JPH08332179A - 採血針抜き機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 廃棄物の処理費用を削減し得ると共に、針刺
し事故を確実に防止して安全性を向上させ得る、採血針
抜き機を提供する。 【構成】 採血針が下方に突出した状態で採血器本体が
セットされるセット部材と、セット部材の下方に突出し
た採血針を挟持する爪と、爪を所定方向に駆動させる爪
駆動機構と、セット部材の下方に配置された針収容缶と
を具備し、採血器本体がセット部材にセットされた際
に、爪駆動機構を駆動させて採血針を採血器本体から抜
き取り、針収容缶内に落下収容させる。セット部材は、
例えば、下方に押し下げることにより、爪駆動機構が自
動的に作動し、爪はモータの回転によって閉じフライホ
イールの慣性によって解放する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、病院等で使用された使
用済みの採血針を、採血器本体から機械的に抜き取るた
めの採血針抜き機に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、患者の採血時に使用する採血器
や、患者の体内に薬剤等を注入する際に使用する採血器
は、エイズやＢ型肝炎等の感染を防止するために、使用
済みの採血針を安全かつ確実に廃棄処理する必要があ
り、採血器自体に各種の工夫が施されたり、各種の採血
針処理装置が提案されている。

【０００３】ところで、従来、採血時に使用する採血器
は、例えば図１３に示す如く構成されている。すなわ
ち、採血器５０は、円筒状の採血器本体５１と採血針５
２とで構成され、採血針５２のネジ部５３（雄ネジ）
を、採血器本体５１のネジ部５４（雌ネジ）に螺合させ
ることにより、採血針５２が採血器本体５１に装着され
て一体化される。採血針５２は、ネジ部５３の前後に突
出する外側針５５と内側針５６を有し、ネジ部５３の前
端側には、断面十字形状の４つの鍔５７が形成され、非
使用時にはこの鍔５７の外周面にキャップ５８が装着さ
れて外側針５５が覆われている。また、ネジ部５３の後
端部には、内側針５６を覆うようにゴムカバー５９が装
着され、非使用時にはネジ部５３の外周面にキャップ６
０が被せられてゴムカバー５９等が覆われている。

【０００４】そして、採血時には、キャップ６０を取り
外して採血針５２を採血器本体５１に一体化し、その後
キャップ５８を取り外して外側針５５を患者の血管に挿
入し、採血器本体５１内に、その開口側から真空の採血
容器６１を挿入する。採血器本体５１内に採血容器６１
が挿入されると、内側針５６によって、採血容器６１の
左端面に設けられている弾性体６２が破られると共に、
内側針５６に被せられているゴムカバー５９も破れ、外
側針５５と真空の採血容器６１内とが連通する。これに
より、血管内の血液が外側針５５及び内側針５６の内部
を通って、採血容器６１内に吸引されて採血される。

【０００５】採血後は、採血容器６１を採血器本体５１
から抜き取り、採血器本体５１と採血針５２とを廃棄物
として処理するが、この処理は、一般的に次にようにし
て行われている。すなわち、まず採血針５２の鍔５７に
キャップ５８を装着して外側針５５を覆った後、採血器
本体５１のネジ部５４から採血針５２のネジ部５３を手
で緩めて取り外し、ネジ部５３にキャップ６０を装着し
て内側針５６を覆う。そして、このキャップ５８、６０
で覆われた採血針５２を特殊ゴミとして処理し、採血器
本体５１を、例えば通常のゴミとして処理する。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この処
理方法にあっては、廃棄物の処理費用が嵩むと共に、針
刺し事故を確実に防止することが困難で安全性が劣ると
いう問題点があった。すなわち、採血針５２に２個のキ
ャップ５８、６０を被せたまま廃棄処理する必要がある
ため、処理コストの高い特殊ゴミの量が多くなると共
に、採血針５２にキャップ５８、６０を一々被せなけれ
ばならず、その作業が面倒になって作業コストがアップ
する等、全体として処理費用が嵩むことになる。この処
理費用は、特に、採血器５０の使用本数が多い総合病院
等において、膨大な金額になり易く、改善が望まれてい
るのが実状である。

