JPH08333229A - 美白剤 - Google Patents

美白剤

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JPH08333229A
JPH08333229A JP14015895A JP14015895A JPH08333229A JP H08333229 A JPH08333229 A JP H08333229A JP 14015895 A JP14015895 A JP 14015895A JP 14015895 A JP14015895 A JP 14015895A JP H08333229 A JPH08333229 A JP H08333229A
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JP
Japan
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compound
group
skin
trp
salt
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Application number
JP14015895A
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English (en)
Inventor
Naoko Morizaki
尚子 森崎
Yasuto Suzuki
康人 鈴木
Genji Imokawa
玄爾 芋川
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式(1)で表わされるホスホン酸誘導体
又はその塩からなる美白剤及び当該化合物を含有する皮
膚化粧料。 【化1】 〔式中、R1 、R2 及びR3 は置換されていてもよい炭
化水素基を示す。ただし、R2 が無置換のメチル基であ
る場合、R3 が炭素数1〜3の無置換の炭化水素基であ
る場合、及びR1 がベンジルオキシカルボニルアミノメ
チル基でR2 がイソブチル基であってR3 がイソブチル
基若しくはフェニルメチル基である場合を除く。〕 【効果】 ホスホン酸誘導体(1)又はその塩は、メラ
ノサイトのメラニン生成を抑制することにより優れたメ
ラニン色素沈着予防・改善効果を示し、これを配合した
皮膚化粧料は優れた皮膚美白効果を示し、日焼け等によ
るシミ及びソバカスの予防及び治療に極めて有用であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は美白剤及び皮膚化粧料に
関し、更に詳しくは皮膚美白効果に優れ、日焼け等によ
るシミ及びソバカスを予防及び治療することのできる美
白化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】シミ、ソバカス及び日焼け後の肌への色
素沈着は、加齢に伴い発生、増加、或いは消失しにくく
なり、中高年齢層にとって悩みとなっている。これらの
色素沈着症の発症機構は未だ明確にはされていないが、
太陽光線、特に紫外線や、メラノサイト刺激ホルモンな
どの作用により、表皮メラノサイトでのメラニン合成機
構が亢進したためと考えられる。
【0003】また、表皮角化細胞(ケラチノサイト)の
加齢に伴う角化遅延も、表皮内のメラニン顆粒密度の増
加、即ち臨床的に色素沈着が増加する症状を発現させる
ものと考えられる。これらの色素沈着部は局部的に存在
し、周囲の正常皮膚色と明らかな差異が生ずることもあ
る。
【0004】そこで、このような後天的色素(すなわち
メラニン)沈着部を正常皮膚色にまで回復可能な薬剤の
開発が強く望まれており、これまでに多くの薬剤が商品
化されてきている。例えば近年、優れた還元能を有する
ビタミンC(L−アスコルビン酸)誘導体を配合した化
粧料が用いられてきた。しかしながら、これも安定性に
難があるとともに、外用では効果がほとんど認められな
いという欠点があった。
【0005】一方欧米に於いて、ハイドロキノンがシミ
の治療や黒人の皮膚を白くする等の薬剤として用いられ
ているが、これらも物質自体の安全性(刺激性、アレル
ギー性)に問題があり、また白斑を生じさせるケースも
あるなどの点から薬剤として配合することには問題があ
る。また、その他にも種々の皮膚外用剤、例えばイソフ
ラボン誘導体(特開昭58−225004号公報)や、
桂皮酸誘導体としてのp−ヒドロキシ桂皮酸誘導体(特
