JPH08328548A - 弦楽器の自動調弦装置及び弦楽器の調弦用チューナー - Google Patents

弦楽器の自動調弦装置及び弦楽器の調弦用チューナー

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JPH08328548A
JPH08328548A JP7158654A JP15865495A JPH08328548A JP H08328548 A JPH08328548 A JP H08328548A JP 7158654 A JP7158654 A JP 7158654A JP 15865495 A JP15865495 A JP 15865495A JP H08328548 A JPH08328548 A JP H08328548A
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instrument
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JP7158654A
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Ryochi Kato
良智 加藤
Umeko Kato
梅子 加藤
Hideto Kato
秀人 加藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】調弦しようとする弦が緩んでいる場合でも短時
間で調弦できるようにした弦楽器の自動調弦装置を提供
することを目的とする。 【構成】この自動調弦装置は、入力周波数が、目標周波
数より所定値以上離れた目標設定音域外(第1領域)に
ある場合には、目標設定音域内(第2領域)にある場合
に比べ、1回の弦音の入力に伴うモータの回転量を多く
する調弦速度制御手段を有している。即ち、1回の弦音
の入力に伴う弦の巻取量が異なる微調整モード(M1)
と高速調弦モード(M2)があり、調弦しようとする弦
が大幅に緩んでいる場合には、自動的に高速調弦モード
で弦が巻かれるので、調弦時間を短縮することができ
る。また、弦が巻かれて目標設定音域に入った場合に
は、自動的に微調整モードに変わり、弦巻つまみを微調
整して、正確な調弦を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、弦楽器の自動調弦装置
に関し、さらに詳しくは、複数の弦巻つまみを有する弦
楽器の弦巻つまみに必要に応じて装着でき、モータによ
り該弦巻つまみを回転させて、該つまみに巻かれた弦の
調弦を行う弦楽器の自動調弦装置の改良に関する。ま
た、本発明は、そのような弦楽器の自動調弦装置に使用
することができるとともに、単独でも弦楽器の調弦に使
用可能な調弦用のチューナーに関する。
【0002】
【従来の技術】本件出願人は、先に、複数の弦とそれら
の弦がそれぞれ巻き付けられた複数の調弦用の弦巻つま
みとを有する弦楽器に必要に応じて装着でき、該弦巻つ
まみをモータに連結されたクランプを介して回転させ
て、その弦巻つまみに巻かれた弦を自動的に調弦するこ
とができるようにした自動調弦装置に関する実用新案登
録出願を行った(平成5年実用新案登録願第75284
号)。この装置は、調弦しようとする弦を弾いているだ
けで、当該弦の正しい音に自動的に調弦できる画期的な
装置であり、多数の楽器演奏者の間で好評を得ている。
【0003】しかしながら、この装置では、調弦にあた
って弦巻つまみの微調整が必要なことから、モータによ
るクランプの回転速度が遅く且つ一定の速度に設定され
ていた。そのため、調弦しようとする弦が極端に緩んで
いた場合には、目標音即ち当該弦の正しい周波数が生じ
る状態に設定するまでに、かなりの時間を要し、調弦に
時間がかかるという問題があった。
【0004】また、上述した自動調弦装置が使用される
弦楽器は、多数の演奏者により同時に演奏される場合が
あるが、このような場合には、全体の調和をとるため
に、特定の演奏者の楽器の弦音に他の演奏者の楽器の弦
音を一致させるように調弦する必要がある。また、ピア
ノなどの他の楽器と合わせて演奏する場合には、メイン
となるピアノの音に他のすべての弦楽器の音を合わせる
ことが必要なとなる。このような理由から、特定の演奏
者の弦楽器の弦音やピアノの音を、本来の固有の弦音と
は無関係に、任意に基準音として設定でき、当該基準音
に基づいて弦楽器の弦を調弦することができるようにす
ることが要望されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑みなされたものであり、弦が緩んでいる場合でも短
時間で調弦できるようにした弦楽器の自動調弦装置を提
供することを目的とする。
【0006】また、本発明は、弦楽器の各弦の本来の固
有の弦音とは無関係に、他の楽器の音を基準音としてピ
ックアップでき、該基準音に基づいて弦を調弦できるよ
うにすることを目的とする。
【0007】また、本発明は、上述したような自動調弦
装置に使用できる一方、単独でチューナーとしても使用
できる簡易な構造で取扱いの容易な調弦用のチューナー
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る自動調弦装置は、調弦しようとする弦
の弦音が入力され、その弦音の入力周波数を対応する電
気信号に変換する弦音−電気信号変換手段と、前記弦楽
器の各弦の目標調弦音の周波数が基準周波数として予め
記憶されている基準周波数記憶手段と、前記変換手段か
ら供給される調弦する弦の弦音の入力周波数と、前記基
準周波数記憶手段に記憶された当該弦の基準周波数とに
基づいて、前記入力周波数が、前記基準周波数とみなさ
れる範囲の目標周波数に達するまで、電気信号を出力す
る制御部と、前記制御部から供給される電気信号に基づ
いて正逆回転するモータと、前記つまみに着脱自在に嵌
合し、前記モータの回転に伴い前記弦巻つまみを回転さ
せるクランプ手段と、前記入力周波数が、前記目標周波
数より所定値以上離れている第1領域にある場合には、
前記目標周波数から所定値以内の第2領域にある場合に
比べ、前記クランプ手段の回転量を多くする調弦速度制
御手段と、を有している。