【０００７】また、採血後、外側針５５及び内側針５６
にキャップ５８、６０をそれぞれ被せる必要があるが、
その際、例えばキャップ５８の場合は、左手でキャップ
５８を持ち右手で採血器本体５１を持って、採血器本体
５１に装着されている採血針５２の外側針５５に被せな
ければならない。また、キャップ６０の場合は、左手で
キャップ５８部を持ち右手でキャップ６０を持って、採
血針５２のねじ部５３に被せなければならず、これらの
作業時に、誤って外側針５５及び内側針５６の針先が、
看護婦等の作業者の指先等に刺さる場合がある。特に、
採血針５２にキャップ５８、６０を被せる作業が２度あ
ることから、針刺し事故の発生確率が高くなり、この針
刺し事故によって、看護婦等がエイズやＢ型肝炎等に感
染する虞があり、安全性が劣ることになる。

【０００８】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、その目的は、廃棄物の処理費用を削減し得る共
に、針刺し事故を確実に防止して安全性を向上させ得
る、採血針抜き機を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】かかる目的を達成すべ
く、請求項１記載の採血針抜き機は、使用済みの採血針
を採血器本体から抜き取る採血針抜き機において、採血
針が下方に突出した状態で採血器本体がセットされるセ
ット部材と、セット部材の下方に突出した採血針を挟持
する爪と、爪を所定方向に駆動させる爪駆動機構と、セ
ット部材の下方に配置された針収容缶とを具備し、採血
器本体がセット部材にセットされた際に、爪駆動機構を
駆動させて採血針を採血器本体から抜き取り、針収容缶
内に落下収容させることを特徴とする。

【００１０】また、請求項２記載の採血針抜き機は、セ
ット部材が上下動可能に配設され、セット部材に採血器
本体を挿入した状態でセット部材を下方に押し下げるこ
とにより、爪駆動機構が駆動することを特徴とする。

【００１１】また、請求項３記載の採血針抜き機は、爪
が、移動可能な支点で回動する複数個の爪部材を有し、
爪部材の先端部分で採血針を挟持することを特徴とす
る。また、請求項４記載の採血針抜き機は、爪駆動機構
が、中心部に針挿通孔を有するフライホイールと、フラ
イホイールにギヤを介して連結されたモータとを具備
し、モータの回転によって爪を閉じると共に、フライホ
イールの慣性によって爪を解放することを特徴とする。

【００１２】

【作用】まず、請求項１記載の採血針抜き機によれば、
使用済みの採血針が装着された採血器本体は、採血針を
装着したまま略垂直状態でセット部材にセットされ、採
血針はセット部材の下方に突出する。爪駆動機構は、採
血器本体をセット部材にセットした後に駆動し、例えば
爪を回動させて、セット部材の下方に突出している採血
針を挟持し、この採血針を採血器本体に対して回転させ
る。採血器本体に螺合している採血針は、この回転によ
って螺合状態が解かれ、下方に自然落下して針収容缶に
収容される。

【００１３】採血針は、キャップや採血器本体から完全
に分離された状態で、針収容缶に収容されるため、特殊
ゴミの量が少なくなり、抜き取り作業も容易になると共
に、採血針の抜き取り作業が機械的に行われ、看護婦等
の作業者が針先に触れることもなくなる。

【００１４】また、請求項２記載の採血針抜き機によれ
ば、セット部材に採血器本体を挿入し、このセット部材
を採血器本体と共に下方に押し下げると、この移動を例
えばマイクロスイッチが検知して、爪駆動機構のモータ
を回転させる。採血針は、採血器本体をセット部材にセ
ットするだけで、採血器本体から自動的に抜き取られ
る。

【００１５】また、請求項３記載の採血針抜き機によれ
ば、支点が移動可能な例えば４個の爪部材の先端部分
が、例えば採血針の鍔に係合することにより、採血針が
挟持され、採血器本体から抜き取られる。また、請求項
３記載の採血針抜き機によれば、モータの回転により、
ギヤ及びフライホイールを介して回動する爪で採血針が
挟持されて採血器本体から抜き取られ、採血針が抜き取
られた後は、フライホイールの慣性によって爪が解放さ
れる。抜き取られた採血針は、フライホイールの針挿通
孔を通って下方に自然落下する。

