JPH0833814A - スクリーン循環式除塵機におけるスクリーンユニット張架構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 濾過有効面積を拡大したパンチングメタル製
或いは金網製のスクリーンユニットを用いても、各スク
リーンユニットを反圧力作用側に湾曲させることにより
これにかかる圧力を低減する。 【構成】 予め定めた大きさに形成したスクリーンユニ
ットの多数を隣接配列してその両側端にエンドレスチェ
ンを係着して構成した無端状スクリーン７を水路１の水
面下に没するように多段折曲式にして張架配設すると共
に、この無端状スクリーン７を回転駆動してスクリーン
に捕捉されたごみを除去するスクリーン循環式除塵機２
において、各スクリーンユニットを反圧力作用側に湾曲
させて形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、下水処理に用いる無端
状スクリーンを、予め定めた大きさのスクリーンユニッ
トとし、これを隣接配列してその両側端にエンドレスチ
ェンを係着して構成し、、かつ各スクリーンユニットを
反圧力作用側に湾曲させて、開口率を大きくした板厚の
薄いパンチングメタル或いは目の細かい金網を用いてそ
のスクリーンユニットに作用する内部応力を低減させた
スクリーン循環式除塵機におけるスクリーンユニット張
架構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】都市部に降った雨水や家庭での廃水は、
暗渠・下水道等を経て下水処理場へ集められ、ここで下
水中に含まれるごみ等を取り除いた後、この下水を直
接、またはポンプアップして次処理槽へ送って処理する
か、雨水ならば河川へ放流している。この下水中の細塵
等の除去は一般にバースクリーン等を用いている。しか
し従来のように細塵除去にバースクリーンを用いると、
スクリーンの目幅を小さくすればスクリーンの有効通過
面積が少なくなり、降雨時等の如く一時的に大容量の汚
水を流して処理するには損失が大きくなり、またフィル
ム，ひも状のごみは、スクリーン目より抜けやすく、確
実な除去は困難であった。これを解消するためにまた金
網やパンチングメタルを用いたスクリーンを採用するこ
とがある。この金網等を用いたスクリーンにおいては、
Ｌ形鋼等を用いた枠材に所要の大きさとメッシュを備え
たスクリーン（濾材）、さらにはこれに押え材を重ね、
この枠材、濾材、押え材の間をボルトナットにて締結し
て固定するか、溶着して一体としている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の金網やパンチン
グメタルを用いたスクリーンユニットはスクリーン枠の
面に対して水平にして張って平板状に構成し、これを対
向するエンドレスチェン間に架け渡して係着している。
このため、水圧によってスクリーンユニットの面に水圧
がかかると、このスクリーンユニットには大きな応力が
発生し、この水圧による応力にて変形することがある。
スクリーンユニットの変形はこれに付着するごみを回転
ブラシ等にてはぎ取る際、変形した窪み部分はブラシに
よる除去が行えないものとなる。反対にこの水圧に耐え
るようにするためにはパンチングメタルの板厚を厚くし
たり、金網の線径を太くしてスクリーンユニットの強度
支持断面を大きくする必要がある。一般にパンチングメ
タルの場合、平板に穿孔するときの条件は、板厚ｔ、孔
間距離ｍとする場合、孔間距離ｍが板厚ｔと等しいか、
或いは板厚ｔよりも孔間距離ｍを大きく設定するので、
板厚が厚くなるとそれだけ開口率は小さくなる。また、
金網の場合は線径を太くすれば同様に開口率は小さくな
る。この関係からパンチングメタルの板厚を厚くした
り、金網の線径を太くすれば、残りの水通過有効断面は
減少し、このために装置を必要以上に大きくする必要が
生じる。

【０００４】本発明は濾過有効面積を拡大したパンチン
グメタル製或いは金網製のスクリーンユニットを用いて
も、各スクリーンユニットを反圧力作用側に湾曲させる
ことによりこれにかかる圧力を低減するようになすこと
を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するためになしたもので、予め定めた大きさに形成して
スクリーンユニットの多数を隣接配列してその両側端に
エンドレスチェンを係着して構成した無端状スクリーン
を水路の水面下に没するように多段折曲式にして張架配
設すると共に、この無端状スクリーンを回転駆動してス
クリーンに捕捉されたごみを除去するようになしたスク
リーン循環式除塵機において、各スクリーンユニットを
反圧力作用側に湾曲させて形成したことを要旨とする。

【０００６】

【作用】両側端に配設するエンドレスチェンに、隣接配
列する多数のパンチングメタル製或いは金網製のスクリ
ーンユニットを係着連結して無端状スクリーンを構成す
ると共に、この各スクリーンユニットを反圧力作用側に
湾曲して形成する。これにより濾過有効面積の拡大を図
った薄いパンチングメタルや細い線材による金網を用い
ても、このスクリーンユニットは引張応力の形で水圧を
支持するようになってスクリーンユニットに作用する力
（水圧）は大幅に低減されるものとなる。

