JPH08325648A - 脱ガス装置 - Google Patents

脱ガス装置

Info

Publication number
JPH08325648A
JPH08325648A JP13306595A JP13306595A JPH08325648A JP H08325648 A JPH08325648 A JP H08325648A JP 13306595 A JP13306595 A JP 13306595A JP 13306595 A JP13306595 A JP 13306595A JP H08325648 A JPH08325648 A JP H08325648A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molten metal
hollow body
inert gas
body portion
hydrogen
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP13306595A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Nagase
新一 永瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP13306595A priority Critical patent/JPH08325648A/ja
Publication of JPH08325648A publication Critical patent/JPH08325648A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
  • Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶湯に酸化物を生じさせないようにして水素
ガスを除去すること。 【構成】 溶湯中には管状の軸32の一端に設けられた中
空体部33とこの中空体部33の下部に設けられた溶湯ガイ
ド部34が浸漬される。軸32の他端側から不活性ガスが供
給され軸32が回転駆動されると中空体部33の複数の孔部
41からは複数の不活性ガスが細かい泡となって放出され
る。この泡は溶湯中の水素を補集しながら浮上して溶湯
から脱出し、溶湯中の水素を除去する。溶湯ガイド部34
は回転するので遠心力により通路34A 中の溶湯を外側方
向に導く。このため中空体部33より下方の溶湯は中空体
部33の孔部41近傍に運ばれここで不活性ガスを通され、
水素を補集される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融金属に混入したガ
スを除去する脱ガス装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、アルミニウムを溶融すると水素
ガスが溶湯に混入するので何等処理を施さなければその
鋳造物にはその水素ガスによる空洞部分が生じ、品質低
下の大きな要因となる。そこで従来は、図11に示すよう
に容器80に収容された溶湯に管状の軸81を介して不活性
ガスを送り込みこの軸81の先端部に取り付けられた羽根
82を回転させることにより。軸81の先端部から溶湯中に
発生する気泡を細かく砕き、そうして発生した不活性ガ
スの細かい泡を溶湯中に通すことによって水素ガスを取
り除いていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような方法によれ
ば管状の軸81の先端部から発生した不活性ガスの大きな
泡を細かく砕くために羽根82を通常350 〜400 回/分の
高速で回転させることが必要となる。しかし、羽根82を
高速回転させるならば軸81を中心に大渦流が生じて溶湯
表面の空気を巻き込む。溶湯に空気が巻き込まれると酸
化物(滓)が生じる原因となる。これを防止するために
バッフル板(遮断版)を溶湯中に入れて大渦流の発生を
押さえることが試みられている。しかし、これによって
もバッフル板の後側(下流側の面の近傍)に小渦流が生
じる。
【0004】また、溶湯を例えば5〜6秒間毎正逆反転
(高速反転)させて長時間の同一渦流を発生させないよ
うにする方法が採られている装置もあるが、これによっ
ても回転が正から逆、逆から正に変化するときに大きな
うねりが生じ易く、酸化物の発生を押さえることはでき
ない。
【0005】本発明は、このような従来の欠点に鑑みな
されたものであり、その目的は溶湯に酸化物を生じさせ
ないようにして水素ガスを除去することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、溶湯
中のガスを除去する脱ガス装置において、管状部と、こ
の管状部の一端に設けられ内部に前記管状部の内部と連
