JPH08336389A - 糖蛋白質の糖鎖構造を制御する方法 - Google Patents

糖蛋白質の糖鎖構造を制御する方法

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JPH08336389A
JPH08336389A JP7147165A JP14716595A JPH08336389A JP H08336389 A JPH08336389 A JP H08336389A JP 7147165 A JP7147165 A JP 7147165A JP 14716595 A JP14716595 A JP 14716595A JP H08336389 A JPH08336389 A JP H08336389A
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sugar chain
glycoprotein
igm
cell
sugar
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JP7147165A
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Kotaro Yamada
耕太郎 山田
Reiko Abe
玲子 阿部
Tomoko Yokomatsu
知子 横松
Fumio Bizen
二三雄 尾前
Tadashi Makino
正 槇野
Yukio Shimazaki
幸雄 島崎
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 所望の糖蛋白質を生産する細胞内において、
該糖蛋白質に結合している糖鎖の構造を制御する方法あ
るいはこれを特徴とする該糖蛋白質の生産方法を提供す
る。 【構成】 IgM生産B細胞株 MP−5045と、該
細胞株に比べて高いGalT活性量を有するヒトミエロ
ーマP109株 MP−5062とを融合させることに
より、よりGalT活性量の高いIgM生産性ヒト−ヒ
トハイブリドーマ株 MP−5097を得、該ハイブリ
ドーマ株よりIgMを生産する。 【効果】 本発明により得られる糖蛋白質は、糖鎖の種
類及び構造が制御され、特性あるいは生物活性をも変更
が可能である。また、本発明に係る糖蛋白質を医薬とし
て用いる場合、投与方法や副作用等の面でより優れた医
薬的効果が期待できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、糖蛋白質の生産技術に
関する。具体的には、所望の糖蛋白質を生産する細胞内
において、糖蛋白質の糖鎖結合可能部位に結合している
糖鎖の生合成に関与する一種以上の酵素の活性量を調節
することにより、該糖鎖の構造を制御し、改変された糖
鎖構造あるいは均質な糖鎖を有する糖蛋白質を生産する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、遺伝子工学あるいは細胞工学の発
展により、本来生体内に極微量しか存在しない糖蛋白質
を大量に得ることが可能になった。これに伴い、糖蛋白
質の糖鎖部分、例えばアスパラギン残基に結合している
糖鎖(以下N−結合型糖鎖と呼ぶ)は、生体にとって物
理化学的、生物学的に重要な機能を持つことが知られる
ようになっている(Varki,A., Glycobiology, vol.3,
p.97, (1993))(竹内誠他, バイオサイエンスとイン
ダストリー, Vol.47, No.1, PP.44-47,(1989))。こ
のことから、医薬として用いられる糖蛋白質に、有用な
糖鎖構造をより均一に与えることには産業的に大きな価
値があると予想される。N−結合型糖鎖は、その共通の
母核構造として図1(図1)に示す枝分かれの5糖構造
を含んでいる。このトリマンノシルコアと呼ばれる母核
に対して、最大6残基のマンノースが結合したものは高
マンノース型糖鎖と呼ばれる。一方、トリマンノシルコ
アの非還元末端の両マンノース残基にN−アセチルグル
コサミンに始まる側鎖が結合され、ガラクトース、フコ
ース、シアル酸が結合したり、N−アセチルグルコサミ
ンの分岐構造を含むように生合成されるものは複合型糖
鎖と呼ばれる。しかしながら、DNAあるいは蛋白質と
は異なり、細胞内における糖鎖の形成(グリコシル化)
は、鋳型によらず、特定の単糖と結合様式に特異的な複
数の酵素(糖加水分解酵素及び糖転移酵素)によるpost
-translational modification(翻訳後修飾)である(K
ornfeld,R. and Kornfeld,S., Ann.Rev.Biochem., vol.
54, p.631, (1985))。このため、グリコシル化によ
り糖蛋白質の特定の糖鎖結合可能部位に与えられる糖鎖
は必ずしも均一にならず、種々の糖鎖を持つ糖蛋白質が
存在する。また、鋳型が存在しないため、遺伝子工学等
の手法を用いた直接的な構造制御は困難である。
【0003】これまで、所望の糖鎖あるいはこれを含む
糖蛋白質を得るためには、以下の様な例が試みられてき
た。即ち、糖蛋白質を得た後、各種の酵素で処理して、
糖鎖構造を酵素的に直接修飾改変する方法(Takeuchi,
M. et al., J.Biol.Chem., vol.265, p.12127, (199
0))。組み換えDNA技術によって糖蛋白質をコード
する遺伝子をクローニングし、発現する宿主細胞を選択
することにより、糖鎖を改変する方法(Kingsley,D.M.
