JPH08333295A - 6−メチルヘプタン−2−オンの製造方法 - Google Patents
6−メチルヘプタン−2−オンの製造方法Info
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- JPH08333295A JPH08333295A JP10450196A JP10450196A JPH08333295A JP H08333295 A JPH08333295 A JP H08333295A JP 10450196 A JP10450196 A JP 10450196A JP 10450196 A JP10450196 A JP 10450196A JP H08333295 A JPH08333295 A JP H08333295A
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Abstract
(57)【要約】
【解決手段】 イソバレラールとアセトンを塩基性物質
の存在下でアルドール反応させて4−ヒドロキシ−6−
メチルヘプタン−2−オンを含む縮合物とし、次いで、
該縮合物に脱水条件下で水素化反応を施す。 【効果】 イソフィトールの合成原料として、あるいは
テトラハイドロリナロール、ジヒドロゲラニオールなど
の香料の合成原料等として有用な6−メチルヘプタン−
2−オンを、安価に入手できるイソバレラールおよびア
セトンから、効率的にかつ工業的に簡便に製造できる。
の存在下でアルドール反応させて4−ヒドロキシ−6−
メチルヘプタン−2−オンを含む縮合物とし、次いで、
該縮合物に脱水条件下で水素化反応を施す。 【効果】 イソフィトールの合成原料として、あるいは
テトラハイドロリナロール、ジヒドロゲラニオールなど
の香料の合成原料等として有用な6−メチルヘプタン−
2−オンを、安価に入手できるイソバレラールおよびア
セトンから、効率的にかつ工業的に簡便に製造できる。
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、イソフィトールの
合成原料として〔J. Org. Chem., 32, 177(1967)および
J. Org. Chem., 28, 45(1963) 参照〕、あるいはテトラ
ヒドロリナロール、ジヒドロゲラニオールなどの香料の
合成原料等として〔Bull. Soc. Chim. Fr., 1586(1955)
などを参照〕有用な6−メチルヘプタン−2−オンの製
造方法に関する。
合成原料として〔J. Org. Chem., 32, 177(1967)および
J. Org. Chem., 28, 45(1963) 参照〕、あるいはテトラ
ヒドロリナロール、ジヒドロゲラニオールなどの香料の
合成原料等として〔Bull. Soc. Chim. Fr., 1586(1955)
などを参照〕有用な6−メチルヘプタン−2−オンの製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、6−メチルヘプタン−2−オンの
製造方法として次のような方法が知られている。 イソアミルハライドとアセト酢酸エステルを塩基の存
在下に縮合させ、次いで加水分解、脱炭酸する方法(例
えば、WAGNER著「SYNTHETIC ORGANIC CHEMISTRY」、327
頁、JOHN WILEY & SONS INC. 参照)。 6−メチル−5−ヘプテン−2−オンもしくは6−メ
チル−3,5−ヘプタジエン−2−オンをNiなどの触
媒の存在下に水素化する方法〔例えば、Izv. Akad. Nau
k SSSR Ser. Knim. (5), 1052(1972)参照〕。 6−メチル−5−ヘプテン−2−オールを85%リン
酸および五酸化リンの混合物で処理する方法〔Bull. So
c. Chim. Fr., 1799(1963)参照〕。 ニッケルおよび/またはコバルトおよび酸化亜鉛など
を主成分として含有する触媒を用いて、水素気流下にイ
ソバレラールおよびアセトンを反応させる方法(特開昭
53-22186号公報参照)。
製造方法として次のような方法が知られている。 イソアミルハライドとアセト酢酸エステルを塩基の存
在下に縮合させ、次いで加水分解、脱炭酸する方法(例
えば、WAGNER著「SYNTHETIC ORGANIC CHEMISTRY」、327
頁、JOHN WILEY & SONS INC. 参照)。 6−メチル−5−ヘプテン−2−オンもしくは6−メ
チル−3,5−ヘプタジエン−2−オンをNiなどの触
媒の存在下に水素化する方法〔例えば、Izv. Akad. Nau
k SSSR Ser. Knim. (5), 1052(1972)参照〕。 6−メチル−5−ヘプテン−2−オールを85%リン
酸および五酸化リンの混合物で処理する方法〔Bull. So
c. Chim. Fr., 1799(1963)参照〕。 ニッケルおよび/またはコバルトおよび酸化亜鉛など
を主成分として含有する触媒を用いて、水素気流下にイ
ソバレラールおよびアセトンを反応させる方法(特開昭
53-22186号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法には以下に述べるような問題点がある。すなわち、
の方法では出発原料として高価なアセト酢酸エステル
を使用し、しかも縮合のためにアセト酢酸エステルに対
して化学量論量の塩基が必要であるため、6−メチルヘ
プタン−2−オンの製造コストが高くなる。の方法で
は出発原料である6−メチル−5−ヘプテン−2−オン
または6−メチル−3,5−ヘプタジエン−2−オンそ
れ自体の製造が煩雑である。の方法では6−メチル−
5−ヘプテン−2−オールそれ自体の製造が煩雑である
ことに加えて、多量の85%リン酸と五酸化リンを使用
するので、排水処理のために多大の労力を要する。そし
て、の方法では高温、液相条件下で反応を実施するた
めに、特殊な製造設備を必要とする。
方法には以下に述べるような問題点がある。すなわち、
の方法では出発原料として高価なアセト酢酸エステル
を使用し、しかも縮合のためにアセト酢酸エステルに対
して化学量論量の塩基が必要であるため、6−メチルヘ
プタン−2−オンの製造コストが高くなる。の方法で
は出発原料である6−メチル−5−ヘプテン−2−オン
