JPH08335523A - 点火コイル - Google Patents

点火コイル

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JPH08335523A
JPH08335523A JP7141933A JP14193395A JPH08335523A JP H08335523 A JPH08335523 A JP H08335523A JP 7141933 A JP7141933 A JP 7141933A JP 14193395 A JP14193395 A JP 14193395A JP H08335523 A JPH08335523 A JP H08335523A
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JP
Japan
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steel plates
ignition coil
iron core
plate
circumscribed circle
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Application number
JP7141933A
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English (en)
Inventor
Keisuke Kono
恵介 河野
Kazutoyo Osuga
一豊 大須賀
Masami Kojima
政美 小島
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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Priority to US08/567,708 priority patent/US6353378B1/en
Priority to DE69505092T priority patent/DE69505092T2/de
Priority to KR1019950047048A priority patent/KR100246976B1/ko
Priority to CN95117580A priority patent/CN1039444C/zh
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  • Ignition Installations For Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電圧変換効率を向上し、かつ製造コストを低
減する点火コイルを提供する。 【構成】 鉄心502は、例えば珪素鋼板からなる長手
方向の寸法が一定で板幅寸法が異なる複数枚の磁性体鋼
板(以下、「鋼板」という。)を用いて断面略円形の柱
状に形成されている。板幅を2.0〜7.2mmの範囲で
13種類設定し、板幅が最小の2.0mmである鋼板50
1aより徐々に板幅が広くなる鋼板501bから板幅が
最大の7.2mmである鋼板501mまで順番に積層する
ことで断面略半円形状の鉄心が形成され、さらにこの積
層した鋼板501mに板幅が徐々に狭くなる501nか
ら板幅が最小の2.0mmの鋼板501zまで順番に積層
することで断面略円形状の鉄心502が形成される。例
えば板厚を0.27mmに設定すると、外接円500の直
径が7.2mmとなり、占積率を95%以上にすることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、点火コイルに関し、例
えば内燃機関用点火コイルに用いられるコアに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば内燃機関用点火コイル
に用いられる点火コイル用コアは、複数の短冊状の磁性
体鋼板を径方向に積層して柱状に形成したものが知られ
ている。この柱状に形成された点火コイル用コアの多く
は、同一寸法の短冊状の複数の鋼板を重ね合わせ、重ね
合わさる上下の鋼板に予め打出し形成される凸部とこの
凸部の裏面に形成される凹部とを用い、凹部に凸部がプ
レス金型内で圧入されることでそれぞれの鋼板が固定さ
れている。
【0003】ところが、この種の点火コイル用コアによ
ると、円筒状のコイルボビン内に点火コイル用コアを挿
入し点火コイルを構成する場合、コイルボビン内の円柱
状の空間に角柱状の点火コイル用コアが挿入されるた
め、コイルボビン内に幾何学的に無駄な空間を生ずるこ
とになる。つまり、断面形状が円形であるコイルボビン
内の空間の断面積に対し断面形状が矩形状である点火コ
イル用コアの断面積が占める割合(以下、「占積率」と
いう。)を十分に大きくとることができない。このた
め、点火コイルの電圧変換効率を向上することが困難に
なるという問題が生じていた。また複数の短冊状の鋼板
を積層するときに用いるプレス金型には高い位置決め精
度が要求されることから、プレス金型が高価になるため
製造設備費が増大し、点火コイル用コアの製造コストに
