JPH0833118B2 - 内燃機関の電子制御燃料噴射装置 - Google Patents

内燃機関の電子制御燃料噴射装置

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JPH0833118B2
JPH0833118B2 JP63220528A JP22052888A JPH0833118B2 JP H0833118 B2 JPH0833118 B2 JP H0833118B2 JP 63220528 A JP63220528 A JP 63220528A JP 22052888 A JP22052888 A JP 22052888A JP H0833118 B2 JPH0833118 B2 JP H0833118B2
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益夫 柏原
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、内燃機関の電子制御燃料噴射装置に関し、
特に加・減速時の壁流補正制御機能を有するものに関す
る。
〈従来の技術〉 従来、内燃機関の電子制御燃料噴射装置では、吸入空
気の状態量として、吸入空気流量Qを検出し、これと機
関回転数Nとから、基本燃料噴射量Tp=K・Q/N(Kは
定数)を演算し、あるいは、吸入空気の状態量として、
吸気圧(吸入負圧)PBを検出し、これに基づいて基本燃
料噴射量Tp=K・ηv・PB・KTA(Kは定数、ηvは体積
効率、KTAは吸気温補正係数)を演算する。尚、吸入空
気流量Qによる方式をLジェトロといい、吸気圧PBによ
る方式をDジットロという。そして、空燃比フィードバ
ック補正係数α,水温等に基づく各種補正係数COEF及び
バッテリ電圧に基づく電圧補正分Tsにより補正して、最
終的な燃料噴射量Ti=Tp・α・COEF+Tsを演算する。
また、前記各種補正係数COEF(=1+KTW+KWF+…)
中には、水温補正係数KTW等の他、壁流補正係数KWFがあ
り、スロットル弁開度の変化量等より加・減速を判定
し、加速判定時には燃料の一部が壁流となって到達が遅
れることを見込んで燃料噴射量を増量補正し、減速判定
時にはそれ以前に噴射されて壁流となった燃料が供給さ
れることによる影響を回避すべく燃料噴射量を減量補正
するようにしている(特開昭58-214629号公報,特開昭5
8-220931号公報等参照)。
そして、機関回転に同期した所定のタイミングで前記
燃料噴射量Tiに対応するパルス巾の駆動パルス信号を電
磁式の燃料噴射弁に出力し、これにより機関に燃料を噴
射供給する。
〈発明が解決しようとする課題〉 しかしながら、従来のようにスロットル弁開度の変化
量より加・減速を判定し、加・減速判定時に壁流補正制
御を行う場合、次のような問題点があった。
すなわち、第7図を参照し、ギアチェンジ時のクラッ
チ接続時のように、スロットル弁開度TVOがほぼ一定で
ありながら、負荷の増大により機関回転数Nが大幅に低
下する時に、空燃比がリーン化する。
この理由について説明する。スロットル弁部の開口面
積をAとし、機関回転数をNとしたとき、シリンダに吸
入される空気量Qsとピストン排気量(ピストン排気全体
積)Qeとの比である基本体積効率(Qs/Qe)は、開口面
積Aにほぼ比例し、機関回転数Nにほぼ反比例すること
から、A/Nの値に対して第8図のように定まる。従っ
て、機関回転数Nの低下時は、ΔNの分、基本体積効率
が増大、すなわちシリンダに吸入される空気量が増大
し、この吸入空気量の増大に対応して空燃比を一定にす
べく燃料噴射量も増大するが、吸入空気量の段差による
平衡付着量の段差を埋めるまで、噴射燃料が壁流にとら
れて、空燃比がリーン化する。従って、加速時と同様に
燃料噴射量の増量補正が必要となるが、スロットル弁開
度の変化量で補正の有無を判定しているので、補正がで
きず、空燃比がリーン化するのである。
本発明は、このような従来の問題点を解決することを
目的とする。
〈課題を解決するための手段〉 このため、本発明は、第1図に示すように、機関に吸