【0009】本発明では、前記回転速度制御手段は、入
力周波数が前記第1領域にある場合には、第2領域にあ
る場合に比べ、1回の弦音の入力に伴うモータの回転時
間を長くするように制御することが好ましい。
【0010】また、前記回転速度制御手段は、入力周波
数が前記第1領域にある場合には、第2領域にある場合
に比べ、前記モータの回転速度を早くするように制御す
ることもできる。また、前記基準周波数記憶手段には、
調弦しようとしている弦楽器の各弦の本来の弦音の周波
数が基準周波数として予め記憶させることが好ましい。
【0011】一方、前記基準周波数記憶手段は、前記弦
音−電気信号変換手段を介して他の楽器の任意の弦の弦
音をピックアップし、このピックアップされた他の楽器
の弦音の周波数を調弦しようとする弦楽器の所定の弦の
弦音の基準周波数として予め設定かつ記憶するととも
に、該基準周波数に基づいて調弦しようとする弦楽器の
他の弦の弦音の周波数を予め設定しかつ記憶するように
構成することもできる。
【0012】さらに、好ましくは、前記弦音−電気信号
変換手段、前記目標周波数記憶手段、前記制御部、前記
回転速度制御手段及び表示装置は、調弦用チューナーに
設けられており、また前記モータ及びクランプ手段は、
前記チューナーに電気コードを介して着脱自在に接続で
きる駆動部に設けられるように構成される。
【0013】また、上述した他の目的を達成するため
に、本発明に係る調弦用のチューナーは、調弦しようと
する弦楽器の弦の弦音が入力され、該弦音をその入力周
波数に対応する電気信号に変換する弦音−電気信号変換
手段と、前記弦音−電気信号変換手段を介して他の楽器
の任意の弦の弦音をピックアップし、このピックアップ
された他の楽器の弦音の周波数を調弦しようとする弦楽
器の所定の弦の弦音の基準周波数として予め設定かつ記
憶するとともに、該基準周波数に基づいて調弦しようと
する弦楽器の他の弦の弦音の周波数を予め設定しかつ記
憶する基準周波数記憶手段と、前記弦音−電気信号変換
手段から供給される調弦しようとする弦の弦音の入力周
波数と、前記基準周波数記憶手段に設定かつ記憶された
当該弦の基準周波数とに基づいて、前記入力周波数と前
記予め設定かつ記憶された対応する弦の基準周波数との
関係を示す電気信号を出力する制御部と、前記制御部か
らの電気信号に基づいて、前記入力周波数が前記基準周
波数記憶手段に記憶された対応する弦の周波数より低い
か又は高いかを表示するとともに、前記目標周波数に一
致したことを表示する表示装置とから構成される。
【0014】この場合、前記チューナーは、さらに、前
記制御部からの電気信号に基づいて正逆回転するモータ
と、該モータの回転に伴い前記つまみを回転させるクラ
ンプ手段とを有する駆動装置を制御するモータドライバ
回路を備えることもできる。
【0015】
【作用】 上述した構成を有する本発明に係る自動調弦
装置によれば、調弦しようとする弦が大幅に緩んでいて
その周波数が第1領域にある場合には、回転速度制御手
段により、その弦の音が第2領域に達するまでは1回の
弦音の入力に伴うクランプの回転時間が長められ、ある
いは回転速度が早められ、それにより弦巻つまみを迅速
に巻くことができる。そして、弦がある程度巻かれてそ
の弦の周波数が前記第2領域に達した後は、1回の弦音
の入力に伴うクランプの回転時間が短縮され、あるいは
回転速度が遅くされ、それにより正確な調弦に必要な微
調整が可能となる。
【0016】また、弦音−電気信号変換手段を介して他
の楽器の任意の弦の弦音をピックアップし、このピック
アップされた他の楽器の弦音の周波数を調弦しようとす
る弦楽器の所定の弦の弦音の基準周波数として予め設定
かつ記憶するとともに、該基準周波数に基づいて調弦し
ようとする弦楽器の他の弦の弦音の周波数を予め設定し
かつ記憶できる基準周波数記憶手段を設けたので、本来
の固有の弦音だけでなく、任意の弦音を基準とした調弦
をすることができる。
【0017】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明に係る自動調
弦装置の好適実施例について説明する。
【0018】図1は、本発明に係る自動調弦装置の一実
施例の使用状態を示す斜視図である。同図において、1
は自動調弦装置を示しており、チューナー2と、該チュ
ーナー2に電気コード3を介して着脱自在に接続される
駆動装置4とから構成されている。そして、実際に使用
する場合には、操作者が駆動装置4を一方の手で握持
し、該駆動装置4に設けられたクランプ26を、例えば
大正琴のような弦楽器5の調弦しようとする弦が巻かれ
ている弦巻つまみ51のいずれかに嵌合させるととも
に、他方の手で当該弦を弾きながら調弦作業が行われ
る。
【0019】図2は、上記自動調弦装置の構成を示すブ
ロック図である。この図に示されているように、このチ
ューナー2は、調弦対象の弦楽器の特定の弦を弾くこと
により生じる弦音が入力され、該弦音をその入力周波数
を対応する電気信号に変換する弦音−電気信号変換手段
10と、当該弦楽器の各弦が正しく調弦された場合の弦
音の周波数が基準周波数として予め記憶されている基準
周波数記憶手段11と、現在調弦の対象となっている弦
を特定する情報を提供する操作部12と、前記弦音−電
気信号変換手段10から供給される入力周波数と、前記
基準周波数記憶手段11から提供される情報と、前記操
作部12から供給される情報とに基づいて、前記入力周
波数が前記基準周波数とみなされる目標周波数に達する
まで所定の電気信号を出力する制御部13と、前記制御
部13から出力される電気信号に基づいて入力周波数と
目標周波数との関係を示す表示部14と、前記制御部1
3から出力された電気信号に基づいて駆動部4のモータ
22を作動させるモータドライバ回路15とを備えてい
る。
【0020】前記弦音−電気信号変換手段10は、弦を
弾いた際の弦音をピックアップするマイクと、該弦音の
周波数である入力周波数を検出し、それを対応する電気
信号に変換する回路とから構成されている。この回路
は、前述した平成5年実用新案登録願第75284号や
本件出願人による平成6年特許願278295号に記載
されたような既知の回路から構成される。
【0021】前記弦音−電気信号変換手段10から出力
