JPH0833472A - 細胞リザーバー - Google Patents
細胞リザーバーInfo
- Publication number
- JPH0833472A JPH0833472A JP17239794A JP17239794A JPH0833472A JP H0833472 A JPH0833472 A JP H0833472A JP 17239794 A JP17239794 A JP 17239794A JP 17239794 A JP17239794 A JP 17239794A JP H0833472 A JPH0833472 A JP H0833472A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cell
- reservoir
- reserver
- porous membrane
- cells
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12M—APPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
- C12M45/00—Means for pre-treatment of biological substances
- C12M45/22—Means for packing or storing viable microorganisms
Landscapes
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Wood Science & Technology (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Zoology (AREA)
- Biomedical Technology (AREA)
- Sustainable Development (AREA)
- Microbiology (AREA)
- Biotechnology (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Genetics & Genomics (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
- Medicinal Preparation (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】患者に対して安全に外来遺伝子導入細胞や異種
細胞を用いた治療を行うための細胞リザーバーを提供す
ることを目的とする。さらには、生体適合性に優れ長期
間生体内に埋入して使用可能な細胞リザーバーを提供す
る。 【構成】平均孔径0.05〜2μの多孔質膜からなるリ
ザーバーと、該リザーバー内に封入された細胞からなる
細胞リザーバーにおいて、該リザーバーの生体と接触す
る表面の少なくとも一部をアルコキシアルキルアクリレ
ートを主成分とするポリマーで被覆した。
細胞を用いた治療を行うための細胞リザーバーを提供す
ることを目的とする。さらには、生体適合性に優れ長期
間生体内に埋入して使用可能な細胞リザーバーを提供す
る。 【構成】平均孔径0.05〜2μの多孔質膜からなるリ
ザーバーと、該リザーバー内に封入された細胞からなる
細胞リザーバーにおいて、該リザーバーの生体と接触す
る表面の少なくとも一部をアルコキシアルキルアクリレ
ートを主成分とするポリマーで被覆した。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】生体内に留置して使用する細胞リ
ザーバーに関する。
ザーバーに関する。
【0002】
【従来の技術】遺伝子工学の目覚ましい進歩により、患
者に新たな外来遺伝子を導入することによって疾患を治
療する遺伝子治療が可能となってきており、すでにTN
F遺伝子導入リンパ球やサイトカイン遺伝子導入ガン細
胞を用いて、ガンの免疫療法の強化を目指す臨床試験が
進められている。遺伝子治療においては、遺伝子の単
離、遺伝子導入効率、遺伝子発現の制御などの問題は解
決されつつあるものの、外来遺伝子の発現細胞の寿命や
固体に与える影響については不明確な問題が残されてい
る。
者に新たな外来遺伝子を導入することによって疾患を治
療する遺伝子治療が可能となってきており、すでにTN
F遺伝子導入リンパ球やサイトカイン遺伝子導入ガン細
胞を用いて、ガンの免疫療法の強化を目指す臨床試験が
進められている。遺伝子治療においては、遺伝子の単
離、遺伝子導入効率、遺伝子発現の制御などの問題は解
決されつつあるものの、外来遺伝子の発現細胞の寿命や
固体に与える影響については不明確な問題が残されてい
る。
【0003】患者に対して安全に外来遺伝子導入細胞や
異種細胞を用いた治療を行うため、生体側と治療用細胞
側とを多孔質膜で隔てた細胞リザーバーに治療用細胞を
封入することが考えられる。しかしながら、従来の多孔
質膜では、生体との親和性に欠けるため、長期間生体内
に埋入した場合、周辺組織と炎症反応を惹起したり、癒
着を生じたりし、多孔質膜の細孔も体液中の蛋白成分な
どの付着で閉塞し、治療用細胞の効果が十分に発揮でき
