JPH08325984A - 熱可塑性液晶樹脂から成るパルプ状物の製造方法 - Google Patents

熱可塑性液晶樹脂から成るパルプ状物の製造方法

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JPH08325984A
JPH08325984A JP12371195A JP12371195A JPH08325984A JP H08325984 A JPH08325984 A JP H08325984A JP 12371195 A JP12371195 A JP 12371195A JP 12371195 A JP12371195 A JP 12371195A JP H08325984 A JPH08325984 A JP H08325984A
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JP
Japan
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liquid crystal
thermoplastic liquid
crystal resin
rotor
pulp
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Application number
JP12371195A
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English (en)
Inventor
Koji Yamamoto
山本  幸司
Kazuo Maruo
和生 丸尾
Ryoji Otaki
良二 大滝
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、異方性溶融相を形成し得る熱可塑
性液晶樹脂を、乾式高速回転ローター型粉砕機を使用し
て粉砕することにより、枝分かれが多く、絡み合いの多
い、良好な形状を有するパルプ状物の製造方法を提供す
ることを目的とする。 【構成】 異方性溶融相を形成し得る熱可塑性液晶樹脂
を粉砕機により粉砕してパルプ状物を製造方法であっ
て、粉砕機がローターを高速回転させて物質を粉砕する
機構を有し、かつ該ローターに設けられたブレードとラ
イナーとの間隙が4mm以下である部分が、ブレードの
ローター回転軸方向の長さの総和の少なくとも10%以
上である乾式高速回転ローター型粉砕機であることを特
徴とする熱可塑性液晶樹脂から成るパルプ状物の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は異方性溶融相を形成し得
る熱可塑性液晶樹脂から成るパルプ状物の製造方法に関
するものであり、本発明によって得られるパルプ状物
は、他の熱可塑性樹脂、あるいは熱硬化性樹脂と組み合
わせた耐熱性複合材料の強化材として、また石綿代替材
料として自動車用ブレーキパッドもしくはクラッチフェ
ージング等の摩擦材料、摺動材料、さらに耐熱フィルタ
ー、耐薬品性フィルター等の材料として有用である。
【0002】
【従来の技術】従来、上記用途等に使用できる有機物か
ら成るパルプ状物は芳香族アラミド繊維のフィブリル・
パルプが一般に知られており、その製造法についてはい
くつかの公開公報により開示されている。
【0003】しかし、上記芳香族アラミド繊維は、吸水
率が3〜7%と高いため、特に熱硬化性樹脂との組み合
わせで用いる場合、加熱硬化時に芳香族アラミド繊維か
ら水蒸気が発生し、成形物表面にフクレが生ずる。この
ため芳香族アラミド繊維は使用前に乾燥工程を必要とす
る。
【0004】特開平1−201518号公報ではサーモ
トロピックポリエステルから成るパルプ状物の製造方法
が提案されているが、この方法はポリマー吐出時の剪断
速度が1000s-1以上、かつ水あるいは油剤を用いた
湿潤状態で湿式粉砕を行ってパルプ状物を製造する方法
であり、本発明とは方法が全く異なる。
【0005】また、この方法では繊維、またはストラン
ドを粉砕する前に水あるいは油剤を用いて湿潤状態にす
るため、製造工程が複雑になる。また、パルプとして使
用する際に乾燥、抽出等により水、油剤を取り除かねば
ならず、簡便かつ安価にパルプを製造する方法とは言い
難い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