または6−メチル−3,5−ヘプタジエン−2−オンそ
れ自体の製造が煩雑である。の方法では6−メチル−
5−ヘプテン−2−オールそれ自体の製造が煩雑である
ことに加えて、多量の85%リン酸と五酸化リンを使用
するので、排水処理のために多大の労力を要する。そし
て、の方法では高温、液相条件下で反応を実施するた
めに、特殊な製造設備を必要とする。
【0004】このように、6−メチルヘプタン−2−オ
ンの製造方法はいくつか知られているが、原料価格、生
産設備などの点において解決すべき課題があり、工業的
に好適な6−メチルヘプタン−2−オンの製造方法はい
まだ確立されていないのが現状である。本発明は、かか
る現状に鑑みてなされたものであって、6−メチルヘプ
タン−2−オンを工業的に有利に製造できる方法を提供
することを課題とする。
ンの製造方法はいくつか知られているが、原料価格、生
産設備などの点において解決すべき課題があり、工業的
に好適な6−メチルヘプタン−2−オンの製造方法はい
まだ確立されていないのが現状である。本発明は、かか
る現状に鑑みてなされたものであって、6−メチルヘプ
タン−2−オンを工業的に有利に製造できる方法を提供
することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
課題は、イソバレラールとアセトンを塩基性物質の存在
下でアルドール反応させて4−ヒドロキシ−6−メチル
ヘプタン−2−オンを含む縮合物とし、次いで、該縮合
物に脱水条件下で水素化反応を施すことを特徴とする6
−メチルヘプタン−2−オンの製造方法を提供すること
によって解決される。
課題は、イソバレラールとアセトンを塩基性物質の存在
下でアルドール反応させて4−ヒドロキシ−6−メチル
ヘプタン−2−オンを含む縮合物とし、次いで、該縮合
物に脱水条件下で水素化反応を施すことを特徴とする6
−メチルヘプタン−2−オンの製造方法を提供すること
によって解決される。
【0006】なお、本発明において、「4−ヒドロキシ
−6−メチルヘプタン−2−オンを含む縮合物」とは、
4−ヒドロキシ−6−メチルヘプタン−2−オンの単一
化合物、もしくはこの化合物と、6−メチル−3−ヘプ
テン−2−オン、6−メチル−4−ヘプテン−2−オン
および6−メチル−5−ヘプテン−2−オンからなる群
から選ばれる少なくとも1種の化合物との混合物を示
す。以後、特に断らない限り、「4−ヒドロキシ−6−
メチルヘプタン−2−オンを含む縮合物」を「4−ヒド
ロキシ−6−メチルヘプタン−2−オン含有縮合物」と
略称する。
−6−メチルヘプタン−2−オンを含む縮合物」とは、
4−ヒドロキシ−6−メチルヘプタン−2−オンの単一
化合物、もしくはこの化合物と、6−メチル−3−ヘプ
テン−2−オン、6−メチル−4−ヘプテン−2−オン
および6−メチル−5−ヘプテン−2−オンからなる群
から選ばれる少なくとも1種の化合物との混合物を示
す。以後、特に断らない限り、「4−ヒドロキシ−6−
メチルヘプタン−2−オンを含む縮合物」を「4−ヒド
ロキシ−6−メチルヘプタン−2−オン含有縮合物」と
略称する。
【0007】
【発明の実施形態】本発明では、まずイソバレラールと
アセトンを塩基性物質の存在下でアルドール反応させて
4−ヒドロキシ−6−メチルヘプタン−2−オン含有縮
合物を得る。ここで、イソバレラールとアセトンのモル
比は、より高価なイソバレラール基準での反応選択性を
高め、効率よく4−ヒドロキシ−6−メチルヘプタン−
2−オン含有縮合物を合成するという観点から、一般に
イソバレラール/アセトン(モル比)=1/3〜1/1
0の範囲内であり、イソバレラール/アセトン(モル
比)=1/5〜1/8の範囲内であることが好ましい。
アセトンを塩基性物質の存在下でアルドール反応させて
4−ヒドロキシ−6−メチルヘプタン−2−オン含有縮
合物を得る。ここで、イソバレラールとアセトンのモル
比は、より高価なイソバレラール基準での反応選択性を
高め、効率よく4−ヒドロキシ−6−メチルヘプタン−
2−オン含有縮合物を合成するという観点から、一般に
イソバレラール/アセトン(モル比)=1/3〜1/1
0の範囲内であり、イソバレラール/アセトン(モル
比)=1/5〜1/8の範囲内であることが好ましい。
【0008】また、塩基性物質としては、例えば、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化
物;水酸化バリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ土
類金属水酸化物などが挙げられる。これらは固体状また
は1〜50%の水溶液として用いることができる。な
お、これらの塩基性物質は、単独で使用してもよいし、
2種以上を併用してもよい。塩基性物質としては、これ
らの他に、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシ
ド、ナトリウムt−ブトキシド、カリウムt−ブトキシ
ド等の金属アルコキシド;リチウムジイソプロピルアミ
ド(LDA)、リチウムビストリメチルシリアルミド
(LHMDS)等の金属アミドなどを使用することもで
きる。
化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化
物;水酸化バリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ土
類金属水酸化物などが挙げられる。これらは固体状また
は1〜50%の水溶液として用いることができる。な
お、これらの塩基性物質は、単独で使用してもよいし、
2種以上を併用してもよい。塩基性物質としては、これ
らの他に、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシ
ド、ナトリウムt−ブトキシド、カリウムt−ブトキシ
ド等の金属アルコキシド;リチウムジイソプロピルアミ
ド(LDA)、リチウムビストリメチルシリアルミド
(LHMDS)等の金属アミドなどを使用することもで
きる。
【0009】これらの塩基性物質の使用量は、一般にイ
ソバレラールに対して0.1〜20モル%であるが、反
応速度および製造コスト面を考慮するとイソバレラール
に対して0.5〜5モル%であることが好ましい。
