JPH08333769A - 油圧ショベル - Google Patents

油圧ショベル

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Publication number
JPH08333769A
JPH08333769A JP7143503A JP14350395A JPH08333769A JP H08333769 A JPH08333769 A JP H08333769A JP 7143503 A JP7143503 A JP 7143503A JP 14350395 A JP14350395 A JP 14350395A JP H08333769 A JPH08333769 A JP H08333769A
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JP
Japan
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bucket
reaction force
boom
excavation
excavation reaction
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP7143503A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Fujii
藤井  敏
Makoto Samejima
誠 鮫島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Caterpillar Japan Ltd
Caterpillar Mitsubishi Ltd
Original Assignee
Caterpillar Mitsubishi Ltd
Shin Caterpillar Mitsubishi Ltd
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Publication date
Application filed by Caterpillar Mitsubishi Ltd, Shin Caterpillar Mitsubishi Ltd filed Critical Caterpillar Mitsubishi Ltd
Priority to JP7143503A priority Critical patent/JPH08333769A/ja
Publication of JPH08333769A publication Critical patent/JPH08333769A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E02HYDRAULIC ENGINEERING; FOUNDATIONS; SOIL SHIFTING
    • E02FDREDGING; SOIL-SHIFTING
    • E02F3/00Dredgers; Soil-shifting machines
    • E02F3/04Dredgers; Soil-shifting machines mechanically-driven
    • E02F3/28Dredgers; Soil-shifting machines mechanically-driven with digging tools mounted on a dipper- or bucket-arm, i.e. there is either one arm or a pair of arms, e.g. dippers, buckets
    • E02F3/36Component parts
    • E02F3/42Drives for dippers, buckets, dipper-arms or bucket-arms
    • E02F3/43Control of dipper or bucket position; Control of sequence of drive operations
    • E02F3/435Control of dipper or bucket position; Control of sequence of drive operations for dipper-arms, backhoes or the like

Abstract

(57)【要約】 【目的】 掘削中に地面の固さが変化したり、掘削され
る地面の固さが予想より異なったり、或いは、オペレー
ターの操作が異なったりする場合でも、掘削能力に応じ
た掘削深さを保持して、掘削効率が低下することを防止
し、油圧ショベルの能力を有効に生かして、掘削効率を
高く保持する。 【構成】 ブームがバケットの進行方向を上方へ向かっ
て偏向させる量、或いはバケットの開口が上方へ向かう
速度の変化量の、掘削反力の大きさや掘削反力の変化率
やスティックの進行速度に対応する測定値に対する比率
を、測定値の大きさに応じて増加させ、掘削深さやバケ
ットの掻き込み速度の誤差の増大を抑制し、最適値に向
けて追従させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油圧ショベルに関し、
特に、掘削効率が自動的に高く保持される、油圧ショベ
ルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術の油圧ショベルにおいては、オ
ペレーターの感覚に依存して、ブームとスティックとバ
ケットを操作しており、地面の固さにより、或いは、油
圧ショベルのオペレーターにより、掘削効率が大きく変
化し、即ち、掘削能力に応じた最適な掘削深さを維持す
ることが困難であり、油圧ショベルの能力を生かして、
掘削効率を高く保持することが困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、掘削中に地
面の固さが変化したり、掘削される地面の固さが予想よ
り異なったり、或いは、オペレーターの操作が異なった
りする場合でも、掘削能力に応じた掘削深さを保持し
て、掘削効率が低下することを防止し、油圧ショベルの
能力を有効に生かして、掘削効率を高く保持する油圧シ
ョベルを提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段とその作用】ブームとステ
ィックとバケットと、ブームをその上に支持して地上を
走行する走行体とを有する、本発明による油圧ショベル
は、地面を掘削するようバケットが地中を進行する掘削
時にバケットが地面から受ける掘削反力の大きさ(掘削
反力そのものでも、掘削反力と所定の或いは目標の掘削
反力との差でも、掘削反力が相対的に大きい小さい中位
といった概念の程度を表す所謂ファジー制御のメンバー
シップ関数に依る掘削反力の実際のレベルの評価値で
も、或る油圧源圧力と流量制御弁開度との下での所定の
スティックシリンダやバケットシリンダの速度と実際の
スティックシリンダやバケットシリンダの速度との差で
も、スティックシリンダの伸長力やバケットシリンダの
伸長力でも、上記の大きさの値を複数測定した上での複
数の測定値の様々な平均値等でも、良い)と、該掘削反
力の大きさの時間経過に対する増加割合(掘削反力の大
きさ変化の時間に対する微分値でも、掘削反力の大きさ
変化の時間に対する高次微分値でも良い)との少なくて
も一方を測定する装置と、該掘削反力の大きさと掘削反
力の大きさの時間の経過に対する増加割合との少なくて
も一方に応じてブームの回動角度又は回動速度を変化さ
せ、該掘削反力の大きさと掘削反力の大きさの時間の経
過に対する増加割合との少なくても一方が大きい程、ブ
ームはバケットの進行方向を上方へ向かって偏向させ
(それまでのバケットの進行方向速度の内の垂直方向上
方への速度成分を増加させる、即ち、バケットに垂直方
向上方への正の加速度を加える、又は当該垂直方向上方
への正の加速度を増加させる)、該掘削反力の大きさと
掘削反力の大きさの時間の経過に対する増加割合との少
なくても一方に応じて、ブームがバケットの進行方向を
上方へ向かって偏向させる量(バケットが上方へ向かっ
て移動する速度の増加量、又はその時間に対する微分値
であるバケットを上方へ付勢する加速度)を変化させる
(該掘削反力の大きさと掘削反力の大きさの時間の経過