et al., Cell, vol.44, p.749, (1986))(Takeuchi,
M. and Kobata,A., Glycobiology, vol.1, p.337, (19
91))。糖蛋白質をコードする遺伝子上の糖鎖結合可能
部位をコードする領域を挿入・置換・削除することによ
って糖鎖の結合自体を制御する方法(Williams,A.M. et
al., J.Biol.Chem., vol.266, p.17648, (1991))。
糖鎖近傍のアミノ酸を改変し、この空間的影響によって
間接的に糖鎖構造を変化させる方法(林 勇一郎他, 生
化学, vol.62, p.690, (1990))。糖蛋白質生産細胞
の培養に際して糖鎖生合成系に於ける各プロセッシング
過程の阻害剤を添加することにより、糖鎖生合成系に対
して積極的に干渉する方法(高月 昭他, 蛋白質・核酸
・酵素, vol.38, p.1704, (1993))(Olden,K.et a
l., Biochim.Biophys.Acta., vol.650, p.209, (198
2))等が知られている。また、糖蛋白質生産細胞の培
養による糖蛋白質の生産において、培養手法や装置、血
清の有無、培養期間、緩衝液の組成等の培養条件がグリ
コシル化に多少影響することが知られており(Goochee,
C.F. and Monica,T.J., BIO/TECHNOLOGY,vol.8, p.421,
(1990))(Goochee,C.F. et al., BIO/TECHNOLOGY,
vol.9, p.1347, (1991))、このことを利用した試み
も行われつつある。しかしこれらの方法を用いて所望の
糖鎖構造を得るためには、何れも試行錯誤を伴う非常な
努力を要するうえ、この結果、所望の糖鎖構造を有する
糖蛋白質が得られなかったり、使用する試薬が高価であ
ったりなどの欠点を有している。さらにこれまでの報告
によれば、細胞内糖鎖生合成酵素及び糖鎖構造の量的な
相関は明らかでなく、ましてやその活性量を測定し、こ
れを至適に制御するという恣意的な操作は行われてこな
かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、所望
の糖鎖あるいはこれを持つ糖蛋白質を生産するための、
あるいは糖蛋白質の糖鎖を改変するための方法を提供す
ることにある。より具体的には、本発明の目的は、糖蛋
白質生産細胞による糖蛋白質の生産において、該糖蛋白
質の糖鎖結合部位の糖鎖構造を制御する方法を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは糖蛋白質の
糖鎖構造に関する研究を進める課程において、糖鎖の生
合成に関与する酵素の活性量と糖鎖構造との間には定量
的な正の相関があることを見いだし、上記知見をもとに
目的とする糖蛋白質あるいは糖鎖を得るための簡便且つ
画期的手法の開発に成功した。
【0006】即ち本発明は、所望の糖蛋白質を生産する
細胞内において、該糖蛋白質の糖鎖結合部位に結合して
いる糖鎖の生合成に関与する一種以上の酵素の活性量を
調節することにより、該糖鎖の構造を制御する方法を提
供するものである。また本発明は、所望の糖蛋白質を生
産する細胞内において、該糖蛋白質の糖鎖結合可能部位
に結合している糖鎖の生合成に関与する一種以上の酵素
の活性量を調節することにより、該糖鎖の構造を制御す
ることを特徴とする、糖蛋白質の生産方法を提供するも
のである。
【0007】本発明に係わる糖蛋白質とは、蛋白質のア
ミノ酸配列中のアスパラギン残基又はセリン若しくはス
レオニン残基等の糖鎖が結合する可能性のあるアミノ酸
残基の内、少なくとも一カ所に糖鎖が結合している蛋白
質を示す。その様なものの代表例として、免疫グロブリ
ン(Ig)M及びG、組織プラスミノーゲン活性化因子
(t−PA)等を挙げることができる。糖蛋白質IgM
の単量体は、図2(図2)に示すようにN−結合型糖鎖
の結合部位を重鎖の定常領域に5箇所(以下、アミノ末
端より数えて167、330、393、400及び56
0番目のアミノ酸であるアスパラギンに結合した糖鎖を
各々N167、N330、N393、N400、N56
0と記載する)有している(Shimizu.A. et al., Nature
New Biology, vol.231, p.73, (1971))(Patnum,F.
W. et al., Science, vol.182, p.287, (1973))。
【0008】本発明に係わる糖鎖とは糖蛋白質に結合し
ている糖鎖であって、その結合可能部位とは、糖蛋白質
を構成する蛋白質部分のアミノ酸配列中のアスパラギン
残基あるいはセリン若しくはスレオニン残基を示してい
る。また、本発明の糖鎖は、N−アセチル−D−グルコ
サミン、N−アセチル−D−ガラクトサミン、D−マン
ノース、D−ガラクトース、フコース及びシアル酸等の
単糖により構成される。
【0009】本発明に係わる糖鎖の生合成に関与する一
種以上の酵素とは、αマンノシダーゼI及びII、α1
−6フコース転移酵素、N−アセチルグルコサミン転移
酵素I、II、III、IV及びV、β1−4ガラクト
ース転移酵素、α2−6シアル酸転移酵素等に代表さ
れ、細胞内ゴルジにおいて糖鎖の生合成に関与する酵素
群を指す。β1−4ガラクトース転移酵素(以下、Ga
lTと記載する)は、複合型糖鎖の非還元末端N−アセ
チルラクトサミン構造を形成する酵素として知られてい
る。
【0010】本発明に用いることのできる所望の糖蛋白
質を生産する細胞あるいはその細胞株としては、真核生
物由来のものであれば特に制限はなく、付着性細胞、浮
遊性細胞の何れも使用できる。その様なものの代表例と
して糖蛋白質を細胞内に蓄積生産する動物細胞、及び糖
蛋白質を細胞外に分泌生産する動物細胞等が例示でき
る。具体的には例えば、抗体生産B細胞、t−PA生産
細胞等を挙げることができ、抗緑膿菌IgM抗体生産B
細胞株 MP−5045(本細胞株は通商産業省工業技