影響を与えるという問題も生じていた。
【0004】そこで、このような問題を解決するため、
特開昭50−88532号公報に開示される鉄心シール
ド、特開昭51−38624号公報に開示される鉄心の
コロナ遮蔽装置等が提案されており、両公報の明細書に
は、4種類の幅の異なる珪素鋼板を断面円形に多段に積
重ねた鉄心脚部の周囲に絶縁筒を設けこの絶縁筒のまわ
りに巻線を巻付けることで構成するコイルが開示されて
いる。
【0005】また、特開平3−165505号公報に開
示される空隙付きリアクトル鉄心では、磁性鋼板を積層
した方向が互いに90°異なる2種類の積層群より構成
され、断面が円形を形成するような長さでそれぞれの磁
性鋼板を切断することで鉄心ブロックを構成している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
50−88532号公報に開示される鉄心シールドおよ
び特開昭51−38624号公報に開示される鉄心のコ
ロナ遮蔽装置によると、鉄心脚部を構成する積層された
珪素鋼板は4種類の幅で構成されていることから、その
断面形状である略円形の半円に着目すると半円を構成す
る断面形状は4段からなる階段状に形成されていること
が判る。この階段の1段を1ブロックとすると、半円当
たりのブロック数は4ブロックであることから、図7に
示すように鉄心脚部の占積率は90%に満たないことに
なる。すると、例えばこの鉄心脚部を点火コイル用コア
に用いた場合、占積率が90%に満たないことから電圧
変換効率が低く点火コイルとしての高電圧を発生させる
ことができないという問題を生ずる。
【0007】また、特開平3−165505号公報に開
示される空隙付きリアクトル鉄心によると、90%以上
の占積率を確保することができるものの、積層した2種
類の積層群を互いに90°異なるように位置させること
から、組付けが困難になり組付コストが増大するという
問題がある。本発明の目的は、電圧変換効率を向上し、
かつ製造コストを低減する点火コイルを提供することで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めの本発明による請求項1記載の点火コイルは、幅の異
なる複数の磁性体鋼板を径方向に積層して形成する径方
向断面形状が略円形の柱状のコアを有する点火コイルで
あって、前記略円形の外接円の直径が15mm以下であ
ることと、前記複数の磁性体鋼板のそれぞれの板厚が前
記外接円の直径の8%以下であることと、前記複数の磁
性体鋼板の板幅の種類が6種類以上であることと、前記
複数の磁性体鋼板の枚数が12枚以上であることとを満
たし、前記外接円の面積に対し前記略円形の面積が占め
る割合が90%以上であることを特徴とする。
【0009】また、本発明による請求項2記載の点火コ
イルは、請求項1記載の点火コイルにおいて、前記複数
の磁性体鋼板の板幅の種類が11種類以上であること
と、前記複数の磁性体鋼板の枚数が22枚以上であるこ
ととを満たし、前記外接円の面積に対し前記略円形の面
積が占める割合が95%以上であることを特徴とする。
【0010】さらに、本発明による請求項3記載の点火
コイルは、請求項1または2記載の点火コイルにおい
て、前記複数の磁性体鋼板の厚板が0.5mm以下で、
かつ同じ板幅の前記磁性体鋼板が2枚以上隣接して積層
されていることを特徴とする。さらにまた、本発明によ
る請求項4記載の点火コイルは、請求項1〜3のいずれ
か一項に記載の点火コイルの端面には磁石が位置し、前
記端部を構成する複数の磁性体鋼板の各端面と交差する
ように前記端面に溝部が形成されることを特徴とする。
【0011】
【作用および発明の効果】本発明の請求項1記載の点火
コイルによると、幅の異なる複数の磁性体鋼板を径方向
に積層して形成されるコアの断面略円形の外接円の直径
が15mm以下で、複数の磁性体鋼板の板厚が前記外接円
の直径の8%以下、板幅の種類が6種類以上、枚数が1
2枚以上であり、前記外接円の面積に対する断面略円形
の面積が90%以上であることから、例えば前記外接円
を内周壁の輪郭とする筒状のボビン内にこのコアを収容
したとき、幾何学的に生ずる無駄なスペースを10%以
下に抑えることができる。これにより、ボビンの外周に
巻回されるコイル間の電圧変換効率を向上する効果があ
る。また、占積率90%以上の断面略円形の柱状に積層
されていることから、例えば前記外接円より僅かに小径
の円を内壁の輪郭とする筒状のボビン内にコアを圧入す
ることで、それぞれの磁性体鋼板をプレス等により固定
することなくして、積層された磁性体鋼板同士の径方向
の移動する防止することができる。これにより、高価な
プレス金型等を必要としないことから、コアの製造コス
トを低減させる効果がある。
【0012】さらに、本発明の請求項2記載の点火コイ
ルによると、複数の磁性体鋼板の板幅の種類が11種類
以上、枚数が22枚以上であり、前記外接円の面積に対
する断面略円形の面積が95%以上であることから、無
駄なスペースを5%以下に抑え電圧変換効率をより向上
させる効果がある。さらにまた、本発明の請求項3記載
の点火コイルによると、複数の磁性体鋼板の板厚が0.