開昭59−196813号公報)等が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実質的
な色素沈着予防・改善効果ならびに化粧品基剤への配合
性が優れた物質は未だ知られていないのが現状である。
【0007】従って、皮膚美白効果を有し、日焼け等に
よるシミ及びソバカスを予防及び治療することが可能な
美白剤の開発が望まれていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らはメラニン生成機構の研究を通して、色素沈着
を減少又は消失させる物質を得るべく鋭意検討した結
果、後記一般式(1)で表わされるホスホン酸誘導体又
はその塩が実質的な皮膚の色素沈着予防・改善効果を示
し、優れた皮膚美白効果を有することを見出し、本発明
を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は下記一般式(1)で表
わされるホスホン酸誘導体又はその塩からなる美白剤及
び当該化合物を含有する皮膚化粧料を提供するものであ
る。
【0010】
【化2】
【0011】〔式中、R1 、R2 及びR3 は置換されて
いてもよい炭化水素基を示す。ただし、R2 が無置換の
メチル基である場合、R3 が炭素数1〜3の無置換の炭
化水素基である場合、及びR1 がベンジルオキシカルボ
ニルアミノメチル基でR2 がイソブチル基であってR3
がイソブチル基若しくはフェニルメチル基である場合を
除く。〕
【0012】本発明で用いられるホスホン酸誘導体
(1)又はその塩は公知の化合物(特開平5−1056
98号公報)であるが、これがメラニン生成を抑制する
ことについてはまったく知られていなかった。
【0013】上記式(1)において、R1 の炭化水素基
としてはアルキル基、シクロアルキル基又はアラルキル
基が好ましい。アルキル基としては直鎖状又は分枝状の
炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、例えばメチ
ル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチ
ル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、
n−ペンチル、イソアミル、tert−アミル、n−ヘ
キシル、n−オクチル、n−デシル、n−ドデシルなど
が挙げられる。
【0014】これらのアルキル基は置換されていてもよ
く、該置換基としてはシクロアルキル(例えばシクロプ
ロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプ
チルなど)、ハロゲン(例えばフルオロ、クロロ、ブロ
モなど)、ヒドロキシ(保護されていてもよい)、アル
コキシ(例えばメトキシ、エトキシなど)、ケトン、ア
ミノ(保護されていてもよい)、置換アミノ(保護され
ていてもよい)が挙げられる。置換されたアルキル基と
しては、例えばシクロヘキシルメチル、2−シクロヘキ
シルエチル、2−フルオロエチル、2−クロロエチル、
3−クロロプロピル、2−ヒドロキシエチル、2−メト
キシエチル、2−アミノエチルなどが挙げられる。
【0015】シクロアルキル基としては5〜7員環の脂
環状アルキル基が好ましく、シクロペンチル、シクロヘ
キシル、シクロヘプチルが挙げられる。
【0016】これらのシクロアルキル基は置換されてい
てもよく、該置換基としては低級アルキル(例えばメチ
ル、エチル、n−プロピルなど)、ハロゲン(例えばフ
ルオロ、クロロ、ブロモなど)、ヒドロキシ(保護され
ていてもよい)、アルコキシ(例えばメトキシ、エトキ
シなど)、ケトン、アミノ(保護されていてもよい)、
置換アミノ(保護されていてもよい)が挙げられる。置
換されたシクロアルキル基としては、例えば4−メチル
シクロヘキシル、4−クロロシクロヘキシル、4−ヒド
ロキシシクロヘキシル、4−メトキシシクロヘキシルな
どが挙げられる。
【0017】アラルキル基としては炭素数6〜12の芳
香族炭化水素基で置換された炭素数1〜5のアルキル基
が好ましく、例えばフェニルメチル(=ベンジル)、2
−フェニルエチル(=フェネチル)、1−ナフチルメチ
ル、2−ナフチルメチル、2−(1−ナフチル)エチ
ル、2−(2−ナフチル)エチル、3−フェニルプロピ
ルなどが挙げられる。
【0018】これらのアラルキル基は置換されていても
よく、該置換基としては低級アルキル(例えばメチル、
