JPH08337740A - カチオン型水性塗料組成物 - Google Patents

カチオン型水性塗料組成物

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JPH08337740A
JPH08337740A JP14327895A JP14327895A JPH08337740A JP H08337740 A JPH08337740 A JP H08337740A JP 14327895 A JP14327895 A JP 14327895A JP 14327895 A JP14327895 A JP 14327895A JP H08337740 A JPH08337740 A JP H08337740A
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resin
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JP14327895A
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Motoi Tanimoto
基 谷本
Tsuyoshi Inoue
強 井上
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Nippon Paint Co Ltd
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明により、電着やディップ、スプレー
塗装可能なカチオン型水性塗料組成物、特に、耐食性お
よび耐温水性に優れ、かつ耐候性に優れたカチオン型水
性塗料組成物を提供する。 【構成】 (A)式: (式中、R2〜R5は同一または異なって、水素、または
炭素数1〜60のアルキル基またはアルコキシ基、または
炭素数6〜20のアリール基[それぞれ場合によっては主
鎖または側鎖中に、エーテル、エステル、アミノ、イミ
ノ結合等を含有してもよい]を表し、R1はフェノール
化合物から、反応に関与したフェノール性水酸基を除い
た残基を示す。)で表されるフェノール化合物とモノエ
ポキシ化合物との塩基性触媒存在下での反応生成物;お
よび(B)カチオン性アクリル樹脂;を含有するカチオン
型水性塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電着やディップ、スプ
レー塗装可能なカチオン型水性塗料組成物、特に、耐食
性および耐温水性に優れ、かつ耐候性に優れたカチオン
型水性塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】カチオン型電着による塗装は防錆性に優
れ、各種物品、特に自動車のプライマー塗装に用いられ
ている。このカチオン型電着塗料の耐食性および硬化性
を更に向上させるために、フェノール樹脂の配合が考え
られる。しかしながら、このフェノール樹脂中にフェノ
ール性の水酸基が残存していると塗膜の耐水性が不足す
るとともに塗料の凝集安定性も低下する。従って、この
フェノール性水酸基をエーテル化して、耐水性を確保す
ることが考えられる。例えば、村出新一著、「フェノー
ル樹脂」、日刊工業新聞社発行、昭和45年初版には、フ
ェノールとホルマリンをアルカリ触媒の存在下に低温で
反応し、ジメチロールフェノールまたはトリメチロール
フェノールのNa塩を得、これに、アルキルハライド、
アラルキルハライド、エピハロヒドリンなどの塩化物を
加えて脱塩反応をしてエーテル化する方法が開示されて
いる。このようにあらかじめフェノールをメチロール化
してからエーテル化するのは、フェノールの水酸基が先
にエーテル化されると、水酸基によるベンゼン核のオル
ト、パラ位置の活性化がなくなり、ホルムアルデヒドと
反応しにくくなるからである。しかし、上述のように予
めメチロール化し、次にエーテル化したメチロールフェ
ノールエーテルのメチロール基もまた、非常に安定化さ
れ、そのまま加熱してもアルキルエーテルまたはアラル
キルエーテルの大きさにもよるが、なかなか硬化せず、
電着塗膜として硬度が不足する。
【0003】また、特開昭56-166273号公報には、置換
基として水酸基または炭素数1〜10の有機残基を有する
ジヒドロキシベンゼン類似体の使用(カチオン性主樹脂
100重量部に対して0.01〜5重量部)が開示されている
が、鉛析出による陽極汚染を防止し、電着液の安定性に
優れるという効果は認められるが、耐温水性が低下す
る。この耐温水性を向上するためには5重量部以上の添
加量が必要であり、逆にこれにより電着液の安定性が低
下してしまうという問題点がある。
【0004】更に、本出願人は特開昭63-81171号公報に
おいて、フェノール基の一部(または全部)をモノエポ
キシ化合物でブロックしたレゾール型フェノール樹脂を
カチオン型水性樹脂と組合せた電着塗料を提案した。こ
の塗料は耐食性、耐水性の高い硬化被膜を提供するが、
カチオン型水性樹脂にアミン変性ポリブタジエン樹脂ま
たはアミン変性エポキシ樹脂を用いたため、前者では耐
温水性、後者では耐候性が必ずしも十分でないといった
問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の問
題を解決するものであり、その目的とするところは、耐
食性および耐温水性に優れ、かつ耐候性に優れた、電着
やディップ、スプレー塗装可能なカチオン型水性塗料組