【０００７】

【実施例】以下本発明スクリーン循環式除塵機における
スクリーンユニット張架構造を図示の実施例に基づいて
説明する。図において１は水路で、この水路１内に予め
定めた大きさのスクリーンユニットを隣接配列してその
両側端にエンドレスチェンを係着して構成した無端状
（エンドレス状）スクリーンを主体としたスクリーン循
環式除塵機２を設置する。このスクリーン循環式除塵機
２は水路上に設置した本体フレーム３に、駆動装置４に
て駆動されるホイール５と従動ホイール６を回動自在に
支持すると共に、これらホイール５，６，及び水路内で
無端状スクリーンの両側部をガイドするＵ字形の２本の
ガイドレール８、８に無端状スクリーン７を図示のよう
に２つ折Ｗ字形状又は多段折曲式にして張架し、かつこ
の２つ折Ｗ字形状又は多段折曲式とした無端状スクリー
ン７の下部はほぼ水路１の底部近くに達するようにして
張架配設し、かつスクリーン７内にスクリーン渣の収集
排出装置９を設けてなるものである。

【０００８】この無端状スクリーン７は、スクリーンの
能力に合わせた所要の幅と水路深等に合わせた長さ（全
長）を有するスクリーン枠７３にこのほぼ全面にわたっ
て張り合わせる濾体７２とより１つのスクリーンユニッ
ト７０を構成し、このスクリーンユニットの複数を互い
に長手方向側縁を隣接配列し、その両端部を２条のエン
ドレスチェン７１、７１に夫々係着して構成され、この
両側のチェンにてエンドレス状に、かつ円滑に屈曲し、
スプロケットホイール、ガイドレールにて保持され、水
路内に設定された軌跡を循環移動するようにしたもので
ある。

【０００９】この無端状スクリーン７を構成するスクリ
ーンユニットは図に示すようにスクリーンの大きさ、強
度に応じて予め定めた大きさのスクリーン枠７３にパン
チングメタル製の濾体７２を張り合わせるか、又は所要
メッシュの金網製の濾体７２を張り合わせこれを直接ス
クリーン枠７３に溶着固定するか、或いはこの濾体７２
の四周端面に押材を重ねてボルトナットにて締結して一
体とするものである。

【００１０】濾体７２としてパンチングメタルを用いる
場合は、より効率的なごみの除去が行えるよう空隙率を
５０〜８０％程度とした平滑な平板に所要径の孔と、所
要ピッチで多数の孔を配列するよう穿孔したものを用い
る。

【００１１】そしてこのスクリーン枠７３は反圧力作用
側に湾曲させて構成し、このスクリーン枠７３の湾曲に
合わせて前記パンチングメタルの濾体７２を張り合わせ
て一体とするもので、この場合のスクリーン枠の湾曲は
スクリーンにかかる水圧とスクリーンの大きさによって
異なるが、一例としてスクリーン枠寸法を４００ｍｍと
する場合はその湾曲の最大凹部は１０ｍｍ程度とする。
これはあまり凹部の窪みを大きくするとブラシによるご
みの除去が困難となる為である。

【００１２】なお、水圧が１平方ＣＭ当たり０．１Ｋ
ｇ、スクリーン枠寸法を４００ｍｍとし、かつスクリー
ンユニットを平板状する場合、濾体としてのパンチング
メタルの板厚は次のようなる。

【００１３】

【式１】

【００１４】また、スクリーンユニットを反圧力作用側
に湾曲させるとスクリーンユニットにかかる水圧による
応力は次のようになる。

【００１５】

【式２】

【００１６】さらにスクリーンユニットの応力は濾体長
手方向の単位長さ当たりは次式のようになる。

【００１７】

【式３】

【００１８】従って本発明のようにスクリーンユニット
を反圧力作用側に湾曲させることにより濾体厚さを従来
の平板状に比べその厚さを７乃至８分の１と薄くするこ
とができ、板厚を極めて薄くすることができる。

【００１９】このように湾曲したスクリーン枠７３にパ
ンチングメタルの代わりに金網製の濾体７２を張り合わ
せることもできる。濾体としてパンチングメタルを用い
る場合、スクリーン枠を省いて濾体７２の四周を屈曲し
て枠体として用いることも可能で、この場合はスクリー
ンユニットの大きさや強度に応じて予め使用する板厚及
び板の大きさを定めると共に、その四周縁部には穿孔せ
ず、その四周縁部を除いたほぼ中央部全面に亘って所要
の径とピッチにて穿孔してスクリーンユニット７０用の
パンチングメタルを形成し、次にこの四周縁部を建て起
こしてスクリーン枠７３とする。このスクリーン枠７３
はパンチングメタルの端側部をほぼ直角に折り曲げて構
成し、このスクリーン枠７３をエンドレスチェン７１に
係着すると共に、また他方側のスクリーン枠はパンチン
グメタルの長手側縁部を端側部と同方向へ、かつ予め定
めた傾斜角θをもって折り曲げて構成するものである。
そしてこの他方側のスクリーン枠の傾斜角θはスクリー
ンユニット７０をエンドレスチェン７１に係着した時、
チェンの屈曲に応じて円滑に屈曲できるようにして定め
るものとする。