技術の前記課題を解決し、パルプ製造工程を簡略化し、
有用なパルプ状物の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らはパルプ状物
製造法について鋭意研究した結果、異方性溶融相を形成
し得る熱可塑性液晶樹脂を、特定構造の乾式高速回転ロ
ーター型粉砕機を使用して粉砕することにより、枝分か
れが多く、絡み合いの多い、良好な形状を有するパルプ
状物を製造できることを見い出し、本発明を完成させ
た。
【0008】すなわち、本発明は、異方性溶融相を形成
し得る熱可塑性液晶樹脂を粉砕機により粉砕するパルプ
状物の製造方法であって、粉砕機がローターを高速回転
させて物質を粉砕する機構を有し、かつ該ローターに設
けられたブレードとライナーとの間隙が4mm以下であ
る部分が、ブレードのローター回転軸方向の長さの総和
の少なくとも10%以上である乾式高速回転ローター型
粉砕機であることを特徴とする熱可塑性液晶樹脂から成
るパルプ状物の製造方法に関する発明である。以下に詳
細に本発明を説明する。
【0009】本発明では熱可塑性液晶樹脂を粉砕して良
好な形状を有するパルプ状物を得るために乾式高速回転
ローター型粉砕機を使用する。乾式高速回転ローター型
粉砕機とは図1に示したような円周上に等間隔になるよ
うにブレード4を設けたローター3を、図2に示したよ
うに粉砕機内に1つ以上組み込んだもので、このロータ
ー3が高速で回転し、ブレード4やライナー7の衝撃に
よって粉砕を行う仕組みになっている。この形式を有す
る粉砕機を具体的に例示すると、ターボミル(ターボ工
業(株)製)や、インペラーミル(セイシン企業(株)
製)、ウルトラローター((株)W.I.R.製)が挙
げられる。
【0010】本発明でいうブレードのローター回転軸方
向の長さの総和とは、ローターに設けられた複数枚のブ
レードの回転軸方向の長さの総和を示す。例えば、ブレ
ードのローター回転軸方向の長さが50mmのブレード
が1個のローターに12枚取り付けられていて、4個の
ローターより構成されている場合、ブレードのローター
回転軸方向の長さの総和は、2400mmとなる。複数
個のローターよりなる場合は、ブレードの長さや数は各
ローターによって異なっていても良いし、同一でも良
い。また、同一のローターにあってもブレードの長さは
必ずしもすべて同一である必要はないが、同一であるこ
とが望ましい。各ブレードは、ローター回転軸方向に対
して垂直方向に取り付けられていても良いし、垂直方向
に対してある角度をもって取り付けられていても良い。
ライナーの内面には溝などの凹凸がつけられていること
が望ましい。凹凸の深さなどの形状には特に制限はな
い。
【0011】本発明において熱可塑性液晶樹脂を粉砕す
る際、乾式高速回転ローター型粉砕機のローターに設け
られたブレードとライナーとの間隙が4mm以下である
部分をブレードのローター回転軸方向の長さの総和の少
なくとも10%以上とする必要がある。ブレードとライ
ナーとの間隙が4mm以下である部分がブレードのロー
ター回転軸方向の長さの総和の10%に満たない場合、
径が太く、枝分かれの少ないパルプ状物が多くなるた
め、好ましくない。ブレードとライナーとの間隙が4m
m以下である部分がブレードのローター回転軸方向の長
さの総和の20〜40%とすることにより、径が細く、
枝分かれが多いより形状の良好なパルプ状物を得ること
ができるため、より好ましい。40%以上とすると、さ
らに径が細く、枝分かれが多いパルプ状物が得られる
が、この場合、ブロアーを使用してパルプ状物の粉砕機
からの排出を補助する必要がある。
【0012】ローターに設けられたブレードとライナー
との間隙が4mm以下である部分をブレードのローター
回転軸方向の長さの総和の少なくとも10%以上とする
には、ブレードとライナーとの間隙が異なる複数個のロ
ーターを組み合わせることにより容易に達成される。こ
の場合には、排出側のブレードとライナーとの間隙を小
さくなるようにローターを配置するのが望ましい。個々
のローターに設けられたブレードとライナーとの間隙は
一定でも良いが、間隙が連続的に変化するような勾配を
付けても良い。
【0013】本発明における乾式高速回転ローター型粉
砕機のブレードのローター回転軸方向の長さの総和は、
ブレードの枚数によらず100〜10000mm、更に