通する空洞を有しこの空洞と外部とを連通し前記管状部
の内径に対し微細な複数の孔部を有する中空体部とを具
備することを特徴とする。
【0007】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、中空体部は2つの部分から成りこれらが接合する面
において一方の面は平面であり、他方の面は複数の溝が
設けられており、これらが接合されると前記複数の溝が
複数の孔部となることを特徴とする。
【0008】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、中空体部の一部はセラミックの多孔体により形成さ
れており、複数の孔部はこの多孔体の孔部であることを
特徴とする。
【0009】請求項4の発明は、請求項1乃至3のいず
れかに記載の脱ガス装置において、管状部をその長手方
向を中心軸方向として回転させる回転駆動手段と、中空
体部の下方にこの中空体部と一体に設けられ、下面中央
に穴部を有しこの穴部から溶湯を外側方向に向かうよう
に導く複数の通路を有する溶湯ガイド部を具備すること
を特徴とする。
【0010】請求項5の発明は、請求項4に記載の脱ガ
ス装置において、中空体部が有する複数の孔部は中空体
部の内部の空洞と、溶湯ガイド部の通路の入口側とを連
通するように設けられていることを特徴とする。
【0011】請求項6の発明は、請求項5に記載の脱ガ
ス装置において、溶湯ガイド部が有する複数の通路の隣
接する通路同志は通路間に設けられた孔部によって連通
していることを特徴とする。
【0012】
【作用】請求項1の発明では、管状部の他端からその内
部に不活性ガスが与えられるとこのガスは中空体の孔部
から排出され、複数の孔部の出口から不活性ガスの微細
な気泡が発生する。この気泡は溶湯に含まれている水素
を補集して浮上し、外部へ排出する。
【0013】請求項2の発明では、管状部の他端からそ
の内部に不活性ガスが与えられると中空体部の2つの部
分の接合する面の間に形成された孔部から不活性ガスが
排出される。
【0014】請求項3の発明では、管状部の他端からそ
の内部に不活性ガスが与えられると中空体部のセラミッ
クの多孔体から不活性ガスが排出される。
【0015】請求項4の発明では、管状部が回転駆動手
段により回転し、これにより溶湯ガイド部も回転する。
このため溶湯ガイド部の通路中の溶湯は外側方向に移動
し、中空体部の下方の溶湯は溶湯ガイド部の穴部から吸
い込まれ、通路を経て外側方向にに放出される。このた
め中空体部の下方にあった溶湯は、その移動の途中で中
空体部の孔部近辺を通過する。ここで管状部の他端から
その内部に不活性ガスが与えられると、中空体部の孔部
から不活性ガスの泡が放出されるので中空体部の孔部近
辺を通過する溶湯はそのガスを浴びせられ、溶湯中の水
素がこの泡に補集される。
【0016】請求項5の発明では、中空体部の下方の溶
湯は溶湯ガイド部の穴部から吸い込まれ、通路に至る
が、不活性ガスの泡も溶湯ガイド部の通路の入口側から
通路に至る。従って、この通路という狭い空間内で不活
性ガスの泡と溶湯が一緒になることになり、この通路を
通過中の溶湯は水素を効率良く除去される。この通路を
通過した不活性ガスの泡は次に上昇し、溶湯の表面に至
るまでその途中の水素を補集する。
【0017】請求項6の発明では、請求項5の発明の作
用に更に通路と通路を連通する孔部内でも不活性ガスの
泡と溶湯が一緒になることになり、この通路を通過中の
溶湯は水素を更に効率良く除去される。
【0018】
【実施例】図1に本発明の第1の実施例の全体構成を示
す。炉1は坩堝2と、この坩堝2を支持する坩堝支持台
2Aと、坩堝2を下から熱するバーナー3とからなり、
地面4から若干掘り下げられた位置に設置されている。
坩堝支持台2Aの上面には4本の脚部5を有する支持台
6が載置されている。支持台6は4本の支柱7を介して
筐体8を支持するものである。筐体8内にはその上部に
おいて筐体8に対して固定されたスラスト軸受け9Aと
その下部において筐体8に対して固定されたラジアル軸
受け9Bとにより管状の軸11が回動自在の状態とされて
保持されている。軸11は、この軸11に取り付けられた傘
歯歯車12、筐体8内において回動自在に保持された軸13
に取り付けられた傘歯歯車14およびプーリ15、ベルト1
0、モータ17の回転軸に取り付けられたプーリ18、から
成る回転伝達機構部19によってモータ17の回転が伝達さ
れるようになっている。軸11の上部先端近傍はキャップ
16により覆われ密閉状態とされている。キャップ16内に
はガス供給装置20から不活性ガスが供給されるようにな
っている。
【0019】ガス供給装置20は、不活性ガスが充填され
たボンベ21と、このボンベ21から送出されるガスの圧力