に対する増加割合との少なくても一方が大きくなる程、
ブームがバケットの進行方向を上方へ向かって偏向させ
る量を増加させる)制御装置とを有し、該制御装置は、
該ブームがバケットの進行方向を上方へ向かって偏向さ
せる量の、該掘削反力の大きさと掘削反力の大きさの時
間の経過に対する増加割合との少なくても一方に対する
比率を、該掘削反力の大きさと掘削反力の大きさの時間
の経過に対する増加割合との少なくても一方に応じて、
変化させる(該掘削反力の大きさと掘削反力の大きさの
時間の経過に対する増加割合との少なくても一方が大き
くなる程、該比率をより大きくする)ことを特徴とす
る。
【0005】特許請求の範囲の記載においては、ブーム
を上方へ付勢することについてのみ限定しているが、該
掘削反力の大きさと掘削反力の大きさの時間の経過に対
する増加割合との少なくても一方が小さい時には、これ
と反対に制御を行って、ブームを下方へ付勢すれば良
い。更に、現在の(前の)掘削反力の大きさと掘削反力
の大きさの時間の経過に対する増加割合との少なくても
一方に基づき変更された比率を使用して、これからの
(現在の)制御が行われ、該比率は刻々と修正されてい
くのである。言い換えるならば、ブームがバケットの進
行方向を上方へ向かって偏向させる量と、掘削反力の大
きさと掘削反力の大きさの時間の経過に対する増加割合
との少なくても一方との間の比率は、固定されているの
ではなく、現在の(前の)掘削反力の大きさと掘削反力
の大きさの時間の経過に対する増加割合との少なくても
一方に基づき、これからの(現在の)制御において使用
される該比率が修正されるのである。
【0006】本発明によれば、ブームがバケットの進行
方向を上方へ向かって偏向させる量と、掘削反力の大き
さと掘削反力の大きさの時間の経過に対する増加割合と
の少なくても一方との間の比率が、掘削反力の大きさと
掘削反力の大きさの時間の経過に対する増加割合との少
なくても一方に応じて修正されるので、それまで使用さ
れた或いは所定の比率では、ブームがバケットの進行方
向を上方へ向かって偏向させる量の不足が生じて制御安
定性や制御精度が充分で無い場合(即ち、掘削反力の大
きさと掘削反力の大きさの時間の経過に対する増加割合
との少なくても一方が、大き過ぎてしまう場合)、比率
が修正され、それからの制御においては、それまでより
或いは所定より以上にブームがバケットの進行方向を上
方へ向かって偏向させてそれまでより或いは所定より以
上に掘削反力や掘削反力の大きさの時間の経過に対する
増加割合を減少させ、制御安定性や制御精度を向上させ
る。言い換えるならば、本発明による油圧ショベルは、
掘削反力の大きさをほぼ所定の程度に保ち、掘削反力の
大きさの時間の経過に対する増加割合を減少させるよ
う、掘削反力の大きさと掘削反力の大きさの時間の経過
に対する増加割合との少なくても一方に応じて当該比率
を刻々と修正していく、所謂、学習機能を有しているの
である。
【0007】該制御装置は、該ブームがバケットの進行
方向を上方へ向かって偏向させる量の、該掘削反力の大
きさと掘削反力の大きさの時間の経過に対する増加割合
との少なくても一方に対する比率を、掘削の進行に伴っ
て又は掘削の繰り返し毎に見直して、順次、該掘削反力
の大きさと掘削反力の大きさの時間の経過に対する増加
割合との少なくても一方に応じて変化させても良い。そ
の掘削サイクル(地面接触から地面離脱まで)の内の一
つの掘削領域(時間経過により掘削領域を区画しても良
いし、バケットの進行程度により掘削領域を区画しても
良い。)において比率の見直しと変更をすると共に、そ
の変更された比率を用いてその次の掘削領域において取
り合えず制御を始めてから、その変更された比率を更に
見直し変更しても良い。その掘削サイクルにおいて比率
の見直しと変更をすると共に、その変更された比率を用
いてその次の掘削サイクルにおいて取り合えず制御を始
めてから、その変更された比率を更に見直し変更しても
良い。
【0008】比率を、掘削の進行に伴って又は掘削の繰
り返し毎に見直して、順次、変化させることは、本発明
の如何なる実施例や応用例においても、適用される事項
である。
【0009】ブームとスティックとバケットと、ブーム
をその上に支持して地上を走行する走行体とを有する、
本発明の油圧ショベルは、地面を掘削するようバケット
が地中を進行する掘削時にバケットが地面から受ける実
際の掘削反力の大きさと、該実際の掘削反力の大きさの
時間経過に対する増加割合との少なくても一方を測定す
る装置と、該掘削反力の大きさと掘削反力の大きさの時
間の経過に対する増加割合との少なくても一方に応じて
ブームの回動角度又は回動速度を変化させ、該掘削反力
の大きさと掘削反力の大きさの時間の経過に対する増加
割合との少なくても一方が大きければ、ブームはバケッ
トの進行方向を上方へ向かって偏向させ、該掘削反力の
大きさと掘削反力の大きさの時間の経過に対する増加割
合との少なくても一方に応じて、ブームがバケットの進
行方向を上方へ向かって偏向させる量又は該ブームがバ
ケットの進行方向を上方へ向かって偏向させる量の時間
経過に対する変化割合を変化させる制御装置とを有し、
該制御装置は、該ブームがバケットの進行方向を上方へ
向かって偏向させる量の、該掘削反力の大きさと掘削反
力の大きさの時間の経過に対する増加割合との少なくて
も一方に対する比率を、実際の掘削反力と所定の掘削反
力との偏差(実際の掘削反力と所定の掘削反力との差、
或いは実際の掘削反力と所定の掘削反力との偏差の時間
に対する積分値も含む)及び/又は実際の掘削反力が所
定の掘削反力を越えた回数(掘削サイクル又は掘削領域
において発生した)に応じて、変化させる。
【0010】本発明によれば、ブームがバケットの進行
方向を上方へ向かって偏向させる量と、掘削反力の大き
さと掘削反力の大きさの時間の経過に対する増加割合と
の少なくても一方との間の比率が、実際の掘削反力と所
定の掘削反力との偏差及び/又は実際の掘削反力が所定
の掘削反力を越えた回数に応じて修正されるので、それ
まで使用された比率では、ブームがバケットの進行方向
を上方へ向かって偏向させる量の不足が生じて制御安定
性や制御精度が充分で無い場合(即ち、掘削反力の大き
さと掘削反力の大きさの時間の経過に対する増加割合と
の少なくても一方が、大き過ぎて、実際の掘削反力と所
定の掘削反力との偏差及び/又は実際の掘削反力が所定
の掘削反力を越えた回数が大きい場合)、比率が修正さ
れ、それからの制御においては、例え掘削反力の大きさ
と掘削反力の大きさの時間の経過に対する増加割合との
少なくても一方がそれまでとほぼ同一であっても、それ
までより以上にブームがバケットの進行方向を上方へ向
かって偏向させてそれまでより以上に掘削反力や掘削反
力の大きさの時間の経過に対する増加割合を減少させ、
制御安定性や制御精度を向上させる。言い換えるなら
ば、本発明による油圧ショベルは、掘削反力の大きさを
ほぼ所定の程度に保ち、掘削反力の大きさの時間の経過
に対する増加割合を減少させるよう、掘削反力の大きさ
と掘削反力の大きさの時間の経過に対する増加割合との
少なくても一方に応じて当該比率を刻々と修正してい
く、所謂、学習機能を有しているのである。
【0011】ブームとスティックとバケットと、ブーム
をその上に支持して地上を走行する走行体とを有する、
本発明による油圧ショベルは、地面を掘削するようバケ
ットが地中を進行する掘削時に、バケットの地中を進行
する速度(スティックの旋回速度即ちγstで代用するの
が最も容易)と、バケットの開口が上方へ向かう速度
(バケットの回動速度で代用するのが最も容易)とを測
定する装置と、該バケットの地中を進行する速度とバケ
ットの開口が上方へ向かう速度との少なくても一方に応
じて、バケットの開口が上方へ向かう速度の変化量(バ
ケットの開口が上方へ向かう速度の変化の時間に対する
微分値でも、バケットの開口が上方へ向かう速度の時間
に対する高次微分値でも良い)を変化させて(具体的に
は、或る制御サイクル毎に、適当なバケットシリンダー
用流量制御弁の開度変化量即ちバケットシリンダー速度
変化量を出力する。)、該バケットの地中を進行する速
度とバケットの開口が上方へ向かう速度とを協調して増
減させ(バケットの地中を進行する速度が大きくなれば
バケットの開口が上方へ向かう速度も大きくなるように
し、バケットの地中を進行する速度が小さくなればバケ