好ましくは500〜7000mmの範囲にあることが望
ましい。ブレードのローター回転軸方向の長さの総和が
100mm未満では粉砕の効果が不充分であり、100
00mmを越えるように大きくしても粉砕効果は上がら
ず経済的でない。上記のブレードのローター回転軸方向
の長さの総和の範囲を満足すればブレードの枚数に特に
制限はないが、2枚以上、50枚以下が望ましい。
【0014】本発明において熱可塑性液晶樹脂を粉砕す
る際、ローターの周速は60〜130m/sの範囲に設
定することが好ましい。60m/s未満の周速では径の
太いパルプ状物しか得られない。また130m/sを越
える周速では粉砕機の負荷が大きくなったり、粉状の熱
可塑性液晶樹脂が多量に発生するため、不都合を生ずる
場合いがある。
【0015】粉砕機へ供給する異方性溶融相を形成し得
る熱可塑性液晶樹脂は、該樹脂の流動開始温度より10
℃以上高い温度でノズルより吐出して得られるL/Dが
1以上のストランドとすると、熱可塑性液晶樹脂の供給
が一層容易となり、取扱い性に優れるため、好ましい。
ここで、Lはストランドの長さ、Dはストランドの径
で、次式のストランドの断面積Sより求められる。但
し、ストランドの断面積Sは、0.008〜80mm2
の範囲である。 D=2×(S/π)0.5
【0016】また、ストランド、射出成形物、押出成形
物等、任意の形状を持つ異方性溶融相を形成し得る熱可
塑性液晶樹脂をハンマーミルやカッターミルで予め粗粉
砕したものを高速回転ローター型粉砕機による粉砕に供
することもできる。粗粉砕品を高速回転ローター型粉砕
機に供給することにより、より一層、良好な形状を有す
るパルプ状物を、より効率良く得ることができる。但
し、供給量を一定にするために、できるだけ均一な大き
さに粉砕することが必要である。
【0017】熱可塑性液晶樹脂の粉砕機への供給速度
は、5kg/h以上で行うのが好ましい。5kg/h未
満の供給速度では、粉砕機の運転時間に対して得られる
パルプ状物の量が少なく、経済的ではない。又、粉砕時
にブロアーを併用したり、粉砕室内に排出用ファンを組
み込むことによって、供給速度を高めることができる。
【0018】乾式高速回転ローター型粉砕機以外の乾式
粉砕機でも粉砕条件の設定により、良好な形状のパルプ
状物を得ることは可能であるが、単位時間当たりのパル
プ状物の生産能力が乾式高速回転ローター型粉砕機に比
べて極めて低く、実用的ではない。また、粉砕機の形式
によっては、熱可塑性液晶樹脂が融着したり、パルプ状
物が粉砕機内で目詰まりすることがある。
【0019】湿式粉砕機でも粉砕条件の設定により、良
好な形状のパルプ状物を得ることは可能であるが、単位
時間当たりのパルプ状物の生産能力が乾式高速回転ロー
ター型粉砕機に比べて低く、かつ粉砕後にパルプ状物の
乾燥工程を必要とするため、実用的ではない。
【0020】本発明で使用する熱可塑性液晶樹脂は、溶
融状態で異方性溶融相を形成するものであればすべて本
発明に供することができるが、280〜450℃で異方
性溶融相を形成するものが望ましい。上記280℃より
高い温度で異方性溶融相を形成する熱可塑性液晶樹脂
は、粉砕の際に融着が生じずらい。また、上記450℃
以下の温度で異方性溶融相を形成する熱可塑性液晶樹脂
は、溶融成形が容易となり、好ましい。異方性溶融相の
形成の有無は試料を加熱しながら観察できる装置を装着
した光学顕微鏡を使用して、偏光状態で試料を観察する
ことにより容易に判断することができる。
【0021】本発明に使用される異方性溶融相を形成し
得る熱可塑性液晶樹脂の特に好ましい例は、下記の構造
単位(A)、(B)、(C)および(D)から成り、構
造単位(B)が構造単位(C)および(D)の総和に実
質的に等しく、構造単位(A)、(B)、(C)および
(D)の総和に対して構造単位(A)が50〜80モル
%であり、かつ構造単位(C)および(D)の総和に対
して構造単位(C)が50〜100モル%のものであ
る。
【0022】
【化7】
【0023】
【化8】
【0024】
【化9】
【0025】
【化10】
【0026】但し、構造単位(D)の中のXは以下の式
1から選ばれた1種以上である。
【0027】
【化11】
【0028】但し、(式1)の中のArは以下の式2か
ら選ばれた1種以上である。
【0029】
【化12】
【0030】本発明に供せられる異方性溶融相を形成し