が一定となるように調節するレギュレータ22と、ガス中
の塵埃を取り除くフィルタ23と、電磁弁24と、圧力メー
タ25と、流量計26とから成る。本実施例では不活性ガス
としてアルゴンArを使用した。電源27は、モータ17お
よび電磁弁21を駆動するためのものであり、電源27とモ
ータ17および電磁弁21との間にはスイッチ28およびタイ
マ29が設けられている。
【0020】軸11の下部先端はカップリング31により管
状の軸32の一端が接続されている。軸32の他端には中空
体部33が設けられ、更に中空体部33の下方に中空体部33
と一体に溶湯ガイド部34が設けられている。
【0021】図2〜図4に中空体部33および溶湯ガイド
部34の詳細を示す。図2は拡大図であり、一部断面図と
なっている。図3は組み立て斜視図である。図4は軸32
と一体に成型された中空体部33の蓋部35の底面図であ
る。
【0022】これらの図を参照して中空体部33および溶
湯ガイド部34を説明する。中空体部33は蓋部35と円板部
材36とから成る。蓋部35は、軸32側から離れる程径が大
となる傘状に形成されているものである。円板部材36
は、円板状の基部37とこの基部37の上面側中央に突設さ
れた管状の接続部38と、下面側中央に突設された円板状
の接続部39とから成る。接続部38の下側は接続部38の内
部と外部を連通する4つの孔部38A が設けられている。
接続部38の周面にはネジが設けられており、このネジは
軸32の先端近傍の内周面に設けられたネジと螺合し、こ
れによって円板部材36は軸32に取り付けられている。蓋
部35の底面には図4に示すように微細な溝40が半径方向
よりも若干傾斜する方向に多数設けられている。従って
蓋部35と円板部材36と組み合わされた状態ではその接合
面に多数の孔部41が形成される。
【0023】円板部材36の下側には羽根板部材45が取り
付けられている。羽根板部材45は、図3に示すように、
中央に孔部43A を有する皿状の基部43と、この基部43の
上面に立設され孔部43A の周縁から基部43の外側周縁に
放射状に至る6枚の羽根部44とから成る。羽根部44の孔
部43A の周縁側の側面44A にはネジが設けられており、
このネジと円板部材36の接続部39の周面に設けられたネ
ジとが螺合することによって羽根板部材45は円板部材36
に取り付けられている。溶湯ガイド部34は、羽根板部材
45と円板部材36とからなり、円板部材36の基部37の下面
と羽根板部材45の基部43の上面との間を羽根部44によっ
て仕切られて形成された6本の通路34A を有している。
【0024】次にこのように構成された本実施例装置の
動作を説明する。ここで坩堝2内にはすでにアルミニウ
ム合金材料がバーナー3によって加熱され溶湯となって
いるものとする。
【0025】まず操作者はタイマ29を所望の時間にセッ
トして、スイッチ28をオンにする。これにより、電磁弁
24は開状態となり、ガス供給装置20から不活性ガスがキ
ャップ16を介して軸11および軸32に供給される。同時に
モータ17も回転開始となり、軸11および軸32も回転開始
となる。
【0026】軸11および軸32がこのような状態となる
と、中空体部33は回転しながら孔部41から不活性ガスを
噴出する。すなわち図2に示すように、軸32から孔部38
A を経て蓋部35と円板部材36とにより囲まれた空洞に至
った不活性ガスは多数の微細な孔部41から噴出する。こ
のため多数の微細な泡が孔部41から発生する。この泡は
溶湯中を浮上しながら溶湯に含まれている水素を水素ガ
スとして補集し、溶湯表面から脱出する。一方、このと
き溶湯ガイド部34の通路34A は中空体部33と共に回転を
しており、通路34A 内の溶湯は遠心力により回転中心か
ら外側の方向に移動する。このため穴部43A 内の溶湯は
通路34A を通って羽根板部材45の周縁部から外側方向に
放出される。こうして溶湯ガイド部34は回転運動を行っ
ている間、湯ガイド部34から下側にある溶湯は穴部43A
から吸い込まれ羽根板部材45の周縁部から外側方向に放
出される。ここで羽根板部材45の周縁部から外側方向に
放出された溶湯に含まれている水素は中空体部33から放
出された不活性ガスの泡に水素ガスとして補集され、浮
上し溶湯表面から排出される。
【0027】こうして、不活性ガスが微細な泡となって
排出される中空体部33の孔部41より上方の溶湯に含まれ
ている水素は、浮上して来る不活性ガスの泡に補集さ
れ、孔部41より下方の溶湯に含まれている水素は溶湯が
孔部41の近傍まで搬送されることによって不活性ガスの
泡に補集される。従って、坩堝2に収容されている溶湯
中に含まれている水素は溶湯中のいかなる場所にあって
もすべて除去される。
【0028】設定された時間が経過するとタイマ27は電