成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は(A)式: (式中、R2〜R5は同一または異なって、水素、または
炭素数1〜60のアルキル基またはアルコキシ基、または
炭素数6〜20のアリール基[それぞれ場合によっては主
鎖または側鎖中に、エーテル、エステル、アミノ、イミ
ノ結合等を含有してもよい]を表し、R1はフェノール
化合物から、反応に関与したフェノール性水酸基を除い
た残基を示す。)で表されるフェノール化合物とモノエ
ポキシ化合物との塩基性触媒存在下での反応生成物;お
よび (B)カチオン性アクリル樹脂;を含有するカチオン型水
性塗料組成物を提供する。
【0007】本発明に用いる反応生成物(A)はフェノー
ル化合物のフリーフェノール基に対し、モノエポキシ化
合物を0.5〜1.0当量反応させる(80〜200℃、1〜7時
間)ことにより得られる。ここで、0.5当量より小さい
とフェノール性水酸基の残存量が多く塗料の凝集安定性
が低下し、1.0当量より大きいとモノエポキシ化合物の
残存が多くなりメチロール基と反応するため、メチロー
ル基による硬化性が低下し好ましくない。その結果得ら
れた反応生成物(A)の分子量は、2000以下であることが
好ましい。反応生成物(A)の分子量が2000を越えると耐
候性が低下するため上記範囲が好ましい。
【0008】本発明のフェノール化合物とモノエポキシ
化合物との反応生成物(A)は具体的には式: を有する。式中、R2〜R5はモノエポキシ化合物から由
来するもので、同一または異なって、水素、または炭素
数1〜60のアルキル基またはアルコキシ基、または炭素
数6〜20のアリール基[それぞれ場合によっては主鎖ま
たは側鎖中に、エーテル、エステル、アミノ、イミノ結
合等を含有してもよい]を表す。R1はフェノール化合
物から、反応に関与したフェノール性水酸基を除いた残
基を示す。従って、フェノール化合物自体は R1-OH
で表されることになるが、フェノール化合物はフェノー
ルやカテコール等の化学式が明確なものから、いわゆる
フェノール樹脂と呼ばれる具体的な化学式で表すことが
難しいものも含むので、R1を具体的に特定することは
困難である。
【0009】フェノール化合物の例として、ジヒドロキ
シベンゼン類およびその誘導体、例えばハイドロキノ
ン、カテコール、ベンゼントリオール等;ベースがフェ
ノールまたは、フェノールの置換体である、ノボラック
型フェノール樹脂またはレゾール型フェノール樹脂等;
ジエポキシ化合物とジヒドロキシベンゼン類との反応生
成物であって、エポキシ当量が160〜900の範囲内にある
もの;が挙げられる。レゾール型フェノール樹脂として
は、数平均分子量400未満のものが硬化性の点から好ま
しく、例えば荒川化学工業(株)から市販のタマノル721
およびタマノル722が挙げられる。
【0010】モノエポキシ化合物は分子中にエポキシ基
を1個有する化合物である。分子中にエポキシ基を2個
以上有する化合物、例えばジエポキシ化合物、トリエポ
キシ化合物等の使用も考えられるが、実際にはゲル化し
て使用することはできない。これらのジエポキシ化合物
またはトリエポキシ化合物等であっても、有機酸、2級
アミン等により変性し、モノエポキシ化合物にしたり、
反応に悪影響を与えない範囲でモノエポキシ化合物と混
合して用いる事ができる。モノエポキシ化合物はモノグ
リシジル化合物が好適である。
【0011】モノグリシジル化合物の例としては、グリ
シジルエーテル類、例えばフェニルグリシジルエーテ
ル、ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエー
テル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、p−t−
ブチルフェニルグリシジルエーテル、高級脂肪族アルコ
ールのグリシジルエーテル、ラウリルアルコールのエチ
レンオキシド付加物のグリシジルエーテル、フェノール
のエチレンオキシド付加物のグリシジルエーテル、ジブ
ロモフェニルグリシジルエーテル、ペンチルグリシジル
エーテル等;グリシジルエステル類、例えば安息香酸グ
リシジルエステル、リノール酸オレイン酸混合物のグリ
シジルエステル、第3級飽和カルボン酸のグリシジルエ
ステル等;グリシジルイミド類、例えばグリシジルフタ
ルイミド;グリシドールおよびジグリシジル化合物の1
個又はトリグリシジル化合物の2個を有機酸等で変性
し、モノグリシジルとなった化合物として1,6−ヘキサ
ンジオールジグリシジルエーテルのモノアセテート等が
挙げられる。
【0012】上記以外のモノエポキシ化合物の例として
は、スチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、エチ
レンオキシド、プロピレンオキシド、ブタジエンモノオ
キシド、イソブチレンオキシド、メチルスチレンオキシ
ド、ビニルシクロヘキセンモノオキシド等が挙げられ
る。
【0013】反応は反応促進のため溶媒中で行うのが好
ましい。レゾール型フェノール樹脂等は未反応のフェノ
ール、ホルムアルデヒドおよび水を含有しているため、
親水性基を持つ溶媒が好適である。好適な溶媒はアルコ
ール系溶媒、例えばメタノール、エタノール、n−プロ
パノール、イソプロパノール、n−ブタノール、メトキ
シブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、ter