ないことが多かった。
異種細胞を用いた治療を行うため、生体側と治療用細胞
側とを多孔質膜で隔てた細胞リザーバーに治療用細胞を
封入することが考えられる。しかしながら、従来の多孔
質膜では、生体との親和性に欠けるため、長期間生体内
に埋入した場合、周辺組織と炎症反応を惹起したり、癒
着を生じたりし、多孔質膜の細孔も体液中の蛋白成分な
どの付着で閉塞し、治療用細胞の効果が十分に発揮でき
ないことが多かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、患
者に対して安全に外来遺伝子導入細胞や異種細胞を用い
た治療を行うための細胞リザーバーを提供することを目
的とする。さらには、生体適合性に優れ長期間生体内に
埋入して使用可能な細胞リザーバーを提供することを目
的とする。
者に対して安全に外来遺伝子導入細胞や異種細胞を用い
た治療を行うための細胞リザーバーを提供することを目
的とする。さらには、生体適合性に優れ長期間生体内に
埋入して使用可能な細胞リザーバーを提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の問題点は、下記の
本発明により解決される。
本発明により解決される。
【0006】(1)平均孔径0.05〜2μの多孔質膜
からなるリザーバーと、該リザーバー内に封入された細
胞からなる細胞リザーバーにおいて、該リザーバーの生
体と接触する表面の少なくとも一部がアルコキシアルキ
ルアクリレートを主成分とするポリマーで被覆されてい
ることを特徴とする細胞リザーバー。
からなるリザーバーと、該リザーバー内に封入された細
胞からなる細胞リザーバーにおいて、該リザーバーの生
体と接触する表面の少なくとも一部がアルコキシアルキ
ルアクリレートを主成分とするポリマーで被覆されてい
ることを特徴とする細胞リザーバー。
【0007】(2)前記多孔質膜が、表面の少なくとも
一部に水溶性性高分子を化学的に結合させたものである
ことを特徴とする(1)に記載の細胞リザーバー。
一部に水溶性性高分子を化学的に結合させたものである
ことを特徴とする(1)に記載の細胞リザーバー。
【0008】(3)前記細胞リザーバーが細胞注入・取
り出し用ポートを少なくとも一カ所有していることを特
徴とする(1)または(2)に記載の細胞リザーバー。
り出し用ポートを少なくとも一カ所有していることを特
徴とする(1)または(2)に記載の細胞リザーバー。
【0009】本発明において、封入細胞とは、各種疾患
の治療や予防に必要な細胞であり、特殊な遺伝子が導入
された遺伝子治療用の細胞や機能障害をうけた細胞の代
替細胞、特殊な抗体を産生する細胞などを例示できる。
例えば、ヒトエリスロポエチン産生細胞、抗CD4モノ
クロナール抗体産生ハイブリドーマー細胞などを例示で
きる。
の治療や予防に必要な細胞であり、特殊な遺伝子が導入
された遺伝子治療用の細胞や機能障害をうけた細胞の代
替細胞、特殊な抗体を産生する細胞などを例示できる。
例えば、ヒトエリスロポエチン産生細胞、抗CD4モノ
クロナール抗体産生ハイブリドーマー細胞などを例示で
きる。
【0010】本発明において、アルコキシアルキルアク
リレートとは、メトキシエチルアクリレート、メトキシ
ブチルアクリレート、エトキシエチルアクリレートなど
を例示でき、好ましくはメトキシエチルアクリレートで
ある。これらの単量体を主成分とするポリマーは、コー
ティング法や表面グラフト重合法などの公知の方法によ
り、化学的もしくは物理的に細胞リザーバーの多孔質膜
表面を被覆することができる。また、該ポリマーによる
被覆は細胞リザーバーの多孔質膜表面の全表面を覆うこ
とが好ましいが、少なくとも多孔質膜の生体側を被覆す
ることが必要である。
リレートとは、メトキシエチルアクリレート、メトキシ
ブチルアクリレート、エトキシエチルアクリレートなど
を例示でき、好ましくはメトキシエチルアクリレートで
ある。これらの単量体を主成分とするポリマーは、コー
ティング法や表面グラフト重合法などの公知の方法によ
り、化学的もしくは物理的に細胞リザーバーの多孔質膜
表面を被覆することができる。また、該ポリマーによる
被覆は細胞リザーバーの多孔質膜表面の全表面を覆うこ
とが好ましいが、少なくとも多孔質膜の生体側を被覆す
ることが必要である。
【0011】本発明の細胞リザーバーの形態は特に限定
されず、例えば。多孔質平膜をプリーツ状に加工したも
のや円盤型や角型の袋状に加工したもの、また、それら
を積層したもの、チューブ状、円柱状、中空糸状などを
例示できる。多孔質平膜をプリーツ状に加工したもので
あると、膜面積が大きくなり封入した機能細胞の産生物
を良好に分泌できるため好ましい。
されず、例えば。多孔質平膜をプリーツ状に加工したも
のや円盤型や角型の袋状に加工したもの、また、それら
を積層したもの、チューブ状、円柱状、中空糸状などを
例示できる。多孔質平膜をプリーツ状に加工したもので
あると、膜面積が大きくなり封入した機能細胞の産生物
を良好に分泌できるため好ましい。
【0012】本発明の細胞リザーバーに適用される多孔
質膜は、孔径が0.05〜2μ、好ましくは、0.1〜
1μであり、封入細胞より産出、放出される物質、因
