JPH08333343A - ピリジン塩基類の製造方法 - Google Patents

ピリジン塩基類の製造方法

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JPH08333343A
JPH08333343A JP8142175A JP14217596A JPH08333343A JP H08333343 A JPH08333343 A JP H08333343A JP 8142175 A JP8142175 A JP 8142175A JP 14217596 A JP14217596 A JP 14217596A JP H08333343 A JPH08333343 A JP H08333343A
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catalyst
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ion
indium
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JP8142175A
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Morihito Saito
守人 斎藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特定のゼオライトに特定の金属を担持させた
触媒を使用して、脂肪族アルデヒド及び/又はケトンと
アンモニアを気相で反応させてピリジン塩基類を製造す
る方法を提供する。 【解決手段】 脂肪族のアルデヒド及び/又はケトンと
アンモニアを、触媒の存在下、気相で縮合させてピリジ
ン塩基類を製造する方法において、ゼオライトを担体と
しインジウム、銀、ゲルマニウム、ガリウムの群から選
ばれる少なくとも一種の金属化合物または金属イオンに
より修飾、混合またはイオン交換して担持させた触媒を
使用することを特徴とする。原料ゼオライトのSi/A
l原子比が少なくとも10以上で、かつ、制御指数が1
〜12の範囲であることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定のゼオライト
に特定の金属を担持させた触媒を使用して、脂肪族アル
デヒド及び/又はケトンとアンモニアを気相で反応させ
てピリジン塩基類を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にピリジン塩基類とはピリジンの
他、ピコリン類、ルチジン類等のアルキル置換ピリジン
の総称であり、これらは医農薬合成用の原料として、あ
るいは反応溶媒、さらには、溶剤として重要な化合物で
ある。これらピリジン塩基類の製造方法として、脂肪族
アルデヒド等とアンモニアを用いて気相中で縮合させる
方法があり、その触媒として結晶性アルミノシリケー
ト、いわゆるゼオライトを用いることは公知である。ま
た、近年においては、Si/Al原子比が10以上で、
制御指数が1〜12であることを特徴とするもの、例え
ばモービルオイルコーポレーション(Mobil Oi
l Corporation)の「ZSM−5に代表さ
れるZSMシリ−ズ」により代表されるゼオライトが特
に本反応に好適であることも、特公昭46−10064
号公報、USP 3,702,886号に開示されてい
る。一方、特公昭64−9974号公報やUSP 4,
861,894号には、ZSMシリ−ズのような結晶シ
リケ−トをバインダ−中に含み、触媒金属として銅、亜
鉛、ビスマス、クロム、モリブデン、タングステン、コ
バルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウ
ム、イリジウムを使用した触媒を用いてピリジン塩基類
を製造する方法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の触媒の使用にもかかわらず、反応収率は必ずしも工業
的に満足できるものとは言い難い。具体的には、上記U
SP 4,861,894号の実施例には、アセトアル
デヒドとホルムアルデヒドとを出発原料としてピリジン
塩基類を合成し、ピリジンの収率として47%、ピコリ
ンの収率として17%(合計収率61%)という数値が
得られたことが記載されている。また、特公平6−92
368号公報(特開昭62−181256号公報)、特