術院生命工学工業技術研究所に受託番号FERM P−
14976として寄託されている)等が好適に使用され
る。
【0011】また上記細胞(所望の糖蛋白質を生産する
細胞)とは糖鎖の生合成に関与する酵素の活性量が異な
っている、細胞融合の際に用いることのできる細胞ある
いはその細胞株としては、糖蛋白質を生産する細胞ある
いはその細胞株の細胞内での糖鎖の生合成に関与する酵
素の活性量及び所望の糖鎖構造を考慮して適宜選択すれ
ばよく特に制限はないが、糖鎖の生合成に関与する酵素
の活性量の比較を考慮すれば、本発明における所望の糖
鎖を生産する細胞とその融合パートナーとなる細胞とは
分類学的に同種あるいは近縁な種の生物に由来すること
が好ましい。例えば、抗緑膿菌IgM抗体(以下IgM
と記載する)生産B細胞株 MP−5045に対しては
ヒトミエローマP109株 MP−5062(本細胞株
は通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所に受託
番号FERM P−14977として寄託されている)
を好適に用いることができる。
【0012】酵素活性を調節する方法としては、糖鎖の
生合成に関与する酵素の活性量を測定しつつ各種公知の
方法を適宜選択して用いることができる。例えば具体的
には、所望の糖蛋白質を生産する細胞に対して、所望の
糖鎖構造を与えるに適当な酵素の活性量を有する細胞
を、例えばポリエチレングリコールを用いて、あるいは
電気的に融合せしめることにより達成することができ
る。
【0013】また、所望の糖鎖の生合成に関与する酵素
の遺伝子配列が明らかであるものについては、これを発
現制御可能な状態でベクターと接続して細胞に導入する
方法、あるいはアンチセンス法、遺伝子破壊法等も用い
ることができる。
【0014】糖鎖の生合成に関与する酵素の活性を定量
する測定法は各酵素の測定法に従えばよいが、検出感度
が高く定量性、再現性の高い手法が望ましい。GalT
活性を測定するには、例えば受容体糖鎖及び基質となる
糖ヌクレオチドを含む反応液中に、測定試料として細胞
の破砕液を加え、残存する受容体糖鎖をHPLCを用い
て定量し、その活性を市販のウシGalTをもとに作製
した検量線より算出することも可能である。この時、受
容体糖鎖や生成物及び基質を分解するような、反応の定
量性を妨げる物質の存在を考慮した系であることが望ま
しい。
【0015】細胞の培養は各種公知の方法を用いて行う
ことができ、細胞の増殖及び糖蛋白質の生産を阻害しな
いものであれば特に制限はない。例えば動物細胞の場
合、タンクでの浮遊培養、細胞をスチレン製のマイクロ
ビーズ表面あるいはローラーボトル内壁等に付着させた
接着培養、フラスコを用いた静置培養等を細胞に応じて
適宜選択することができる。培養時間は、バッチ法で培
養する場合には細胞が十分に増殖して糖蛋白質が十分に
生産されるまで行えばよく、通常1週間〜6カ月程度で
ある。培養に際して培地の一部を無菌的に交換しながら
連続的に培養を行う場合は、培養時間は1週間〜6カ月
程度である。また培養に際しては、糖蛋白質を生産する
細胞を播種した後、適当な温度、通気状態、培地のpH
を保ちながら該細胞を培養する。本発明の培養に使用で
きる培地としては、基本培地に血清等の添加物を添加し
たものを用いることができる。基本培地としては市販さ
れている細胞培養用の培地を用いることができ、例えば
イーグル最少必須培地、RPMI-1640培地、ハム
F12培地、ダルベッコ変法イーグル培地等を単独ある
いは適宜混合して使用すればよい。また、細胞の培養を
細胞数の増加と糖蛋白質の生産と二段階に区別して行
い、異なる2種類の培地を用いることもできる。この場
合には、増殖培地としては例えば上記基本培地に1〜3
0%濃度のウシ胎児血清(以下FCSと記載する)を添
加した栄養培地を、生産培地としてはFCSを含まない
培地を使用できる。
【0016】上述のようにして得られた培養物からの糖
蛋白質の回収は通常の精製、回収方法により分離精製で
きる。即ち、例えば糖蛋白質が細胞外に分泌生産される
場合には、適時培養液を交換する方法により培養液を回
収する。また、糖蛋白質が細胞内に生産蓄積される場合
には、培養液をろ過あるいは遠心分離する方法により細
胞を回収する。糖蛋白質の精製は、目的の糖蛋白質に応
じて、例えばイオン交換、生物学的親和性、吸着あるい
は疎水度、親水度、分子サイズ、限外濾過等を利用した
各種公知の精製方法で達成されるが、糖蛋白質が細胞内
に生産蓄積されるものである場合には、精製に先立って
細胞を破砕する必要がある。
【0017】上記により得られた糖蛋白質より更に糖鎖
を得るためには、各種公知の方法を利用できる。その代
表例として例えば公知のヒドラジン分解法や各種のグリ
コペプチダーゼを用いて糖鎖と蛋白質部分とを切断する
方法がある。また、糖蛋白質の特定部位に結合している
糖鎖のみを必要とする場合には、トリプシン、リジルエ
ンドペプチダーゼ、V8プロテアーゼ等の蛋白質分解酵
素を用いて予め糖蛋白質を断片化して糖蛋白質の精製に
準じた方法で目的の糖鎖を含むペプチド断片を得た後、
上記と同様の方法にて糖鎖とペプチドとを切断すればよ
い。糖蛋白質あるいは糖ペプチドより上記の方法で糖鎖
を切り出した後にペプチドあるいはアミノ酸と糖鎖を個
別に分離するためには、疎水度や分子量または親水度を
利用した各種の精製方法で行うことができる。糖を含む
画分の検出にはオルシノール硫酸法等の糖特異的な発色
法を用いることができる。
【0018】この様にして得られた糖鎖の構造を分析、
確認するためには、各種公知の方法を適宜利用すること
ができるが、検出感度が高くなることから、得られた糖
鎖に対して2−アミノピリジンによる蛍光標識を行い後
述する様な高速液体クロマトグラフィー(HPLC)に
よる解析を行うことが望ましい。HPLCを利用した糖
鎖の分離及び分析に際しては、糖鎖の持つ電荷、分子
量、親水度、疎水度、各種レクチンに対する親和性等に
基づき公知となっているいずれの手法をも利用すること