t−ブタノール、n−アミルアルコール、イソアミルアル
コール、sec−アミルアルコール、3−ペンタノール、t
ert−アミルアルコール、n−ヘキサノール、シクロヘキ
サノール、2−メチルシクロヘキサノール、ベンジルア
ルコール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフ
リルアルコール、アビエチルアルコール、エチレングリ
コール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチ
レングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコー
ルイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチ
ルエーテル、エチレングリコールイソアミルエーテル、
エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレング
リコールベンジルエーテル、エチレングリコールモノア
セテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコー
ルモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、ジエチレングリコールアセテート、トリエチレング
リコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロ
ピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリ
コールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ
ブチルエーテル等が挙げられる。もちろん非アルコール
系の溶媒、例えばケトン類、エステル類等を上記アルコ
ール系溶媒と混合して用いてもよい。反応温度は60〜13
0℃、好ましくは70〜125℃が好適である。130℃を越え
るとメチロール基同士の縮合反応が速くなり好ましくな
い。60℃以下であると反応速度が充分でない。
【0014】反応は塩基性触媒、例えば水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、アミン類(例えば、トリメチルア
ミン、トリエチルアミン、トリ-n-ブチルアミン、トリ
アミルアミン、ジメチルベンジルアミン、ジエチルベン
ジルアミン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、
N,N-ジ-n-ブチルアニリン、N,N-ジアミルアニリ
ン、N,N-ジ-t-アミルアニリン、トリエタノールアミ
ン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールア
ミン、エチレンジエタノールアミン、n−ブチルジエタ
ノールアミン、ジ-n-ブチルエタノールアミン、トリイ
ソプロパノールアミン、α-ピコリン、β-ピコリン、γ
-ピコリン、2,4−ルチジン、2,6−ルチジン、エチルモ
ルホリン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ
イソブチルアミン、ジアミルアミン、N-メチルエタノ
ールアミン、N-エチルエタノールアミン、ジエタノー
ルアミン、ピリジン、ラウリルトリメチルアンモニウム
クロライド等)の存在下に実施される。好適なものとし
てはアミン類である。
【0015】カチオン性アクリル樹脂はアクリル樹脂骨
格にカチオン性基が結合したものであればよい。カチオ
ン性基はオニウム塩基、例えばアンモニウム塩基、ホス
ホニウム塩基等が挙げられる。アクリル樹脂骨格にカチ
オン性基を導入する方法は公知である。例えば、アミノ
基含有アクリル樹脂を合成し、これを酸で中和すること
により得られる。アミノ基含有アクリル樹脂は、例えば
以下の (1)グリシジル基含有(メタ)アクリルエステル系モノマー:10〜20重量%; (2)水酸基含有(メタ)アクリルエステル系モノマー :8〜30重量%; (3)その他の重合性モノマー :60〜80重量%; (4)ラジカル重合開始剤; の混合物を2〜5時間(100〜150℃)かけて滴下し、25〜
70℃、好ましくは30〜60℃のTgを有し、20〜100、好ま
しくは30〜80のヒドロキシル価(OHV)を有するアクリル
樹脂を調製する。ここで、(1)のグリシジル基含有(メ
タ)アクリルエステル系モノマーが10重量%より少ない
と乳化性が低下し、20重量%を越えると耐温水性が低下
して好ましくなく、上記範囲が好ましい。更に、(2)の
水酸基含有(メタ)アクリルエステル系モノマーが8重量
%より少ないと耐温水性が低下し、30重量%を越えると
塗膜外観が低下して好ましくなく、上記範囲が好まし
い。また、得られたアクリル樹脂のTgが25℃より低
い、またはヒドロキシル価(OHV)が20より低いと、耐温
水性が低下するため上記範囲が好ましい。得られたアク
リル樹脂中のグリシジル基当量に対して、塩基性アミノ
化合物を0.9〜1.1当量反応させる。塩基性アミノ化合物
の例としては、1、2、3級アミンのほか、ポリアミン
類、アルカノールアミン類のいずれであってもよい。例
えば、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、メチルエタ
ノールアミン、ジエタノールアミン、エチレンジアミ