ットの開口が上方へ向かう速度も小さくなるようにす
る)、且つ、該バケットの開口が上方へ向かう速度を所
定の値に近づける制御装置を有し、該制御装置は、該バ
ケットの開口が上方へ向かう速度の変化量の、該バケッ
トが地中を進行する速度と、バケットの開口が上方へ向
かう速度と該所定の値との間の偏差値(バケットの開口
が上方へ向かう速度と該所定の値との間の差、或いはバ
ケットの開口が上方へ向かう速度の該所定の値に対する
割合を含む)と、バケットの開口が上方へ向かう速度と
の少なくても一方に対する比率を、バケットが地面の所
定の箇所を通過する時(スティックが地面或いはブーム
に対し所定の角度を成す時をバケットが地面の所定の箇
所を通過する時としても可)の、バケットの開口が水平
方向に対して形成する角度に応じて、変化させる。前記
偏差値は、バケットの開口が上方へ向かう速度の大きさ
を示すとも言える。
【0012】本発明によれば、バケットの開口が上方へ
向かう速度の変化量(バケットシリンダーの速度変化
量、或いはバケットの開口が上方へ向かう加速度)の、
バケットが地中を進行する速度と該偏差値との少なくて
も一方に対する比率を、バケットが地面の所定の箇所を
通過する時のバケットの開口が水平方向に対して形成す
る角度に応じて、変化させるので、即ち、バケットが地
面の所定の箇所を通過する時に、バケットの開口が上方
へ向かう程度が予定より大きく遅れていれば、バケット
の開口が上方へ向かう速度の変化量の、バケットが地中
を進行する速度と偏差値と、バケットの開口が上方へ向
かう速度との少なくても一方に対する比率を、より大き
く(バケットの開口が上方へ向かう加速度を正の値に
し、且つその比率の絶対値を大きくする)し、バケット
が地面の所定の箇所を通過する時に、バケットの開口が
上方へ向かう程度が予定より大きく進んでいれば、バケ
ットの開口が上方へ向かう速度の変化量の、バケットが
地中を進行する速度と該偏差値と、バケットの開口が上
方へ向かう速度との少なくても一方に対する比率を、よ
り小さくする(バケットの開口が上方へ向かう加速度を
負の値にし、且つその比率の絶対値を大きくする)の
で、バケットの地中での進行に対するバケットの開口が
上方へ向かう追従精度が向上し、該バケットの開口が上
方へ向かう速度が絶対値の大きな加速度で所定の値に近
づけられる。言い換えるなら、これまで(現在)の比率
では、バケットの開口が上方へ向かう程度が予定より大
きく遅れてしまうならば、現在(これから)の制御にお
いては、バケットの開口が上方へ向かう速度の変化量
の、バケットが地中を進行する速度と偏差値と、バケッ
トの開口が上方へ向かう速度との少なくても一方に対す
る比率を、これまで(現在)より以上に大きくし、これ
まで(現在)の比率では、バケットの開口が上方へ向か
う程度が予定より大きく進んでしまうならば、現在(こ
れから)の制御においては、バケットの開口が上方へ向
かう速度の変化量の、バケットが地中を進行する速度と
偏差値と、バケットの開口が上方へ向かう速度との少な
くても一方に対する比率を、これまで(現在)より以上
に小さく(バケットの開口が上方へ向かう加速度を負の
値にし、且つその比率の絶対値を大きくする)し、該バ
ケットの開口が上方へ向かう速度を所定の値に近づけつ
つ、スティックの動作にバケット動作を強力に追従させ
る。
【0013】
【実施例】図1に示されるように、下部走行体1上に上
部旋回体2が旋回自由に取り付けられている。フロント
部3はブーム4、スティック5、バケット6を回動自在
に連結して構成されており、フロント部3の動作は全て
油圧シリンダ7,8,9により達成される。ブーム4、
スティック5及びバケット6が回動する角度を検出する
角度検出機11,12,13がそれぞれの支点ピンに取
り付けられている。また、ブームシリンダ7には、その
伸び側、縮み側圧力を検出する圧力検出器14,15が
設けられており、スティックシリンダ8には、その非ロ
ッド側(シリンダを伸ばすための油圧が供給される側)
の圧力Ps を検出する圧力検出器16が設けられてい
る。
【0014】角度検出器11,12,13の出力は、バ
ケット位置算出手段53に入力される。バケット位置算
出手段53はバケット角算出手段53aとバケット先端
位置算出手段53bとで構成されており、バケット角度
算出手段53aによる幾何学的な計算でバケットの水平
面に対する角度phi を算出し、バケット先端位置算出手
段53bによる幾何学的な計算でバケット先端の位置Y
tip が計算される。なお、本実施例におけるバケット角
phi とバケット先端位置Ytip の定義は、図7に示され
る。バケット角phi はバケットの支点ピンからバケット
先端に伸ばした直線と水平軸との成す角であり、バケッ
ト先端位置Ytip は一回の掘削の最も深い点と下部走行
体までの高さとした。
【0015】スティック圧検出手段16の出力はスティ
ック圧偏差、変化量算出手段51に入力され、角度検出
器12,13の出力はそれぞれに対応して設けられたシ
リンダ速度変換手段52に入力される。上記変換手段5
2ではスティック角とバケット角の制御刻み時間当りの
変化量から、スティックシリンダ速度Vst及びバケット
シリンダ速度Vbkが算出される。
【0016】算出手段51では設定圧入力手段55から
入力したスティック圧設定値Pset(目標とする掘削反
力に対応)に対する測定されたスティック圧Ps の偏差
ΔPst(=Ps −Pset )とスティック圧の時間経過に
対する変化量であるスティック圧変化量ΔPst’(=Δ
Pst/Δt)が算出される。上記変化量はスティック圧
力Ps の時間経過に対する勾配に相当する。上述のステ
ィック圧偏差ΔPst、スティック圧変化量ΔPst’、バ
ケット位置算出手段53からのバケット角phi及びバケ
ット先端位置Ytip は演算手段56の中のブーム操作用
制御ルール群演算手段56aに入力される。また、上述
のスティックシリンダ速度Vst、バケットシリンダ速度
Vbk、バケット角phi 及びバケット先端位置Ytip は5
6中のバケット操作用制御ルール群演算手段56bに入
力される。更にバケット角phi はスティック操作設定手
段56cに入力される。
【0017】前記ブーム用演算手段56aからはブーム
操作用流量制御弁への指令値Jbm(流量制御弁の開度を
指令)の変化量ΔJbm(流量即ちブーム速度の変化量、
即ち加速度に対応)が出力され、前記バケット用演算手
段56bからは予め設定したバケット操作用流量制御弁
への指令値(流量制御弁の開度を指令)の基準値に対す
るバケット操作用流量制御弁への実際の指令値の割合で
ある操作率γJbk(流量即ちバケット速度の変化率、即
ち加速度に対応)が出力される。ΔJbmが正の値である
時、ブームに上方への加速度を加え、ΔJbmが負の時、
ブームに下方への加速度を加えるとする。また、スティ
ック操作設定手段56cからはスティック操作用流量制
御弁への指令値Jst自身が出力されるようになってい
る。ブーム操作量算出手段57には前記ブーム用演算手
段56aからのブーム操作用流量制御弁への指令値の変
化量ΔJbmが入力され、ブーム操作量Jbmを出力する。
バケット操作量算出手段58には前記バケット用演算手
段56bからの操作率γJbkが入力され、バケット操作
量Jbkを出力する。判定手段59には、ブーム操作量演
算手段57からの出力Jbm、バケット操作量演算手段5
8からの出力Jbk、スティック操作設定手段56cから
の出力Jst、バケット位置算出手段からの出力値(バケ
ットの位置及び姿勢に対応)、ブームシリンダ7の非ロ
ッド側とロッド側圧力Pb1、Pb2及び入力手段であるコ
ンソール60からの信号が入力され、バケットの着地判
定、掘削開始時の指令値出力、掘削中の指令値出力、掘
削終了の判定とその時の指令値出力を行う。
【0018】54は記憶手段(メモリ)であり、この記
憶手段54には図2と図3に例として示す制御ルール及
び図4と図5に例として示す関数が格納されている。図
2はブーム操作用制御ルール群演算手段56aに適用さ
れるルール群であり、(a)部に示す掘削域のルール群
BM1と(b)部に示す土取り込み域のルール群BM2
とで構成されている。図3はバケット操作用制御ルール
群演算手段56bに適用されるルール群であり、(a)
部に示す掘削域のルール群BK1と(b)部に示す土取
り込み域のルール群BK2とで構成されている。また、
