JPH08326997A - パイプライン用電磁誘導加熱装置 - Google Patents

パイプライン用電磁誘導加熱装置

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JPH08326997A
JPH08326997A JP15715595A JP15715595A JPH08326997A JP H08326997 A JPH08326997 A JP H08326997A JP 15715595 A JP15715595 A JP 15715595A JP 15715595 A JP15715595 A JP 15715595A JP H08326997 A JPH08326997 A JP H08326997A
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JP
Japan
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pipe
electromagnetic induction
heating element
pipeline
pair
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JP15715595A
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English (en)
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Taizo Kawamura
泰三 川村
Yoshitaka Uchibori
義隆 内堀
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Omron Corp
Seta Giken KK
Original Assignee
Omron Corp
Seta Giken KK
Omron Tateisi Electronics Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 化学プラント等に組み込んでも、パイプライ
ンを破損せず、液体の急速加熱が可能なパイプライン用
電磁誘導加熱装置を提供する。 【構成】 金属製の一対のフランジ2,3と、前記フラ
ンジ2,3が取り付けられた金属製の一対の短管4,5
と、前記一対の短管4,5の間に接続される非磁性体の
パイプ6と、前記パイプ6に巻かれたコイル7と、前記
パイプ6内に収納され前記コイル7による電磁誘導で加
熱される発熱体8とを備える。熱応力軽減のために、前
記パイプ6の両端と前記短管4,5との間には、両者の
中間の熱膨張係数を有する材質の管9,10を介在させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体や気体等の流体に
浸された発熱体を電磁誘導加熱で加熱し、前記流体を直
接的な熱移動で加熱する電磁誘導加熱装置に関し、特に
化学プラントなどにおけるパイプラインに組み込み可能
なものに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、化学プラントにおける反応・分
離工程では、蒸留塔が必ず必要である。この蒸留塔は、
蒸留液を構成する液体がそれぞれ持つ沸騰点の温度差に
より、混合している液体を分離する装置である。この蒸
留塔には蒸留液を加熱する装置が付設されている。この
加熱装置としては例えばシーズヒータ方式の如き間接加
熱によるものが採用されている。このシーズヒータ方式
は、電源をシーズヒータに投入して熱媒油を加熱し、熱
交換器で熱媒油と蒸留液との熱交換を行わせる方式であ
る。
【0003】間接加熱によるシーズヒータ方式は、まず
熱媒体をシーズヒータで加熱するために、立ち上がり時
間が長くかかり、加熱装置も大掛かりになる傾向があっ
た。そこで、特開平3−98286号公報などに開示さ
れるように、流体が通過するコラム又はケースを絶縁体
で構成し、このコラム又はケース内に収納され流体が浸
かる発熱体を電磁誘導で加熱する直接加熱の電磁誘導加
熱装置をパイプラインに組み込むことが提案されてい
る。この直接加熱による電磁誘導加熱装置によると、流
