JPH08336239A - 車両用交流発電機の制御装置 - Google Patents

車両用交流発電機の制御装置

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JPH08336239A
JPH08336239A JP7139735A JP13973595A JPH08336239A JP H08336239 A JPH08336239 A JP H08336239A JP 7139735 A JP7139735 A JP 7139735A JP 13973595 A JP13973595 A JP 13973595A JP H08336239 A JPH08336239 A JP H08336239A
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transistor
exciting current
generator
vehicle
voltage
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JP7139735A
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Hirohide Sato
博英 佐藤
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NipponDenso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】低損失、大出力であり、しかも出力が増大する
高出力条件時(例えば発電機が低温状態でバッテリ容量
が低下している状態など)に励磁電流を制限可能な車両
用交流発電機の制御装置を提供する。 【構成】単結晶SiC半導体からなるMOSパワートラ
ンジスタにより励磁電流制御用トランジスタ20b又は
三相全波整流器19のハイサイドスイッチ19a、19
b、19c又はローサイドスイッチ19d、19e、1
9fを形成する。更に、コントローラ20aは、高出力
条件時(例えば発電機が低温状態でバッテリ容量が低下
している状態など)に励磁電流制御用トランジスタ20
bの導通率を抑止して励磁電流Ifを制限し、これによ
り電線断面積の増大やエンジン負荷トルクの一時的な急
増を回避する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、励磁電流をPWM制御
する励磁電流制御用トランジスタ及び発電電圧を全波整
流する整流手段とを備える車両用交流発電機の制御装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用交流発電機では、ステーコアに巻
装された三相電機子巻線から出力される三相交流電圧を
三相全波整流器で整流してバッテリに給電する。一方、
車両用交流発電機の出力電流を制御するには、三相全波
整流器の両出力端間に界磁コイルとスイッチングトラン
ジスタとを直列接続し、界磁コイルに通電する励磁電流
を励磁電流制御装置のスイッチングトランジスタで断続
するのが一般的である。この励磁電流制御装置は配線短
縮、電磁ノイズ放射低減などの理由により車両用交流発
電機のハウジングの内面又は外面に配設されるのが通常
である。このスイッチングトランジスタとしては、従
来、シリコンを素材とするバイポーラトランジスタ(以
下、Si−BPTという)又はMOSパワートランジス
タ(以下、Si−MOSTという)を用いている。
【0003】三相全波整流器として、三相電機子巻線の
各出力端とバッテリの高位端及び低位端とをそれぞれ個
別に接続するハイサイドスイッチ及びローサイドスイッ
チをMOSトランジスタで構成することが、特開平4ー
138030号公報に提案されている。この種のMOS
トランジスタとしては、耐圧確保及びオン抵抗低減のた
めにN型シリコン基板をMOSパワートランジスタの一
方の主電極とし、チップの表面部に形成されたP型ウエ
ル領域の表面部にもう一方の主電極をなすN+ 型の領域
を形成する縦型MOSパワートランジスタ構造を採用す
るのが通常である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
(第1の課題)近年の車両電気負荷の増大から車両用交
流発電機の出力電流向上が要請されている。ここで、車
両用交流発電機の出力電流とスイッチングトランジスタ
の特性との関係を以下に解析する。
【0005】スイッチングトランジスタとしてのMOS
パワートランジスタ(MOST)又はバイポーラパワー
トランジスタ(BPT)に許容される最大温度上昇には
限界(例えばその表面温度で数十度)があり、この許容
温度上昇ΔTによりスイッチングトランジスタの許容最
大発熱量Qmaxが制限される。なお、許容最大発熱量
Qmax=r×Imax2 =f(rt,S,ΔT),r
はスイッチングトランジスタのオン抵抗r、Imaxは
最大励磁電流、fは関数,rtは放熱抵抗、Sは放熱面
積である。
【0006】車両用交流発電機の制御装置用のスイッチ
ングトランジスタを構成する従来のトランジスタのオン
抵抗rには一定の最小値があった。すなわち、上記車両
用交流発電機では三相電機子巻線や界磁コイルの蓄積磁
気エネルギ量が大きいために、それが瞬時に放出される
事故(例えばバッテリ端子はずれやロードダンプ電圧の
発生)が生じると、極めて高いサージ電圧が三相全波整
流器の高位出力端を通じてスイッチングトランジスタに
印加される。そのため、このスイッチングトランジスタ
は、高耐圧仕様(例えば定格14Vの車両用交流発電機
でも250V以上)に設計する必要がある。
【0007】しかしながら、従来のシリコンを素材とす
るSi−BPT又はSi−MOSTにおいては一定のア
バランシェ降伏電界強度があるので、トランジスタが降
伏しない範囲で耐圧を稼ぐには耐圧層を厚するとともに
低不純物濃度とせざるを得ず、その結果、スイッチング
トランジスタの抵抗率を一定の値以下にすることができ
なかった。なお、オン抵抗rの低減にはチップサイズの
増加が有効であるが、チップサイズのある限度(例えば
10mm角)以上とすることは歩留り低下のために困難
である。したがって、従来のスイッチングトランジスタ
のオン抵抗rは耐圧層の大きな抵抗率と限られたチップ
面積とから一定値以上に制限されている。
【0008】つまり、車両用交流発電機では、磁気エネ
ルギの放出に伴う高いサージ電圧の発生があるので、ス
イッチングトランジスタが高いオン抵抗rを有し、この
ために、スイッチングトランジスタの発熱量を一定の許
容最大発熱量Qmax以下とするために、最大励磁電流
Imaxを比較的小さい値以下に制限せざるを得ないこ
とがわかる。
【0009】車両用交流発電機の最大磁束量Φmaxは
最大励磁電流Imaxにほぼ比例し、車両用交流発電機
の出力電力は最大磁束量Φmaxに依存するので、結
局、車両用交流発電機用スイッチングトランジスタに要
求される高耐圧性能が車両用交流発電機の出力向上を強
く制限しているということが理解される。もちろん、ス
イッチングトランジスタの許容最大発熱量Qmaxすな
わち最大励磁電流Imaxを増大するために、スイッチ
ングトランジスタを複数個、並列に用いることは可能で
あるが、素子コスト、所要スペースの点で問題がある。
【0010】また、スイッチングトランジスタの放熱特
性の向上により最大励磁電流Imaxを増大することも
考えられるが、スイッチングトランジスタは通常、車両
用交流発電機のハウジングの端面に配設されるので、大
きな放熱フィンなどの設置は車両用交流発電機の体格増
大、通風抵抗の増大を招き困難である。更に、上記スイ
ッチングトランジスタは、ほとんどの場合、車両用交流
発電機のハウジングの端面に配設されるので、ハウジン