得る熱可塑性液晶樹脂の製造方法は特に限定されるもの
ではなく、従来公知の方法に準じて製造できる。
【0031】代表的な製造方法としては、次の(イ)〜
(ニ)の方法が挙げられるが、これらの製造方法に限定
されるものではない。
【0032】(イ)芳香族ジカルボン酸化合物類、芳香
族ジヒドロキシ化合物類のジ酢酸エステルおよび芳香族
ヒドロキシカルボン酸化合物類の酢酸エステルとから脱
酢酸重縮合反応により製造する方法。
【0033】(ロ)芳香族ジカルボン酸化合物類、芳香
族ジヒドロキシ化合物類および芳香族ヒドロキシカルボ
ン酸化合物類に無水酢酸を共存させてフェノール性水酸
基をアセチル化した後、脱酢酸重縮合反応により製造す
る方法。
【0034】(ハ)芳香族ジカルボン酸化合物類のジフ
ェニルエステル、芳香族ジヒドロキシ化合物類および芳
香族ヒドロキシカルボン酸化合物類のフェニルエステル
とから脱フェノール重縮合反応により製造する方法。
【0035】(ニ)(イ)〜(ハ)の方法によって得ら
れた熱可塑性液晶樹脂の低分子量物を空気中、不活性ガ
ス雰囲気下、または減圧下で流動開始温度より低い温度
で固相状態を保ちながら加熱する、いわゆる固相重合に
より製造する方法。
【0036】本発明における流動開始温度とは示差走査
熱量計(DSC)により明瞭な融点が観察されるものに
あっては融点を、DSCにより明瞭な融点が観察されな
い場合にはホットステージを装着した偏光顕微鏡により
試料を昇温しながら観察し、試料の一部が流動を開始す
る温度をさすものとする。
【0037】本発明の目的を損なわない限り、熱可塑性
液晶樹脂に、タルク、マイカ、クレー、硫酸バリウム等
の無機充填材や、炭素ピッチを配合しても良い。また、
顔料、滑剤、酸化防止剤、帯電防止剤等の添加剤を添加
することもできる。
【0038】上記の方法により製造されたパルプ状物は
他の熱可塑性樹脂、あるいは熱硬化性樹脂と組み合わせ
た耐熱性複合材料の強化剤として、また石綿代替材料と
して自動車用ブレーキパッドもしくはクラッチフェージ
ング等の摩擦材料、摺動材料、さらに耐熱フィルター、
耐薬品性フィルター等の材料として有用である。
【0039】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明は以下の実施例のみに限定されない。以下
の実施例等に記載する「部」は「重量部」を示す。尚、
参考例1における各種測定は以下の方法によった。
【0040】(1)融点 示差操作熱量計(DSC)(セイコー電子(株)製、S
SC−560S型)を使用し、試料約10mgをアルミ
ニウム製非密封容器に入れ窒素ガス気流中(30ml/
分)にて30℃より昇温速度20℃/分で昇温して測定
し、吸熱ピークを示す温度を融点とした。
【0041】(2)流動開始温度および異方性溶融相形
成の有無 ホットステージ(コレット工業(株)製)を装着した光
学顕微鏡(ニコン(株)製、商品名:Optiphot
−pol)を用いて、昇温速度10℃/分で昇温しなが
ら、偏光状態にて試料を観察した。試料の一部が流動を
開始する温度を流動開始温度とした。
【0042】(3)熱可塑性液晶樹脂の対数粘度 対数粘度[(lnηrel)/C]は、0.16g/d
l濃度のペンタフルオロフェノール溶液として、60℃
にて測定した。
【0043】参考例1 LCP−Aの製造 攪拌機、温度計、圧力計、窒素ガス導入管、凝縮器に連
結した蒸留ヘッド等を装着した反応缶に、p−アセトキ
シ安息香酸1081部、1,4−ジアセトキシベンセン
388部、N,N’−(4,4’−ジフェニルエーテ
ル)−ビス−3,4’−ジカルボキシミド安息香酸11
0部、および2,6−ナフタレンジカルボン酸389部
を仕込み、窒素で3回パージした後、緩やかに攪拌しな
がら反応缶内に少量の窒素を流しつつ200℃まで昇温
した。 200℃に昇温後、攪拌速度を上げ、この混合
物を段階的に昇温し、240℃にて1時間、260℃に
て1時間、280℃にて1時間、300℃にて1時間反
応させた。
【0044】次いで、反応缶内を徐々に減圧し、0.5
torrの真空に保ちつつ300℃にて1時間、320
℃にて1時間、340℃にて1時間攪拌し、重合を完了
させた。重合完了後、反応缶内の圧力を2.5kg/c
2 とし、排底弁よりダイを介してストランドを取り出
し、カッターにより切断してペレットとした。このポリ
