JPH08333978A - カッタービット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 土木、建築等の分野で鉄筋コンクリ−ト等の
穿孔に使用されるカッタ−ビットで、鉄筋等に当接して
もうまく切削できるようにする。 【構成】 鋼製の台金に超硬合金チップを植え付けてな
るカッタ−ビットにおいて、前記超硬合金チップとし
て、扁平な先端面を有する円柱状チップを用いる。この
超硬チップの扁平な先端面は、完全な平板状に限らず、
緩やかな凸面であってもよい。先端面が球面の場合は、
その曲率半径は、超硬チップの直径の２倍以上とするの
が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、土木、建築等の分野で
鉄筋コンクリ−ト等の穿孔に使用されるカッタ−ビット
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】鉱山、土木、建築等の分野で岩石等の穿
孔に使用されるビットとして、鋼製の台金に超硬チップ
を植え付けた衝撃式のロックビットが広く知られてい
る。これら従来公知のロックビットの超硬チップには、
尖った刃先を持つチゼルタイプのものや、先端部が半球
状のボタンタイプのものがあるが、いずれも先端部は凸
状であり、回転と、打撃と、推力を与えてその尖った先
端部で岩盤等を破砕するようになっていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記打撃式のロックビ
ットは、いずれも小口径のさく孔を行うものであるが、
最近コンクリ−ト等に対し大口径のさく孔を行う装置と
して、筒状の本体の先端部に外周に沿って複数のカッタ
−ビットを取り付けた装置が開発されている。この種の
カッタ−ビットは、旋盤の刃物のような尖った刃先を有
するもので、この鋭利な刃先でコンクリ−ト等を切削す
るものである。

【０００４】しかしながら、鉄筋コンクリ−ト構造物を
切削する場合は、コンクリ−トの中に異質の硬くて強度
の大きい鉄筋やＨ型鋼が含まれているため、切削中に刃
物であるビットの刃先がこれに引っかかって破損した
り、切削できなくなることが多かった。そこで、本発明
は、従来のカッタ−ビットの刃先を工夫して、鉄筋コン
クリ−ト等をうまく切削することのできるカッタ−ビッ
トを提供することを課題としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は以下のような構成とした。すなわち、本発
明にかかるカッタ−ビットは、鋼製の台金に超硬合金チ
ップを植え付けてなるカッタ−ビットにおいて、前記超
硬合金チップとして、扁平な先端面を有する円柱状チッ
プを用いたことを特徴としている。

【０００６】この超硬チップの扁平な先端面は、完全な
平板状に限らず、緩やかな凸面であってもよい。先端面
が球面の場合は、その曲率半径は、超硬チップの直径の
２倍以上であるのが好ましい。

【０００７】

【作用】本発明のカッタ−ビットの刃体を構成する超硬
チップは、上面すなわち先端面が扁平な円柱状であるか
ら、該先端面と軸部との境界部、すなわち先端面の外周
縁部が、断面において約９０度の角形コ−ナ−部となっ
ている。このコ−ナ−部が尖った刃先の役割を果たし、
鉄筋でもうまく切断することができるのである。また、
先端面が扁平であるから、異物に衝突しても欠損等が生
じにくい。

【０００８】

【実施例】以下、図面に表された本発明の実施例につい
て具体的に説明する。このカッタ−ビット１は、鋼製の
台金２の頭部３に複数の超硬合金チップ（以下、超硬チ
ップと呼ぶ）５，…が植設されている。台金２の基部に
は後述のホルダに取り付けるための切り込み部７が形成
され、その両側が脚部９，９となっている。

【０００９】前記脚部９，９には、横方向のボルト穴１
０が穿孔されている。ボルト穴１０の頭部側はラッパ状
に外側が開いたバカ穴１０ａであり、軸側はねじ穴１０
ｂとなっている。

【００１０】台金の頭部３先端部には、比較的緩やかな
傾斜面からなる頂部刃面１２，１２が断面山形に形成さ
れ、その前側には、傾斜の大きい前刃面１３，１３が形
成されている。そして、前記山形の頂部刃面１２，１２
にはそれぞれ１個づつ超硬チップ５，５が植え付けら
れ、これら両面の境界部、すなわち台金の前後方向中心
線上にも１個の超硬チップ５（Ａ）が植え付けられてい
る。

【００１１】また、前記前刃面１３，１３にもそれぞれ
超硬チップ５が植え付けられている。これら超硬チップ
５は、それが植え付けられている面に直角に設けた植え
付け穴に埋め込まれているので、その先端面は傾斜面と
平行となっている。

【００１２】超硬チップ５は、図４に示すように、先端
面５ａが平板状の円柱状チップである。チップの寸法
は、例えば直径及び長さが十数ミリ乃至数十ミリ程度で
ある。そしてこのチップは、前記台金の植え付け穴１４
に嵌合して固定されている。超硬チップ５の固定方法
は、ろう付け、圧入、焼き嵌め等、従来のボタンビット
に採用された公知の方法を採用することができる。