公平6ー92369号公報(特開昭63−139168
号公報)には、Tl、Co、Pb化合物を用いて修飾し
たゼオライトを用いる方法が記載されている。しかし、
これらの金属化合物、特にTl、Pb化合物は非常に毒
性が強く、環境および人体への安全性に重大な問題を引
き起こす危険性が高く、やはり工業的使用には問題があ
った。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記状況に鑑
み、鋭意検討を重ねた結果、驚くべきことに、ゼオライ
トを特定の金属化合物または金属イオンにより修飾、混
合またはイオン交換した触媒を用いることにより、高い
収率でピリジン塩基類が得られることを発見し、本発明
を完成させるに至った。
【0005】すなわち本発明は、脂肪族のアルデヒド及
び/又はケトンとアンモニアを、触媒の存在下、気相で
縮合させてピリジン塩基類を製造する方法において、S
i/Al原子比が少なくとも10以上でかつ制御指数が
1〜12の原料ゼオライトを、インジウム、銀、ゲルマ
ニウム、ガリウムの群から選ばれる少なくとも一種の金
属化合物または金属イオンにより修飾、混合またはイオ
ン交換した触媒を使用することを特徴とするピリジン塩
基類の製造方法を提供するものである。本発明により、
特定のゼオライトを特定の金属化合物または金属イオン
を用いて修飾、混合あるいはイオン交換して得られる工
業的使用にも安全な触媒を用いることにより、脂肪族ア
ルデヒド及び/又はケトンとアンモニアを気相で反応さ
せて、高い収率でピリジン塩基類が得られる。以下、本
発明を詳細に説明する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明で使用する脂肪族アルデヒ
ドとしては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プ
ロピオンアルデヒド、アクロレイン、メタクロレイン、
クロトンアルデヒドのような炭素数1〜5の脂肪族アル
デヒドを例示でき、これらは単独でも二種類以上を組み
合わせてもよい。また、脂肪族ケトンとしては、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルビニルケトン、ジエチ
ルケトンのような炭素数3〜5の脂肪族ケトンを例示で
き、これらは単独でも二種類以上を組み合わせてもよ
い。さらに、上記脂肪族アルデヒドと脂肪族ケトンを組
み合わせてもよい。例えば、ピリジンあるいはβ−ピコ
リンの製造のため特に好ましい脂肪族アルデヒドの組合
せとしては、アクロレインとアセトアルデヒドの組合
せ、アセトアルデヒドとホルムアルデヒドの組合せが好
ましい。この場合、アクロレインとアセトアルデヒドを
組合わせる場合は、アクロレイン:アセトアルデヒド:
アンモニアのモル比が1:(0.2〜2):(0.5〜
5)の範囲であることが好ましい。アセトアルデヒドと
ホルムアルデヒドを組合わせる場合は、アセトアルデヒ
ド:ホルムアルデヒド:アンモニアのモル比が1:
(0.3〜3):(0.5〜5)の範囲であることが好
ましい。
【0007】本発明で使用するゼオライトとしては、S
i/Al原子比が少なくとも10以上であることが好ま
しく、より好ましくは12以上、さらに好ましくは15
以上である。さらに、制御指数が1から12であること
が充分な金属担持効果を得るという観点から必要であ
り、好ましくは、5〜9、さらに好ましくは、5.5〜
8.5である。特に好ましいものとして、Al、B、F
e及び/又はGaに対するSiの原子比が12以上であ
り、かつ制御指数が1〜12である結晶シリケートが挙
げられる。なお、ここでいう制御指数とはゼオライトの
細孔構造を示す指標の一つであり、その具体的な決定法
は、米国特許4,016,218号等に記載されてい
る。すなわち、予め1000゜Fで15分間以上、空気
流で処理し、次いでヘリウム洗浄したゼオライトを炭化
水素の異性化率が10〜60%となるように550〜9
50℃の範囲に調節する。次いで2種の後記炭化水素混
合物を炭化水素全モル:ヘリウムモルが4:1になるよ
うに希釈して、1液時間空間速度(1時間当たり、触媒
1体積当たり1体積の流量)でゼオライトに通す。20
分後、流出試料を採取し、ガスクロ分析して2種の炭化
水素の残留割合から、制御指数=log(n−ヘキサン
残留率)/log(3−メチルペンテン残留率)により
算出する。
【0008】表−1に代表的なゼオライトの制御指数を
