(4)(5)式で表わさ
れる。
そして、上記(4)(5)式を解くと、 となる。点36の状態にあったアンテナ8が、t0秒後に、
姿勢表示座標の原点(交点)Oに達し、ここで安定した
として、その条件(θ=0,ω=0)を上記(6)(7)
式に代入すると、 となる。この(8)(9)式からt0を消去し、θとω
との関係を求めると、 となる。この(10)式は、前記(1)式と実質的に同じ
式であり、この事から、アンテナ8の状態が放物線を連
続させた制御線α上に存在した場合、適当な方向を向い
たノズル(反動力Fを発生させる)適当量の圧縮空気の
噴出を行なわせる事により、アンテナ8がそのまま安定
な状態(ずれ角度θと運動角速度ωとが何れも零の状
態)に向かう事が解る。
従って、アンテナ8の状態が前記第一区画34、或は第
二区画35に存在する場合、何れかのノズルから圧縮空気
を噴出し、アンテナ8の状態を制御線αを中心とする不
感帯33に近付け、更にこの不感帯33に沿った状態で圧縮
空気の噴出を行なわせれば、アンテナ8の指向方向と静
止衛星の方角との間のずれ角度を短時間で零にし、更に
その状態で圧縮空気の噴出を停止すれば、そのままずれ
角度が零の状態で安定させられる事になる。尚、(1)
(10)式の条件を満たす放物線は、姿勢表示座標の第一
象限と第三象限とにも存在するが、第一、第三両象限上
の放物線上の点は、原点Oから離れる方向に移動する
為、制御線として利用出来ない。
上述の様に構成される本発明の静止衛星追尾用車載ア
ンテナの制御方法の場合、アンテナ8の指向方向と静止
衛星の方角とのずれ角度θと、運動角速度ωとの状態
が、第1図の姿勢表示座標の第一区画34に存在する場合
には、何れかのノズル(第4図参照)から横軸の正の方
向(第1図の右方向)に圧縮空気を噴出し、アンテナ8
の指向方向と静止衛星の方角とのずれ角度θを、横軸の
負の方向(第1図の左方向)に移動させようとする力を
惹起する。
この結果、アンテナ8の状態が不感帯33を、横軸の正
から負の方向に通過し、通過後はそれ迄とは逆の方向を
向いたノズルから、アンテナの運動角速度の絶対値を小
さくする方向の圧縮空気の噴出が行なわれ、アンテナ8
の状態は、不感帯33に沿って姿勢表示座標の原点Oに達
する。
この原点Oの状態(アンテナ8の指向方向と静止衛星
の方角とが一致し、且つアンテナ8が動いていない状
態。)で何れのノズルからも圧縮空気の噴出を行なわせ
ない様にすれば、アンテナ8はそのままの状態で安定
し、良好な衛星通信を継続的に行なえる。
又、アンテナ8の指向方向と静止衛星の方角とのずれ
角度θと、運動角速度ωとの状態が、姿勢表示座標の第
二区画35に存在する場合には、上記の場合と逆方向に向
いたノズルから横軸の負の方向(第1図の左方向)に圧
縮空気を噴出し、アンテナ8を横軸の正の方向(第1図
の右方向)に移動させようとする力を惹起する。
この場合、ノズルからの圧縮空気の噴出に伴なって、
アンテナ8の状態が不感帯33を、横軸の負から正の方向
に通過し、通過後は適当なノズルから、アンテナの運動
角速度を小さくする方向の圧縮空気の噴出が行なわれる
為、アンテナ8は、不感帯33に沿って姿勢表示座標の原
点Oに達し、この原点Oの状態で安定する。
この原点Oの状態で何れのノズルからも圧縮空気の噴
出を行なわせない様にすれば、アンテナ8はそのままの
状態で安定し、良好な衛星通信を継続的に行なえる。
次に、具体的なアンテナ8の好ましくない状態から、
安定した良好な通信を行なえる様にする制御に就いて、
代表的な6通りの制御状態に就いて、第3図により説明
する。尚、この第3図は、前記第1図と実質的に同じ図
面であるが、具体例の説明の明瞭化の為、第1図で説明
した部分を一部省略している。
(a)アンテナ8が第3図のa点の状態の場合 この場合、アンテナ8の指向方向と静止衛星の方角と