【００１６】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。図１〜図７は、本発明に係わる採血針抜
き機を示し、図１がその側面図、図２が平面図、図３が
正面図、図４が拡大断面図、図５が図４のＡ−Ａ線断面
図、図６が図４のＢ−Ｂ線断面図、図７が爪部分を示す
平面図である。図１〜図３において、採血針抜き機１
は、セット部２ａ、脚部２ｂ及び垂直壁部２ｃを有して
側面視略コ字状に形成された抜き機本体２と、この抜き
機本体２の脚部２ｂ付近に配置される針収容缶３とを有
している。

【００１７】抜き機本体２のセット部２ａは、図４〜図
６に示すように、上部フレーム４及び下部フレーム５を
有し、上部フレーム４の上面及び側面等がカバー６で覆
われている。上部フレーム４の前端側上面には凹部７が
形成され、この凹部７とカバー６間には、上面が開口し
た筒状のセット部材８が上下動可能に配設されている。
セット部材８は、その外周面にリターンスプリング９が
嵌装され、このリターンスプリング９によってセット部
材８が常時上方に付勢され、その上部に設けた鍔８ａの
上面がカバー６の内面に当接している。なお、カバー６
には、セット部材８の上面開口部に対応して孔１０が穿
設され、セット部材８及び凹部７の底部中心には、上下
方向に連通する孔１１、１２がそれぞれ穿設されてい
る。

【００１８】また、上部フレーム４には凹部１３が形成
され、この凹部１３内にはマイクロスイッチ１４が配設
されている。このマイクロスイッチ１４は、その操作レ
バー１４ａの先端部がセット部材８の鍔８ａ下面と対向
する位置に配設され、セット部材８の下降により、マイ
クロスイッチ１４がオンする。

【００１９】上部フレーム４と、該フレーム４の下面に
ネジ１６（図５及び図６参照）で固定される下部フレー
ム５との間には、爪１７と、この爪１７を駆動させる爪
駆動機構１８が配設されている。爪１７は、図７に示す
ように、先端部分に切欠１９を有する４個の爪部材１７
ａ〜１７ｄを有し、各爪部材１７ａ〜１７ｂの基端部に
は下方に突出するピン２０がそれぞれ固定されると共
に、略中央部分には後述するフライホイール２８のピン
３１がそれぞれ連結されている。そして、この爪部材１
７ａ〜１７ｄは、通常、図７に示す位置に保持され、中
心部に開口２１が形成されている。

【００２０】爪駆動機構１８は、図４及び図６に示すよ
うに、電池２２によって所定方向に所定角度回転するモ
ータ２３と、このモータ２３の回転軸に固定されたモー
タピニオン２４と、モータピニオン２４に噛み合う第１
のギヤ２５と、第１のギヤ２５に噛み合う第２のギヤ２
６と、第２のギヤ２６に噛み合う第３のギヤ２７と、第
３のギヤ２７の下部に配設されたフライホイール２８と
を有している。第１のギヤ２５及び第２のギヤ２６は、
上部フレーム４と下部フレーム５間にピン２９、３０を
介して回転可能に配設されている。

【００２１】また、第３のギヤ２７は、中心部に孔３２
が穿設されると共に、対になった長孔３３、３４（図６
参照）が４組形成され、一方の長孔３３は直線状に形成
され、他方の長孔３４は略円弧状に形成されている。こ
の第３のギヤ２７の下面側に配設されるフライホイール
２８は、その中心部に孔３５（針挿通孔）を有すると共
に、上面には慣性によって回動する上記ピン３１が上方
に向かって突出され、このピン３１の突出部に各爪部材
１７ａ〜１７ｄが連結されている。

【００２２】すなわち、第３のギヤ２７は、４個の爪部
材１７ａ〜１７ｄとフライホイール２８の上面との間に
介装され、長孔３３がピン２０を介して各爪部材１７ａ
〜１７ｄに連結され、長孔３４がピン３１を介してフラ
イホイール２８にそれぞれ連結されている。そして、第
３のギヤ２７が回転すると、その長孔３３、３４もそれ
ぞれ回動し、この長孔３３、３４に追従してピン２０も
回動して、各爪部材１７ａ〜１７ｄが図８の矢印イ方向
にそれぞれ回動し、開口２１が爪部材１７ａ〜１７ｄの
切欠１９部分によって閉じられる。

