JPH08339725A - 平形ケ−ブルの製造方法 - Google Patents

平形ケ−ブルの製造方法

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JPH08339725A
JPH08339725A JP17014695A JP17014695A JPH08339725A JP H08339725 A JPH08339725 A JP H08339725A JP 17014695 A JP17014695 A JP 17014695A JP 17014695 A JP17014695 A JP 17014695A JP H08339725 A JPH08339725 A JP H08339725A
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opening end
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nipple
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Masayoshi Nakai
正佳 中井
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 押し出し成形の際にケーブルコア2の径より
も細い補強用ワイヤ3に加わるビニル樹脂7の圧力を高
めることにより、この補強用ワイヤ3とシース4との密
着性を向上させて大きな張力に対してもずれが生じない
ようにした平形ケーブル1を提供する。 【構成】 補強用ワイヤ3を繰り出すためのワイヤ繰出
孔5cのワイヤ前方開口端5eを、ケーブルコア2を繰
り出すためのコア繰出孔5bのコア前方開口端5dより
も後退させて形成したニップル5を用いて平形ケーブル
1の押し出し成形を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、エレベータケージに
接続する給電制御用のエレベータケーブル等に用いられ
る平形ケーブルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エレベータは、エレベータケージに人や
荷物を乗せてエレベータホール内を昇降するものであ
る。このエレベータケージには、機械室のコントロール
パネルとの間に、ボタン操作等の信号を伝えるための制
御用や照明等の給電用のエレベータケーブルが接続され
ている。エレベータケーブルは、一端をこのエレベータ
ケージの下端から吊り下げると共に、他端側をエレベー
タホール内の半分の高さよりやや上方の位置に接続固定
する。従って、このエレベータケーブルは、エレベータ
ホールの高さの半分以上の長さを必要とするため自重に
よる張力が大きくなると共に、エレベータケージの昇降
に伴って繰り返し屈曲応力を受けることになる。
【0003】上記エレベータケーブルは、一般に図5に
示すような平形ケーブル1が用いられる。この平形ケー
ブル1は、複数本のケーブルコア2と数本の補強用ワイ
ヤ3を一列に配置して、これらの周囲をビニル樹脂等の
シース4で被覆したものである。ケーブルコア2は、心
材となるビニル線の周囲に絶縁銅線や光ファイバ等の線
心を多数撚り合わせた多心ケーブルであり、これらの各
線心がそれぞれ制御用の信号線や給電用の配電線とな
る。この平形ケーブル1は、屈曲を受けた場合にも、帯
状の平たい形状によって不要な捻れを生じないようにす
ると共に、各ケーブルコア2に均一な屈曲応力が加わる
ようにして十分な可撓性と耐久性を得ることができる。
また、補強用ワイヤ3は、鋼線を撚り合わせたテンショ
ンメンバであり、これによって平形ケーブル1の自重に
よる張力にも耐え得るようになる。
【0004】上記平形ケーブル1は、図6に示すニップ
ル5とダイス6を用いて押し出し成形により製造され