体が浸かる発熱体の伝熱面積を大きくすることなどによ
り、発熱体から流体への伝熱効率を90%前後まで向上
させることができるため、立ち上がり時間が短縮でき
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
3−98286号公報などで提案される電磁誘導加熱装
置は小型で局部加熱が可能であるため、装置の熱膨張や
電磁誘導の磁束の影響がパイプラインなどに及び、パイ
プラインなどの破損や発熱などによって長期間の使用に
耐えられないという問題点があった。
【0005】本発明は上述した問題点を解決するために
なされたものであり、その目的とするところは、化学プ
ラント等のパイプラインに組み込んでも、パイプライン
などの破損や発熱を生じることなく、液体の急速加熱が
可能なパイプライン用電磁誘導加熱装置を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明のパイプライン用電磁誘導加熱装置は、パイプライン
にフランジ接合によって組み込み可能な電磁誘導加熱装
置であって、金属製の一対のフランジと、前記フランジ
が取り付けられた金属製の一対の短管と、前記一対の短
管の間に接続されるセラミック製のパイプと、前記パイ
プに巻かれたコイルと、前記パイプ内に収納され前記コ
イルによる電磁誘導で加熱される発熱体とを備え、前記
パイプの両端と前記短管との間には、前記短管の熱膨張
係数と前記パイプの熱膨張係数との中間の熱膨張係数を
有する材質の管が介在していることを要旨とする。前記
パイプの両端に介在する2つの前記管のうち、少なくと
も一つの管は軸方向に伸縮可能に構成されているものが
好ましい。
【0007】また、同じくパイプラインにフランジ接合
によって組み込み可能な電磁誘導加熱装置であって、金
属製の一対のフランジと、前記フランジが取り付けられ
た金属製の一対の短管と、前記一対の短管の間に接続さ
れる非磁性体のパイプと、前記パイプに巻かれたコイル
と、前記パイプ内に収納され前記コイルによる電磁誘導
で加熱される発熱体とを備え、前記発熱体の端から前記
パイプの端までの距離L1が5cm以上あって、前記発
熱体の端から前記フランジ迄の距離L2が、前記パイプ
の内径Dが10cmまでは内径D×0.8倍以上あり、
前記パイプの内径Dが10cm以上では8cm以上であ
ることを要旨とするものである。また、前記一対の短管
の少なくとも一方に、温度センサの取付部が設けられて
いるものが好ましい。
【0008】
【作用】発熱体を収納する非磁性体のパイプとして最も
好ましいのが、耐熱性及び耐腐食性に優れたセラミック
製パイプである。しかし、このセラミック製パイプの熱
膨張係数は金属に比較して1/2〜1/3と小さい。し
たがって、セラミック製パイプとフランジの短管を直接
ろう付け等によって接合すると、熱膨張差による熱応力
で接合が外れる可能性がある。そこで、セラミック製パ
イプとフランジの短管との間に、両者の中間の熱膨張係
数を有する管を介在させて、ろう付けすると熱膨張によ
る熱応力が少なくなる。また、セラミック製パイプの両
端とフランジの一対の短管との間に別途の管を介在させ
るため、少なくとも一つの管を例えばコルゲート状にし
て軸方向に伸縮可能にすると、熱膨張などを吸収する。
【0009】前記コイルによる磁束の殆どが発熱体を通
過するが、一部の磁束は非磁性体のパイプを越えて軸方
向に漏れる。この漏れた磁束が金属製のフランジや金属
製の短管に入ると、フランジや短管が加熱され、フラン
ジや短管の接合の信頼性に影響を及ぼしかねない。そこ
で、種々の実験を行ったところ、前記発熱体の端から前
記パイプの端までの距離L1が5cm以上なるように前
記パイプを延ばすと、前記パイプに接続される金属製の
管に対する磁力の影響が無視できる。加えて、発熱体の
端から前記フランジ迄の距離L2が、前記パイプの内径
Dが10cmまでは内径D×0.8倍以上あり、前記パ
イプの内径Dが10cm以上では8cm以上になるよう
にフランジの位置をずらすと、大きな重量を有するフラ
ンジに対する磁力の影響が無視できる。温度センサ等の
センサも磁束から離れた部分に置くことが好ましく、そ
のためには、フランジを止める短管にセンサを取り付け
