JPH08337751A - 剥離シート - Google Patents

剥離シート

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JPH08337751A
JPH08337751A JP16929895A JP16929895A JPH08337751A JP H08337751 A JPH08337751 A JP H08337751A JP 16929895 A JP16929895 A JP 16929895A JP 16929895 A JP16929895 A JP 16929895A JP H08337751 A JPH08337751 A JP H08337751A
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phthalocyanine
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Masahiko Ogawa
匡彦 小川
Yasuaki Hara
保昭 原
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 剥離シートのコーティング状況が目視により
一目瞭然にわかり、かつシリコーン樹脂の硬化阻害が生
じることなく、良好な剥離性能を備えた着色された剥離
シートを得る。 【構成】 紙又は高分子フィルム基材の片面又は両面に
付加反応硬化型シリコーン樹脂層が積層された剥離シー
トにおいて、該シリコーン樹脂層中に樹脂でコーティン
グされたフタロシアニン系顔料からなる分散顔料を分散
させ、該シリコーン樹脂層を着色化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリコーン系剥離剤を
塗工した剥離紙又は剥離フィルムの該シリコーン樹脂剥
離層が着色され、剥離層が顕在化した剥離シートに関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
剥離シートとしては、グラシン紙、ポリエチレンをラミ
ネートあるいは目処め剤を処理した上質紙、更にはポリ
プロピレン、ポリエステル、ポリスチレン等の合成樹脂
フィルムの上にシリコーン樹脂を塗工し、剥離層を設け
たものなどが知られている(特公昭61−15909号
公報、特開平6−55699号公報参照)。
【0003】上記剥離シートのシリコーン樹脂層の塗工
状態を知る方法としては、塗工面の光沢や滑りなどの手
触り、マジックインキ塗布時のハジキ具合、粘着テープ
による剥離差、蛍光X線によるシリコーン樹脂塗布量測
定などによる判定がある。しかし、使用する基材のタイ
プによっては目視による判定が難しい場合があり、その
際はマジックインキのハジキや手触りによる判定を行っ
ているが、これら判定を行っても部分的な塗布ムラや部
分塗工の状態など迅速な判断が困難な場合が生じる。
【0004】一方、剥離シート、特に剥離フィルムにつ
いては、用途別に色分けしたいという要求があり、この
場合、剥離シートの着色は、フィルムに着色印刷した
後、シリコーン樹脂の塗工を施すという方法が採用され
ている。
【0005】しかしながら、この方法では、着色インキ
によってはシリコーン樹脂の硬化阻害を生じるなどの難
点がある。即ち、従来、シリコーン樹脂の着色は、一般
的に亜鉛、カドミウムイエロー、ベンガラ、群青等の無
機顔料、アゾ系、フタロシアニン系等の有機顔料、アゾ
系、アントラキノン系の油溶性染料などの使用が試みら
れてきた。また、剥離コーティング層に用いるシリコー
ン樹脂では、ビニル基を含有するポリシロキサンとSi
H基を含有するポリシロキサンとを白金触媒存在下でい
わゆる付加反応によって硬化皮膜を形成させることが行
われていた。しかし、上記した着色剤を使用して着色を
行うと、上記付加反応が阻害されて硬化不良を生じるこ
とが知られており、その結果、シリコーン塗工後のシリ
コーン樹脂皮膜の曇りやブロッキングが生じたり、剥離
不良が生ずる場合があった。
【0006】更に、油溶性染料は、ラミネートされる粘
着剤層へ色移行する問題があり、無機顔料は、シリコー
ン樹脂液との比重差が大きいため、着色が不均一となっ
たり液分離が生じるという問題点も有していた。
【0007】本発明は、上述した着色という技術を剥離
シートのシリコーン樹脂剥離層の塗工状況を知る手段と