エチル、n−プロピルなど)、シクロアルキル(例えば
シクロペンチル、シクロヘキシルなど)、ハロゲン(例
えばフルオロ、クロロ、ブロモなど)、ヒドロキシ(置
換されていてもよい)、アルコキシ(例えばメトキシ、
エトキシなど)が挙げられる。置換されたアラルキル基
としては、例えば4−メチルフェニルメチル、2−(4
−メチルフェニル)エチル、4−フルオロフェニルメチ
ル、2−(4−クロロフェニル)エチル、2−(4−メ
トキシフェニル)エチルなどが挙げられる。
【0019】R1 としてはイソアミル、シクロヘキシル
メチル、2−フェニルエチル、1−ナフチルメチル、2
−ナフチルメチル、2−(1−ナフチル)エチル、2−
(2−ナフチル)エチルが好ましい。
【0020】上記R2 の炭化水素基としてはアルキル
基、シクロアルキル基又はアラルキル基が好ましい。ア
ルキル基としては直鎖状又は分枝状の炭素数1〜8のア
ルキル基が好ましく、例えばメチル(無置換のメチルは
除く)、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブ
チル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチ
ル、n−ペンチル、イソアミル、tert−アミル、n
−ヘキシル、n−オクチルなどが挙げられる。
【0021】これらの低級アルキル基は置換されていて
もよく、該置換基としてはシクロアルキル(例えばシク
ロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなど)、
ハロゲン(例えばフルオロ、クロロ、ブロモなど)、ヒ
ドロキシ(保護されていてもよい)、メルカプト(保護
されていてもよい)、アルコキシ(例えばメトキシ、エ
トキシなど)、アルキルチオ(例えばメチルチオ、エチ
ルチオなど)、アミノ(保護されていてもよい)、置換
アミノ(保護されていてもよい)、グアニジノ(保護さ
れていてもよい)、カルボキシル(保護されていてもよ
い)、カルバモイル、ケトン、複素環基(炭素以外の環
構成原子として窒素及び/又は酸素及び/又は硫黄を1
〜3個含む1〜3環性の縮合複素環の炭素に結合した水
素を取り除いてできる基。例えば、2−ピリジル、3−
ピリジル、4−ピリジル、2−ピリダジニル、3−フリ
ル、3−チエニル、2−インドリル、3−インドリル、
4−チアゾリル、4−イミダゾリル、ベンゾフリル、ベ
ンゾチエニルなど)が挙げられる。
【0022】置換された低級アルキル基としては例えば
シクロヘキシルメチル、2−シクロヘキシルエチル、2
−フルオロエチル、2−クロロエチル、3−クロロプロ
ピル、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、2−
メトキシエチル、2−アミノエチル、4−アミノブチ
ル、3−グアニジノプロピル、カルバモイルメチル、2
−カルバモイルエチル、メルカプトメチル、カルボキシ
メチル、2−カルボキシエチル、4−イミダゾリルメチ
ル、3−インドリルメチルなどが挙げられる。
【0023】シクロアルキル基としては5〜7員環の脂
環状アルキル基が好ましく、シクロペンチル、シクロヘ
キシル、シクロヘプチルが挙げられる。
【0024】これらのシクロアルキル基は置換されてい
てもよく、該置換基としては低級アルキル(例えばメチ
ル、エチル、n−プロピルなど)、ハロゲン(例えばフ
ルオロ、クロロ、ブロモなど)、ヒドロキシ(保護され
ていてもよい)、アルコキシ(例えばメトキシ、エトキ
シなど)が挙げられる。置換されたシクロアルキル基と
しては、例えば4−メチルシクロヘキシル、4−クロロ
シクロヘキシル、4−ヒドロキシシクロヘキシル、4−
メトキシシクロヘキシルなどが挙げられる。
【0025】アラルキル基としては炭素数6〜12の芳
香族炭化水素基で置換された炭素数1〜5のアルキル基
が好ましく、例えばフェニルメチル、1−ナフチルメチ
ル、2−フェニルエチル、2−ナフチルメチル、2−
(1−ナフチル)エチル、2−(2−ナフチル)エチ
ル、3−フェニルプロピルなどが挙げられる。
【0026】これらのアラルキル基は置換されていても
よく、該置換基としては低級アルキル(例えばメチル、
エチル、n−プロピルなど)、シクロアルキル(例えば
シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルな
ど)、ハロゲン(例えばフルオロ、クロロ、ブロモな