グなどを介して発電機内部の発熱やエンジンなどの熱の
影響を受け、一方、冷却風はエンジンアイドル時などで
は低風量であるので、スイッチングトランジスタの周囲
温度はエンジンアイドル時で外気温が高く更に電気負荷
が大きい場合に相当な高温(例えば135℃)となる。
したがって、スイッチングトランジスタに許容される上
記許容温度上昇ΔTはこの点で厳しく制限され、これに
より許容最大発熱量Qmax及び最大励磁電流Imax
ひいては車両用交流発電機の出力電流が一層、制限され
ることになる。
【0011】本発明は、上記した励磁電流制御用のスイ
ッチングトランジスタの特性が車両用交流発電機の出力
向上を制限しているという知見に基づきなされたもので
あり、スイッチングトランジスタの動作マージンを縮小
してその信頼性の損なったり、車両用交流発電機の通風
抵抗を増大してそのコイルなどの冷却を損なうことな
く、出力向上が可能な車両用交流発電機の制御装置を提
供することを、その第1の目的としている。
【0012】また、本発明は、車両用交流発電機の出力
低下を招くことなく、スイッチングトランジスタ又はそ
の冷却構造の簡単化により、車両用交流発電機の通風抵
抗の低減、スイッチングトランジスタの配設スペースの
削減及び経済性の向上が実現可能な車両用交流発電機の
制御装置を提供することを、その第2の目的としてい
る。
【0013】更に、本発明は、励磁電流制御用トランジ
スタのデューティ比(導通率)を制御して励磁電流を制
限することにより発電機の最大出力を抑制し、エンジン
負荷トルクを低減することを、その第3の目的としてい
る。 (第2の課題)MOSパワートランジスタを用いた三相
全波整流器は、従来の三相全波整流器のPN接合ダイオ
ードの機能を果たす寄生ダイオードとMOSパワートラ
ンジスタを並列接続した構成を有するので、従来のシリ
コンダイオードを用いた三相全波整流器に比較して接合
ダイオードの順方向電圧降下が無い分だけ電力損失を低
減できる可能性がある。
【0014】しかしながら、本発明者らの解析により、
上記したMOSパワートランジスタ式三相全波整流器に
は以下の問題があることが判明した。車両用交流発電機
では、三相電機子巻線や界磁コイルの蓄積磁気エネルギ
量が大きいために、それが瞬時に放出される事故に対す
る対策として、三相全波整流器の各半導体電力素子の耐
圧をバッテリ電圧すなわち三相全波整流器の出力整流電
圧の20倍以上例えば300V程度に設定する必要があ
る。
【0015】また、近時の車載電気負荷(例えばデフロ
スト用ヒータなど)の増大から100A以上の出力電流
が要望され、このような高耐圧、大電流構造のMOSパ
ワートランジスタの電力損失はダイオードのそれと同程
度となってしまい、ダイオードの代わりにわざわざ構造
複雑なMOSパワートランジスタを用いる意味がなくな
ってしまう。
【0016】上記したMOSパワートランジスタ式三相
全波整流器の問題点を更に詳細に解析する。従来のMO
Sパワートランジスタ式三相全波整流器では、各電機子
巻線の出力端(相出力端ともいう)とバッテリの高位端
とを個別に接続するハイサイドスイッチと、各電機子巻
線の出力端(相出力端ともいう)とバッテリの低位端と
を個別に接続するローサイドスイッチとからなり、同一
の電機子巻線に接続される一対のハイサイドスイッチ及
びローサイドスイッチは1個のインバータ回路を構成す
る。ここで、ハイサイドスイッチ及びローサイドスイッ
チをMOSパワートランジスタで構成する場合、縦型チ
ャンネルNチャンネルMOSパワートランジスタを用い
るのが通常である。
【0017】この縦型チャンネルNチャンネルMOSパ
ワートランジスタは、n+ 基板はn - 耐圧層を介してP
ウエル領域に接続され、このPウエル領域内にn+ 表面
領域は形成され、このPウエル領域表面に形成されたn
型反転チャンネルによりn+表面領域とn- 耐圧層とが
導通される構成を有することが周知である。また、耐圧
をn- 耐圧層で確保しつつPウエル領域の電位固定する
ためにn+ 表面領域とPウエル領域とが短絡して使用す
ることも周知である。したがって、n- 耐圧層とPウエ
ル領域との間に高耐圧の寄生ダイオードが形成されるこ
とも周知である。
【0018】ここで重要なことは、三相全波整流器で
は、バッテリからこの寄生ダイオードを通じて放電が生
じないように、ハイサイドスイッチでは、n+ 基板がバ
ッテリの高位端側に、n+ 表面領域が電機子巻線側に配
置される必要があることである。同様に、ローサイドス
イッチでは、n+ 基板が電機子巻線側に配置され、n+
表面領域がバッテリの低位端側に配置される必要がある
ことである。
【0019】ただし、このような配置を採用すると、発
電電流でバッテリを充電する場合において、n+ 基板が
電気的なソース領域すなわちチャンネル領域に電子を注
入する領域となってしまい、n- 耐圧層がこの電気的な
ソース領域の直列抵抗(ソース寄生抵抗Rs)となって
しまうことである。すなわち、このN型耐圧層の大きな
ソース寄生抵抗Rsが真の電気的なソース端S’と外部
端子である名目的なソース電極との間に直列接続される
ことになる。
【0020】MOSトランジスタのドレイン飽和電流I
dsatは、しきい値電圧Vtを簡単化のために無視
し、Kを比例定数、ΔVgsをゲート・ソース間電圧
(Vg−Vs)、Vgをゲート電圧、Vs’=Vs+I
dsat・Rsを実質的なソース端S’の電位とすれ
ば、 Idsat=K(Vg−Vs’)2 =K(ΔVgs−Idsat・Rs)2 すなわち、ドレイン飽和電流(所定ゲート電圧印加時の
最大電流)Idsatは、Idsat・Rsの分だけゲ
ート電圧Vgが低くなったことに等しいことになる。な
お、基板効果によるしきい値電圧Vtの変化も無視す
る。
【0021】例えばゲート電圧が+20V、ソース(バ
ッテリ)電位が+12V、電流が100A、ソース寄生
抵抗Rsが0.05オームとすれば、実際のソース電位
Vs’は17Vとなり、チャンネル電流はRsが0の場
合に比べて9/64まで低下することになる。すなわ
ち、わずかのソース寄生抵抗Rsの増加により、チャン
ネル電流が極端に減少することがわかる。以下、この電
流減少作用言い換えればチャンネル抵抗増加作用をソー
ス抵抗帰還効果という。
【0022】上記式はドレイン電流飽和領域のものであ
るが、同様に非飽和領域においてもRsの増加により同
様にドレイン非飽和電流は減少する。このようなドレイ
ン電流の減少はチャンネル抵抗の増大を意味しており、
上記ソース寄生抵抗Rsの増加はそれ自身による電力損
失の他、チャンネル抵抗の増加による電力損失を招くの
で、全体として大幅な電力損失、発熱を招くことがわか
る。
【0023】もちろん、従来のMOSパワートランジス
タ構造においてソース寄生抵抗Rsの低減のためにn-
耐圧層を薄くすることは可能であるが、上記したように
車両用交流発電機では300Vといった高耐圧を必要と
するので、n- 耐圧層を薄くすることは困難である。す
なわち、通常のシリコンMOSパワートランジスタにお
いて、シリコンの降伏電界強度は約30V/μmであ
り、上記300Vの耐圧をn- 耐圧層だけで稼ぐとすれ
ば、n- 耐圧層中の電界強度が一定と仮定しても10μ
mの厚さが必要となる。n- 耐圧層中の電界強度を約3
0V/μmとし、n- 耐圧層が300Vを負担するに
は、実際にはその厚さを約20μm以上必要とし、その
不純物濃度を約1×1015原子/cm3 以下とせねばな
らない。耐圧確保のためにこのような厚さ及び不純物濃
度をもつn- 耐圧層を形成することは、上記したソース
寄生抵抗Rsの増加及びそれによる抵抗損失とともに上
記したドレイン電流の減少(チャンネル抵抗の大幅な増
大)を招き、その結果として、従来のMOSパワートラ
ンジスタ式三相全波整流器は車両用交流発電機用途(す
なわちリアクタンス負荷分野)において、PN接合ダイ