して利用しようという観点からなされたもので、上述の
問題点を解決して、剥離シートのコーティング状況が目
視により一目瞭然にわかり、かつシリコーン樹脂の硬化
阻害が生じることなく、通常の剥離性能を備えた着色さ
れた剥離シートを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は上記
目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、紙又は高分
子フィルム基材の片面又は両面に付加反応硬化型シリコ
ーン樹脂層が積層された剥離シートにおいて、該シリコ
ーン樹脂層中に樹脂でコーティングされたフタロシアニ
ン系顔料からなる分散顔料を分散させることにより、シ
リコーン樹脂層自体を着色化することができ、これによ
り剥離シートのコーティング状況が目視により一目瞭然
にわかる上、シリコーン樹脂の硬化阻害が生じることな
く、その結果、シリコーン樹脂塗工後のシリコーン樹脂
皮膜の曇りやブロッキングが生じたり、剥離不良が生ず
ることがなく、無着色の剥離シートと同等の剥離性能を
備えた着色された剥離シートが得られることを知見し、
本発明をなすに至った。
【0009】即ち、本発明は、上記の従来技術に対して
シリコーン樹脂による剥離層自体を着色化することによ
り該剥離層の存在判定や区別を容易にしたものである。
この場合、剥離シートに使用するシリコーン樹脂は元来
無色透明であり、目視によりその存在を明確にできるよ
うに着色化を図るためには、着色剤が必須となるが、こ
の着色剤の選定には、(1)シリコーン樹脂の硬化を阻
害しないこと、(2)シリコーン樹脂溶液中での安定性
が良いこと、(3)着色剤粒子が均一で細かく塗布後の
着色性が鮮明であることが必要である。
【0010】そこで、まず前述した一般的な無機及び有
機の顔料又は染料などについてこの点を満足し得る着色
剤を選定することを行った結果、フタロシアニン系顔料
を樹脂でコーティングした分散顔料がシリコーン樹脂に
対してきわめて安定で混和性が良好であり、かつシリコ
ーン樹脂の硬化阻害も少なく、シリコーン樹脂層自体を
満足に着色し得ることを見い出すと共に、シリコーン層
自体を着色化することによりコーティング膜の存在判定
や区別を容易にしたことで、下記の効果(1)目視によ
るシリコーン塗工状態の確認が容易となり、塗工ミスが
防止でき、また部分塗工する場合においてはその存在部
分の確認が容易となる、(2)シリコーン塗工と着色が
同時に可能となるため、剥離シートの区別化のための着
色工程が不要となる、(3)後加工である粘着加工の能
率向上や、精度向上に有用であることを知見し、本発明
をなすに至ったものである。
【0011】従って、本発明は、紙又は高分子フィルム
基材の片面又は両面に付加反応硬化型シリコーン樹脂層
が積層された剥離シートにおいて、該シリコーン樹脂層
中に樹脂でコーティングされたフタロシアニン系顔料か
らなる分散顔料を分散させ、該シリコーン樹脂層を着色
化したことを特徴とする剥離シートを提供する。
【0012】以下、本発明につき更に詳細に説明する
と、本発明の剥離シートは、紙又は高分子フィルム基材
の片面又は両面に剥離層として付加反応硬化型シリコー
ン樹脂層を設けたものである。
【0013】この場合、本発明に用いる紙基材として
は、例えばグラシン紙、ポリエチレンラミネート紙、コ
ート紙などが挙げられる。また、フィルム基材として
は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステ
ル、ポリスチレンなどが好適に使用される。
【0014】次に、基材の片面又は両面に設けられる離
型層としての付加反応硬化型シリコーン樹脂としては、
アルケニル基含有オルガノポリシロキサン、SiH基を
含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、白金
系触媒を主成分とする公知のものを使用することがで
き、熱硬化方式、放射線硬化方式のいずれの硬化方式の
ものを使用してもよいが、熱硬化方式が一般的である。
【0015】本発明は、上記剥離シートの付加反応硬化
型シリコーン樹脂層中に樹脂でコーティングされたフタ
ロシアニン系顔料からなる分散顔料を分散させ、着色化
したものである。
【0016】ここで、フタロシアニン系顔料は、赤、
橙、紫、青など各種の色があり、識別化に際して選択可
