JPH0832677B2 - (トランス)−4−フェニル−l−プロリン誘導体の製造法 - Google Patents

(トランス)−4−フェニル−l−プロリン誘導体の製造法

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JPH0832677B2
JPH0832677B2 JP63146690A JP14669088A JPH0832677B2 JP H0832677 B2 JPH0832677 B2 JP H0832677B2 JP 63146690 A JP63146690 A JP 63146690A JP 14669088 A JP14669088 A JP 14669088A JP H0832677 B2 JPH0832677 B2 JP H0832677B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はプロリン誘導体の製造法、更に詳しくはある
種のアンギオテンシン変換酵素阻害剤の製造における中
間体である(トランス)−4−フエニル−L−プロリン
誘導体の製造法に関する。
発明の構成と効果 本発明は、 〔式中、Rは窒素保護基(たとえばアセチル、ベンゾ
イル、p−アニソイル、p−ニトロベンゾイル、トリフ
ルオロアセチル、o−トルオイル、p−トルオイル、p
トシル、p−クロロベンゾイル、o−クロロベンゾイル
など)、 R1はH、アリールまたは低級アルキル、R2はHまたは
o−位置もしくはp−位置のF、ClまたはBrを表わす〕 で示される(トランス)−4−フエニル−L−プロリン
誘導体を製造するに当り、式: で示されるプロリン誘導体、または式: で示されるラクトン 〔式中、RおよびR1は前記と同意義。Xは脱離される
基(たとえばF、Cl、BrまたはIのようなハロゲン、メ
シレート、トシレートまたはトリフルレート(triflat
e))を表わす〕 と、ベンゼン、ハロ置換ベンゼン(たとえばF−、Cl−
またはBr−置換ベンゼン)のような芳香族求核試薬を、
ルイス酸の存在下に反応させ、必要に応じてこの反応混
合物からトランス−4−フエニル−L−プロリン誘導体
を回収する処理段階を包含する(トランス)−4−フエ
ニル−L−プロリン誘導体〔I〕またはその混合物の製
造法を提供することができる。しかしラクトン体〔II
I〕を使用する場合、ラクトン体〔III〕をベンゼンと反
応させるのが好ましい。
ラクトン反応試剤〔III〕を使用する場合、得られる
トランス−4−フエニル−L−プロリン誘導体は、式: で示される構造を有する。
ラクトン出発物質〔III〕から得られる反応生成物
は、トランス−4−フエニル−L−プロリン誘導体
〔I〕ならびにたとえば式: で示される副生物を包含する。
出発化合物としてプロリン誘導体〔II〕を使用する場
合(ここに式〔II〕中の脱離される基Xはメシレートま
たはFであつてよい)、得られる反応生成物はトランス
−4−フエニル−L−プロリン誘導体〔I〕ならびに副
生物〔V〕を包含する。加うるにプロリン誘導体〔II〕
中のXがClまたはトシレートである場合、同様に副生物
としてシス−4−フエニル−L−プロリンを得ることが
できる。
生成物〔IV〕と副生物〔V〕の混合物を、ジメチルホ
ルムアミドのような不活性有機溶媒の存在下、約0〜10
0℃好ましくは約50〜80℃の温度の下に炭酸水素ナトリ
ウムのような塩基で処理することにより、上記副生物
〔V〕を中性ラクトン〔III〕に変換することができ
る。
本発明の製造法の実施過程において、プロリン誘導体
〔II〕またはラクトン〔III〕と、その芳香族求核試薬
のモル比が約1:5〜1:100、好ましくは約1:10〜1:40であ
り、一方、ルイス酸と、出発物質〔II〕または〔III〕
のモル比が約2:1〜10:1、好ましくは約3.6:1〜4.0:1で
ある。この反応は、アルゴンまたは窒素のような不活性
雰囲気下、使用するプロリン誘導体〔II〕もしくはラク
トン〔III〕に依存して約5〜80℃好ましくは約7〜40
℃の範囲の比較的低い温度で行なわれる。
ラクトン出発物質〔III〕は、式: で示される(トランス)−4−ヒドロキシ−L−プロリ
ンを用いて製造することができる。すなわち、この化合
物〔A〕を式: RCl 〔B〕 〔式中、Rは窒素保護基(たとえばアセチル、ベンゾ
イル、p−アニソイル、p−ニトロベンゾイル、トリフ
ルオロアセチル、o−もしくはp−トルオイル、p−ト
シルまたはp−もしくはo−クロロベンゾイルのような
保護基)を表わす〕 で示される保護化合物で処理して式: で示される保護プロリン誘導体を得る。
この保護プロリン誘導体をメタノールの存在下、p−
TsOH(すなわちp−トルエンスルホン酸一水和物)で処
理し、次いでp−TsClおよびトリエチルアミンまたはピ
リジンのような塩基で処理して式: で示されるトシレート体を製し、これを水酸化ナトリウ
ムのような強塩基で処理して式: で示される酸を得る。
次いでこの酸〔E〕をメチルエチルケトンの存在下、
炭酸カリウムのような弱塩基で処理することにより、ラ
クトン出発物質〔III〕を得ることができる。