ど)、ヒドロキシ(保護されていてもよい)、アルコキ
シ(例えばメトキシ、エトキシなど)が挙げられる。置
換されたアラルキル基としては、例えば4−メチルフェ
ニルメチル、2−(4−メチルフェニル)エチル、4−
フルオロフェニルメチル、2−(4−クロロフェニル)
エチル、2−(4−メトキシフェニル)エチルなどが挙
げられる。
【0027】R2 としてはn−プロピル、イソプロピ
ル、イソブチル、sec−ブチル、シクロヘキシルメチ
ル、ベンジルが好ましく、イソブチルが特に好ましい。
【0028】上記R3 の炭化水素基としては、アルキル
基、シクロアルキル基又はアラルキル基が好ましい。ア
ルキル基としては直鎖状又は分枝状の炭素数4〜8の無
置換のアルキル基又は炭素数1〜8の置換されたアルキ
ル基が好ましい。炭素数4〜8の無置換のアルキル基と
しては、例えばn−ブチル、イソブチル、sec−ブチ
ル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソアミル、t
ert−アミル、n−ヘキシル、イソヘキシル、n−ヘ
プチル、n−オクチルなどが挙げられる。
【0029】炭素数1〜8のアルキル基(例えばメチ
ル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチ
ル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、
n−ペンチル、イソアミル、tert−アミル、n−ヘ
キシル、イソヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチルな
ど)の置換基としてはシクロアルキル(例えばシクロペ
ンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなど)、ハロ
ゲン(例えばフルオロ、クロロ、ブロモなど)、ヒドロ
キシ(保護されていてもよい)、メルカプト(保護され
ていてもよい)、アルコキシ(例えばメトキシ、エトキ
シなど)、アルキルチオ(例えばメチルチオ、エチルチ
オなど)、アミノ(保護されていてもよい)、置換アミ
ノ(保護されていてもよい)、グアニジノ(保護されて
いてもよい)、カルボキシル(保護されていてもよ
い)、カルバモイル、ケトン、複素環基(炭素以外の環
構成原子として窒素及び/又は酸素及び/又は硫黄を1
〜3個含む1〜3環性の縮合複素環の炭素に結合した水
素を取り除いてできる基。例えば2−ピリジル、3−ピ
リジル、4−ピリジル、2−ピリダジニル、3−フリ
ル、3−チエニル、2−インドリル、3−インドリル、
4−チアゾリル、4−イミダゾリル、ベンゾフリル、ベ
ンゾチエニルなど)が挙げられる。
【0030】置換されたアルキル基としては例えばシク
ロヘキシルメチル、2−シクロヘキシルエチル、2−フ
ルオロエチル、2−クロロエチル、3−クロロプロピ
ル、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、2−メ
トキシエチル、2−アミノエチル、4−アミノブチル、
3−グアニジノプロピル、カルバモイルメチル、2−カ
ルバモイルエチル、メルカプトメチル、カルボキシメチ
ル、2−カルボキシエチル、4−イミダゾリルメチル、
3−インドリルメチルなどが挙げられる。
【0031】シクロアルキル基としては5〜7員環の脂
環状アルキルが好ましく、シクロペンチル、シクロヘキ
シル、シクロヘプチルが挙げられる。
【0032】これらのシクロアルキル基は置換基を有し
ていてもよく、該置換基としては低級アルキル(例えば
メチル、エチル、n−プロピルなど)、ハロゲン(例え
ばフルオロ、クロロ、ブロモなど)、ヒドロキシ(保護
されていてもよい)、アルコキシ(例えばメトキシ、エ
トキシなど)が挙げられる。置換されたシクロアルキル
としては、例えば4−メチルシクロヘキシル、4−クロ
ロシクロヘキシル、4−ヒドロキシシクロヘキシルなど
が挙げられる。
【0033】アラルキル基としては炭素数6〜12の芳
香族炭化水素基で置換された炭素数1〜5のアルキルが
好ましく、例えばフェニルメチル、2−フェニルエチ
ル、2−ナフチルメチル、2−(1−ナフチル)エチ
ル、2−(2−ナフチル)エチル、3−フェニルプロピ
ルなどが挙げられる。
【0034】これらのアラルキル基は置換されていても
よく、該置換基としては低級アルキル(例えばメチル、
エチル、n−プロピルなど)、シクロアルキル(例えば
シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シ
クロヘプチルなど)、ハロゲン(例えばフルオロ、クロ
ロ、ブロモなど)、ヒドロキシ(保護されていてもよ
い)、アルコキシ(例えばメトキシ、エトキシなど)が
挙げられる。置換されたアラルキル基としては、例えば
4−メチルフェニルメチル、2−(4−メチルフェニ
ル)エチル、4−フルオロフェニルメチル、2−(4−
クロロフェニル)エチル、2−(4−メトキシフェニ
ル)エチルなどが挙げられる。R3 としては置換されて
いてもよい3−インドリルメチル基が好ましい。
【0035】本発明で用いる化合物(1)のR2 、R3
が結合している炭素原子はいずれも不斉炭素であるが、
それらの炭素原子についてL体であるもの、D体である
ものあるいはラセミ体であるもののすべてを用いること
ができる。
【0036】化合物(1)は塩であってもよく、そのよ
うな塩としてはアンモニウム塩、アルカリ金属塩(例え
ばナトリウム塩、カリウム塩など)、アルカリ土類金属
塩(例えばカルシウム塩、マグネシウム塩など)、有機
塩基塩(例えばピリジン塩、トリエチルアミン塩など)
が挙げられる。
【0037】このようなホスホン酸誘導体又はその塩の
うち、本発明においてはN−(フェネチルホスホニル)
−Leu−Trp・2Na(Leuはロイシン、Trp
はトリプトファンを示す)、N−(イソアミルホスホニ
ル)−Leu−Trp・2Na、N−(シクロヘキシル
メチルホスホニル)−Leu−Trp・2Na、N−
(フェネチルホスホニル)−Phe−Trp・2Na
(Pheはフェニルアラニンを示す)、N−(1−ナフ
チルメチルホスホニル)−Leu−Trp・2Na、N
−〔2−(1−ナフチル)エチルホスホニル〕−Leu
−Trp・2Na及びN−〔2−(2−ナフチル)エチ
ルホスホニル〕−Leu−Trp・2Na等のホスホン
酸アミド誘導体を用いることが好ましく、特にN−(フ
ェネチルホスホニル)−Leu−Trp・2Na、N−
(1−ナフチルメチルホスホニル)−−Leu−Trp
・2Na及びN−〔2−(2−ナフチル)エチルホスホ
ニル〕Leu−Trp・2Naを用いることが好まし
い。
【0038】本発明の皮膚化粧料中にはホスホン酸誘導
体(1)又はその塩は0.0001〜10重量%、特に
0.001〜5重量%配合するのが好ましい。
【0039】更に、本発明の皮膚化粧料には、前記ホス
ホン酸誘導体(1)の他、通常の化粧料、医薬部外品、
医薬品等に用いられる各種任意成分、例えば油剤、保湿
剤、増粘剤、防腐剤、乳化剤、顔料、粉体、pH調整剤、
抗酸化剤、香料、乳化安定剤等を適宜配合することがで
きる。
【0040】具体的には、油剤としては流動パラフィ
ン、ワセリン、パラフィンワックス、スクワラン、ミツ
ロウ、カルナウバロウ、オリーブ油、ラノリン、高級ア
ルコール、脂肪酸、高級アルコールと脂肪酸の合成エス
テル油、シリコーン油等が挙げられ、保湿剤としてはソ
ルビトール、キシリトール、グリセリン、マルチトー
ル、プロピレングリコール、ピロリドンカルボン酸ナト
リウム、ポリオキシプロピレン脂肪酸エステル、ポリエ
チレングリコール等が挙げられ、増粘剤としてはカルボ
キシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース、ポ
リビニルアルコール、カラギーナン、ゼラチン等の水溶
性高分子、塩化ナトリウム、塩化カリウム等の電解質な
どが挙げられ、防腐剤としてはメチルパラベン、エチル
パラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、安息香
酸ナトリウム等が挙げられ、乳化剤としてはポリオキシ
エチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸
エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸
エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチ
レンソルビトール脂肪酸エステル等の非イオン界面活性
剤が挙げられ、粉体としてはタルク、セリサイト、マイ
カ、カオリン、シリカ、ベントナイト、バーミキュライ
ト、亜鉛華、雲母、雲母チタン、酸化チタン、酸化マグ
ネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、ベンガ