ソバレラールに対して0.1〜20モル%であるが、反
応速度および製造コスト面を考慮するとイソバレラール
に対して0.5〜5モル%であることが好ましい。
【0010】アルドール反応は、通常−20〜100℃
の範囲内の温度で実施することができるが、反応速度を
実用的な速さとし、しかも副反応による高沸点化合物の
生成を抑制して4−ヒドロキシ−6−メチルヘプタン−
2−オン含有縮合物への選択性を高めるために、30〜
60℃の範囲内の温度で実施することが好ましい。
の範囲内の温度で実施することができるが、反応速度を
実用的な速さとし、しかも副反応による高沸点化合物の
生成を抑制して4−ヒドロキシ−6−メチルヘプタン−
2−オン含有縮合物への選択性を高めるために、30〜
60℃の範囲内の温度で実施することが好ましい。
【0011】また、反応時間は、反応条件によって異な
るが、一般に10分〜10時間の範囲内である。例え
ば、塩基性物質として5%水酸化ナトリウム水溶液をイ
ソバレラールに対して1モル%用い、40℃でアルドー
ル反応を行った場合には、30分で反応は終了する。
るが、一般に10分〜10時間の範囲内である。例え
ば、塩基性物質として5%水酸化ナトリウム水溶液をイ
ソバレラールに対して1モル%用い、40℃でアルドー
ル反応を行った場合には、30分で反応は終了する。
【0012】アルドール反応は、バッチ方式で行っても
よいし、イソバレラールとアセトンの混合物を塩基性物
質とともに所定の温度の反応槽に連続的にフィードし、
所定の滞留時間の後に連続して抜き取ることによって連
続方式で実施してもよい。
よいし、イソバレラールとアセトンの混合物を塩基性物
質とともに所定の温度の反応槽に連続的にフィードし、
所定の滞留時間の後に連続して抜き取ることによって連
続方式で実施してもよい。
【0013】アルドール反応は、容積効率を高めるとい
う観点からは無溶媒で実施することが好ましいが、反応
に悪影響を及ぼさない範囲内であれば、アルドール反応
に対して不活性な溶媒を使用してもよい。使用可能な溶
媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパ
ノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s−ブタ
ノール、t−ブタノール等の低級脂肪族アルコール類;
テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジエチルエ
ーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエー
テル等の環状または鎖状のエーテル類;ヘキサン、ヘプ
タン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の脂
肪族または芳香族の炭化水素類などが挙げられる。
う観点からは無溶媒で実施することが好ましいが、反応
に悪影響を及ぼさない範囲内であれば、アルドール反応
に対して不活性な溶媒を使用してもよい。使用可能な溶
媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパ
ノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s−ブタ
ノール、t−ブタノール等の低級脂肪族アルコール類;
テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジエチルエ
ーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエー
テル等の環状または鎖状のエーテル類;ヘキサン、ヘプ
タン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の脂
肪族または芳香族の炭化水素類などが挙げられる。
【0014】上記のアルドール反応によって得られた反
応液(以下、これをアルドール反応液と略称する)か
ら、例えば酢酸のような酸性物質により中和処理を施し
た後に蒸留精製することなどの方法によって、4−ヒド
ロキシ−6−メチルヘプタン−2−オン含有縮合物を分
離取得することができる。得られた4−ヒドロキシ−6
−メチルヘプタン−2−オン含有縮合物には、反応条件
や蒸留条件等によって異なるが、一般に4−ヒドロキシ
−6−メチルヘプタン−2−オンが20〜90重量%、
6−メチル−3−ヘプテン−2−オンが5〜75重量%
含まれている。
応液(以下、これをアルドール反応液と略称する)か
ら、例えば酢酸のような酸性物質により中和処理を施し
た後に蒸留精製することなどの方法によって、4−ヒド
ロキシ−6−メチルヘプタン−2−オン含有縮合物を分
離取得することができる。得られた4−ヒドロキシ−6
−メチルヘプタン−2−オン含有縮合物には、反応条件
や蒸留条件等によって異なるが、一般に4−ヒドロキシ
−6−メチルヘプタン−2−オンが20〜90重量%、
6−メチル−3−ヘプテン−2−オンが5〜75重量%
含まれている。
【0015】次に、本発明では、4−ヒドロキシ−6−
メチルヘプタン−2−オン含有縮合物に対して脱水条件
下で水素化反応を施して6−メチルヘプタン−2−オン
を得る。ここで、水素化反応の原料となる4−ヒドロキ
シ−6−メチルヘプタン−2−オン含有縮合物として
は、アルドール反応液から前述のように蒸留により分離
取得したものを使用してもよいが、所望によりアルドー
ル反応液をそのまま使用してもよいし、該アルドール反
応液から過剰に用いた未反応原料を蒸留によって回収し
た後の残留物、またはその残留物から単蒸発によって得
られる、高沸点物および中和時に生成した塩が除かれた
留分を使用してもよい。
メチルヘプタン−2−オン含有縮合物に対して脱水条件
下で水素化反応を施して6−メチルヘプタン−2−オン
を得る。ここで、水素化反応の原料となる4−ヒドロキ
シ−6−メチルヘプタン−2−オン含有縮合物として
は、アルドール反応液から前述のように蒸留により分離
取得したものを使用してもよいが、所望によりアルドー
ル反応液をそのまま使用してもよいし、該アルドール反
応液から過剰に用いた未反応原料を蒸留によって回収し
た後の残留物、またはその残留物から単蒸発によって得
られる、高沸点物および中和時に生成した塩が除かれた