子、抗体等が細胞リザーバーの多孔質膜より生体内に放
出される必要がある。言い換えれば蛋白分子量3〜16
万(SDS−ポリアクリルアミド電気泳動により測定)
の物質が放出される必要がある。しかしながら、血液、
体液等の生体成分はリザーバー内に侵入不能であること
が必要である。
質膜は、孔径が0.05〜2μ、好ましくは、0.1〜
1μであり、封入細胞より産出、放出される物質、因
子、抗体等が細胞リザーバーの多孔質膜より生体内に放
出される必要がある。言い換えれば蛋白分子量3〜16
万(SDS−ポリアクリルアミド電気泳動により測定)
の物質が放出される必要がある。しかしながら、血液、
体液等の生体成分はリザーバー内に侵入不能であること
が必要である。
【0013】本発明の多孔質膜としては、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホ
ン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネイト、ポ
リウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリテトラフ
ルオロエチレン、ポリエン化ビニリデン、エチレンービ
ニルアルコール共重合体、酢酸セルロース、ニトロセル
ロース等の種々の高分子や共重合体あるいはブレンド物
を主成分とした多孔質膜基材を用いることができるが、
耐酵素分解性・耐薬品性・寸法安定性・製膜性・経済性
等に優れているポリオレフィンおよび一部もしくはすべ
ての水素がハロゲン化されたポリオレフィンを主成分と
していることが望ましい。
ン、ポリエチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホ
ン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネイト、ポ
リウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリテトラフ
ルオロエチレン、ポリエン化ビニリデン、エチレンービ
ニルアルコール共重合体、酢酸セルロース、ニトロセル
ロース等の種々の高分子や共重合体あるいはブレンド物
を主成分とした多孔質膜基材を用いることができるが、
耐酵素分解性・耐薬品性・寸法安定性・製膜性・経済性
等に優れているポリオレフィンおよび一部もしくはすべ
ての水素がハロゲン化されたポリオレフィンを主成分と
していることが望ましい。
【0014】また、該多孔質膜は、水が細孔内に侵入可
能なように親水化処理されていることが好ましい。親水
化処理とは、ポリオレフィンを主成分とする疎水性多孔
質膜の表面及び細孔表面に親水性化合物をコーティング
や表面グラフト重合による共有結合により保持させ、親
水性膜に改質するための処理のことであり、方法は特に
限定されないが、表面グラフト重合により強固に基材表
面と親水性化合物とを結合させる方法が望ましい。
能なように親水化処理されていることが好ましい。親水
化処理とは、ポリオレフィンを主成分とする疎水性多孔
質膜の表面及び細孔表面に親水性化合物をコーティング
や表面グラフト重合による共有結合により保持させ、親
水性膜に改質するための処理のことであり、方法は特に
限定されないが、表面グラフト重合により強固に基材表
面と親水性化合物とを結合させる方法が望ましい。
【0015】さらには、親水性化合物が水溶性高分子で
あると好ましい。水溶性高分子としては、N,N−ジメ
チルアクリルアミドやイソプロピルアクリルアミドなど
のアクリルアミド誘導体、N−メチルピロリドン、ビニ
ルメチルエーテル、メタクリリロイルフォスフォリルコ
リンなどの水溶性単量体を主成分とする合成高分子、ポ
リエチレングリコール、デキストランやその誘導体など
の多糖類、セルロース誘導体などを例示できる。
あると好ましい。水溶性高分子としては、N,N−ジメ
チルアクリルアミドやイソプロピルアクリルアミドなど
のアクリルアミド誘導体、N−メチルピロリドン、ビニ
ルメチルエーテル、メタクリリロイルフォスフォリルコ
リンなどの水溶性単量体を主成分とする合成高分子、ポ
リエチレングリコール、デキストランやその誘導体など
の多糖類、セルロース誘導体などを例示できる。
【0016】
【作用】本発明の細胞リザーバーは、アルコキシアルキ
ルアクリレートを主成分とする合成高分子が、多孔質膜
の生体組織側を覆っているため、組織適合性に優れてお
り、炎症や生体組織との著しい癒着、あるいは厚い皮包
形成などが問題となることがない。そのため、細胞リザ
ーバーに封入された細胞は、その機能を長期間に渡って
安定して発現させることが可能となる。ポリアルコキシ
アルキルアクリレートは、カチオン性やアニオン性の極
性基を分子内に持たないで適度な親水性を有しているた
め、材料表面に吸着されるタンパク質も静電的相互作用
や疎水性相互作用に起因する著しい吸着変性を受けにく
い、そのため生体組織に対して良好な適合性を発現す
る。
ルアクリレートを主成分とする合成高分子が、多孔質膜
の生体組織側を覆っているため、組織適合性に優れてお
り、炎症や生体組織との著しい癒着、あるいは厚い皮包
形成などが問題となることがない。そのため、細胞リザ