マー(以下、LCP−Aという)の融点は317℃、流
動開始温度は312℃であり、異方性溶融相を示した。
対数粘度は4.2g/dlであった。
【0045】実施例1 参考例1で得られたLCP−Aを45mm二軸押出機の
先端に付けた4mmφのノズルより、330℃で単孔吐
出量50g/分でポリマーを吐出し、得られたストラン
ドをペレタイザーによって長さ4mm、直径2mmのペ
レットに切断した。このペレットを電磁フィーダーにて
供給し、ターボ工業(株)製ターボミルT−400型で
粉砕した。粉砕機には、ローター回転軸方向の長さが1
00mmのブレードを12枚取り付けたローターを4個
装着し、各ローターのブレードとライナーとの間隙を供
給口側から5、5、3、3mmとした。
【0046】この結果、4mm以下の間隙の部分は50
%であった。その他の条件として、ローターの周速を8
4m/s、供給速度を20kg/h、風量を13m3
分とした。得られたパルプ状物を光学顕微鏡にて観察し
た。また、得られたパルプ状物と表1の成分を均一に家
庭用ミキサーで混合し、35mmφのタブレット成形用
金型に入れ、手動プレスを用いて室温、成形圧力が50
kg/cm2 、圧力保持時間が1分の条件で厚さ10m
m,直径35mmの円柱状の試験片を作製した。
【0047】この試験片をテンシロンを用いてクロスヘ
ッドスピードが1mm/分、スパン距離が25mmの条
件で曲げ試験を行った。この時の試験片の破損時の応力
を測定し、応力が高いほど、枝分かれが多く、絡み合い
の多い、良好な形状を有するパルプ状物であると判断し
た。結果を表2に示す。
【0048】 表1パルプ状物 真鍮繊維 硫酸バリウム 黒鉛 BTレジン・ダスト(1) 7部 43部 25部 10部 15部 注)(1)フェノール変性キシレン・ホルムアルデヒド樹脂ノボラック・エポキ シ樹脂/BTレジン(ビスマレイミドトリアジン樹脂)=70/30 の硬化物から成る200〜100メッシュ粉末
【0049】実施例2 参考例1で得られたLCP−Aから実施例1と同じ条件
でペレット化し、これをターボ工業(株)製ターボミル
T−400型で粉砕した。粉砕機には、ローター回転軸
方向の長さが100mmのブレードを12枚取り付けた
ローターを4個装着し、各ローターのブレードとライナ
ーとの間隙を供給口側から5、5、3、3mmとした。
この結果、4mm以下の間隙の部分は50%であった。
その他の条件として、ローターの周速を105m/s、
供給速度を6kg/h、風量を13m3 /分とした。得
られたパルプ状物は実施例1と同様、光学顕微鏡にて観
察し、曲げ試験を行った。結果を表2に示す。
【0050】実施例3 参考例1で得られたLCP−Aから実施例1と同じ条件
でペレット化し、これをターボ工業(株)製ターボミル
T−400型で粉砕した。粉砕機には、ローター回転軸
方向の長さが100mmのブレードを12枚取り付けた
ローターを4個装着し、各ローターのブレードとライナ
ーとの間隙を供給口側から5、5、5、3mmとした。
この結果、4mm以下の間隙の部分は25%であった。
その他の条件として、ローターの周速を94m/s、供
給速度を14kg/h、風量を13m3 /分とした。得
られたパルプ状物は実施例1と同様、光学顕微鏡にて観
察し、曲げ試験を行った。結果を表2に示す。
【0051】実施例4 参考例1で得られたLCP−Aから実施例1と同じ条件
でペレット化し、これをターボ工業(株)製ターボミル
T−400型で粉砕した。粉砕機には、ローター回転軸
方向の長さが100mmのブレードを12枚取り付けた
ローターを4個装着し、各ローターのブレードとライナ
ーとの間隙を供給口側から5、5、3、3mmとした。
この結果、3mmの間隙の部分は50%であった。その
他の条件として、ローターの周速を84m/s、供給速
度を56kg/h、風量を15m 3/分とした。この結
果、4mm以下の間隙の部分は50%であった。得られ
たパルプ状物は実施例1と同様、光学顕微鏡にて観察
し、曲げ試験を行った。結果を表2に示す。
【0052】実施例5 参考例1で得られたLCP−Aを45mm二軸押出機の
先端に付けた4mmφのノズルより、330℃で単孔吐
出量60g/分でポリマーを吐出し、得られたストラン
ドをペレタイザーによって長さ4mm、直径3mmのペ
レットに切断した。このペレットをハンマーミルにて粗
粉砕し、この粗粉砕物を電磁フィーダーにて供給し、タ