オード式三相全波整流器を凌駕することは理論的に無理
であり、構造及び制御が複雑という欠点だけが残るため
実用化のメリットがなかった。
【0024】本発明者らは、上記説明した理由により車
両用交流発電機の三相全波整流器に用いるMOSパワー
トランジスタは現状のシリコンMOSパワートランジス
タでは実施困難であること、MOSパワートランジスタ
式三相全波整流器の実現には耐圧層抵抗の格段の低減が
必須であること、そのためには耐圧層の厚さの格段の低
減及び不純物濃度の格段の増大が必須であること、更に
は、このような耐圧層の厚さの格段の低減及び不純物濃
度の増大は耐圧層の降伏電界強度の格段の向上を実現し
て始めて可能であるということの解析結果に基づいて、
耐圧層の降伏電界強度の向上が実現できれば、車両用交
流発電機の三相全波整流器の損失及び発熱を著しく低減
できるという発見に基づいている。
【0025】したがって、本発明は、従来の三相全波整
流器に比べて格段に損失を低減できかつ冷却も簡単な車
両用交流発電機用のMOSパワートランジスタ式三相全
波整流器を提供することを、その第4の目的としてい
る。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の構成は、
車両用交流発電機の出力を整流してバッテリを充電する
整流手段と、前記発電機の励磁電流を断続制御する励磁
電流制御用トランジスタと、前記バッテリの電圧と所定
の基準値との差を減少する方向に前記励磁電流制御用ト
ランジスタの導通率を制御する電圧制御手段と、出力が
増大する高出力発生条件かどうかを入力された状態量に
基づいて判定する判定手段と、前記高出力発生条件であ
ると判定した場合に前記励磁電流を所定のしきい値以下
に制限する励磁電流制限手段とを備え、前記励磁電流制
御用トランジスタは、表面に反転チャンネルが形成され
る一導電型の半導体領域及び前記反転チャンネルにより
導通される反対導電型のソース領域及びドレイン領域を
含む基板が単結晶SiCを素材とするMOSトランジス
タからなることを特徴とする車両用交流発電機の制御装
置である。
【0027】本発明の第2の構成は、車両用交流発電機
の各出力端とバッテリの高位端及び低位端とを個別に接
続する整流用トランジスタ並びに前記整流用トランジス
タの駆動制御部を包含するとともに前記発電機の出力を
整流してバッテリを充電する整流手段と、前記発電機の
励磁電流を断続制御する励磁電流制御用トランジスタ
と、前記バッテリの電圧と所定の基準値との差を減少す
る方向に前記励磁電流制御用トランジスタの導通率を制
御する電圧制御手段と、出力が増大する高出力発生条件
かどうかを入力された状態量に基づいて判定する判定手
段と、前記高出力発生条件であると判定した場合に前記
励磁電流を所定のしきい値以下に制限する励磁電流制限
手段とを備え、前記整流用トランジスタは、表面に反転
チャンネルが形成される一導電型の半導体領域及び前記
反転チャンネルにより導通される反対導電型のソース領
域及びドレイン領域を含む基板が単結晶SiCを素材と
するMOSトランジスタからなることを特徴とする車両
用交流発電機の制御装置である。
【0028】本発明の第3の構成は、上記第1又は第2
の構成において更に、前記MOSトランジスタのソース
・ドレイン間耐圧及びソース・ゲート間耐圧は100V
以上に設定されていることを特徴としている。本発明の
第4の構成は、上記第1又は第2の構成において更に、
前記励磁電流制御用トランジスタ及び前記整流用トラン
ジスタは同一ケースに収容されて前記発電機のハウジン
グに固定されることを特徴としている。
【0029】本発明の第5の構成は、上記第1又は第2
の構成において更に、前記しきい値が、前記発電機の温
度が所定の最高許容温度において定格最大出力を発生す
るに必要な励磁電流値以上に設定されていることを特徴
としている。本発明の第6の構成は、上記第1又は第2
の構成において更に、前記判定手段が、入力される車両
状態に基づいて前記高出力状態かどうかを判定するもの
であり、前記励磁電流制限手段は、前記判定結果に基づ
いて前記しきい値を変更するものであることを特徴とし
ている。
【0030】本発明の第7の構成は、上記第6の構成に
おいて更に、前記判定手段が、入力された発電機の回転
数に関連する状態量に基づいて発電機回転数が高回転域
かどうかを判定するものであり、前記励磁電流制限手段
は前記高回転域と判定された場合に前記励磁電流を前記
しきい値以下に制限するものであることを特徴としてい
る。
【0031】本発明の第8の構成は、上記第6の構成に
おいて更に、前記判定手段が、入力入力された発電機の
回転数に関連する状態量に基づいて発電機の負荷トルク
が最大となる発電機回転数値を含む所定の高負荷トルク
回転域かどうかを判定するものであり、前記励磁電流制
限手段は、前記高負荷トルク回転域と判定された場合に
前記励磁電流を前記しきい値以下に制限するものである
ことを特徴としている。
【0032】本発明の第9の構成は、上記第1又は第2
の構成において更に、前記励磁電流制限手段が、入力さ
れる所定の車両用電気負荷の駆動状態に基づいて前記し
きい値を変更するものであることを特徴としている。本
発明の第10の構成は、上記第9の構成において更に、
前記励磁電流制限手段が、所定の大電力電気負荷を駆動
する期間だけ前記しきい値を増大させるものであること
を特徴としている。
【0033】
【作用及び発明の効果】本発明の第1の構成は、降伏電
界強度が優れた単結晶SiC半導体を励磁電流制御用の
スイッチングトランジスタとして採用することにより、
車両用交流発電機の格段の出力向上を実現でき、又は、
スイッチングトランジスタの小型化やその冷却構造の小
型化を実現できるという理論解析の結果に基づいてい
る。
【0034】すなわち、SiCの降伏電界強度は約30
0V/μmであり、Siの降伏電界強度は約30V/μ
mであり、SiCの降伏電界強度はSiのそれの約10
倍であることが知られている。したがって、車両用交流
発電機のスイッチングトランジスタとしての上記必要耐
圧(例えば250V以上)を実現するために、SiCを
素材とするMOSパワートランジスタ(以下、SiC−
MOSTともいう)の耐圧層はSi−BPTやSi−M
OSTに比較して単純に比較しても1/10とすること
ができる。
【0035】以下、スイッチングトランジスタとしてM
OSパワートランジスタを例として更に詳細に説明を行
う。Siの場合、その降伏電界強度は約30V/μmで
あり、簡単にこの耐圧300VをN型耐圧層105で負
担すると考えると、耐圧層の必要厚さは約20μm、そ
の不純物濃度は1×1015原子/cm3 、抵抗率は約5
Ω・cmとなる。
【0036】一方、SiCの降伏電界強度を400V/
cmとすると、N型耐圧層105の必要厚さは約4μ
m、その不純物濃度は2×1016原子/cm3 、抵抗率
は約1.25Ω・cmとなる。したがって、SiCのM
OSパワートランジスタのN型耐圧層105の抵抗はS
iのMOSパワートランジスタのN型耐圧層105の抵
抗に比べて1/20にまで低減できることになる。
【0037】更に、N型耐圧層105の抵抗に以外の抵
抗成分を加味して計算しても、同一設計ルール、同一チ
ップ面積にて、Si−BPT、Si−MOST、SiC
−MOSTのオン抵抗rをそれぞれ算出すると、SiC
−MOSTのオン抵抗rはSi−MOSTのそれの約1
/25、Si−BPTのそれの約1/19となることが
わかった。
【0038】上記説明したように、周囲環境などから許
容される許容温度上昇ΔTにより許容最大発熱量Qma
xが規定され、rをスイッチングトランジスタのオン抵
抗r、Imaxを最大励磁電流とすれば、許容最大発熱
量Qmaxはr×Imax2であるので、rを上述のよ
うに削減できるということは、許容最大発熱量Qmax