Xがメシルオキシであるプロリン誘導体出発物質〔I
I〕は次の方法で製造することができる。すなわち、ラ
クトン出発物質〔III〕を酸触媒の存在下、メタノール
で処理して式: で示されるヒドロキシエステル体を得る。このエステル
体〔F〕を塩化メタンスルホニルおよびトリエチルアミ
ンのような塩基で処理して式: で示されるメシルエステル体を製し、次いでこのエステ
ル体〔G〕をたとえば水酸化リチウムで処理することに
より、Xがメシルオキシであるプロリン誘導体〔II〕を
得ることができる。
XがFであるプロリン誘導体出発物質〔II〕は、式: で示されるプロリン誘導体を、ジクロロメタンのような
不活性有機溶媒の存在下、約−35〜25℃の温度の下、三
フッ化ジエチルアミノ硫黄:プロリン誘導体〔C′〕の
モル比が約3:1〜1:1となるように三フッ化ジエチルアミ
ノ硫黄で処理して式: で示されるフルオロ類似体を製し、この化合物を水酸化
リチウムで処理して鹸化反応に付すことにより、XがF
であるプロリン誘導体〔II〕を得ることができる。
本発明の製造法を実施するのに有用なラクトン出発化
合物〔III〕およびプロリン出発化合物〔III〕の例は、
以下記載の化合物を包含するが、これらの化合物に限定
されるものではない: 本発明のトランス−4−置換−4−フエニル−L−プ
ロリン誘導体〔I〕は、式: で示されるホシノプリル(fosinopril)を包含する米国
特許第4,337,201号(発明者ペトリロ(Petrillo))に
開示されたようなアンギオテンシン変換酵素阻害剤を製
造するのに使用することができる。
上記特許明細書に用いられる用語の定義を以下に列挙
する。これらの基名を表わす用語の定義は、個々の基ま
たはより大なる基の一部のいずれであつても、(特定の
場合にその基を限定しない限り)本明細書を通じて使用
される用語に適用することができる。
アルキルおよびアルコキシは、直鎖および分枝状基の
双方を意味する。これらの基は炭素数1〜10の基が好ま
しい。
シクロアルキルおよびシクロアルケニルは炭素数3〜
7の基を意味する。
アリールはフエニルまたは置換フエニル(置換基はハ
ロゲン、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、ヒドロ
キシ、アルカノイル、ニトロ、アミノ、ジアルキルアミ
ノまたはトリフルオロメチルである)を意味する。
アルカノイルは炭素数2〜9の基を意味する。
ハロゲンはフッ素、塩素、臭素およびヨウ素を意味す
る。
次に列挙する実施例は本発明の好ましい実施態様を説
明するものである。特に示さない限り温度はすべて℃で
表わす。
実施例1 (トランス)−1−ベンゾイル−4−フエニル−L−プ
ロリンの製造 A.1−ベンゾイル−アロ−ヒドロキシ−L−プロリンラ
クトンの製造 A(1).(トランス)−1−ベンゾイル−4−ヒドロ
キシ−L−プロリンの製造 有効なシャフト撹拌機、pH電極および1滴加ロート
を備えた12lビーカーを氷浴上に取り付ける。このビー
カーに水4lを入れ、トランス−4−ヒドロキシ−L−プ
ロリン1.31kg(10.0モル)を加えて撹拌しながら溶解す
る。滴加ロートに10N水酸化ナトリウム水溶液を入れ
る。少量の水酸化ナトリウム溶液(約25ml)で混合物の
pHを8.0に上昇させる。次いで塩化ベンゾイル300mlを加
え、撹拌速度を早めて混合物中の有効な分散状態を確保
する。pH8を保持するのに必要な水酸化ナトリウム溶液
を加え、混合物を約25℃に保持するのに有効な冷却を行
なう。塩化ベンゾイルの大部分が消費されたらすぐ更に
塩化ベンゾイル300mlを加えてベンゾイル化を続ける。
更に塩化ベンゾイル(300ml×2回)を加える。pH8でベ
ンゾイル化を完結し、混合物を約20℃に冷やしながら更
に半時間撹拌する。
4l分液ロートに酢酸イソブチル1を入れ、これに上
記反応混合物の一部を加えて均質にする。低層を沈殿さ
せ、ポリツシユフイルターに通して流出させる。全量が
抽出されるまで分液ロートに更に多くの反応混合物を加
える。酢酸イソブチル(IBA)抽出物を捨てる。液を1
2lビーカーに返し、滴下ロートに濃塩酸を入れる。有効
に撹拌しながらpH4に達するまで酸約0.25lを加える。種
生成物を加え、薄い結晶性のスラリーが生成するまで撹
拌を続ける。pHは幾らも上昇しない。混合物がpH2.0で
安定するまで酸滴加を続ける。酸の全消費量は約0.85l
である。
結晶性スラリーを約15℃に冷やし、更に半時間撹拌す
る。
ブツフナーフイルター上、母液の大部分を吸引除去し
て砂粒状結晶を集める。次いで液の塩素イオンが無く
なるまで結晶を冷水で洗う。液体が存在しなくなるまで
吸引を続ける。不変的重量になるまで生成物を乾燥す
る。
A(2).(トランス)−1−ベンゾイル−4−ヒドロ
キシ−L−プロリン・メチルエステルの製造 磁気攪拌機を取付け、還流冷却器を備えた5lフラスコ
を油浴上に設定し、メタノール3.0lと(トランス)−1
−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−L−プロリン750g(3.