5mm以下で、かつ同じ板幅の磁性体鋼板が2枚以上隣接
して積層されていることから、板幅の種類が少ないこと
により1枚当たりの板厚が増大しても0.5mm以下の板
厚のものを2枚以上重ねることで渦電流により生ずるエ
ネルギ損失(以下、「渦電流損」という。)を減少させ
電圧変換効率の低下を防止することができる。これによ
り、電圧変換効率を一段と向上させる効果がある。
【0013】また、本発明請求項4記載の点火コイルに
よると、請求項1〜3のいずれか一項に記載の点火コイ
ルの端面には複数の磁性体鋼板の各端面と交差するよう
に溝部が形成されることから、例えば複数の磁性体鋼板
の端面をこの溝部内で線状に溶接することで溶接時に生
ずる溶接バリがコアの端面より飛び出すことを防止する
ことができる。これにより、コアの端面に磁石を位置さ
せたとき、この端面には溶接バリによる面荒れ等が生じ
ないことから、溶接後のバリ取り工程等を必要とせず端
面に磁石を密着させることができる。したがって、コア
の端面に位置する磁石によるバイアス磁束を高精度に加
えられる効果がある。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。本発明の点火コイルを内燃機関用点火コイルに適
用した一実施例を図1〜図19に示す。図1(a) および
(b) には第1実施例によるコア(以下、「鉄心」とい
う。)502の平面図および側面図が示され、この鉄心
502が以下説明する点火コイル2のトランス部5に用
いられる。
【0015】図2および図3に示すように、点火コイル
2は、主に円柱状のトランス部5と、このトランス部5
の一方の端部に位置しトランス部5の一次電流を断続す
る制御回路部7と、トランス部5の他方の端部に位置し
トランス部5の二次電圧を図示しない点火プラグに供給
する接続部6とから構成されている。点火コイル2は、
前述の点火コイルのハウジングである樹脂材料からなる
円柱状のケース100を備えており、このケース100
の内側に形成されている収容室102内には、高電圧発
生用のトランス部5と制御回路部7とトランス部5の周
囲を満たす絶縁油29とが収容されている。収容室10
2の上端部には、制御信号入力用コネクタ9が設けら
れ、また収容室102の下端部には、後述するカップ1
5の底部により閉塞された底部104が形成されてい
る。このカップ15の外周壁は、ケース100の下端に
位置する接続部6に覆われている。
【0016】接続部6には、ケース100によって図示
しない点火プラグを収容する筒部105が形成され、こ
の筒部105の開口端にはゴムからなるプラグキャップ
13が装着されている。筒部105の上端に位置する底
部104には、導電部材としての金属製のカップ15が
ケース100の樹脂材料中にインサート成形されてい
る。このため、収容室102と接続部6とは液密に区画
されている。
【0017】カップ15の底部に係止されているスプリ
ング17は、圧縮コイルスプリングからなり、接続部6
内に挿入される図示しない点火プラグの電極部がスプリ
ング17の他端部に電気的に接触するようになってい
る。制御信号入力用コネクタ9は、コネクタハウジング
18とコネクタピン19とから構成されている。コネク
タハウジング18は、ケース100と一体成形されてお
り、このコネクタハウジング18内に位置する3本のコ
ネクタピン19がケース100を貫通し外部と接続可能
にコネクタハウジング18にインサート成形されてい
る。
【0018】ケース100の上側には、トランス部5、
制御回路部7、絶縁油29等をケース100の外部から
収容室102に収容するための開口部100aが形成さ
れている。この開口部100aは、樹脂製の蓋31およ
びOリング32により液密に閉塞され、さらにこの蓋3
1の表面を覆うように金属製の蓋32がケース100の
上部にかしめ固定されている。
【0019】トランス部5は、鉄心502、磁石50
4、506、二次スプール510、二次コイル512、
一次スプール514および一次コイル516から構成さ
れている。図1および図4に示すように、鉄心502
は、例えば珪素鋼板からなる長手方向の寸法が一定で板
幅寸法が異なる複数枚の磁性体鋼板(以下、「鋼板」と
いう。)を用いて断面略円形の柱状に形成されている。
つまり、図4に示すように長手方向の寸法がLで、板幅