ン、アミノエチルエタノールアミン、ジエチレントリア
ミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジメチルエタノ
ールアミン等が挙げられる。ジエチレントリアミン等の
ポリアミンを使用する時は、その第1級アミノ基を、予
めアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トンのようなケトン類と反応させて得られるケチミン誘
導体とするのがよい。ケチミンの生成反応は100℃以上
で加熱して生成水を留去することにより容易に進行す
る。また、活性水素を有しない第3級アミンを用いる時
は、これを適宜の酸、例えば硼酸、リン酸、硫酸、酢
酸、乳酸等で酸アミン塩にかえて使用する。これら塩基
性アミノ化合物とグリシジル基含有アクリル樹脂との反
応は、20〜200℃、好ましくは、50〜150℃で1〜5時間
程度加熱するのが好ましい。
【0016】各モノマーとして、以下のようなものが挙
げられる。まずグリシジル基含有(メタ)アクリルエステ
ル系モノマーとしては、グリシジル(メタ)アクリレート
等が挙げられる。水酸基含有(メタ)アクリルエステル系
モノマーとしては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられ
る。その他の重合性モノマーとしては、エチレン性不飽
和の重合性モノマーであればよく、(メタ)アクリルエス
テル系モノマー、例えばメチル(メタ)アクリレート、エ
チル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレー
ト、i-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)ア
クリレート、i-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル
(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル
(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、
(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド等、ま
たビニル芳香族化合物、例えばスチレン、α-メチルス
チレン、ビニルトルエン、ビニルピリジン等が挙げられ
る。また、ラジカル重合開始剤としては、水溶性化合
物、例えば過酸化水素、2,2'-アゾビス-(2-アミジノプ
ロパン)二塩酸塩、コハク酸パーオキサイド等、また
は、水に難溶性の化合物、例えば2,2'-アゾビスイソ酪
酸ジメチル、α,α'-アゾビスイソブチロニトリル等の
アゾ化合物、または有機過酸化物等が挙げられる。
【0017】上記カチオン性アクリル樹脂は酸で中和し
て水分散型または水可溶性にして使用される。使用し得
る酸は、無機酸または有機酸のいずれであってもよく、
例えば硝酸、乳酸、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、
塩酸、リン酸および硫酸が挙げられる。
【0018】反応生成物(A)/カチオン性アクリル樹脂
(B)の混合比は、10/90〜40/60が好ましく、成分(A)の
配合比率が10より少ないと耐温水性が不良となり、40を
越えると乳化性が不良となる。
【0019】本発明のカチオン型水性塗料組成物は、必
要に応じてカチオン型電着樹脂に公知の硬化剤、例えば
メラミン樹脂またはブロック化ポリイソシアネート化合
物またはエステル交換硬化剤を配合してもよい。本発明
の反応生成物(A)自体硬化性を有しているものもある
が、更に高い硬度が要求される場合に配合される。硬化
剤の配合量は前記反応生成物(A)およびカチオン性アク
リル樹脂(B)の混合物100重量部に対し、20〜100重量
部、好ましくは25〜70重量部である。ここで、硬化剤配
合量が、20重量部より少ないと硬化性不良となり、100
重量部を越えると乳化性不良となり好ましくなく、上記
範囲が好ましい。
【0020】本発明のカチオン型水性塗料組成物は、必
要に応じてカチオン型電着樹脂に公知の紫外線吸収剤、
例えばベンゾトリアゾール系、2-ヒドロキシベンゾフェ
ノン系、サリチル酸エステル系等を配合してもよい。紫
外線吸収剤の配合量は、前記反応生成物(A)、カチオン
性アクリル樹脂(B)および硬化剤の混合物100重量部に
対し、0.5〜10重量部、好ましくは1〜8重量部であ
る。ここで、紫外線吸収剤配合量が0.5重量部より少な
いと耐候性不良となり、10重量部を越えても効果が変わ
らないため、上記範囲が好ましい。
【0021】本発明カチオン型水性塗料組成物は、硬化
触媒としてコバルト、マンガン、鉄、亜鉛、鉛、カルシ
ウム、ジルコニウムの有機酸塩、もしくは二酸化マンガ
ン又は有機スズ化合物あるいはそれらの混合物を添加し
てもよい。コバルト、マンガン、鉄、亜鉛、鉛、カルシ
ウム、ジルコニウムの有機酸塩もしくは二酸化マンガン
は酸化重合の硬化触媒として、ジブチルスズオキサイ
ド、ジブチルスズジラウレート等の有機スズ化合物はブ
ロック化イソシアネートの解離触媒として使用される。
本発明のβ-ヒドロキシフェノールエーテル化合物(A)
自体硬化性を有しているが、更に高い硬化度が要求され
る場合に配合される。硬化触媒の配合量は金属に換算し
て樹脂固形分に対して0.005〜2.0重量%、好ましくは0.