示す。これらの内、特に好ましい性質を有するゼオライ
トとして、前記特公昭46−10064号公報、USP
3,702,886号に開示されているZSMシリ−
ズを例示することができ、これは最も一般的でかつ入手
も容易なものである。これらによれば、ZSMシリ−ズ
中、代表的なZSM−5は次の構造、0.9±0.2M
2/nO:Al23:ySiO2:zH2Oを有している。
なお、前式において、Mは少なくとも一つのn価のカチ
オン、yは少なくとも5、zは0〜40を示す。
【0009】
【表1】
【0010】これらゼオライトは、一般に調製後の形
は、カチオン成分としてナトリウム、アンモニウムイオ
ン等を含むアルカリイオン型であるが、本発明に使用す
る触媒を調製する原料用ゼオライトとしては、前記ナト
リウム等のアルカリイオンを公知の方法により、プロト
ンでイオン交換し、プロトン型として使用することが好
ましい。
【0011】本発明に使用する触媒は、前記ゼオライト
をインジウム、銀、ゲルマニウム、ガリウムから選ばれ
る少なくとも一種の金属化合物または金属イオンにより
修飾、混合またはイオン交換したものである。中でもイ
ンジウムを使用した触媒が好ましい。その際に使用され
る金属化合物は、酸化物、塩化物、硝酸塩、ハロゲン化
物、硫酸塩、リン酸塩、水酸化物、硫化物、硅酸塩、チ
タン酸塩、炭酸塩、有機カルボン酸塩、有機キレ−ト、
有機金属化合物、あるいは酢酸塩を挙げることができ、
これらの化合物を一種以上使用することができる。
【0012】これらにより原料ゼオライトを修飾、混合
またはイオン処理した後、通常、焼成される。焼成は大
気中あるいは窒素雰囲気下で、300〜850℃で数時
間行われるが、本発明のピリジン塩基類の製造方法にお
いては、触媒は反応管で昇温されるため、必ずしも触媒
の前記焼成は必要でない。
【0013】前記修飾、混合の具体的方法としては、例
えば、文献:触媒講座「5触媒設計」触媒学会/講談社
に記載されている含浸法である平衡吸着法、ポアフィリ
ング法、インシピエントウェットネス法、蒸発乾固法、
スプレ−法、沈殿法(混練法、沈着法)、イオン交換法
が挙げられる。これらの中で例えば、含浸法の一つであ
る平衡吸着法により成型加工済みゼオライトあるいは粉
末ゼオライトをインジウム、銀、ゲルマニウム、ガリウ
ムから選ばれる1種以上の塩化物、硝酸塩、水酸化物、
酸化物、硫酸塩などの水溶液に浸漬し、吸着後に濾別、
焼成する方法、インシピエントウェットネス法、ポアフ
ィリング法、蒸発乾固法、スプレ−法等の含浸法によっ
ても文献「5触媒設計」に記載されている方法により本
発明の効果を得ることができる。
【0014】また、沈殿法の一つである混練法によりイ
ンジウム化合物、銀化合物、ゲルマニウム化合物、ガリ
ウム化合物から選ばれる一種以上の金属化合物を粉末の
ままあるいは水等のバインダ−成分と共に粉末ゼオライ
トと混合または混練したあと、焼成する方法でもよい。
【0015】また、金属化合物としてインジウム、銀、
ゲルマニウム、ガリウムから選ばれる一種以上の硝酸
塩、酢酸塩からアンモニア水等による中和によって得ら
れた水酸化物を粉末ゼオライトと混練後、焼成する方法
も適用できる。さらに、また沈着法により、金属化合物
としてインジウム、銀、ゲルマニウム、ガリウムから選
ばれる一種以上の硝酸塩、酢酸塩の水溶液に粉末用ゼオ
ライトを分散させ、この中にアンモニア水等を加えるこ
とにより、ゼオライトの表面に金属水酸化物を沈着さ
せ、水洗後、焼成する方法も適用できる。
【0016】また、イオン交換法により、インジウム、
銀、ゲルマニウム、ガリウムイオン型へのイオン交換
は、濃度0.001〜15グラム/リットルでインジウ
ム、銀、ゲルマニウム、ガリウムイオンを含む塩化物、
硝酸塩、硫化物、水酸化物などの水溶液に前記のアルカ
リイオン型、アンモニウム型、プロトン型で、制御指数
1〜12の原料用ゼオライトを浸し、所定の温度と時間
で攪拌イオン交換、濾過の工程を繰り返し、最後に水洗
することにより行なうこともできる。
【0017】原料用ゼオライトによって、あるいは用い
る金属化合物によって好ましい領域が異なるが、前記修
飾、混合あるいはイオン交換によってゼオライトに含有
される銅化合物、インジウム化合物、ビスマス化合物、
銀化合物、ゲルマニウム化合物、ガリウム化合物の含有
量は、およそ0.001〜15重量%の範囲、好ましく
は0.01〜10重量%の範囲、さらに好ましくは0.