がWの短冊状の鋼板において、板幅Wを2.0〜7.2
mmの範囲で13種類設定し、板幅が最小の2.0mmであ
る鋼板501aから徐々に板幅が広くなる鋼板501
b、501c、501d、501e、501f、501
g、501h、501i、501j、501k、501
lの順に板幅が最大の7.2mmである鋼板501mまで
積層することで断面略半円形状の鉄心が形成され、さら
にこの積層した鋼板501mに板幅が徐々に狭くなる5
01n、501o、501p、501q、501r、5
01s、501t、501u、501v、501w、5
01x、501yの順に板幅が最小の2.0mmの鋼板5
01zまで積層することで断面略円形状の鉄心502が
形成される。本実施例の場合、鋼板501a、b、c、
d、e、f、g、h、i、j、k、l、m、n、o、
p、q、r、s、t、u、v、w、x、y、z(以下、
「鋼板501a−z」と総称する。)の板厚を例えば
0.27mmに設定すると、鉄心502の外接円500の
直径が7.2mmとなり、その占積率を95%以上にする
ことができる。
【0020】積層された鉄心502は後述するレーザ溶
接工程により、端部502aおよび端部502bがレー
ザ溶接されることで鉄心502を構成する鋼板501a
−zがそれぞれ互いに接合される。そして、鉄心502
の両端には、コイルにより励磁されて発生する磁束の方
向とは反対方向の極性を有する磁石504、506がそ
れぞれ粘着テープにより固定されている。
【0021】図2および図3に示すように、ボビンとし
ての二次スプール510は、両端に鍔部510a、bを
有する有底円柱状に形成される樹脂成形品であり、内部
に断面円形状の鉄心収容孔510dを有し底部510c
により下端部が略閉塞されている。二次スプール510
の底部510cには、二次コイル512の一端から引き
出される図示しない引出線が電気的に接続されたターミ
ナルプレート34が固定され、このターミナルプレート
34にカップ15と接触するためのスプリング27が固
定されている。これらターミナルプレート34とスプリ
ング27とがスプール側導電部材として機能し、二次コ
イル516に誘起された高電圧がターミナルプレート3
4、スプリング27、カップ15、スプリング17を経
由して図示しない点火プラグの電極部に供給される。ま
た二次スプール510の反底部510c側端部には、二
次スプール510と同心上に筒部510fが延出して形
成されている。
【0022】図5に示すように、二次スプール510の
鉄心収容孔510d内には、端部に磁石506が取付ら
れた鉄心501が挿入される。そして、図2および図3
に示すように、二次スプール510の外周には二次コイ
ル512が巻回される。なお、鉄心502を構成する鋼
板501a−zをそれぞれ固定するのにYAGレーザ溶
接を用いたが、本発明ではこれに限られることはなく、
例えば鉄心502の端部502a、502bを円環状の
締結リングに圧入することで鋼板501a−zを固定し
ても良い。また二次スプール510に形成される鉄心収
納孔510dの内径を鉄心502の外径より僅かに小径
に設定することで、鉄心収納孔510d内に鉄心502
を圧入し鉄心収納孔510dの開口端に蓋をすることに
より鋼板501a−zを固定してもよい。
【0023】図2および図3に示すように、樹脂成形品
である一次スプール514は、両端に鍔部514a、b
を有する有底円柱状に形成されており、蓋部514cに
より上端部が略閉塞されている。この一次スプール51
4の外周には一次コイル516が巻回されている。一次
スプール514の蓋部514cには、一次スプール51
4の下端部側に延びる筒部514fが一次スプール51
4と同心上に形成されるとともに、開口部514dが形
成されている。この筒部514fは、前述した二次スプ
ール510と一次スプール514とを組付けたとき、二
次スプール510の筒部510fの内側に同心円となっ
て位置するように形成されている。したがって、一次ス
プール514と二次スプール510との組付時、一次ス
プール514の蓋部514cと二次スプール510の底
部510cとの間に、両端に磁石504、506を備え
た鉄心502が挟持される。
【0024】図2および図3に示すように、一次コイル
516が巻回された一次スプール514の外側には、ス
リット508aを有する補助コア508が装着されてい