された電気信号は、CPUから構成される制御部13に
入力される。この制御部13には、さらに前記基準周波
数記憶部13に予め記憶されたた当該弦の正しい音の周
波数に関する情報と、前記操作部12から調弦している
弦を特定する情報とが入力され、これらに基づいて、前
記表示部14及びモータドライバ回路15に制御信号を
出力するように構成されいる。また、この制御部13に
は、前記弦音−電気信号変換手段10から入力された弦
音の周波数が前記基準周波数より所定値以上離れている
第1領域にある場合には、前記所定値の範囲内の第2領
域にある場合に比べ、1回の弦音入力に伴う前記クラン
プ26の回転量を多くする前記調弦速度制御手段が設け
られている。
【0022】本発明が例えば大正琴に用いられる場合に
は、前記基準周波数記憶部11には、太弦、中弦及び細
弦の正しい音の周波数を記憶されている。また、前記操
作部12は、現在調弦の対象となっている弦、即ち駆動
部4により調弦されている弦がこれらの太弦、中弦及び
細弦のどれであるかをマニュアルにより設定できるよう
になっている。なお、これらの設定は、調弦の対象とな
る弦楽器の種類により適宜変更することができる。
【0023】また、この基準周波数記憶部11は、弦音
−電気信号変換手段10を介して他の楽器の任意の弦の
弦音をピックアップし、このピックアップされた他の楽
器の弦音の周波数を調弦しようとする弦楽器の所定の弦
の弦音の基準周波数として予め設定かつ記憶するととも
に、該基準周波数に基づいて調弦しようとする弦楽器の
他の弦の弦音の周波数を予め設定しかつ記憶できるの
で、本来の固有の弦音だけでなく、任意の弦音を基準と
した調弦をすることができる。その結果、多数の弦楽器
を同時に演奏する場合に特定の演奏者の楽器の弦音を基
準音として設定しておけば、この特定の演奏者の楽器に
合わせた調弦が可能となる。また、ピアノなどの他の楽
器と合わせて演奏するばあいには、当該ピアノの音を基
準音として設定しておけば、それに合わせた調弦が可能
となる。この場合、例えば、弦楽器の特定の弦の弦音
を、他の演奏者の楽器の対応する弦の弦音やピアノの対
応する弦の弦音に合わせた場合、当該弦楽器の他の弦の
弦音は、各弦の間の固有の周波数の関係に基づいて自動
的に設定することができるようになっている。
【0024】前記表示部14には、前記入力された周波
数が前記基準周波数より低い場合に点灯する第1の表示
である低音表示14Lと、該入力された周波数が前記基
準周波数より高い場合に点灯する第2の表示である高音
表示14Hとが設けられている。これらの第1及び第2
の表示14L,14Hは、入力周波数が前記基準周波数
に達したとみなされる目標周波数に達した場合には、両
方が同時に点灯するようになっている。これらの第1及
び第2の表示14L,14Hは、本実施例では、チュー
ナー1の上部表面に設けられた一対の三角形状のLED
から形成されている。
【0025】また、前記モータドライバ回路15は、制
御部13からの信号に基づいて、駆動部4に設けられた
モータ22の制御をするものである。本実施例では、モ
ータ22の回転方向を制御するだけでなく、モータ22
の回転時間を制御するように構成されている。即ち、入
力周波数が第1領域にある場合の高速調弦モードでは、
第2領域にある場合の微調整モードに比べ、弦を1回弾
くことにより生じる1回の弦音の入力に伴うモータの回
転時間が長くなるように制御する。なお、入力周波数が
第1領域にある場合には、第2領域にある場合に比べ、
モータ22の回転速度が早くなるように制御することも
できる。
【0026】図3に示すように、前記駆動部4は、操作
者が片手で握持できる程度のケース20と、該ケース内
に設けられたモータ22と、該モータ22の回転速度を
減速するための減速機構24と、該減速機構24の出力
側回転軸25の先端に設けられ弦巻つまみ51に嵌合可
能なクランプ26とを備えている。このモータ22に
は、前記モータドライバ回路15から電気コード3を介
して電力及び制御電気信号が供給され、それに応じて正
逆回転するようになっている。また、前述したように、
高速調弦モードと微調整モードとで異なる回転時間又は
速度で回転するようになっている。このように、この駆
動部4は、前記チューナー2に電気コード3を介して着
脱自在に接続されている。前記チューナー2は、この駆
動部4が接続されていない場合は、チューナー2単体で
調弦用チューナーとして使用できるようになっている。
【0027】以上の構造を有する自動調弦装置は、図1
に示すように、駆動部4を操作者が片手で把持し、クラ
ンプ26を調弦しようとする弦の弦巻きつまみ51に嵌
合させた状態て使用する。この状態で弦を弾けば、その
弦の弦音が前記弦音−電気信号変換手段10に入力さ
れ、その入力周波数が制御部13において前記基準周波
数設定部13から供給される当該弦の弦音の正しい本来
の音の基準周波数または予め任意に設定された基準周波
数と比較される。この場合、本実施例では、基準周波数
から±3centの範囲の目標周波数との比較が行われる。
これは、この範囲であれば、人間の聴覚では音が合って
いると判断できる範囲だからである。
【0028】そして、当該弦音の入力周波数が当該目標
周波数より低い場合には、制御部13から表示部14
へ、第1の表示14Lを点灯さる信号が出力されると共
に、前記モータドライバ回路15には、弦巻きつまみ5
1を巻き上げる方向へモータ22を所定時間回転させる
信号が出力される。一方、入力周波数が当該目標周波数
より高い場合には、制御部13から表示部14へ、第2
の表示装置14Hを点灯さる信号が出力されると共に、
前記モータドライバ回路15には、弦巻きつまみを緩め
る方向へモータ22を所定時間回転させる信号が出力さ
れる。
【0029】本実施例では、このモータ22の回転時間
は、入力周波数が第1領域、即ち入力弦音の周波数が目
標周波数より一定値以上離れた目標設定音域外にある場
合には、前述した高速調弦モードで回転するようになっ
ている。即ち、この高速回転モードでは、途中で入力周
波数が目標周波数に一致しない限り、入力弦音が減衰し
てピックアップ不能となった時点からさらに1秒間モー
タ22が回転するように設定されている。