ができる。その代表例として、陰イオン交換カラムを利
用してシアル酸数の異なる糖鎖をその電荷の違いにより
分離し定量した後にシアル酸を脱離し、得られた中性糖
鎖を逆相カラムにて分離するとともに、この逆相カラム
を用いたHPLC(以下逆相HPLCと記載する)で得
られた各ピーク成分の糖鎖を更に順相カラムと逆相カラ
ムを使用して分離し、各成分の糖鎖構造を高橋らの2次
元糖鎖マップ(高橋禮子, 糖蛋白質糖鎖研究法 生化学
実験法23, 学会出版センター, (1989))(高橋禮子
他, 蛋白質核酸酵素増刊, 共立出版, vol.37, p.2117,
(1992))によるフィンガープリントを行い同定する方
法がある。この時、シアル酸の除去には、例えば酸性条
件下で酸加水分解を行う方法や微生物由来のシアリダー
ゼを用いる方法が使用できる。
【0019】
【実施例】以下に記す実施例は、糖蛋白質の例としてI
gM生産細胞株の培養によって生産されるIgMの糖鎖
を変更した方法について説明する。 実施例1 1.IgM生産B細胞株 MP−5045における酵素
活性量の定量 IgM生産B細胞株 MP−5045における細胞内G
alT活性量の測定を行った。本細胞株を1×106
ells/mlの細胞密度にて、FCSを含まない改変
NYSF培地に播種し、37℃、5%CO2の条件下
で、フラスコを用いて静置培養した。播種後3、4日目
に生細胞数を計測し、各時点で5×105の細胞を含む
細胞培養液をサンプリングし、遠心分離にて集めた後、
PBS緩衝液にて洗浄した。これに対して1%濃度のT
riton X−100を含む5μl量の10mM HE
PES緩衝液を加え、細胞を懸濁した後、バス型超音波
破砕装置を用いて細胞を破砕した。受容体糖鎖(ピリジ
ルアミノ化ガラクトシルバイアンテナ)12.5mMを
含む20μl量の反応溶液(10mM UDP−Ga
l、10mM HEPES(pH7.2)、12.5m
M MnCl2、41.25mM NaCl、3.75m
M KCl、及び7.0mM濃度のγ−ラクトンを含
む)を上記細胞破砕液に対して添加し、37℃にて加温
した。これより経時的に5μlを反応停止液に対してサ
ンプリングし、Shim−pak CLC−ODSカラ
ムを用いたHPLCにより分析し、受容体糖鎖残存率の
対数値を反応時間に対してプロットした傾きによりGa
lT活性量を反応速度として算出した。この結果IgM
生産B細胞株 MP−5045のGalT活性量及びそ
のときの細胞増殖の推移は図3a(図3)に記したとお
りであった。
【0020】2.IgM生産B細胞株 MP−5045
の生産するモノクローナルIgM糖鎖構造の解析 2−1.IgM生産B細胞株 MP−5045の培養 先に測定された酵素活性量存在下において糖蛋白質Ig
Mに対して結合される糖鎖の構造を検討するため、上記
IgM生産B細胞株 MP−5045を培養し、IgM
を含む培養上清を得た。具体的には、2%濃度のFCS
を含む改変NYSF培地 500mlを有する2lのコ
ーン型沈降管付培養槽3台に対して5×105cell
s/mlになるよう各細胞を播種し、37℃、pH7.
0、溶存酸素濃度2.0ppmの条件下に置き、2日目
以降1VVDで灌流培養した。細胞播種後6日目より2
日間FCSを含まない上記の培地に交換し、それぞれ1
0日目より14日目までIgMを含む培養上清、計2.
5lを取得し、この培養上清中に、約20mgのIgM
を得た(以下IgM生産B細胞株 MP−5045より
得られるIgMをIgM−aとする)。 培養上清を濾
過して不溶物を除去した後、該濾液を限外濾過により濃
縮し、これに対して飽和硫酸アンモニウム溶液を等量添
加することにより沈澱画分を得た。得られた沈澱画分を
0.15M NaClを含む20mMリン酸ナトリウム
緩衝液(pH7.0)12mlに再溶解し、同一の緩衝
液で平衡化したゲル濾過クロマトグラフィーカラムに供
してIgM−aを精製した。
【0021】2−2.各結合部位の糖鎖の調製 精製されたIgM−aを凍結乾燥した後、凍結乾燥試料
を8M 尿素の存在下で20mM濃度のジチオスレイト
ール(DTT)にてS−S結合を還元処理し、DTTに
対して3倍濃度になるようにヨード酢酸を加え、SH基
を修飾保護した。反応液を、ゲル濾過クロマトグラフィ
ーカラムに供して目的の糖鎖が結合する重鎖を精製し
た。得られた重鎖をリジルエンドペプチダーゼ消化した
後、逆相HPLCによりペプチドを分離し、オルシノー
ル硫酸法及びLC−MS、アミノ酸シークエンサーを用
いて糖ペプチドの溶出される画分を確認、同定した。そ
の結果、N167の付加したペプチド及びN560の付
加したペプチドを含む画分、リジルエンドペプチダーゼ
消化により切断を受けないN393とN400の付加し
たペプチドを含む画分、N330の付加したペプチドを
含む画分を認めた。2種の糖ペプチドを含む画分は、更
にトリプシンによる消化を行い逆相HPLCにより各糖
ペプチドを個別に単離した。また、N393とN400
の付加したペプチドを含む画分については、V8プロテ
アーゼ消化した後、同じく逆相HPLCによりそれぞれ
の糖ペプチドを単離した。この様にして精製した5種の
糖ペプチドは、アミノ酸配列から予想される糖鎖結合配
列を有する目的の糖ペプチドとして均一であることをア
ミノシークエンサーを用いて確認した。各糖ペプチドか
ら、公知であるアーモンド由来グリコペプチダーゼA
(Sugiyama,K. et al., Biochem.Biophys.Res.Commun.,
vol.112, p.115, (1983))及びヒドラジン分解(Tak
asaki,S., et al., Methods in Enzymology (Ginsbur
g,V,ed.)(Academic Press,New York) vol.83, p.26
3, (1982))を用いて糖鎖を切り出し、各結合部位の
糖鎖を精製した。得られた各糖鎖は、2−アミノピリジ
ンを用いた公知の方法(Hase,S. et al., J.Biochem.