【００２３】なお、フライホイール２８の下面にはカバ
ー３７が固定され、このカバー３７には、フライホイー
ル２８の孔３５と連通する孔３８が穿設されている。こ
の孔３８とフライホイールの孔３５及び第３のギヤ２７
の孔３２内には、円筒状の軸部材３９が挿通され、この
軸部材３９を中心にして第３のギヤ２７及びフライホイ
ール２８が回転する。

【００２４】これにより、セット部材８の孔１１、上部
フレーム４の孔１２、軸部材３９の孔（第３のギヤ２７
の孔３２、フライホイール２８の孔３５及びカバー３７
の孔３８）が、上下方向に連通して採血針５２（図１３
参照）の通過孔が形成され、この通過孔の途中（孔１２
の下部）に、爪部材１７ａ〜１７ｄの先端部分が出没す
ることになる。なお、爪駆動機構１８のモータピニオン
２４、ギヤ２５〜２７のギヤ比は、例えば１０：６０：
２０：１２０に設定されている。

【００２５】爪駆動機構１８のモータ２３は、抜き機本
体２の垂直壁部２ｃの凹部４１内に配設され、この凹部
４１後方の凹部４２内には、電池ボックス４３が配設さ
れている。この電池ボックス４３には、端子４４ａ、４
４ｂがそれぞれ固定され、この端子４４ａ、４４ｂ間
に、例えば単２の電池２２が４個直列状態で収納されて
いる。また、この電池２２の一方の端子とモータ２３の
一方の端子間には、上記マイクロスイッチ１４が接続さ
れている。なお、モータ２３は、例えば回転数が１４２
００ｒｐｍ、駆動トルクが１００ｇ・ｃｍで、約ＤＣ６
Ｖの直流電圧で動作する直流モータが使用される。

【００２６】抜き機本体２の脚部２ｂは、図２に示すよ
うに、左右両側が円弧状に張り出して中央部分に開口部
４５が形成されており、この開口部４５の中心は、セッ
ト部２ａの上記孔１０等の中心と略一致している。そし
て、この開口部４５の机上に、例えばステンレススチー
ルで成形されたカップ状の針収容缶３が配置される。な
お、脚部２ｂの下面には、抜き機本体２の移動を防止す
るためのゴム４６が複数個固定されている。

【００２７】次に、この採血針抜き機１の動作を、採血
用の採血器５０（図１３参照）を使用した場合につい
て、図９〜図１２等を基に説明する。まず、図９に示す
ように、採決容器６１が抜き取られた採血器本体５１
を、採血針５２が挿着されたままの状態で、カバー６の
孔１０からセット部材８内に挿入する。採血針５２は、
セット部材８の底部の孔１１、上部フレーム４の孔１２
及び爪１７ａ〜１７ｄの開口２１等を通って、セット部
材８の下方に突出し、採血器本体５１のネジ部５４が、
孔１１付近に位置することになる。

【００２８】そして、採血器本体５１をセット部材８内
の底部まで挿入した状態で、図９の矢印ロ方向に採血器
本体５１の鍔部を押し、図１０に示すように、上下動自
在なセット部材８を、リターンスプリング９の付勢力に
抗して下方に移動させる。このセット部材８の下方への
移動により、鍔８ａの下面でマイクロスイッチ１４の操
作レバー１４ａが下方に押され、マイクロスイッチ１４
がオンし、電池２２とモータ２３が電気的に接続され
て、モータ２３が回転する。

【００２９】モータ２３が回転すると、モータピニオン
２４及びギヤ２５〜２７（図４参照）が所定の比率で順
次回転する。第３のギヤ２７が回転するとこのギヤ２７
に形成されている長孔３３、３４がそれぞれ回動し、こ
の長孔３３内に嵌入されているピン３１が、長孔３３に
ガイドされつつ回動する。これにより、ピン３１に連結
されている爪部材１７ａ〜１７ｄが、その先端部分を互
いに閉じる方向（図１０の矢印イ方向）にそれぞれ回動
することになる。