2〜5重量%の範囲である。0.001重量%未満では
担持金属による修飾等が十分に得られず、得られる効果
が小さくなり、逆に、15重量%を越えると経済性が悪
くなるばかりか収率の向上も担持量に比例しなくなるの
で、いずれも好ましくない。
【0018】インジウム化合物、銀化合物、ゲルマニウ
ム化合物、ガリウム化合物から選ばれる一種以上の金属
化合物または金属イオンにより混練法、含浸法、浸漬
法、沈着法、蒸発乾固法、イオン交換法、平衡吸着法に
よる修飾または混合あるいはイオン交換されたゼオライ
トの形態は通常は粉末であるが、そのままでは、一般に
本反応の工業的な実施形態である固定床気相反応器用の
触媒として使用することは困難である。したがって、粉
末を適当なバインダーと混合し、打錠、押出し、転動等
の方法により適当な粒形のペレット状に成型することが
好ましい。なお、本発明に使用する触媒を調製して、こ
れらの金属の含有をせしめるとき、原料用ゼオライトが
工業的な実施形態に成型されていたとしても何等差し支
えないことはいうまでもない。すなわち、工業的な実施
形態に成型加工済みのゼオライト、あるいはインジウ
ム、銀、ゲルマニウム、ガリウムを上記方法によりすで
に含有済みのゼオライトを、さらにインジウム化合物、
銀化合物、ゲルマニウム化合物、ガリウム化合物から選
ばれる一種以上の金属化合物で、混練法、含浸法、浸漬
法、沈着法、蒸発乾固法、イオン交換法、平衡吸着法、
ポア−フィリング法による修飾または混合あるいはイオ
ン交換してもよい。この場合も原料ゼオライトを修飾、
混合またはイオン処理した後、通常、焼成される。
【0019】焼成は大気中あるいは窒素雰囲気下で、3
00〜850℃で数時間行うが、前記のように、本発明
のピリジン塩基類の製造方法においては、触媒は反応管
で昇温されるため、必ずしも触媒の前記焼成は必要では
ない。
【0020】Si/Al原子比の調整は前記USP
3,702,886号に開示されている方法や八嶋法
(触媒23(3)、232(1981))に基づいてゼ
オライトをすい熱合成する時の原料であるSiO2、あ
るいはケイ酸ソ−ダとアルミン酸ソ−ダ、あるいは硫酸
アルミニウムの比をコントロ−ルしながら仕込むことに
より行なう。
【0021】本発明により脂肪族のアルデヒド及び/又
はケトンとアンモニアからピリジン塩基類を製造するに
は、上述のように、通常固定床気相反応器が用いられ
る。
【0022】原料は、脂肪族アルデヒド、ケトンあるい
はこれらの混合物に対してアンモニアをモル比で約0.
