JPH0832958B2 - 耐摩耗性プラスチック物品の製造法 - Google Patents

耐摩耗性プラスチック物品の製造法

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JPH0832958B2
JPH0832958B2 JP50744688A JP50744688A JPH0832958B2 JP H0832958 B2 JPH0832958 B2 JP H0832958B2 JP 50744688 A JP50744688 A JP 50744688A JP 50744688 A JP50744688 A JP 50744688A JP H0832958 B2 JPH0832958 B2 JP H0832958B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景技術 本発明は一般的にいえばプラスチック物品、特に改良
された耐摩耗性ならびに熱及び機械的応力に暴露した場
合に改善された耐亀裂性を示すポリカーボネート物品に
関するものである。
エンジニアリング樹脂は広範囲の用途に有用な物理的
及び化学的性質をもつ周知の商業的に入手し得る物質で
ある。たとえば、ポリカーボネートは優れた破損抵抗を
もつので自動車の前照灯及び停止灯のレンズ、窓の安全
防護ガラス、建築用透明板ガラス等のごとき多くの製品
にガラスの代替として使用されている。しかしながら、
ポリカーボネートの示す主たる欠点は耐引掻性がきわめ
て低くかつ紫外線によって誘発される崩壊を受けやすい
点である。
ポリカーボネートのようなプラスチックスの耐引掻性
を改善する方法はポリカーボネートの表面上に無機質の
保護層を配置する処理を伴うものであった。たとえば、
Kaganowiczの米国特許第4,328,646号明細書によれば、
耐摩耗性物品は硬質被覆前駆体の混合物をグロー放電に
供し、そしてこの生成物をプラスチック基体上にきわめ
て薄いフィルムとして直接析着させることによって形成
されている。しかしながら、ポリカーボネートのような
プラスチックス上に直接析着された二酸化珪素(SiO2
のような無機質硬質被覆物は機械的又は熱的効果によっ
て生ずる応力を受ける際に性能上の問題を有する。これ
らの問題は無機物質及びプラスチック物質の特性の差異
に基づくものである。たとえば、ポリカーボネートにつ
いての熱膨張係数は約7×10-5m/m/℃であるに対し、登
録商標パイレックスガラスについての熱膨張係数は3×
10-6m/m/℃である。これらの差異は、特にその物品が種
々の加熱/冷却サイクルに供される場合、プラスチック
と硬質被覆物との界面において接線応力を生じ、これが
応力除去機構として硬質被覆物の亀裂を惹き起す。この
問題を軽減する試みとして、Hallら及びGeffckenらはそ
れぞれ米国特許第4,190,681号及び3,713,869号明細書に
おいて硬質無機層とプラスチック層との間の接着性を改
善するために中間層の使用を提案した。さらに、Devins
らのために1987年4月6日付で出願されそして本発明の
譲受人に譲渡された代理人事件番号RD−16563(米国出
願034,890)には、接着性を改良するのみならず、プラ
スチックから無機硬質被覆物への特性の移行をも与え、
したがって改良された機械的及び熱的性能をもたらす中
間層が開示されている。
さらにより高い耐摩耗性をもち、しかも種々の他の物
理的性質の改善をも示す物品の製造法の改良に関しては
継続的な関心がもたれている。
したがって本発明の一目的は高度の耐摩耗性をもちか
つ熱及び機械的応力に暴露された条件下で改善された亀
裂抵抗をもつプラスチック物品を製造する方法を提供す
るにある。
本発明の別の目的は平滑、硬質かつ透明な層を熱可塑
性基体上に施すための改良法を提供するにある。
本発明のさらに別の目的は均一な厚みをもち、高い耐
摩耗性を示し、ピンホール及び微小亀裂をもたないこと
によって特徴付けられる保護表面層を施した熱可塑性プ
ラスチック物品を提供するにある。
発明の要旨 今般、本質的に界面物質からなる組成物から本質的に
耐摩耗性物質からなる組成物への段階的転移によって特
徴付けられる、被覆物をプラズマ増強化学蒸着すること
からなる耐摩耗性プラスチック物品の製造のための改良
法が見出された。この転移は被覆物質前駆体の供給物組
成を後述するごとく徐々に変えることによって達成され
る。
以下に詳述するごとく、数種の異なる型の界面物質を
使用し得る。さらに、プラズマ増強化学蒸着(plasma−
enhanced chemical vapor deposition、以下PECVDと略
記する)によって施用し得る種々の異なる耐摩耗性物質
を使用し得る。本明細書において“界面”は、下記に詳
述するごとく、基体及び耐摩耗性物質の間に配置されか
つそれらの各々と共通するある種の化学的特性をもつ物
質を表わすことを意図するものである。
ポリカーボネートのようなプラスチック物品のために
本発明の方法を使用することによって高い引張強さ及び
衝撃強さのようなポリカーボネートの典型的な特性のす
べてを有し、しかも優れた耐摩耗性を示す物品が得られ
る。さらに、ホリカーボネート基体とその上に形成され
る本明細書において“段階的層”とも呼ぶ被覆物との間
に一般に良好な接着が達成される。
本発明方法の別の特質は、しばしばポリカーボネート
物質に有害である高い操作温度を必要とする慣用の化学
蒸着(CVD)法とは対照的に、PECVDを本明細書に開示さ
れるごとくポリカーボネートを害さない温度で行なうこ
とができる点である。こゝで使用する場合、“慣用”蒸
着法とは被覆物質の前駆体を高温、典型的には400℃以
上で気相で反応させるCVD法及び予め形成された被覆物
質を基体上に単に蒸着させる“物理的蒸着”法の両方を
意味するものとする。これらの方法はプラズマの使用を
伴わない。
本発明の範囲にはさらにプラスチック基体とその上に
配置された耐摩耗性の段階的層、すなわち基体の表面に
最も近接した深さにおいては本質的に界面物質からな
り、該界面物質の相対的濃度は基体表面に対して垂直方
向に次第に減少してこれに応じた濃度の耐摩耗性物質に