を一定とした場合に、1個のチップにて、最大励磁電流
Imaxを約4〜4.5倍(すなわち、1/(r0.5))
だけ増加でき、このことは1個のスイッチングトランジ
スタで制御できる最大磁束量Φmaxひいては車両用交
流発電機の出力を格段に増大できることを意味する。も
ちろん、このような最大磁束量Φmaxの増加はそれに
見合う界磁コイル及び界磁鉄心の大型化を要するが、こ
のような大量の界磁束を1個の1スイッチングトランジ
スタで制御できるということは重要な利点である。
【0039】もちろん、Si−MOSTを25個並列接
続すれば、そのオン抵抗は1/25となり、同様の作動
を実現できるが、このような多数のSi−MOST又は
Si−BPTを電機ハウジングの端面に設置することは
困難であり、たとえできたとしても冷却風はハウジング
端面から内部に吸入されるので発電機内部の通風冷却が
困難となり、実現は不可能である。
【0040】したがって、この第1の構成のように、ス
イッチングトランジスタにSiC−MOSTを採用する
ことにより、車両用交流発電機の格段の大出力化が実現
できる。一方、もし最大励磁電流Imaxを同じとし、
車両用交流発電機の出力を従来と同じレベルとする場合
には、上記したようにスイッチングトランジスタのオン
抵抗rを従来の5%程度に低減できることから、発熱も
従来の5%程度となり、大幅に素子の温度上昇が減少
し、冷却フィンなどの冷却構造が簡単となる。
【0041】更に、所要スペースも大幅に削減されるの
で、ハウジングの端面の冷却風吸入口を大きく開口する
ことで冷却性能を向上することができる。また、もしス
イッチングトランジスタの発熱量を従来と同じとすれ
ば、チップ面積を約1/20に低減できることになり、
大幅なチップ歩留り向上や他の回路の集積が実現する。
【0042】本発明の第2の構成では、本発明の車両用
交流発電機の三相全波整流器はSiCを素材とするMO
Sパワートランジスタを接続してなる。上記したよう
に、車両用交流発電機では、三相電機子巻線や界磁コイ
ルの蓄積磁気エネルギ量が大きいために、それが瞬時に
放出される事故に対する対策として、三相全波整流器の
各半導体電力素子の耐圧をバッテリ電圧すなわち三相全
波整流器の出力整流電圧の20倍以上例えば300V程
度に設定する必要がある。
【0043】また、近時の車載電気負荷の増大から10
0A以上の大出力電流が要望されている。ここでSiC
の降伏電界強度は約400V/μmであり、Siの約1
3倍となっている。このようにSiCの降伏電界強度が
SiCのそれに比べて格段に高いということは、それを
車両用交流発電機の三相全波整流器の構成素子とした場
合にMOSパワートランジスタの電力損失を格段に低減
できるという効果を奏する。以下、上記降伏電界強度の
差に基づく電力損失低減効果を更に詳しく説明する。
【0044】いま例として上記した図3(a)の車両用
交流発電機の三相全波整流器にSiCのMOSパワート
ランジスタを用いて耐圧300Vを確保する場合を一例
として考える。簡単のためにN型耐圧層107(例えば
図4又は図5参照)が300Vを全て負担すると考え
る。簡単にこの耐圧300VをN型耐圧層107で負担
すると考えると、SiCの降伏電界強度を400V/c
mとすると、N型耐圧層105の必要厚さは約4μm、
その不純物濃度は2×1016原子/cm3 、抵抗率は約
1.25Ω・cmとなる。一方、上記説明したSiのM
OSパワートランジスタの300V耐圧層の必要厚さは
約20μm、その不純物濃度は1×1015原子/c
3 、抵抗率は約5Ω・cmとなる。したがって、Si
CのMOSパワートランジスタのN型耐圧層107の抵
抗はSiのMOSパワートランジスタのN型耐圧層10
7の抵抗に比べて1/20にまで低減できることにな
る。ただし、N型耐圧層107の不純物濃度はP型ウエ
ル領域103の不純物濃度との関係で上記値よりもっと
低濃度とすることもできるのは当然である。
【0045】その結果、この第2の構成のSiCーMO
Sパワートランジスタを用いた車両用交流発電機の三相
全波整流器は、耐圧層すなわちソース寄生抵抗Rsの抵
抗電力損失自体を大幅に低減できる他、上記ソース抵抗
帰還効果の低減によるチャンネル抵抗の大幅な低減も実
現でき、それらの相乗効果によりSiーMOSパワート
ランジスタを用いた車両用交流発電機の三相全波整流器
及びそれと同程度の電力損失を有するダイオード式三相
全波整流器に比較して格段に低損失となり、その冷却も
極めて簡単となるという優れた効果を奏する。
【0046】更に、上記した本発明の第1又は第2の構
成では、出力が増大する高出力条件時に励磁電流を制限
するので、このような高出力条件下において出力が過大
となり、例えば不必要にエンジン負荷トルクが増大した
りすることがない。以下、詳しく説明すれば、整流用ト
ランジスタ又は励磁電流制御用トランジスタに上記した
SiCーMOSパワートランジスタを採用すると、整流
損失の低減による出力増大や励磁電流損失の低減が実現
し、励磁電流損失の低減は励磁電流の増大による高出力
が発生可能となる。
【0047】しかし、このよう整流用トランジスタや励
磁電流制御用トランジスタにSiCーMOSパワートラ
ンジスタを用いることによる出力向上は、次のような高
出力発生条件下で発生電流が過大となり過ぎるという問
題を生じる。例えば発電機が低温であるエンジン始動直
後には発電可能出力が増大し、その上、バッテリを含む
負荷系は大電流吸収可能状態となっているので、通電電
流が過大となってしまうが、更に上述のように、SiC
ーMOSトランジスタを用いることによる出力向上が加
わると、一層この問題が重大となる。
【0048】そこで、本発明の第1、第2の構成では、
出力が増大する高出力条件時(例えば発電機が低温状態
でバッテリ容量が低下している状態など)に励磁電流を
制限するので、この過大な電流を出力すると出力が過大
となり、例えば不必要にエンジン負荷トルクが増大した
り、流れる最大電流の増加に合わせて電線断面積を増加
することがない。
【0049】本発明の第3の構成では、上記第1又は第
2の構成において更に、MOSトランジスタのソース・
ドレイン間耐圧及びソース・ゲート間耐圧は100V以
上とする。すなわち、このような高耐圧のトランジスタ
では上述したように、厚い高抵抗率の耐圧層を必要とす
るためにどうしてもそのオン抵抗が高くなってしまい、
その抵抗電力損失及び電圧損失を回避できないが、Si
CーMOSトランジスタでは、絶縁破壊電圧強度がSi
ーMOSトランジスタより格段に高いので、その分、こ
の耐圧層の不純物濃度を向上することができ、その抵抗
率を格段に低下でき、その抵抗電力損失及び電圧損失を
格段に低減することができる。
【0050】本発明の第4の構成では、上記第1又は第
2の構成において更に、SiCーMOSトランジスタで
ある励磁電流制御用トランジスタ及び前記整流用トラン
ジスタが同一ケースに収容されて発電機のハウジングに
固定されるので、小型化でき、必要スペースを削減する
ことができる。すなわち、車両用交流発電機の整流用ト
ランジスタ及び励磁電流制御用トランジスタとして必要
な高耐圧をもつSiCーMOSトランジスタは上述のよ
うに低損失化することができるので、同一ケースに収容
しても冷却が容易であり、同一ケースに収容して小型省
スペースを追求することができる。
【0051】本発明の第5の構成では、上記第1又は第
2の構成において更に、しきい値が発電機の温度が所定
の最高許容温度において定格最大出力を発生するに必要
な励磁電流値以上に設定されるので、例えば発電機が低
温時の大電流通電状態を防止しつつ、発電機が高温時に
おける必要電流を給電することができる。本発明の第6
の構成では、上記第1又は第2の構成において更に、車
両状態に基づいて励磁電流制限のためのしきい値を変更