5ないし2倍程度混合したガスを使用する。空間速度
(GHSV)は100〜10,000、好ましくは20
0〜3,000が用いられる。反応温度は300℃〜6
00℃、好ましくは400℃〜550℃の範囲である。
反応ガスの圧力は大気圧以下ないし数気圧の加圧下で実
施できるが、大気圧付近が装置的に至便である。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、実施例中の反応成績の計算方法は、原料の脂肪族ア
ルデヒドおよびケトンの全炭素原子数を基準としたもの
で、ピリジン収率(%)={(生成ピリジンの炭素原子
総数)/(原料アルデヒドおよびまたはケトン中の炭素
原子総数)}×100、ピコリン収率(%)={(生成
ピコリンの炭素原子総数)/(原料アルデヒドおよびま
たはケトン中の炭素原子総数)}×100による。
【0024】(比較例1)米国特許第3,702,88
6号に開示されている方法にしたがって、以下のように
ZSM−5を調製した。即ち、22.9gのSiO2
100mlの2.18規定テトラプロピルアンモウムヒ
ドロキシ水溶液に加え、100℃で一部溶解状態とし、
さらに3.19gのアルミン酸ナトリウム(42重量%
のAl23,30.9重量%のNaおよび27.1重量
%のH2Oの組成物)を53.8mlの水に溶かしたも
のを加えた混合物をガラス円筒を有するオートクレーブ
に入れ、150℃で6日間保持した。得られた固体を濾
過、水洗後、110℃で乾燥し、530℃で4時間焼成
して、白色の結晶を得た。分析の結果、この結晶のSi
/Al原子比は60であり、X線回折パターンは、米国
特許第3,702,886号に記載のものと一致した。
このものの制御指数は6.9を示した。このZSM−5
を5%塩化アンモニウム水溶液により50〜60℃でイ
オン交換した後、500℃で焼成し、HZSM−5を得
た。このHZSM−5とα−アルミナ一水和物および水
とを混練したものを押出成型し、さらに転動機により球
状に成型した。成型後、530℃で焼成し、HZSM−
5が75重量%、アルミナバインダーが25重量%から
なる触媒を製造した。上記の触媒を用い、原料組成がア
クロレイン:アセトアルデヒド:アンモニア=1:0.
5:2になるように配合し、反応温度450℃、GHS
V500で反応を6時間継続した。得られた反応粗液を
ガスクロマトグラフにより分析し、ピリジン40%、β
−ピコリン26%、α−ピコリン1%の各収率(合計収
率67%)を確認した。
【0025】(実施例1)触媒の成型の段階までは、比
較例1と全く同様に実施し、得られたHZSM−5(4
0g)を10%硝酸銀水溶液に浸積し、80℃において
2時間処理を行い、濾別した後に、500gの水(プロ
セスウオーター)で洗浄した。そして、大気下において
120℃で乾燥後、α−アルミナ一水和物および水とを
混練したものを押出成型し、さらに転動機により球状に
成型した。成型後、550℃で2時間焼成した。こうし
て、HZSM−5/Ag(原子吸光分析よりAg含量3
重量%)を調製した。上記の触媒を比較例1に準じて試
験し、ピリジン45%、β−ピコリン27%、α−ピコ
リン1%の各収率(合計収率73%)を得た。
【0026】(実施例2)実施例1で使用した硝酸銀水
溶液を、硝酸インジウム水溶液にした以外は同様にし
て、HZSM−5/In(原子吸光分析よりIn含量
4.0重量%)を得た。 上記の触媒を実施例1に準じ
て試験し、ピリジン50%、β−ピコリン27%、α−
ピコリン1%の各収率(合計収率78%)を得た。
【0027】(実施例3)実施例1で使用した硝酸銀水
溶液を、硝酸ガリウム水溶液にした以外は同様にして、
HZSM−5/Ga(原子吸光分析よりGa含量3.5
重量%)を得た。上記の触媒を実施例1に準じて試験
し、ピリジン47%、β−ピコリン26%、α−ピコリ
ン1%の各収率(合計収率74%)を得た。
【0028】(実施例4)実施例1で使用した硝酸銀水
溶液を、硝酸ゲルマニウム水溶液にした以外は同様にし
て、HZSM−5/Ge(原子吸光分析よりGe含量
3.5重量%)を得た。上記の触媒を実施例1に準じて