る。この補助コア508は、薄い珪素鋼板を筒状に巻回
し、巻回開始端と巻回終了端とを接続しないことから軸
方向にスリット508aを形成しており、磁石504の
外周位置から磁石506の外周位置にわたる軸方向長さ
を有する。これにより、補助コア508の周方向に発生
する渦電流を低減している。
【0025】トランス部5等が収容されている収容室1
02内には、収容室102の上端部に僅かの空気空間を
残して絶縁油29が充填されている。絶縁油29は、一
次スプール514の下側開口端、一次スプール514の
蓋部514cの略中央部に開設された開口514d、二
次スプール510の上側開口端および図示しない開口を
通して侵入し、鉄心502、二次コイル512、一次コ
イル516、補助コア508等の間の電気絶縁を確実な
ものとしている。
【0026】次に、鉄心502が収容される鉄心収容孔
510dの断面積に対する鉄心502の占積率を図6〜
図9に基づいて詳述する。ここで、鉄心収容孔510d
の内壁の輪郭である円は、図6で符号500で示されて
おり、これは前述した外接円に相当し、以下、「外接円
500」と称する。
【0027】外接円500の面積に対する鉄心502の
占積率は幅の異なる鋼板の枚数によって変動する。例え
ば、外接円500の半円内に幅の異なる6種類の鋼板を
積層することにより構成される鉄心は、図6(a) に示す
模式図で表される。つまり、前述した鉄心502の半円
当たりを構成する鋼板501aから501mまでの幅の
異なる13種類の鋼板を6種類の鋼板に置換えたものが
図6(a) に示す鋼板561、562、563、564、
565、566から構成される鉄心である。ここで、鋼
板561、562、563、564、565、566は
それぞれ同じ厚さに設定されており、その幅は外接円5
00に接する最大の幅にそれぞれ設定されている。した
がって、図6(b) に示すように、それぞれの鋼板の板厚
を薄くして鋼板の枚数を増やすことにより占積率が増加
することが判る。この鋼板の板厚を薄くしながら枚数を
増やすと占積率が増大する関係は、幾何学的に求めるこ
とができ、鋼板の枚数と鉄心の占積率の関係は図7に示
すような相関関係を持つことが判る。ここで、図7にお
いては、外接円500の半円当たりに占める鋼板の枚数
を便宜上ブロックの分割数として表している。
【0028】図7に示すように、外接円500の半円当
たりのブロック分割数を増やすことで鉄心502の占積
率を増加させることができ、鉄心502の占積率を90
%以上にするにはブロック分割数を6以上に設定するこ
とが必要であることが判る。鉄心502に占積率を90
%以上に設定するのは、前述した点火コイル2のトラン
ス部5によって発生させる点火コイル2の出力電圧を3
0kV以上にするためである。ここで、図6(a) にはブ
ロック分割数を6に設定したときの変形例1が示され、
また図6(b) にはブロック分割数を11に設定したとき
の変形例2が示されている。
【0029】ところで、分割されたブロックのひとつ一
つは一枚ずつの鋼板に置換えられるが、ブロック分割数
が少なければ少ないほど置換えられる鋼板の板厚は厚く
なる。このブロック分割数に対する各ブロックの厚さの
割合が図8に示されている。ここで、「各ブロックの厚
さの割合」とは、外接円500の直径に対する割合であ
る。
【0030】図8に示すように、外接円500の半円当
たりのブロック分割数が6であるとき、各ブロック厚の
割合は0.08程度であることからブロック厚さは外接
円500の直径の8%に当たることが判る。すると、例
えば外接円500の直径が15mmであるときブロック厚
さは1.2mmに設定されることになる。すなわち、図6
(a) に示す鋼板561、562、563、564、56
5、566のそれぞれの板厚が1.2mmに設定される。
ところが、鋼板の板厚と点火コイル2の点火コイル2の
出力電圧との間には図9に示すような相関関係があり、
鋼板の板厚が0.5mm以上になると点火コイル2の出力
電圧が30kV以下になる。これは、鋼板の板厚が厚い
と鋼板の断面において生ずる渦電流損が大きくなること
により点火コイル2の出力電圧が低下するためである。
したがって、点火コイル出力電圧を30kV以上にしよ
うとすると、鋼板の板厚を0.5mm以下にすることが必
要となり、図6(a) の鋼板561〜566の板厚の0.