スティック操作設定手段56cに適用した関数が図5で
あり、本例ではバケット角phi に対してスティック操作
量Jstを一義的に設定する一次関数を示している。
【0019】図2の(a)部に示すルール群BM1を例
にして、ルールの表現の仕方を簡単に説明する。図では
表形式でルールを表しているが、これは次に示すよう
に、if〜、then〜形式に表現したものと同じである。
【数1】if(phi is PB)and (ΔPst is
PB)and (ΔPst’ is NB) then(ΔJbm
1 is ZO) (上記ルールは図2(a)部中の網掛けを施した部分に
相当する。) ルール中、PBは Positive Big (正・大)、PMは P
ositive Medium(正・中)、PSは Positive Small
(正・小)、ZOは ZERO (ゼロ)を表し、ルール中、
NBは Negative Big (負・大)、NMは Negative Me
dium(負・中)、NSは Negative Small (負・小)を
表している。PB、NB等をラベルと呼んでいる。ΔP
st’はΔPstの制御刻み時間当りの変化量である。ま
た、前記図2と図3で示したラベルを用いた制御ルール
を定量的に表現するために、図4の(a)部と(b)部
に示したようなメンバーシップ関数を用いる。
【0020】次に、本発明の作用を演算手段56、算出
手段57,58及び判定手段59を中心に説明する。ま
ず、演算手段56の作用を具体的に示すが、ここでは演
算手段56aのルール群BM1、BM2を例に、図6を
参照にして示す。図6は図2の(a)部のルール群BM
1の1つ(表の右下)と(b)部のルール群BM2の1
つ(表の左下)の場合を示しており、if〜then〜形式で
表現すると次のようになる。 「ルール群BM1」
【数2】if(phi is PB)and (ΔPst is
PB)and (ΔPst’ is PB) then(ΔJbm
is PB) 「ルール群BM2」
【数3】if(phi is PM)and (Ytip is P
S)then(ΔJbm is PM) 図6の左(ルール前件部)の「ルール群BM1 」におい
て、各ラベルに対応するメンバーシップ関数の値を入力
データ、phi、ΔPst、ΔPst’からそれぞれ求め、
これらの3つのメンバーシップ値の内の最も小さい値を
選択する(Min演算)。「ルール群BM2」の前件部
に関しても同様にして、各ラベルに対応するメンバーシ
ップ関数の値を入力データ、phi、Ytip から求め、
それらの最小値を選択する。次いで、図6の右側(ルー
ル後件部)の各メンバーシップ関数を前述の前件部で算
出した最小値のメンバーシップ関数に基づいて修正する
(修正後のメンバーシップ関数は図6中で実線で示して
いる)。「ルール群BM1」「ルール群BM2」の後件
部ともに前述の補正処理を行う。この補正後の各メンバ
ーシップ関数全てを対象にして、その加重平均値を求
め、上記加重平均値をファジイ制御の出力、即ち制御ル
ール群の演算手段56aの出力値ΔJbmとする。なお、
上述の説明はルール群BM1とルール群BM2とからそ
れぞれ1つのルールを抽出して演算手段56の作用を概
説したものであるが、具体的には図2の(a)部と
(b)部で示した全てのルールに関して演算を行うこと
になる。すなわち、ルール群BM1に関しては、(ph
i is PB)1つ×(ΔPstis NB〜PB)の5つ
×(ΔPst’ is NB〜PB)の5つ、の合計25個
のルールの各々に関して前件部メンバーシップ関数の値
を求め、それぞれのルールでの上記メンバーシップ関数
の最小値を求め、上記最小値でそれぞれのルール後件部
のメンバーシップ関数を修正する。(即ち、合計25個
の修正されたルール後件部メンバーシップ関数を得
る。)ルール群BM2に関しても同様に、(phiis
ZO〜PM)の3つ×(Ytip is PS〜PB)の3
つ、の合計9個のルールの各々に関して前件部メンバー
シップ関数の値を求め、それぞれのルールでの上記メン
バーシップ関数の最小値を求め、上記最小値でそれぞれ
のルール後件部のメンバーシップ関数を修正する。(即
ち、合計9個の修正されたルール後件部メンバーシップ
関数を得る。)そして、修正された後件部メンバーシッ
プ関数(25個+9個)全てを対象にして、上記メンバ
ーシップ関数の加重平均値を求め、上記加重平均値をフ
ァジイ制御の出力とするものである。
【0021】バケット操作用制御ルール群の演算手段5
6bの処理方法も前述と同様であるが、本例では入力デ
ータにスティック、バケットシリンダ速度比γst、γbk
を使用している。上記速度比は次式で定義している。
【数4】γst=Vst/V* st
【数5】γbk=(Vbk/V* bk)-1 ここに、Vst、Vbkはスティック、バケットシリンダ速
度 V* st、V* bkは予め設定した、スティック、バケット
シリンダの基準速度 また、演算手段56bの出力は、バケット操作流量制御
弁への基準指令値J*bkに対する操作率γJbkである。
【0022】図2と図3に示すルール群に、共に使用さ
れるデータは、バケット角phi であり、それらの(a)
部に示す掘削域のルール群でのそのラベルは、“PB”
(ifphi is PB)と成っている。これに対し、
(b)部に示す土取り込み域のルール群ではバケット角
phi に対して、PM〜ZOまで使用している。即ち、掘
削中バケット角phi が比較的大きい範囲においては掘削
域のルール群BM1、BK1が適用されるが、掘削の後
半、バケット角phi が小さくなると土取り込み域のルー
ル群BM2、BK2が適用されることになる。このよう
にバケット角phi によって適用されるルール群が推移す
ることになるため、掘削動作を主とする領域を掘削土を
取り込む動作を主とする領域が連続的に切り替わること
になる。
【0023】ここで、図2において、(a)部に示した
ブーム操作の掘削域のルール群BM1は、スティックシ
リンダ圧Ps が設定圧Pset に追従するように(なるべ
くそれらの差が小さくなるように)ブームを操作するル
ールであり、(b)部に示した土取り込み域のルール群
BM2はバケット角phi が小さくなるとブーム操作流量
制御弁への指令値の変化量(ブームシリンダの加速度)
も減らすが、バケット先端の深さYtip が深くなるほど
(PB)、バケットを引き上げながら掘削させるため
に、深さYtip が浅い(PS)時より相対的にブーム操
作流量制御弁への指令値の変化量の全体を大きくしてい
る(PS→PM、PM→PB)。
【0024】図3において、(a)部に示した操作の掘
削域のルール群BK1は、スティック速度が十分速い
(PB)のときはバケット速度が基準速度を維持するよ
うにバケットを操作し、スティック速度が低下(PS)
したらバケット操作速度もその分低下させるようにした
もので、スティックの動き(速度)に応じてバケットを
操作するルール群である。(b)部に示した土取り込み
域のルール群BK2は前述のルール群BM2と同様な考
えのもとにバケット角phi とバケット先端の深さYtip
に対してバケットを操作するルールとなっている。
【0025】図5はスティック流量制御弁への指令値
(流量制御弁の開度に対応)の設定関数であるが、掘削
動作によりバケット角phi が小さくなるとスティック操
作流量制御弁への指令値Jstを小さくしている。これ
は、土取り込み域ではスティックによる掘削速度を低下
させ、うまく土を取り込ませること、掘削終了時の停止
ショックを低減すること、等の理由によるものである。
【0026】図1におけるブーム操作量算出手段57で
は演算手段56aからの出力ΔJbmを入力し、次の式を
用いてブーム操作量Jbmを算出する。
【数6】Jbm(k) =Jbm(k-1) +ΔJbm(k) ・Δt ここに(k)は現在のステップを(k−1)は前ステッ
プを表しており、またΔt は制御刻み時間である。この
ように、演算手段56aからの出力と制御刻み時間との
積算値を前ステップの操作量に加算していく。図1にお
けるバケット操作量算出手段58では演算手段56bか
らの出力γJbkを入力し、次の式を用いてバケット操作
量Jbkを算出するものである。
【数7】Jbk(k) =J* bk(1+γJbk) ここに、J* bkはバケット基準操作量である。
【0027】ブーム、スティック及びバケットの各シリ