【００１３】つぎに、図５は上記と異なる超硬チップの
実施例を表すもので、この超硬チップ５’は、先端面５
ｂが上に凸な球面として形成されている。この場合、そ
の球面は外周縁部にエッジが形成されるよう、十分に扁
平なものである必要がある。この球面の曲率について述
べれば、チップの軸部の直径をＤとした時、その先端面
の曲率半径Ｒは２Ｄ以上である必要があり、３Ｄ以上で
あるのがより好ましく、５Ｄ以上であるのが更に好まし
い。

【００１４】これは、チップの先端面が十分扁平でない
場合、換言すれば、この曲率半径Ｒがこれよりも小さい
場合は、コ−ナ−部の鈍角が大きくなりすぎて、鉄筋等
の切断がうまく行われなくなる。これは、凸状の先端面
が鉄筋等に当たった時に、該鉄筋等に食い込むことなく
該鉄筋等が変形して逃げるからであり、ついには切削が
行われなくなるような事態も生じる。また、チップの先
端を旋盤の刃物のように尖らせておくと、使用中に衝撃
を受けた時破損しやすい。したがって、チップの先端面
は、平板状乃至十分に扁平な凸面としておくのが好まし
い。

【００１５】このカッタ−ビット１は、例えば、切削装
置を構成する図６に示すような円筒状のケ−シング２０
の先端部に等間隔で溶接で固定された多数のホルダ２
２，…にそれぞれ取り付けて使用される。ケ−シング２
０の上端部には回転を伝達する接続部が設けられ、この
接続部を介して、図示しない穿孔装置から回転力と推力
が伝えられるようになっている。また、切削中は、ケ−
シング内部に水とエアが供給され、繰粉の排出と冷却が
行われる場合もある。

【００１６】ホルダ２２は、図７、８に示すように、正
面視で角形で、中央部に肉厚の薄い嵌合部２５が形成さ
れ、該嵌合部５の中央部にはボルト穴２７が設けられて
いる。ホルダ２２は、この嵌合部が外を向くようにケ−
シング２０の先端開口部の周縁部に固定されている。

【００１７】上記カッタ−ビット１は、その前刃面１３
が回転方向における進行側を向くようにして、切込部７
をホルダ２２の嵌合部５に嵌合させ、該カッタ−ビット
１のボルト穴１０とホルダ２２のボルト穴２７にボルト
３０を挿入、螺着することにより、該ホルダに固定され
る。

【００１８】カッタ−ビット１，…を取り付けた切削装
置であるケ−シングを、そのカッタ−ビット先端部を鉄
筋コンクリ−ト等の被切削物に押し当てた状態で回転さ
せると、カッタ−ビットの超硬チップによって被切削物
が切削される。この場合、超硬チップの先端部のコ−ナ
−部が被切削物に食い込んで、効果的な切削が行われる
のである。

【００１９】このカッタ−ビットは、刃先を構成する超
硬チップとして、先端部が扁平な円柱状のチップを使用
するので、尖った先端部を持つチップを使用する場合に
比べて、チップが破損しにくい。また、先端部が扁平で
あるから、チップの製作も容易で、ろう付け、圧入等の
固定作業も容易である。

【００２０】しかも、チップの先端面の外周部に形成さ
れるコ−ナ−部が尖った刃先として機能するので、鉄筋
等もうまく切断される。なお、使用によりチップが摩耗
するが、この場合、通常は元の形状を維持したまま相似
形状に摩耗するので、チップの形状は初期の形状が維持
され、継続して効果的な切削が行われる。

【００２１】また、チップの摩耗とともに台金も徐々に
摩耗するので、チップの突出状態も良好に維持される。
以上の説明では、円筒状のケ−シングの先端部に取り付
けて使用するカッタ−ビットについて述べたが、本発明
のカッタ−ビットは、これに限らず、ア−スオ−ガや、
円筒形以外の形状のカッタ−装置に取り付けて使用する
各種のカッタ−ビットに応用することができることは言
うまでもない。

【００２２】

【発明の効果】以上に説明したごとく、本発明にかかる
カッタ−ビットは、台金の頭部に植え付ける超硬チップ
として、先端部が扁平な円柱状のチップを使用するの
で、尖った先端部を持つチップよりも破損しにくく、し
かも扁平先端部の外周円部がほぼ直角のコ−ナ−部とな
り、この部分が鋭利な刃先として機能するので、鉄筋コ
ンクリ−ト等の複合材料をうまく切削することが可能と
なった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の１実施例の正面図である。

【図２】その側面図である。

【図３】その平面図である。

【図４】超硬チップの説明図である。

【図５】異なる超硬チップの説明図である。

【図６】ケ−シングの一部を破面で表した側面図であ
る。

【図７】ホルダの正面図である。

【図８】その側面図である。

【符号の説明】

１ カッタ−ビット ２ 台金 ５ 超硬チップ ２０ ケ−シング ２２ ホルダ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横山 弘介 兵庫県佐用郡佐用町山脇501番地 株式会 社横山基礎工事内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 鋼製の台金に超硬合金チップを植え付け
   てなるカッタ−ビットにおいて、前記超硬合金チップ
   は、扁平な先端面を有する円柱状チップであることを特
   徴とするカッタ−ビット。
2. 【請求項２】 超硬合金チップの扁平な先端面が平板
   状、または、曲率半径が直径の２倍以上の凸状球面であ
   る請求項１に記載のカッタ−ビット。