05〜1.0重量%である。
【0022】本発明のカチオン型水性塗料組成物はさら
に他の顔料、例えば珪酸アルミニウム、沈降性硫酸バリ
ウム、カオリン、沈降性炭酸カルシウム等の体質顔料、
酸化チタン、カーボンブラック、亜鉛華、ベンガラ、二
酸化マンガン等の着色顔料、ストロンチウムクロメー
ト、クロム酸鉛、塩基性珪酸鉛、リンモリブデン酸アル
ミなどの防錆顔料を添加してもよい、これらの顔料は限
定的ではない。
【0023】本発明カチオン型水性塗料組成物はさらに
他の添加剤を添加してもよい。添加剤の具体例は界面活
性剤、アルコール、ケトン、エーテル等の有機溶剤、流
れ調整剤等がある。
【0024】本発明のカチオン型水性塗料組成物はディ
ップ、スプレー等の塗装方法により塗装してもよい。ま
た、電着塗装を行なってもよい。本発明で実施される電
着塗装は、塗料温度20〜40℃、印加電圧50〜500V、通
電時間(被塗物は完全に塗料浴中に浸漬)30秒〜10分、
など従来から常用されている条件下で行われる。必要な
電着塗膜厚は、硬化塗膜として5〜50μm、好ましくは1
0〜35μmである。
【0025】本発明における電着塗膜の焼付は、被塗物
温度で100〜200℃、好ましくは130〜160℃であり、通常
5〜50分間行われる。但し、160℃以上の高温で焼付け
た場合においても、本願発明における諸性能が低下する
ものではない。
【0026】本発明の方法を適用し得る金属素材として
は、常用一般に電着塗装され得る金属、例えば鉄、銅、
亜鉛メッキ鋼板、アルミニウムおよびそれらの合金であ
ってもよく、また化成処理されたものでもよい。
【0027】電着において、被覆組成物は種々の電気伝
導性支持体、特に金属、例えば鉄、アルミニウム、銅、
マグネシウム等ばかりでなく、金属化プラスチックや伝
導性カーボン被覆物等に適用できる。
【0028】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて更に具体
的に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、
これらの実施例に何ら制約されるものではない。
【0029】 (製造例1) 成 分 重量部 固形分 2-エチルヘキサノールハーフブロック化IPDI 370.8 352.3 (メチルイソブチルケトン中) ジメチルエタノールアミン 87.2 87.2 乳酸水溶液 117.6 88.2 エチレングリコールモノn-ブチルエーテル 45.2 − 上記組成に従い、還流冷却器、撹拌機を取り付けた4口
フラスコ中に、ジメチルエタノールアミンを配合し、乾
燥窒素雰囲気下、室温で2-エチルヘキサノールハーフブ
ロック化イソフォロンジイソシアネート(以下、IPDIと
略す)を添加した。混合物は発熱し、次いで80℃で1時
間撹拌しながら加熱保持した。反応混合物を65℃で更に
約0.5時間撹拌しながら加熱保持し、4級化剤を得た。
【0030】 (製造例2) 成 分 重量部 固形分 エポン8291) 710.0 681.2 ビスフェノールA 289.6 289.6 2-エチルヘキサノールハーフブロック化IPDI 470.9 447.4 (メチルイソブチルケトン中) 製造例1の4級化剤 546.4 464.4 脱イオン水 75.0 − エチレングリコールモノn-ブチルエーテル 597.6 − 1)エポン829:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量 193〜203)、シェル・ケミカル・カンパニー製 上記各組成に従い、還流冷却器、撹拌機を取り付けた4
口フラスコ中に、エポン829およびビスフェノールAを
配合し、窒素雰囲気下、150〜160℃に加熱し、初期発熱
反応の後、反応混合物を撹拌しながら150〜160℃で約1
時間加熱保持した。反応混合物を120℃に冷却後、2-エ
チルヘキサノールハーフブロック化IPDIを添加し、混合
物を撹拌しながら110〜120℃で約1時間加熱保持した。
エチレングリコールモノn-ブチルエーテルを添加後、
反応混合物を85〜95℃に冷却し、均一撹拌した。次い
で、脱イオン水および製造例1の4級化剤を添加し、反
応混合物を酸価が1に低下するまで、撹拌しながら80〜
85℃に加熱保持し、固形分濃度約70%の樹脂ビヒクルを
得た。
【0031】 (製造例3) 成 分 重量部 固形分 製造例2の樹脂ビヒクル 357.1 250.0 エチレングリコールモノn-ブチルエーテル 84.2 − 脱イオン水(1) 391.6 − カーボンブラック 23.0 23.0 二酸化チタン 917.0 917.0 塩基性ケイ酸鉛 60.0 60.0 脱イオン水(2) 667.1 − 上記各組成に従い、ステンレスベッセルの中に、製造例
2の樹脂ビヒクルと、エチレングリコールモノn-ブチ
ルエーテル、および脱イオン水(1)を配合し、均一撹拌
した。次いで、カーボンブラック、二酸化チタン、塩基
性ケイ酸鉛を添加し、サンドグラインドミルで分散し、
粒度10μm以下、総固形分50.0%、樹脂固形分10%、顔
料固形分40%の顔料ペーストを得た。