(Tokyo), vol.100, p.1, (1986))にてピリジルア
ミノ(以下PAと記載する)化し、蛍光標識した。標識
化された糖鎖(以下PA化糖鎖と記載する)は、Sep
hadex G−15(ファルマシア社製)を担体とし
たゲル濾過クロマトグラフィーカラムを用いて精製し、
以下の分析に用いた。
【0022】2−3.陰イオン交換クロマトグラフィー
カラムを用いたシアル酸分析 各結合部位のPA化糖鎖は、まず陰イオン交換カラム
MonoQ HR5/5(内径5mm×長さ50mm、
ファルマシア社製)を用いて、非還元末端に存在するシ
アル酸残基数の違いにより分離、分析した。IgM−a
より得たアミノ末端側の3種類の糖鎖(N167、N3
30、N393)は、負電荷によって1つの中性画分と
3つの酸性画分に分離された。この大部分を占める酸性
画分は、Arthrobacter ureafaciens由来のシアリダーゼ
(ナカライテスク社製)処理により全量が中性画分に移
行した。また、カルボキシル末端側の2種類の糖鎖(N
400、N560)はそのほぼ全量が中性画分に溶出し
た。IgM−aから得られたPA化糖鎖についての陰イ
オン交換HPLCの結果を図4a(図6)に、また図4
a(図6)のピーク面積より定量して得られる各結合部
位毎のシアル酸が0〜3残基である糖鎖の含有率を表1
a(表1)に示す。
【0023】
【表1】 この結果から、IgM−aのアミノ末端側3糖鎖は大部
分がα2−6結合のシアル酸を1〜3残基を有してお
り、カルボキシル末端側2糖鎖は、ほとんどがシアル酸
を持たない中性糖鎖であった。
【0024】2−4.各結合部位の糖鎖の構造解析 各結合部位のPA化糖鎖を上記シアリダーゼを用いて消
化し、中性化した(シアル酸を脱離した)画分を先の陰
イオン交換カラムを用いて分取した。得られた中性糖鎖
を逆相カラム Shim−pac CLC−ODS(内
径6mm×長さ150mm、島津製作所製)にて分離す
るとともに、このクロマトグラムの示すパターンからそ
れぞれの糖鎖結合部位に含まれる各糖鎖成分の定量を行
った。この時の各ピーク成分の糖鎖構造は、順相カラム
と逆相カラムを使用したフィンガープリントによる2次
元糖鎖マップ(高橋禮子, 糖蛋白質糖鎖研究法 生化学
実験法23, 学会出版センター, (1989))(高橋禮子
他, 蛋白質核酸酵素増刊, 共立出版, vol.37, p.2117,
(1992))により同定した。また、それぞれの構造を確
認するため、各成分の糖鎖を各種のエキソグリコシダー
ゼ(ウシ腎臓由来のα−L−フコシダーゼ(Boehringer
Mannheim社製)、ナタマメ由来のβ−D−ガラクトシ
ダーゼまたはβ−N−アセチルヘキソサミニダーゼ(生
化学工業株式会社製))を用いて逐次消化後、消化産物
の挙動を同様に2次元糖鎖マップ上で解析した。試料糖
鎖構造と同一の標準PA化糖鎖が市販されているものに
ついては両者を逆相カラムへ共打ちすることにより、単
一ピークの出現を確認した。この時の逆相HPLCのク
ロマトグラムを図5a(図8)に、また同定されたクロ
マトグラム(図5a(図8))中のピークA〜Gの推定
構造及びこのピーク面積より定量した各結合部位に於け
るその存在率を表2(表2)に示す。
【0025】
【表2】 その結果、各結合部位に含まれるそれぞれの糖鎖の含有
率にはわずかな違いが見られるものの、IgM生産B細
胞株 MP−5045由来IgM−aのアミノ末端側3
箇所に主要に含まれる糖鎖(N167、N330、N3
93)は、その還元末端N−アセチルグルコサミン残基
にフコースが結合した複合型二本鎖構造(表2(表2)
中の推定構造A〜C)であり、非還元末端のガラクトー
ス残基及びバイセクティングN−アセチルグルコサミン
残基の有無により微細に不均一であることが判明した。
一方、カルボキシル末端側2箇所に主要に含まれる糖鎖
(N400、N560)はマンノース5残基から8残基
を有する高マンノース型の糖鎖(表2(表2)中の推定
構造D〜G)であった。
【0026】実施例2 ヒトミエローマP109株 M
P−5062における酵素活性量の定量 ヒトミエローマP109株 MP−5062における細
胞内GalT活性量を先に述べた方法にて測定した。そ
の結果、本ヒトミエローマ株のGalT活性量は、先の
IgM生産B細胞株 MP−5045に比べ、2倍以上
高い値を示した(図3b(図4))。
【0027】実施例3 1.細胞融合法による糖蛋白質の糖鎖構造の改変 実施例1に記載のIgM生産B細胞株 MP−5045
と実施例2に記載のヒトミエローマP109株 MP−
5062をポリエチレングリコールを用いた方法により
細胞融合(Campling,B.G. et al., The EBV hybridoma
technique andits applications. In Human Hybridoma
s, Marcel Dekker, Inc., New York. (1987))し、I
gMを生産するヒト−ヒトハイブリドーマ株 MP−5
097(本細胞株は通商産業省工業技術院生命工学工業
技術研究所に受託番号FERMP−14978として寄
託されている)を得た。上記で得られたヒト−ヒトハイ
ブリドーマ株 MP−5097の酵素活性を実施例1に
示した方法により測定した。結果を図3c(図5)に示
す。本細胞株のGalT活性量はヒトミエローマP10
9株 MP−5062のそれと同等であり、IgM生産
B細胞株 MP−5045よりも2倍以上高い値を示し
た。このことから今回の細胞融合により本IgM生産細
胞株のGalT活性量が変化したことがわかる。
【0028】2.ヒト−ヒトハイブリドーマ株 MP−
5097の生産するモノクローナルIgM糖鎖構造の解
析 上記1において確認された酵素活性量の変化が糖鎖構造
に反映されるか否かを検討するため、上記融合後のヒト
−ヒトハイブリドーマ株 MP−5097を培養してI
gMを含む培養上清を取得し、得られたIgMの糖鎖構
造を解析した(以下本IgMをIgM−bと記載す
る)。細胞株の培養、及びIgM各結合部位糖鎖の調
製、構造解析の方法等、実験の詳細に関しては実施例1
と同様に行った。
【0029】2−1.陰イオン交換クロマトグラフィー
カラムを用いたシアル酸分析 ヒト−ヒトハイブリドーマ株 MP−5097より得ら
れたIgM−bのアミノ末端側の3種類の糖鎖(N16
7、N330、N393)は、IgM生産B細胞株 M
P−5045より得られたIgM−aと同様、負電荷に
よって1つの中性画分と3つの酸性画分に分離され(図