【0030】一方、入力周波数が第2領域、即ち目標設
定音域内にある場合には、前記高速調弦モードよりも1
回の弦音入力に伴うモータ22の回転時間が短い微調整
モードで回転するようになっている。この微調整モード
では、弦を巻き上げる方向に回転するときは0.7秒
間、反対に緩める方向に回転するときは1.4秒間回転
するようになっている。このように回転方向によってモ
ータ22の回転時間に差を設けているのは、通常弦楽器
の調弦の場合には、音の低い方から徐々に合わせていく
方法が採られているので、それを本装置でも実現するた
めである。即ち、本実施例でも、緩める場合は、1.4
秒間モータを回転させて、一旦基準周波数よりも弦音の
周波数が低くなるようにし、その状態から0.7秒ずつ
モータを回転させ、徐々に音を高めるようにして調弦す
るようになっている。
【0031】なお、本実施例では、前記第1領域と第2
領域とを区別する一定値として、当該弦の音よりも1音
以上離れた音域が設定されているが、この値は任意に変
更することができる。また、本実施例では、高速調弦モ
ードと微調整モードとで、モータの回転時間を異なるよ
うに構成しているが、これをモータの回転速度を異なる
ように構成することも可能である。また、上述した微調
整モードのモータ回転時間(0.7秒、1.4秒)も調
弦対象の楽器の種類などに応じて、適宜変更することが
できる。
【0032】図4は、本発明の自動調弦装置の前記制御
部のメインルーチンを示すフローチャートである。この
メインルーチンでは、スイッチがONされるとステップ
100においてタイマがカウントをスタートし、その後
ステップ101において、弦音−電気信号変換手段10
から入力された弦音の入力周波数の算出が行われる。ス
テップ102では、その算出された周波数、即ち入力周
波数がゼロかどうかが判断される。このステップ102
で周波数がゼロの場合、即ち弦音の入力がないと判断さ
れた場合には、タイマがスタートしてから120秒の間
は、ステップ101に戻り、120秒間はこのループが
継続する。
【0033】この120秒の間、周波数が検出されなか
った場合、即ちステップ103において、この周波数ゼ
ロの状態が120秒継続したと判断された場合には、調
弦の必要がないとして、電源がOFFとなり(ステップ
104)、このルーチンは終了する。
【0034】一方、タイマがスタートしてから120秒
以内の間に、ステップ102において周波数がゼロでな
い状態が検出された場合には、ステップ105に進み、
そこで駆動部4がチューナー2に接続されているかどう
かが判断される。駆動部4がチューナー2に接続されて
いない場合には、自動調弦装置がチューナー単体で使用
されていることを意味し、チューナーモードのサブルー
チンTを呼び出す。
【0035】一方、ステップ105で駆動部4がチュー
ナー2に接続されていると判断された場合には、ステッ
プ106に進み、そこで現在入力されている弦音の周波
数が基準周波数から一定の音域の領域かどうか、即ち目
標設定音域かどうかが判断される。そして、目標設定音
域内(第2領域)と判断された場合には、微調整モード
のサブルーチンM1を呼び出す。一方、目標設定音域外
(第1領域)の場合と判断された場合には、高速調弦モ
ードのサブルーチンM2を呼び出す。
【0036】図5は、上述した微調整モードのサブルー
チンM1のフローチャートを示している。このフローチ
ャートでは、まずステップ200において、タイマがス
タートする。次に、ステップ201で、入力された弦音
の入力周波数の算出が行われる。そして、ステップ20
2では、入力周波数がゼロかどうかが判断される。これ
は、前記メインルーチンで入力周波数がゼロでないと判
断された場合であっても、入力弦音が途中で減衰して音
が拾えなくなったり、弦の弾き方が不十分であったりあ
るいは弦が緩みすぎていて十分な音が拾えない場合があ
るからである。これらの場合には、このステップ202
で入力周波数がゼロと判断されてステップ209へスキ
ップし、モータ22を停止するようになっている。
【0037】一方、ステップ202で周波数がゼロでは
ないと判断された場合には、ステップ203に進む。こ
のステップ203では、入力周波数が目標周波数かどう
かが判断される。入力周波数が目標周波数より低い場合
には、ステップ204に進み表示部の第1の表示(LE
D)14LをONにするとともに、ステップ205で弦
を巻く方向にクランプ26が回転するようにモータ22
を作動させる。そして、ステップ206では、タイマが
スタートしてから0.7秒経過したかどうかが判断され
る。タイマがスタートしてから0.7秒経過する前は、
ステップ201に戻る。即ち、その間は、ステップ20
1、202、203、204、205及び206から成
るループが繰り返し実行される。なお、この0.7秒と
いう時間は、モータ22の回転速度との関係から経験値
で調弦の微調整に適した時間と考えられる時間であり、
モータ22の回転速度を変えれば、この時間も適宜変更
される。
【0038】以上の過程で、ステップ203において、
入力周波数が目標周波数に一致したと判断された場合に
は、ステップ207に進み、モータ停止のフラグ(MS
=1)が成立する。そして、ステップ208において第
1及び第2の表示14L及び14Hの両方がONとな
り、入力周波数が目標周波数に一致したことを示し、そ
の後ステップ209に進み、モータ22を強制的に停止
する。
【0039】一方、上記過程で入力周波数が目標周波数
に一致しない状態が0.7秒間継続したことがステップ
206で確認された場合には、ステップ210に進みモ
ータ22を停止する。
【0040】なお、この0.7秒の間に弦音の入力周波
数がゼロとなった場合には、即ち音が減衰して拾えなく
なった場合には、ステップ202で周波数がゼロである
と判断され、前述したようにステップ209に進む。
【0041】一方、ステップ203で入力周波数が目標
周波数より高いと判断された場合には、ステップ210
に進み、表示部の第1の表示(LED)14Hを点灯さ
せるとともに、ステップ211で弦を緩める方向にクラ
ンプ26が回転するようにモータ22を作動させる。次
に、ステップ212では、タイマがスタートした後1.