よって置換される構成の段階的層、とからなる物品も包
含される。
発明の詳細な開示 本発明の方法によって形成される物品は基体として任
意のプラスチック物質を包含し得る。プラスチック物質
の例はアクリル、ポリエステル、ポリエチレン、ポリイ
ミド、ポリフェニレンオキシド、ポリカーボネート、ポ
リアミド、エポキシ、フェノール樹脂、アクリロニトリ
ル−ブタジエン−スチレン及びアセタールを包含する。
これらの物質の混合物及び耐衝撃性改良剤のような他の
物質との混合物も使用し得る。さらに、基体は紫外線吸
収剤、充填剤、可塑剤等のごとき種々の添加剤を含有し
得る。
透明性が要求される場合には、好ましい基体はポリカ
ーボネート又はポリ(メチルメタクリレート)のような
アクリル樹脂から形成される。ポリカーボネートは優れ
た物理的、機械的及び化学的性質をもつので透明基体用
として特に好ましい物質である。一般に、基体の選択は
物品に意図される最終用途によって最終的に決定され
る。
かゝる基体の形成用に適当なポリカーボネートは当該
技術において周知でありかつたとえばこゝに参考文献と
して引用する米国特許第4,200,681号及び同第4,210,699
号明細書に及び同じくこゝに参考文献として組入れるRD
−16563(Devinsらの1987年4月6日付米国特許出願03
4,890号明細書)に記載されている。かゝるポリカーボ
ネートは一般に式 (式中、Rは二価フェノールの二価の基、たとえばビス
フェノールA、 としても知られる2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパンの基である)の反復単位からなる。
本発明の範囲内のポリカーボネートはいくつかの周知
の方法によって製造することができる。たとえば、製造
は二価フェノールをカーボネート前駆体と反応させるこ
とによって達成し得る。広範囲の二価フェノール、たと
えばビスフェノールA、を本発明において使用し得る。
多数の方法はこゝに参考文献として組入れる米国特許第
2,999,835号、同第3,082,365号、同第3,160,121号、同
第3,334,154号及び同第4,190,681号明細書に開示されて
いる。多数のカーボネート前駆体を使用し得る。これら
は典型的にはカルボニルハライド、カーボネートエステ
ル又はハロホルメートのいずれかである。カーボネート
前駆体の例は米国特許第4,190,681号明細書に記載され
ている。
本明細書において、用語“ポリカーボネート″はさら
にポリカーボネートとポリエステル及び耐衝撃性改良剤
のような種々の他の物質との重合体混合物をも包含する
意味で用いるものとする。
基体は物品に意図される最終用途に応じて種々の形状
に成形し得る。たとえば、ポリカーボネートフィルム基
体は溶融重合体を平坦な開放金型上に注型し、ついで該
注型物質を均一な厚みにプレスすることによって形成す
ることができる。冷却後、このフィルム上についで後述
するごとく段階的層を施し得る。さらに、基体は管、棒
又は不規則な形状体の形態であり得る。本発明の物品が
透明板ガラスとして使用されるべき場合には、ポリカー
ボネート物質は周知の方法、たとえば押出、射出成形又
は熱成形によって平板又は湾曲板に形成し得る。
前述したとおり、本発明の方法に従って基体の表面上
に施される段階的層は基体の表面に最も近接する深さに
おいては実質的に界面物質から形成される。明確化のた
めに、少なくとも約99重量%の界面物質を含む段階的層
の領域を本明細書において場合によって“界面部分層”
と呼び、一方約99重量%を超える耐摩耗性物質を含む、
段階的部分層の上の領域を本明細書において場合によっ
て“耐摩耗性部分層”と呼ぶ。さらに、界面部分層及び
耐摩耗性部分層の間の領域を場合によって“段階的部分
層”と呼ぶ。各層の厚みは作業条件、たとえばPECVD反
応器へのガス状反応剤の供給において生ずる変動によっ
て左右される。したがって、各部分層の厚みは個々特定
の耐摩耗性物品に意図される要求によって予め決定され
る。たとえば、より高い耐摩耗性が要求される場合には
より多くの割合の段階的層を耐摩耗性部分層で構成し得
る。
本発明のプラズマ適用界面物質の組成は物品に意図さ
れる最終用途によって左右される。特に耐摩耗性物質が
二酸化珪素である場合には、オルガノシリコン類が界面
物質の形成用として特に有用である。本明細書において
使用する用語“オルガノシリコン”は少なくとも1個の
珪素原子が少なくとも1個の炭素原子に結合されている
型の有機化合物を包含するものとしシリコーン物質なら
びに通常シラン、シロキサン、シラザン及びオルガノシ
リコーン類と呼ばれる物質を包含する。本発明の方法及
び物品用の適当な多数のオルガノシリコンはC.Eaborn,O
rganosilicon Compounds,Butterworths Scientific Pub
lications1960年発行、に記載されている。他当の適当
なオルガノシリコン化合物はK.Saunders,Organic Polym
er Chemstry,Chapman and Hall Ltd.1973年発行、に記
載されている。
本発明に有用なオルガノシリコン組成物の非限定的な
例は一般式 R1 nSiZ(4-n) (式中、R1は一価炭化水素基又はハロゲン化一価炭化水
素基を表わし、Zは加水分解性基を表わし、そしてnは
0ないし2の間で変動し得る)によって表わされる化合
物である。より特定的にいえば、Zは好ましくはハロゲ
ン、アルコキシ、アシルオキシ又はアリールオキシ基の
ような基である。かゝる化合物は当該技術において周知
でありたとえばこゝに参考資料として組入れるS.Schroe
terらの米国特許第4,224,378号明細書に記載されてい
る。
本発明の範囲内に含まれる他のオルガノシリコンの例
は式 R2Si(OH) (式中、R2は約1〜約3個の炭素原子を含むアルキル
基、ビニル基、3,3,3−トリフルオルプロピル基、γ−
グリシドキシプロピル基及びγ−メタクリルオキシプロ
ピル基からなる群から選んだ基である)をもつシラノー
ル、たヾしシラノールの少なくとも約70重量%はCH3Si