る。ニップル5は、図7に示すように、外周面5aがほ
ぼ円筒状の前方端を横に潰したようなテーパ形状を有す
る樹脂成形用金型であり、内部の軸線方向にケーブルコ
ア2を通すためのコア繰出孔5bと、補強用ワイヤ3を
通すためのワイヤ繰出孔5cとが一列に並べて穿設され
ている。また、これらコア繰出孔5bとワイヤ繰出孔5
cの前方開口端5gは、軸線方向に対して垂直な同一平
面となっている。ダイス6は、図6に示すように、この
ニップル5の外周面5aの形状とほぼ同じテーパ状の内
周形状を有し、前方の開口形状がニップル5の前方開口
端5gよりもある程度大きい内周孔6aを設けられた樹
脂成形用金型である。
【0005】上記ニップル5は、ダイス6の内周孔6a
内に後方から挿入され、外周面5aとダイス6の内周孔
6aの内周面との間にほぼ均一な隙間を開けると共に、
前方開口端5gがダイス6の前方開口端6bよりも後退
した位置となるように配置される。ニップル5がこのよ
うに配置されると、各コア繰出孔5bにケーブルコア2
を通して前方に繰り出すと共に、各ワイヤ繰出孔5cに
補強用ワイヤ3を通して前方に繰り出す。また、これと
同時に、ニップル5の外周面5aとダイス6の内周孔6
aとの間に後方から溶融したビニル樹脂7を供給する。
すると、ビニル樹脂7がこれらの間の前方端から吐出し
て、ニップル5の前方開口端5gに繰り出されるケーブ
ルコア2と補強用ワイヤ3の周囲を覆い、この状態でダ
イス6の内周孔6aの前方開口端6bから押し出される
ことにより、これらケーブルコア2と補強用ワイヤ3を
被覆するシース4が成形される。
【0006】上記平形ケーブル1の製造方法では、ニッ
プル5の前方開口端5gをダイス6の前方開口端6bよ
りも後退させることにより、ビニル樹脂7がニップル5
の前方開口端5gに吐出した際に、ダイス6の前方端部
の内周孔6aによってこのビニル樹脂7に圧力を加え、
ケーブルコア2と補強用ワイヤ3に確実に密着させる加
圧方式を採用している。そして、この加圧方式では、ニ
ップル5の前方開口端5gの後退量が多くなる程ビニル
樹脂7の圧力も強くなるので、ケーブルコア2と補強用
ワイヤ3への密着度も高くなる。ただし、圧力を強くし
すぎると、ビニル樹脂7がニップル5のコア繰出孔5b
内やワイヤ繰出孔5c内に逆流して成形不良が発生する
ので、この後退量にも限度がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、超高層ビル
等で長い距離を昇降するエレベータはエレベータケーブ
ルも長くなるので、これに用いる平形ケーブル1の自重
も400kg〜500kgに達する場合があり、この平
形ケーブル1に極めて大きな張力が加わるようになる。
このため、平形ケーブル1の製造の際には、上記加圧方
式によりビニル樹脂7を補強用ワイヤ3の撚り線の間に
食い込ませて確実に密着させておかないと、自重による
大きな張力によってこの補強用ワイヤ3とシース4との
間が剥がれてずれが生じるおそれがある。そして、この
ようなずれが生じると、平形ケーブル1の自重の多くが
ケーブルコア2に直接加わるようになり、最悪の場合に
は、このケーブルコア2の断線事故が発生する可能性が
ある。
【0008】ところが、最近のエレベータは、エレベー
タケージ内の機能が複雑になり、従来のケーブルコア2
の線心数では不足するため、さらに多くの線心数を有す
る多心ケーブルを用いるようになり、このケーブルコア
2の外径を太くする必要が生じている。しかしなから、
例えば従来の60心ケーブルのケーブルコア2では外径
が6mmであり、補強用ワイヤ3の外径の4mmとほと
んど差がなかったが、このケーブルコア2を例えば12
0心ケーブルにすると、外径も16mmとなるので、補
強用ワイヤ3の外径を5.56mmのものにしても、半
径で5mm以上の差が生じる。
【0009】従って、図8に示すように、ニップル5の
コア繰出孔5bから繰り出されるケーブルコア2に対し