2モル)を入れる。これにp−トルエンスルホン酸一水
和物19g(0.1モル)を加える。混合物を加熱還流し、エ
ステル化をTLCに従って確認する。出発物質が検出され
なくなるまで還流を続ける。酢酸ナトリウム8g(0.1モ
ル)を加えて酸触媒を中和する。蒸留のための冷却器を
取付け、ボツト温度が80℃に達するまで混合物を大気圧
で濃縮する。蒸留物を捨てる。清澄な残留物をすみやか
に温水2lで希釈する。フラスコ内容物を早く混和するた
め渦巻き撹拌してエステル体を結晶化する。このスラリ
ーを随時渦巻き撹拌しながら室温に冷やし、更に少なく
とも1時間室温に保持する。結晶をフイルター上に集
め、透過を助けるため液を再循環させる。過固体を
圧縮、分離し、冷水1で洗う。この固体を吸引して出
来るだけ乾燥し、実験室流体床乾燥器上、生成物を不変
重量になるまで乾燥する。最初の混合物から得られた
液を合して減圧下、少容量に濃縮し、得られたスラリー
を室温に冷やす。この第二の結晶生成物を集して最少
量の冷水で洗う。固体を圧縮、分離し、液体がなくなる
まで吸引する。第二の生成物を不変重量になるまで乾燥
する。
A(3).(トランス)−1−ベンゾイル−4−トシル
オキシ−L−プロリン・メチルエステルの製造 5lフラスコにp−トルエンスルホニルクロリド(工業
用)540g(2.84モル)を入れる。無水ピリジン1.5lを加
え、フラスコを渦巻撹拌して溶解する。(トランス)−
1−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−L−プロリン・メチ
ルエステル600g(2.40モル)を徐々に加え、渦巻撹拌し
て溶解する。清澄な溶液を室温に保持し、TLCで変換反
応の進行を監視する。出発物質が完全に消費された後、
反応混合物を有効な攪拌機付き12lビーカーに移す。氷
水0.8lと若干量の種トシレート体を加える。約10分で結
晶の濃密なスラリーが形成される。強く撹拌しながら更
に氷水混合物7lを1時間に渡つて加える。フイルター
上、結晶を集め、固体を圧縮、分離し、溶出液にクロリ
ドイオンが無くなるまで冷水で洗い、液体が認められな
くなるまで固体を吸引処理する。液を捨てて不変重量
となるまで生成物を乾燥する。
A(4).(トランス)−1−ベンゾイル−4−ヒドロ
キシプロリン・トシレートの製造 水酸化ナトリウム81.6g(4.15モル)水溶液6lとメタ
ノール1.6lの混合物に、前記A(3)項のトシレート体
806.9g(2モル)を、25〜30℃に保持しながら加える。
混合物のpHを11.0〜11.5に保持しながら24時間撹拌す
る。反応混合物を過して清澄にし、水性37%塩酸(約
175ml)を加えてpH2.0に調節し、20℃で1時間撹拌を続
ける。生成物を集し、この固体を、Cl-試験がほぼ陰
性となるまで水洗する。湿潤重量:2400g。K.F.により5
%以下の水分含量になるように生成物を40℃で乾燥す
る。
収量:762.6g=97.9%(現物として) =93.4%(水分補正) A(5).1−ベンゾイル−アロ−ヒドロキシ−L−プロ
リンラクトンの製造 50l反応容器に、メチルエチルケトン15l、次いでA
(4)項のトシレート体731.6gを入れる。よく撹拌しな
がら炭酸カリウム573.2gを加える。混合物を加熱還流
し、反応過程におけるTLCによる制御が反応終結を示す
まで還流を続ける。反応混合物を15〜20℃に冷やし、不
溶性炭酸カリウムを集してメチルエチルケトン15lで
洗う。生成物に富む液を減圧下、約1200〜1300gに濃
縮する。n−ヘキサン2.3lを1時間内に加え、混合物を
20℃で1時間撹拌する。沈殿した標記ラクトン体を集
し、n−ヘキサン700mlで洗う。湿潤重量:532g。この物
質を減圧下、不変重量332.7g(79.4%)になるまで乾燥
する。
B.(シス)−1−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−L−プ
ロリン・メチルエステルの製造 メタノール2l中、前記A項のラクトン体100g(460.8
ミリモル)の懸濁液を、p−トルエンスルホン酸一水和
物1.28gで処理する。混合物をアルゴン雰囲気下、室温
で2日間撹拌する。この溶液からメタノールを減圧下に
除く。残留物を酢酸エチル1.4lに吸収させ、飽和炭酸水
素ナトリウム溶液(300ml×3回)、水100mlおよび食塩
水100mlで洗い、硫酸マグネシウムで乾燥、過して減
圧下に濃縮する。得られた白色固体を酢酸エチル100ml
から再結晶し、過して冷酢酸エチルで洗い、減圧下に
乾燥して標記化合物81.25g(71%)を得る。
融点102.5〜104℃ 元素分析、C13H15NO4として、 計算値:C,62.64;H,6.07;N,5.62、実測値C,62.87;H,6.0
3;N,5.57。
C.(シス)−1−ベンゾイル−4−〔(4−メチルスル
ホニル)オキシ〕−L−プロリンの製造 前記B項のプロリン誘導体80g(321.3ミリモル)のジ
クロロメタン1.6l溶液を、トリエチルアミン67.17ml(4
82ミリモル)で処理する。この溶液をアセトン−ドライ
アイス浴上、−15℃に冷却し、添加ロートによりメタン
スルホニルクロリド28.3ml(353ミリモル)を加える。