4b(図7))、α2−6結合のシアル酸1〜3残基を
有していることが確認された。また、カルボキシル末端
側の2種類の糖鎖(N400、N560)はそのほぼ全
量が中性画分に溶出した(図4b(図7))。図4b
(図7)のピーク面積より定量して得られる各結合部位
毎のシアル酸が0〜3残基である糖鎖の含有率を表1b
(表3)に示す。
【0030】
【表3】 この結果から、ヒト−ヒトハイブリドーマ株 MP−5
097由来IgM−bのアミノ末端側3種類の糖鎖に含
まれるシアル酸量はIgM生産B細胞株 MP−504
5由来IgM−aのアミノ末端側3種類の糖鎖に含まれ
るシアル酸量よりわずかに高い値を示すことが明らかと
なった。
【0031】2−2.各結合部位の糖鎖の構造解析 IgM−bより得た各結合部位のPA化糖鎖を上記シア
リダーゼを用いて消化し、得られた中性糖鎖を逆相カラ
ム(実施例1参照)を用いて分離するとともに、このク
ロマトグラムの示すパターンからそれぞれの糖鎖結合部
位に含まれる各糖鎖成分の定量を行った。また、この時
の各ピーク成分の糖鎖構造は、先と同様に順相カラムと
逆相カラムを使用したフィンガープリントによる2次元
糖鎖マップにより同定した。この時の逆相HPLCのク
ロマトグラムを図5b(図9)に、また同定されたクロ
マトグラム(図5b(図9))中のピークA〜Gの推定
構造及びこのピーク面積より定量した各結合部位に於け
るその存在率を表2(表3)に示す。その結果、IgM
生産B細胞株 MP−5045由来のIgM−aとヒト
−ヒトハイブリドーマ株 MP−5097由来のIgM
−bの糖鎖構造は明らかに異なることが判明した。Ig
M−aのアミノ末端側3種類の糖鎖には非還元末端のガ
ラクトースが一部付加されない二本鎖の複合型糖鎖(表
2(表2)中の推定構造B)が含まれたにもかかわら
ず、IgM−bのアミノ末端側3種類の糖鎖には非還元
末端ガラクトースの欠損した糖鎖は全く含まれずガラク
トシル化が完全に行われていた。このことから先のシア
ル酸含有量の違いは、このような非還元末端のガラクト
ース付加率の差異によると思われた。また上記の結果
は、用いたIgM生産B細胞株MP−5045に比べて
高いGalT活性量を有したヒトミエローマP109株
MP−5062を細胞融合させることにより、より酵素
活性の高い糖蛋白質IgMの生産株であるヒト−ヒトハ
イブリドーマ株 MP−5097が得られ、これにより
IgMのガラクトース付加率が向上したことを示してい
る。一方、IgM−bではIgM−aに比べて複合型2
本鎖糖鎖(表2(表2)中の推定構造A〜C)の内バイ
セクティングN−アセチルグルコサミン構造を有する糖
鎖(表2(表2)中の推定構造C)の占める割合が低い
こと、及びN400、N560の高マンノース型糖鎖の
組成(表2(表2)中の推定構造D〜G)が異なること
が明らかとなった。このような変化についても、ヒトミ
エローマP109株 MP−5062との細胞融合がも
たらした結果である。以上のことより、IgM−a生産
細胞株とIgM−b生産細胞株の酵素活性量の変化と、
それぞれの細胞株から得られるIgM−aとIgM−b
の糖鎖構造の変化には相関性があることが証明された。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、糖鎖生合成酵素の活性
を適宜調節することにより、糖蛋白質糖鎖の構造を制御
し、目的の種類及び構造を持つ糖鎖及びこれを含む糖蛋
白質をより均一かつ大量に得ることができる。即ち、糖
鎖の種類あるいは構造を改変して特性の変化した糖蛋白
質をより均一に生産すること、あるいは糖鎖の改変によ
って糖蛋白質の生物活性をも変更することが可能であ
る。具体的には、このことにより従来には入手の難しか
った天然に極微量しか存在しない糖蛋白質あるいは天然
にない新規な糖蛋白質を大量に供給することも可能とな
る。また、糖蛋白質を医薬として生産する場合には、該
糖蛋白質に目的の構造を有する糖鎖をより均一に与える
ことにより、例えば生理学的機能が高い糖鎖または半減
期の長い糖鎖、目的の組織に特異的レセプターが存在す
る糖鎖等を多く与えることにより、投与量、投与間隔、
副作用の面でより優れた医薬を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】N−結合型糖鎖に共通に存在する5糖構造トリ
マンノシルコアを示した図である。
【図2】糖蛋白質IgM単量体の模式図及び重鎖定常領
域に於けるN−結合型糖鎖の結合部位を示した図であ
る。
【図3】IgM生産B細胞株 MP−5045の細胞増
殖とこの時のGalT活性量の推移を示した図である。
【図4】ヒトミエローマP109株 MP−5062の
細胞増殖とこの時のGalT活性量の推移を示した図で
ある。
【図5】ヒト−ヒトハイブリドーマ株 MP−5097
の細胞増殖とこの時のGalT活性量の推移を示した図
である。
【図6】IgM−aの糖鎖結合部位毎に得られたPA化
糖鎖の陰イオン交換HPLCに於けるクロマトグラムを
示す図である。
【図7】IgM−bの糖鎖結合部位毎に得られたPA化
糖鎖の陰イオン交換HPLCに於けるクロマトグラムを
示す図である。
【図8】IgM−aの糖鎖結合部位毎に得られたPA化
糖鎖のシアル酸を脱離した中性化糖鎖を逆相HPLCで
分析して得られるクロマトグラムを示す図である。図中
A〜Gはそれぞれ表2に於ける推定構造A〜Gのピーク
を表す。
【図9】IgM−bの糖鎖結合部位毎に得られたPA化
糖鎖のシアル酸を脱離した中性化糖鎖を逆相HPLCで
分析して得られるクロマトグラムを示す図である。図中
A〜Gはそれぞれ表2に於ける推定構造A〜Gのピーク
を表す。
【符号の説明】
図6及び図7中の矢印(↓):この時使用した標準糖鎖
(宝酒造製)の溶出位置を示す。 図6及び図7中のN:中性糖鎖(シアル酸残基数0)で
あることを示す。 図6及び図7中のMS:モノシアリルPA化糖鎖(シア
ル酸残基数1)であることを示す。 図6及び図7中のDS:ジシアリルPA化糖鎖(シアル
酸残基数2)であることを示す。 図6及び図7中のTS:トリシアリルPA化糖鎖(シア
ル酸残基数3)であることを示す。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年11月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】
【実施例】以下に記す実施例は、糖蛋白質の例としてI
gM生産細胞株の培養によって生産されるIgMの糖鎖
を変更した方法について説明する。 実施例1 1.IgM生産B細胞株 MP−5045における酵素