ンダについての最終的な操作指令値は判定手段59に入
力される。また、上記判定手段59には、ブームシリン
ダの反ロッド側圧力検出器14、ロッド側圧力検出器1
5の信号、バケット位置算出手段53からの出力(バケ
ット先端位置)が入力される。また、判定手段59には
更にコンソール(入力手段)60を用いて掘削作業の開
始位置が入力される。コンソール60と判定手段59と
は直接つなげる例をここで示しているが、遠隔で判定手
段59に入力しても良い。
【0028】判定手段59による処理は図16に示され
るような手順により実行される。即ち、オペレータによ
り掘削開始位置DPが入力され(ステップ401)、自
動運転の開始があったならば(ステップ402)、バケ
ット先端位置検出手段53により算出される実際のバケ
ット先端位置BPを掘削開始位置DPに移動させる(ス
テップ403)。更に、バケットが掘削地面に着地した
かどうかをブームシリンダの反ロッド側圧力検出器14
の検出圧Pb1とロッド側圧力検出器15の検出圧Pb2と
の差圧で判断する。即ち、Pb1<Pb2のときバケットが
着地したと判断する(ステップ404)。次に、バケッ
ト着地後Δt秒間ブーム、スティック、バケットに初期
指令値を出力する(406)。例えば、スティックの操
作量は通常100%であるのでその値を初期指令とし、
ブームは掘削開始時操作しないためその初期指令値は0
%、バケットは掘削開始時少し操作を行うのでその初期
指令値は20%というふうに出力する。
【0029】バケット着地後Δt秒をこえる(405)
と、ブーム操作手段57、バケット操作手段58及びス
ティック操作設定手段56cという本発明の制御ルール
に基づいた各流量制御弁への指令値を出力する(40
7)。この指令値に基づいて各シリンダ駆動手段により
各シリンダに油圧の供給が成される。なお、本発明の実
施例ではスティック操作指令は図2や図3に示されるル
ールに類似するルールに基づいたものとしていないが、
これはスティック操作指令を簡単にするためであり、フ
ァジー制御ルール形式でも指令は可能である。そこで、
スティック操作も総括して前記ステップ407に入れて
いる。次に、バケット先端位置算出手段53bから現在
のバケット先端位置BPを受け取り(408)、該バケ
ット先端位置BPが地表面より上にきたかどうかを判定
し(ステップ409)、地表面より下である場合にはス
テップ407に戻り操作指令値の出力を繰り返す。ステ
ップ409において現在のバケット先端位置BPが地表
面より上にきた場合、従来の軌跡制御と同様の制御によ
りバケット6が土をこぼさないように所定の位置に移動
され、排土が行われ(410)、ステップ401に戻
る。なお、上述のステップ408において、バケット先
端位置BPを使用せず、バケット角算出手段53aから
のバケット角phi を用い、ステップ409においてバケ
ット角phi が水平となったときを自動掘削の終了とみな
し、ステップ410に移っても良い。
【0030】前記スティックシリンダの設定圧は入力手
段55で行い、掘削土質が堅い時、スティック掘削力を
大きくするために上記設定圧を高くすることにより、土
質に応じた自動掘削を行うことができる。また、前記入
力手段による設定を遠隔或いは自動で行っても良い。な
お、上述した実施例においては、位置検出手段として各
ピンの回転角を検出する角度検出器11,12,13を
用いているが、本発明はもちろんこれに限定されるもの
ではなく、ブームシリンダ7、スティックシリンダ8、
バケットシリンダ9の伸縮量を検出する位置検出器を用
いてその位置を検出しても良い。
【0031】図9は、ブーム操作用第1調整手段200
(a)における調整ルールの例を示したものである。上
記手段200(a)の入力はΔPst及びΔPst' として
も良いし、下述の圧力偏差ave ΔPstと圧力変化量dP
stを使用しても良い。ここでは、ave ΔPstとdPstを
使用する場合について説明するが、ΔPst及びΔPst’
を使用しても、同様の処理が可能である。ave ΔPst
は、所定の時間内又は所定のバケット又はスティック移
動量内においての、微小時間サイクル又は微小移動量毎
に測定されたΔPstの単純平均値であっても良いし、加
重平均値であっても良い。dPstは、直前に測定された
ave ΔPst(orΔPst)と現在測定されているave ΔP
st(orΔPst)との差でも良いし、前記所定の時間又は
移動量内において測定された複数のΔPstの差(例え
ば、最大値と最小値との)であっても良い。
【0032】図9中に示した後件部の記号“η**”中の
**は、図2の(a)部に示した、ルール群BM1の後件
部のラベル(“NS”,“NM”等)に相当する。そし
て、ηNB=PBとは図2の(a)部に示したルール群B
M1の後件部のラベル“NB”の程度を表わすメンバー
シップ関数の重心位置(原点からの距離)を“PB”す
なわち拡大する(P)よう大きく(B)調整することを
意味する。(後件部の負のラベルに対応するメンバーシ
ップ関数を示す実線を左に大きくずらす。次の掘削領域
又は次の掘削サイクルに入っても、ずらせたままでも良
い。)ηNS=−とはルール群BM1の後件部のラベル
“NS”の程度を示すメンバーシップ関数の重心位置を
本調整手段の対象からはずすことを意味する。また、ル
ール群BM1の後件部のラベルが負すなわちNS,N
M,NBであるルールに適用する調整ルールを図9の
(a)部に、ルール群BM1の後件部のラベルが正すな
わちPS,PM,PBであるルールに適用する調整ルー
ルを図9の(b)部に示している。尚ηNB=NBなら、B
M1の後件部のラベル“NB”の程度を表わすメンバー
シップ関数を示す実線を、原点に向けて(N)大きく
(B)ずらすことを意味する。
【0033】図8の(a)部は設定圧に対するスティッ
ク圧の変化(掘削力の大きさの変化に対応)を概念的に
示したものである。スティック圧を目標値(ここでの設
定圧)に近づけるよう制御した場合、実際のスティック
圧は図8の(a)部のような変動を示す。図8の(a)
部に示される変化を次のように4つの領域に分けるもの
とする。 領域:スティック圧の偏差ΔPstはほぼゼロ、変化量
ΔPst' は負で大きい 領域:スティック圧の偏差ΔPstは負で大きく、変化
量ΔPst' はほぼゼロ 領域:スティック圧の偏差ΔPstはほぼゼロ、変化量
ΔPst' は正で大きい 領域:スティック圧の偏差ΔPstは正で大きく、変化
量ΔPst' はほぼゼロ 図8の(b)部には、前記領域〜にほぼ対応する後
件部のラベルのグループを示している。図8の(a)部
と対応づけると分かるように、図8の(b)部中の領域
はから順次左回りに状態が変化していることが分か
る。図9にも前記と同様の領域〜に対応するルール
後件部を網掛けを施して示している。
【0034】例えば、図9の領域に対応する調整ルー
ルは次のようなルールの表現になる。
【数8】if(ave ΔPst is PB)and (dPst i
s ZO) then(ηNS is PB),(ηNM is PB) 図4に示したようなメンバーシップ関数を用い、図9の
(a)部と(b)部の各々に示される前件部と後件部と
の間のルールの全てに関して、図6に示したような方法
で演算を行ない、ave ΔPstとdPstとから、ブーム操
作の掘削域のルール群BM1の後件部メンバーシップ関
数に対する定量的な調整量ηneg ,ηpos をそれぞれ算
出する。ここに、ηneg は掘削域のルール群BM1後件
部のラベルが負である時の、当該ラベルの程度を表わす
メンバーシップ関数の調整程度を示し、ηpos は同ラベ
ルが正である時の当該ラベルの程度を表わすメンバーシ
ップ関数の調整程度を示す。
【0035】そして、下に示すように、前記調整量ηne
g ,ηpos に応じて、ルール群BM1の後件部メンバー
シップ関数の重心位置(原点からの距離)を調整する
(後件部のメンバーシップ関数を示す実線を左右にずら
す。次の掘削領域又は次の掘削サイクルに入っても、ず
らせたままでも良い。)。
【数9】GnegLB' =GnegLB(1+ηneg)
【数10】GposLB' =GposLB(1+ηpos) ここに、“G”は、掘削域のルール群BM1後件部のラ
ベルの程度を表わすメンバーシップ関数の重心位置を示
し、左辺のGは、修正された又はこれから使用する重心