反応は非常に発熱する反応であつて、その温度を−5℃
に保持するよう注意しなければならない。−5〜−10℃
で30分間撹拌後、TLC(塩化メチレン:酢酸(9:1))に
より反応が完結したことを認めた。ジクロロメタンを減
圧下に除く。残留物を酢酸エチル1.5lに吸収させ、水
(400ml×2回、1N塩酸(400ml×2回)、飽和炭酸水素
ナトリウム溶液400ml、食塩水400mlで洗い、硫酸マグネ
シウムで乾燥、過し、減圧下に濃縮して粘稠な油状物
を得る。油状物をTHF(新しいビンから使用)1およ
び水200mlで処理する。水酸化リチウム一水和物28.31g
(674.7ミリモル)を加え、混合物を1時間撹拌する。T
HFを減圧下に除き、濃塩酸でpH1に調節する。水性混合
物を酢酸エチルで(400ml×2回)で抽出し、抽出物を
水250ml、次いで食塩水で洗う。この時点で抽出物が結
晶化し始まるのでエルレンマイヤーフラスコに移し、酢
酸エチル250mlを留去後、再結晶する。結晶を集し、
冷酢酸エチルおよびヘキサンで洗い、減圧下に乾燥し、
白色柱状晶として標記化合物69.18g(69%)を得る。
融点172〜173℃(分解)。
元素分析、C13H15NO6S・0.005H2Oとして、 計算値:C,49.69;H,4.84;N.4.46、実測値:C,49.48;H,4.7
9;N,4.42。
D.(トランス)−1−ベンゾイル−4−フエニル−L−
プロリンの製造 乾燥した三頸21モルトンフラスコ(上部攪拌機、窒素
流入口および温度探針を備える)に無水塩化アルミニウ
ム124.23g(0.93モル)、次いでチオフエンを含まない
ベンゼン810mlを入れる。撹拌しながらフラスコの内部
温度を6℃に冷やす(ドライアイス−アセトン)。前記
C項の化合物(粉末)81g(0.26モル)を少量づつ添加
する。この固体のほぼ半量を加えた後、注意していると
内部温度が7℃に上昇する。添加をしばらく中断して内
部温度が6℃になつたら添加を続ける。得られた異成分
混合物を7〜8℃で4時間、8〜10℃で1.5時間強く撹
拌する。この間、反応混合物はほとんどすべて均質とな
り、TLCによりC項の化合物は標記化合物と(トラン
ス)−1−ベンゾイル−4−クロロ−L−プロリンの混
合物に変換していることが認められた。反応混合物を7
℃に冷やし、内部温度が30℃以上に上昇しないように3N
塩酸990mlをゆつくり添加することにより加水分解す
る。加水分解した混合物を食塩水180mlで処理し、標記
化合物の種結晶を加え、室温で45分間撹拌し、一夜室温
に保持する。混合物を粗粒フリツトに通して過し、1N
塩酸390mlを用いて反応容器内に残留する固体をロート
に移す。粗生成物を水洗(500ml×4回)する。最後の
液はクロリド(エタノール性硝酸銀)に関して弱い陽
性の試験結果を与える。フイルター上、約20分間乾燥
後、生成物122g(159モル%)を得る。減圧下に乾燥し
て生成物98gを得る。この粗生成物を酢酸n−ブチル240
mlに懸濁し、加熱沸騰させる。生成物が溶解したとき、
明らかな第二の低層(恐らく残留水)が見られる。この
層が消失するまで沸騰を続ける。硫酸ナトリウムを加
え、更に5分間沸騰を続け、混合物をセライト(予め酢
酸n−ブチルで洗う)に通して過する。セライトを熱
酢酸n−ブチルで(約50ml×2回)洗う。液容量を24
0mlに減じて冷やし、標記化合物の種結晶を加え、雰囲
気温度でおだやかに一夜撹拌する。結晶を取して酢酸
n−ブチルで(50ml×1回)、ヘキサンで(50ml×1
回)洗う。生成物を高度減圧下、不変重量57.37g(75.1
モル%(出発物質および生成物HIに関して修正))まで
乾燥する。HPLC・HI(λ218)99.03。融点137〜138.5
℃。
〔α〕D=−62.3°(濃度c=1.0、メタノール中)。
元素分析、C18H17NO3として、 計算値:C,73.20;H,5.80;N,4.74、実測値:C,73.10;N,5.8
1;N,4.72。
実施例1A (トランス)−1−ベンゾイル−4−フエニル−L−プ
ロリンの製造 ベンゼン150ml中、三塩化アルミニウム7.456g(55.91
ミリモル)の懸濁液をアルゴン雰囲気下に撹拌し、粉末
状(シス)−1−ベンゾイル−4−メシルオキシ−L−
プロリン5g(15.93ミリモル)で処理する。混合物を室
温で7時間撹拌し、冷やして1N塩酸55mlでゆつくり処理
する。15分間撹拌後、混合物を分液ロートに移し、更に
1N塩酸55ml、次いで濃塩酸20mlおよび酢酸エチル250ml
で処理する。各層を分離し、水層を更に酢酸エチルで
(100ml×2回)洗う。有機抽出物を合して水および食
塩水で洗い、乾燥する。これを過して減圧下に濃縮
し、得られた白色泡状物4.74gを酢酸n−ブチルから再
結晶する(種結晶を加え、超音波処理して結晶化を開始
させる)。生成物を取し、酢酸n−ブチルおよびヘキ
サンで洗い、減圧下に乾燥して(トランス)−1−ベン
ゾイル−4−フエニル−L−プロリン2.168gを得る。
母液を蒸発させ、DMF50mlおよび炭酸水素カリウム868
mgで処理する。この溶液をアルゴン雰囲気下、60〜65℃
で5時間撹拌し、更に炭酸水素カリウム100mgで処理し
て2時間撹拌する。減圧下、35℃でDMFのほとんどを除