入される吸入空気の状態量を検出する吸入空気状態量検
出手段と、吸入空気の状態量に基づいて基本燃料噴射量
を演算する基本燃料噴射量演算手段と、この基本燃料噴
射量を補正して燃料噴射量を演算する補正手段とを備え
る内燃機関の電子制御燃料噴射装置において、スロット
ル弁開度の変化量を検出するスロットル弁開度変化量検
出手段と、機関回転数の変化量を検出する機関回転数変
化量検出手段と、スロットル弁開度の変化量が正の所定
値以上のときに加速と判定する加速判定手段と、スロッ
トル弁開度の変化量が負の所定値以下のときに減速と判
定する減速判定手段と、加・減速判定時以外で機関回転
数の変化量が正の所定値以上あるいは負の所定値以下の
時に過渡と判定する過渡判定手段とを設けると共に、前
記補正手段として、加速判定時に燃料噴射量を増量補正
する加速時増量補正手段と、減速判定時に燃料噴射量を
減量補正する減速時減量補正手段と、過渡判定時に燃料
噴射量を機関回転数の変化方向と反対方向に補正する過
渡補正手段とを設ける構成とする。
〈作用〉 上記の構成においては、スロットル弁開度がほぼ一定
であっても、機関回転数の変化が大のときは、過渡と判
定され、燃料噴射量が機関回転数の変化方向と反対方向
に補正される。従って、例えば、ギアチェンジ時のクラ
ッチ接続時のように、スロットル弁開度がほぼ一定であ
りながら、負荷の増大により機関回転数が大幅に低下す
る時は、増量補正がなされ、空燃比のリーン化を防止す
ることができる。
〈実施例〉 以下に本発明の一実施例(Dジェトロの場合)を説明
する。
第2図において、機関1には、エアクリーナ2から、
吸気ダクト3,スロットルチャンバ4のスロットル弁5,吸
気マニホールド6を介して、空気が吸入される。
吸気マニホールド6の各ブランチ部には各気筒毎に燃
料噴射弁7が設けられている。燃料噴射弁7はソレノイ
ドに通電されて開弁し通電停止されて閉弁する電磁式燃
料噴射弁であって、後述するコントロールユニット9か
らの駆動パルス信号により通電されて開弁し、図示しな
い燃料ポンプにより圧送されてプレッシャレギュレータ
により所定の圧力に調整された燃料を噴射する。
機関1の燃焼室には点火栓8が設けられていて、これ
により火花点火して混合気を着火燃焼させる。
コントロールユニット9は、CPU,ROM,RAM,A/D変換
器,入出力インターフェイスを含んで構成されるマイク
ロコンピュータを備え、各種のセンサからの入力信号に
基づいて演算処理し、燃料噴射弁7及び点火栓8の作動
を制御する。但し、以下では燃料噴射弁7による燃料噴
射量の制御についてのみ説明する。
前記各種のセンサとしては、吸気マニホールド6に吸
入空気状態量検出手段としての吸気圧センサ10が設けら
れていて、吸気圧(吸入負圧)PBを検出する。
また、吸気温センサ11が設けられていて、吸気温Taを
検出する。
また、クランク角センサ12が設けられていて、例えば
4気筒の場合、クランク角180°毎の基準信号REFと、ク
ランク角1〜2°毎の単位信号POSとを出力する。これ
らの信号から機関回転数Nを算出可能である。
また、スロットル弁5にポテンショメータ式のスロッ
トルセンサ13が設けられていて、スロットル弁開度TVO
を検出する。
また、機関1の排気マニホールドにO2センサ14が設け
られていて、排気中の酸素濃度を介して空燃比のリッチ
・リーンを検出する。
また、機関1のウォータジャケットに臨ませて水温セ
ンサ15が設けられていて、冷却水温Twを検出する。
ここにおいて、コントロールユニット9に内蔵された
マイクロコンピュータ(CPU)は、第3図〜第5図にフ
ローチャートとして示すROM上のプログラムに従って、
演算処理を行い、燃料噴射量を制御する。
次に第3図〜第5図のフローチャートを参照しつつコ
ントロールユニット9内のマイクロコンピュータの演算
処理の様子を説明する。
第3図は、燃料噴射量Ti演算ルーチンである。
ステップ1(図にはS1と記してある。以下同様)で
は、吸入空気の状態量として、吸気圧センサ10からの信
号に基づいて検出される吸気圧PBを読込む。但し、この