能であるが、具体的にフタロシアニンブルー、シアニン
ブルーなどが好適に使用される。
【0017】また、フタロシアニン系顔料をコーティン
グする樹脂としては、例えばロジン変性マレイン酸樹
脂、アクリル樹脂等が挙げられるが、特にロジン変性マ
レイン酸樹脂が好適に使用される。
【0018】また、フタロシアニン系顔料のコーティン
グ方法は、上記樹脂を用いて通常の方法で行うことがで
きる。
【0019】上記樹脂でコーティングされたフタロシア
ニン系顔料の付加反応硬化型シリコーン樹脂への添加量
は、0.5〜5重量%(対固形分比、以下同様)、好ま
しくは1〜3重量%である。添加量が5重量%を越える
とやや硬化阻害が認められる場合があり、0.5重量%
に満たないと色別の効果が乏しい場合がある。
【0020】本発明において、上記樹脂でコーティング
されたフタロシアニン系顔料の付加反応硬化型シリコー
ン樹脂への添加方法は、通常の方法を採用することがで
きるが、例えばシリコーン樹脂の硬化触媒以外の成分に
上記顔料を添加、混合した後、残りの硬化触媒を添加す
る方法が好適に採用される。
【0021】上記シリコーン樹脂に上記顔料を分散させ
た後は、これをトルエン等の有機溶剤で所望の濃度に希
釈してシリコーン溶液とした後、基材表面に塗工し、8
0〜180℃程度の温度で5〜60秒間程乾燥させてシ
リコーン樹脂層を硬化させることで、コーティング皮膜
を形成させることができる。
【0022】
【発明の効果】本発明の剥離シートは、シリコーン樹脂
からなる剥離層自体が着色化されているもので、剥離シ
ートのシリコーン樹脂のコーティング状況が目視により
一目瞭然にわかるため、シリコーン樹脂の塗工状態、例
えば塗工ミスの防止や、部分塗工位置の確認などが容易
となり、後加工である粘着加工時の作業性向上や精度の
向上も図られる。また、剥離シートの用途で必要となる
基材と離型層との区別が簡単になると共に、印刷などに
よって基材に予め着色を施す工程が不要となる。
【0023】更に、本発明の剥離シートは、使用される
着色剤がシリコーン樹脂の硬化性に悪影響を与えず、剥
離特性の低下を招くこともなく、硬化性及び密着性が着
色剤未添加の場合と同等で優れた剥離特性を有するもの
である。
【0024】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示して本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるも
のではない。
【0025】〔実施例1〕ビニル基含有オルガノポリシ
ロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンを主
成分とする付加反応硬化型シリコーン樹脂KS−778
(信越化学工業(株)製)10gに、着色剤としてフタ
ロシアニンブルーをロジン変性マレイン酸樹脂でコーテ
ィングし、分散させた顔料〔カラーテックスブルー#
16(山陽色素(株)製)〕を0.1g添加し、トルエ
ンにて希釈してシリコーン樹脂分5%に調整し、更に白
金系硬化触媒CAT−PL−8(信越化学工業(株)
製)を0.1g添加してシリコーン溶液を調製した。
【0026】得られたシリコーン溶液をポリエチレンラ
ミネートした上質紙にワイヤーバー#14にて塗工量
0.6〜0.7g/m2(固形分)で塗工し、熱風循環
式乾燥機を用い、140℃の温度で30秒間乾燥硬化し
て剥離紙を得た。
【0027】〔比較例1〕着色剤を全く用いない以外は
実施例1と同一条件で剥離紙を作成した。
【0028】〔実施例2〕着色剤(カラーテックスブル
#516)の使用量を0.01gにする以外は実施例
1と同一条件で剥離紙を作成した。
【0029】〔実施例3、比較例2〜4〕トルエンにて
希釈してシリコーン分を7.5%に調整する以外は実施
例1と同様にして調製したシリコーン溶液を64g/m
2のグラシン紙にワイヤーバー#14にて塗工量0.6〜
0.7g/m2(固形分)で塗工し、熱風循環式乾燥機
を用い、160℃の温度で20秒間乾燥硬化して剥離紙
を得た。
【0030】また、表1に示すように着色剤として樹脂
でコーティングされていないスミカロンブルーE−FB
L(住友化学工業(株)製、アントラキノン系分散染
料)、シアニンブルーBSN(山陽色素(株)製、フタ
ロシアニン系顔料)、オイルブルーIIN(オリエント
(株)製、アントラキノン系染料)をそれぞれ使用する