ては、ビニル樹脂7がダイス6の内周孔6aによって十
分な圧力を加えることができるが、ワイヤ繰出孔5cか
ら繰り出される補強用ワイヤ3に対しては、この補強用
ワイヤ3の外径が細いために前方開口端5gの隙間Bが
大きくなり、ここでビニル樹脂7の圧力が低下する。ま
た、この補強用ワイヤ3に対する圧力を高めるために、
ニップル5全体をさらに後退させると、ケーブルコア2
に対する圧力が高くなりすぎてビニル樹脂7の逆流が発
生するおそれがある。このため、従来の平形ケーブルの
製造方法では、ケーブルコア2に対して補強用ワイヤ3
の外径が特に細い場合に、この補強用ワイヤ3に対する
ビニル樹脂7の圧力が低下するためにシース4の密着性
が悪化して、平形ケーブル1が大きな張力に耐え得なく
なるという問題が生じていた。
【0010】この発明は、かかる事情に鑑みてなされた
ものであり、補強用ワイヤを繰り出すワイヤ繰出孔の前
方開口端をケーブルコアを繰り出すコア繰出孔の前方開
口端よりもさらに後退させることにより、シースをこの
補強用ワイヤにも確実に密着させることができる平形ケ
ーブルの製造方法を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】即ち、この発明は、上記
課題を解決するために、一列に並んだコア繰出孔とこ
のコア繰出孔よりも径の細いワイヤ繰出孔を備え、か
つ、ワイヤ繰出孔のワイヤ前方開口端がコア繰出孔のコ
ア前方開口端よりも後退して形成されたニップルをダイ
スの内周孔に挿入すると共に、このニップルのコア繰出
孔のコア前方開口端をダイスの内周孔の前方開口端より
も後退させた位置に配置し、ニップルのコア繰出孔を通
してケーブルコアを前方に繰り出し、ワイヤ繰出孔を通
して補強用ワイヤを前方に繰り出すと同時に、ニップル
の外周面とダイスの内周孔との間に前方に向けて溶融し
たシース材を供給することにより、ケーブルコアと補強
用ワイヤの周囲をシースで被覆することを特徴とする。
【0012】また、一列に並んだ内径の大きさが少な
くとも2種類以上存在する複数の繰出孔を備え、かつ、
径が小さい繰出孔の前方開口端ほど径の大きい繰出孔の
前方開口端よりも後退して形成されたニップルをダイス
の内周孔に挿入すると共に、このニップルの最も前方に
位置する前方開口端をダイスの内周孔の前方開口端より
も後退させた位置に配置し、ニップルの各繰出孔を通し
てケーブルコアを前方に繰り出すと同時に、ニップルの
外周面とダイスの内周孔との間に前方に向けて溶融した
シース材を供給することにより、各ケーブルコアの周囲
をシースで被覆することを特徴とする。
【0013】
【作用】の手段によれば、ニップルのコア繰出孔のコ
ア前方開口端がダイスの内周孔の前方開口端よりも後退
した位置に配置されると共に、ワイヤ繰出孔のワイヤ前
方開口端がこのコア繰出孔のコア前方開口端よりもさら
に後退した位置に配置されるので、ワイヤ前方開口端に
吐出されるシース材の圧力の方がコア前方開口端に吐出
されるシース材の圧力よりも、加圧方式による圧力が高
くなる。従って、ケーブルコアに比べて補強用ワイヤの
径が細いことにより、シース材がワイヤ繰出孔から繰り
出された補強用ワイヤの周囲を覆う際に圧力が低下して
も、この圧力低下を補って補強用ワイヤに十分に大きな
圧力を加えることができる。
【0014】このため、本発明の平形ケーブルの製造方
法によれば、補強用ワイヤの径がケーブルコアよりも細
い場合であっても、ケーブルコアに加わるシース材の圧
力を必要以上に高くすることなく、補強用ワイヤに加わ
るシース材の圧力を高くすることができるので、この補
強用ワイヤとシースとの密着性を高めることができるよ
うになる。
【0015】なお、ワイヤ繰出孔のワイヤ前方開口端を
コア繰出孔のコア前方開口端よりも後退させる後退量が
大きいほど、加圧方式によりこのワイヤ前方開口端に吐
出するシース材の圧力を高めることができる。また、ケ