るのがよい。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1はパイプライン用電磁誘導加熱装置の要部断
面図であり、図2は発熱体の構造図である。
【0011】図1において、パイプライン用電磁誘導加
熱装置1は、主な部分として、フランジ2,3と、短管
4,5と、パイプ6と、コイル7と、発熱体8と、管
9,10とからなっている。そして、各装置1のコイル
7又は複数の装置1のコイル7に共通に、電力部11が
接続され、電力部11には制御部12が接続され、制御
部12には温度センサ13が接続されて加熱システムを
構成している。
【0012】フランジ2,3及び短管4,5の素材は、
化学プラントで扱われる種々の流体に対して耐蝕性を有
することが必要であり、また後述するコイル7が形成す
る磁束の影響を受けにくいように、非磁性のSUS31
6の如きオーステナイト系ステンレスが用いられる。こ
のオーステナイト系ステンレスは一般には非磁性である
とされるものの、完全な非磁性ではなく磁束の影響を多
少受ける。フランジ2と短管4は溶接等で短管付きフラ
ンジに形成され、フランジ3と短管5も溶接等で短管付
きフランジに形成される。特に流体14の出口側に位置
する短管4には、同じSUS316製のソケット4aが
溶接等で固定され、温度センサ13を取り付けるための
フィティング13aがねじ込めるようになっている。そ
して、押さえ金具13bをフィティング13aに対して
ねじ込むと、温度センサ13の先端が短管4の中心付近
に位置する状態で固定することができる。このソケット
4aの位置は、フィティング13a等の温度センサの部
品がフランジ2に干渉しない程度に、フランジ2に近づ
けて設けることが好ましい。なお、フランジ2,3及び
短管4,5とは溶接等で取り付けるものに限らず、短管
付きフランジとして一体成形されたものであってもよ
い。また、短管4に取り付けられるセンサは温度センサ
に限らず圧力センサ等の他のセンサであってもよい。
【0013】パイプ6は、セメント、ガラス、陶磁器等
の無機質非金属材料で作られた窯業製器等の伝統的なセ
ラミックの他に、アルミナや窒化珪素等を焼結したファ
インセラミック等のセラミックで形成されたものであ
り、非磁性体であって耐熱性と耐腐食性に優れたものが
選定される。このパイプ6内の軸方向中央に、発熱体8
が収納され、パイプ6の外周であって発熱体8が位置す
る部分に、コイル7が巻かれている。なお、パイプ6は
製作上の制限から、2本継ぎ以上のパイプであってもよ
い。
【0014】そして、パイプ6の両端と短管4,5とは
直接接合するのではなく、管9,10を介して接合して
いる。管9,10の素材には、Fe−Ni−Co合金の
ように、高力耐熱合金が選定される。また、一般にセラ
ミックの熱膨張係数は小さく、オーステナイト系ステン
レスの熱膨張係数は大きい。したがって、パイプ6にセ
ラミックを使用し、短管4,5にオーステナイト系ステ
ンレスを使用し、パイプ6と短管4,5とを直接接合す
ると大きな熱応力が発生する。そのため、パイプ6と短
管4,5の間に介在させる管9,10の熱膨張係数は、
セラミックとオーステナイト系ステンレスの熱膨張係数
の中間になるものを選定する。また、短管4,5と管
9,10との間の接合及び管9,10とパイプ6との間
の接合は、銀ろうやニッケルろうを用いた融着により行
う。
【0015】管10はストレートであるが、管9はコル
ゲート状に波うっており、軸方向に伸縮可能になってい
る。装置1で流体を加熱すると、熱膨張によって装置1
のみならずパイプラインも軸方向に延びる。そのため、
パイプラインにフランジ接合で装置1を組み込んだ場
合、装置1の最も弱い部分に予想外の熱応力を生じさせ
る恐れがあるため、装置1内に熱膨張の逃げのためのコ
ルゲート状の管9を設けた。このコルゲート状の管9に
よって、パイプラインや装置1の軸方向や軸心方向の製
作上の誤差の吸収も可能である。また、このコルゲート
状の管9は屈曲可能でもあるため、フランジ2,3間の
平行度のずれの吸収も可能である。
【0016】コイル7は出来るだけ銅損が少ないものが
用いられ、リッツ線を撚り合わせたもの、又は丸管、半
円管、楕円管などの銅管が用いられる。このコイル7に
接続される電力部11は例えば200V,50/60H