留分を使用してもよい。
【0016】水素化反応は脱水条件下で実施することが
必要である。その理由は、4−ヒドロキシ−6−メチル
ヘプタン−2−オン含有縮合物を単に水素化するだけで
あれば、4−ヒドロキシ−6−メチルヘプタン−2−オ
ン含有縮合物中の6−メチル−3−ヘプテン−2−オン
を目的物である6−メチルヘプタン−2−オンに変換す
るに止まり、4−ヒドロキシ−6−メチルヘプタン−2
−オン含有縮合物中に20〜90重量%の割合で含まれ
ている4−ヒドロキシ−6−メチルヘプタン−2−オン
が何等利用されないことになるからである。本発明で
は、水素化反応を脱水条件下で実施することにより、こ
の4−ヒドロキシ−6−メチルヘプタン−2−オンを不
飽和のケトン化合物経由で6−メチルヘプタン−2−オ
ンに変換することが可能となり、目的物の収率が大きく
向上するのである。
必要である。その理由は、4−ヒドロキシ−6−メチル
ヘプタン−2−オン含有縮合物を単に水素化するだけで
あれば、4−ヒドロキシ−6−メチルヘプタン−2−オ
ン含有縮合物中の6−メチル−3−ヘプテン−2−オン
を目的物である6−メチルヘプタン−2−オンに変換す
るに止まり、4−ヒドロキシ−6−メチルヘプタン−2
−オン含有縮合物中に20〜90重量%の割合で含まれ
ている4−ヒドロキシ−6−メチルヘプタン−2−オン
が何等利用されないことになるからである。本発明で
は、水素化反応を脱水条件下で実施することにより、こ
の4−ヒドロキシ−6−メチルヘプタン−2−オンを不
飽和のケトン化合物経由で6−メチルヘプタン−2−オ
ンに変換することが可能となり、目的物の収率が大きく
向上するのである。
【0017】脱水条件としては、後述のように、酸性物
質を水素化の反応系に存在させることが好ましい。
質を水素化の反応系に存在させることが好ましい。
【0018】また、水素化反応は、一般の水素化反応で
用いられる金属触媒の存在下に実施することができる。
かかる金属触媒としては、例えば、パラジウム、ロジウ
ム、ニッケル、白金を活性成分とする触媒が挙げられ
る。金属触媒の形態としては、金属そのもの、金属酸化
物、当該金属とその他の金属との合金、金属を活性炭、
アルミナ、シリカゲル、ケイソウ土などの担体に担持さ
せたものなどがあり、これらのいずれの形態でも水素化
反応に適用可能であるが、中でもパラジウム/カーボ
ン、パラジウム/アルミナ、ニッケル/ケイソウ土の形
態で使用することが好ましい。金属触媒の使用量は、一
般に4−ヒドロキシ−6−メチルヘプタン−2−オン含
有縮合物に対して0.01〜5重量%であるが、実用的
な反応速度と製造コストの観点からは、4−ヒドロキシ
−6−メチルヘプタン−2−オン含有縮合物に対して
0.1〜1重量%の量とすることが好ましい。
用いられる金属触媒の存在下に実施することができる。
かかる金属触媒としては、例えば、パラジウム、ロジウ
ム、ニッケル、白金を活性成分とする触媒が挙げられ
る。金属触媒の形態としては、金属そのもの、金属酸化
物、当該金属とその他の金属との合金、金属を活性炭、
アルミナ、シリカゲル、ケイソウ土などの担体に担持さ
せたものなどがあり、これらのいずれの形態でも水素化
反応に適用可能であるが、中でもパラジウム/カーボ
ン、パラジウム/アルミナ、ニッケル/ケイソウ土の形
態で使用することが好ましい。金属触媒の使用量は、一
般に4−ヒドロキシ−6−メチルヘプタン−2−オン含
有縮合物に対して0.01〜5重量%であるが、実用的
な反応速度と製造コストの観点からは、4−ヒドロキシ
−6−メチルヘプタン−2−オン含有縮合物に対して
0.1〜1重量%の量とすることが好ましい。
【0019】水素化反応は、反応速度をより高めて効率
よくかつ高い収率で目的物である6−メチルヘプタン−
2−オンを得るために、酸性物質の存在下に実施するこ
とが好ましい。ここで使用される酸性物質としては、例
えば、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−ト
ルエンスルホン酸などのスルホン酸類;酢酸、プロピオ
ン酸、オクタン酸、テレフタル酸、フタル酸などの脂肪
族または芳香族カルボン酸類;硫酸、塩酸などの鉱酸
類;塩化スズ、塩化チタン、塩化アルミニウムなどのル
イス酸類;リンタングステン酸、ケイタングステン酸、
リンモリブデン酸などのヘテロポリ酸類;スルホン酸型
またはカルボン酸型などの酸性型イオン交換樹脂類等が
挙げられる。これらの酸性物質の使用量は、一般に4−
ヒドロキシ−6−メチルヘプタン−2−オン含有縮合物
に対して0.1〜10モル%であるが、実用的な反応速
度を得ることおよび製造コストの観点から、4−ヒドロ
キシ−6−メチルヘプタン−2−オン含有縮合物に対し
て0.5〜2モル%とすることが好ましい。
よくかつ高い収率で目的物である6−メチルヘプタン−
2−オンを得るために、酸性物質の存在下に実施するこ
とが好ましい。ここで使用される酸性物質としては、例
えば、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−ト
ルエンスルホン酸などのスルホン酸類;酢酸、プロピオ
ン酸、オクタン酸、テレフタル酸、フタル酸などの脂肪
族または芳香族カルボン酸類;硫酸、塩酸などの鉱酸
類;塩化スズ、塩化チタン、塩化アルミニウムなどのル
イス酸類;リンタングステン酸、ケイタングステン酸、
リンモリブデン酸などのヘテロポリ酸類;スルホン酸型
またはカルボン酸型などの酸性型イオン交換樹脂類等が
挙げられる。これらの酸性物質の使用量は、一般に4−
ヒドロキシ−6−メチルヘプタン−2−オン含有縮合物
に対して0.1〜10モル%であるが、実用的な反応速
度を得ることおよび製造コストの観点から、4−ヒドロ
キシ−6−メチルヘプタン−2−オン含有縮合物に対し
て0.5〜2モル%とすることが好ましい。
【0020】また、シリカ、アルミナあるいは酸性型イ
オン交換樹脂等の酸性点を有する担体に、前述のパラジ
ウム、ロジウム、ニッケル、白金などの活性金属を担持
させた金属触媒を用いて水素化反応を行うこともでき
る。この場合には、かかる金属触媒の使用のみによっ
て、酸性物質を存在させて反応を実施したときと同様に
反応を進行させることができる。
オン交換樹脂等の酸性点を有する担体に、前述のパラジ