は正の方向に(第2図の鎖線aで示す様に)ずれてお
り、アンテナ8はこのずれた状態で停止している。
この場合、何れかのノズルから、横軸の正の方向(第
2図の矢印A方向)に圧縮空気を噴出し、その反動とし
てアンテナ8を横軸の負の方向(第2図の矢印B方向)
に移動させる。
この結果、アンテナ8は運動の角速度ωを増しつつ、
ずれ角度θを小さくする方向に移動し、アンテナ8の状
態を表わす点は、第3図の矢印a1に示す様に変化する。
この結果、アンテナ8の状態が不感帯33内に属する様
になり、この状態でノズルからの圧縮空気の噴出が停止
される。
この状態からアンテナ8の状態は、同図に矢印a2で示
す様に、横軸に平行な状態のまま(運動角速度を一定と
したまま)不感帯33を第3図の右から左に横切り、第二
区画35に達する。
アンテナ8の状態が第二区画35に達する事により、横
軸の負の方向(第2図の矢印B方向)への圧縮空気を噴
出が開始され、その反動としてアンテナ8の運動角速度
ωが減少する為、アンテナ8の状態は、第3図の放物線
γの太線部分を、不感帯33に沿って姿勢表示座標の原点
Oの近傍に達する。
アンテナ8の状態が原点Oの近傍に達すると(横軸と
横切ると)、アンテナ8の状態が不感帯33に入り、何れ
のノズルからも圧縮空気の噴出が行なわれなくなって、
アンテナ8がそのままの状態で停止し、良好な衛星通信
を継続的に行なえる様になる。
外力の影響等によりアンテナ8の状態が、原点Oの近
傍に達する以前に、不感帯33から大きく外れた場合、外
れた方向に応じて適当なノズルから圧縮空気の噴出が行
なわれ、再び不感帯33の近傍に戻る。
(b)アンテナ8が第3図のb点の状態の場合 この場合、アンテナ8の指向方向と静止衛星の方角と
は負の方向に(第2図に破線bで示す様に)ずれてお
り、アンテナ8はこの状態で停止している。
この場合、何れかのノズルから、横軸の負の方向(第
2図の矢印B方向)に圧縮空気を噴出し、その反動とし
てアンテナ8を横軸の正の方向(第2図の矢印A方向)
に移動させる。
この結果、アンテナ8は運動の角速度ωを増しつつ、
ずれ角度θを小さくする方向に移動し、アンテナ8の状
態を表わす点は、第3図の矢印b1に示す様に変化する。
この結果、アンテナ8の状態が不感帯33内に属する様
になり、ノズルからの圧縮空気の噴出が停止される。
この状態からアンテナ8の状態は、同図に矢印b2で示
す様に、横軸に平行な状態のまま不感帯33を横切り、第
一区画34に達する。
アンテナ8の状態が第一区画が34に達する事により、
横軸の正の方向(第2図の矢印A方向)への圧縮空気を
噴出が開始され、その反動としてアンテナ8の運動角速
度ωが減少する為、アンテナ8の状態は、第3図の放物
線βの太線部分を、不感帯33に沿って姿勢表示座標の原
点Oの近傍に達する。
アンテナ8の状態が原点Oの近傍に達すると、アンテ
ナ8の状態が不感帯33に入り、何れのノズルからも圧縮
空気の噴出が行なわれなくなって、アンテナ8がそのま
まの状態で停止し、良好な衛星通信を継続的に行なえる
様になる。
(c)アンテナ8が第3図のc点の状態の場合 この場合、アンテナ8の指向方向と静止衛星の方角と
は正の方向にずれており、更にアンテナ8は、この状態
からずれ角度が大きくなる方向に移動している。
この場合、何れかのノズルから、横軸の正の方向に圧
縮空気を噴出する。
この結果先ず、ずれ角度θが大きくなる方向のアンテ
ナ8の運動の角速度ωが、第3図の矢印c1に示す様に徐
々に小さくなる。但し、この際、上記ずれ角度θは少し
ずつ大きくなる。
ノズルからの圧縮空気の噴出は、アンテナ8の運動角
速度ωが零になった後(矢印c1が横軸に達した後)も継
続する為、アンテナ8は横軸の負の方向に移動する様に
なり、この結果、アンテナ8は速度を増しつつ、ずれ角