ーバーに封入された細胞は、その機能を長期間に渡って
安定して発現させることが可能となる。ポリアルコキシ
アルキルアクリレートは、カチオン性やアニオン性の極
性基を分子内に持たないで適度な親水性を有しているた
め、材料表面に吸着されるタンパク質も静電的相互作用
や疎水性相互作用に起因する著しい吸着変性を受けにく
い、そのため生体組織に対して良好な適合性を発現す
る。
【0017】また、水溶性高分子を多孔質膜の生体組織
側に結合させた場合は、水溶性高分子により膜表面への
蛋白質の吸着が抑制され、安定して細胞リザーバーに封
入された細胞の機能を発現させることができる。
側に結合させた場合は、水溶性高分子により膜表面への
蛋白質の吸着が抑制され、安定して細胞リザーバーに封
入された細胞の機能を発現させることができる。
【0018】
【実施例】以下実施例をあげて、本発明を具体的に説明
する。 (実施例1)図1に示すように、ポリプロピレン多孔質
膜(膜厚:80μ,孔径0.45μ)にグロー放電処理
を行った後、続いてメトキシエチルアクリレートをガス
状で供給して、温度288Kで3分間表面グラフト重合
を行なった。得られた膜は、塩化メチレンで洗浄した
後、乾燥させ、膜表面にポリメトキシエチルアクリレー
トが結合した多孔質膜を得た。φ20mmの円盤状に打
ち抜いた該多孔質膜2をφ24mm×(高さ)4mmの
ディスク状のハウジング3に融着し、外周部に細胞封出
入用の出入口4を設けて、内径1mmのオレフィンチュ
ーブ5を接合し、ヒト型エリスロポエチン産生遺伝子を
組み入れた細胞を封入し、細胞リザーバー1を作製し
た。この細胞リザーバー1をSDラットの肝葉間に留置
し、留置後1週間及び2週間後のラットの血液を、抗ヒ
トエリスロポエチン抗体を用いたEIA測定系で分析し
たところ、血液中にはヒト型エリスロポエチンが検出さ
れた。
する。 (実施例1)図1に示すように、ポリプロピレン多孔質
膜(膜厚:80μ,孔径0.45μ)にグロー放電処理
を行った後、続いてメトキシエチルアクリレートをガス
状で供給して、温度288Kで3分間表面グラフト重合
を行なった。得られた膜は、塩化メチレンで洗浄した
後、乾燥させ、膜表面にポリメトキシエチルアクリレー
トが結合した多孔質膜を得た。φ20mmの円盤状に打
ち抜いた該多孔質膜2をφ24mm×(高さ)4mmの
ディスク状のハウジング3に融着し、外周部に細胞封出
入用の出入口4を設けて、内径1mmのオレフィンチュ
ーブ5を接合し、ヒト型エリスロポエチン産生遺伝子を
組み入れた細胞を封入し、細胞リザーバー1を作製し
た。この細胞リザーバー1をSDラットの肝葉間に留置
し、留置後1週間及び2週間後のラットの血液を、抗ヒ
トエリスロポエチン抗体を用いたEIA測定系で分析し
たところ、血液中にはヒト型エリスロポエチンが検出さ
れた。
【0019】(実施例2)ポリプロピレン多孔質膜にグ
ロー放電処理を行った後、続いてN,N−ジメチルアク
リルアミドを供給して、温度288Kで3分間表面グラ
フト重合を行ない、膜表面に水溶性高分子鎖を結合させ
た多孔質膜を作製し、続いて実施例1と同様に膜表面に
ポリメトキシエチルアクリレートを結合し、ヒト型エリ
スロポエチン産生遺伝子を組み入れ細胞リザーバーを作
製した。実施例1と同様の評価を行ったところ、留置
後、1週間のラットの血液より、ヒト型エリスロポエチ
ンが検出された。
ロー放電処理を行った後、続いてN,N−ジメチルアク
リルアミドを供給して、温度288Kで3分間表面グラ
フト重合を行ない、膜表面に水溶性高分子鎖を結合させ
た多孔質膜を作製し、続いて実施例1と同様に膜表面に
ポリメトキシエチルアクリレートを結合し、ヒト型エリ
スロポエチン産生遺伝子を組み入れ細胞リザーバーを作
製した。実施例1と同様の評価を行ったところ、留置
後、1週間のラットの血液より、ヒト型エリスロポエチ
ンが検出された。
【0020】(比較例1)実施例1のポリメトキシエチ
ルアクリレートが結合した多孔質膜の代わりに、未処理
のポリプロピレン多孔質膜を用いて実施例1と同様な細
胞リザーバーを作製、SDラットの肝葉間に留置した。
実施例1と同様の評価を行ったところ、留置後、3日後
では、ラット血液中よりヒト型エリスロポエチンが検出
できたものの、2週間後では検出できなかった。ラット
の剖検により、ポリプロピレン多孔質膜の周囲は、カプ
セル化していることが確認された。
ルアクリレートが結合した多孔質膜の代わりに、未処理
のポリプロピレン多孔質膜を用いて実施例1と同様な細
胞リザーバーを作製、SDラットの肝葉間に留置した。
実施例1と同様の評価を行ったところ、留置後、3日後
では、ラット血液中よりヒト型エリスロポエチンが検出
できたものの、2週間後では検出できなかった。ラット
の剖検により、ポリプロピレン多孔質膜の周囲は、カプ
セル化していることが確認された。
【0021】(実施例3)実施例1で作製したポリメト
キシエチルアクリレートが結合した多孔質膜を、プリー
ツ加工し、膜面積0.015m2(3×5cm)の細胞リ
ザーバーを作製した。抗CD4モノクローナル抗体産生
ハイブリドーマ細胞を該細胞リザーバーに入れた後、犬
の腹腔部に留置した。留置後、3日後、1週間、1か月