5mm以下とすることが必要となる。そのため、外接円5
00の半円当たりのブロック数が6であるときには、同
じ幅に形成された板厚0.5mmの鋼板を2枚以上重ねる
ことで1ブロックが形成される。
【0031】図6(c) に示す変形例3は、同じ幅の鋼板
591a、591bを2枚重ねて1ブロックとしたもの
を6ブロック設けた例である。この変形例3によると、
それぞれのブロックを構成する鋼板591a、591b
の板厚を薄く設定することができるため、渦電流損の増
大を抑えることができるため、点火コイル2の出力電圧
を30kV以上取出すことができる。
【0032】また、図6(d) に示す変形例2では、ブロ
ック分割数を11にしたことから、鉄心502の占積率
を95%以上確保することができ、分割された各ブロッ
クに相当する鋼板571、572、573、574、5
75、576、577、578、579、580、58
1の板厚は0.5mm程度まで薄くすることができる。こ
れにより、占積率を90%以上確保しながら点火コイル
2から取出す出力電圧を30kV以上確保することがで
きる。
【0033】次に、鉄心502を製造する各工程を図1
0〜図18に基づいて説明する。鉄心502は、(1) 鋼
板素材701を裁断しリボン材702を製造する裁断工
程、(2) リボン材702を束ね積層材705を製造する
束ね工程、(3) 束ねられた積層材705を所定長さの鉄
心材707に切断する切断工程および(4) 切断された鉄
心材707の端部をYAGレーザ溶接するレーザ溶接工
程を経ることで製造される。以下、この(1) 〜(4) の4
工程をそれぞれ説明する。
【0034】(1) 裁断工程 図11に示すように、裁断工程では幅広の帯状の鋼板素
材701を裁断機710によってのれん状のリボン材7
02に裁断する。このとき、図10に示すように鋼板素
材701の一方の外側から内側に向かって最も幅の狭い
リボン701aから順に徐々に幅が広くなるリボン70
1b、701c、701d、701e、701f、70
1g、701h、701i、701j、701k、70
1lの順番により最も幅の広いリボン材701mが鋼板
素材701の略軸中心に位置するようにそれぞれのリボ
ンを位置させている。同様に、他方の外側から内側に向
かって最も幅の狭いリボン701zから順に徐々に幅が
広くなるリボン701y、701x、701w、701
v、701u、701t、701s、701r、701
q、701p、701o、701nの順番にリボンを位
置させている。このようにリボン701aからリボン7
01zまでが位置するようにリボン材702を裁断する
ことで、後述する束ね工程において容易に積層させるこ
とができる。
【0035】図12に示すように、鋼板素材701を裁
断する裁断機710は切断ローラ712、714から構
成されており、それぞれ取付けられたローラが互いにか
み合うことにより切断ローラ712と切断ローラ714
との間を通る鋼板素材701がのれん状に裁断される。
この裁断機710によって鋼板素材701が裁断される
様子が図13に示されており、図13で右側から鋼板素
材701が裁断機710内に投入され左側から裁断され
たリボン材702が取出されている。
【0036】(2) 束ね工程 図14に示すように、束ね工程ではのれん状に切断され
たリボン材702をねじるようにしながら束ねる。この
とき、幅の最も狭いリボン701aとリボン701zが
外側に位置するように配置し、その内側に徐々に幅が広
くなるリボン701bとリボン701y、リボン701
cとリボン701x、リボン701dとリボン701
w、リボン701eとリボン701v、リボン701f
とリボン701u、リボン701gとリボン701t、
リボン701hとリボン701s、リボン701iとリ
ボン701r、リボン701iとリボン701q、リボ
ン701kとリボン701p、リボン701lとリボン
701oの順に配置する。そして、最も幅の広いリボン
701mとリボン701nが中央に位置するように束ね
機720によって積層する。
【0037】図14および図15に示すように、束ね機
720はガイドローラ722、724によって構成され
ており、図14で右側から投入されるリボン材702を
ガイドローラ722、724によって挟み込むようにし
ながらリボン材702を束ねる。そして、束ねられたリ
ボン材702は積層材705として図14で左側から取
出される。
【0038】(3) 切断工程 図16に示すように、切断工程では束ねられた積層材7
05を切断機730によって所定の長さに切断する。図
16に示す切断機730は切断前の積層材705を固定
するのに用いるダイス731および押型733と、固定