(OH)である、を包含する。かゝる化合物はこゝに参
考資料として組入れる米国特許第4,242,381号明細書に
記載されている。
本発明の好ましいオルガノシリコン化合物はヘキサメ
チルジシラザン、ヘキサメチルジシロキサン、ビニルト
リメチルシラン及びオクタメチルシクロテトラシロキサ
ンである。
物品を透明板ガラス材料として使用すべき場合には、
二酸化珪素表層が好ましい;というのはプラズマ蒸着が
容易であり、透明性に優れかつその前駆体が比較的安価
であるからである。本明細書において使用する用語“前
駆体”は使用される個々特定の物質に応じて一種類の前
駆体又は一種類より多い前駆体のいずれをも包含する意
味で用いるものとする。
基体の表面に段階的層を施す前にプライマーを施すこ
とができる。プライマーは当該技術において周知の慣用
の方法、たとえば噴霧、ロール塗り、流し塗り、浸漬塗
り、刷毛塗り及びその他の当該技術において既知の方法
によって施し得る。この層は界面層の基体表面への接着
性を増加する傾向があり、しかも一種又はそれ以上の紫
外線(UV)吸収剤の導入部位としても作用する。プライ
マー物質は一般に界面物質とは幾分組成的に相違を示
す。
種々の周知の物質を、たヾし基体及び段階的層の物質
の両者と化学的に相容性であるという条件で、プライマ
ーの形成に使用し得る。ポリカーボネート基体用に適当
なプライマー物質としては前記Devinsらの米国特許出願
明細書中に記載されるごとき熱可塑性及び熱硬化性アク
リル系重合体があげられる。
プライマー用に好ましいアクリル系物質は紫外線硬化
性の物質である。これらの物質は典型的には単量体とし
て基体に施される。この型の組成物の一例は、 (式中、nは1〜4の値をもつ整数であり、そしてR3
脂肪族炭化水素基、少なくとも1個のエーテル結合を含
む脂肪族炭化水素基及び少なくとも1個のエーテル結合
をもつ置換脂肪族炭化水素基から選ばれ;そしてR′は
水素又は低級アルキル基から選ばれる)によって表わさ
れる少なくとも一種の多官能性アクリレート単量体; (B)コロイド状シリカ; (式中、R4は一価炭化水素基であり、R5は二価炭化水素
基であり、R6は水素原子及び一価炭化水素基からなる群
から選ばれ、xは1〜4の整数である)の少なくとも一
種のアクリルオキシ官能性シラン;及び (D)光開示剤; からなる。
この組成物を基体に施した後、多官能性アクリレート
単量体を重合させかつ架橋させるに十分な時間紫外線に
暴露し、硬化被覆を形成させる。ここに参考文献として
組入れるR.Chungの米国特許第4,478,876号明細書に記載
されるごとく、アクリル系組成物を窒素のような不活性
雰囲気中で硬化させる場合にはケトンが開始剤として有
用であり、一方アクリル系組成物を酸素含有雰囲気中で
硬化させる場合には少なくとも一種のケトン及び少なく
とも一種のアミンの混合物が開始剤として有用である。
前述したオルガノシリコン物質の多くのものはまた
(PECVDによって施されない)プライマーとしても適当
であり、その場合にはこれらはしばしばその中に分散さ
れたコロイド状シリカを含むことができ、それは物質の
硬度を増加する。オルガノシリコン物質中のコロイド状
シリカの分散物は当該技術において周知でありかつたと
えばこゝに参考文献として組入れる米国特許第3,986,99
7号、同第4,027,073号、同第4,239,798号、同第4,284,6
85号、同第4,436,851号明細書に記載されている。典型
的には、コロイド状シリカはオルガノシリコンの水溶液
中に分散される。たとえば、これらの化合物はシラノー
ルの部分縮合物の低級脂肪族(たとえば約6個よりも少
ない炭素原子を含む)アルコール−水溶液中のコロイド
状シリカの分散物からなり得る。
使用される場合、コロイド状シリカはプライマーの全
不揮発分重量の約5〜約40重量%を構成すべきである。
さらに、本発明において使用される水性コロイド状シリ
カ分散物は一般に直径が約5〜約150ナノメーターの範
囲の粒度を有する。特に好ましい粒度範囲は直径約5〜
約20ナノメーターである。
プライマーとしての使用に特に好ましいコロイド状シ
リカ含有オルガノシリコン物質はこゝに参考資料として
組入れるB.Ashbyらの米国特許第4,374,674号明細書に記
載されており、かつ (a)脂肪族アルコール及び水の混合物中の式RSi(O
H)又はR2Si(OH)(式中、Rは約1〜3個の炭素
原子をもつアルキル基及び約6〜20個の炭素原子をもつ
アリール基からなる群から選ばれる)をもつシラノール
の部分縮合物、たヾしシラノールの少なくとも70重量%
はCH3Si(OH)又は(CH32Si(OH)である、の溶
液中のコロイド状シリカの分散物;たヾし該分散物は10
〜50重量%の固形分を含み、該固形分は10〜70重量%の
コロイド状シリカと30〜90重量%の部分縮合物とから本
質的になるものとする;及び (式中、 であり; YはH又はOHであり;ZはH,OH,OQ又はOWであるが、たヾ
しYがHである場合には少なくとも一方のZはOHであ
り;Qは−CH2(CH2nSi(R2(OR1であり;そし
てWは−CmH2m+1であり、x=0,1又は2でありy=1,2
又は3であり、x+y=3であり;そしてR1は約1〜6
個の炭素原子をもつアルキル又はアルカノイル基であ
り、R2は約1〜6個の炭素原子をもつアルキル基であ
り、n=0,1又は2でありそしてm=1〜18である)を
もつ化合物からなる有効量の紫外線吸収剤;からなる。
この物質を構成する組成物は典型的には約3.0〜7.0の範
囲のpHを与えるに足る酸を含有する。前記Ashbyらの特
許明細書はさらにこれらの被覆の施用及び硬化方法も記
載している。
R2Si(OH)タイプのシラノールの縮合物の例及びそ
れから形成される組成物はこゝに参考資料として組入れ
る米国特許第4,159,206号明細書に開示されている。
プライマーとして使用するための別の好ましいオルガ
ノシリコン物質は水酸化アンモニウムで安定化されたコ
ロイド状シリカ及びオルガノトリアルコキシシランから
誘導された部分縮合物の水/脂肪族アルコール分散物か
らなる。かゝる物質はこゝに参考資料として組入れるB.