ーボ工業(株)製ターボミルT−400型で粉砕した。
粉砕機には、ローター回転軸方向の長さが100mmの
ブレードを12枚取り付けたローターを4個装着し、各
ローターのブレードとライナーとの間隙を供給口側から
5、5、3、3mmとした。この結果、4mm以下の間
隙の部分は50%であった。その他の条件として、ロー
ターの周速を84m/s、供給速度を30kg/h、風
量を13m3 /分とした。得られたパルプ状物は実施例
1と同様、光学顕微鏡にて観察し、曲げ試験を行った。
結果を表2に示す。
【0053】比較例1 参考例1で得られたLCP−Aから実施例1と同じ条件
でペレット化し、これをターボ工業(株)製ターボミル
T−400型で粉砕した。粉砕機には、ローター回転軸
方向の長さが100mmのブレードを12枚取り付けた
ローターを4個装着し、各ローターのブレードとライナ
ーとの間隙を供給口側から5、5、5、5mmとした。
この結果、4mm以下の間隙の部分は0%であった。そ
の他の条件として、ローターの周速を84m/s、供給
速度を20kg/h、風量を13m3/分とした。得ら
れたパルプ状物は実施例1と同様、光学顕微鏡にて観察
し、曲げ試験を行った。結果を表2に示す。
【0054】比較例2 参考例1で得られたLCP−Aから実施例1と同じ条件
でペレット化し、これをターボ工業(株)製ターボミル
T−400型で粉砕した。粉砕機には、ローター回転軸
方向の長さが100mmのブレードを12枚取り付けた
ローターを4個装着し、各ローターのブレードとライナ
ーとの間隙を供給口側から5、5、5、5mmとした。
この結果、4mm以下の間隙の部分は0%であった。そ
の他の条件として、ローターの周速を105m/s、供
給速度を6kg/h、風量を13m3/分とした。得ら
れたパルプ状物は実施例1と同様、光学顕微鏡にて観察
し、曲げ試験を行った。結果を表2に示す。
【0055】比較例3 参考例1で得られたLCP−Aから実施例1と同じ条件
でペレット化し、これをターボ工業(株)製ターボミル
T−400型で粉砕した。粉砕機には、ローター回転軸
方向の長さが100mmのブレードを12枚取り付けた
ローターを4個装着し、各ローターのブレードとライナ
ーとの間隙を供給口側から5、5、3、3mmとした。
この結果、4mm以下の間隙の部分は50%であった。
その他の条件として、ローターの周速を55m/s、供
給速度を10kg/h、風量を10m3 /分とした。得
られたパルプ状物は実施例1と同様、光学顕微鏡にて観
察し、曲げ試験を行った。結果を表2に示す。
【0056】参考例2 芳香族アラミド繊維のパルプを熱可塑性液晶樹脂から成
るパルプ状物の代わりに用いて実施例1と同様、光学顕
微鏡にて観察し、曲げ試験を行った。結果を表2に示
す。
【0057】 表2 パルプ形状(2) 長さ 太さ 枝分かれ 曲げ応力(kgf) 実施例1 中 細 多い 5.3 実施例2 中 細 多い 5.5 実施例3 長 細 多い 5.7 実施例4 長 細 多い 5.0 実施例5 中 細 多い 5.3 比較例1 長 太 少ない 3.9 比較例2 中 太 少ない 3.6 比較例3 長 極太 少ない 2.3 参考例2 短 極細 かなり多い 5.6 注)(2)長さ: 短;3mm以下 中;3〜5mm 長;5mm以上 太さ: 細;0.1mm以下 太;0.1mm以上 枝分かれ:パルプの幹から出ている細いフィブリルの多さ
【0058】
【発明の効果】本発明の熱可塑性液晶樹脂から成るパル
プ状物を製造する方法は、従来の技術において必要であ
った油剤等を使用することなく、芳香族アラミド繊維か
ら成るフィブリル・パルプと同等の形状保持性を有する
パルプ状物を簡略化された工程で、かつ経済的に有用な
パルプ状物を製造でき、その工業的意義は極めて高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明において使用する高速回転ローター型
粉砕機のローターの一例を示す正面図と側面図
【図2】 本発明において使用する高速回転ローター型
粉砕機のローターを4段組み込んだ場合の正面図
【符号の説明】
1:シャフト 2:デイストリビュター 3:ローター 4:ブレード 5:仕切板 6:ケーシング 7:ライナー 8:シャフト用の穴

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異方性溶融相を形成し得る熱可塑性液晶