ラ、酸化鉄、群青等が挙げられ、pH調整剤としてはクエ
ン酸−クエン酸ナトリウム等の緩衝剤が挙げられる。
【0041】また、種々の有効成分として、アラントイ
ン、ビタミンE誘導体、グリチルリチン、アスコルビン
酸誘導体、コウジ酸、アルブチン、パンテティン酸誘導
体、プラセンタエキス、抗炎症剤、ヨクイニン、各種植
物抽出物などを添加することにより、メラニン抑制効果
の向上をはかることができる。更に、種々の紫外線吸収
物質を添加することにより、日焼け予防効果も向上させ
ることができる。
【0042】本発明の対象となる皮膚化粧料は、一般皮
膚化粧料に限定されるものではなく、薬用化粧料等を包
含するものである。本発明の皮膚化粧料は、それぞれ常
法により種々の形態に調製することができるが、一般に
はローション状、乳液状、クリーム状、軟膏状、スティ
ック状、有機溶媒による溶液状、パック状、ゲル状とす
るのが好ましい。
【0043】
【発明の効果】ホスホン酸誘導体(1)又はその塩から
なる本発明の美白剤は、メラノサイトのメラニン生成を
抑制することにより優れたメラニン色素沈着予防・改善
効果を示し、当該化合物を配合した皮膚化粧料は優れた
皮膚美白効果を示し、日焼け等によるシミ及びソバカス
の予防及び治療に極めて有用である。
【0044】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。尚、以下の実施例において試料としては、以下のも
のを使用した。 化合物−a:N−(フェネチルホスホニル)−Leu−
Trp・2Na 化合物−b:N−(イソアミルホスホニル)−Leu−
Trp・2Na 化合物−c:N−(シクロヘキシルメチルホスホニル)
−Leu−Trp・2Na 化合物−d:N−(フェネチルホスホニル)−Phe−
Trp・2Na 化合物−e:N−(フェネチルホスホニル)−Ile−
Trp・2Na(Ileはイソロイシンを示す) 化合物−f:N−(フェネチルホスホニル)−Val−
Trp・2Na(Valはバリンを示す) 化合物−g:N−(フェネチルホスホニル)−Cha−
Trp・2Na(Chaはシクロヘキシルアラニンを示
す) 化合物−h:N−(フェネチルホスホニル)−Nle−
Trp・2Na(Nleはノルロイシンを示す) 化合物−i:N−(フェネチルホスホニル)−Leu−
Phe・2Na 化合物−j:N−(フェネチルホスホニル)−Leu−
Leu・2Na 化合物−k:N−(1−ナフチルメチルホスホニル)−
Leu−Trp・2Na 化合物−l:N−(2−ナフチルメチルホスホニル)−
Leu−Trp・2Na 化合物−m:N−[2−(1−ナフチル)エチルホスホ
ニル]−Leu−Trp・2Na 化合物−n:N−[2−(2−ナフチル)エチルホスホ
ニル]−Leu−Trp・2Na
【0045】実施例1 培養ヒトメラノサイトのメラニン産生に対する効果:下
記試験方法に従って、正常ヒトメラノサイトの培養プレ
ートに各濃度の試料を添加し細胞のメラニン産生に対す
る効果を検討した。その結果を表2に示す。
【0046】〔試験方法〕クロネテイクス社より市販さ
れている正常ヒトメラノサイトを常法に従って継代培養
し本試験に供した。この細胞培養プレートに最終濃度が
0.00001〜100μM となるように試料を添加し
たのち一定期間後のメラノサイトのメラニン産生に対す
る効果を調べた。尚、メラニン産生に対する効果の評価
は、試料濃度10μM の細胞を回収し、細胞ペレットの
色調を肉眼判定し、1〜4までの評価点をつけることに
より行った。色調の判定は、以下の表1に示す判定基準
により行った。また、評価は、培養プレート10枚の評
価点の平均で示した。また、色調の判定において、コン
トロールとしては、サンプルを溶解させるのに用いた溶
媒を同濃度になるように培養液に加え、それを用いた。
【0047】
【表1】
【0048】〔結果〕表2に示すように細胞ペレットの
色調の肉眼判定により、0.01μM 以上の濃度で明ら
かな細胞の白色化が認められた。以上の結果から培養ヒ
トメラノサイト産生細胞のメラニン産生に対する抑制効
果が認められた。
【0049】
【表2】
【0050】実施例2 褐色モルモット背部のUV−B色素斑に対する消退効
果:下記試験方法に従って、UV−B色素斑に対する消
退効果を検討した。その結果を表4に示す。
【0051】〔試験方法〕褐色モルモット20匹の背部
毛をバリカンとシェーバーにて丁寧に剃毛したのち、U