磁弁24を閉状態とし、モータ17の回転を停止させる。そ
して坩堝2内の溶湯を型に入れる。こうして製造された
鋳造物は高い品質が得られる。
【0029】本実施例では、溶湯が収容されている坩堝
2の径は70mm、軸32の外径は30mm、内径は10mm、蓋部3
5、円板部材36および羽根板部材45から成る組み立て体
の全体の外径は180mm 、高さ35mmである。また、溝40は
V字溝であり、その最大幅は5/10mm、深さ5/100 〜6/10
0mm である。また軸32の回転速度は20回/分であり、不
活性ガスの圧力を孔部41の位置が溶湯(アルミニウム)
の表面から約60cmの位置において0.1 〜0.3kg とした。
しかしこれらに限定されず、上記組み立て体の全体のサ
イズは溶湯が収容される容器のサイズに応じたものとす
る。孔部はその形状によらず、その大きさは放出時の気
泡径が0.1 〜5mm となるものであれば良い。また回転速
度は15〜50回/分が好適であり、不活性ガスの圧力は溶
湯を収容する容器の大きさまたは孔部の位置によって気
泡径が上記のサイズとなるように調整する。このように
しても本実施例と同様な効果が得られる。
【0030】本実施例によれば中空体部33に設けられる
孔部41は、底面に溝40が設けられた蓋部35と円板部材35
が接合されることにより形成されるものである。このよ
うに溝を作成して孔部を形成する方法は単にドリル等に
より素材に孔を穿設するよりもきわめて製造が容易であ
り、特に本実施例のように微細な孔部を多数設ける場合
に効果がある。
【0031】次に第2の実施例を説明する。第1の実施
例と異なる点は図5に示すように蓋部50の底面には溝が
設けられておらず、蓋部50の底面と円板部材36の基部37
の上面との間に耐熱の多孔性セラミックを材質とするリ
ング状の多孔体51を設けた点である。図6にこの多孔体
51の平面図を示す。本実施例における中空体部52は蓋部
50、多孔体51および円板部材36から成る。他の構成要素
は第1の実施例と同様である。
【0032】本実施例によれば軸32から中空体部52に与
えられる不活性ガスは多孔体51の中を通って外部へ放出
される。このとき不活性ガスは微細な泡となって溶湯中
を浮遊する。他の作用は第1の実施例と同様である。
【0033】本実施例によれば、中空体部の孔部から発
生する泡の大きさは多孔体51の目の粗さによって決定さ
れるから、所望の大きさの泡を得ようとするならば所望
の目の粗さの多孔体を選択すれは良く、ドリル等により
素材に孔を穿設したり、また第1の実施例のように溝を
設ける作業も必要としないのでより一層製造が容易であ
る。
【0034】尚、本実施例では多孔体51はセラミックで
あるとしたが、これは耐熱性のものであれば良く、例え
ばカーボン、アルミナ、チタンなどでも良い。
【0035】本実施例において多孔体51は、その細孔の
平均断面積が0.001mm 2 〜30mm2 であれば第1の実施例
と同様な効果が得られる。
【0036】次に第3の実施例を図7および図8を参照
して説明する。図7は本実施例の特徴的な部分である中
空体部65と溶湯ガイド部66の断面図であり、図8はこれ
らの部分の組み立て斜視図である。第1の実施例と異な
る点は、第1の実施例の蓋部35に相当する蓋部60の底面
に溝を有していない点、第1の実施例の円板部材36に相
当する円板部材61の基部62の径が羽根板部材63に設けら
れた穴部63A の径と同じであり、基部62の外周面に設け
られたネジと羽根板部材63の羽根部64の孔部63A の周縁
側の側面64A に設けられたネジとが螺合することによっ
てこの円板部材61が羽根板部材63に取り付けられている
点、基部62の上面には放射状に微細な溝62A が多数設け
られている点である。羽根部64の上面と蓋部60の底面と
は直接接合されている。他の構成は第1の実施例と同様
であるのでその説明は省略する。
【0037】本実施例において中空体部65は蓋部60と円
板部材61とから形成され、溶湯ガイド部66は、蓋部60と
円板部材61と羽根板部材63から形成される。
【0038】本実施例によれば円板部材61の基部62の上
面は蓋部60の平坦な底面と対向して接合され、それらの
間には多数の微細な孔部67が形成される。これら微細な
孔部67は中空体部65の内部の空洞と溶湯ガイド部66の通
路66A の入口側とを連通する。従って、本実施例によれ
ば中空体部65の内部の空洞に不活性ガスが送り込まれ、
この中空体部65と溶湯ガイド部66が軸32の中心軸を中心
として回転駆動されると中空体部65より下方の溶湯は第
1の実施例と同様に孔部63A から溶湯ガイド部66に吸い
込まれ、通路66A を経て外方に至る。ここで通路66A の
入口側で孔部67から不活性ガスの微細な泡が噴出してい