位置に対応し、右辺のG’が、これまでの又は所定の重
心位置に対応する。negLB は、ルール群BM1の後件部
のラベルが負(NS,NM,NB)である時の重心位置
であることを示し、posLB は、同ラベルが正(PS,P
M,PB)である時の重心位置であることを示す。
【0036】上記式より、ηneg あるいはηpos が正で
大きい場合、ルール群BM1の後件部メンバーシップ関
数の重心位置Gneg あるいはGpos を大巾に大きくする
(後件部のラベルの程度を表わすメンバーシップ関数を
大きく原点から離す。)、すなわちゲインを大巾に大き
くすることになる。逆にηneg あるいはηpos が負で大
きい場合(但し,≧−1)、ルール群BM1の後件部の
メンバーシップ関数の重心位置Gneg あるいGpos を大
巾に小さくする(後件部のラベルの程度を表わすメンバ
ーシップ関数を大きく原点に近づける。)、すなわちゲ
インを大巾に小さくすることになる。
【0037】次に、本発明のブーム操作用第1調整手段
200(a)における作用を説明する。図9中の領域
で測定されるave ΔPstとdPstに対する調整ルールの
後件部はηNB=PBであり、これは図8中の領域にお
いて重要な演算対象となるルール群BM1の後件部のメ
ンバーシップ関数の調整に適用されるが、領域におい
て演算対象となる同メンバーシップ関数には影響を与え
ない。図9中の領域で測定されるave ΔPstとdPst
に対する調整ルールの後件部はηPS=PB,ηPM=PB
であり、これは図8中の領域において重要な演算対象
となる同メンバーシップ関数の調整に適用される。図9
中の領域で測定されるave ΔPstとdPstに対する調
整ルールの後件部はηPB=PBであり、これは図8中の
領域において重要な演算対象となる同メンバーシップ
関数の調整に適用される。図9中の領域で測定される
ave ΔPstとdPstに対する調整ルールの後件部はηNS
=PB,ηNM=PBであり、これは図8中の領域にお
いて重要な演算対象となる同メンバーシップ関数の調整
に適用される。
【0038】本発明のブーム操作用第1調整手段200
(a)では、重要(制御安定性及び制御精度のために)
な演算対象となる制御ルール群BM1の後件部メンバー
シップ関数の重心位置を、上記のように前もって、調整
しておく。例えば領域で偏差ave ΔPstが大きくなる
と領域で重要な演算対象となる掘削制御ルール群BM
1のルール後件部のメンバーシップ関数の重心位置を予
め領域で決定しておく(ここでは、領域で適用され
るルール後件部の重心位置を大きく拡大する(PB)、す
なわちゲインを大きくする)ことができるため、実際に
領域に至った場合、圧力変化量を小さくすることがで
きスムーズな制御を実現することができる。言い換える
ならば、ave ΔPst及びdPst(又はΔPst及びΔPs
t’)の状態から、これから重要となる(及び/又は現
在重要な)制御群BM1の後件部メンバーシップ関数を
選択し、その重心位置すなわちゲインを、予め調整して
おくのである。他の領域に関しても、順次次ぎの領域で
適用される掘削制御ルールBM1の後件部の重心位置を
予め調整しておくことができることは当然である。
【0039】油圧ショベルにとっては、掘削反力は外乱
要素となり、また掘削中に地山がどのような土質状態か
を認識することは困難である。従って、上記不確定な外
乱要素により、少しの間は圧力偏差、変動等の制御性が
悪化することはやむを得ないことである。しかし、本発
明の第1の調整手段200(a)を用いれば、前記制御
性の悪化後の修正操作が可能になるため、その後は制御
性の良い掘削制御を可能にすることができる。
【0040】図9の(a)部において、偏差ave ΔPst
がNBの場合、ηNS=PM,ηNM=PMとし、(b)部
において、偏差ave ΔPstがPBの場合、ηPS=PM,
ηPM=PMとしている。これは、掘削力ハンチング中の
前述の領域〜を想定しての考え方とは異なり、設定
圧に対する偏差が大きすぎるため、その時点で制御ルー
ルBM1の後件部、即ち前記(a)部の場合、後件部ラ
ベルNSとNMのメンバーシップ関数の重心位置(原点
からの距離)、前記(b)部の場合、後件部ラベルPS
とPMのメンバーシップ関数の重心位置を調整する(こ
こでの例ではηNS=PMとしているため、後件部ラベル
NSの程度を表わすメンバーシップ関数に対するゲイン
(原点とメンバーシップ関数との距離)を中ぐらい大き
くする)。このように、スティック圧の偏差ave ΔPst
が大きくなった場合、その時点で制御安定性や制御精度
に重要な掘削制御ルールBM1の後件部メンバーシップ
関数のゲイン調整も即時に行うため、制御偏差を低減す
ることも可能になる。即ち、本発明によれば、次に重要
となるメンバーシップ関数だけではなく、現在重要なメ
ンバーシップ関数についても、ゲイン調整を行う。
【0041】図10は本発明のブーム操作用第1調整手
段200(a)の効果を確認するために行った試験結果
であり、図10(a)部は本調整手段を使用しない場
合、図10(b)部は本調整手段を使用した場合であ
る。なお、掘削対象の土質は両者とも同程度である。調
整手段200(a)を用いない図10(a)部では、ス
ティック圧Pstは設定圧Pset に対して大きく変化して
おり、ブーム操作量Jbmはほぼ直線的に上下している。
これに対し、図10(b)部では調整手段200(a)
を適用したため、ブーム操作量Jbmの動きは機敏にな
り、それにともなってスティック圧Pstは設定圧Pset
に追従するように制御されている。掘削土量に関して
は、図10(b)部の方が図10(a)部より多いこと
は確認済みである。
【0042】図12は、ブーム操作用第2調整手段20
0(b)における調整ルールを示したものである。図1
1はスティックの設定圧に対するスティック圧の時間の
経過に応じた変化を示したものである。図11におい
て、スティック圧偏差ΔPstのゼロ点付近の微少値を除
去するための不感帯閾値±εpを設けている。前記閾値
±εpを越えるスティック圧がしめる領域を斜線で示
す。+εpと正の領域の圧力波形で囲まれる、斜線で示
した部分の面積の総和を(A+)totalとし、−εpと負の
領域の圧力波形で囲まれる、斜線で示した部分の面積の
総和を(A-)totalとする。前記面積は、スティック圧の
偏差(ΔPst−εp)をサンプリング時間Δtで積分し
て得られる。
【0043】そして、前記面積の総和(A+)totalと(A
-)totalより次式の比率σaを求める。
【数11】 ここに、(A+)total, (A-)totalは、それぞれ偏差が+
側、−側の面積の総和。もし、(A+)totalと (A-)total
とが等しければ、σa=0になり、スティック圧が常に
設定圧より大きければ、 (A-)total=0になるため、σ
a=0.5となる。即ち、σaは−0.5から+0.5
の間の値をとるようになる。こうして前記σaはスティ
ック圧の設定圧に対する全体的な片寄りの度合いを示す
特徴量の一つになる。ここでは、σaが0に近いほど片
寄りが少なく、良好であるとする。
【0044】次に、図11中の所定の時間中の各斜線部
の数、Ntを求める。図11の例ではNtは5となる。
前記の数NtはΔPstが+εp以上(−εp以下)の状
態から次に−εp以下(+εp以上)になったかを判定
すれば容易にカウントすることができる。
【0045】図12は、図2の(a)部に示したブーム
操作の掘削域ルール群BM1の後件部ラベルの程度を表
わすメンバーシップ関数の重心位置に対する、本発明の
第2調整手段200(b)による調整ルールの例であ
る。図11からも分かるように、本第2調整手段200
(b)による前記メンバーシップ関数の調整は、一回の
掘削が終わった後に実行されて次の掘削に適用されても
良いし、次の掘削領域の制御に適用されても良い。
【0046】図12の調整ルールにおいて、掘削域のル
ール群BM1の後件部のラベルが負(N)の場合、図1
2中の(a)部が適用され、ルール群BM1の後件部の
ラベルが正(P)の場合、図12中の(b)部が適用さ
れる。すなわち、図12の(a)部の調整ルールによる
出力ηneg は、掘削制御ルールBM1後件部の負のラベ
ルの程度の表わすメンバーシップ関数の重心位置の調整
に対して次のように適用される。
【数12】GLB(L+1) = GLB(L)(1+ηneg) ここに、LBはラベルの総称であり、NS,NM,NB