4秒経過したかどうかが判断され、1.4秒以内であれ
ば、ステップ201に戻り再び周波数の算出が行われ
る。即ち、この1.4秒の間は、ステップ201、20
2、203、210、211及び212から成るループ
が繰り返し実行される。
【0042】このように、弦を緩める場合には、モータ
の回転時間が、締める場合に比べ、2倍の1.4秒に設
定されているのは、前述したように、目標周波数をオバ
ーランした場合には、一旦大きく巻き戻して、低い方の
側から目標周波数に向かって微調整をするためである。
これは、実際にマニュアルで調弦を行う場合では、低い
側から徐々に音を高めて目標音に設定するような調整が
行われているので、それをソフト上で実現するものであ
る。この1.4秒という時間も、モータの回転速度との
関係から経験上調弦の微調整に適した時間と考えられる
時間であり、モータの回転速度を変えれば、この時間も
適宜変更される。この1.4秒以内に目標周波数に一致
しなかった場合には、ステップ212からステップ20
9に進みモータが停止させられる。
【0043】なお、この1.4秒の間に弦音の入力周波
数がゼロとなった場合には、即ち音が減衰して拾えなく
なった場合には、ステップ202で周波数がゼロである
と判断され、メインルーチンに戻る。そして、次の弦音
の入力を待って前述したステップが繰り返される。
【0044】一方、前記1.4秒の間に、ステップ20
3で、入力周波数が目標周波数に一致したと判断されれ
ば、前述した場合と同様に、ステップ207に進みモー
タ停止のフラグ(MS=1)が成立する。そして、ステ
ップ208では、第1及び第2の表示14L及び14H
が両方ONとなり、入力周波数が目標周波数に一致した
ことを示し、その後ステップ209に進み、モータ22
が停止する。
【0045】以上のようにしてステップ209でモータ
22の回転が停止した場合、ステップ213に進み、モ
ータが停止しているかどうかの判断がなされる。これ
は、1回の弦音の入力の途中で目標周波数に一致した場
合には、残音の影響があり、それによりモータ22が作
動してしまうことが有り得るからである。従って、この
ステップ213で、モータ22が停止していることが確
認された場合には、ステップ214に進み、ONとなっ
ている第1及び/又は第2の表示14L,14HをOF
Fとした後、このサブルーチンを終了させ、メインルー
チンに戻る。一方、前記ステップ213でモータ22の
停止が確認されない場合には、ステップ215に進み、
そこで再度周波数の算出が行われる。そして、ステップ
216では、周波数がゼロかどうか、即ち残音の影響が
あるかどうかの判断がなされ、ゼロであると判断された
場合には、ステップ217で1秒間ホールドした後に、
ステップ214に進み、第1及び/又は第2の表示14
L,14HをOFFとした後、このサブルーチンを終了
させ、メインルーチンに戻る。
【0046】図6は、以上の微調整モードにおける出力
タイミングについて、さらに詳細に説明したものであ
る。同図において、Aは、入力された弦音が減衰してい
く過程を図式化したものであり、a1−a2間が音が拾え
る範囲を示している。但し、弦音発生初期は、弦が共振
するまでの収束期間であり、乱れた波形が発生してい
る。従って、第1及び第2の表示14L,14HがON
となる時期及びモータが作動する時期は、上記収束期間
を避けるために、周波数検出後所定時間(τ)だけ経過
した後であり、若干遅れたタイミングとなっている。
【0047】即ち、入力周波数が検出され、その周波数
が目標設定音域内である第2領域にあることが確認され
た場合には、前記所定時間(τ)後に第1又は第2の表
示14L,14HのいずれかがONとなるとともに、モ
ータ22も作動開始する。この場合、モータ22は、前
述したように、入力周波数が目標周波数より高い場合に
は、1.4秒間だけ作動し、また目標周波数より低い場
合には、0.7秒間だけ作動する。
【0048】その間に、モータ22により弦が巻かれ、
1.4秒又は0.7秒間の間に入力周波数が目標周波数
に一致した場合(▽の位置)には、モータ22は直ちに
停止する(このケースは、図中細線で示されている)。
一方、1.4秒又は0.7秒間の間に入力周波数が目標
周波数に一致しなかった場合には、モータ22は、1.
4秒又は0.7秒経過後に停止する(このケースは、図
中太線で示されている)。
【0049】また、第1及び第2の表示14L,14H
は、1.4秒又は0.7秒の間に入力周波数が目標周波
数に一致した場合には、その後第1の表示14L及び第
2の表示14Hの両方がそのまま1.4秒又は0.7秒
経過するまで点灯し、その後さらに入力周波数が減衰し
て弦音がピックアップできなくなった後1秒間だけ点灯
した状態がホールドされた後にOFFとなる(このケー
スは、図中細線で示されている)。即ち、1回の弦音の
入力において入力周波数が目標周波数に一致した場合
(▽の位置)には、第1及び第2の表示14L,14H
が、その入力音が減衰してピックアップ不能となった後
さらに1秒間点灯するようになっている。一方、その間
に、依然として入力周波数が目標周波数に一致しない場
合には、第1の表示14Lは0.7秒間継続して点灯し
た後に、また第2の表示14Hであれば1.4秒間継続
して点灯した後に、OFFとなる(このケースは、図中
太線で示されている)。
【0050】図7は、上述した高速調弦モードのサブル
ーチンM2のフローチャートを示している。このフロー
チャートでは、まずステップ300において、タイマが
カウントを開始し、次にステップ301で入力された弦
音の入力周波数が算出される。そして、次にステップ3
02において当該入力周波数が目標設定音域内、即ち第
1領域内の周波数かどうかが判断される。これは、1回
の弦音の入力によるモータ22の回転で弦を調節してい
る過程で、調弦しようとしている弦が目標設定音域内
(第2領域)に入るような場合があるからである。この
場合には、微調整モードのサブルーチンM1に移行し、
前述した図5のフローチャートに従って処理される。
【0051】上記ステップ302で目標設定音域内では
ない、即ち第1領域であると判断された場合には、ステ
ップ303に進み、周波数がゼロかどうかが判断され
る。これは、弦の弾き方が不十分であっり、途中で減衰
して音が拾えなくなったり、弦が緩みすぎていて十分な
音が拾えない場合があるからである。これらの場合に
は、周波数がゼロと判断され、1秒間ホールドされた後
に、ステップ311へスキップしてモータ22を停止さ
せるようになっている。
【0052】ステップ303で、周波数がゼロではない
と判断された場合には、ステップ304に進み、そこで
入力周波数が目標周波数かどうかが判断される。入力周
波数が目標周波数より低い場合には、ステップ305に
おいて表示部の第1の表示14Lを点灯させるととも
に、それに続くステップ306で弦を巻く方向にクラン
プを回転させるようにモータ22に命令を発する。この