VB領域の紫外線を最小紅斑量(MED)の2倍量を1
日1回3日間にわたり照射し、誘導した色素斑に1日2
回、1カ月被験部位に1重量%濃度の試料を連続塗布す
ることによる色素斑消退量を調べた。評価は、色差計に
より測定を行い、得られたマンセル値からL* 値を算出
し、試料塗布部位のΔL* (経時変化)から試料未塗布
(溶媒のみ=コントロール)部位のΔL* (経時変化)
を差し引いた値(ΔΔL* )を求め、表3に示す基準に
より行った。尚、ΔΔL* は以下の式にて表記され、結
果は被験動物20匹の評価点の平均値で示した。
【0052】 ΔΔL*=(L*1−L*0)−(L'*1−L'*0) L*0 :塗布前の試料塗布被験部位 L'*0:塗布前の試料未塗布被験部位 L*1 :連続塗布1カ月後の試料塗布被験部位 L'*1:連続塗布1カ月後の試料未塗布被験部位
【0053】
【表3】
【0054】〔結果〕下記表4に示すように、本試料の
塗布によりコントロールに比して明らかな色素斑の褪色
化が認められた。
【0055】
【表4】
【0056】以上の結果より本試料は、メラニン産生及
びUV−B誘導色素斑の褪色作用を有することが明らか
となったことから美白剤としての有用性が示唆された。
【0057】
【表5】 実施例3(乳液) (組成) (重量%) (1)トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン 1.0 (2)オレイン酸グリセリン 1.0 (3)モノステアリン酸グリセリン 0.5 (4)スクワラン 5.0 (5)トリオクタン酸グリセリル 2.0 (6)ジメチルポリシロキサン(50cs) 0.2 (7)オクタン酸セチル 1.5 (8)ステアリルアルコール 2.0 (9)メトキシケイ皮酸オクチル 2.0 (10)パラオキシ安息香酸ブチル 0.1 (11)1,3−ブチレングリコール 5.0 (12)グリセリン 3.0 (13)キサンタンガム 0.2 (14)エデト酸四ナトリウム 0.1 (15)クエン酸ナトリウム 1.0 (16)化合物−a 1.0 (17)グリシン 0.5 (18)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (19)イオン交換水 残部
【0058】(調製方法)油相成分(1)〜(10)を
80℃で加熱溶解したものに、攪拌しながら80℃に加
熱した水相成分(11)〜(19)を加えて乳化し、次
いで、攪拌しながら室温まで冷却する。
【0059】
【表6】 実施例4(化粧水) (組成) (重量%) (1)1,3−ブチレングリコール 8.0 (2)グリセリン 4.0 (3)キサンタンガム 0.1 (4)コンドロイチン酸ナトリウム 0.1 (5)ヒアルロン酸ナトリウム 0.1 (6)エタノール 3.0 (7)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (8)ポリオキシエチレン−オレイルエーテル(20E.O.) 0.5 (9)エデト酸四ナトリウム 0.1 (10)クエン酸ナトリウム 1.0 (11)化合物−n 0.01 (12)アルブチン 0.01 (13)イオン交換水 残部
【0060】(調製方法)(1)〜(5)の成分を攪拌
分散した後、イオン交換水(13)65部を加えAとす
る。(6)〜(8)を攪拌溶解した後、残量のイオン交
換水(13)を加えBとする。Aを攪拌しながらBを加
え均一にした後、(9)〜(12)の成分を加え攪拌溶
解する。
【0061】
【表7】 実施例5(クリーム状ファンデーション) (組成) (重量%) (1)メチルポリシロキサン(6cs) 10.0 (2)メチルフェニルポリシロキサン 3.0 (3)オクタメチルシクロテトラシロキサン 10.0 (4)ポリオキシアルキレン変性シリコーン 5.0 (5)酸化チタン 5.0 (6)セリサイト 2.0 (7)タルク 3.0 (8)ベンガラ 0.4 (9)酸化鉄黄 0.7 (10)酸化鉄黒 0.1 (11)ブチルパラベン 0.1 (12)グリセリン 5.0 (13)エデト酸二ナトリウム 0.1 (14)化合物−k 0.5 (15)クエン酸ナトリウム 1.0 (16)メチルパラベン 0.1 (17)イオン交換水 残部
【0062】(調製方法)(1)〜(11)の成分を8
0℃で加熱溶解し攪拌しながら、(12)〜(17)の
成分を80℃に加熱溶解した水相を加え均一に乳化す
る。
【0063】