ウム、ロジウム、ニッケル、白金などの活性金属を担持
させた金属触媒を用いて水素化反応を行うこともでき
る。この場合には、かかる金属触媒の使用のみによっ
て、酸性物質を存在させて反応を実施したときと同様に
反応を進行させることができる。
【0021】水素化反応は80〜170℃の温度範囲で
行うことができるが、反応速度および6−メチルヘプタ
ン−2−オンへの選択性の観点から90〜130℃の温
度範囲で行うことが好ましい。
行うことができるが、反応速度および6−メチルヘプタ
ン−2−オンへの選択性の観点から90〜130℃の温
度範囲で行うことが好ましい。
【0022】水素化反応を行う際の水素圧力は、特に制
限されないが、好ましくは1〜50気圧、より好ましく
は3〜10気圧の範囲である。また、水素化反応の反応
時間は、反応条件によって異なるが、一般に1〜20時
間の範囲である。例えば、酸性物質としてp−トルエン
スルホン酸を4−ヒドロキシ−6−メチルヘプタン−2
−オン含有縮合物に対して1モル%、金属触媒としてパ
ラジウム/カーボンを4−ヒドロキシ−6−メチルヘプ
タン−2−オン含有縮合物に対して0.2重量%用い、
反応温度100℃、水素圧力8kg/cm2で反応を行
った場合、水素化反応は2時間で終了する。
限されないが、好ましくは1〜50気圧、より好ましく
は3〜10気圧の範囲である。また、水素化反応の反応
時間は、反応条件によって異なるが、一般に1〜20時
間の範囲である。例えば、酸性物質としてp−トルエン
スルホン酸を4−ヒドロキシ−6−メチルヘプタン−2
−オン含有縮合物に対して1モル%、金属触媒としてパ
ラジウム/カーボンを4−ヒドロキシ−6−メチルヘプ
タン−2−オン含有縮合物に対して0.2重量%用い、
反応温度100℃、水素圧力8kg/cm2で反応を行
った場合、水素化反応は2時間で終了する。
【0023】水素化反応においては、必ずしも溶媒を必
要としないが、水素化反応に対して不活性な溶媒であれ
ば使用可能である。かかる溶媒としては、例えば、メタ
ノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノー
ル、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール
のような低級脂肪族アルコール類;テトラヒドロフラ
ン、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、ジイソプ
ロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテルのような環状
または鎖状エーテル類;ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、ベンゼン、トルエン、キシレンのような脂肪族また
は芳香族炭化水素類などが挙げられる。
要としないが、水素化反応に対して不活性な溶媒であれ
ば使用可能である。かかる溶媒としては、例えば、メタ
ノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノー
ル、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール
のような低級脂肪族アルコール類;テトラヒドロフラ
ン、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、ジイソプ
ロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテルのような環状
または鎖状エーテル類;ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、ベンゼン、トルエン、キシレンのような脂肪族また
は芳香族炭化水素類などが挙げられる。
【0024】このようにして得られた水素化反応液か
ら、触媒を濾過等の常法により除き、次いで必要に応じ
て、反応によって生成してくる水を除去した後、常圧も
しくは減圧下で蒸留精製することにより、高純度の6−
メチルヘプタン−2−オンを簡便に得ることができる。
ら、触媒を濾過等の常法により除き、次いで必要に応じ
て、反応によって生成してくる水を除去した後、常圧も
しくは減圧下で蒸留精製することにより、高純度の6−
メチルヘプタン−2−オンを簡便に得ることができる。
【0025】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はかかる実施例に限定されるものではな
い。
るが、本発明はかかる実施例に限定されるものではな
い。
【0026】実施例1(a)イソバレラールとアセトンのアルドール反応 50℃に設定した内容積75.9mlの反応部を持つチ
ューブ型リアクターに、イソバレラール/アセトン混合
液〔イソバレラール/アセトン=1/6(モル比)〕お
よび5%水酸化カリウム水溶液を、前者を7.36ml
/分、後者を0.16ml/分の速度でそれぞれ連続的
にフィードした。チューブ型リアクターから出て来た反
応液は酢酸により中和した。この際、イソバレラールと
アセトンの反応時間は10.1分であった。この状態で
反応を連続的に実施し、220分かけてイソバレラール
254.0g(2.95モル)、アセトン1028.2
g(17.7モル)および5%水酸化カリウム水溶液3
6.0g(KOHとして32ミリモル)をフィードし、
酢酸中和後の反応液を1310.2g得た。得られた反
応液をガスクロマトグラフィー〔カラム:Silico
neDC QF−1(ガスクロ工業社製)、カラム温
度:60→200℃(昇温速度5℃/分)、インジェク
ション温度:245℃、FID検出器〕による内部標準
法で分析したところ、4−ヒドロキシ−6−メチルヘプ
タン−2−オンが295.7g(収率69.5%)およ
び6−メチル−3−ヘプテン−2−オンが26.4g
(収率7.1%)含まれていることが分かった。この反
応液から酢酸カリウムを濾過により除去した後、得られ
た濾液を17〜20Torrの減圧下に単蒸留し、沸点
が80〜100℃の留分を359.4g集めた。上記と
同じ条件下でのガスクロマトグラフィー分析の結果、こ
の留分の中には、216.2g(1.50モル)の4−
ヒドロキシ−6−メチルヘプタン−2−オンと、81.