るので溶湯はこの通路66A を通過中に強制的に不活性ガ
スの微細な泡を混入される。従って、中空体部65よりも
下方にあった溶湯に含まれていた水素はこの通路66A 内
で除去される。中空体部65よりも上方にある溶湯に含ま
れている水素は、溶湯ガイド部65の通路66A から排出さ
れ以後上昇する不活性ガスの微細な泡により、除去され
る。
【0039】本実施例によれば中空体部65よりも下方に
あった溶湯に含まれていた水素は確実に除去されるので
きわめて水素の除去効率が良い。
【0040】この第3の実施例の変形例を図9に示す。
この図に示すように本変形例では上記第3の実施例にお
ける羽根部64に相当する羽根部68の上部の3箇所が切り
欠かれており、隣接する通路がこの切り欠き部と蓋部60
の底面との間に形成される孔部69を介して連通してい
る。他の構成要素は第3の実施例と同様である。この変
形例によれば溶湯ガイド部65A の各通路を通る溶湯の一
部が隣接する通路にその孔部69を経て移動するようにな
る。このため、この孔部69においてより一層溶湯と不活
性ガスが混ぜ合わされるので更に効率良く水素ガス除去
が行われる。
【0041】尚、上記切り欠き部分は3箇所としたがこ
れは何箇所でも良い。ただし切り欠き部分が多数箇所に
あり、かつ複雑な形状であれば不活性ガスと溶湯がより
混合され、水素の除去効率が良くなる。
【0042】次に第4の実施例を説明する。この実施例
が第3の実施例と異なる点は、図10に示すように円板部
材71の基部72の上面は溝が設けられておらず、蓋部60の
底面と円板部材71の基部72の上面との間に耐熱の多孔性
セラミックを材質とするリング状の多孔体73を設けた点
である。本実施例における中空体部74は蓋部60、多孔体
73および円板部材71から成る。他の構成要素は第3の実
施例と同様である。ここにおいても多孔体73の材質はセ
ラミックとしたが耐熱性のものであれば良く、例えばカ
ーボン、アルミナ、チタンなどでも良い。
【0043】本実施例によれば軸32から中空体部74に与
えられる不活性ガスは多孔体73の中を通って溶湯ガイド
部66の通路66A の入口に放出される。このとき不活性ガ
スは微細な泡となって溶湯中を浮遊する。他の作用は第
3の実施例と同様である。
【0044】本実施例によれば、第2の実施例と同様の
理由により製造が容易である。
【0045】以上の実施例はいずれも中空体部と溶湯ガ
イド部とを回転駆動させることによって溶湯中の水素ガ
スを除去している。しかし一度このような処理を施した
あとは、回転を停止させ不活性ガスの泡のみを放出させ
るだけで十分に効果がある。また溶湯ガイド部と回転駆
動手段が無く、中空体部のみの装置であっても、これに
不活性ガスを供給するようにすれば保持炉のような小容
量の器に収容された溶湯中の水素は十分に除去される。
【0046】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、微細な複
数の気泡が溶湯中に直接放出されるので気泡を回転する
羽根で細かく砕く必要がなくなり、溶湯をかき混ぜる必
要がなくなる。このため溶湯中の水素を除去する際に渦
流が発生することがなくなり、溶湯表面の酸化被膜
(滓)を巻き込むこともなく、管状部周囲から溶湯へ空
気を巻き込むこともない。このためきわめて品質が良い
鋳造物が得られる。
【0047】また気泡を砕く羽根が不要であるので、溶
湯中に浸漬される部分は小型とすることができ、保持炉
にも使用することができる。
【0048】また複数の孔部からガスを放出するので誤
って大きな圧力のガスを供給しても細かい泡となって溶
湯に放出されるので、溶湯表面から溶湯が飛散すること
がなく、安全性が高い。
【0049】また中空体部および溶湯ガイド部を溶湯か
ら引上げたときに誤ってこれらが回転し溶湯が飛散する
という事態にはならず、この点についても安全性が高
い。
【0050】請求項2に係る発明によれば、製造が容易
な脱ガス装置を提供することができる。
【0051】請求項3に係る発明によれば、更に製造が
容易な脱ガス装置を提供することができる。
【0052】請求項4に係る発明によれば、不活性ガス
を放出する孔部よりも下方の溶湯を吸い上げて前記孔部
近傍に放出するので溶湯全体の水素を除去することがで
きる。このとき管状部、中空体部、溶湯ガイド部は一体
となって回転するが、この回転は気泡を細かく砕くため
の回転ではないのできわめて低速である。このため、上
記請求項1の効果と同様の効果も有する。なお本発明で
は回転駆動手段を備えているが、これは高速回転を必要
としないので小型、軽量のもので良く、装置全体として
コンパクト化することができる。
【0053】請求項5に係る発明によれば、請求項4に
係る発明によるよりも一層効率良く溶湯中の水素を除去