された積層材705を径方向からせん断するパンチ73
7と、せん断時に移動する積層材705を保持するクラ
ンプ型753とから構成されている。そして、ダイス7
31と押型733とに固定された積層材705が径方向
に移動するパンチ737によりせん断加工されることで
切断される。これにより、積層材705から所定長さの
鉄心材707が得られる。
【0039】(4) レーザ溶接工程 図17および図18に示すように、鉄心材707は、積
層されたリボン702aからリボン702zである鋼板
501a−zがばらばらに離れないように押さ部74
2、744からなる押え治具740によって固定され
る。そして、このレーザ溶接工程では、前述した切断工
程によって形成された切断面707aにYAGレーザ溶
接が線状に施される。このYAGレーザ溶接は、積層さ
れた鋼板501a−zの端面すべてにわたって交差する
ように線状に施されるため、積層された隣合う鋼板が互
いに溶接される。図18では、溶接痕が符号707bで
表されている。また図17では、YAGレーザ溶接をす
る様子を示し、白抜きの矢印はYAGレーザの照射光の
走査方向を表している。
【0040】このようにレーザ溶接された鉄心材707
は、積層された鋼板501a−zがばらばらに離れるこ
とがないため、鉄心702として容易に取り扱うことが
できる。ここで、図19に示す鉄心707の変形例4
は、鉄心材707の端面としての切断面707aに溝部
としての溶接溝708を積層したリボン材702のすべ
てに係るように形成し、この溶接溝708内にYAGレ
ーザ溶接を施すことで、YAGレーザ溶接後の溶接バリ
が切断面707aより飛び出さないようにしたものであ
る。つまり、切断面707aにはYAGレーザ溶接され
る溶接幅よりも広い溶接溝708を切削工程等により鉄
心材707に形成し、この溶接溝708内にYAGレー
ザ溶接を施すことで、溶接による溶接バリが生じたとし
ても、溶接バリが切断面707aより飛び出すことがな
く溶接溝708内に納まることから切断面707aの面
荒れを防ぐことができる。ここで、図19に示す符号7
08aは溶接痕を示している。
【0041】なお、レーザ溶接溝708は切削工程によ
って形成されるものに限られることはなく、図20に示
すように鋼板素材701に予め形成される複数の穴部7
09によって形成してもよい。この複数の穴部709
は、第1実施例で説明した切断工程により切断される所
定位置に合わせて裁断工程等で同一線上の位置するよう
に形成されることから、所定長さに切断された鉄心材7
07の切断面707aにこの穴部709の一部を位置さ
せることができる。これにより、鉄心材707に切削工
程等の別工程を設けることなくして溶接溝708を形成
できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による内燃機関用点火コイ
ルの鉄心を示し、(a) は平面図、(b) は側面図である。
【図2】第1実施例の鉄心を組付けた内燃機関用点火コ
イルの縦断面図である。
【図3】図2に示すトランス部のIII −III 線断面図で
ある。
【図4】第1実施例の鉄心を構成する鋼板の各寸法を示
す模式図である。
【図5】第1実施例の鉄心を二次スプールに組付ける様
子を示す模式図である。
【図6】第1実施例の鉄心の各変形例を示す模式図であ
る。
【図7】鉄心の外接円の半円当たりのブロック分割数に
対する鉄心の占積率を示す説明図である。
【図8】鉄心の外接円の半円当たりのブロック分割数に
対する各ブロック厚さの割合を示す説明図である。
【図9】鉄心を構成する鋼板の板厚に対する点火コイル
の出力電圧を示した特性図である。
【図10】鋼板素材に対する幅の異なる各鋼板の裁断位
置を示す模式図である。
【図11】裁断工程において鋼板素材から裁断されるリ
ボン材を示す模式図である。
【図12】裁断工程において鋼板素材を裁断する切断ロ
ーラを示す模式図である。
【図13】裁断工程において切断ローラにより鋼板素材
からリボン材を裁断される様子を示す模式図である。
【図14】束ね工程においてリボン材を束ねる様子を示
す説明図である。
【図15】図14に示すXV方向矢視による矢視図であ
る。
【図16】切断工程において束ねられた積層材を切断す
る様子を示す説明図である。
【図17】レーザ溶接工程において切断された鉄心材を
YAGレーザ溶接する様子を示す説明図である。
【図18】図17に示すXVIII 方向矢視による矢視図で
ある。
【図19】第1実施例の鉄心の変形例4を示す部分斜視
図である。
【図20】第1実施例の鉄心の鋼板素材に形成される穴
部の位置を示す模式図である。
【符号の説明】