き、残留物を酢酸エチルと水の間に分配する。酢酸エチ
ル層(A)を炭酸水素カリウム溶液で2回洗う。水性抽
出物を合して塩酸でpH1.5に調節し、酢酸エチルで抽出
し、1N塩酸、水、食塩水で洗い、乾燥する。これを過
して減圧下に濃縮し、(トランス)−1−ベンゾイル−
4−フエニル−L−プロリン1.683g(残留溶媒に関して
修正)を得る。実験的全収量2.168g+1.683g(81%)。
前記の酢酸エチル層を食塩水で洗い、乾燥、過し、
減圧下に濃縮して1−ベンゾイル−アロ−ヒドロキシ−
L−プロリンラクトン312mgを得る。
実施例2 (トランス)−1−ベンゾイル−4−フエニル−L−プ
ロリンの製造 ベンゼン5ml中、三塩化アルミニウム736mg(4.8ミリ
モル)の懸濁液を、N−ベンゾイル−アロ−ヒドロキシ
−L−プロリンラクトン(実施例1A項記載のように製せ
られる)217mg(1ミリモル)で処理し、アルゴン雰囲
気下、45℃で2時間撹拌する。加温源を取除いた後、混
合物を一夜放置する。混合物を冷水性塩酸に注ぐことに
より加水分解し、酢酸エチルで抽出する。有機層を水お
よび食塩水で洗い、乾燥、過し、減圧下に濃縮する。
残留物をシリカゲル上、4%酢酸−ジクロロメタンでク
ロマトグラフイーに付し、次の生成物を得る: (a).(トランス)−1−ベンゾイル−4、フエニル
−L−プロリン119mg(40%)、 (b).(トランス)−1−ベンゾイル−4−クロロ−
L−プロリン70mg(28%)、 (c).(シス)−1−ベンゾイル−4−クロロ−L−
プロリン:TLCにより上記(b)との数種混合分画1中に
存在。
実施例3 (トランス)−1−ベンゾイル−4−フエニル−L−プ
ロリンの製造 A.(シス)−1−ベンゾイル−4−フルオロ−L−プロ
リン・メチルエステルの製造 前記実施例1A(2)項のように製せられた(トラン
ス)−1−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−L−プロリン
・メチルエステル6g(24.1ミリモル)の溶液をジクロロ
メタンに溶解し、アルゴン雰囲気下、−45℃に冷却す
る。この溶液に三フッ化ジエチルアミノ硫黄5.2ml(42
ミリモル)を滴加する。この溶液を撹拌して−35℃に温
める。溶液にピリジン9ml(116ミリモル)を滴加する。
この混合物を室温に温めて一夜撹拌する。減圧下に溶媒
を除き、油状残留物を酢酸エチルおよび1N塩酸で処理す
る。混合物を分液ロートに移し、水層を除いて有機層を
更に1N塩酸、次いで水および飽和炭酸水素ナトリウム溶
液で洗う。有機溶液を硫酸ナトリウムで乾燥し、過
し、濃縮して黄色油状物を得る。シリカゲル上、粗生成
物をクロマトグラフイーに付し、溶離剤として酢酸エチ
ル:ヘキサン(1:1)を使用する。生成物を含む分画を
合して濃縮し、油状物として標記化合物3.9g(64%)を
得る。
B.(シス)−1−ベンゾイル−4−フルオロ−L−プロ
リンの製造 テトラヒドロフラン−水(37ml−7ml)中、前記A項
の(シス)−1−ベンゾイル−4−フルオロ−L−プロ
リン・メチルエステル3.7g(14.74ミリモル)の溶液
に、水酸化リチウム1N水溶液31mlを加える。混合物を室
温で2時間撹拌する。テトラヒドロフランを蒸発させ、
残留水溶液をpH8に調節し、酢酸エチルで抽出する。有
機抽出物を捨てる。水層を濃塩酸でpH2に調節し、ジク
ロロメタンで抽出する。この有機抽出物を食塩水で洗
い、乾燥(硫酸ナトリウム)する。有機溶液を過し、
濃縮して固体2.9gを得る。
この粗生成物を沸騰酢酸エチル約100mlに溶解するこ
とにより再結晶する。容量を約75mlに減じ、室温で一夜
結晶化させる。生成物を取し、酢酸エチルおよびヘキ
サンで洗い、減圧下に乾燥して2.32g(66%)を得る。
融点195〜197℃。
元素分析、C12H12NO3Fとして、 計算値:C,60.76;H,5.10;N,5.91;F,8.01、 実測値:C,60.62;H,5.09;N,5.88;F,8.23。
C.(トランス)−1−ベンゾイル−4−フエニル−L−
プロリンの製造 ベンゼン5ml中、三塩化アルミニウム191mg(1.43ミリ
モル)の懸濁液をアルゴン雰囲気下に撹拌し、前記B項
の(シス)−N−ベンゾイル−4−フルオロ−L−プロ
リン100mg(0.42ミリモル)で処理する。混合物を室温
で20時間撹拌し、0℃に冷やして1N塩酸で加水分解す
る。各層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出する。有機
抽出物を合して食塩水で洗い、乾燥、濃縮する。この残
留物は(a)(トランス)−1−ベンゾイル−4−フエ
ニル−L−プロリン(70%)、(b)(トランス)−1
−ベンゾイル−4−クロロ−L−プロリン(30%)から
成る。この比はλ260における分光微測光光度法(spect
roden−sitometry)により測定した。
実施例4 (トランス)−1−o−クロロベンゾイル−4−フエニ
ル−L−プロリンの製造 A.(シス)−1−o−クロロベンゾイル−4−フルオロ
−L−プロリンの製造 (シス)−4−フルオロ−L−プロリン臭化水素酸塩
(Biochemistry4(11)巻2507頁(1965年))250mg(1.