することができる。
【0054】請求項6に係る発明によれば、請求項5に
係る発明によるよりも一層効率良く溶湯中の水素を除去
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例の全体構成を示す図。
【図2】図1に示した中空体部と溶湯ガイド部の拡大
図。
【図3】図1に示した中空体部と溶湯ガイド部の組み立
て斜視図。
【図4】図3に示した蓋部の底面図。
【図5】第2の実施例の中空体部と溶湯ガイド部の拡大
図。
【図6】図3に示した多孔体の平面図。
【図7】第3の実施例の特徴的な部分の断面図。
【図8】第3の実施例の特徴的な部分の組み立て図。
【図9】第3の実施例の変形例を説明するための図。
【図10】第4の実施例の特徴的な部分の断面図。
【図11】従来の脱ガス装置を説明するための図。
【符号の説明】
32 軸 33,52,65,74 中空体部 34,66 溶湯ガイド部 17 モータ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶湯中のガスを除去する脱ガス装置にお
    いて、 管状部と、この管状部の一端に設けられ内部に前記管状
    部の内部と連通する空洞を有しこの空洞と外部とを連通
    し前記管状部の内径に対し微細な複数の孔部を有する中
    空体部とを具備することを特徴とする脱ガス装置。
  2. 【請求項2】 中空体部は2つの部分から成りこれらが
    接合する面において一方の面は平面であり、他方の面は
    複数の溝が設けられており、これらが接合されると前記
    複数の溝が複数の孔部となることを特徴とする請求項1
    に記載の脱ガス装置。
  3. 【請求項3】 中空体部の一部はセラミックの多孔体に
    より形成されており、複数の孔部はこの多孔体の孔部で
    あることを特徴とする請求項1に記載の脱ガス装置。
  4. 【請求項4】 管状部をその長手方向を中心軸方向とし
    て回転させる回転駆動手段と、 中空体部の下方にこの中空体部と一体に設けられ、下面
    中央に穴部を有しこの穴部から溶湯を外側方向に向かう
    ように導く複数の通路を有する溶湯ガイド部を具備する
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の脱
    ガス装置。
  5. 【請求項5】 中空体部が有する複数の孔部は中空体部
    の内部の空洞と、溶湯ガイド部の通路の入口側とを連通
    するように設けられていることを特徴とする請求項4記
    載の脱ガス装置。
  6. 【請求項6】 溶湯ガイド部が有する複数の通路の隣接
    する通路同志は通路間に設けられた孔部によって連通し
    ていることを特徴とする請求項5記載の脱ガス装置。
JP13306595A 1995-05-31 1995-05-31 脱ガス装置 Withdrawn JPH08325648A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13306595A JPH08325648A (ja) 1995-05-31 1995-05-31 脱ガス装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13306595A JPH08325648A (ja) 1995-05-31 1995-05-31 脱ガス装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08325648A true JPH08325648A (ja) 1996-12-10

Family

ID=15096021

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13306595A Withdrawn JPH08325648A (ja) 1995-05-31 1995-05-31 脱ガス装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08325648A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007204843A (ja) * 2006-02-06 2007-08-16 Kobe Steel Ltd ガス吹込みノズル装置およびそれを備えたガス吹込み設備
JP2008200739A (ja) * 2007-02-22 2008-09-04 Japan Metals & Chem Co Ltd 金属溶湯脱ガス装置用回転部材、およびこの部材を用いて構成される金属溶湯脱ガス装置