2g(0.64モル)の6−メチル−3−ヘプテン−2
−オンが含まれていることが分かった。
ューブ型リアクターに、イソバレラール/アセトン混合
液〔イソバレラール/アセトン=1/6(モル比)〕お
よび5%水酸化カリウム水溶液を、前者を7.36ml
/分、後者を0.16ml/分の速度でそれぞれ連続的
にフィードした。チューブ型リアクターから出て来た反
応液は酢酸により中和した。この際、イソバレラールと
アセトンの反応時間は10.1分であった。この状態で
反応を連続的に実施し、220分かけてイソバレラール
254.0g(2.95モル)、アセトン1028.2
g(17.7モル)および5%水酸化カリウム水溶液3
6.0g(KOHとして32ミリモル)をフィードし、
酢酸中和後の反応液を1310.2g得た。得られた反
応液をガスクロマトグラフィー〔カラム:Silico
neDC QF−1(ガスクロ工業社製)、カラム温
度:60→200℃(昇温速度5℃/分)、インジェク
ション温度:245℃、FID検出器〕による内部標準
法で分析したところ、4−ヒドロキシ−6−メチルヘプ
タン−2−オンが295.7g(収率69.5%)およ
び6−メチル−3−ヘプテン−2−オンが26.4g
(収率7.1%)含まれていることが分かった。この反
応液から酢酸カリウムを濾過により除去した後、得られ
た濾液を17〜20Torrの減圧下に単蒸留し、沸点
が80〜100℃の留分を359.4g集めた。上記と
同じ条件下でのガスクロマトグラフィー分析の結果、こ
の留分の中には、216.2g(1.50モル)の4−
ヒドロキシ−6−メチルヘプタン−2−オンと、81.
2g(0.64モル)の6−メチル−3−ヘプテン−2
−オンが含まれていることが分かった。
【0027】(b)6−メチルヘプタン−2−オンの合
成 上記の単蒸留によって得られた留分のうち200.0g
〔4−ヒドロキシ−6−メチルヘプタン−2−オンを1
20.3g(0.834モル)および6−メチル−3−
ヘプテン−2−オンを45.1g(0.358モル)含
む〕を、攪拌機を備えた内容積1リットルのガラス製オ
ートクレーブに仕込み、窒素雰囲気下、p−トルエンス
ルホン酸一水和物1.27g(6.68ミリモル)およ
び5%パラジウム/カーボン0.17gを添加した。そ
の後、反応系中を8kg/cm2の水素ガスで置換し、
内温を100℃まで昇温した。なお、昇温中から水素の
吸収が始まるので、内圧を維持するために、必要に応じ
て反応系に加圧水素を供給した。反応液の温度が100
℃に達した後、さらに2時間反応させた。得られた反応
混合物からパラジウム/カーボンを濾過によって除去
し、得られた濾液を上記と同じ条件下でのガスクロマト
グラフィーによる内標分析法で分析したところ、6−メ
チルヘプタン−2−オンが140.17g(収率91.
9%)含まれていることが分かった。得られた濾液から
水層を分離し、有機層を減圧下で蒸留することにより、
目的物である6−メチルヘプタン−2−オン(b.p.
=83〜85℃/約50mmHg)を134.5g得
た。
成 上記の単蒸留によって得られた留分のうち200.0g
〔4−ヒドロキシ−6−メチルヘプタン−2−オンを1
20.3g(0.834モル)および6−メチル−3−
ヘプテン−2−オンを45.1g(0.358モル)含
む〕を、攪拌機を備えた内容積1リットルのガラス製オ
ートクレーブに仕込み、窒素雰囲気下、p−トルエンス
ルホン酸一水和物1.27g(6.68ミリモル)およ
び5%パラジウム/カーボン0.17gを添加した。そ
の後、反応系中を8kg/cm2の水素ガスで置換し、
内温を100℃まで昇温した。なお、昇温中から水素の
吸収が始まるので、内圧を維持するために、必要に応じ
て反応系に加圧水素を供給した。反応液の温度が100
℃に達した後、さらに2時間反応させた。得られた反応
混合物からパラジウム/カーボンを濾過によって除去
し、得られた濾液を上記と同じ条件下でのガスクロマト
グラフィーによる内標分析法で分析したところ、6−メ
チルヘプタン−2−オンが140.17g(収率91.
9%)含まれていることが分かった。得られた濾液から
水層を分離し、有機層を減圧下で蒸留することにより、
目的物である6−メチルヘプタン−2−オン(b.p.