【００３０】爪部材１７ａ〜１７ｄが回動すると、図１
１に示すように、先端部分の切欠１９が採血針５２の鍔
５７間にそれぞれ位置し、採血針５２が爪部材１７ａ〜
１７ｄによって挟持される（図８参照）。この状態で第
３のギヤ２７がさらに回転すると、採血針５２が、図１
１の矢印ハの如く、採血器本体５１に対して回転し、ネ
ジ部５３とネジ部５４の螺合状態が解かれる。この時、
採血器本体５１は、例えば看護婦等の作業者の手によっ
て、セット部材８を介して上部フレーム４に押さえ付け
られた状態で固定保持されており、この状態で採血針５
２が自動的に所定角度回転することになる。

【００３１】そして、図１２に示すように、モータ２３
が所定角度回転し、採血針５２が採血器本体５１から抜
き取られた時点で、作業者が採血器本体５１から手を離
すと、採血器本体５１はセット部材８と共にリターンス
プリング９の付勢力によって上昇する。セット部材８が
所定距離上昇すると、鍔８ａによる操作レバー１４ａの
押圧状態が解除されて、マイクロスイッチ１４がオフと
なり、モータ２３の回転が停止する。モータ２３の回転
が停止すると、フライホイール２８のピン３１が、フラ
イホイール２８の慣性によって元の位置に戻り、ピン３
１に連結されている各爪部材１７ａ〜１７ｄも元の位置
に戻って、その先端部分に開口２１が形成される（図７
参照）。

【００３２】これにより、爪部材１７ａ〜１７ｄによる
採血針５２の挟持状態が解かれ、採血針５２はその自重
により、フライホイール２８の孔３５等に挿通されてい
る軸部材３９の孔を通って下方に自然落下し、針収容缶
３内に収容される。この針収容缶３に所定量の使用済み
の採血針５２が収容されたら、針収容缶３内の採血針５
２を特殊ゴミとして廃棄処理する。また、採血器本体５
１は、使用時に取り外したキャップ５８、６０等と共
に、通常のゴミとして廃棄処理する。

【００３３】このように、上記実施例によれば、採血時
に使用した採血器本体５１を採血針５２が装着されたま
まの状態で、セット部材８に挿入し下方に押してセット
するだけで、採血針５２が採血器本体５１から自動的に
抜き取られるため、採血針５２と採血器本体５１とを容
易に分離することができ、採血針５２だけをそのまま針
収容缶３内に収容することができる。その結果、特殊ゴ
ミとしての廃棄物が採血針５２だけとなり、処理コスト
の高い特殊ゴミの量を少なくすることができると共に、
採血針５２の抜き取り作業の作業効率を向上させること
ができ、廃棄物の処理費用の削減が図れる。この処理費
用の削減は、総合病院等においては、膨大な金額とな
り、大きな経済的効果が得られる。

【００３４】また、使用済みの血液が付着した採血針５
２に、キャップ５８、６０を被せる必要が全くなくな
り、採血針５２を看護婦等の作業者が触れることなく針
収容缶３に収容することができるため、針刺し事故を確
実に防止することができる。その結果、作業者へのエイ
ズやＢ型肝炎等の感染が防止され、安全性を向上させる
ことができる。特に、採血器本体５１から抜き取られた
採血針５２は、その自重で自然落下して、針収容缶３に
収容されるため、採血針５２の針収容缶３への収容が容
易かつ確実に行われると共に、抜き取った採血針５２へ
の作業者の接触等もなくなり、安全性が一層向上する。

【００３５】また、フライホイール２８等を使用するこ
とにより、モータ２３の回転方向を一定方向とすること
ができると共に、電池２２で駆動する安価な直流モータ
を使用することができるため、構成簡易にして抜き機本
体２を小形かつ軽量に構成することができる。その結
果、例えば机上に容易に設置し得る等、使い勝手が向上
すると共に、採血針抜き機１を比較的安価に構成するこ
とが可能になる。