試験し、ピリジン47%、β−ピコリン26%、α−ピ
コリン1%の各収率(合計収率74%)を得た。なお、
上記実施例1〜6において使用したHZSM−5は比較
例1におけるものと同じSi/Al原子比と制御指数を
有するものを使用した。
【0029】(比較例2)実施例1で使用した硝酸銀
を、硝酸銅にした以外は同様にして、HZSM−5/C
u(原子吸光分析よりCu含量3.5重量%)を得た。
上記の触媒を実施例1に準じて試験し、ピリジン42
%、β−ピコリン26%、α−ピコリン1%の各収率
(合計収率69%)を得た。
【0030】(比較例3)実施例1で使用した硝酸銀
を、硝酸ビスマスにした以外は同様にして、HZSM−
5/Bi(原子吸光分析よりBi含量5.0重量%)を
得た。上記の触媒を実施例1に準じて試験し、ピリジン
43%、β−ピコリン26%、α−ピコリン1%の各収
率(合計収率70%)を得た。
【0031】(比較例4)市販の成形加工済みフォ−ジ
ャサイトY型ゼオライト(Si/Al原子比2.3、制
御指数0.4)を使用した以外は比較例1に準じて試験
し、ピリジン25%、β−ピコリン27%、α−ピコリ
ン1%の各収率(合計収率53%)を得た。
【0032】(比較例5)市販の成形加工済みUSY型
ゼオライト(Si/Al原子比160、制御指数0.
5)を使用した以外は比較例1に準じて試験し、ピリジ
ン25%、β−ピコリン30%、α−ピコリン1%の各
収率(合計収率56%)を得た。
【0033】(比較例6)実施例1におけるHZSM−
5を比較例5と同じUSY型ゼオライトとした以外は同
様にしてUSY型ゼオライト/Ag(原子吸光分析によ
るAg含有量3重量%)を調製した。比較例1に準じて
試験し、ピリジン26%、β−ピコリン30%、α−ピ
コリン1%の各収率(合計収率57%)を得た。
【0034】
【発明の効果】特定のゼオライト触媒を使用して、脂肪
族アルデヒド及び/又はケトンとアンモニアを気相で反
応させてピリジン塩基類を製造する方法が開示されてお
り、この触媒は工業的使用にも安全な触媒であり、高い
収率でピリジン塩基類を得ることができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪族のアルデヒド及び/又はケトンと
    アンモニアを、触媒の存在下、気相で縮合させてピリジ
    ン塩基類を製造する方法において、ゼオライトを担体と
    しインジウム、銀、ゲルマニウム、ガリウムの群から選
    ばれる少なくとも一種の金属化合物または金属イオンに
    より修飾、混合またはイオン交換して担持させた触媒を
    使用することを特徴とするピリジン塩基類の製造方法。
  2. 【請求項2】 原料ゼオライトのSi/Al原子比が少
    なくとも10以上で、かつ、制御指数が1〜12の範囲
    である請求項1記載のピリジン塩基類の製造方法。
  3. 【請求項3】 原料ゼオライトの制御指数が5〜9の範
    囲である請求項1または2記載のピリジン塩基類の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 原料ゼオライトのAl、B、Fe及び/
    又はGaに対するSiの原子比が12以上であり、かつ
    制御指数が1〜12の結晶シリケートである請求項1記
    載のピリジン塩基類の製造方法。
  5. 【請求項5】 出発原料の組み合わせがアクロレイン、
    アセトアルデヒドおよびアンモニアである請求項1記載
    のピリジン塩基類の製造方法。
  6. 【請求項6】 インジウム化合物またはインジウムイオ
    ンにより修飾、混合またはイオン交換して担持させた触
    媒を使用する請求項1記載のピリジン塩基類の製造方
    法。
JP8142175A 1995-06-07 1996-05-13 ピリジン塩基類の製造方法 Pending JPH08333343A (ja)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
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