以外は実施例3と同様にして剥離紙(比較例2〜4)を
作成した。
【0031】上記各例で使用した着色剤の特性及び上記
各例で得られた剥離紙の各種特性を下記方法で評価し
た。結果を表1に示す。着色剤の分散安定性 :シリコーン樹脂(KS−778)
10.0gをトルエン50.0gで希釈したものに着色
剤を0.01g及び0.1g(シリコーン樹脂固形分に
対してそれぞれ0.33%、3.3%)加えて十分混合
した後、静置し、2時間後の分散状態を目視により調
べ、下記基準で判定した。 ○:分散良好 △:少量の沈澱あり ×:沈降し、透明となる着色剤の着色性及び移行性 :分散安定性を調べた液に上
記シリコーン樹脂の硬化触媒(CAT−PL−8)を
0.1g加えてよく攪拌したものをポリエチレンラミネ
ート上質紙に塗工量0.6〜0.7g/m2(固形分)
で塗工し、140℃で30秒間乾燥硬化させた後、目視
による着色度の判定を行った。またポリエステル粘着テ
ープ(ルミラー31B、日東電工(株)製)を貼合し、
ゴムロールで圧着させてから20g/cm2の荷重をか
け、70℃で20時間放置した後、剥がした粘着面への
着色剤の移行を調べた。 〈着色性〉 〈移行性〉 ○:良好 ○:移行なし △:不十分 △:やや移行する ×:不良 ×:移行あり硬化性及び密着性 :剥離紙上の硬化皮膜を指でこすり、
その皮膜の脱落及びくもりを判定した。 ○:脱落及びくもりがなく、良好 ×:脱落及びくもりがあり、不良剥離抵抗 :剥離紙の硬化皮膜面にアクリル系溶剤型粘着
剤オリバインBPS−5127、ゴム系溶剤型粘着剤オ
リバインBPS−2411、又はアクリル系エマルジョ
ン型粘着剤BPW−3110H(東洋インキ製造(株)
製)を塗布して100℃で3分間乾燥した。次に、この
処理面に坪量64g/m2の上質紙を貼合し、2kgロ
ーラーで1往復圧着し、25℃で所定時間エージングさ
せてから5cm幅に切断して試験片を作り、引張り試験
機にて180°の角度で剥離速度0.3m/分で貼合紙
を引張り、剥離に要する力(g)を測定した。残留接着率 :剥離紙の硬化皮膜表面にポリエステルテー
プ(ニット−31B、日東電工(株)製)を貼着し、2
0g/cm2の荷重をのせて70℃で20時間加熱処理
してからそのテープを剥がしてステンレス板に貼着し、
次いでこのテープを180°の角度、剥離速度0.3m
/分で引張り、その剥離に要する力(g)を測定した。
同様にテフロンシートに前記粘着テープを貼着し、前記
と同条件下で加熱処理し、同様の手順にて得られる力
(g)に対する百分率で残留接着率を表した。
【0032】表1の結果より、本発明に係わる着色剤
は、着色、分散安定性が良好であり、シリコーン樹脂の
特性を全く損なうことがなく、各種特性に優れた剥離シ
ートを与えることが確認された。
【0033】これに対して、比較例2,3の着色剤は分
散安定性、着色性に劣り、シリコーン樹脂の特性も損な
われ、比較例4の着色剤は良好な着色ができるが、貼合
わせた粘着剤層への色移りがはなはだしいものであっ
た。
【0034】
【表1】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙又は高分子フィルム基材の片面又は両
    面に付加反応硬化型シリコーン樹脂層が積層された剥離
    シートにおいて、該シリコーン樹脂層中に樹脂でコーテ
    ィングされたフタロシアニン系顔料からなる分散顔料を
    分散させ、該シリコーン樹脂層を着色化したことを特徴
    とする剥離シート。
  2. 【請求項2】 ロジン変性マレイン酸樹脂でコーティン
    グされたフタロシアニン系顔料を使用する請求項1記載
    の剥離シート。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101597730B1 (ko) * 2014-12-05 2016-02-25 도레이첨단소재 주식회사 유색 실리콘 이형층을 포함하는 실리콘 이형 필름

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101597730B1 (ko) * 2014-12-05 2016-02-25 도레이첨단소재 주식회사 유색 실리콘 이형층을 포함하는 실리콘 이형 필름

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