ーブルコアと補強用ワイヤの径の差が大きいほど、シー
ス材がこの補強用ワイヤの周囲を覆う際の圧力低下が大
きくなる。従って、ワイヤ前方開口端の後退量をケーブ
ルコアと補強用ワイヤの径の差に比例させて大きくすれ
ば、径の組み合わせが異なる各種のケーブルコアと補強
用ワイヤに対しても、同様の高い密着性を得ることがで
きるようになる。
【0016】また、の手段によれば、補強用ワイヤを
使用しない平形ケーブルの場合にも、ケーブルコアの外
径が異なるときに、外径の太いケーブルコアに加わるシ
ース材の圧力を必要以上に高くすることなく、外径の細
いケーブルコア2に加わるシース材の圧力を高くするこ
とができるので、各ケーブルコアとシースとの密着性を
均一にすることができるようになる。
【0017】
【実施例】以下、この発明の具体的実施例について図面
を参照して説明する。
【0018】図1乃至図4は本発明の一実施例を示すも
のであって、図1はダイスにニップルを挿入したときの
横断面平面図、図2はニップルの斜視図、図3は図1に
おけるシース材の押し出し成形時の横断面平面図、図4
はニップルの前方開口端を示す部分拡大正面図である。
なお、図5乃至図8に示したものと同様の機能を有する
構成部材には同じ番号を付記する。
【0019】本実施例は、エレベータケーブルに用いる
平形ケーブルの製造方法について説明する。ここで製造
する平形ケーブル1は、図5に示したように、2本ずつ
が隣接した3組6本のケーブルコア2とこのケーブルコ
ア2の各組の間に配置した2本の補強用ワイヤ3を一列
に配置して、これらの周囲をビニル樹脂等のシース4で
被覆したものである。ここで、各ケーブルコア2の外径
は16mmであるとし、各補強用ワイヤ3の外径は、こ
れの約3分の1となる5.56mmであるとする。な
お、この平形ケーブル1のシース4には、補強用ワイヤ
3に沿った位置に、端末処理用等のための小さな溝4a
がそれぞれ形成されている。
【0020】この平形ケーブル1は、図1に示すニップ
ル5とダイス6を用いて加圧方式の押し出し成形により
製造される。ニップル5は、図2に示すように、外周面
5aがほぼ円筒状の前方端を横に潰したようなテーパ形
状を有する樹脂成形用金型であり、内部の軸線方向にケ
ーブルコア2を通すためのコア繰出孔5bと、補強用ワ
イヤ3を通すためのワイヤ繰出孔5cとが一列に並べて
穿設されている。即ち、ここでは、2本のケーブルコア
2を隣接させて通すための長円状のコア繰出孔5bが一
列に並べて3箇所に設けられると共に、補強用ワイヤ3
を1本ずつ通すための円形状のワイヤ繰出孔5cが各コ
ア繰出孔5b,5bの間にそれぞれ設けられている。そ
して、各コア繰出孔5bのコア前方開口端5dと各ワイ
ヤ繰出孔5cのワイヤ前方開口端5eは、それぞれ軸線
方向に対して垂直な平面となっている。また、ワイヤ前
方開口端5eは、コア前方開口端5dに対して段差を有
する後方に後退した位置に形成されている。ここでは、
ケーブルコア2の半径8mm(=16mm/2)と補強
用ワイヤ3の半径2.78mm(=5.56mm/2)
との差が約5mmであることから、このワイヤ前方開口
端5eのコア前方開口端5dに対する後退量も5mm程
度に設定している。ニップル5の後方端には、取り付け
用のねじ5fが形成されている。ダイス6は、図1に示
すように、このニップル5の外周面5aの形状とほぼ同
じテーパ状の内周形状を有し、前方の開口形状がニップ
ル5のコア前方開口端5dとワイヤ前方開口端5eの形
状よりもある程度大きい内周孔6aを設けられた樹脂成
形用金型である。
【0021】上記ニップル5は、後方端のねじ5fを図
示しないホルダに螺着して、ダイス6の内周孔6a内に
後方から挿入される。また、この際、ニップル5は、外
周面5aとダイス6の内周孔6aとの間にほぼ均一な隙
間を開けると共に、コア前方開口端5dがダイス6の前
方開口端6bよりも後退した位置となるように配置され