するので、車両状態に応じて最適な最大電流を確保する
ことができる。
【0052】本発明の第7の構成では、上記第6の構成
において更に、発電機回転数が高回転域の場合に励磁電
流を制限する。すなわち、発電機回転数が高回転域の場
合には発電機の発電電圧が増大し、出力が向上するの
で、本発明の励磁電流制限による過大出力電流の抑制効
果が一層向上する。本発明の第8の構成では、上記第6
の構成において更に、発電機回転数が高負荷トルク回転
域の場合に励磁電流を制限する。すなわち、発電機回転
数が高負荷トルク回転域では、発電機の出力増大により
エンジン負荷トルクが急増するので、エンジンストール
が生じ易くなるので、これを防止することができる。
【0053】本発明の第9の構成では、上記第1又は第
2の構成において更に、車両用電気負荷の駆動状態に基
づいてしきい値を変更するので、発電機の負荷状態が許
す範囲で発電機の最大出力電流を充分に制限することが
でき、第1又は第2の構成の作用効果を一層向上するこ
とができる。本発明の第10の構成では、上記第9の構
成において更に、所定の大電力電気負荷(例えば触媒ヒ
ータ)を駆動する期間だけしきい値を増大させる。この
ような大電力電気負荷の一時的な駆動時以外では、より
厳しく出力制限できる利点がある。
【0054】
【実施例】
(実施例1)車両エンジンにより駆動される本実施例の
車両用交流発電機いわゆるオルタネータの全体構造を図
2に基づき説明する。発電機外殻は一対のドライブフレ
ーム1とリアフレーム2で構成されており、複数のスタ
ッドボルト15等により直接結合されている。
【0055】前記フレーム1及び2の内周にはステータ
コア3が固定され、ステータコア3には三相電機子巻線
5が巻装されている。フレーム1及び2に固定されたベ
アリング13及び14はシャフト9を回転自在に支持し
ており、シャフト9にはステータコア3の内周に位置し
てロータコア6が固定されている。ロータコア6には界
磁コイル10が巻装されており、ポールコア7、8の両
端面には冷却ファン11、12が配設されている。ま
た、リアフレーム2の外部には、励磁電流制御装置19
内蔵の電圧調整器18が取り付けられている。
【0056】次に、本実施例の車両用交流発電機の回路
構成について図1を用いて説明する。電圧調整器18
は、三相全波整流器19と電圧調整部20とで構成され
ている。三相全波整流器19は、単結晶SiC(6Hー
SiC)を素材とするNチャンネルエンハンスメント形
式のMOSパワートランジスタ19a〜19fからな
り、ハイサイドのトランジスタ19a〜19cは三相電
機子巻線5の各相出力端とバッテリ21の高位端とを接
続しており、ローサイドのトランジスタ19d〜19f
は三相電機子巻線5の各相出力端とバッテリ21の低位
端とを接続している。
【0057】電圧調整部20は、コントローラ20a
と、スイッチングトランジスタ(励磁電流制御用トラン
ジスタ)20bと、フライホイルダイオード20cと、
抵抗30とからなり、コントローラ20aはバッテリ電
圧VB に基づいてスイッチングトランジスタ20bをP
WM制御する。そしてバッテリ21からブラシ16、ス
リップリング17を介して界磁巻線10に通電された励
磁電流はこのスイッチングトランジスタ20bを通じて
制御される。スイッチングトランジスタ20bは単結晶
SiC(6HーSiC)を素材として形成されている。
【0058】電圧調整部20の電圧制御動作を簡単に説
明すると、エンジン(図示せず)によりロータコア6が
回転し、電圧調整器18のコントローラ20aがバッテ
リ電圧VB を読み取り、それが一定となるように励磁電
流制御用トランジスタ20bをON、OFF制御する
と、三相電機子巻線5に三相交流電圧が誘起され、それ
により三相全波整流器19により全波整流された直流電
流がバッテリ21を充電し、また、車両電気負荷等で消
費される。また、冷却ファン11、12が回転し、界磁
コイル10、三相電機子巻線5及び電圧調整器18など
を冷却する。
【0059】次に、コントローラ20aによる三相全波
整流器19の各MOSパワートランジスタ19a〜19
fの開閉制御の一例について説明する。また、図13に
その他例を示す。なお、図13の制御方式は後で説明す
る。コントローラ20aは、各相の三相電機子巻線5の
出力端の電位である各相発電電圧Vu,Vv,Vwを読
み込み、その相間発電電圧Vu−Vv,Vu−Vw,V
v−Vu,Vv−Vw,Vw−Vu,Vw−Vvの中か
ら、最も大きい正値でかつバッテリ21の端子電圧より
大きい相間発電電圧を選択し、この選択した相間発電電
圧がバッテリ21に印加されるように、ハイサイドのM
OSパワートランジスタ19a〜19cの中の一つのM
OSパワートランジスタと、ローサイドのMOSパワー
トランジスタ19d〜19fの中の一つのMOSパワー
トランジスタとをオンさせる。これにより、選択された
三相電機子巻線からバッテリ21へ充電電流が給電され
る。
【0060】なお、コントローラ20aは通常のレギュ
レータと同様に、バッテリ電圧VBを検出し、バッテリ
電圧VB と予め設定してある基準電圧とを比較し、その
大小に基づいて励磁電流を断続制御してバッテリ21の
端子電圧を目標レベルに維持することは従前通りであ
る。上記した単結晶6H−SiCを用いたNチャンネル
MOSパワートランジスタ式三相全波整流器及びスイッ
チングトランジスタ20bの詳細を図1及び図3を参照
して以下、更に説明する。ただし、図3はNチャンネル
MOSパワートランジスタ19a〜19cの断面構造を
示し、図4はMOSパワートランジスタ19d〜19f
の断面構造を示す。スイッチングトランジスタ20bの
断面構造は図示しないが、図3の一つのトランジスタと
同一構造であるが、別チップとしてに構成されるが基板
をドレインとしている。
【0061】三相全波整流器19の各MOSパワートラ
ンジスタ19a〜19fはコントローラ20aにより順
次開閉されて三相全波整流を行う。120はMOSパワ
ートランジスタ19d〜19fのゲート電極直下のP型
ウエル領域103に電位付与するための高抵抗体であ
り、150オーム以上の抵抗値を有する。ハイサイドの
MOSパワートランジスタ19a〜19cのドレイン接
続側の寄生ダイオードDdは短絡され、ローサイドのM
OSパワートランジスタ19d〜19fの高抵抗体12
0はソース接続側の寄生ダイオードDsと並列接続され
ている。
【0062】このようにすれば、ハイサイドのMOSパ
ワートランジスタ19a〜19cの共通ソースSはP型
ウエル領域103との間に耐圧層105を持つことがで
きるので、これらハイサイドのMOSパワートランジス
タ19a〜19cは図3に示すように同一チップに集積
することができる。同様に、ローサイドのMOSパワー
トランジスタ19d〜19fの共通ドレインDはP型ウ
エル領域103との間に耐圧層105を持つことができ
るので、これらハイサイドのMOSパワートランジスタ
19d〜19fは図4に示すように同一チップに集積す
ることができる。これらMOSパワートランジスタ19
a〜19f及びスイッチングトランジスタ20bの電力
損失すなわち発熱はSiCーMOSトランジスタの採用
により上述の説明からわかるように大幅に低減できる。
【0063】ちなみに、図3において、103はP型ウ
エル領域、104はN+ 型ドレイン領域、105はN型
耐圧層、106はN+ 型基板(共通ソース領域)であ
る。また、図4において、103はP型ウエル領域、1
04はN+ 型ソース領域、105はN型耐圧層、106
はN+ 型基板(共通ドレイン領域)である。次に、この
実施例のMOSパワートランジスタ19a〜19f及び
スイッチングトランジスタ20bの製造方法を説明す
る。
【0064】6H−SiCのN+ 型基板106上にN型