に対応する。また、(L)はこれまでの掘削の回数(又
は掘削領域)を意味しており、左辺の(L+1)は次の
掘削(又は掘削領域)ではメンバーシップ関数の重心位
置が変更されていることを意味している。同様に、図1
2の(b)部の調整ルールによる出力ηpos は、制御ル
ールBM1後件部の正のラベルの程度を表わすメンバー
シップ関数の重心位置の調整に対して次のように適用さ
れる。
【数13】GLB(L+1) = GLB(L)(1+ηpos) ここに、LBはラベルの総称であり、PS,PM,PB
に対応する。図4に示したようなメンバーシップ関数を
用い、図12の(a)部と(b)部の各々に示される前
件部と後件部との間のルールの全てに関して、図6に示
したような方法で演算を行ない、σaとNtとから、ル
ール群BM1の後件部メンバーシップ関数に対する定量
的な調整量ηneg とηpos をそれぞれ算出する。
【0047】次に、本発明のブーム操作用第2調整手段
200(b)における作用を説明する。図12におい
て、比率σaが“NB”(マイナスであり絶対値大き
い)の場合、図11における斜線で示した面積が下半分
に多くしめることを意味する。これはブーム操作の変化
量ΔJbmが負の値である時のΔJbmのΔPst及び/又は
ΔPst’に対するゲイン(比率)が小さく、ΔJbmが正
の値である時のΔJbmのΔPst及び/又はΔPst’に対
するゲインが大きかったため(即ちブームによる押しつ
けが少なくブームを上げすぎたため)と考えられる。そ
こで、図12中の(a)部に示される制御ルールBM1
の後件部の負のラベルの程度を表わすメンバーシップ関
数に対しては、その重心位置の調整量を“PS”(重心
位置を原点から離れるように少し拡大する)にして負の
ゲインを増加させ、(b)部に示される制御ルールBM
1の後件部の正のラベルの程度を表わすメンバーシップ
関数に対しては、その重心位置の調整量を“NS”(重
心位置を原点に近づくように少し減少させる)にして正
のゲインを減少させている。
【0048】これに対して、比率σaが“PB”(プラ
スであり絶対値大きい)の場合はその逆、すなわち制御
ルールBM1の後件部の負(N)のラベルに対応するメ
ンバーシップ関数に対しては原点に近づくように移動さ
せ、ΔJbmのΔPst及び/又はΔPst’に対するゲイン
を小さくし、正(p)のラベルに対応するメンバーシッ
プ関数に対しては原点から離れるように移動させ、ΔJ
bmのΔPst及び又はΔPst’に対するゲインを大きくす
る。
【0049】また、図12は図11のカウント数Ntを
考慮したルールも示す。カウント数が小さい“PS”の
場合は制御性は良好であるため、ルールの出力ηneg,η
posは主として比率σaの大きさに依存して決定され
る。カウント数Ntが大きい“PB”の場合、制御性が
良好ではなく、その原因は全体としてΔJbmのΔPst及
び/又はΔPst’に対する制御ゲインが大きすぎたため
と考えられる。そこで、カウント数Ntが大きい場合、
制御ルールBM1の後件部のラベルの程度を表わすメン
バーシップ関数の重心位置を原点に向けて近づけ、ΔJ
bmのΔPst及び/又はΔPst’に対するゲインを下げる
ようにしている。
【0050】具体的には、図12の(a)部において、
Ntが“PS”のときの出力ηnegがPS,ZOであっ
たものを、Ntが“PB”になると出力ηneg をそれぞ
れZO,NSにしており、図12の(b)部において、
Ntが“PS”のときの出力ηpos がNS,ZOであっ
たものを、Ntが“PB”になると出力ηpos をそれぞ
れZO,NSにして、全体の制御ゲインを小さくしてい
る。
【0051】このように、本発明のブーム操作用第2調
整手段200(b)によれば、各掘削(又は各掘削領
域)ごとに掘削ルールBM1全体の制御ゲインを調整す
るため、土質が全体的に変化してもスティック圧力の設
定圧に対する片寄り、変動数を低減することができ、土
質に応じた効率の良い掘削を行うことができる。なお、
掘削(又は掘削領域)中における土質の急激な変化に対
しては、前記の第一の実施例にて対応することができ
る。
【0052】図13と図14は本発明の第三実施例を示
し、バケット操作調整手段201に関するものである。
ここでは、まず図13に示したように、スティック設定
角θst1(バケットの地中における位置、即ち、掘削の
進行状態に対応)に対するバケット設定角θbk1を予め
設定しておく。上記設定角度θst1,θbk1の設定の仕
方は設計者の意向により自由であるが、ここでは掘削領
域から土取り込み域、すなわち積極的に掘削する動作か
ら今度は掘削した土をバケットを巻き込んで取り込む動
作に切り替わるときの、スティック角とバケット角との
間の所望の関係を前記設定角θst1,θbk1として決め
ておく。
【0053】一回の掘削(又は前の掘削領域)におい
て、実際のスティック角が前記設定角θst1に達したと
きのバケット角phi を検出し、上記phi と設定角θbk1
との差Δθbk(=phi −θbk1)を求め、さらに、次の
式を用いて誤差の比率ρを算出する。
【数14】 ρ>0であれば、スティックによるバケットの実際の巻
き込みが、所望の巻き込みより遅いことを意味し、ρ<
0であれば、スティックによるバケットの実際の巻き込
みが、所望の巻き込みより速いことを意味する。前者に
対しては、バケットが今より早く動くように調整し、後
者に対しては今より遅く動くように調整する。
【0054】本発明のバケット操作調整手段201が対
象とするのは、図3の(a)部に示したバケット操作で
あり、より具体的には、掘削域のルール群BK1の後件
部ラベルに対応するメンバーシップ関数である。そし
て、本手段201では、前記ルール群BK1の後件部の
ラベルが正(P)の場合と負(N)の場合とで個別に前
記ρに関する調整用関数を設定する。
【0055】図14の(a)部の関数は、ルール群BK
1の後件部の内の正ラベル(PS,PM,PB)に対応
するメンバーシップ関数の重心位置に対する調整率を前
記比率ρから算出するためのものであり、その出力をη
Bposとしている。図14の(b)部の関数は、ルール群
BK1の後件部の内の負ラベル(NS,NM,NB)に
対応するメンバーシップ関数の重心位置に対する調整率
を前記比率ρから算出するためのものであり、その出力
をηBnegとしている。
【0056】また、本調整手段201は、各掘削毎に定
められたθst1,θbk1に基づき、(又は、各掘削領域
ごとに定められたθst1,θbk1に基づき)バケットの
調整率ηBneg,ηBposを算出し、次のように各掘削(又
は掘削領域)ごとにバケットのルール群BK1の後件部
ラベルに対応するメンバーシップ関数の重心位置を調整
する。
【数15】Gbk LB(L+1) = Gbk LB(L)(1+ηneg)
【数16】Gbk LB(L+1) = Gbk LB(L)(1+ηpos) ここに、Gbkは図3に示されるようなバケットの制御ル
ール群の後件部ラベルの程度を表わすメンバーシップ関
数の重心位置(原点からの距離)であることを示す。L
Bは後件部ラベルの総称であり、右辺にηneg がある場
合、LBがNS,NM,NBである場合に使用し、右辺
にηpos がある場合、LBがPS,PM,PBである場
合に使用する。また、(L)はこれまでの掘削の回数
(又は掘削領域)を意味しており、左辺はこれからの掘
削(又は掘削領域)で重要となるバケット制御ルール群
BK1の後件部ラベルの程度を表わすメンバーシップ関
数の重心位置を示す。
【0057】図15は図14に示した関数を使用した場
合における、バケットの制御ルール群BK1の後件部メ
ンバーシップ関数の重心位置の変化を概念的に示したも
のである。図15の(a)部はρ<0即ち、巻き込みが
所望より速い場合を示し、この場合、図14より、ηBp
osは負の値となりηBnegは正の値になる。すなわち、制
御ルールBK1の後件部において、正のラベルに対応し
たメンバーシップ関数の重心位置を原点に向けて左側に
シフトさせ(ゲインを下げ)、負のラベルに対応したメ
ンバーシップ関数の重心位置を原点から離れるよう左側
にシフトさせる(ゲインを上げる)ことにより、制御ル
ールBK1の後件部全体のバケットを上方へ加速するた
めのゲインを低下させることができる、すなわち、ステ