る。ニップル5がこのように配置されると、図3に示す
ように、このニップル5の各コア繰出孔5bに2本ずつ
のケーブルコア2を通して前方に繰り出すと共に、各ワ
イヤ繰出孔5cに補強用ワイヤ3を1本ずつ通して前方
に繰り出す。また、これと同時に、図示しないホッパか
らニップル5の外周面5aとダイス6の内周孔6aとの
間に溶融したビニル樹脂7を供給する。すると、ビニル
樹脂7がこれらの間の前方端から吐出して、ニップル5
のコア前方開口端5dとワイヤ前方開口端5eに繰り出
されるケーブルコア2と補強用ワイヤ3の周囲を覆い、
この状態でダイス6の内周孔6aの前方開口端6bから
押し出されることにより、これらケーブルコア2と補強
用ワイヤ3を被覆するシース4が成形される。なお、シ
ース4の溝4aは、ダイス6の内周孔6aに設けられた
筋状突起6cによってこの押し出し成形の際に形成され
る。
【0022】上記ニップル5のコア前方開口端5dはダ
イス6の前方開口端6bよりも後退しているので、ビニ
ル樹脂7がこのニップル5の外周面5aを伝ってコア前
方開口端5dやワイヤ前方開口端5eに吐出されると、
ダイス6の前方端部の内周孔6aによって加圧方式によ
る圧力が加えられる。そして、ニップル5のコア前方開
口端5dの後退量は、ビニル樹脂7がこのコア前方開口
端5dに繰り出されたケーブルコア2に十分な圧力を加
えて密着し得るような距離に設定される。ただし、図4
に示すように、ケーブルコア2の外径が太いためにコア
前方開口端5dには十分な隙間がないので、このコア前
方開口端5dに吐出されたビニル樹脂7はケーブルコア
2の周囲を直ちに加圧することができるが、補強用ワイ
ヤ3は外径が細いためワイヤ前方開口端5eに大きな隙
間Aが生じるので、このワイヤ前方開口端5eに吐出さ
れたビニル樹脂7は補強用ワイヤ3を加圧する圧力が低
下する。しかしながら、図3に示すように、ワイヤ前方
開口端5eは、コア前方開口端5dよりもさらに後退し
ているので、もし補強用ワイヤ3の外径がケーブルコア
2と同じ程度であれば、加圧方式によってビニル樹脂7
の圧力がさらに高くなる。従って、ワイヤ前方開口端5
eの隙間Aによって低下する圧力は、このワイヤ前方開
口端5eを後退させたことによる圧力の上昇分によって
相殺されるので、実際にビニル樹脂7が補強用ワイヤ3
の周囲を加圧する圧力は、ケーブルコア2に対する圧力
と同程度以上となる。
【0023】以上説明したように、本実施例の平形ケー
ブルの製造方法によれば、ケーブルコア2の外径の3分
の1程度の細さの補強用ワイヤ3を使用した場合にも、
ビニル樹脂7がケーブルコア2に適当な圧力を加えなが
ら、補強用ワイヤ3に対しても十分な圧力を加えて押し
出し成形を行うことができるので、この補強用ワイヤ3
とシース4との間の密着性を高めて大きな張力にも耐え
得る平形ケーブル1を得ることができるようになる。
【0024】なお、本実施例では、ワイヤ前方開口端5
eのコア前方開口端5dに対する後退量をケーブルコア
2と補強用ワイヤ3の半径の差程度の距離に設定するの
で、これらの差がさらに大きくなれば後退量もこれに比
例して多くすればよい。また、本実施例では、6本のケ
ーブルコア2と2本の補強用ワイヤ3を有する平形ケー
ブル1の製造方法について説明したが、本発明はこれら
の本数に限定されるものではなく、任意の本数の平形ケ
ーブルについても同様に実施することができる。さら
に、本実施例では、平形ケーブル1のシース4の原材料
であるシース材をビニル樹脂7としたが、他の合成樹脂
やゴム等を用いることもできる。
【0025】ところで、キャブタイヤケーブル等に用い
る平形ケーブルでは、クレーン等の機器の移動に伴いこ
の平形ケーブルをリールに巻き取ったり繰り出すことに
なる。従って、このような平形ケーブルでは、補強用ワ
イヤは用いないが、張力としごきが加わるために、シー
スと各ケーブルコアとの密着を確実なものにする必要が