活性量の定量 IgM生産B細胞株 MP−5045における細胞内G
alT活性量の測定を行った。本細胞株を1×10
ells/mlの細胞密度にて、FCSを含まない改変
NYSF培地に播種し、37℃、5%COの条件下
で、フラスコを用いて静置培養した。播種後3、4日目
に生細胞数を計測し、各時点で5×10の細胞を含む
細胞培養液をサンプリングし、遠心分離にて集めた後、
PBS緩衝液にて洗浄した。これに対して1%濃度のT
riton X−100を含む5μl量の10mM H
EPES緩衝液を加え、細胞を懸濁した後、バス型超音
波破砕装置を用いて細胞を破砕した。受容体糖鎖(ピリ
ジルアミノ化ガラクトシルバイアンテナ)12.5mM
を含む20μl量の反応溶液(10mM UDP−Ga
l、10mM HEPES(pH7.2)、12.5m
M MnCl、41.25mM NaCl、3.75m
M KCl、及び7.0mM濃度のγ−ラクトンを含
む)を上記細胞破砕液に対して添加し、37℃にて加温
した。これより経時的に5μlを反応停止液に対してサ
ンプリングし、Shim−pak CLC−ODSカラ
ムを用いたHPLCにより分析し、受容体糖鎖残存率の
対数値を反応時間に対してプロットした傾きによりGa
lT活性量を反応速度として算出した。この結果IgM
生産B細胞株 MP−5045のGalT活性量及びそ
のときの細胞増殖の推移は図3に記したとおりであっ
た。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】2−3.陰イオン交換クロマトグラフィー
カラムを用いたシアル酸分析 各結合部位のPA化糖鎖は、まず陰イオン交換カラム
MonoQ HR5/5(内径5mm×長さ50mm、
ファルマシア社製)を用いて、非還元末端に存在するシ
アル酸残基数の違いにより分離、分析した。IgM−a
より得たアミノ末端側の3種類の糖鎖(N167、N3
30、N393)は、負電荷によって1つの中性画分と
3つの酸性画分に分離された。この大部分を占める酸性
画分は、Arthrobacter ureafaciens由来のシアリダーゼ
(ナカライテスク社製)処理により全量が中性画分に移
行した。また、カルボキシル末端側の2種類の糖鎖(N
400、N560)はそのほぼ全量が中性画分に溶出し
た。IgM−aから得られたPA化糖鎖についての陰イ
オン交換HPLCの結果を図6に、また図6のピーク面
積より定量して得られる各結合部位毎のシアル酸が0〜
3残基である糖鎖の含有率を表1a(表1)に示す。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】2−4.各結合部位の糖鎖の構造解析 各結合部位のPA化糖鎖を上記シアリダーゼを用いて消
化し、中性化した(シアル酸を脱離した)画分を先の陰
イオン交換カラムを用いて分取した。得られた中性糖鎖
を逆相カラム Shim−pac CLC−ODS(内
径6mm×長さ150mm、島津製作所製)にて分離す
るとともに、このクロマトグラムの示すパターンからそ
れぞれの糖鎖結合部位に含まれる各糖鎖成分の定量を行
った。この時の各ピーク成分の糖鎖構造は、順相カラム
と逆相カラムを使用したフィンガープリントによる2次
元糖鎖マップ(高橋禮子, 糖蛋白質糖鎖研究法 生化学
実験法23, 学会出版センター, (1989))(高橋禮子他,
蛋白質核酸酵素増刊, 共立出版, vol.37, p.2117, (1
992))により同定した。また、それぞれの構造を確認す
るため、各成分の糖鎖を各種のエキソグリコシダーゼ
(ウシ腎臓由来のα−L−フコシダーゼ(Boehringer M
annheim社製)、ナタマメ由来のβ−D−ガラクトシダ
ーゼまたはβ−N−アセチルヘキソサミニダーゼ(生化
学工業株式会社製))を用いて逐次消化後、消化産物の
挙動を同様に2次元糖鎖マップ上で解析した。試料糖鎖
構造と同一の標準PA化糖鎖が市販されているものにつ
いては両者を逆相カラムへ共打ちすることにより、単一
ピークの出現を確認した。この時の逆相HPLCのクロ
マトグラムを図8に、また同定されたクロマトグラム
(図8)中のピークA〜Gの推定構造及びこのピーク面
積より定量した各結合部位に於けるその存在率を表2
(表2)に示す。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】実施例2 ヒトミエローマP109株 M
P−5062における酵素活性量の定量 ヒトミエローマP109株 MP−5062における細
胞内GalT活性量を先に述べた方法にて測定した。そ
の結果、本ヒトミエローマ株のGalT活性量は、先の
IgM生産B細胞株 MP−5045に比べ、2倍以上
高い値を示した(図4)。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】実施例3 1.細胞融合法による糖蛋白質の糖鎖構造の改変 実施例1に記載のIgM生産B細胞株 MP−5045
と実施例2に記載のヒトミエローマP109株 MP−
5062をポリエチレングリコールを用いた方法により
細胞融合(Campling,B.G. et al., The EBV hybridoma
technique andits applications. In Human Hybridoma
s, Marcel Dekker, Inc., New York. (1987))し、Ig
Mを生産するヒト−ヒトハイブリドーマ株 MP−50
97(本細胞株は通商産業省工業技術院生命工学工業技
術研究所に受託番号FERM P−14978として寄
託されている)を得た。上記で得られたヒト−ヒトハイ
ブリドーマ株 MP−5097の酵素活性を実施例1に
示した方法により測定した。結果を図5に示す。本細胞
株のGalT活性量はヒトミエローマP109株MP−
5062のそれと同等であり、IgM生産B細胞株 M
P−5045よりも2倍以上高い値を示した。このこと
から今回の細胞融合により本IgM生産細胞株のGal
T活性量が変化したことがわかる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】2−1.陰イオン交換クロマトグラフィー
カラムを用いたシアル酸分析 ヒト−ヒトハイブリドーマ株 MP−5097より得ら
れたIgM−bのアミノ末端側の3種類の糖鎖(N16
7、N330、N393)は、IgM生産B細胞株 M
P−5045より得られたIgM−aと同様、負電荷に
よって1つの中性画分と3つの酸性画分に分離され(図