後の血液中の抗CD4モノクローナル抗体濃度をCD4
発現細胞によるフローサイトメーターにより測定したと
ころ、抗CD4抗体産生ハイブリドーマ細胞により生成
された抗CD4モノクローナル抗体が検出された。
キシエチルアクリレートが結合した多孔質膜を、プリー
ツ加工し、膜面積0.015m2(3×5cm)の細胞リ
ザーバーを作製した。抗CD4モノクローナル抗体産生
ハイブリドーマ細胞を該細胞リザーバーに入れた後、犬
の腹腔部に留置した。留置後、3日後、1週間、1か月
後の血液中の抗CD4モノクローナル抗体濃度をCD4
発現細胞によるフローサイトメーターにより測定したと
ころ、抗CD4抗体産生ハイブリドーマ細胞により生成
された抗CD4モノクローナル抗体が検出された。
【0022】
【発明の効果】本発明の細胞リザーバーは、長期間、安
定して生体内で封入細胞の機能を持続させることがで
き、また細胞を回収することも可能である。従って、本
発明は、外来遺伝子を導入した細胞を用いる各種疾患の
予防や治療に好適に使用することができる。
定して生体内で封入細胞の機能を持続させることがで
き、また細胞を回収することも可能である。従って、本
発明は、外来遺伝子を導入した細胞を用いる各種疾患の
予防や治療に好適に使用することができる。
【図1】 本発明の細胞リザーバーの一実施例の斜視
図。
図。
1 細胞リザーバー 2 多孔質膜 3 ハウジング 4 細胞注入・取出し用ポート 5 チューブ
Claims (3)
- 【請求項1】平均孔径0.05〜2μの多孔質膜からな
るリザーバーと、該リザーバー内に封入された細胞から
なる細胞リザーバーにおいて、該リザーバーの生体と接
触する表面の少なくとも一部がアルコキシアルキルアク
リレートを主成分とするポリマーで被覆されていること
を特徴とする細胞リザーバー。 - 【請求項2】前記多孔質膜が、表面の少なくとも一部に
水溶性高分子を化学的に結合させたものであることを特
徴とする請求項1に記載の細胞リザーバー。 - 【請求項3】前記細胞リザーバーが細胞注入・取り出し
用ポートを少なくとも一カ所有していることを特徴とす
る請求項1または2に記載の細胞リザーバー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17239794A JPH0833472A (ja) | 1994-07-25 | 1994-07-25 | 細胞リザーバー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17239794A JPH0833472A (ja) | 1994-07-25 | 1994-07-25 | 細胞リザーバー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0833472A true JPH0833472A (ja) | 1996-02-06 |
Family
ID=15941187
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17239794A Pending JPH0833472A (ja) | 1994-07-25 | 1994-07-25 | 細胞リザーバー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0833472A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999062562A1 (en) * | 1998-06-02 | 1999-12-09 | University Of Washington | Prosthetic implant and methods of use for therapeutic gene expression |
EP1152242A1 (en) * | 1998-12-24 | 2001-11-07 | Sumitomo Bakelite Co., Ltd. | Container for immunologic assay |
US6537806B1 (en) | 1998-06-02 | 2003-03-25 | University Of Washington | Compositions and methods for treating diabetes |
WO2015146559A1 (ja) * | 2014-03-27 | 2015-10-01 | テルモ株式会社 | シート状細胞培養物を製造するための細胞培養器具およびそれを用いたシート状細胞培養物の製造方法 |
JP2022502458A (ja) * | 2018-10-01 | 2022-01-11 | ジ・エレクトロスピニング・カンパニー・リミテッド | 膜 |
-
1994
- 1994-07-25 JP JP17239794A patent/JPH0833472A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999062562A1 (en) * | 1998-06-02 | 1999-12-09 | University Of Washington | Prosthetic implant and methods of use for therapeutic gene expression |