度θを小さくする方向に移動して、アンテナ8の状態を
表わす点は、第3図の矢印c2に示す様に変化し、アンテ
ナ8の状態が不感帯33内に属する様になって、上記ノズ
ルからの圧縮空気の噴出が停止される。
この状態からアンテナ8の状態は、同図に矢印c3で示
す様に、横軸に平行な状態のまま不感帯33を横切り、第
二区画35に達する。
アンテナ8の状態が第二区画35に達する事により、横
軸の負の方向への圧縮空気を噴出が開始され、その反動
としてアンテナ8の運動角速度ωが減少する為、アンテ
ナ8の状態は、第3図の放物線γの太線部分を、不感帯
33に沿って姿勢表示座標の原点Oの近傍に達し、この状
態で何れのノズルからも圧縮空気の噴出が行なわれなく
なって、良好な衛星通信を継続的に行なえる様になる。
(d)アンテナ8が第3図のd点の状態の場合 この場合、アンテナ8の指向方向と静止衛星の方角と
は負の方向にずれており、更にアンテナ8は、この状態
からずれ角度が大くなる方向に移動している。
この場合、何れかのノズルから、横軸の負の方向に圧
縮空気を噴出する。
この結果、先ず、ずれ角度θが大きくなる方向のアン
テナ8の運動角速度ωが、第3図の矢印d1に示す様に徐
々に小さくなる。但し、この際、上記ずれ角度θは少し
ずつ大きくなる。
ノズルからの圧縮空気の噴出は、アンテナ8の運動角
速度ωが零になった後(矢印d1が横軸に達した後)も継
続する為、アンテナ8は横軸の正の方向に移動する様に
なり、この結果、アンテナ8は運動の角速度ωを増しつ
つ、ずれ角度θを小さくする方向に移動して、アンテナ
8の状態を表わす点は、第3図の矢印d2に示す様に変化
し、アンテナ8の状態が不感帯33内に属する様になっ
て、上記ノズルからの圧縮空気の噴出が停止される。
この状態からアンテナ8の状態は、同図に矢印d3で示
す様に、横軸に平行な状態のまま不感帯33を横切り、第
一区画34に達する。
アンテナ8の状態が第一区画34に達する事により、横
軸の正の方向への圧縮空気を噴出が開始され、その反動
としてアンテナ8の運動角速度ωが減少する為、アンテ
ナ8の状態は、第3図の放物線βの太線部分を、不感帯
33に沿って姿勢表示座標の原点Oの近傍に達し、この状
態で何れのノズルからも圧縮空気の噴出が行なわれなく
なって、良好な衛星通信を継続的に行なえる様になる。
(e)アンテナ8が第3図のe点の状態の場合 この場合、アンテナ8の指向方向と静止衛星の方角と
は正の方向にずれており、この状態でアンテナ8は、こ
のずれ角度θを小さくする方向に移動しているが、運動
の角速度ωが存在する為、そのまま放置しておくと、第
3図に矢印イで示す様に、ずれ角度θが零の点を通り過
ぎて(竪軸を横切って)アンテナ8が負の方向にずれて
しまう。
そこでこの場合、アンテナ8の運動角速度ωを小さく
する為に、何れかのノズルから、横軸の負の方向に圧縮
空気を噴出し、その反動としてアンテナ8を横軸の正の
方向に移動させようとする力を発生させる。
この結果、アンテナ8の運動角速度ωが減少し、アン
テナ8の状態を表わす点は、第3図の矢印e1に示す様に
変化して、運動角速度ωが零となる。
ノズルからの圧縮空気の噴出は、アンテナ8の運動角
速度ωが零になった後(矢印e1が横軸に達した後)も継
続する為、アンテナ8は横軸の正の方向に移動する様に
なり、この結果、アンテナ8は運動の角速度ωを増しつ
つ、ずれ角度θを小さくする方向に移動して、アンテナ
8の状態を表わす点は、第3図の矢印e2に示す様に変化
し、アンテナ8の状態が不感帯33内に属する様になっ
て、上記ノズルからの圧縮空気の噴出が停止される。
この状態からアンテナ8の状態は、同図に矢印e3で示
す様に、横軸に平行な状態のまま不感帯33を横切り、第
一区画34に達する。
アンテナ8の状態が第一区画34に達する事により、横
軸の正の方向への圧縮空気を噴出が開始され、その反動