zの交流電源11aに接続されるものであり、AC/D
Cの整流部、非平滑フィルタ、高力率高周波インバータ
部とからなり、交流電源11aを正負対称な50/60
Hzの波形内で高周波で振らした交番電源11bに変換
する。制御部12は温度調整部と位相シフト制御部とか
らなり、位相シフト制御部は位相差を変えて電力部11
からの出力電圧を調整するためのものであり、温度調整
部は温度センサ13からの出力に応じて位相シフト制御
部の位相差を変えるようにしたものである。この電力部
11と制御部12によって、0〜100%の出力電圧
と、少なくとも15〜150KHzの範囲の高周波をコ
イル7に対して出力することができる。
【0017】発熱体8は電力が入りやすくなる程度の透
磁率を有し、流体14に対する熱交換がしやすく、流体
14に対する耐蝕性を兼ね備えたものが好ましい。この
ような材料としては、SUS447J1の如きマルテン
サイト系ステンレスが使用される。さらに、発熱体8の
詳細構造を図2により説明する。図2(a)は発熱体の
上面図、図2(b)は発熱体の斜視図である。
【0018】発熱体8は、平板状の第1シート材21と
波形状の第2シート材22を交互に積層し、側面の両端
には第1シート21が位置するようにし、全体として円
筒状に形成したものである。第2シート材22の波の山
(又は谷)23は中心軸24に対して角度αだけ傾くよ
うに配設され、第1シート材21を挟んで隣り合う第2
シート材22の波の山(又は谷)23は交差するように
配設されている。そして、隣り合う第2シート材22に
おける山(又は谷)23の交差点25において、第1シ
ート材21と第2シート材22はスポット溶接で溶着さ
れ、電気的に導通可能になっている。また、第2シート
材22の表面には、流体の乱流を生じさせるための孔2
6が設けられている。この孔26に代わるか又は加え
て、第1シート21及び/又は第2シート22に梨地加
工を施して表面をザラザラにすることも有効である。
【0019】要するに、中心軸24を通る直径方向Dに
対して、略平行に第1シート材21と第2シート材22
が配設され、電気的には直径Dと略平行な方向(周辺部
を横切る方向)に最も流れやすくなっている。すると、
電磁誘導において現れる表皮効果(発熱体の外周部分だ
けが加熱される状態)が破られ、発熱体の中央部が最も
加熱される。このように発熱体の中央部が加熱される形
式の発熱体としては、シート材の積層構造に限らず、小
径管の多数を集合させて形成した発熱体であってもよ
い。小径管の各々の表面が加熱され、全体として略均一
な加熱が可能な発熱体が得られる。
【0020】また、成形当初の発熱体8は、その外周面
とパイプ6の内周面との間に環状隙間Rsを形成するよ
うな直径Dとされて、パイプ6内にその軸心と発熱体8
の軸心を一致させるように遊嵌して、パイプ6内に挿入
されて保持部材30で保持されている。そして、発熱体
8の直径Dは、装置1で流体14を加熱した際、パイプ
6がその径方向に熱膨張する量と発熱体8がその径方向
に熱膨張する量との熱膨張差以上の環状隙間Rsを、発
熱体8とパイプ6間に有するように決定されている。ま
た、保持部材30は、流入側Aの短管5に溶接等で溶着
され径内方向に延びる金属製バー31と、この金属製バ
ー31の先端に発熱体8の軸心と一致するように固定さ
れ非磁性体の保持棒32とで構成されている。そして、
この保持棒32は、非磁性、耐熱性及び耐蝕性に優れた
セラミック等で製作されて流入側Aから流出側Bに向か
って延びており、その先端で発熱体8をコイル7に対す
る位置に位置決めして保持している。35はリング状ス
トッパであって、非磁性、耐熱性及び耐蝕性の優れたセ
ラミック等で製作されており、流体14の流出側Bから
パイプ6内に嵌合され、発熱体8との間に当該発熱体8
の軸方向の熱膨張の量と同一、又は多少少ない隙間Vs
を有して固定されている。また、リング状ストッパ35
は、流出側Bから環状隙間Rsを径方向に横切って発熱
体8上に位置しており、発熱体8の熱膨張でこの発熱体
8と係合して、環状隙間Rsを流出側Bから閉塞する。
【0021】そして、装置1の流入側Aから流出側Bに
流体14を流すと共に、コイル7による電磁誘導でパイ
プ6、発熱体8を介して流体14を加熱すると、パイプ