17ミリモル)の水(4ml)溶液を調製する。これを炭酸
カリウム水溶液でpH7.8に調節する。pH7.5〜8.0に保持
し、o−クロロベンゾイルクロリド155μl(1.23ミリ
モル)を三回に分けて添加する。pH安定後、混合物を分
液ロートに移し、酢酸エチルで数回洗う。水層を濃塩酸
でpH2に調節し、塩化ナトリウムで飽和させ、酢酸エチ
ルで抽出する。有機抽出物を食塩水で洗い、乾燥(硫酸
ナトリウム)、過し、濃縮して固体を得る。粗生成物
を酢酸エチルから再結晶し、過して冷酢酸エチルおよ
びヘキサンで洗い、減圧下に乾燥して204mg(64%)を
得る。融点158〜160℃。
元素分析、C12H11ClFNO3として、 計算値:C,53.05;H,5.16;N,5.16;Cl,13.05;F,6.99、 実測値:C,53.25;H,4.12;N,5.17;Cl,12.86;F,7.35。
B.(トランス)−1−o−クロロベンゾイル−4−フエ
ニル−L−プロリンの製造 ベンゼン3.7ml中、三塩化アルミニウム100mg(0.75ミ
リモル)の懸濁液をアルゴン雰囲気下に撹拌し、(シ
ス)−1−o−クロロベンゾイル−4−フルオロ−L−
プロリン60mg(0.22ミリモル)で処理する。一夜撹拌
後、反応混合物を冷やし、1N塩酸で反応を停止させ、酢
酸エチルで抽出する。有機抽出物を合して食塩水で洗
い、乾燥して減圧下に濃縮する。残留物は (a)トランス−1−o−クロロベンゾイル−4−フエ
ニル−L−プロリン(収率:83%(λ260)、85%(NM
R)、 (b)トランス−1−o−クロロベンゾイル−4−クロ
ロ−L−プロリン(収率:17%(λ260)、15%(NMR) から成る。
この実施例の生成物の立体化学的配置は実施例3の結
果に基づき、トランス配置であると推定される。
実施例5 (トランス)−1−ベンゾイル−4−フエニル−L−プ
ロリンの製造 A.(シス)−1−ベンゾイル−4−クロロ−L−プロリ
ンの製造 ベンゼン25ml、四塩化炭素2.19ml(22.67ミリモル)
およびトリフエニルホスフイン5.95g(22.67ミリモル)
の溶液を撹拌しながらこれに、(トランス)−N−ベン
ゾイル−4−ヒドロキシ−L−プロリン・メチルエステ
ル(実施例1A(2)記載のように製する)4.0g(16.19
ミリモル)を、数回分に分けて室温で手際よく加える。
アセトニトリル15mlを加えて混合物を16時間撹拌する。
減圧下に溶媒を除き、残留物をTHF50mlおよび1N水酸化
ナトリウム溶液32.4mlで処理する。混合物を室温で4時
間撹拌する。減圧下に有機溶媒を除き、水溶液を酢酸エ
チルで抽出する。冷水溶液を濃塩酸でpH2に調節し、酢
酸エチルで抽出する。有機抽出物を合して食塩水で洗
い、乾燥し、減圧下に濃縮して白色固体を得る。この固
体を酢酸エチルから再結晶して(シス)−1−ベンゾイ
ル−4−クロロ−L−プロリン2.5g(61%)を得る。融
点167.5℃。
元素分析、C21H12NO3Clとして、 計算値:C,56.81;H,4.77;N,5.52;Cl,13.97、 実測値:C,56.97;H,4.82;N,5.57;Cl,13.70。
B.(トランス)−1−ベンゾイル−4−フエニル−L−
プロリンの製造 ベンゼン5ml中、三塩化アルミニウム452mg(3.4ミリ
モル)の懸濁液を、アルゴン雰囲気下で撹拌し、(シ
ス)−1−ベンゾイル−4−クロロ−L−プロリン253m
g(1ミリモル)で処理する。混合物を一夜撹拌、還流
し、冷やして1N塩酸で加水分解する。混合物を酢酸エチ
ルで抽出する。有機抽出物を水洗し、乾燥して減圧下に
濃縮する。過して更に減圧下に濃縮し、 (a)(トランス)−1−ベンゾイル−4−フエニル−
L−プロリン(75%)、 (b)(シス)−1−ベンゾイル−4−フエニル−L−
プロリン(16.5%)、 (c)(シス)−1−ベンゾイル−4−クロロ−L−プ
ロリン(2%)、 (d)(トランス)−1−ベンゾイル−4−クロロ−L
−プロリン(6.4%)、 から成る混合物を得る。
この収率はλ260における分光微測光光度法により測
定した。
実施例6 (トランス)−1−ベンゾイル−4−フエニル−L−プ
ロリンの製造 A.(シス)−1−ベンゾイル−4−トシルオキシ−L−
プロリン・メチルエステルの製造 (シス)、1−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−L−プ
ロリン・メチルエステル1.9g(7.63ミリモル)のピリジ
ン6ml溶液を、アルゴン雰囲気下に撹拌し、p−トルエ
ンスルホニルクロリド1.75g(9.16ミリモル)で処理す
る。混合物を一夜撹拌し、更にp−トルエンスルホニル
クロリド0.145g(0.76ミリモル)で処理して24時間撹拌
する。これに氷水、次いで酢酸エチルを加える。有機層