    樹脂を粉砕機により粉砕するパルプ状物の製造方法であ
    って、粉砕機がローターを高速回転させて物質を粉砕す
    る機構を有し、かつ該ローターに設けられたブレードと
    ライナーとの間隙が4mm以下である部分が、ブレード
    のローター回転軸方向の長さの総和の少なくとも10%
    以上である乾式高速回転ローター型粉砕機であることを
    特徴とする熱可塑性液晶樹脂から成るパルプ状物の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 ブレードのローター回転軸方向の長さの
    総和が100〜10000mmである請求項1記載の熱
    可塑性液晶樹脂から成るパルプ状物の製造方法。
  3. 【請求項3】 ローターを高速回転させる際の周速が6
    0〜130m/sである請求項1記載の熱可塑性液晶樹
    脂から成るパルプ状物の製造方法。
  4. 【請求項4】 粉砕機へ供給する異方性溶融相を形成し
    得る熱可塑性液晶樹脂が、該樹脂の流動開始温度より1
    0℃以上高い温度でノズルより吐出して得られ、かつL
    /Dが1以上のストランド形状である請求項1記載の熱
    可塑性液晶樹脂から成るパルプ状物の製造方法。但し、
    Lはストランドの長さ、Dはストランドの径で、次式の
    ストランドの断面積Sより求められる。尚、ストランド
    の断面積Sは、0.008〜80mm2の範囲である。 D=2×(S/π)0.5
  5. 【請求項5】 粉砕機へ供給する異方性溶融相を形成し
    得る熱可塑性液晶樹脂が、請求項4のストランドを予め
    粗粉砕したものである請求項1記載の熱可塑性液晶樹脂
    から成るパルプ状物の製造方法。
  6. 【請求項6】 粉砕機へ供給する異方性溶融相を形成し
    得る熱可塑性液晶樹脂が、該熱可塑性液晶樹脂から成る
    射出成形物、押出成形物を予め粗粉砕したものである請
    求項1記載の熱可塑性液晶樹脂から成るパルプ状物の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 粉砕機への熱可塑性液晶樹脂の供給速度
    が5kg/h以上である請求項1記載の熱可塑性液晶樹
    脂から成るパルプ状物の製造方法。
  8. 【請求項8】 下記の構造単位(A)、(B)、(C)
    および(D)から成り、構造単位(B)が構造単位
    (C)および(D)の総和に実質的に等しく、構造単位
    (A)、(B)、(C)および(D)の総和に対して構
    造単位(A)が50〜80モル%であり、かつ構造単位
    (C)および(D)の総和に対して構造単位(C)が5
    0〜100モル%である異方性溶融相を形成し得る熱可
    塑性液晶樹脂を、ローターを高速回転させて物質を粉砕
    する機構であり、かつローターに設けられたブレードと
    ライナーとの間隙が4mm以下である部分がブレードの
    ローター回転軸方向の長さの総和の少なくとも10%以
    上である乾式高速回転ローター型粉砕機を用いて粉砕し
    て得られた熱可塑性液晶樹脂から成るパルプ状物。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 但し、構造単位(D)の中のXは以下の式1から選ばれ
    た1種以上である。 【化5】 但し、(式1)の中のArは以下の式2から選ばれた1
    種以上である。 【化6】
  9. 【請求項9】 異方性溶融相を形成し得る熱可塑性液晶
    樹脂の流動開始温度が、280〜450℃である請求項
    8記載の熱可塑性液晶樹脂から成るパルプ状物。
JP12371195A 1995-05-23 1995-05-23 熱可塑性液晶樹脂から成るパルプ状物の製造方法 Pending JPH08325984A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN117102131A (zh) * 2023-10-17 2023-11-24 南通天地和环保科技有限公司 一种油漆桶漆渣分离装置及分离方法
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