US7669739B2 (en) 2002-12-21 2010-03-02 Foseco International Limited Rotary stirring device for treating molten metal
JP2015183196A (ja) * 2014-03-20 2015-10-22 東京窯業株式会社 気泡の放出分散装置
CN110373553A (zh) * 2019-08-26 2019-10-25 东北大学 一种电渣炉自耗电极防氧化装置及方法
WO2023046701A1 (en) * 2021-09-21 2023-03-30 Foseco International Limited Rotary device for treating molten metal

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7669739B2 (en) 2002-12-21 2010-03-02 Foseco International Limited Rotary stirring device for treating molten metal
JP2007204843A (ja) * 2006-02-06 2007-08-16 Kobe Steel Ltd ガス吹込みノズル装置およびそれを備えたガス吹込み設備
JP2008200739A (ja) * 2007-02-22 2008-09-04 Japan Metals & Chem Co Ltd 金属溶湯脱ガス装置用回転部材、およびこの部材を用いて構成される金属溶湯脱ガス装置
JP2015183196A (ja) * 2014-03-20 2015-10-22 東京窯業株式会社 気泡の放出分散装置
CN110373553A (zh) * 2019-08-26 2019-10-25 东北大学 一种电渣炉自耗电极防氧化装置及方法
WO2023046701A1 (en) * 2021-09-21 2023-03-30 Foseco International Limited Rotary device for treating molten metal

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4214712A (en) Micro-mill-mixer
RU2090635C1 (ru) Устройство для рафинирования расплава алюминия и приспособление для дисперсионной подачи газа в расплав алюминия в устройстве для рафинирования расплава алюминия
JPH0273928A (ja) 溶融金属処理装置および処理方法
JPH10264042A (ja) 研磨ディスク
JPS61502662A (ja) 繊維の懸濁液からガスを分離する装置
JPH08325648A (ja) 脱ガス装置
JP2766637B2 (ja) 渦巻きポンプ
US6984200B2 (en) Centrifugal separator for separating solid contaminants from a liquid, rotor for use therein and method of separating contaminants from liquids
JPS5888020A (ja) 気液接触装置
JP3520286B2 (ja) 金属溶湯処理用回転式処浬ガス拡散装置
EP0147450B1 (en) Outlet arrangement for a centrifugal separator
KR0178136B1 (ko) 용융금속중의 수소가스 및 비금속개재물 제거장치
CN211748827U (zh) 一种压力锅及其压力释放装置
CN211748826U (zh) 一种压力锅及其压力释放装置
CN212394573U (zh) 一种离心叶轮、压力释放装置及压力锅
JPH0768591B2 (ja) 液体中への気泡放出、分散装置
JP2011161430A (ja) マイクロバブル発生装置
CN211748807U (zh) 一种压力锅及其压力释放装置
RU2087206C1 (ru) Циклон
JP2021090972A5 (ja)
JPS6033489B2 (ja) 調理機
JPH07332871A (ja) 溶融金属脱ガス装置
JPH10175137A (ja) 動圧スピンドル装置
JPH04308047A (ja) 液体中への気泡放出、分散装置
CA2034918A1 (en) Rotational member of a centrifuge

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20020806