としてアンテナ8の運動角速度ωが減少する為、アンテ
ナ8の状態は、第3図の放物線βの太線部分を、不感帯
33に沿って姿勢表示座標の原点Oの近傍に達し、この状
態で何れのノズルからも圧縮空気の噴出が行なわれなく
なって、良好な衛星通信を継続的に行なえる様にする。
(f)アンテナ8が第3のf点の状態の場合 この場合、アンテナ8の指向方向と静止衛星の方角と
は負の方向にずれており、この状態でアンテナ8は、ず
れ角度θを小さくする方向に移動しているが、運動角速
度ωが存在する為、そのまま放置しておくと、第3図に
矢印ロで示す様に、ずれ角度が零の点を通り過ぎて、ア
ンテナ8が正の方向にずれてしまう。
そこでこの場合、何れかのノズルから、横軸の正の方
向に圧縮空気を噴出し、その反動としてアンテナ8を横
軸の負の方向に移動させようとする力を発生させる。
この結果、アンテナ8の運動角速度ωが減少し、アン
テナ8の状態を表わす点は、第3図の矢印f1に示す様に
変化して、運動角速度ωが零となる。
ノズルからの圧縮空気の噴出は、アンテナ8の運動角
速度ωが零になった後(矢印f1が横軸に達した後)も継
続する為、アンテナ8は横軸の負の方向に移動する様に
なり、この結果、アンテナ8は運動の角速度ωを増しつ
つ、ずれ角度θを小さくする方向に移動して、アンテナ
8の状態を表わす点は、第3図の矢印f2に示す様に変化
し、アンテナ8の状態が不感帯33内に属する様になっ
て、上記ノズルからの圧縮空気の噴出が停止される。
この状態からアンテナ8の状態は、同図に矢印f3で示
す様に、横軸に平行な状態のまま不感帯33を横切り、第
二区画35に達する。
アンテナ8の状態が第二区画35に達する事により、横
軸の負の方向への圧縮空気を噴出が開始され、その反動
としてアンテナ8の運動角度ωが減少する為、アンテナ
8の状態は、第3図の放物線γの太線部分を、不感帯33
に沿って姿勢表示座標の原点Oの近傍に達し、この状態
で何れのノズルからも圧縮空気の噴出が行なわれなくな
って、良好な衛星通信を継続的に行なえる様になる。
尚、アンテナ8の指向方向と静止衛星の方角とのずれ
角度θを検出する為の手段としては、第4図に示した、
方位計等を内蔵した検知手段23による他、特願昭62−28
120号に開示されている様に、アンテナ8をその指向方
向と僅かにずれた軸を中心として回転させ、この回転に
伴なってアンテナ8が受ける電波の強さの変化により、
アンテナ8の指向方向と静止衛星の方角とのずれ角度
(この場合正確には、回転軸の方向と静止衛星の方角と
のずれ角度)θを求める様に構成する事も出来る。
更に姿勢制御座標を第一区画34と第二区画35とに分割
する制御線αは、放物線以外の線(例えばω=−k・θ
の様な直線)とする事も出来る。但しこの場合、アンテ
ナ8の状態が一度不感帯33に達した後も、原点Oに達す
る前に、不感帯33から大きく外れ易くなるので、原点O
に達する迄の間、度々ノズルからの圧縮空気の噴出方向
の切り換えを行なう事が必要となる。
c.発明の効果 本発明の静止衛星追尾用車載アンテナの制御方法は、
以上に述べた通り構成され作用する為、走行中の無線車
に積んだ無線機と静止衛星との電波授受を確実に行なう
事が出来、しかもアンテナの指向方向と静止衛星の方角
とにずれが生じた場合でも、このずれを迅速に解消する
事が出来、災害対策の連絡等、緊急を要する通信の確保
に果たす役割は大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の方法によりアンテナを制御する場合に
使用する姿勢表示座標を、第2図はこの姿勢表示座標の
竪軸と横軸との概念を、第3図はこの姿勢表示座標によ
りアンテナを制御する状態を、それぞれ示している。 第4図は先発明のアンテナ装置の機械装置部分を示す略