6及び発熱体8とにその径方向の熱膨張に差が生じる
が、パイプ6と発熱体8間にはその熱膨張差以上の環状
隙間Rsが形成されているので、この環状隙間Rsを狭
めつつ熱膨張差を吸収して、発熱体8がパイプ6に当接
して押すことによる応力の作用を防止され、また、発熱
体8はその軸方向にも熱膨張するが、この熱膨張はリン
グ状ストッパ35との間に形成された隙間Vsを熱膨張
することにより吸収される。
【0022】このとき、パイプライン104から装置1
の流入側Aに流入した流体14は、発熱体8内に流入し
て加熱されて流入側Bに流れると共に、流体14の一部
は、流入側Aから直接的に、又は発熱体8から環状隙間
Rsに流入して環状隙間Rsを通過して流入側Bに流れ
ようとするが、発熱体8が軸方向の熱膨張によりリング
状ストッパ35に係合することで環状隙間Rsの流出側
Bを閉塞して流体14が直接に流出側Bに流れることを
阻止するので、環状隙間Rs内には流入側Aからの流体
14の流れにより流出側Bに押すような圧力が発生し、
環状隙間Rs内に流れ込んだ流体14をこの圧力により
発熱体8内に流れ込ませることができる。
【0023】これにより、コイル7による電磁誘導で発
熱体8を加熱しても、発熱体8の熱膨張に起因するパイ
プ6の破損が防止できると共に、発熱体8の熱膨張を吸
収するための環状隙間Rsを形成したとしても、発熱体
8が熱膨張してリング状ストッパ35に係合することに
より環状隙間Rsを流出側Bから閉塞して、この環状隙
間Rsに流れ出す流体14を発熱体8内に流れ込ませる
ことができるので、流体14を発熱体8で均一に加熱す
ることが可能となる。
【0024】つぎに、具体的実施例により、コイル7と
発熱体8がフランジ2,3などに及ぼす影響を説明す
る。パイプ6にはセラミック(日本特殊陶業株式会社製
の商品名HA−92)を用い、管9,10にはFe−N
i−Co合金(住友特殊金属株式会社製の商品名コバー
ル)を用い、短管4,5にはSUS316を用いた。な
お、HA−92の熱膨張係数は4.4〜5.2×10-6
/Cであるのに対して、コバールの熱膨張係数は7.6
×10-6/Kであり、SUS316の熱膨張係数は17
×10-6/Cであるため、コバールの熱膨張係数はセラ
ミックとSUS316の略中間である。
【0025】また、発熱体8にはSUS447J1によ
る厚さ50ミクロンのシート材を使用し、直径10cm
×長さ19cmであって図2に示されるのと同様の形状
を有するものを使用した。なお、第2シート材22の波
の形状は山形であり、波の高さは3mmであり、中心軸
24に対する傾斜角度αは60°であった。なお、孔2
6は設けず、第1シート21及び第2シート22の表面
に梨地加工を施したものを用いた。
【0026】まず、フランジ2,3を付けない状態の装
置1にして、発熱体8に周波数40KHzの交番電源を
5kwだけ入れ、水を加熱しながら入力電力を測定し
た。つぎに、フランジ2,3を長めの短管4,5に嵌
め、フランジ2,3をパイプ6に近づけていった。そし
て、上記入力電力が変化するフランジ2,3の位置を求
めた。すると、図1のL3,L4が8cmまでは入力電
力に変化がなかったが、8cm未満になると入力電力が
変化した。パイプ7の内径Dの影響も調べたが、内径D
が10cmを越えても上記の8cmは変化しなかった。
しかし、内径Dが10cm未満になると、フランジの影
響がでるL3,L4は内径D×0.8であることが判っ
た。SUS316のフランジは非磁性であり、磁束の影
響を受けにくいが、重量があるため、上記の程度まで離
す必要がある。
【0027】同様にしてパイプ6の両端の管9、10に
対する磁束の影響を調べた。管9、10の素材であるF
e−Ni−Co合金は磁性体であるものの、重量が少な
いため、図1の内径Dの大小に係わらずL1,L2は5
cm以上離すと磁束の影響が現れないことが判った。
【0028】つぎに、本発明のパイプライン用電磁誘導
加熱装置の蒸留塔への適用例を図3で説明する。蒸留塔
101の下部には釜102があり、釜102に貯められ
た蒸留液103を抜き出して蒸気にして釜102の上方
に返すためのパイプライン104が設けられている。こ
のパイプライン104に上述した電磁誘導加熱装置1が
組み込まれる。そして、蒸留塔101の上端から抜き出