Anthonyの米国特許第4,624,870号明細書に記載されてお
り、かつ好ましくはアルカリ性pH、すなわち少なくとも
約7.1のpHで使用される。
プライマー中に配合し得るUV吸収剤の例はヒドロキシ
ベンゾフェノン及びベンゾトリアゾール型のものである
が、他のUV吸収剤も使用し得る。UV−硬化性プライマー
物質を使用する場合には、硬化反応を妨害しない潜伏性
UV吸収剤を使用すべきである。これらの型のUV吸収剤は
当該技術において周知でありかつたとえばこゝに参考資
料として組入れるChungらの米国特許第4,372,835号明細
書、Chungの同第4,478,876号及び同第4,486,504号明細
書及びOlsonらの同第4,455,205号明細書に記載されてい
る。潜伏性UV吸収剤の一例はレゾルシノールモノベンゾ
エートである。
UV吸収剤の量は一部は個々特定のアクリル系物質の組
成にそして一部はUV吸収剤が基体物質でそれ自体中にも
存在するか否かによって決まる。当業者は過度の実験を
行なうことなしに適切な量を決定し得るであろう。
プライマー中に配合し得る他の添加剤は酸化防止剤、
充填剤、補強剤、湿潤剤等を包含する。
段階的層は基体上に又は支持体の“上方”に、すなわ
ち基体上に置かれたプライマー被覆の表面上に施し得
る。この施用は一般に基体へのガス放電からのフィルム
の施用法であるPECVDによって達成される。たとえば、K
irk−OthmerのEncyclopedia of Chemical Technology、
第10巻には無機物質のプラズマ蒸着について記載されて
いる。さらに、無機薄膜のプラズマ蒸着に関する詳細は
Vossen及びKern編、Academic Press1978年発行のThin F
ilm Processesに示されている。プラズマ蒸着法の例は
また米国特許第4,096,315号、同第4,137,365号、同第4,
361,595号及び同第4,396,641号明細書にも記載されてい
る。上記に列挙した参考文献のすべては一般的にプラズ
マ蒸着に関して記載しているが、本発明において開示す
る方法は優れた耐摩耗性、光学的性質及びその層間の接
着性をもつ物品を得るために下記に述べる種々の操作パ
ラメータに従って実施されなければならない。
本発明のためのPECVDの操作に関するつぎの一般的記
述は界面物質及び耐摩耗性物質の蒸着の両方に適合する
ものである。放電がフィルム形成性反応剤中で低圧で行
なわれると反応剤はイオン化してプラズマを形成する。
物質の一部は基体の上又は上方に皮膜が形成される前に
プラズマ中に生ずるイオン、電子及び原子状遊離ラジカ
ルの形で存在する。反応種の大部分は原子状遊離ラジカ
ルからなる。本発明者らは特定の理論によって拘束され
ることを望むものではないが、より高いプラズマ周波
数、たとえば13.56MHzにおいて及び使用される典型的な
ガス圧力、たとえば1トルにおいて、基体上への皮膜形
成の大部分は遊離ラジカル種がプラズマから析着表面に
拡散する場合に生起するものと考えられる。かくして、
遊離ラジカルはプライマーを施された又は施されない基
板上で反応して所望の層を形成する。慣用の化学的蒸着
法を上回るPECVDの顕著な利点は適用された電場が遊離
ラジカルの形成を増大し、それによってポリカーボネー
トのような基体への損傷を阻止するに十分に低い蒸着温
度、すなわち約130℃よりも低い温度の使用を可能にす
るという点にある。さらに、本明細書に開示される作業
条件下で使用する場合、PECVDは慣用のCVDを用いた場合
に達成し得るよりも著しく高い割合の遊離ラジカルによ
って実施することができる。
本明細書に開示する方法のために適当なPECVD装置の
一つは型式2411と呼ばれかつプラズマサーム社(Plasma
Therm,Ine.)によって販売されているものである。し
かしながら、本発明によって得られる優れた結果を達成
するためには、この装置又は任意の他のPECVD装置の使
用は本明細書中に開示される作業及び組成パラメーター
の範囲内に入らなければならない。
PECVDによって段階的層を施すに際しては、プライマ
ーを施した又は施さない基体を電場を生じ得る反応室中
に装入する。この反応室は実質的に排気され得るもの、
すなわち約1.0ミリトルより低いか又はそれに等しい圧
力まで排気され得るものでなければならない。
電場を発生しかつ付与する方法はこの工程にとって臨
界的ではない。たとえば、電場はたとえばJ.Vossenによ
ってJ.Electrochemical Society,1979年2月号、第319
−324頁、Glow Discharge Phenomena in Plasma Etchin
g and Plasma Depositionに記載されるごとく誘導結合
装置によって生ぜしめ得る。
容量結合装置もまた電場の発生のために使用すること
ができかつ本発明における使用のために好ましい。上記
引用したVossonの報文に一般的に記載されているこの技
術によって、二つの電極を反応室内に配置しそしてそれ
らの間にプラズマを形成せしめる。各電極は良好な誘電
体である物質、たとえばアルミニウムの板であることが
できる。これらの電極は好ましくはそれぞれが他方の電
極に平行な平面を有する。
容量結合装置を利用する本発明方法の好ましい実施態
様においては、これらの電極は水平に配列される、すな
わち上部の電極は反応室の上部帯域にその平らな表面を
該真空室の下部帯域に固定された下部電極の平らな表面
と向き合うように固定される。両電極間の距離は適用さ
れる電場の所望の強さならびに被覆される物品の寸法に
よって左右される。蒸着技術の当業者はこれらの作業変
数の相互関係についてよく認識しており、したがって過
度の実験を行なうことなしに本発明の個々特定の使用に
ついて調整をなし得る。好ましい実施態様においては、
基体を上部電極に対面している下部電極の表面上に、被
覆されるべき基体表面がそれに向い合う上部電極の表面
に対して平行になるように配置する。別法として、これ
ら電極を、それらの間にプラズマを発生し得る限り、室
内に垂直に又はその他の幾何学的平面に沿って配置して
もよい。フィルム形成性物質はPECVD法に使用するため
には蒸気又はガス状体でなければならない。アクリル
系、オレフィン系又はオルガノシリコーン系単量体のよ
うな蒸気状反応剤は反応室に入る前に液状体から蒸気化
される。十分な蒸気圧を得ることが困難である場合に好
ましい方法は液体のミストをプラズマ領域に導入するこ
とである。
好ましい実施態様においては、液体物質はそれを冷却
し、ついで真空下に置くことによってガス抜きすること
ができる。液体の個々の沸点に応じて、該液体をついで
後述するごとき流路系を通じて流動せしめるに十分な正
の蒸気圧を与えるために周囲温度又はそれ以上の温度に
加熱する。別法として、ヘリウムのような担体ガスを該
液体中に吹込んで所望の組成をもつ稀釈された蒸気混合
物を得ることもできる。
シラン又は亜酸化窒素のようなガス状反応剤は、単独
で又は反応室への適正な計量供給を確保するために担体
ガスとともに、常態でのプラズマ中での反応のために適
当である。場合によっては、たとえば亜酸化窒素の場合
には、反応剤は前以って液状で貯蔵することができる。
反応室はガス状反応剤の導入前に排気される。本発明