側面図、第5図はこのアンテナ装置に付設された姿勢制
御装置の動作を示すフローチャート、第6図は垂直支持
軸とアンテナ支持枠とを結合する自在継手の1例を示す
斜視図、第7図は第一のノズル組を示す第4図のA部平
面図、第8図は第4図のA部を右方から見た図、第9図
は第二〜第三のノズル組を示す第4図のB部を右方から
見た図、第10図はアンテナの姿勢制御装置部分のブロッ
ク図である。 1:基台、2:支持筒、3:垂直支持軸、4:ラジアル軸受、5:
スラスト軸受、6:自在継手、7:アンテナ支持枠、8:アン
テナ、9:支持腕、10:バランスウェイト、11、12:回転中
心軸、13:支持腕、14、15:ノズル、16:第一のノズル
組、17:第二のノズル組、18:第三のノズル組、19、20、
21、22:ノズル、23:検知手段、24:制御器、25:スリップ
リング等、26:導線及びチューブ、27:モータ、28:歯
車、29:検出板、30:角変位検出器、31:防風板、33:不感
帯、34:第一区画、35:第二区画、36、37:点。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】捻り方向の回転自在な垂直支持軸の上端部
    に、自在継手を介してアンテナ支持枠の中間部を装着
    し、このアンテナ支持枠の一端にアンテナを固定すると
    共に、アンテナ支持枠の他側に、上記アンテナの重量に
    見合う重量を有する構造物を固定する事により、このア
    ンテナ支持枠の重心を前記自在継手の中心に一致させ、
    圧縮空気の噴出によって、アンテナ支持枠を垂直支持軸
    と自在継手とを中心として三次元の任意の方向に回転さ
    せる、複数個のノズルを設けた静止衛星追尾用車載アン
    テナを制御し、各ノズルへの圧縮空気の供給を制御する
    電磁弁を適当なタイミングで開いて何れかのノズルから
    圧縮空気を噴出させ、アンテナ支持枠を適当な方向に回
    動或は揺動させて、アンテナの指向方向と上空の静止衛
    星の方角とを一致させる、静止衛星追尾用車載アンテナ
    の制御方法であって、アンテナの指向方向と静止衛星の
    方角とのずれ角度θを横軸に、アンテナの運動の角速度
    ωを竪軸にし、竪軸と横軸とをずれ角度θと角速度ωと
    が何れも零の点で交差させた姿勢表示座標に、角速度ω
    が正に大きく、ずれ角度θが負に大きくなるに従って、
    又角速度ωが負に大きく、ずれ角度θが正に大きくなる
    に従って、上記交点から離れ、姿勢表示座標の第二象限
    から第四象限に連続する制御線により上記姿勢表示座標
    を、ずれ角度θと角速度ωとが何れも正に大きい側に広
    がる第一区画と、ずれ角度θと角速度ωとが何れも負に
    大きい側に広がる第二の区画とに二分割し、アンテナの
    状態が第一区画に存在する場合に、横軸の正の方向に対
    応する方向に向いたノズルから圧縮空気の噴出を行なわ
    せ、アンテナの状態が第二区画に存在する場合に、横軸
    の負の方向に対応する方向に向いたノズルから圧縮空気
    の噴出を行なわせ、アンテナの状態が上記制御線の近傍
    に存在する場合に、何れのノズルからも圧縮空気の噴出
    を行なわせない、静止衛星追尾用車載アンテナの制御方
    法。
  2. 【請求項2】アンテナ支持枠の回転中心からノズルの噴
    出口迄の距離をRとし、ノズルからの空気噴出に伴なう
    反動力をFとし、アンテナ支持枠の慣性能率をIとした
    場合に、姿勢表示座標中の制御線が、 を満足する放物線である、請求項1に記載された静止衛
    星追尾用車載アンテナの制御方法。
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