ィックの進行に対してバケット操作を遅くする(バケッ
トの動作を減速させる)ことになる。
【0058】図15の(b)部はρ>0即ち、巻き込み
が所望より遅い場合を示し、この場合、図14より、η
Bposは正の値となりηBnegは負の値になる。すなわち、
制御ルールBK1の後件部において、正のラベルに対応
したメンバーシップ関数の重心位置を原点から離れるよ
う右側にシフトさせ(ゲインを上げ)、負のラベルに対
応したメンバーシップ関数の重心位置を原点に向けて右
側にシフトさせる(ゲインを下げる)ことにより、制御
ルールBK1の後件部全体のバケットを上方へ加速する
ためのゲインを増加させることができる、すなわち、ス
ティックの進行に対してバケット操作を速くする(バケ
ットの動作を加速させる)ことになる。
【0059】このように、本発明のバケット操作用調整
手段201によれば、各掘削(又は掘削領域)ごとに掘
削ルールBK1の後件部全体の制御ゲインを調整するた
め、掘削(又は掘削領域)ごとに土質が全体的に変化し
ても掘削土を取り込むタイミング、すなわちバケット角
を所定の角度になるように自動的に調整することがで
き、掘削した土を十分バケットに取り込むことが可能に
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による油圧ショベルの主要な構成を示
す、概略図。
【図2】本発明による、ブーム操作流量制御弁への指令
値変化を決定する、ファジー制御ルール群を示す、表。
【図3】本発明による、バケット操作流量制御弁への指
令値を決定する、ファジー制御ルール群を示す、表。
【図4】本発明によるファジー制御に使用される、測定
値評価の為のメンバーシップ関数(a部)と、それによ
り決定された評価値に基づき油圧シリンダー指令値(又
は指令値変化量)を決定する為のメンバーシップ関数
(b部)を示す、線図。
【図5】本発明における、バケット角度とスティック操
作流量制御弁への指令値との関係を示す、線図。
【図6】本発明における、測定値評価の為のメンバーシ
ップ関数と、それにより決定された評価値に基づき油圧
シリンダー指令値(又は指令値変化量)を決定する為の
メンバーシップ関数とを使用する際の、データ処理方法
の一例を示す、線図。
【図7】本発明における、バケットの位置と姿勢を測定
する基準を示す、概略図。
【図8】調整領域〜と堀削域のルール群BM1との
対応を示した説明図。
【図9】ブーム操作用第2調整手段における調整ルール
の例を示した説明図。
【図10】本発明の第一の実施例を使用した場合の試験
結果を示すグラフ。
【図11】スティック圧の設定圧に対する偏差、偏差の
正負領域の面積と変動数を示した説明図。
【図12】ブーム操作用第2調整手段における調整ルー
ルのもう一つの例を示した説明図。
【図13】スティック設定角とバケット設定角に関する
説明図。
【図14】バケット操作調整手段における調整ルールを
示した説明図。
【図15】バケット制御の後件部ラベルに対応するメン
バーシップ関数の重心位置の変化を説明した図。
【図16】本発明による制御を組み込んだ、油圧ショベ
ル制御シーケンスの全体構成の概略を示す、フローチャ
ート。
【符号の説明】
1 下部走行体 2 上部旋回体 4 ブーム 5 スティック 6 バケット 7 油圧シリンダー 8 油圧シリンダー 9 油圧シリンダー 11 角度検出器 12 角度検出器 13 角度検出器 14 圧力検出器 15 圧力検出器 16 圧力検出器 200 ブーム操作用調整手段 201 バケット操作用調整手段

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブームとスティックとバケットと、ブー
    ムをその上に支持して地上を走行する走行体と、を有す
    る油圧ショベルであり、 地面を掘削するようバケットが地中を進行する掘削時に
    バケットが地面から受ける掘削反力の大きさと、該掘削
    反力の大きさの時間経過に対する増加割合との少なくて
    も一方を測定する装置と、 該掘削反力の大きさと掘削反力の大きさの時間の経過に
    対する増加割合との少なくても一方に応じてブームの回
    動角度又は回動速度を変化させ、該掘削反力の大きさと
    掘削反力の大きさの時間の経過に対する増加割合との少
    なくても一方が大きければ、ブームはバケットの進行方
    向を上方へ向かって偏向させ、該掘削反力の大きさと掘
    削反力の大きさの時間の経過に対する増加割合との少な
    くても一方に応じて、ブームがバケットの進行方向を上
    方へ向かって偏向させる量を変化させる制御装置とを有
    し、 該制御装置は、該ブームがバケットの進行方向を上方へ
    向かって偏向させる量の、該掘削反力の大きさと掘削反
    力の大きさの時間の経過に対する増加割合との少なくて
    も一方に対する比率を、該掘削反力の大きさと掘削反力
    の大きさの時間の経過に対する増加割合との少なくても
    一方に応じて、変化させる、油圧ショベル。
  2. 【請求項2】 該制御装置は、該ブームがバケットの進
    行方向を上方へ向かって偏向させる量の、該掘削反力の
    大きさと掘削反力の大きさの時間の経過に対する増加割
    合との少なくても一方に対する比率を、掘削の進行に伴
    って又は掘削の繰り返し毎に見直して、順次、該掘削反
    力の大きさと掘削反力の大きさの時間の経過に対する増
    加割合との少なくても一方に応じて変化させていく、請
    求項1に記載の油圧ショベル。
  3. 【請求項3】 ブームとスティックとバケットと、ブー
    ムをその上に支持して地上を走行する走行体と、を有す
    る油圧ショベルであり、 地面を掘削するようバケットが地中を進行する掘削時に
    バケットが地面から受ける実際の掘削反力の大きさと、
    該実際の掘削反力の大きさの時間経過に対する増加割合
    との少なくても一方を測定する装置と、 該掘削反力の大きさと掘削反力の大きさの時間の経過に
    対する増加割合との少なくても一方に応じてブームの回
    動角度又は回動速度を変化させ、該掘削反力の大きさと
    掘削反力の大きさの時間の経過に対する増加割合との少
    なくても一方が大きければ、ブームはバケットの進行方
    向を上方へ向かって偏向させ、該掘削反力の大きさと掘
    削反力の大きさの時間の経過に対する増加割合との少な
    くても一方に応じて、ブームがバケットの進行方向を上
    方へ向かって偏向させる量を変化させる制御装置とを有
    し、 該制御装置は、該ブームがバケットの進行方向を上方へ
    向かって偏向させる量の、該掘削反力の大きさと掘削反
    力の大きさの時間の経過に対する増加割合との少なくて
    も一方に対する比率を、実際の掘削反力と所定の掘削反
    力との偏差及び/又は実際の掘削反力が所定の掘削反力
    を逸脱した回数に応じて、変化させる、油圧ショベル。
  4. 【請求項4】 ブームとスティックとバケットと、ブー
    ムをその上に支持して地上を走行する走行体とを有する
    油圧ショベルであり、 地面を掘削するようバケットが地中を進行する掘削時
    に、バケットの地中を進行する速度と、バケットの開口
    が上方へ向かう速度とを測定する装置と、 該バケットの地中を進行する速度とバケットの開口が上
    方へ向かう速度との少なくても一方に応じて、バケット
    の開口が上方へ向かう速度の変化量を変化させて、該バ
    ケットの地中を進行する速度とバケットの開口が上方へ
    向かう速度とを協調して増減させ、且つ、該バケットの
    開口が上方へ向かう速度を所定の値に近づける制御装置
    を有し、 該制御装置は、該バケットの開口が上方へ向かう速度の
    変化量の、該バケットが地中を進行する速度と、バケッ
    トの開口が上方へ向かう速度と該所定の値との間の偏差
    値と、バケットの開口が上方へ向かう速度との少なくて
    も一方に対する比率を、バケットが地面の所定の箇所を
    通過する時の、バケットの開口が水平方向に対して形成
    する角度に応じて、変化させる、油圧ショベル。
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