の方法に必要な反応室圧力は約50ミリトル〜約10トルの
範囲であり、好ましい圧力は約0.3トル〜約1.0トルの範
囲である。
段階的層の組成物を形成するガス状反応剤は外部供給
源から一連の導入管を経て反応室に供給し得る。種々の
ガスの反応室への流路系の技術的詳細は当該技術におい
て周知であり、こゝに詳細に説明する必要はない。たと
えば、各ガスの供給口はこれらのガスを反応室に導入す
る中央供給管に連結し得る。好ましい実施態様において
は、耐摩耗性組成物用のガス状反応剤をヘリウムのよう
な担体ガスと混合してこれら反応剤の反応室への流動性
を改善せしめる。担体ガス及び反応剤ガスの反応器への
流通は当該技術において周知でありかつガスの流量の測
定及びかゝる流量の制御の両方に役立つ質量流れ制御弁
によって管理することができる。さらに、担体ガスは、
それが使用される場合、ガス状反応剤と予め混合しても
よくあるいは別の導入口によって中央供給管中に供給す
ることもできる。たとえば、シラン(SiH4)を二酸化珪
素形成用反応剤として使用する場合、ヘリウムとSiH4/H
e容量比約2:98〜20:80の範囲の割合で予め混合すること
ができる。担体ガスは本発明にとって臨界的なものでは
ないが、その使用は反応室内におけるプラズマ密度及び
ガス圧力の均一性を改善する。さらに、担体ガスの使用
はプラズマを使用して形成された被覆物質の気相粒状化
を阻止しかつ透明性(所望の場合)及び耐摩耗性につい
てのフィルムの品質を改良する傾向を示す。
段階的層の形成は界面物質形成用反応剤及び耐摩耗性
物質形成用反応剤に対して別々の導入管を使用すること
によって助長される。これらのガスの各々の流通もまた
前述した質量流れ制御弁によって制御される。界面物質
はしばしば室温で液体である反応剤から形成されるの
で、反応室への導入に先立って蒸気化を可能にするため
オーブン中に配置された供給容器中に有利に貯蔵され
る。
容量結合装置を使用する場合には、中央供給弁から反
応室に入るガス状反応剤は上部及び下部電極の間及び被
覆される基体の上を通過される。基体又はプライマー上
の段階的層の量は後述するごとく反応剤の流量及び流動
力学、すなわち層流特性、の両者によって著しく左右さ
れる。たとえば、過大な流量では活性なフィルム形成性
反応剤は、それらが反応して蒸着表面上に被覆物を形成
する前に、該表面上の帯域を通りすぎてしまうであろ
う。逆に、流量が余り低過ぎると、フィルム形成性反応
剤は急速に消費しつくされ、フィルムの厚みが不均一に
なるであろう。界面物質反応剤の流量は約5sccm〜約250
sccmの範囲であることができ、約20sccm〜約100sccmが
好ましい。後述するプラズマサーム(Plasma Therm)反
応器よりも大きい反応器を必要とするような約10平方フ
ィートよりも大きい被覆表面に対しては、より高い流
量、たとえば約2000sccmまでの流量が望ましいであろ
う。さらに後述するごとく、界面物質反応剤は担体ガス
とともに反応室中に通送することができる。
耐摩耗性物質形成反応剤の個々の流量は、担体ガスを
使用する場合には各反応剤について約500sccm〜約10,00
0sccmの範囲であり、担体ガスを使用しない場合には約5
sccm〜約2000sccmの範囲である。たとえば、二酸化珪素
被覆はシランを約10sccm〜約100sccmの流量でかつ亜酸
化窒素を約300sccm〜約5000sccmの流量で反応器中に、
約500sccm〜5000sccmの範囲内の一定の流量で流れる担
体ガスとともに、供給することによって有利に形成され
得る。界面物質前駆体の流量の場合におけると同様に、
約10平方フィートより大きい被覆表面に対してはより高
い対摩耗性物質前駆体の流量が望ましいであろう。たと
えば、二酸化珪素を形成する場合には、約250sccmまで
のシラン流量、約8000sccmまでの亜酸化窒素流量及びシ
ラン流量の増加に比例して増加する担体ガス流量を使用
し得る。当業者は本明細書中の教示に従う場合に個々特
定の基体及び被覆用物質について適切な流量を容易に選
定し得るであろう。
個々特定の最終用途の要求に合致せしめるためにガス
流量、ガス圧力及びプラズマ強度を前述した範囲内で変
動せしめ得るが、ある実施態様においては段階的層の形
成の間定常的なプラズマを保持せしめるためにこれら三
つのパラメーターを一定の値に保持することが望ましい
であろう。好ましい実施態様はまた反応室中に通ずる各
ガス状反応剤をプラズマ蒸着工程中一定の流量で流れる
担体ガスと混合することを必要とする。
好ましい実施態様はさらに反応室中への全ガス流を段
階的被覆の蒸着工程の間一定の量とすべきことを必要と
する。これは良好な品質の被覆のための絶対的要件とみ
なすべきものではなく、プロセス制御のためのより効率
的な手段と考えるべきものである。
蒸着表面に対するガス状反応剤の層流は厚み、硬度や
透明度の如き特性、及び界面物質については、接着性及
び熱膨張補償能についての被覆の均一性を増大するので
本発明にとってきわめて重要なものである。
本明細書において使用する用語“層流”は円滑かつ定
常的なガス状反応剤の流れ、すなわち基体に対して実質
的に流線形でありかつ反応剤分子の乱流の不存在によっ
て特徴付けられるガス状反応剤の流れ、として定義され
る。この型のガス流はたとえばこゝに参考資料として組
入れるF.White著、Fluid Mechanics、McGraw−Hill Boo
k Company,1979年発行、第305頁以降、に記載されてい
る。このWhiteのテキストに記載されるごとく、層流は
一般に約1〜1000の範囲のレイノルズ数によって特徴付
けることができる。本発明の好ましい実施態様において
特に好ましいレイノルズ数は約2.5である。小さい領域
の乱流は存在してもよいが、それらは蒸着された被覆物
の性質に認め得る影響を与えないものであることは当業
者の了解するところである。さらに、前記指摘したごと
く、各ガスの質量流れはガス状反応剤の層流特性を制御
するための調整手段によって調節することができる。
好ましい実施態様においては、プラズマ蒸着工程中、
被覆用表面を約100℃〜130℃の温度に加熱する。もっと
も好ましい温度は100℃である。この加熱は種々の周知
の方法によって達成し得る。たとえば基体を載せた下部
電極を抵抗加熱すれば基体を通じて被覆用表面に熱を与
えることができる。本発明のある実施態様においては、
100℃又はそれ以上の被覆用表面温度は耐摩耗性物質の
その下にある表面上への蒸着速度を増加する。さらに、
この高温の使用はより大きい耐摩耗性を与え得る。ほヾ
室温と100℃との間の温度に保持された被覆用表面上へ
の蒸着も本発明の範囲内である点も理解すべきである。
本発明の好ましい実施態様においては、基体表面に次
の層を施す前に、表面をイソプロパノールのようなアル
コール溶剤で洗滌することによって清浄化することがで
きる。この工程は表面から塵、汚染物及び湿潤剤のよう
な添加剤を除去する。プライマー表面もこの方法で線滌
し得る。
洗滌後、この基体を周知の方法によって真空乾燥して
該表面域上又は該域中に存在するすべての水−これは次
後に蒸着される層の接着を妨げるおそれがある−を除去
する。この乾燥処理はまた基体上に施されたプライマー