吸気圧PBとしては平均化処理されたものが用いられる。
ステップ2では、吸気圧PBを基に、基本燃料噴射量Tp
=K・ηv・PBL・KTA(Kは定数、ηvは体積効率、KTA
は吸気温補正係数)を演算する。この部分が基本燃料噴
射量演算手段に相当する。
ステップ3では、燃料噴射量Ti=Tp・α・COEF+Tsを
演算する。αは空燃比フィードバック補正係数、COEFは
各種補正係数,Tsは電圧補正分である。この部分が補正
手段に相当する。
ここで、各種補正係数COEFは以下の式により演算され
る。KTWは水温補正係数、KWFは壁流補正係数である。
COEF=1+KTW+KWF+… そして、壁流補正係数KWFは、後述の第4図及び第5
図のルーチンによって設定され、設定の仕方により、加
速時増量補正手段,減速時減量補正手段及び過渡補正手
段として機能する。
このようにして、燃料噴射量Tiが演算されると、この
Tiに対応するパルス巾の駆動パルス信号が機関回転に同
期した所定のタイミングで燃料噴射弁7に出力され、燃
料噴射が行われる。
第4図は、加・減速及び過渡判定ルーチンで、単位時
間(例えば10ms)毎に実行される。
ステップ11ではスロットルセンサ13により検出される
スロットル弁開度TVOと、クランク角センサ12からの信
号に基づいて算出される機関回転数Nとを読込む。
ステップ12では検出されたスロットル弁開度TVOの前
回値TVOoLdに対する変化量ΔTVO=TVO-TVOoLdを演算
し、また、検出された機関回転数Nの前回値NoLdに対す
る変化量ΔN=N-NoLdを演算する。
ステップ13では次回の演算のためTVO,NをそれぞれTVO
oLd,NoLdに代入する。
ここで、ステップ11〜13の部分がスロットル弁開度変
化量検出手段及び機関回転数変化量検出手段に相当す
る。
ステップ14ではΔTVOを正の所定値+A(例えば+0.9
6deg)と比較し、ΔTVO≧+Aのときは加速と判定し、
ステップ18へ進んで、増量フラグF1を立てる。この部分
が加速判定手段に相当する。
ステップ15ではΔTVOを負の所定値−A(例えば−0.9
6deg)と比較し、ΔTVO≦−Aのときは減速と判定し、
ステップ19へ進んで、減量フラグF2を立てる。この部分
が減速判定手段に相当する。
加・減速判定時以外はステップ16以降へ進む。
ステップ16ではΔNを正の所定値+Bと比較し、ΔN
≧+Bのときは過渡(回転急上昇)と判定し、ステップ
19へ進んで、減量フラグF2を立てる。但し、スロットル
弁開度TVOほぼ一定での機関回転数Nの急上昇は実際に
はほとんどあり得ない。
ステップ17ではΔNを負の所定値−Bと比較し、ΔN
≦−Bのときは過渡(回転急下降)と判定し、ステップ
18は進んで、増量フラグF1を立てる。
ここで、ステップ16,17の部分が過渡判定手段に相当
する。
加・減速でなく、かつ過渡でない場合は、ステップ20
へ進んで、増量フラグF1及び減量フラグF2を共にリセッ
トする。
第5図は、壁流補正係数KWF設定ルーチンである。
ステップ21では増量フラグF1の値を判定し、F1=1の
場合は、ステップ23に進んで、壁流補正係数KWFを正の
適当な値に設定する。この部分が加速時増量補正手段及
び過渡補正手段に相当する。
ステップ22では減量フラグF2の値を判定し、F2=1の
場合は、ステップ24に進んで、壁流補正係数KWFを負の
適当な値に設定する。この部分が減速時減量補正手段及
び過渡補正手段に相当する。
F1=0,F2=0の場合は、ステップ25に進んで、壁流補
正係数KWFを0にする。
尚、壁流補正係数KWFの値自体は、スロットル弁開度
の変化量ΔTVO,水温Tw,機関回転数N,基本燃料噴射量Tp
等をパラメータとして決定し、時間経過と共に0に近づ
ける。
このような壁流補正制御により、例えば第6図に示す
ような、ギアチェンジ時のクラッチ接続時のように、ス
ロットル弁開度TVOがほぼ一定でありながら、負荷の増
大により機関回転数Nが大幅に低下する時は、壁流補正
係数KWFが正の適当な値に設定され、これにより増量補
正がなされて、空燃比のリーン化を防止し、適正なもの