ある。そして、これら複数のケーブルコアの外径が大き
く異なる場合にも、本発明の製造方法を実施すれば、全
てのケーブルコアとシースの密着性が良好となる平形ケ
ーブルを得ることができる。
【0026】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この発
明の平形ケーブルの製造方法によれば、ケーブルコアの
径よりも細い補強用ワイヤに加わるシース材の圧力を高
めることができるので、この補強用ワイヤとシースとの
密着性を高めて大きな張力に対してもずれが生じないよ
うにすることができる。
【0027】また、外径の異なるケーブルコアのみを用
いた平形ケーブルの場合にも、外径の細いケーブルコア
に加わるシース材の圧力を高めることができるので、各
ケーブルコアとシースとの密着性を均一にして、大きな
張力が加わった場合にも径の細いケーブルコアにずれが
生じないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すものであって、ダイス
にニップルを挿入したときの横断面平面図である。
【図2】本発明の一実施例を示すものであって、ニップ
ルの斜視図である。
【図3】本発明の一実施例を示すものであって、平形ケ
ーブルの押し出し成形時のニップルとダイスを示す横断
面平面図である。
【図4】本発明の一実施例を示すものであって、ニップ
ルの前方開口端を示す部分拡大正面図である。
【図5】平形ケーブルの端部を示す斜視図である。
【図6】従来例を示すものであって、平形ケーブルの押
し出し成形時のニップルとダイスを示す横断面平面図で
ある。
【図7】従来例を示すものであって、ニップルの斜視図
である。
【図8】従来例を示すものであって、ニップルの前方開
口端を示す部分拡大正面図である。
【符号の説明】
1 平形ケーブル 2 ケーブルコア 3 補強用ワイヤ 4 シース 5 ニップル 5a 外周面 5b コア繰出孔 5c ワイヤ繰出孔 5d コア前方開口端 5e ワイヤ前方開口端 6 ダイス 6a 内周孔 6b 前方開口端 7 ビニル樹脂

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一列に並んだコア繰出孔とこのコア繰出
    孔よりも径の細いワイヤ繰出孔を備え、かつ、ワイヤ繰
    出孔のワイヤ前方開口端がコア繰出孔のコア前方開口端
    よりも後退して形成されたニップルをダイスの内周孔に
    挿入すると共に、このニップルのコア繰出孔のコア前方
    開口端をダイスの内周孔の前方開口端よりも後退させた
    位置に配置し、 ニップルのコア繰出孔を通してケーブルコアを前方に繰
    り出し、ワイヤ繰出孔を通して補強用ワイヤを前方に繰
    り出すと同時に、ニップルの外周面とダイスの内周孔と
    の間に前方に向けて溶融したシース材を供給することに
    より、ケーブルコアと補強用ワイヤの周囲をシースで被
    覆することを特徴とする平形ケーブルの製造方法。
  2. 【請求項2】 一列に並んだ内径の大きさが少なくとも
    2種類以上存在する複数の繰出孔を備え、かつ、径が小
    さい繰出孔の前方開口端ほど径の大きい繰出孔の前方開
    口端よりも後退して形成されたニップルをダイスの内周
    孔に挿入すると共に、このニップルの最も前方に位置す
    る前方開口端をダイスの内周孔の前方開口端よりも後退
    させた位置に配置し、 ニップルの各繰出孔を通してケーブルコアを前方に繰り
    出すと同時に、ニップルの外周面とダイスの内周孔との
    間に前方に向けて溶融したシース材を供給することによ
    り、各ケーブルコアの周囲をシースで被覆することを特
    徴とする平形ケーブルの製造方法。
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