【0032】 (製造例4) 成 分 重量部 固形分 IPDI 371.4 371.4 2-エチルヘキサノール 218.0 218.0 トリメチロールプロパン 75.0 75.0 ジブチル錫ジラウレート 0.08 − エチルセロソルブ 284.7 − 上記組成に従い、冷却器、撹拌機を取り付けた4口フラ
スコ中に、IPDIを配合し、乾燥窒素雰囲気下、撹拌しな
がら2-エチルヘキサノールを添加した。反応混合物を冷
却し、38℃に保持した。同温度で30分保持した後60℃に
昇温した。ジブチル錫ジラウレートを添加後、撹拌しな
がらトリメチロールプロパンを添加し、昇温して反応混
合物を120℃で約1.5時間加熱保持した。赤外吸収スペク
トルによりイソシアネート基の吸収の消失を確認した
後、エチルセロソルブで希釈し、ポリウレタン架橋剤を
得た。
【0033】 (製造例5) 成 分 重量部 固形分 ハイドロキノン 110.0 110.0 3-メトキシ-n-ブタノール 148.6 − デナコールEX-1412) 269.5 262.5 ジメチルベンジルアミン(DMBA) 4.0 − 2)デナコールEX-141:フェニルグリシジルエーテル (エポキシ当量=154、モノエポキシ化合物) 長瀬化成産業社製 上記組成に従い、還流冷却器、撹拌機を取り付けた4口
フラスコ中に、ハイドロキノン、3-メトキシ-n-ブタノ
ール(以下メトブタと略す)、デナコールEX-141とを配
合し、窒素気流下140℃に加熱保持した。ジメチルベン
ジルアミン(以下DMBAと略す)を添加後、撹拌しながら
同温度で3時間加熱保持して、フェノール樹脂添加剤
(1)を得た。
【0034】(製造例6,7、比較製造例1)フェノー
ル基含有化合物種・量、モノエポキシ化合物種・量、と
して表1に示す配合で行う以外は(製造例5)と同様に
反応を行い、フェノール樹脂添加剤を得た。
【表1】
【0035】 (製造例8) 成 分 重量部 固形分 メトブタ(1) 258.5 − ハイドロキノン 330.0 330.0 エポトートYD-1285) 752.0 752.0 DMBA(1) 12.0 − メトブタ(2) 329.7 − デナコールEX-121 325.5 325.5 DMBA(2) 3.0 − 5)エポトートYD-128:ビスフェノールA型エポキシ樹脂 (エポキシ当量188)、東都化成社製 上記組成に従い、冷却器、撹拌機を取り付けた4口フラ
スコに、メトブタ(1)とハイドロキノン、YD-128を配
合し、窒素気流下、撹拌しながら120℃に加熱保持し
た。DMBA(1)を添加後、反応混合物は発熱し、そのまま1
70℃で3時間撹拌しながら加熱保持した。反応混合物を
冷却後、メトブタ(2)とデナコールEX-121を配合し、撹
拌しながら140℃で加熱保持した。DMBA(2)を添加し、同
温度で3時間、撹拌しながら加熱保持して、フェノール
樹脂添加剤(5)を得た。
【0036】(比較製造例2)ジエポキシ化合物種・
量、フェノール基含有化合物種・量、モノエポキシ化合
物種・量、として表2に示す配合で行う以外は(製造例
8)と同様に反応を行い、フェノール樹脂添加剤を得
た。
【表2】
【0037】 (製造例9) 成 分 重量部 固形分 キシレン 465.0 − グリシジルメタクリレート 170.0 170.0 2-ヒドロキシルエチルメタクリレート 90.0 90.0 エチルメタクリレート 317.0 317.0 スチレン 250.0 250.0 n-ブチルアクリレート 136.0 136.0 n-ブチルメタクリレート 37.0 37.0 α,α'-アゾビスイソブチロニトリル(1) 40.0 40.0 メトブタ 5.0 − α,α'-アゾビスイソブチロニトリル(2) 5.0 5.0 メチルエタノールアミン 89.9 89.9 上記組成に従い、滴下ロート、還流冷却器、撹拌機を取
り付けた4口フラスコ中に、キシレンを配合し、窒素気
流下120℃に加熱保持した。アクリルモノマーとα,α'-
アゾビスイソブチロニトリル(以下AIBNと略す)(1)と
の混合物を4時間かけて滴下した。滴下終了後、更に12
0℃で1時間、撹拌しながら加熱保持した。次いで、メ
トブタとAIBN(2)の混合物を5分間かけて滴下し、更に
同温度で1時間加熱保持して、グリシジル基含有アクリ
ル共重合体を得た。この樹脂は、Tg50℃、数平均分子
量8000、ヒドロキシル価(OHV)39であった。得られた
樹脂溶液を90℃に冷却後、メチルエタノールアミンを配
合し、窒素気流下130℃で2時間反応を行って、アミン
付加アクリル樹脂溶液を得た。
【0038】(製造例10,11、比較製造例3)アクリル
モノマー種・量、および、アミン量として、表3に示す
配合で行う以外は製造例9と同様に反応を行い、アミン
付加アクリル樹脂溶液を得た。
【表3】
