JPH0834152B2 - ロ−タリ−ソレノイド - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明はロータリーソレノイドに関する。

〈従来の技術及びその問題点〉 従来、機械装置の機構部品等を所定の角度範囲で回動
させる方法の１つに、ステッピングモータの回転子と一
体に固定された出力軸に前記機構部品を取り付け、ステ
ッピングモータにパルス信号を供給して回転子を回動さ
せるようにしたものが知られているが、ステッピングモ
ータを使用するに当たっては制御用のコントローラを必
要とする等装置が大掛かりになると共に、装置全体が高
価なものになるという問題がある。

また、電磁コイルにより吸引されるプランジャの外端
に水平円板を一体的に取り付け、プランジャの軸方向の
直線運動を前記水平円板の回動運動に変換するようにし
たロータリーソレノイドもあるが、このものにあっては
回動範囲が少なく用途に限りがあるという問題がある。

本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、
電磁コイルにより吸引されるプランジャの軸方向の直線
運動を簡単な機構で回転運動に変換するようにしたロー
タリーソレノイドを提供することを目的とする。

〈問題点を解決するための手段〉 上記目的を達成するために本発明によれば、電磁コイ
ルにより吸引されるプランジャと、該プランジャと離間
した位置に当該プランジャと略直交する方向に配設さ
れ、且つ回転可能に軸支された出力軸と、一端を前記プ
ランジャの基端部に固定すると共に他端側を前記出力軸
の周方向に巻回して固定したうず巻バネと、を備えて構
成したことを特徴とするロータリーソレノイドが提供さ
れる。

〈作用〉 かかる構成により、プランジャが電磁コイルにより吸
引されると、当該プランジャの軸方向の直線運動はうず
巻バネを介して出力軸の回転運動に変換され、また、電
磁コイルの励磁が解かれるとうず巻バネのバネ力により
プランジャは復帰される。

〈実施例〉 以下、本発明の一実施例を添付図面に基いて詳述す
る。

第１図及び第２図において、本発明に係るロータリー
ソレノイドは、ケース（１）内に配設された電磁コイル
（４），プランジャ（５），出力軸（７），うず巻バネ
（10）等を備えて構成されている。

ケース（１）は側面視台形形状をなしており、このケ
ース（１）内下部には円筒状のボビン（２）を収納した
鉄製のハウジング（３）が配設され、ボビン（２）には
図示しない電源に接続された電磁コイル（４）が巻装さ
れている。また、ハウジング（３）の底部中央は固定鉄
心（3a）となっており、この固定鉄心（3a）の内端面は
後述するプランジャ（５）の先端形状に対応させて略円
錐台形状に陥没形成されている。そして、この内端面に
は非磁性体である合成樹脂部材（６）が固着され、固定
鉄心（3a）に磁気が残留してプランジャ（５）が当該固
定鉄心（3a）に吸着されたままとなるのを防止すると共
に、プランジャ（５）先端の摩耗を防止している。

プランジャ（５）は、その先端が略円錐台形状をした
円柱体で、ボビン（２）の中央部の孔（2a）に軸方向に
直線運動可能に嵌挿されている。また、プランジャ
（５）の基端にはスリット（5a）が形成され、このスリ
ット（5a）にうず巻バネ（10）の一端が嵌挿固定されて
いる。

一方、プランジャ（５）の上方には当該プランジャ
（５）と直交する方向を軸方向とする出力軸（７）が配
設されている。この出力軸（７）は、ケース（１）の両
側壁（1a），（1b）上部の対応する位置に夫々介装され
た軸受（８），（９）を介して回転可能に軸支されてお
り、外方に突出した一端側には被回動部品が取付固定さ
れる。