=83〜85℃/約50mmHg)を134.5g得
た。
【0028】実施例2(a)イソバレラールとアセトンのアルドール反応 攪拌機および還流冷却器を備えた内容積300mlのガ
ラス製三口フラスコに、イソバレラール26.4g
(0.3モル)とアセトン104.4g(1.8モル)
を仕込み、得られた混合液を40℃に加温した。その混
合液に5%水酸化ナトリウム水溶液2.4g(3ミリモ
ル)を添加し攪拌した。得られた混合物は、水酸化ナト
リウム水溶液の添加後約5分でわずかな白濁の状態を経
て無色透明の均一溶液となり、それと同時に発熱し、内
温は59℃まで上昇した。その後、内温は徐々にバス温
(40℃)にまで低下した。この時点で、5%水酸化ナ
トリウム水溶液の添加から30分が経過していた。得ら
れた反応液を酢酸により中和した後、生成した塩(酢酸
ナトリウム)を濾過により除去し、129.7gの濾液
を得た。得られた濾液を実施例1と同じ条件下でのガス
クロマトグラフィーにより内標分析法で分析したとこ
ろ、4−ヒドロキシ−6−メチルヘプタン−2−オンが
30.33g(収率70.1%)および6−メチル−3
−ヘプテン−2−オンが3.97g(収率10.5%)
含まれていることが分かった。上記で得られた濾液を実
施例1と同様に単蒸留し、24.8g(0.172モ
ル)の4−ヒドロキシ−6−メチルヘプタン−2−オン
と、7.2g(0.057モル)の6−メチル−3−ヘ
プテン−2−オンを含む留分を37.6g(b.p.=
80〜100℃/17〜20Torr)得た。
ラス製三口フラスコに、イソバレラール26.4g
(0.3モル)とアセトン104.4g(1.8モル)
を仕込み、得られた混合液を40℃に加温した。その混
合液に5%水酸化ナトリウム水溶液2.4g(3ミリモ
ル)を添加し攪拌した。得られた混合物は、水酸化ナト
リウム水溶液の添加後約5分でわずかな白濁の状態を経
て無色透明の均一溶液となり、それと同時に発熱し、内
温は59℃まで上昇した。その後、内温は徐々にバス温
(40℃)にまで低下した。この時点で、5%水酸化ナ
トリウム水溶液の添加から30分が経過していた。得ら
れた反応液を酢酸により中和した後、生成した塩(酢酸
ナトリウム)を濾過により除去し、129.7gの濾液
を得た。得られた濾液を実施例1と同じ条件下でのガス
クロマトグラフィーにより内標分析法で分析したとこ
ろ、4−ヒドロキシ−6−メチルヘプタン−2−オンが
30.33g(収率70.1%)および6−メチル−3
−ヘプテン−2−オンが3.97g(収率10.5%)
含まれていることが分かった。上記で得られた濾液を実
施例1と同様に単蒸留し、24.8g(0.172モ
ル)の4−ヒドロキシ−6−メチルヘプタン−2−オン
と、7.2g(0.057モル)の6−メチル−3−ヘ
プテン−2−オンを含む留分を37.6g(b.p.=
80〜100℃/17〜20Torr)得た。
【0029】(b)6−メチルヘプタン−2−オンの合
成 上記の単蒸留によって得られた留分37.6gを、攪拌
機を備えた内容積100mlのガラス製オートクレーブ
に仕込み、窒素雰囲気下、p−トルエンスルホン酸一水
和物0.33g(1.72ミリモル)および5%パラジ
ウム/カーボン32mgを添加した。その後、反応系中
を8kg/cm2の水素ガスで置換し、内温を100℃
まで昇温した。実施例1の(b)と同様にして、反応液
の温度が100℃に達した後、さらに3時間反応させ
た。得られた反応混合物からパラジウム/カーボンを濾
過によって除去し、得られた濾液を実施例1と同じ条件
下でのガスクロマトグラフィーによる内標分析法で分析
したところ、6−メチルヘプタン−2−オンが27.0
g(収率92%)含まれていることが分かった。得られ
た濾液から水層を分離し、有機層を減圧下で蒸留するこ
とにより、目的物である6−メチルヘプタン−2−オン
(b.p.=83〜85℃/約50mmHg)を25g
得た。
成 上記の単蒸留によって得られた留分37.6gを、攪拌
機を備えた内容積100mlのガラス製オートクレーブ
に仕込み、窒素雰囲気下、p−トルエンスルホン酸一水
和物0.33g(1.72ミリモル)および5%パラジ
ウム/カーボン32mgを添加した。その後、反応系中
を8kg/cm2の水素ガスで置換し、内温を100℃
まで昇温した。実施例1の(b)と同様にして、反応液
の温度が100℃に達した後、さらに3時間反応させ
た。得られた反応混合物からパラジウム/カーボンを濾
過によって除去し、得られた濾液を実施例1と同じ条件
下でのガスクロマトグラフィーによる内標分析法で分析
したところ、6−メチルヘプタン−2−オンが27.0
g(収率92%)含まれていることが分かった。得られ
た濾液から水層を分離し、有機層を減圧下で蒸留するこ
とにより、目的物である6−メチルヘプタン−2−オン
(b.p.=83〜85℃/約50mmHg)を25g
得た。
【0030】実施例3(a)イソバレラールとアセトンのアルドール反応 5%水酸化ナトリウム水溶液に代えて水酸化バリウム8
水和物0.94g(3ミリモル)を用いたことこと以外
は実施例2の(a)と同様にしてアルドール反応を行っ
た。反応開始から2時間後、触媒(水酸化バリウム)を
濾過によって除去し、得られた濾液を実施例1と同じ条
件下でのガスクロマトグラフィーにより内標分析法で分
析したところ、4−ヒドロキシ−6−メチルヘプタン−
2−オンが26.30g(収率60.8%)および6−
メチル−3−ヘプテン−2−オンが7.04g(収率1
8.6%)含まれていることが分かった。得られた濾液
を実施例1と同様に単蒸留し、22.8g(0.158
モル)の4−ヒドロキシ−6−メチルヘプタン−2−オ
ンと、8.6g(0.068モル)の6−メチル−3−
ヘプテン−2−オンを含む留分を37.8g(b.p.