【００２０】このように形成した無端状スクリーン７の
水面より上方位置には該スクリーンに付着して掻き揚げ
られる木葉・ひも状のごみ等の夾雑物（スクリーン渣）
をスクリーン面より剥離除去するための剥取手段１０を
備える。この剥取手段１０は図示のように水路１内に２
つ折りＷ字形状に張架された無端状スクリーン７の各Ｕ
形スクリーン内部Ａ１、Ａ２の掻取側で水面より上方の
スクリーン裏面側位置にしかもスクリーン面に対し所要
角に洗浄水が噴射するようにして洗浄用ノズル１０Ｎを
配設するか、回転ブラシ１０Ｂを配設し、これによりス
クリーンに付着した木葉等を洗浄用ノズル１０Ｎの洗浄
水噴射にて、あるいはブラシの回転にて剥離し、スクリ
ーン渣収集排出装置９内に落下するようになす。

【００２１】剥取手段として回転ブラシ１０Ｂを用いる
場合、この回転ブラシ１０Ｂは洗浄用ノズル１０Ｎと同
様水路１内に２つ折りＷ字形状に張架された無端状スク
リーン７の内部で最終段掻上側で水面より上方のスクリ
ーン裏面側位置にしかもブラシ先端がスクリーン面と接
触するように配置する。さらに剥取手段として洗浄用ノ
ズル１０Ｎと回転ブラシ１０Ｂとの組み合せとすること
もできる。

【００２２】従って水路１内に回転駆動されるよう２つ
折りＷ字形状又は多段折曲式に配設された無端状スクリ
ーン７の各Ｕ形スクリーン内部Ａ１、Ａ２の内側面より
汚水を流入させ、スクリーン外部水路ＢまたはＣへ流出
させると、この汚水中のスクリーン渣は各Ｕ形スクリー
ン内部Ａ１、Ａ２の対向する下降側と掻上側の両内側面
にて捕捉された後、このスクリーンの回動にて捕捉スク
リーン渣はスクリーン掻上側を経て水路上方へ掻き揚げ
られる。これをスクリーンの裏面より洗浄用ノズル１０
Ｎにて洗浄水を噴射することにより或いはまたブラシの
回転によりスクリーン面に付着しているごみはスクリー
ン面より剥離させられると共に、この下方位置でスクリ
ーン７内上部に設置された流水トラフ等の収集排出装置
９内に落下収集させ、水路外へ排出される。

【００２３】

【発明の効果】本発明スクリーン循環式除塵機における
スクリーンユニット張架構造は、予め定めた大きさに形
成したスクリーンユニットの多数を隣接配列してその両
側端にエンドレスチェンを係着して無端状スクリーンを
構成し、かつこの各スクリーンユニットを最初から反圧
力作用側に予め湾曲させて形成したため、スクリーンユ
ニットは引張応力の形で水圧を支持するようになってス
クリーンユニットに作用する力（水圧）は大幅に低減さ
れるものとなる。また濾体としてパンチングメタルを用
いる場合、その板厚を薄くして有効開口率及び耐圧を大
きくすることができる利点がある。また、濾体として金
網を用いる場合、その線径を細くして有効開口率を大き
くできる利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明スクリーン循環式除塵機におけるスクリ
ーンユニット張架構造の一実施例を示す正面図である。

【図２】同スクリーン部の平面図である。

【図３】スクリーンユニットをチェンに取り付けた状態
を示す正面図である。

【図４】同断面図である。

【図５】本発明スクリーンユニットの正面図である。

【図６】同断面図である。

【図７】本発明スクリーンユニットの異なる実施例の正
面図である。

【図８】同断面図である。

【図９】公知例のスクリーンユニットの説明図である。

【符号の説明】

１ 水路 ２ 除塵機 ５ 駆動ホイール ７ 無端状スクリーン ７０ スクリーンユニット ７１ エンドレスチェン ７２ 濾体 ７３ スクリーン枠 ８ ガイドレール

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 予め定めた大きさに形成したスクリーン
   ユニットの多数を隣接配列してその両側端にエンドレス
   チェンを係着して構成した無端状スクリーンを水路の水
   面下に没するように多段折曲式にして張架配設すると共
   に、この無端状スクリーンを回転駆動してスクリーンに
   捕捉されたごみを除去するスクリーン循環式除塵機にお
   いて、各スクリーンユニットを反圧力作用側に湾曲させ
   て形成したことを特徴とするスクリーン循環式除塵機に
   おけるスクリーンユニット張架構造。
2. 【請求項２】 各スクリーンユニットを、予め定めた大
   きさに形成したスクリーン枠を反圧力作用側に湾曲させ
   て形成し、このスクリーン枠の湾曲にそって平板に多数
   の孔を穿孔して成るパンチングメタルを一体に形成して
   なる請求項１記載のスクリーン循環式除塵機におけるス
   クリーンユニット張架構造。
3. 【請求項３】 各スクリーンユニットを、予め定めた大
   きさに形成したスクリーン枠を反圧力作用側に湾曲させ
   て形成し、このスクリーン枠の湾曲にそって金網を一体
   に形成してなる請求項１記載のスクリーン循環式除塵機
   におけるスクリーンユニット張架構造。