そして、このプランジャ（５）と出力軸（７）とはう
ず巻バネ（10）により連結固定されている。即ち、うず
巻バネ（10）は例えばバネ鋼からなる板状体で、上述の
ように一端がプランジャ（５）のスリット（5a）に嵌挿
されてピン（11）により連結されている。他端側は出力
軸（７）の外周面に第１図において反時計方向に巻回さ
れ、切欠部（7a）にネジ（12）により固定される。ま
た、このうず巻バネ（10）のバネ力は電磁コイル（４）
により吸引されたプランジャ（５）を、出力軸（７）を
反時計方向に回動させつつ復帰させるのに十分な値に設
定してある。

尚、符号（13），（14）はスナップリングである。

かかる構成により、電磁コイル（４）が励磁される
と、プランジャ（５）がうず巻バネ（10）のバネ力に抗
して電磁力により吸引され、これにより出力軸（７）が
第１図において時計方向に回動し、プランジャ（５）の
先端が合成樹脂部材（６）に当接してストロークエンド
となる。

電磁コイル（４）の励磁が解かれると、うず巻バネ
（10）のバネ力により出力軸（７）が第１図において反
時計方向に回動すると共にプランジャ（５）を上方に引
き上げ、元位置に復帰させる。

尚、うず巻バネ（10）は出力軸（７）の周面に一重巻
きされてあるが、二重，三重に巻回することによりプラ
ンジャ（５）のストローク，つまり出力軸（７）の回転
範囲を適宜設定することができる。

第３図は本発明に係るロータリーソレノイドの他の実
施例を示し、当該ロータリーソレノイドの作動時に出力
軸（21）の軸トルクが一定となるように、該出力軸（2
1）におけるうず巻バネ（10）の他端側が巻回される部
分に楕円形のカム（21a）を形成したものである。

このカム（21a）は次のように設定されている。即
ち、前述の軸トルクはプランジャ（５）及びうず巻バネ
（10）を介してカム（21a）に作用する下向きの力の大
きさと、出力軸（21）の軸心から当該力の作用線までの
垂直距離により定まる。また、プランジャ（５）が電磁
コイル（４）［第１図参照］の電磁力により吸引される
に際して、その吸引力はプランジャ（５）が固定鉄心
（3a）［第１図参照］に近付くに従って強くなる。そこ
で、カム（21a）の形状を、前記吸引力が弱い吸引開始
時には出力軸（21）の軸心からうず巻バネ（10）までの
距離を長くとり、プランジャ（５）の下降に伴う吸引力
の増大に応じて前記距離を短くしていき、ストロークエ
ンドでは出力軸（21）の軸径と同一となるようにし、当
該カム（21a）の初期位置を図の左右方向が長軸となる
ようにセットする。

このような構成によれば、プランジャ（５）の移動に
よる吸引力の変化の影響を受けることなく、絶えず一定
のトルクを得ることができる。

尚、第１図に示す固定鉄心（3a）の内端面の突出両側
壁（3b），（3c）の、底面（3d）からの突出長さＡを長
く設定すると電磁吸引力が強くなることを利用して、プ
ランジャ（５）の先端位置を図において上下にづらすこ
とによりストロークを調整することもできる。

〈発明の効果〉 以上説明したように本発明によれば、プランジャの軸
方向の直線運動をうず巻バネを介して出力軸の回転運動
に変換でき、簡単な構成で製造コストを低く抑えること
ができると共に、うず巻バネを多重に巻回することによ
り出力軸の回転範囲を適宜設定することができて用途が
広がるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明に係るロータリーソレノイドの一実施例
を示す側面縦断面図、第２図は第１図の実施例の一部切
欠正面断面図、第３図は本発明の他の実施例を示す縦断
面図である。 （４）……電磁コイル （５）……プランジャ （７）……出力軸 （10）……うず巻バネ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】電磁コイルにより吸引されるプランジャ
   と、該プランジャと離間した位置に当該プランジャと略
   直交する方向に配設され、且つ回転可能に軸支された出
   力軸と、一端を前記プランジャの基端部に固定すると共
   に他端側を前記出力軸の周方向に巻回して固定したうず
   巻バネと、を備えて構成したことを特徴とするロータリ
   ーソレノイド。