2 点火コイル 5 トランス部 100 ケース 500 外接円 501 鋼板 (磁性体鋼板) 502 鉄心 (コア) 504、506 磁石 510 二次スプール 512 二次コイル 514 一次スプール 516 一次コイル 708 溶接溝(溝部) 708a 切断面(端面)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 幅の異なる複数の磁性体鋼板を径方向に
    積層して形成する径方向断面形状が略円形の柱状のコア
    を有する点火コイルであって、 前記略円形の外接円の直径が15mm以下であること
    と、 前記複数の磁性体鋼板のそれぞれの板厚が前記外接円の
    直径の8%以下であることと、 前記複数の磁性体鋼板の板幅の種類が6種類以上である
    ことと、 前記複数の磁性体鋼板の枚数が12枚以上であることと
    を満たし、 前記外接円の面積に対し前記略円形の面積が占める割合
    が90%以上であることを特徴とする点火コイル。
  2. 【請求項2】 前記複数の磁性体鋼板の板幅の種類が1
    1種類以上であることと、前記複数の磁性体鋼板の枚数
    が22枚以上であることとを満たし、 前記外接円の面積に対し前記略円形の面積が占める割合
    が95%以上であることを特徴とする請求項1記載の点
    火コイル。
  3. 【請求項3】 前記複数の磁性体鋼板の厚板が0.5m
    m以下で、かつ同じ板幅の前記磁性体鋼板が2枚以上隣
    接して積層されていることを特徴とする請求項1または
    2記載の点火コイル。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項に記載の点
    火コイルの端面には磁石が位置し、前記端部を構成する
    複数の磁性体鋼板の各端面と交差するように前記端面に
    溝部が形成されることを特徴とする点火コイル。
JP7141933A 1994-12-06 1995-06-08 点火コイル Pending JPH08335523A (ja)

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JP7141933A JPH08335523A (ja) 1995-06-08 1995-06-08 点火コイル
ES95119136T ES2122426T3 (es) 1994-12-06 1995-12-05 Bobina de encendido para un motor de combustion interna.
EP95119136A EP0716436B1 (en) 1994-12-06 1995-12-05 Ignition coil for an internal combustion engine
US08/567,708 US6353378B1 (en) 1994-12-06 1995-12-05 Ignition coil for an internal combustion engine
DE69505092T DE69505092T2 (de) 1994-12-06 1995-12-05 Zündspule für eine Brennkraftmaschine
KR1019950047048A KR100246976B1 (ko) 1994-12-06 1995-12-06 내연기관용 점화코일
CN95117580A CN1039444C (zh) 1994-12-06 1995-12-06 内燃机的点火线圈
US09/996,600 US6650221B2 (en) 1994-12-06 2001-11-30 Ignition coil for an internal combustion engine

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006222173A (ja) * 2005-02-09 2006-08-24 Diamond Electric Mfg Co Ltd 内燃機関用点火コイル及び自動車
JP2007324436A (ja) * 2006-06-02 2007-12-13 Denso Corp 点火コイル
JP2009534861A (ja) * 2006-04-26 2009-09-24 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 特に自動車の内燃機関用の点火コイル
CN102376429A (zh) * 2011-12-08 2012-03-14 昆山凯迪汽车电器有限公司 笔式点火线圈铁芯及其制造方法

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