【0039】 (比較製造例4) 成 分 重量部 固形分 エポン 10017) 970.0 970.0 PCP 02008) 265.0 265.0 DMBA 0.46 − メチルイソブチルケトン(1) 110.0 − ジエチレントリアミンの メチルイソブチルジケチミン9) 39.8 29.1 メチルイソブチルケトン(2) 208.1 − ジエチルアミン 53.1 53.1 7)エポン1001:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量485) シェル・ケミカル・カンパニー製 8)PCP 0200:ポリカプロラクトンジオール (ユニオン・カーバイド・コーポレーション製) 9)固形分73%のメチルイソブチルケトン溶液 上記配合に従い、還流冷却器、撹拌機、温度計を取り付
けた4口フラスコ中に、エポン1001とPCP 0200とを配合
し、窒素気流下100℃に加熱保持した。DMBAを添加し、
反応混合物を130℃で1.5時間加熱保持した。110℃に冷
却後、メチルイソブチルケトン(1)を加え、次いでジエ
チレントリアミンのメチルイソブチルケチミンとメチル
イソブチルケトン(2)とを添加し、70℃になるまで冷却
した。ジエチルアミンを配合し、再度加熱して、反応混
合物を120℃で3時間加熱保持して、アミン付加エポキ
シ樹脂溶液を得た。
【0040】 (比較製造例5) 成 分 重量部 固形分 E-1800-6.510) 1000.0 1000.0 エチレングリコールモノエチルエーテル(1) 358.0 − メチルエタノールアミン 75.1 75.1 アクリル酸 79.2 79.2 ハイドロキノン 7.2 − エチレングリコールモノエチルエーテル(2) 27.0 − 10)E-1800-6.5:エポキシ化ポリブタジエン(日石化学社製) 上記配合に従い、還流冷却器、撹拌機、温度計を取り付
けた4口フラスコ中に、E-1800-6.5とエチレングリコー
ルモノエチルエーテル、メチルエタノールアミンを配合
し、窒素気流下150℃で6時間撹拌しながら加熱保持し
た。120℃に冷却
【0041】 (比較製造例6) 成 分 重量部 固形分 エポン1001 1000.0 1000.0 エチレングリコールモノエチルエーテル(1) 283.0 − フマル酸 58.0 58.0 アクリル酸 72.0 72.0 ハイドロキノン 0.5 − ジメチルエタノールアミン 5.0 5.0 上記配合に従い、還流冷却器、撹拌機、温度計を取り付
けた4口フラスコ中に、エポン1001を配合し、エチレン
グリコールモノエチルエーテルに溶解した。フマル酸と
アクリル酸、ハイドロキノン、ジメチルエタノールアミ
ンを配合し、窒素気流下、撹拌しながら100℃で7時間
加熱保持して、酸価10ミリモル/100g、エポキシ価0.5ミ
リモル/100gのカルボン酸変性エポキシ樹脂を得た。
【0042】 (実施例1) 成 分 重量部 固形分 製造例9のアミン付加アクリル樹脂 848.7 600.0 製造例5のフェノール樹脂添加剤 178.6 125.0 製造例4のポリウレタン硬化剤 392.9 275.0 チヌビン113011) 20.0 20.0 アデカスタブLA-6212) 10.0 10.0 氷酢酸 19.8 − 脱イオン水(1) 1391.1 − 製造例3の顔料ペースト 130.4 65.2 脱イオン水(2) 2484.5 − 11)チヌビン1130:紫外線吸収剤(チバガイギー社製) 12)アデカスタブLA-62:光安定剤(旭電化工業社製) 上記組成に従い、製造例11で得られたアミン付加アクリ
ル樹脂、製造例5で得られたフェノール樹脂添加剤、製
造例4で得られたポリウレタン硬化剤、チヌビン1130、
アデカスタブLA-62を均一混合し、氷酢酸で中和した
後、脱イオン水(1)でゆっくり希釈した。次いで、製造
例3で得られた顔料ペーストを添加して均一混合し、更
に脱イオン水(2)を加えて均一撹拌し、固形分20%のカ
チオン電着塗料組成物を得た。
【0043】(実施例2〜6、比較例1〜4)アミン付
加アクリル樹脂種・量、アミン付加エポキシ樹脂量、ブ
ロックフェノール樹脂添加剤種・量、ポリウレタン硬化
剤量、氷酢酸量、脱イオン水(1)量として、表4に示す
配合で行う以外は実施例1と同様にして、カチオン電着
塗料組成物を得た。
【表4】
【0044】 (比較製造例7) 成 分 重量部 固形分 比較製造例5で得られた アミン付加ポリブタジエン 1000.0 750.0 比較製造例6で得られた カルボン酸変性エポキシ樹脂 562.5 450.0 エチレングリコールモノn-ブチルエーテル 37.5 − 氷酢酸 11.3 − 脱イオン水 4388.7 − 上記組成に従い、比較製造例5で得られたアミン付加ポ
リブタジエンと比較製造例6で得られたカルボン酸変性
エポキシ樹脂、エチレングリコールモノn-ブチルエー
テルを均一混合し、氷酢酸で中和後、脱イオン水で希釈
して、固形分20%のカチオンエマルジョンを得た。
【0045】 (比較例5) 成 分 重量部 固形分 比較製造例7で得られた カチオンエマルジョン 2000.0 400.0 カーボンブラック 4.0 4.0 塩基性ケイ酸鉛 20.0 20.0 脱イオン水 800.0 − 酢酸マンガン 2.5 − 上記配合に従い、5リットルステンレスビーカーに比較
製造例7で得られたカチオンエマルジョンとカーボンブ
ラック、塩基性ケイ酸鉛を配合し、次いでガラスビーズ
2000gを加え、高速回転ミキサーで3時間激しく撹拌し