US6537806B1 (en) | 1998-06-02 | 2003-03-25 | University Of Washington | Compositions and methods for treating diabetes |
US7341869B2 (en) | 1998-06-02 | 2008-03-11 | The University Of Washington | Compositions and methods for treating diabetes |
EP1152242A1 (en) * | 1998-12-24 | 2001-11-07 | Sumitomo Bakelite Co., Ltd. | Container for immunologic assay |
EP1152242A4 (en) * | 1998-12-24 | 2002-03-06 | Sumitomo Bakelite Co | RECEPTACLE FOR IMMUNOLOGICAL TESTS |
WO2015146559A1 (ja) * | 2014-03-27 | 2015-10-01 | テルモ株式会社 | シート状細胞培養物を製造するための細胞培養器具およびそれを用いたシート状細胞培養物の製造方法 |
JPWO2015146559A1 (ja) * | 2014-03-27 | 2017-04-13 | テルモ株式会社 | シート状細胞培養物を製造するための細胞培養器具およびそれを用いたシート状細胞培養物の製造方法 |
JP2022502458A (ja) * | 2018-10-01 | 2022-01-11 | ジ・エレクトロスピニング・カンパニー・リミテッド | 膜 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4620951B2 (ja) | 官能化多孔質材料及び医療用具におけるその使用 | |
JP6150267B2 (ja) | 非ファウリングで抗菌の抗血栓形成性グラフト−フロム組成物 | |
US4640778A (en) | Fibrin gel-containing filter | |
US5328614A (en) | Methods and apparati for removing protein-bound molecules from body fluids | |
JPH064713B2 (ja) | 生体適合性材料 | |
US5622626A (en) | Multiple compartment filter and method for processing parenteral fluid | |
FR2480606A1 (ja) | ||
JP5731728B2 (ja) | 密閉系細胞培養容器及びそれを利用した細胞培養方法 | |
JPH0833472A (ja) | 細胞リザーバー | |
US20190262528A1 (en) | Device for removing noxae from blood, extracorporeal perfusion system comprising such a device and method of manufacturing such a device | |
CA2345535A1 (en) | Biological fluid filter and system | |
Sipehia et al. | Enhanced albumin binding to polypropylene beads via anhydrous ammonia gaseous plasma | |
EP0187894B1 (en) | A size selective catalyst comprising a fibrin gel | |
JP3176753B2 (ja) | 血液処理用の吸着材 | |
JP2814399B2 (ja) | 全血処理用吸着器 | |
JP3272099B2 (ja) | ブラジキニン吸着体 | |
JPS59169532A (ja) | C反応性蛋白の吸着材 | |
JPS6159142B2 (ja) | ||
JPH0796030B2 (ja) | 膜型人工肺 | |
EP0202917A2 (en) | Implant device | |
JP4443309B2 (ja) | フィブリノゲン吸着剤iii | |
Lyman | Polymers in medicine | |
CA1218940A (en) | Filter and a process for the preparation thereof | |
Schmer et al. | The Bioartificial Organ: Review and Progress Report | |
Khang | Prevention of platelet adhesion on the polysulfone porous catheter tubes by means of saline perfusion |