高速調弦モードでは、1回の弦音の入力音が減衰して音
が拾えなくなるまでモータ22が回転する。このステッ
プ301から306までのループにおいて、弦が巻かれ
て音が高くなり、途中で入力周波数が目標設定音域に入
ると、ステップ302を介して微調整モードのサブルー
チンM1を呼出し、前述した図5のフローチャートに従
って処理される。なお、前述したように、1回の弦音の
入力に伴うモータの動作では目標周波数あるいは目標設
定音域に到達しなかった場合には、周波数がゼロとなっ
たことがステップ303で確認され、その後1秒間ホー
ルドされた後、ステップ311へスキップする。
【0053】一方、ステップ304において入力周波数
が目標周波数より高いと判断された場合には、ステップ
307に進み、表示部の第1の表示14Hを点灯させる
とともに、ステップ308でモータドライバ15を介し
て弦を緩める方向にクランプ26を回転させるようにモ
ータ22に命令を発する。そして、周波数の入力がある
限り、このステップ301、302、303、304、
307及び308から成るループが繰り返し実行され
る。なお、このループでも、弦が緩められて音が低くな
り、途中で入力周波数が目標設定音域に入ると、ステッ
プ302を介して微調整モードのサブルーチンM1を呼
出し、前述した図5のフローチャートに従って処理され
る。また、ステップ303で入力周波数がゼロと判断さ
れた場合には、上述したように1秒間ホールドされた後
にステップ311にスキップし、モータを停止させる処
理が行われる。
【0054】以上の過程において、ステップ304で入
力周波数が目標周波数に一致したと判断された場合に
は、ステップ309においてモータ停止のフラグ(MS
=1)が成立し、ステップ310において表示部14に
第1及び第2の表示(LED)14L及び14Hを両方
ONにするとともに、ステップ311においてモータ2
2を停止させる。これは、この高速調弦モードでは、1
回の弦音の入力に伴うモータの回転時間が長いことか
ら、太弦の場合などは、入力周波数が目標設定音域外
(第1領域)にある場合でも、1回の弦音の入力に伴う
モータの回転により入力周波数が目標周波数に一致する
ような場合があるからである。
【0055】この後ステップ312においては、モータ
22が強制的に停止した場合かどうか、即ち弦音の入力
がある間に目標周波数に一致して強制的に停止した場合
か、あるいは1回の弦音の入力に伴うモータ回転時間が
終了して停止した場合かどうかが判断される。後者であ
ると判断された場合には、そのままステップ313に進
み第1又は第2の表示(LED)14L,14HがOF
Fとなる。一方、強制的に停止した場合には、ステップ
314に進み周波数の算出が行われ、次にステップ31
5で当該周波数がゼロかどうかが判断される。これは、
モータの強制停止の場合には、弦からの残音があり、そ
の残音の入力周波数の影響を受けるので、完全に周波数
がゼロとなるまで、ホールドするためである。そのた
め、ステップ315で周波数がゼロとなったと判断され
た場合には、さらにステップ316で1秒間ホールド
し、その後でステップ313に進み第1及び第2の表示
(LED)14L及び14HをOFFとし、このサブル
ーチンは終了する。
【0056】以上の説明からも分かるように、本発明で
は、このような1回の弦音の入力に伴い長時間モータを
回転させて弦の巻取又は緩める量を多くする高速調弦モ
ードを設けているので、調弦時間を短縮することができ
る。次に、図8に基づいて、高速調弦モードにおける出
力タイミングについて、さらに詳細に説明する。同図に
示されているように、入力周波数が検出され、その周波
数が第1領域にあることが確認された場合には、所定時
間(τ)経過後に第1又は第2の表示のいずれかがON
となるとともに、モータ22も作動開始する。
【0057】この場合モータ22は、前述したように、
途中で入力周波数が目標周波数に一致しない限り、1回
の入力弦音が減衰して音が拾えなくなった後1.0秒経
過後まで作動するようになっている(ステップ303参
照)。即ち、前述した微調整モードにくらべ、1回の入
力に伴うモータ22の回転時間が長くなっており、それ
により調弦速度を早めることができるようになってい
る。また、第1又は第2の表示(LED)14l,14
Hも同様に入力弦音が減衰して音が拾えなくなった後
1.0秒経過後までONの状態を維持する。
【0058】一方、前述したように、1回の弦音の入力
に伴うモータ22の回転の途中で入力周波数が目標周波
数に一致した場合には、モータ22は直ちに停止する。
この場合、第1及び第2の表示(LED)は、一致した
時点で両方がONとなり、その後1秒間ONの状態がホ
ールドされた後にOFFとなる。
【0059】図9は、上述したチューナーモードのサブ
ルーチンTのフローチャートを示している。このフロー
チャートでは、まずステップ400でタイマのカウント
がスタートし、その後ステップ401で入力された弦音
の周波数の算出が行われる。ステップ402では、その
周波数がゼロかどうか、即ち弦音の入力があるかどうか
が判断される。
【0060】前記ステップ402で周波数がゼロでない
場合、即ち弦音の入力がゼロではないと判断された場合
には、ステップ403で入力された周波数が目標周波数
と同じかどうかが判断される。そして、入力周波数が目
標周波数より高い場合には、ステップ404に進み第2
の表示(LED)14Hが点灯する。また、入力周波数
が目標周波数より低い場合には、ステップ405に進み
第1の表示(LED)14Hが点灯する。さらに、弦巻
つまみをマニュアルで調節する過程で、入力周波数が目
標周波数と一致した場合には、ステップ406に進み、
一致した状態が0.4秒継続しているかどうかが判断さ
れる。これは、音が合っている状態が0.4秒間継続し
ているかどうかを判断するもので、弦巻きつまみを巻き
すぎてしまった場合を回避するものである。そして、一
致した状態が0.4秒継続した場合は、ステップ407
に進み第1及び第2の表示14H及び14Lが点灯し、
調弦が完了したことを表示する。一方、一致した状態が
0.4秒継続しなかった場合には、再度ステップ401
に戻り、前述したループが繰り返し実行される。
【0061】一方、前記ステップ402において入力周
波数がゼロであると判断された場合には、ステップ40
8で1秒間ホールドされた後に、ステップ409で第1
又は第2の表示14H,14LがOFFとなり、その後
再びメインルーチンに戻る。
【0062】図10は、このチューナーモードにおける
出力タイミングの説明図である。この場合も、入力周波
数が検出された後所定時間(τ)経過後に現在の入力音
の高低に従っていずれかの表示(LED)14L,14
Hが点灯される。そして、それに合わせてマニュアルに
より弦巻つまみを所定方向に回転させる。その動作によ
り音が合わない場合には、入力音が減衰して音が拾えな