耐圧層105がエピタキシャル成長により形成され、N
型耐圧層105の表面部にP型ウエル領域103がエピ
タキシャル成長により形成され、更にP型ウエル領域1
03の表面部にN+ 型領域104が窒素をイオン注入す
ることにより形成される。そして、基板106に達する
深いトレンチT1により各MOSトランジスタが分離さ
れ、N型耐圧層105に達する浅いトレンチT2により
ゲート電極形成溝が形成される。その後、トレンチT2
の表面に熱酸化法によりシリコン酸化膜からなるゲート
絶縁膜を形成し、その後、トレンチT2にドープドポリ
シリコンからなるゲート電極110を形成する。なお、
高抵抗120は低濃度ポリシリコン層を絶縁膜(図示せ
ず)上に堆積して形成し、P型ウエル領域103とN+
型領域104とにコンタクトさせればよい。
【0065】なお図1に示す抵抗30は、励磁電流検出
用の低抵抗素子であり、励磁電流制御用トランジスタ2
0bのドレインと界磁コイル10との間に介設される。
コントローラ20aは抵抗30の両端の電位差ΔVによ
り励磁電流Ifを検出することができる。次に、同一チ
ップサイズ及び設計ルールで製造したSiのバイポーラ
パワートランジスタとSiのMOSパワートランジスタ
とSiCのMOSパワートランジスタとの各種性能の理
論計算例を表1に記載する。
【0066】ただし、計算は、界磁(励磁)コイル10
とMOSパワートランジスタ20bとの直列回路によっ
て行い、もちろん各素子の有効チップ面積は等しいと
(ここでは16mm2 と)仮定し、両MOSパワートラ
ンジスタの設計ルールも同じ条件としている。励磁コイ
ル10はここでは2.9オームの抵抗値と仮定した。ス
イッチングトランジスタ20bのON抵抗は、Siのバ
イポーラパワートランジスタで270オーム、SiのM
OSパワートランジスタで350オーム、SiCのMO
Sパワートランジスタで14オームとした。
【0067】Siのバイポーラパワートランジスタの2
70オームは実測値であり、SiのMOSパワートラン
ジスタの350オーム及びSiCのMOSパワートラン
ジスタの14オームは、図5の耐圧300VにおけるO
N抵抗率の値(Siで900mΩ・mm2 、SiCでS
iで35mΩ・mm2 )から計算した。各素子の理論計
算結果を表1に記載する。
【0068】
【表1】
【0069】この計算結果から、SiCのスイッチング
トランジスタ20bの計算損失は僅か340mWであ
り、Siのスイッチングトランジスタ20bの計算損失
数Wに比べ格段に低減できることが判明した。なお、図
5は耐圧とON抵抗率との関係を計算したものであり、
耐圧はほぼN型耐圧層で負担すると仮定して計算したも
のである。このオン抵抗率はチャンネル抵抗とN型耐圧
層105の抵抗との和であるが、特にチャンネル抵抗は
各種ファクタにより変動するものの、図5からわかるよ
うにSi−MOSTの高耐圧使用ではN型耐圧層105
の抵抗が支配的となる。 (Si−MOSパワートランジスタとSiC−MOSパ
ワートランジスタの耐圧と抵抗値との関係の更なる解
析)なお、上記した各実施例のMOSパワートランジス
タ19a〜19fは6H−SiCを素材として耐圧25
0Vに設計しているが、この6H−SiCのMOSパワ
ートランジスタ19a〜19fを用いた車両用交流発電
機用の三相全波整流器19と、SiのMOSパワートラ
ンジスタを用いた車両用交流発電機の三相全波整流器1
9との抵抗値の解析結果(図5参照)を以下に理論的に
説明する。
【0070】ただし、ここではソース寄生抵抗Rsの帰
還効果によるチャンネル抵抗増加効果は無視するものと
する。また、回路構造は縦型構造とし、チップ面積は等
しくする。トランジスタの抵抗Rは、チャンネル抵抗r
cとN+ 型耐圧層105の抵抗rbとの和であり、 rc=L/W・(1/μs・εs・εo)-1・(Tox
/(Vg−Vt)) rb=4Vb2 ・(1/μ・εs・εo・Ec・A) とすると、SiのMOSパワートランジスタに比較して
SiCのMOSパワートランジスタは約1/15の抵抗
値となった。
【0071】ただし、降伏電界強度EcはSiが3×1
5 ,SiCは3×106 V/cm、比誘電率εsはS
iが11.8,SiCが10.0、面積Aは両者とも1
mm 2 、Vbは降伏電圧(耐圧)である。更に、μは電
子のバルク移動度であって、Siが1100、SiCは
370cm2 /(V・S)、チャンネル長Lは両者とも
1μm、チャンネル幅Wは両者とも22.2cm、μs
は電子のチャンネル移動度であって、Siが500、S
iCは100cm2 /(V・S)とした。
【0072】上記式から、耐圧50V以上ではSiCの
方が抵抗値が小さくなることがわかった。なお、上記計
算では基板をドレインとしているので、基板をソースと
する場合には上記説明したソース寄生抵抗Rsの帰還効
果によるチャンネル抵抗増加によりSiの抵抗は格段に
増大する筈である。したがって、設計ルールが多少変化
しても耐圧100V以上では確実にSiCのMOSパワ
ートランジスタが低抵抗となると推定することができ
る。
【0073】次に、同一設計ルール、同一チップ面積で
製造されたSi−MOST、Si−BPT、SiC−M
OSTからなるスイッチングトランジスタ20bを用い
た車両用交流発電機の回転数と出力電流との関係の実測
結果を図6に示す。図6から、出力電流の増大が実現で
きることが実証できた。なお、上記実施例では、三相全
波整流器19のローサイド側のMOSパワートランジス
タ19d〜19fとスイッチングトランジスタ20bと
を集積したが、スイッチングトランジスタ20bの発熱
低減によりスイッチングトランジスタ20bとコントロ
ーラ20aとを一体に集積したり、あるいはMOSパワ
ートランジスタ19d〜19fとスイッチングトランジ
スタ20bとコントローラ20aとを一体に集積するこ
ともできる。
【0074】なおこの場合、三相全波整流器19がMO
Sパワートランジスタ又はMOS−SIT構成が好まし
いので、コントローラ20aも同じ素子構造とするのが
有利である。このようにすれば、ローサイドのMOSパ
ワートランジスタ19d〜19fとコントローラ20a
との間の接続配線を省略でき、この接続配線からの電磁
放射ノイズも低減できる。
【0075】この実施例の車両用交流発電機全体の回路
図を図7を参照して説明する。励磁電流制御用のスイッ
チングトランジスタ20bはコントローラ20a、ダイ
オード20c、励磁電流検出用抵抗30とともにレギュ
レータ20を構成するとともに、同一基板に搭載されて
ハイッブリッドICを構成している。図7の回路を以下
に説明する。なお、本実施例では、励磁電流Ifを励磁
電流制御用トランジスタ20bのドレイン側に直列接続
された低抵抗30の電位差により検出したが、オン状態
の励磁電流制御用トランジスタ20bのソース/ドレイ
ン間電位差(=導通電流×オン抵抗(ゲート電圧一定な
ら略一定)により、すなわちこの実施例ではそのドレイ
ン電位により励磁電流Ifを検出することもできる。
【0076】1は車両用交流発電機であって、101
(すなわちB)は出力端子、102(すなわちIG)は
IG端子、103(すなわちS)はB電圧入力端子、1
04(すなわちL)はチャージランプ駆動端子、105
(すなわちE)はグランド端子である。発電機1は電機
子巻線5、界磁巻線10、電圧調整装置(以下レギュレ
ータ)20、整流器(図1参照)19から構成され、レ
ギュレータ20はチャージランプ駆動端子401(すな
わちL)と、バッテリー電圧電圧検出端子402(すな
わちS)と、IG端子403(すなわちIG)と、+B
端子404(すなわちB)と、界磁巻線端子405(す
なわちF)と、電機子巻線の相電圧入力端子406(す
なわちP)と、グランド端子407(すなわちE)とか
らなる各端子と、フライホイールダイオード20cと、