【００３６】なお、上記実施例においては、採血器本体
５１をセット部材８にセットした後、作業者の手で固定
保持するようにしたが、本発明はこれに限定されるもの
ではなく、例えば採血器本体５１がセット部材８にセッ
トされたら、採血器本体５１を自動的にロックし、モー
タ２３が所定角度回転し採血針５２が抜き取られた後
に、このロックを自動的に解除するようにしても良い。
このように構成すれば、採血針５２の抜き取り作業を完
全自動化することができる。また、上記実施例において
は、採血用の採血器５０について説明したが、例えば薬
剤投入用の採血器等に適用することも勿論可能である。

【００３７】さらに、上記実施例においては、採血針を
採血器本体にネジによって装着する場合について説明し
たが、例えば、採血針を採血器本体に圧入によって装着
する採血器にも適用することができる。この場合は、爪
によって採血針を挟持した後に、採血針を下方に押し下
げる機構かあるいは採血器本体を上昇させる機構を、爪
駆動機構に付加すれば良い。また、上記実施例における
爪の構成及び爪部材の形状も一例であって、使用する採
血針の形状に応じて適宜変更しても良く、抜き機本体及
びカバーの形状、爪駆動機構の構成等と併せ、本発明の
要旨を逸脱しない範囲において、種々変更可能であるこ
とは言うまでもない。

【００３８】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明の採血針抜
き機によれば、使用済みの採血針と採血器本体とを容易
に分離し得て、特殊ゴミの量を少なくすることができる
等、廃棄物の処理費用の削減が図れると共に、看護婦等
の作業者の針刺し事故が確実に防止されて、安全性を向
上させることができる等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係わる採血針抜き機の側面図

【図２】同平面図

【図３】同正面図

【図４】同拡大断面図

【図５】同図４のＡ−Ａ線断面図

【図６】同図４のＢ−Ｂ線断面図

【図７】同爪部分を示す平面図

【図８】同爪の動作状態を示す平面図

【図９】同採血針抜き機の動作を示す要部断面図

【図１０】同動作を示す要部断面図

【図１１】同動作を示す要部断面図

【図１２】同動作を示す要部断面図

【図１３】採血用の採血器を示す分解斜視図

【符号の説明】

１・・・・・・・・・採血針抜き機 ２・・・・・・・・・抜き機本体 ３・・・・・・・・・針収容缶 ８・・・・・・・・・セット部材 ８ａ・・・・・・・・鍔 ９・・・・・・・・・リターンスプリング １４・・・・・・・・マイクロスイッチ １７・・・・・・・・爪 １７ａ〜１７ｄ・・・爪部材 １８・・・・・・・・爪駆動機構 ２３・・・・・・・・モータ ２５〜２７・・・・・ギヤ ２８・・・・・・・・フライホイール ３５・・・・・・・・孔 ５０・・・・・・・・採血器 ５１・・・・・・・・採血器本体 ５２・・・・・・・・採血針 ５７・・・・・・・・鍔 ６１・・・・・・・・採血容器

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】使用済みの採血針を採血器本体から抜き取
   る採血針抜き機において、前記採血針が下方に突出した
   状態で採血器本体がセットされるセット部材と、該セッ
   ト部材の下方に突出した採血針を挟持する爪と、該爪を
   所定方向に駆動させる爪駆動機構と、前記セット部材の
   下方に配置された針収容缶とを具備し、前記採血器本体
   がセット部材にセットされた際に、前記爪駆動機構を駆
   動させて前記採血針を採血器本体から抜き取り、前記針
   収容缶内に落下収容させることを特徴とする採血針抜き
   機。
2. 【請求項２】前記セット部材が上下動可能に配設され、
   該セット部材に採血器本体を挿入した状態でセット部材
   を下方に押し下げることにより、前記爪駆動機構が駆動
   することを特徴とする、請求項１記載の採血針抜き機。
3. 【請求項３】前記爪が、移動可能な支点で回動する複数
   個の爪部材を有し、該爪部材の先端部分で前記採血針を
   挟持することを特徴とする、請求項１もしくは請求項２
   記載の採血針抜き機。
4. 【請求項４】前記爪駆動機構が、中心部に針挿通孔を有
   するフライホイールと、該フライホイールにギヤを介し
   て連結されたモータとを具備し、該モータの回転によっ
   て前記爪を閉じると共に、前記フライホイールの慣性に
   よって爪を解放することを特徴とする、請求項１もしく
   は請求項２もしくは請求項３記載の採血針抜き機。