くなった後1秒間経過するまでONの状態を維持する。
一方、1回の入力の過程で弦巻つまみの調整により音が
合った場合には、即ち入力周波数が目標周波数に一致し
た場合には、両方の表示14L,14Hが点灯し、その
状態が0.4秒継続したことが確認された場合には、そ
の後1.0秒間両方の表示14L,14Hが点灯した状
態がホールドされた後、OFFとなる。
【0063】なお、このチューナーモードでは、上述し
たように、一定時間(本実施例では0.4秒)音が合っ
たことが確認された場合に、所定の表示を行うようにな
っている。これは、チューナーとして用いられる場合に
は、マニュアル操作が行われることを考慮したものであ
る。
【0064】このように、本発明に係る自動調弦装置の
チューナーは、それ単体で調弦に使用することができ、
その場合1対のLEDの一方又は両方を点灯させること
により、現在の音が目標音より低いか又は高いかどうか
が、あるいは目標音に一致しことが確認できるので、針
による表示を用いたチューナーに比べ、簡単に現状が把
握でき、容易に調弦作業を行うことができる。
【0065】上述した実施例は、一例として大正琴の自
動調弦装置として構成された場合を示しているが、本発
明はギターやバイオリン等の他の弦楽器にも使用できる
ことは言うまでもない。
【0066】また、上記実施例では、手持ちタイプの駆
動部を備えた自動調弦装置に基づいて説明しているが、
本発明の調弦速度制御手段は、弦楽器自体に上記駆動部
4を内蔵させたタイプの調弦装置にも応用できる。
【0067】すなわち、この場合には、弦楽器の弦が巻
かれている弦巻きにそれぞれモータが連結され、該モー
タの回転力により直接弦を巻き上げたり緩めたりする作
業を行うようになっている。そして、前述したチューナ
ーの操作部12で調弦する弦を特定すると、モータドラ
イバ回路15が該操作部12で特定された弦の弦巻きに
連結されたモータを駆動するように構成される。
【0068】このような楽器に内蔵タイプの調弦装置に
あっても、上述したような調弦速度制御手段を設けるこ
とにより、調弦時におけるモーターの回転量、即ち1回
の弦音の入力により弦を巻き上げる量を、上述した高速
調弦モードと微調整モードとで変えることができ、調弦
時間の短縮という目的を達成することができる。
【0069】なお、このようなモータ内蔵タイプの調弦
装置では、前記チューナー部の構成要素をすべて楽器本
体内に内蔵する構造とすることもできる。このように構
成すれば、楽器自体が自動調弦機能を有することにな
り、調弦作業が飛躍的に簡単になる。
【0070】また、このようなモータ内蔵タイプの調弦
装置であっても、本発明の他の特徴である他楽器の弦音
のピックアップ機能(基準周波数記憶部11参照)を備
えることができることはいうまでもない。最後に、本発
明は、上記実施例に限定されるものではなく、種々の改
良が可能であることは言うまでもない。
【0071】
【発明の効果】上述した本発明によれば、モータの回転
時間が異なる微調整モードと高速調弦モードがあり、調
弦しようとする弦が大幅に緩んでいる場合、即ち目標設
定音域外にある場合などは、自動的に高速調弦モードで
弦巻つまみが巻かれるので、調弦時間を短縮することが
できる。また、弦が巻かれて目標設定音域に入った場合
には、自動的に微調整モードに変わり、弦巻つまみを微
調整して、正確な調弦を行うことができる。
【0072】また、弦音−電気信号変換手段を介して他
の楽器の任意の弦の弦音をピックアップし、このピック
アップされた他の楽器の弦音の周波数を調弦しようとす
る弦楽器の所定の弦の弦音の基準周波数として予め設定
かつ記憶するとともに、該基準周波数に基づいて調弦し
ようとする弦楽器の他の弦の弦音の周波数を予め設定し
かつ記憶できる基準周波数記憶手段を設けたので、本来
の固有の弦音だけでなく、任意の弦音を基準とした調弦
をすることができる。その結果、他の演奏者の楽器の弦
音やピアノなどの他の楽器の音に合わせた調弦をするこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る自動調弦装置の1実施例の使用
状態を示す斜視図である。
【図2】 本発明に係る自動調弦装置の1実施例の全体
回路構成を示すブロック図である。
【図3】 駆動部の構造を示す断面図である。
【図4】 制御部によるメインルーチンを示すフローチ
ャートである。
【図5】 微調整モードのサブルーチンを示すフローチ
ャートである。
【図6】 微調整モードの出力タイミングを示す説明図
である。
【図7】 高速調弦モードのサブルーチンを示すフロー
チャートである。
【図8】 高速調弦モードの出力タイミングを示す説明
図である。
【図9】 チューナーモードのサブルーチンを示すフロ
ーチャートである。
【図10】 チューナーモードの出力タイミングを示す
説明図である。
【符号の説明】
1 自動調弦装置 2 チューナー 3 電気コード 4 駆動装置 5 弦楽器 10 弦音−電気信号変換手段 11 基準周波数記憶手段 12 操作部 13 制御部 14 表示部 15 モータドライバ回路 22 モーター 26 クランプ 51 弦巻つまみ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の弦巻つまみが設けられた弦楽器の
    弦を自動的に調弦する弦楽器の自動調弦装置であって、 調弦しようとする弦の弦音が入力され、該弦音をその入
    力周波数に対応する電気信号に変換する弦音−電気信号
    変換手段と、 前記弦楽器の各弦の目標調弦音の周波数が基準周波数と
    して予め記憶されている基準周波数記憶手段と、 前記変換手段から供給される調弦しようとする弦の弦音
    の入力周波数と、前記基準周波数記憶手段に記憶された
    当該弦の基準周波数とに基づいて、前記入力周波数が、
    前記基準周波数とみなされる範囲の目標周波数に達する
    まで、電気信号を出力する制御部と、 前記制御部から供給される電気信号に基づいて正逆回転
    するモータと、 前記弦巻つまみに着脱自在に嵌合し、前記モータの回転
    に伴い前記つまみを回転させるクランプ手段と、 前記入力周波数が、前記目標周波数より所定値以上離れ
    ている第1領域にある場合には、前記所定値以内の第2
    領域にある場合に比べ、前記クランプ手段の回転量を多
    くする調弦速度制御手段と、を有することを特徴とする
    弦楽器の自動調弦装置。
  2. 【請求項2】 前記調弦速度制御手段は、前記入力周波
    数が前記第1領域にある場合には、第2領域にある場合
    に比べ、1回の弦音の入力に伴うモータの回転時間を長
    くするように構成されていることを特徴とする請求項1
    に記載の自動調弦装置。
  3. 【請求項3】 前記調弦速度制御手段は、前記入力周波
    数が前記第1領域にある場合には、第2領域にある場合