された蒸気はパイプライン105を経て凝縮器106で
濃縮液にされ受け器107に貯められる。
【0029】電磁誘導加熱装置1がパイプラインに組み
込まれ、蒸留液を発熱体に直接浸して加熱するため、立
ち上がり時間が早く、機器重量も軽くなる。例えば、1
4Kw級の加熱の場合、シーズヒータと熱媒油と熱交換
器の組み合わせによると、立ち上がり時間が1時間前後
であり、機器総重量が600Kgに達するが、電磁誘導
加熱装置1を用いると、約30〜40秒で立ち上がり、
機器総重量は20Kg程度になる。また、電磁誘導加熱
装置1はパイプライン組み込み用として、コイルの磁束
の影響を最小限にし、熱膨張による応力も軽減する構造
にしているため、長期間の使用に耐える実用性を兼ね備
えている。
【0030】
【発明の効果】本発明のパイプライン用電磁誘導加熱装
置は、コイルが巻かれた非磁性体のパイプの熱膨張によ
る応力がフランジとの取り付け部に及びにくくしている
ため、フランジ接合でパイプラインに簡単に組み込んで
も長期間の使用に耐えうる。また、コイルの磁束の影響
がパイプラインへの組み込み部分に及ばないようにして
いるため、フランジ接合でパイプラインに簡単に組み込
んでも長期間の使用に耐えうる。化学プラントなどのパ
イプラインに組み込んだ場合、ちょっとした故障でもプ
ラント全体を停止させなければならず、故障の影響は大
きいが、信頼性を向上させたパイプライン用電磁誘導加
熱装置にすることで、プラントの立ち上がり時間を早
め、省エネと機器のコストダウンを達成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパイプライン用電磁誘導加熱装置の要
部断面図である。
【図2】発熱体の構造図である。
【図3】本発明のパイプライン用電磁誘導加熱装置の蒸
留塔への適用図である。
【符号の説明】
1 電磁誘導加熱装置 2,3 フランジ 4,5 短管 6 パイプ 7 コイル 8 発熱体 9、10 管 13 温度センサ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パイプラインにフランジ接合によって組
    み込み可能な電磁誘導加熱装置であって、 金属製の一対のフランジと、前記フランジが取り付けら
    れた金属製の一対の短管と、前記一対の短管の間に接続
    されるセラミック製のパイプと、前記パイプに巻かれた
    コイルと、前記パイプ内に収納され前記コイルによる電
    磁誘導で加熱される発熱体とを備え、 前記パイプの両端と前記短管との間には、前記短管の熱
    膨張係数と前記パイプの熱膨張係数との中間の熱膨張係
    数を有する材質の管が介在していることを特徴とするパ
    イプライン用電磁誘導加熱装置。
  2. 【請求項2】 前記パイプの両端に介在する2つの前記
    管のうち、少なくとも一つの管は軸方向に伸縮可能に構
    成されている請求項1記載のパイプライン用電磁誘導加
    熱装置。
  3. 【請求項3】 パイプラインにフランジ接合によって組
    み込み可能な電磁誘導加熱装置であって、 金属製の一対のフランジと、前記フランジが取り付けら
    れた金属製の一対の短管と、前記一対の短管の間に接続
    される非磁性体のパイプと、前記パイプに巻かれたコイ
    ルと、前記パイプ内に収納され前記コイルによる電磁誘
    導で加熱される発熱体とを備え、 前記発熱体の端から前記パイプの端までの距離L1が5
    cm以上あって、前記発熱体の端から前記フランジ迄の
    距離L2が、前記パイプの内径Dが10cmまでは内径
    D×0.8倍以上あり、前記パイプの内径Dが10cm
    以上では8cm以上であることを特徴とするパイプライ
    ン用電磁誘導加熱装置。
  4. 【請求項4】 前記一対の短管の少なくとも一方に、セ
    ンサの取付部が設けられている請求項3記載のパイプラ
    イン用電磁誘導加熱装置。
JP15715595A 1995-05-30 1995-05-30 パイプライン用電磁誘導加熱装置 Pending JPH08326997A (ja)

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