表面に対しても使用し得る。乾燥温度はほヾ室温から約
120℃の範囲であり、好ましい範囲は約80℃〜約90℃で
ある。乾燥時間は約2時間から約16時間の範囲であり、
たヾしこの範囲内のより長時間を使用すればより低い温
度の使用で足り、その逆に短時間なら高温とされる。
基体の表面は反応室中に装入後にしばしばエッチング
処理することができる。当該技術において一般的に周知
であるエッチング技術はプライマー表面を処理してプラ
イマーの遊離ラジカル種を生ぜしめ、その後プラズマで
施こされる段階的層の物質の遊離ラジカル種と結合さ
せ、それによってこれらの層間の接着を改善するために
も使用し得る。
被覆用表面を前述のごとく処理した後に反応剤を反応
室に導入しながら、予め選択された周波数及び出力条件
下で電場を生成させてガス混合物をイオン化し、それに
よってプラズマを形成せしめる。電極間に電場を発生さ
せる方法は当該技術において周知であり、したがってこ
ゝで詳細に説明する必要はない。直流電場又は50Hz〜約
10GHzの交流電場を使用し得る。出力値は約10ワット〜5
000ワットの範囲である。この方法のために特に適当な
電場発生手段はプラズマを発生させかつ維持せしめるた
めの高周波電源の使用である。かゝる電源を使用する場
合、好ましい動作周波数はたとえばこゝに参考資料とし
て組入れるR.Kubackiの米国特許第4,096,315号明細書に
記載されるごとく13.56MHzである。使用される個々特定
の周波数及び電力値は一部は被覆用物質についての個々
特定の蒸着要件に関係するであろう。たとえば、オルガ
ノシリコーン単量体をプラズマ中で反応させる場合に
は、前述した範囲内でより低い周波数値及びより高い電
力値を使用すると、特に前記した範囲内でより低い反応
室圧力をさらに採用した場合に、該物質の重合速度及び
蒸着速度が増大する。
プラズマを有利に改変する(たとえばイオン化を増大
させそしてプラズマの改良された空間的制御を与えるこ
とによって)ためのポテンシャルを与える当該技術にお
いて周知の追加の改良は電場とともに別に磁場を使用す
ることである。かゝる磁場による増強の一例は“ECR"
(電子サイクロトロン共鳴)マイクロ波プラズマ技術で
ある。
前述したごとく、段階的層はまずプラズマ重合性界面
物質前駆体を反応器に供給し、ついで供給物組成を徐々
に耐摩耗性物質前駆体まで変えることによって形成する
ことができる。供給組成物の変動は各ガスの中央供給管
への流れを手動的に調整することによって達成し得る。
かゝるガス流の調整は種々の手段によって自動的にも達
成可能であることは当業者には明らかである。それぞれ
の調整は質量流れ制御弁から得られるデータに基づいて
規定された時間及び流量特性に従って行なわれる。
好ましい実施態様においては、段階的層のPECVD式蒸
着は三工程で生起する。すなわち界面物質前駆体のみを
反応器に供給しそしてプラズマ重合させる第一工程;界
面物質前駆体流を徐々に減少しなから耐摩耗性物質前駆
体流の導入を開始しそして徐々に増加させる第二工程;
及び耐摩耗性物質前駆体のみを反応器に供給しそして蒸
着させる第三工程である。蒸着の各工程中にしばしば担
体ガスが使用される。各工程の時間は各部分層の所望の
厚みによって決定される。得られる段階的層は基体に最
近接する界面物質の部分層、基体からもっとも遠い位置
にある耐摩耗性物質の部分層及にそれらの間に位置しか
つ界面物質から耐摩耗性物質までの段階的移行によって
特徴付けられる段階的部分層を有する。供給物組成の変
動は界面物質前駆体流から耐摩耗性物質前駆耐流まで直
線的に又は非直線的に、たとえば指数的に達成され得
る。以下の実施例によって本発明の技術をさらに説明す
る。
反応器中に流入する当初のガス組成物が少量、たとえ
ば全ガス流の約0.1%の耐摩耗性前駆耐物質を含み、該
組成物の残部が界面物質前駆体からなる場合も本発明の
範囲内である。耐摩耗性前駆体組成物はついで界面物質
前駆体組成物が徐々に減少するのに比例して徐々に増加
し、本質的に界面物質からなる組成物から本質的に耐摩
耗性物質からなる組成物までの段階的移行を特徴とする
段階的層を与える。
供給物組成の調整のために最優先的に考慮すべき問題
は勿論蒸着される段階的層の所望の特性である。たとえ
ば、特に高度の耐摩耗性を要求されるが速やかな熱的変
化又は広域の温度変動を受けるおそれのない物品は界面
物質前駆体流の導入時間を減少させかつ耐摩耗性物質前
駆体流の導入時間を増加させることによって形成し得
る。かくして得られる物品は前記例示した流動特性に従
って形成された物品よりも厚い耐摩耗層をもつであろ
う。
逆に、広域の温度変動を受ける可能性の高い物品は、
耐摩耗性物質前駆体流の導入時間を減少させかつ界面物
質前駆体流の導入時間を増加させて厚さのより多くを界
面物質とする物品を形成することができる。
段階的層の厚さは一部は物品に意図される最終用途に
よって決定され、一般に約0.01ミクロン〜約5.0ミクロ
ンの範囲であり得る。同様に、各領域即ち部分層−それ
がはっきりと明確に存在する場合−の厚さは物品の最終
用途に関係する。
担体ガス及び基体表面上に蒸着されなかったすべての
ガス反応剤又は生成物は被覆表面を通過した後、排出弁
を通じて反応室外に排出され、ついでガスポンプ及び排
気装置に送られる。これら余剰物質を反応室から排出す
る手段は当該技術において周知である。電極が上述した
ごとく円形で平板状である場合には、排気マニホールド
は下部電極の中央に配置し得る。さらに、段階的層を施
した後、残留ガスはポンプ装置によって反応室から除去
し得る。
本発明の実施は高い硬度及び耐摩耗性をもつ物品の形
成をもたらす。さらに、透明板ガラス材料の製造のため
に本発明を使用する場合には、得られる物品はきわめて
平滑でありかつ微小亀裂を有しない。しかも、段階的層
は物品を加熱/冷却サイクルに供する際の熱膨脹の大き
な差異に順応し得る。
実施例 つぎに実施例をあげて本発明をより詳細に説明する。
これらの実施例は本明細書中に開示しかつ請求した事項
を限定するよりもむしろ本発明を例証とするものとみな
されることを意図するものである。
つぎの実施例のいくつか又はすべてにおいて使用され
る試験の簡略を以下に説明する。
耐摩耗性は二つのASTM試験法の組合せによって測定し
た。テーバー摩耗試験、ASTM D1044、は2個の摩耗輪
上に均等に分配された合計重量1,000gの荷重を加えて使
用した。後述するごとく、300及び/又は1000回転を用
いた。第二の試験法はASTM D1003であり、これはガー
ドナー曇り度計モデルUX10を使用するものである。この
方法では、試料片をテーバー摩耗試験にかける前及び後
に光の散乱率を測定する。この数値が低いほど耐摩耗性
及び硬度は良好である。
光学的透明度はパーキン・エルマー・コーポレーショ
ン製の紫外線−可視光線分光計モデル330上で測定し
た。
接着性はけがき接着試験、ASTM試験法D3359、によっ
て測定し、その際材料の0.75インチ(1.9cm)方形の試
片に2.0mm方形のクロスハッチをけがく。ついで、この
格子模様の表面上に3M社製のNo.610接着テープを押付け
そして速やかな、均一な引張力でひきはがす。試片上に
残存する物質の量が被覆物のその下の表面への接着特性
を示す。