励磁電流制御用でSiC材料を用いたMOSFETから
なるスイッチングトランジスタ20bと、コントローラ
20aと、チャージランプ駆動用トランジスタ(SiC
MOSFET)44の電熱チョーク駆動用トランジス
タ(SiC MOSFET)43とから構成されてい
る。6はチャージランプ、7は電熱チョーク、8はバッ
テリ、9は電気負荷、10はIGスイッチである。
【0077】図7のコントローラ20aのうち、三相全
波整流器19の整流用トランジスタ19a〜19fの開
閉制御以外の界磁電流制御機能を図8の機能ブロック図
を参照して説明する。42aはIG入力端子、42bは
バッテリ電圧センシング端子、42cは電熱チョーク駆
動用トランジスタ駆動端子、42dはチャージランプ駆
動用トランジスタ駆動端子、42eはグランド端子、4
2fは電機子巻線の相電圧入力端子、42gは励磁電流
制御用トランジスタを駆動する駆動端子である。
【0078】421はコントローラ20a駆動用電源、
422は発電検出用のコンパレータであり、−端子より
電機子巻線の相電圧、+端子より発電開始の有無を検出
できる基準電圧Vreflが入力され、相電圧が基準電
圧Vreflより低い場合、発電が開始されていないと
判断し、コンパレータ422はHi信号を出力し、トラ
ンジスタ44をOFF43をONし、チャージランプ6
を点灯する。逆に相電圧が上がり発電開始が確認される
と、コンパレータ422はLoを出力し、トランジスタ
43をOFF、44をONし、負荷7に電力を供給す
る。
【0079】コンパレータ424は、バッテリ電圧に基
づいて励磁電流制御用トランジスタを制御するもので、
−端子よりバッテリ電圧に相当する電圧を入力、+端子
よりバッテリの制御目標電圧に相当する電圧Vref2
を入力し、バッテリ電圧が目標電圧Vref2より低い
場合、コンパレータ424の出力はHiとなり、バッテ
リ電圧が目標電圧Vref2より高い場合、コンパレー
タ424の出力はLoとなる。
【0080】426は差動増幅器であって、低抵抗30
の微小な電位差をリニア電圧増幅してコンパレータ42
8の−入力端に入力し、コンパレータ428は励磁電流
のおおきさいにより励磁電流制御用トランジスタ20b
の動作を制御するものであって、電圧増幅した電流信号
電圧ΔV’を所定のしきい値Vref3と比較する。励
磁電流すなわち電流信号電圧ΔV’がしきい値Vref
3より小さい場合にはコンパレータ428の出力がHi
となって、アンド回路430はコンパレータ424の出
力電圧を励磁電流制御用トランジスタ20bのゲート電
極に印加する。そして、励磁電流すなわち電流信号電圧
ΔV’がしきい値Vref3より大きい場合にはコンパ
レータ428の出力がLoとなって、アンド回路430
はコンパレータ424の出力電圧が励磁電流制御用トラ
ンジスタ20bのゲート電極に印加されるのを禁止す
る。図9は図8の回路424、426、428、430
をマイコンのソフトウエアで構成したものである。
【0081】すなわち、図8、図9の回路又はプログラ
ムによれば、励磁電流Ifが所定の最大値(Vref3
に相当する値)に達すれば、励磁電流を遮断する構成を
採用しているので、過大電流出力に伴う上述の弊害を回
避することができる。続いてその他の効果について述べ
る。整流用トランジスタ19a〜19f又は励磁電流制
御用トランジスタ20bをSiCーMOSトランジスタ
として低ON抵抗化することのメリットとしては、まず
第一にそれらの電圧ドロップが小さくでき、その結果損
失が小さく押さえられるため効率が向上すると共に、発
熱が抑制できるため放熱フィンの小型化が可能となる。
第二に、電圧ドロップが小さくできるため、界磁巻線1
0への印加電圧を高くすることができ、その結果励磁電
流が大きくなり、出力アップが可能となる。以上につい
て検証した結果は上記実施例1で示した表1のとおりで
ある。
【0082】すなわち、表1について更に述べると、図
1又は図7に示すように界磁巻線10とスイッチング素
子20bとは直列に接続されている。両端にかかる電圧
(+B)を14Vとし、界磁巻線10の抵抗を2.9
Ω、素子20bのON抵抗は、現状使用されている耐圧
300Vの素子を基準とし、バイポーラトランジスタに
おいては270mΩ(順方向電圧ドロップ1.2V、実
測値)、Si−MOSFETにおいては350mΩ(順
方向電圧ドロップ1.5V、実測値)、SiC−MOS
FETにおいては、図5におけるSiとSiCの耐圧に
対するON抵抗の関係より、耐圧300VにおいてSi
C−MOSFETはSi−MOSFETと比べ約1/2
5のON抵抗が実現可能であるので、SiC−MOSF
ETのON抵抗を14mΩとして計算した。その結果、
各素子のON抵抗、電圧ドロップ(Vs)、界磁巻線印
加電圧(VF )、界磁電流(IF )、素子損失(W)は
表1のようになり、界磁電流についてはバイポーラトラ
ンジスタと比較して9%、Si MOSFETと比較し
て12%向上し、損失についてもそれぞれ1/16、1
/19に低減する事がわかる。励磁電流が増加する事に
より期待される出力増加については、図6に示すように
なり、バイポーラトランジスタと比較して約6%、Si
−MOSFETに比較して約9%のアップが可能とな
る。
【0083】なお、整流用トランジスタ19a〜19f
及び励磁電流制御用トランジスタ20bのソース・ドレ
イン間耐圧及びソース・ゲート間耐圧は100V以上と
される。このような高耐圧用途において、SiCーMO
Sトランジスタは同一チップサイズのSiーMOSトラ
ンジスタより格段に低いオン抵抗を得ることができる。
【0084】また、図8、図9に示すしきい値電圧Vr
ef3は、発電機の温度が所定の最高許容温度(ここで
は130℃)において定格最大出力を発生する励磁電流
値とされる。このようにすれば、発電機1が低温時など
での過大出力を制限するために励磁電流制限を行うにも
かかわらず、発電機1が高温の場合など低出力状態にお
ける出力不足を生じることがない。 (実施例2)本発明の他の実施例を図10に示すフロー
チャートを参照して説明する。
【0085】このフローチャートは、図9のステップ1
02と104との間に挿入される。まず、車両用電気負
荷9として触媒ヒータがオンされたかどうかを調べ(2
00)、オンされていなければしきい値電圧Vref3
は通常値Lとされ、オンされていれば発電機1は一時的
に大電流を給電する必要があるので、しきい値電圧Vr
ef3を高値すなわち通常値Lに所定値ΔLを加えた値
に設定する。
【0086】次のステップ206では、発電機回転数n
を検出する。nは電機子巻線電圧の周波数をカウントす
るのが最も簡単である。そして、発電機回転数nが所定
のしきい値回転数(ここでは4000rpm以上とす
る)を超える高回転域であるかどうかを調べ(20
8)、高回転域であればステップ106へ進み、そうで
なければ発電機回転数nが所定のしきい値回転数nth
LからnthHの範囲内(高負荷トルク回転域)かどう
かを調べる。図11に示すように、高回転域では発電機
の最大出力電流は大幅に増加し、この増加傾向はSiC
ーMOSトランジスタで特に顕著である。また、図12
に示すように、高負荷トルク回転域はバッテリを含む電
気負荷条件を等しくした試験条件でエンジンにかかる発
電機の駆動トルクが最大値を含む発電機回転数範囲であ
る。発電機回転数nがこの高負荷トルク回転域内であれ
ばステップ106へ進み、そうでなければ発電機の温度
Tgを検出する(210)。なお、発電機の温度Tgは
簡単には、励磁電流制御用トランジスタ20bを一定の
短期間オンし、大体においてその時の励磁電流との関数
となるので、予めそれらの関係を記憶するマップからサ
ーチすればよい。次に、温度Tgが所定のしきい値温度
Tgth以下の低温であれば、発電機1は高出力状態と
してステップ106へ進んで励磁電流制限を行い、そう