【表8】 実施例6(パック) (組成) (重量%) (1)ジプロピレングリコール 3.0 (2)ポリエチレングリコール 3.0 (3)1,3−ブチレングリコール 1.0 (4)グリセリン 2.0 (5)ピロリドンカルボン酸ナトリウム 1.0 (6)クエン酸ナトリウム 1.0 (7)エデト酸二ナトリウム 0.1 (8)乳酸 0.5 (9)ポリビニルアルコール 12.0 (10)コウジ酸 0.05 (11)化合物−m 0.05 (12)エタノール 5.0 (13)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (14)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシル テトラデシルエーテル 0.3 (15)精製水 残部
【0064】(調製方法)(1)〜(8)の成分をイオ
ン交換水(15)50部と攪拌して溶解しAとする。
(12)〜(14)の成分を攪拌溶解した後、残量のイ
オン交換水(15)を加えて均一にしBとする。Aを攪
拌しながら(9)〜(11)を加え、均一に分散した
後、70℃に加熱溶解する。これを45℃に冷却し、B
を加えて均一にし、室温まで冷却する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1): 【化1】 〔式中、R1 、R2 及びR3 は置換されていてもよい炭
    化水素基を示す。ただし、R2 が無置換のメチル基であ
    る場合、R3 が炭素数1〜3の無置換の炭化水素基であ
    る場合、及びR1 がベンジルオキシカルボニルアミノメ
    チル基でR2 がイソブチル基であってR3 がイソブチル
    基若しくはフェニルメチル基である場合を除く。〕で表
    わされるホスホン酸誘導体又はその塩からなる美白剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のホスホン酸誘導体又はそ
    の塩を含有する皮膚化粧料。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0940546A (ja) * 1995-07-28 1997-02-10 L'oreal Sa 化粧品組成物等の組成物における二つの特定の油類の組み合わせの使用および組成物
EP0897717A2 (fr) * 1997-07-31 1999-02-24 Exsymol S.A.M. Composition cosmétique utile notamment pour le blanchiment de la peau et agent inhibiteur de la mélanogénèse comprenant une telle composition cosmétique
JP2004196719A (ja) * 2002-12-19 2004-07-15 Kao Corp 水中油型乳化組成物

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0940546A (ja) * 1995-07-28 1997-02-10 L'oreal Sa 化粧品組成物等の組成物における二つの特定の油類の組み合わせの使用および組成物
EP0897717A2 (fr) * 1997-07-31 1999-02-24 Exsymol S.A.M. Composition cosmétique utile notamment pour le blanchiment de la peau et agent inhibiteur de la mélanogénèse comprenant une telle composition cosmétique
EP0897717A3 (fr) * 1997-07-31 1999-11-10 Exsymol S.A.M. Composition cosmétique utile notamment pour le blanchiment de la peau et agent inhibiteur de la mélanogénèse comprenant une telle composition cosmétique
JP2004196719A (ja) * 2002-12-19 2004-07-15 Kao Corp 水中油型乳化組成物

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