二つのタイプの熱サイクル試験を行なった。試験Aは
温度差の幅が大きくかつ温度変化(dT/dt)がきわめて
急速である点できわめて苛酷なものであった。熱サイク
ルの分布は二段階からなっていた。すなわち第一段階は
−35℃への冷却(dT/dt=22℃/分);90分間保持;50℃
まで加熱(dT/dt=17℃/分);90分間保持;20℃まで冷
却(dT/dt=26℃/分);15分間保持;そしてその後に試
料片を検査するものであり;第二段階は−35℃への冷却
(dT/dt=22℃/分);90分間保持;100℃まで加熱(dT/d
t=15℃/分);90分間保持;20℃まで冷却(dT/dt=30℃
/分);15分間保持;そしてその後に試料片を検査する
ものである。
試験Bはつぎの熱サイクルの10周期からなるものであ
った。すなわち−35℃への冷却、120分間保持;85℃まで
加熱;120分間保持;−35℃への冷却、等。この場合に
は、温度変化の速度は試験Aの場合よりも実質的に低く
かつ全10周期をを通じてdT/dt=1.41℃/分に一定に保
持された。
微小亀裂を生ずるまでの歪度の測定は4″×1/2″×1
/4″の試料片に対して行なった。この目的のために、こ
れらの試料片をインストロン装置にとりつけた3点曲げ
用工具中に装入した。この工具によって試料片を曲げそ
して微小亀裂が肉眼で観察された時点における試料片の
歪みを記録した。ついで微小亀裂を生ずるまでの歪度、
ε、をε=4dlT/L2(たヾしdlは微小亀裂生起時の歪み
度、Lは試料片の長さ(4″)、そしてTはその厚み
(1/4″)である)から計算した。
衝撃強さはガードナー・ヘビーデューティ・バリアブ
ル(Heavy−Duty Variable)衝撃試験機の使用によって
測定した。
プラズマ蒸着によって基体に施された被覆物の厚さは
前述したごとく作業条件及び作業時間によって制御され
かつ決定された。反応剤ガス混合物の流量、基体温度、
周波数及び圧力を定めれば、厚さは単にこの処理工程の
時間を定めることによって約±5%の範囲内で決定し得
る。
施された被覆物の厚さの均一性はこの被覆物によって
生ずる干渉色から評価される。かゝる方法は約0.3ミク
ロンの厚さをもつ被覆物について適当である。被覆物の
より大きい厚さ(約0.4ミクロン〜10ミクロン)につい
ては、プロフィルメーター[スローン・デクタック(Sl
oan Dektak)II]によって被覆物の均一性を決定する。
被覆物の蒸着前に小さな薄いシリコンウェハーを目標位
置に配置し、ついで蒸着後にそれらを取除いて厚みの測
定のために使用される段階的な層を露出する。
実施例1 第1表に示す作業条件を用いてビスフェノールAから
形成したポリカーボネート上に段階的層を蒸着させた
(試料1及び2)。耐摩耗性物質はSiO2でありそして界
面物質はプラズマ重合されたビニルトリメチルシラン
(VTMS)であった。
段階的部分層についての組成の直線的変動はつぎのご
とく生起した。
反応器中の目標位置にあるシリコン(Si)ウェハー上
に蒸着された段階的被覆物についての測定に基づいて、
これらの段階的被覆物が良好な厚さの均一性を有するも
のと結論された。これらの被覆物はまたそれらの外観に
よって及び可視領域(400〜800nm)において行なわれた
吸収値の測定からも証明されるごとく完全に透明であっ
た。UV領域、400nm以下、においては、測定された吸収
値はポリカーボネートのそれに対応した。
試料1について行なわれたテーバー摩耗測定はポリカ
ーボネートのみの場合と比較して改良されていることを
示した。たとえば300回転後の曇り度の増加は20〜40%
であり、これはポリカーボネートの50回転後のそれと本
質的に同等であった。
前述したごとき試験Bを用いた試料2の熱サイクルの
効果を第3表に示しかつ対照試料3、すなわちアルキル
シラノールの部分縮合物の溶液中のコロイド状シリカの
分散物を含みさらにUV遮断剤を含有してなるオルガノシ
リコーンプライマーで浸漬被覆されたポリカーボネート
上にSiO2を蒸着することによって形成された構造体、に
ついて得られたデータと比較する。熱硬化後のオルガノ
シリコーン物質の厚さは約5.0ミクロンであった。この
段階的構造体は熱サイクル性能の顕著な改善を示す。
実施例2 第4表に示す作業条件を用いて、実施例1におけると
同じ前駆体から形成された段階的層をビスフェノールA
から形成したポリカーボネート上に蒸着させた(試料
4)。この段階的層をアルキルシラノールの部分縮合物
の溶液中のコロイド状シリカの分散物を含み、さらにUV
遮断剤を含んでなるオルガノシリコーン物質でまず浸漬
被覆したポリカーボネート物質上にも施用した(試料
5)。加熱硬化後のオルガノシリコーン物質の厚みは約
5.0ミクロンであった。
段階的部分層についての組成の直線的変動はつぎのご
とく生起した。
実施例1におけると同様に、これらの被覆物はきわめ
て均一であった。さらに、これらの光学的特性は優れた
ものであった。
段階的構造を裏付ける証拠は二次イオン質量分光分析
による測定から得られた。使用した装置は第二世代カメ
カ(Cameca)IMS−3Fイオン顕微鏡であった。これらの
測定は試料4及び5に対して行なわれた蒸着と同時にシ
リコンウェハー上に蒸着された段階的被覆物について行
なった。この構造体の段階的部分はポリカーボネート表
面からSiO2層まで段階的に減少する炭素含量をもち、Si
O2層においては炭素含量は本質的に零であった。
テーバーの測定は試料4が試料1よりもさらに大きい
耐摩耗性をもつことを示した。300回転後の曇り度の増
加は僅かに8%であった。
けがき接着試験は段階的層からのSiO2の80%の除去を
示した。しかしながら、接着テープは典型的なオルガノ
シリコーン表面に対するよりもSiO2表面に対してより強
固に接着するので、この接着性はこの試験によって示さ
れたよりも著しく良好であると考えられる。
上述したごとき試験Aを用いた場合の試料5に対する
熱サイクルの効果を第6表に示しかつ同じオルガノシリ
コーンで予備被覆されたポリカーボネート上にSiO2を蒸
着することによって形成された構造体(試料6及び7)
について得られたデータと比較する。さらに、段階的構
造体は、SiO2部分層がきわめて薄い場合(試料7)でさ
えも非段階的構造体よりも優れた作用を示した。
下記の第7表は段階的層がその下の基体の性質、たと
えば衝撃強さに影響を及ぼさないことを立証する。試料
5は前述したごとく本発明に従って段階的に被覆された
ものである。対照試料7(a)は被覆されないビスフェ
ノールAのポリカーボネートであった。対照試料7
(b)は試料5について使用されたオルガノシリコーン
で浸漬被覆された同じポリカーボネート物質であった。
衝撃を加えると、被覆物の亀裂は衝撃領域のすぐ近傍
で生起したが、亀裂又は離層は他の部位では全く生じな
かった。
実施例3 第8表に示した作業条件及び組成を用いて、段階的被
覆をビスフェノールAのポリカーボネート上に(試料
8)、及びアルキルシラノールの部分縮合物の溶液中の
コロイド状シリカの分散物を含みかつさらにLV遮断剤を
含んでなるオルガノシリコーン物質で浸漬被覆された同
じポリカーボネート上に(試料9)蒸着させた。加熱硬
化後のこのオルガノシリコーン物質の厚さは約5.0ミク
ロンであった。