とすることができる。
尚、以上ではDジェトロの例を説明したが、Lジェト
ロにも適用できることは勿論である。
〈発明の効果〉 以上説明したように本発明によれば、スロットル弁開
度がほぼ一定であっても、機関回転数の変化が大のとき
は、壁流補正制御を行うようにしたので、例えばギアチ
ェンジ時のクラッチ接続時のように、スロットル弁開度
がほぼ一定でありながら、負荷の増大により機関回転数
が大幅に低下する時に、増量補正により、空燃比のリー
ン化を防止することができ、回転急変時における空燃比
制御性が向上し、対エミッション性,燃費,運転性も向
上する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の構成を示す機能ブロック図、第2図は
本発明の一実施例を示す内燃機関のシステム図、第3図
〜第5図は演算処理内容を示すフローチャート、第6図
は本発明による制御特性図、第7図及び第8図は従来の
問題点を示す線図である。 1……機関、5……スロットル弁、6……吸気マニホー
ルド、7……燃料噴射弁、9……コントロールユニッ
ト、10……吸気圧センサ、11……吸気温センサ、12……
クランク角センサ、13……スロットルセンサ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機関に吸入される吸入空気の状態量を検出
    する吸入空気状態量検出手段と、吸入空気の状態量に基
    づいて基本燃料噴射量を演算する基本燃料噴射量演算手
    段と、この基本燃料噴射量を補正して燃料噴射量を演算
    する補正手段とを備える内燃機関の電子制御燃料噴射装
    置において、スロットル弁開度の変化量を検出するスロ
    ットル弁開度変化量検出手段と、機関回転数の変化量を
    検出する機関回転数変化量検出手段と、スロットル弁開
    度の変化量が正の所定値以上のときに加速と判定する加
    速判定手段と、スロットル弁開度の変化量が負の所定値
    以下のときに減速と判定する減速判定手段と、加・減速
    判定時以外で機関回転数の変化量が正の所定値以上ある
    いは負の所定値以下の時に過渡と判定する過渡判定手段
    とを設けると共に、前記補正手段として、加速判定時に
    燃料噴射量を増量補正する加速時増量補正手段と、減速
    判定時に燃料噴射量を減量補正する減速時減量補正手段
    と、過渡判定時に燃料噴射量を機関回転数の変化方向と
    反対方向に補正する過渡補正手段とを設けたことを特徴
    とする内燃機関の電子制御燃料噴射装置。
JP63220528A 1988-09-05 1988-09-05 内燃機関の電子制御燃料噴射装置 Expired - Lifetime JPH0833118B2 (ja)

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JPH0270949A JPH0270949A (ja) 1990-03-09
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS58214629A (ja) * 1982-06-09 1983-12-13 Japan Electronic Control Syst Co Ltd 内燃機関の電子制御燃料噴射装置
JPS58220931A (ja) * 1982-06-16 1983-12-22 Japan Electronic Control Syst Co Ltd 内燃機関の電子制御燃料噴射装置
JPS62223424A (ja) * 1986-03-25 1987-10-01 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関の空燃比制御装置

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JPH0270949A (ja) 1990-03-09

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