を1N塩酸および食塩水で洗い、乾燥する。これを過
し、減圧下に濃縮し、泡状物として得られた標記化合物
を精製することなく次の反応段階で使用する。
B.(シス)−1−ベンゾイル−4−トシルオキシ−L−
プロリンの製造 (シス)−1−ベンゾイル−4−トシルオキシ−L−
プロリン・メチルエステル(前段階の生成物)のTHF−
水(25ml−5ml)溶液を、アルゴン雰囲気下に撹拌し、
水酸化リチウム一水和物672mg(16ミリモル)で処理す
る。混合物を3時間撹拌して減圧下に濃縮し、塩酸でpH
1.5に調節し、酢酸エチルで抽出する。有機抽出物を乾
燥して過し、減圧下に濃縮して得られた白色固体を酢
酸エチルから2回再結晶して標記化合物を得る。
C.(トランス)−1−ベンゾイル−4−フエニル−L−
プロリンの製造 乾燥フラスコに三塩化アルミニウム58mg(0.435ミリ
モル)とベンゼン3mlを入れ、アルゴン雰囲気下で撹拌
しながら(シス)−1−ベンゾイル−4−トシルオキシ
−L−プロリン50mg(0.128ミリモル)を加える。更に
一夜撹拌後、混合物を0℃に冷やし、1N塩酸を加えて反
応を停止させる。得られた混合物を酢酸エチルで抽出
し、有機抽出物を食塩水で洗つて乾燥し、減圧下に濃縮
する。残留物(下記括弧内収率%はλ260における微測
光光度法による)は、 (a)(トランス)−1−ベンゾイル−4−フエニル−
L−プロリン(66%)、 (b)(トランス)−1−ベンゾイル−4−クロロ−L
−プロリン(17%)、 (c)(シス)−1−ベンゾイル−4−フエニル−L−
プロリンまたは(d)(シス)−1−ベンゾイル−4−
トシルオキシ−L−プロリン、もしくはTLCにより分離
されない(c)と(d)の混合物(17%)、 から成る。
実施例7 (トランス)−1−ベンゾイル−4−フエニル−L−プ
ロリンの製造 1,2−ジクロロベンゼン3ml中、粉状(シス)−1−ベ
ンゾイル−4−メシルオキシ−L−プロリン250mg(0.8
ミリモル)の懸濁液を、アルゴン雰囲気下に撹拌し、フ
エニルトリメチルシラン1ml(5.8ミリモル)、次いで三
塩化アルミニウム383mg(2.87ミリモル)で処理する。
混合物を一夜撹拌し、その一部分を別にして残部に1N塩
酸を加えて反応を停止させ、酢酸エチルで抽出する。有
機層をTLCで分析した結果、 (a)(トランス)−ベンゾイル−4−フエニル−L−
プロリン(41%)、 (b)(トランス)−ベンゾイル−4−クロロ−L−プ
ロリン(59%) の存在(上記収率はλ260における微測光光度法によ
る)が認められた。
実施例8 (シス)−1−ベンゾイル−4−クロロフエニル−L−
プロリンの製造 クロロベンゼン10ml中、三塩化アルミニウム364mg(2.7
2ミリモル)の懸濁液をアルゴン雰囲気下、0℃で撹拌
し、粉状(シス)−1−ベンゾイル−4−メシルオキシ
−L−プロリンで処理する。混合物を0℃で3時間、室
温で一夜撹拌する。0℃で1N塩酸を加えることにより反
応を停止させる。混合物を酢酸エチルで希釈する。有機
層を炭酸水素ナトリウム溶液で洗う。水層を塩酸でpH2
に調節し、酢酸エチルで抽出する。有機抽出物を食塩水
で洗い、乾燥、過し、減圧下に濃縮する。生成物を質
量スペクトル分析し、 (a)(トランス)−1−ベンゾイル−4−クロロフエ
ニル−L−プロリンおよび (b)(トランス)−1−ベンゾイル−4−クロロ−L
−プロリン の存在が認められた。HCプレートの分光微測光光度法
(λ260)により比、(a):(b)=32:68の結果を得
た。
実施例9 (シス)−1−ベンゾイル−4−メシルオキシ−L−プ
ロリンの製造の別法 ジクロロメタン3.3l中、(シス)−1−ベンゾイル−
4−ヒドロキシ−L−プロリン・メチルエステル169.2g
(0.679モル)とトリエチルアミン104.2ml(0.747モ
ル)の溶液を、窒素雰囲気下、−10℃に冷却し、メタン
スルホニルクロリド59.85ml(0.74モル)を滴加処理す
る。混合物を−5〜−10℃で更に30分間撹拌し、減圧下
に揮発分を除く。残留物を酢酸エチルで処理し、水、1N
塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム溶液および食塩水で洗
う。有機溶液を乾燥、過し、減圧下に濃縮する。残留
物をTHF2.1に溶解し、3.36N水酸化リチウム溶液423ml
で処理し、室温で1時間撹拌する。減圧下にTHFを除
き、水溶液をpH4に調節する。生成した固体を取し、
氷水で洗い、95%エタノール−酢酸エチルから再結晶し
て標記化合物130gを得る。
実施例10〜20 前記実施例3で使用した(シス)−1−ベンゾイル−
4−フルオロ−L−プロリンの代わりに次に示すI欄の
(シス)−1−R−4−フルオロ−L−プロリン〔Ix〕
を用い、実施例3と同様の方法に従つて処理し、それぞ