=80〜100℃/17〜20Torr)得た。
水和物0.94g(3ミリモル)を用いたことこと以外
は実施例2の(a)と同様にしてアルドール反応を行っ
た。反応開始から2時間後、触媒(水酸化バリウム)を
濾過によって除去し、得られた濾液を実施例1と同じ条
件下でのガスクロマトグラフィーにより内標分析法で分
析したところ、4−ヒドロキシ−6−メチルヘプタン−
2−オンが26.30g(収率60.8%)および6−
メチル−3−ヘプテン−2−オンが7.04g(収率1
8.6%)含まれていることが分かった。得られた濾液
を実施例1と同様に単蒸留し、22.8g(0.158
モル)の4−ヒドロキシ−6−メチルヘプタン−2−オ
ンと、8.6g(0.068モル)の6−メチル−3−
ヘプテン−2−オンを含む留分を37.8g(b.p.
=80〜100℃/17〜20Torr)得た。
【0031】(b)6−メチルヘプタン−2−オンの合
成 上記の単蒸留によって得られた留分37.8gを、攪拌
機を備えた内容積100mlのガラス製オートクレーブ
に仕込み、窒素雰囲気下、p−トルエンスルホン酸一水
和物0.3g(1.58ミリモル)および5%パラジウ
ム/カーボン31.4mgを添加した。その後、反応系
中を8kg/cm2の水素ガスで置換し、内温を100
℃まで昇温した。実施例1の(b)と同様にして、反応
液の温度が100℃に達した後、さらに3時間反応させ
た。得られた反応混合物からパラジウム/カーボンを濾
過によって除去し、得られた濾液を実施例1と同じ条件
下でのガスクロマトグラフィーによる内標分析法で分析
したところ、6−メチルヘプタン−2−オンが26.3
g(収率91%)含まれていることが分かった。得られ
た濾液から水層を分離し、有機層を減圧下で蒸留するこ
とにより、目的物である6−メチルヘプタン−2−オン
(b.p.=82〜83℃/約50mmHg)を24.
6g得た。
成 上記の単蒸留によって得られた留分37.8gを、攪拌
機を備えた内容積100mlのガラス製オートクレーブ
に仕込み、窒素雰囲気下、p−トルエンスルホン酸一水
和物0.3g(1.58ミリモル)および5%パラジウ
ム/カーボン31.4mgを添加した。その後、反応系
中を8kg/cm2の水素ガスで置換し、内温を100
℃まで昇温した。実施例1の(b)と同様にして、反応
液の温度が100℃に達した後、さらに3時間反応させ
た。得られた反応混合物からパラジウム/カーボンを濾
過によって除去し、得られた濾液を実施例1と同じ条件
下でのガスクロマトグラフィーによる内標分析法で分析
したところ、6−メチルヘプタン−2−オンが26.3
g(収率91%)含まれていることが分かった。得られ
た濾液から水層を分離し、有機層を減圧下で蒸留するこ
とにより、目的物である6−メチルヘプタン−2−オン
(b.p.=82〜83℃/約50mmHg)を24.
6g得た。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、イソフィトールの合成
原料としてあるいはテトラヒドロリナロール、ジヒドロ
ゲラニオールなどの香料の合成原料等として有用な6−
メチルヘプタン−2−オンを、工業的に生産されており
安価に入手できるイソバレラールおよびアセトンから、
効率的かつ工業的に簡便に製造することができる。
原料としてあるいはテトラヒドロリナロール、ジヒドロ
ゲラニオールなどの香料の合成原料等として有用な6−
メチルヘプタン−2−オンを、工業的に生産されており
安価に入手できるイソバレラールおよびアセトンから、
効率的かつ工業的に簡便に製造することができる。
フロントページの続き (72)発明者 岩崎 秀治 茨城県鹿島郡神栖町東和田36番地 株式会 社クラレ内 (72)発明者 大西 孝志 茨城県鹿島郡神栖町東和田36番地 株式会 社クラレ内
Claims (1)
- 【請求項1】 イソバレラールとアセトンを塩基性物質
の存在下でアルドール反応させて4−ヒドロキシ−6−
メチルヘプタン−2−オンを含む縮合物とし、次いで、
該縮合物に脱水条件下で水素化反応を施すことを特徴と
する6−メチルヘプタン−2−オンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10450196A JPH08333295A (ja) | 1995-04-04 | 1996-04-02 | 6−メチルヘプタン−2−オンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10314395 | 1995-04-04 | ||
JP7-103143 | 1995-04-04 | ||
JP10450196A JPH08333295A (ja) | 1995-04-04 | 1996-04-02 | 6−メチルヘプタン−2−オンの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08333295A true JPH08333295A (ja) | 1996-12-17 |
Family
ID=26443799
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10450196A Pending JPH08333295A (ja) | 1995-04-04 | 1996-04-02 | 6−メチルヘプタン−2−オンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08333295A (ja) |
-
1996
- 1996-04-02 JP JP10450196A patent/JPH08333295A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20060425 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060509 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060912 |