試料10及び11は対照試料であった。試料10はポリカー
ボネート上に直接SiO2をPECVDすることによって形成さ
れた。試料11は実施例2に述べた型のオルガノシリコー
ンで浸漬被覆されたポリカーボネート上にSiO2をPECVD
することによって形成された。
段階的部分層についての組成の変動はほヾ指数的であ
りかつつぎのごとく生起した。
前述した実施例におけると同様に、これらの被覆物は
きわめて均一でありかつそれらの光学的特性に優れたも
のであった。
試料8及び9について得られた微小亀裂までの歪
(ε)試験の結果を第10表に示しかつ対照試料10及び11
について得られたデータと比較する。
より高いε値はより良好な微小亀裂までの歪の性能を
意味する。したがって、このデータから段階的被覆は他
のSiO2含有構造体を超える効果を達成することが明らか
に認められ、段階的被覆はポリカーボネートとの界面に
存在する引張応力を確かに減少することが立証される。
PECVDを使用した段階的被覆によって達成し得る所望
の品質はまた非段階的層と比較した場合のかゝる被覆物
中の機械的応力の計算によっても確認し得る。たとえ
ば、所与の蒸着温度において、被覆物及び基体中に生ず
る応力(構造体が室温まで戻された後)は各物質につい
て既知の熱膨張値及びヤング率の値を搓定することによ
って計算することができる。
本発明の修正及び変形は上述した教示に基づいて行な
い得る。したがって、上述した本発明の特定の実施態様
に、添付の請求の範囲によって規定されるごとき本発明
の意図した全範囲内で種々の変更をなし得ることを理解
すべきである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 デビンズ,ジョン・クラレンス アメリカ合衆国、12027、ニューヨーク州、 バーント・ヒルズ、ボックス・424、フォ レスト・ロード、41番 (56)参考文献 特開 昭63−286334(JP,A) 特開 昭64−11966(JP,A) 特開 昭61−166494(JP,A)

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラスチック基体上に、プラズマ増強化学
    蒸着によって、本質的に界面物質よりなる組成物から本
    質的に無機耐摩耗性物質よりなる組成物への段階的転移
    によって特徴付けられる被覆を形成させる方法であっ
    て、 該増強化学蒸着を、被覆前駆体組成物を反応室内へ該室
    中に置かれた該基体表面に対して層流状に導通し、かつ
    その間該室内に電場を発生させて該前駆体のプラズマを
    形成せしめ、該プラズマ中で該前駆体の各々をその下に
    ある該基体の表面上で反応させて該被覆を形成するもの
    であり、かつ、下記工程(I)〜(III): (I)界面物質前駆体としてのオルガノシリコン化合物
    を反応室中に耐摩耗性物質前駆体の不存在下で予め選定
    された時間導通し、;ついで (II)供給物組成を、制御された調整手段によって、予
    め選定された時間界面物質前駆体から耐摩耗性物質前駆
    体へ変化させ;ついで (III)耐摩耗性物質前駆体を反応室中に界面物質前駆
    体の不存在下で予め選定された時間導通する; によって行なう耐摩耗性プラスチック物品の製造方法。
  2. 【請求項2】工程(II)における供給物組成を界面物質
    前駆体から耐摩耗性物質前駆体まで直線的に変化させる
    請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】工程(II)における供給物組成を界面物質
    前駆体から耐摩耗性物質前駆体まで指数的に変化させる
    請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】層流が約2.5のレイノルズ数によって特徴
    付けられる請求項1−3のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】各ガス状反応剤を該プラズマ蒸着工程を通
    じて一定の速度で流れる担体ガスと混合して反応室中に
    導通する請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】反応室の圧力を該蒸着の全工程を通じて一
    定値に保持する請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】プラズマを一定の電力値及び周波数で作動
    している発電機によって形成する請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】反応室圧力を約6.65Pa(50ミリトル)及び
    約1330Pa(10トル)の間の値に保持し、そして発電機を
    直流で又は約50kHz及び約10GHzの間の周波数の交流でか
    つ約10ワット及び5000ワットの間の電力値で作動させる
    請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】耐摩耗性物質前駆体が亜酸化窒素及びシラ
    ンであり;そして担体ガスがヘリウムである請求項5記
    載の方法。
  10. 【請求項10】工程(I)におけるオルガノシリコン化
    合物が約5sccm〜約250sccmの流速をもち;工程(III)
    におけるシランが約10sccm〜約100sccmの流速をもち;
    工程(III)における亜酸化窒素が約300sccm〜約5000sc
    cmの流速をもち;そしてヘリウムの流速は約500sccm〜5
    000sccmの範囲の一定の値に保持され;工程(I)、(I
    I)及び(III)の各々における全ガス流も一定の値に保
    持される請求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】供給物組成を界面物質前駆体から耐摩耗
    性物質前駆体まで指数的に変動させる請求項10記載の方
    法。
  12. 【請求項12】基体をほぼ室温から130℃までの間の温
    度に加熱する請求項10記載の方法。
  13. 【請求項13】プラズマ増強化学蒸着に先だって、プラ
    イマーをプラスチック基体に施す、請求項1〜12のいず
    れかに記載の方法。
  14. 【請求項14】界面物質がオルガノシリコン単量体蒸気
    をプラズマ中で重合することによって形成される請求項
    1記載の方法。
  15. 【請求項15】オルガノシリコン単量体がヘキサメチル
    ジシラザン、ヘキサメチルジシロキサン、ビニルトリメ
    チルシラン及びオクタメチルシクロテトラシロキサンか
    らなる群から選ばれる請求項14記載の方法。
  16. 【請求項16】耐摩耗性物質が炭化珪素、二酸化珪素、
    窒化珪素、酸窒化珪素及びそれらの混合物からなる群か
    ら選ばれる請求項15記載の方法。
  17. 【請求項17】被覆物をポリカーボネート基体上に蒸着
    させる請求項1〜16のいずれかに記載の方法。
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