でなければステップ104へ進んで励磁電流制限を行わ
ない。
【0087】このようにすれば、より細かく出力(出力
電流)の制限を行うことができる。なお、図13は、コ
ントローラ20aによって遂行される三相全波整流器1
9制御用の割り込みサブルーチン(整流手段の駆動制御
回路)である。このルーチンは一定時間経過毎に優先的
に実施される。ルーチン内容自体は平易であるので、説
明は省略する。ただし、MOSパワートランジスタ19
aのオンは電圧Vg1をハイレベルとしてMOSパワー
トランジスタ19aをオンすることであり、MOSパワ
ートランジスタ19aのオフは電圧Vg1をローレベル
としてMOSパワートランジスタ19aをオフすること
であり、その他のステップも同様である。なお、上記実
施例では、図1に示すように、トランジスタ20bのド
レイン電極と界磁コイル10との間に電流検出用の低抵
抗30を設けていたが、トランジスタ20bのソース電
極と接地端子との間に電流検出用の低抵抗30を設けて
もよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の車両用交流発電機の回路図である。
【図2】図1の車両用交流発電機の断面図である。
【図3】図1の三相全波整流器19のハイサイドのMO
Sパワートランジスタの断面図である。
【図4】図1の三相全波整流器19のローサイドのMO
Sパワートランジスタの断面図である。
【図5】SiC及びSiMOSパワートランジスタの耐
圧とチャンネル抵抗との関係を示す図である。
【図6】本実施例のSiC−MOST、及び従来のSi
−BPT、Si−MOSTを用いたスイッチングトラン
ジスタを組み込んだ車両用交流発電機の回転数と出力電
流との関係を示す実測特性図である。
【図7】図1の車両用交流発電機のより詳細な回路図で
ある。
【図8】図7の回路の一部を具体化した回路図である。
【図9】図8の回路をソフトウエア化したフローチャー
トである。
【図10】実施例2の制御動作を示すフローチャートで
ある。
【図11】発電機が冷時と熱時とにおいてSi−MOS
トランジスタ又はSiCーMOSトランジスタを励磁電
流制御用トランジスタ20bとして採用した場合の出力
電流と発電機回転数との関係を示す特性図である。
【図12】発電機が冷時と熱時とにおいてSiCーMO
Sトランジスタを励磁電流制御用トランジスタ20bと
して採用した場合の発電機駆動に必要なトルクと発電機
回転数との関係を示す特性図である。
【図13】コントローラ20aによって遂行される三相
全波整流器19制御用の割り込みサブルーチン(整流手
段の駆動制御部)である。
【符号の説明】
5は三相電機子巻線、10は界磁コイル、19は三相全
波整流器(整流手段の一部)、20bはスイッチングト
ランジスタ(励磁電流制御用トランジスタ)、21はバ
ッテリ、19a〜19cはハイサイドのMOSパワート
ランジスタ(整流用トランジスタ)、19d〜19fは
ローサイドのMOSパワートランジスタ(整流用トラン
ジスタ)、20は電圧調整部(整流手段の残部、電圧制
御手段、判定手段、励磁電流制限手段)。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両用交流発電機の出力を整流してバッテ
    リを充電する整流手段と、前記発電機の励磁電流を断続
    制御する励磁電流制御用トランジスタと、前記バッテリ
    の電圧と所定の基準値との差を減少する方向に前記励磁
    電流制御用トランジスタの導通率を制御する電圧制御手
    段と、出力が増大する高出力発生条件かどうかを入力さ
    れた状態量に基づいて判定する判定手段と、前記高出力
    発生条件であると判定した場合に前記励磁電流を所定の
    しきい値以下に制限する励磁電流制限手段とを備え、 前記励磁電流制御用トランジスタは、表面に反転チャン
    ネルが形成される一導電型の半導体領域及び前記反転チ
    ャンネルにより導通される反対導電型のソース領域及び
    ドレイン領域を含む基板が単結晶SiCを素材とするM
    OSトランジスタからなることを特徴とする車両用交流
    発電機の制御装置。
  2. 【請求項2】車両用交流発電機の各出力端とバッテリの
    高位端及び低位端とを個別に接続する整流用トランジス
    タ並びに前記整流用トランジスタの駆動制御部を包含す
    るとともに前記発電機の出力を整流してバッテリを充電
    する整流手段と、前記発電機の励磁電流を断続制御する
    励磁電流制御用トランジスタと、前記バッテリの電圧と
    所定の基準値との差を減少する方向に前記励磁電流制御
    用トランジスタの導通率を制御する電圧制御手段と、出
    力が増大する高出力発生条件かどうかを入力された状態
    量に基づいて判定する判定手段と、前記高出力発生条件
    であると判定した場合に前記励磁電流を所定のしきい値
    以下に制限する励磁電流制限手段とを備え、 前記整流用トランジスタは、表面に反転チャンネルが形
    成される一導電型の半導体領域及び前記反転チャンネル
    により導通される反対導電型のソース領域及びドレイン
    領域を含む基板が単結晶SiCを素材とするMOSトラ
    ンジスタからなることを特徴とする車両用交流発電機の
    制御装置。
  3. 【請求項3】前記MOSトランジスタのソース・ドレイ
    ン間耐圧及びソース・ゲート間耐圧は100V以上に設
    定されている請求項1又は2記載の車両用交流発電機の
    制御装置。
  4. 【請求項4】前記励磁電流制御用トランジスタ及び前記
    整流用トランジスタは同一ケースに収容されて前記発電
    機のハウジングに固定される請求項1及び2記載の車両
    用交流発電機の制御装置。
  5. 【請求項5】前記しきい値は、前記発電機の温度が所定
    の最高許容温度において定格最大出力を発生するに必要
    な励磁電流値以上に設定されている請求項1又は2記載
    の車両用交流発電機の制御装置。
  6. 【請求項6】前記判定手段は、入力される車両状態に基
    づいて前記高出力状態かどうかを判定するものであり、
    前記励磁電流制限手段は、前記判定結果に基づいて前記
    しきい値を変更するものである請求項1又は2記載の車
    両用交流発電機の制御装置。
  7. 【請求項7】前記判定手段は、入力された発電機の回転
    数に関連する状態量に基づいて発電機回転数が高回転域
    かどうかを判定するものであり、前記励磁電流制限手段
    は前記高回転域と判定された場合に前記励磁電流を前記
    しきい値以下に制限するものである請求項6記載の車両
    用交流発電機の制御装置。
  8. 【請求項8】前記判定手段は、入力された発電機の回転
    数に関連する状態量に基づいて発電機の負荷トルクが最
    大となる発電機回転数値を含む所定の高負荷トルク回転
    域かどうかを判定するものであり、前記励磁電流制限手
    段は、前記高負荷トルク回転域と判定された場合に前記
    励磁電流を前記しきい値以下に制限するものである請求
    項6記載の車両用交流発電機の制御装置。
  9. 【請求項9】前記励磁電流制限手段は、入力される所定
    の車両用電気負荷の駆動状態に基づいて前記しきい値を
    変更するものである請求項1又は2記載の車両用交流発
    電機の制御装置。
  10. 【請求項10】前記励磁電流制限手段は、所定の大電力
    電気負荷を駆動する期間だけ前記しきい値を増大させる
    ものである請求項9記載の車両用交流発電機の制御装
    置。
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