れ次に示す生成物〔IIx〕および〔IIIx〕を得た(置換
基Rおよび生成物収率を次頁表に示す)。
※印:エントリー(entry)14に関し、真試料と比較
してトランス立体化学を確定した。
実施例12〜13および16〜20において、質量スペクトル
分析により〔IIx〕および〔IIIx〕の存在を確定した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 リチャード・エル・ミューラー アメリカ合衆国ニュージャージー、ローレ ンスビル、ピン・オーク・ドライブ 7番 (56)参考文献 特開 昭60−87261(JP,A) Tetrahedvon Lett., 27(2),151−4(1986)

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式: で示されるプロリン誘導体または 式: で示されるプロリンラクトン 〔式中、Rは窒素保護基;R1はH、アリールまたは低級
    アルキル;Xは脱離される基を表わす〕 と芳香族求核試薬を、触媒としてのルイス酸の存在下に
    反応させて、 式: で示される(トランス)−4−フエニル−−L−プロリ
    ン誘導体 〔式中、RおよびR1は前記と同意義。R2はHまたはハロ
    (但しラクトン出発物質を使用するとき、R1はHであ
    る)を表わす〕 を含む反応生成物を得ることを特徴とする(トランス)
    −4−フエニル−L−プロリン誘導体の製造法。
  2. 【請求項2】反応混合物から(トランス)−4−フエニ
    ル−L−プロリン誘導体を回収する工程を包含する請求
    項1記載の製造法。
  3. 【請求項3】芳香族求核試薬がベンゼン、ハロ置換ベン
    ゼンまたはフエニルトリメチルシランである請求項1記
    載の製造法。
  4. 【請求項4】芳香族求核試薬がベンゼンまたはフエニル
    トリメチルシランである請求項1記載の製造法。
  5. 【請求項5】反応試剤として用いるプロリン誘導体と芳
    香族求核試薬のモル比が約1.5〜:1〜1:100である請求項
    1記載の製造法。
  6. 【請求項6】ルイス酸が塩化アルミニウムである請求項
    1記載の製造法。
  7. 【請求項7】窒素保護基がベンゾイル、メシル、p−ア
    ニソイル、p−ニトロベンゾイル、アセチル、トリフル
    オロアセチル、o−トルオイル、p−トルオイル、p−
    トシル、p−クロロベンゾイルまたはo−クロロベンゾ
    イルである請求項1記載の製造法。
  8. 【請求項8】用いるルイス酸とプロリン誘導体またはラ
    クトン反応試剤のモル比が約2:1〜10:1である請求項1
    記載の製造法。
  9. 【請求項9】脱離される基Xがハロゲン、メシレート、
    トシレートまたはトリフレートである請求項1記載の製
    造法。
  10. 【請求項10】式: で示されるプロリンラクトンとベンゼンを反応させる請
    求項1記載の製造法。
  11. 【請求項11】Rがベンゾイルである請求項10記載の製
    造法。
  12. 【請求項12】式: で示されるプロリン誘導体とベンゼンを反応させる請求
    項1記載の製造法。
  13. 【請求項13】Rがベンゾイルまたは2−クロロベンゾ
    イルである請求項12記載の製造法。
  14. 【請求項14】XがFまたはCH3SO2O−、R1がHである
    請求項12記載の製造法。
  15. 【請求項15】出発物質としてプロリンラクトンを使用
    する場合、反応生成物は、 式: で示される化合物を包含し、また反応生成物は式: で示される化合物をも包含する請求項1記載の製造法。
  16. 【請求項16】請求項12の出発物質のXがFまたはメシ
    ルオキシである場合、反応生成物は 式: で示される化合物を包含する請求項12記載の製造法。
  17. 【請求項17】請求項10記載の反応生成物を塩基で処理
    して 式: で示される化合物を 式: で示されるプロリンラクトンに変換し、この反応混合物
    から該ラクトン体を抽出する工程をさらに包含する請求
    項10記載の製造法。
  18. 【請求項18】反応試剤として使用するプロリン誘導体
    またはプロリンラクトンが 式: で示される構造を有し、ルイス酸が塩化アルミニウムで
    ある請求項1記載の製造法。
  19. 【請求項19】約5〜80℃の範囲の温度で反応処理を行
    なう請求項1記載の製造法。
  20. 【請求項20】不活性雰囲気下、不活性有機溶媒を存在
    させて反応処理を行なう請求項1記載の製造法。
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