    に比べ、前記モータの回転速度を早くするように構成さ
    れていることを特徴とする請求項1に記載の自動調弦装
    置。
  4. 【請求項4】 前記基準周波数記憶手段には、調弦しよ
    うとしている弦楽器の各弦の本来の弦音の周波数が基準
    周波数として予め記憶されていることを特徴とする請求
    項1に記載の自動調弦装置。
  5. 【請求項5】 前記基準周波数記憶手段は、前記弦音−
    電気信号変換手段を介して他の楽器の任意の弦の弦音を
    ピックアップし、このピックアップされた他の楽器の弦
    音の周波数を調弦しようとする弦楽器の所定の弦の弦音
    の基準周波数として予め設定かつ記憶するとともに、該
    基準周波数に基づいて調弦しようとする弦楽器の他の弦
    の弦音の周波数を予め設定しかつ記憶するようになって
    いることを特徴とする請求項1に記載の自動調弦装置。
  6. 【請求項6】 前記弦音−電気信号変換手段、前記基準
    周波数記憶手段、前記制御部、前記調弦速度制御手段及
    び表示装置は、調弦用チューナーに設けられており、一
    方前記モータ及びクランプ手段は、前記チューナーに電
    気コードを介して着脱自在に接続できる駆動部に設けら
    れていることを特徴とする請求項1に記載の自動調弦装
    置。
  7. 【請求項7】 調弦しようとする弦楽器の弦の弦音が入
    力され、該弦音をその入力周波数に対応する電気信号に
    変換する弦音−電気信号変換手段と、 前記弦音−電気信号変換手段を介して他の楽器の任意の
    弦の弦音をピックアップし、このピックアップされた他
    の楽器の弦音の周波数を調弦しようとする弦楽器の所定
    の弦の弦音の基準周波数として予め設定かつ記憶すると
    ともに、該基準周波数に基づいて調弦しようとする弦楽
    器の他の弦の弦音の周波数を予め設定しかつ記憶する基
    準周波数記憶手段と、 前記弦音−電気信号変換手段から供給される調弦しよう
    とする弦の弦音の入力周波数と、前記基準周波数記憶手
    段に設定かつ記憶された当該弦の基準周波数とに基づい
    て、前記入力周波数と前記予め設定かつ記憶された対応
    する弦の周波数との関係を示す電気信号を出力する制御
    部と、 前記制御部からの電気信号に基づいて、前記入力周波数
    が前記基準周波数記憶手段に記憶された対応する弦の基
    準周波数より低いか又は高いかを表示するとともに、前
    記目標周波数に一致したことを表示する表示装置と、を
    備えることを特徴とする弦楽器の調弦用チューナー。
  8. 【請求項8】 前記チューナーは、さらに、前記制御部
    からの電気信号に基づいて正逆回転するモータと、該モ
    ータの回転に伴い前記つまみを回転させるクランプ手段
    とを有する駆動装置を制御するモータドライバ回路を備
    えていることを特徴とする請求項7に記載の調弦用チュ
    ーナー。
  9. 【請求項9】 複数の弦を有する弦楽器の弦を自動的に
    調弦する弦楽器の自動調弦装置であって、 調弦しようとする弦の弦音が入力され、該弦音をその入
    力周波数に対応する電気信号に変換する弦音−電気信号
    変換手段と、 前記弦楽器の各弦の目標調弦音の周波数が基準周波数と
    して予め記憶されている基準周波数記憶手段と、 前記変換手段から供給される調弦しようとする弦の弦音
    の入力周波数と、前記基準周波数記憶手段に記憶された
    当該弦の基準周波数とに基づいて、前記入力周波数が、
    前記基準周波数とみなされる範囲の目標周波数に達する
    まで、電気信号を出力する制御部と、 前記弦楽器の各弦毎に設けられ、前記制御部から供給さ
    れる電気信号に基づいて正逆回転し、当該弦を巻き取り
    又は緩める動作を行うモータと、 前記入力周波数が、前記目標周波数より所定値以上離れ
    ている第1領域にある場合には、前記所定値以内の第2
    領域にある場合に比べ、前記モータの回転量を多くする
    調弦速度制御手段と、を有することを特徴とする弦楽器
    の自動調弦装置。
  10. 【請求項10】 複数の弦を有する弦楽器の弦を自動的
    に調弦する弦楽器の自動調弦装置であって、 調弦しようとする弦の弦音が入力され、該弦音をその入
    力周波数に対応する電気信号に変換する弦音−電気信号
    変換手段と、 前記弦楽器の各弦の目標調弦音の周波数が基準周波数と
    して予め記憶されている基準周波数記憶手段であって、
    該基準周波数記憶手段は、前記弦音−電気信号変換手段
    を介して他の楽器の任意の弦の弦音をピックアップし、
    このピックアップされた他の楽器の弦音の周波数を調弦
    しようとする弦楽器の所定の弦の弦音の基準周波数とし
    て予め設定かつ記憶するとともに、該基準周波数に基づ
    いて調弦しようとする弦楽器の他の弦の弦音の周波数を
    予め設定しかつ記憶するようになっているものと、 前記変換手段から供給される調弦しようとする弦の弦音
    の入力周波数と、前記基準周波数記憶手段に記憶された
    当該弦の基準周波数とに基づいて、前記入力周波数が、
    前記基準周波数とみなされる範囲の目標周波数に達する
    まで、電気信号を出力する制御部と、 前記弦楽器の各弦毎に設けられ、前記制御部から供給さ
    れる電気信号に基づいて正逆回転し、当該弦を巻き取り
    又は緩める動作を行うモータと、を有することを特徴と
    する弦楽器の自動調弦装置。
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JP7158654A Pending JPH08328548A (ja) 1995-06-01 1995-06-01 弦楽器の自動調弦装置及び弦楽器の調弦用チューナー

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010015060A1 (en) * 2008-08-04 2010-02-11 Andre Costa Napolitano Automatic tuning for stringed musical instruments
CN101807391A (zh) * 2010-02-09 2010-08-18 李忠孝 钢琴自动调音装置及其自动调音的方法
CN106328103A (zh) * 2016-10-09 2017-01-11 苏州市职业大学 一种古筝自动调音装置
JP2017216820A (ja) * 2016-05-31 2017-12-07 日本電産株式会社 モータ制御装置及びモータ制御方法

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