た。ガラスビーズを濾過した後、脱イオン水と酢酸マン
ガンを加え、固形分15%のカチオン電着塗料組成物を得
た。
【0046】(試験項目)得られたカチオン電着塗料組
成物をリン酸亜鉛処理冷延鋼板に、硬化塗膜厚20μmと
なるように電着し、160℃で20分間焼付けたものを以下
に示す試験に使用した。 (a)耐温水性 試験板を60℃のイオン交換水に120時間浸漬後、取り出
して室温で24時間放置した。次いで、2mm×2mmのゴバ
ン目100個を作り、幅2.4cmの粘着テープ(ニチバン社
製)を指で確実に張り付けた後、急激に粘着テープを剥
離し、塗膜面に残ったゴバン目塗膜の数を記載した。 (b)安定性 電着塗料を40℃で2週間、密封撹拌した後の380メッシ
ュナイロン網濾過性を下記の判定基準により評価した。 濾過残渣0〜20mg … ○ 濾過残渣20〜50mg … △ 濾過残渣 ≧50mg … × (c)耐候性 JIS K-5400-1990 9.8.1に準じて、促進耐候性試験を800
時間実施し、次いで、JIS K-5400-1990 9.2.2に準じ
て、回転式の耐湿性試験を240時間実施した。取り出し
た試験板を室温で2時間放置した後、上記耐温水性試験
と同様にしてテープ剥離を実施し、残存ゴバン目数を下
記の判定基準により評価した。 ゴバン目残存数≧80/100 … ○ ゴバン目残存数<80/100 … × 評価結果を表5に示す。
【表5】
【0047】
【発明の効果】本発明のカチオン型水性塗料組成物によ
り、耐食性および耐温水性に優れ、かつ耐候性に優れた
硬化被膜が提供できる。本発明のカチオン型水性塗料
は、フェノール化合物とモノエポキシ化合物との反応
物;およびカチオン型水性樹脂としてアミン変性アクリ
ル樹脂;の組合せにより、上記性能が得られる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)式: (式中、R2〜R5は同一または異なって、水素、または
    炭素数1〜60のアルキル基またはアルコキシ基、または
    炭素数6〜20のアリール基[それぞれ場合によっては主
    鎖または側鎖中に、エーテル、エステル、アミノ、イミ
    ノ結合等を含有してもよい]を表し、 R1はフェノール化合物から、反応に関与したフェノー
    ル性水酸基を除いた残基を示す。)で表されるフェノー
    ル化合物とモノエポキシ化合物との塩基性触媒存在下で
    の反応生成物;および (B)カチオン性アクリル樹脂;を含有するカチオン型水
    性塗料組成物。
  2. 【請求項2】 R1が炭素数6〜20のアリール基であ
    り、分子量100〜400のフェノール樹脂からフェノール性
    水酸基を除いた残基である請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 エポキシ化合物がモノグリシジル化合物
    である請求項1〜2いずれかに記載の組成物。
  4. 【請求項4】 塩基性触媒がアミン化合物である請求項
    1〜3いずれかに記載の組成物。
  5. 【請求項5】 カチオン性アクリル樹脂がアミン変性ア
    クリル樹脂である請求項1〜4いずれかに記載の組成
    物。
  6. 【請求項6】 カチオン型水性塗料組成物が硬化剤とし
    てメラミン樹脂またはブロック化イソシアネート化合物
    を含有する請求項1〜5いずれかに記載の組成物。
  7. 【請求項7】 カチオン型水性塗料組成物が硬化触媒と
    して、コバルト、マンガン、鉄、亜鉛、鉛、カルシウ
    ム、ジルコニウムの有機酸塩もしくは二酸化マンガンま
    たは有機スズ化合物、あるいはそれらの混合物を、樹脂
    固形分に対して金属に換算して0.005〜2.0重量%を含有
    する請求項1〜6いずれかに記載の組成物。
  8. 【請求項8】 水性塗料組成物が電着用である請求項1
    〜7いずれかに記載の組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011084723A (ja) * 2009-07-31 2011-04-28 Kansai Paint Co Ltd カチオン電着塗料組成物
JP2013056961A (ja) * 2011-09-07 2013-03-28 Nippon Paint Co Ltd 電着塗料組成物および化成処理を施していない被塗物に電着塗膜を形成する方法
JP2013185004A (ja) * 2012-03-06 2013-09-19 Shinto Paint Co Ltd カチオン型電着塗料組成物

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JP2013056961A (ja) * 2011-09-07 2013-03-28 Nippon Paint Co Ltd 電着塗料組成物および化成処理を施していない被塗物に電着塗膜を形成する方法
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