7)、α2−6結合のシアル酸1〜3残基を有している
ことが確認された。また、カルボキシル末端側の2種類
の糖鎖(N400、N560)はそのほぼ全量が中性画
分に溶出した(図7)。図7のピーク面積より定量して
得られる各結合部位毎のシアル酸が0〜3残基である糖
鎖の含有率を表1b(表3)に示す。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】2−2.各結合部位の糖鎖の構造解析 IgM−bより得た各結合部位のPA化糖鎖を上記シア
リダーゼを用いて消化し、得られた中性糖鎖を逆相カラ
ム(実施例1参照)を用いて分離するとともに、このク
ロマトグラムの示すパターンからそれぞれの糖鎖結合部
位に含まれる各糖鎖成分の定量を行った。また、この時
の各ピーク成分の糖鎖構造は、先と同様に順相カラムと
逆相カラムを使用したフィンガープリントによる2次元
糖鎖マップにより同定した。この時の逆相HPLCのク
ロマトグラムを図9に、また同定されたクロマトグラム
(図9)中のピークA〜Gの推定構造及びこのピーク面
積より定量した各結合部位に於けるその存在率を表2
(表3)に示す。その結果、IgM生産B細胞株 MP
−5045由来のIgM−aとヒト−ヒトハイブリドー
マ株 MP−5097由来のIgM−bの糖鎖構造は明
らかに異なることが判明した。IgM−aのアミノ末端
側3種類の糖鎖には非還元末端のガラクトースが一部付
加されない二本鎖の複合型糖鎖(表2(表2)中の推定
構造B)が含まれたにもかかわらず、IgM−bのアミ
ノ末端側3種類の糖鎖には非還元末端ガラクトースの欠
損した糖鎖は全く含まれずガラクトシル化が完全に行わ
れていた。このことから先のシアル酸含有量の違いは、
このような非還元末端のガラクトース付加率の差異によ
ると思われた。また上記の結果は、用いたIgM生産B
細胞株MP−5045に比べて高いGalT活性量を有
したヒトミエローマP109株MP−5062を細胞融
合させることにより、より酵素活性の高い糖蛋白質Ig
Mの生産株であるヒト−ヒトハイブリドーマ株 MP−
5097が得られ、これによりIgMのガラクトース付
加率が向上したことを示している。一方、IgM−bで
はIgM−aに比べて複合型2本鎖糖鎖(表2(表2)
中の推定構造A〜C)の内バイセクティングN−アセチ
ルグルコサミン構造を有する糖鎖(表2(表2)中の推
定構造C)の占める割合が低いこと、及びN400、N
560の高マンノース型糖鎖の組成(表2(表2)中の
推定構造D〜G)が異なることが明らかとなった。この
ような変化についても、ヒトミエローマP109株 M
P−5062との細胞融合がもたらした結果である。以
上のことより、IgM−a生産細胞株とIgM−b生産
細胞株の酵素活性量の変化と、それぞれの細胞株から得
られるIgM−aとIgM−bの糖鎖構造の変化には相
関性があることが証明された。
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C12N 5/10 9281−4B C12N 5/00 B (72)発明者 尾前 二三雄 千葉県茂原市東郷1144番地 三井東圧化学 株式会社内 (72)発明者 槇野 正 千葉県茂原市東郷1144番地 三井東圧化学 株式会社内 (72)発明者 島崎 幸雄 東京都千代田区霞が関三丁目2番5号 三 井東圧化学株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所望の糖蛋白質を生産する細胞内におい
    て、該糖蛋白質の糖鎖結合可能部位に結合している糖鎖
    の生合成に関与する一種以上の酵素の活性量を調節する
    ことにより、該糖鎖の構造を制御する方法。
  2. 【請求項2】 所望の糖蛋白質を生産する細胞内におい
    て、該糖蛋白質の糖鎖結合可能部位に結合している糖鎖
    の生合成に関与する一種以上の酵素の活性量を調節する
    ことにより、該糖鎖の構造を制御することを特徴とす
    る、糖蛋白質の生産方法。
  3. 【請求項3】 所望の糖蛋白質を生産する細胞と、該細
    胞に比して該糖蛋白質の糖鎖結合可能部位に結合してい
    る糖鎖の生合成に関与する一種以上の酵素の活性量が異
    なる細胞を融合させることによって、該糖蛋白質を生産
    する細胞の該酵素活性量を調節することを特徴とする、
    請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 所望の糖蛋白質を生産する細胞と、該細
    胞に比して該糖蛋白質の糖鎖結合可能部位に結合してい
    る糖鎖の生合成に関与する一種以上の酵素の活性量が異
    なる細胞を融合させることによって、該糖蛋白質を生産
    する細胞の該酵素活性量を調節することを特徴とする、
    請求項2に記載の生産方法。
  5. 【請求項5】 糖鎖がN−結合型糖鎖であることを特徴
    とする請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 糖鎖がN−結合型糖鎖であることを特徴
    とする請求項2に記載の生産方法。
  7. 【請求項7】 糖鎖の生合成に関与する酵素の一つがガ
    ラクトース転移酵素であることを特徴とする、請求項1
    に記載の方法。
  8. 【請求項8】 糖鎖の生合成に関与する酵素の一つがガ
    ラクトース転移酵素であることを特徴とする、請求項2
    に記載の生産方法。
JP7147165A 1995-06-14 1995-06-14 糖蛋白質の糖鎖構造を制御する方法 Pending JPH08336389A (ja)

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Cited By (2)

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JP2004507613A (ja) * 2000-09-11 2004-03-11 インダストリア エ コメルシオ デ コスメティコス ナチュラ リミタダ 非硫酸化フコース・ベースのオリゴ糖混合物、上記混合物を含む化粧用又は医薬組成物、及び化粧品又は薬学におけるその使用
WO2015152658A1 (ko) * 2014-04-02 2015-10-08 한화케미칼 주식회사 항체의 당 함량 조절을 통한 항체의 제조 방법

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