JPH08325509A - 金属被覆用熱硬化型水性組成物 - Google Patents

金属被覆用熱硬化型水性組成物

Info

Publication number
JPH08325509A
JPH08325509A JP7214896A JP7214896A JPH08325509A JP H08325509 A JPH08325509 A JP H08325509A JP 7214896 A JP7214896 A JP 7214896A JP 7214896 A JP7214896 A JP 7214896A JP H08325509 A JPH08325509 A JP H08325509A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
resin
water
parts
various
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7214896A
Other languages
English (en)
Inventor
Masanori Iwahashi
正典 岩橋
Yuichiro Moriki
雄一郎 森木
Kiyoshi Onishi
清 大西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority to JP7214896A priority Critical patent/JPH08325509A/ja
Publication of JPH08325509A publication Critical patent/JPH08325509A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Epoxy Resins (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 とりわけ、貯蔵安定性や塗装性などが良好で
あって、しかも、耐水性、耐食性、密着性、硬度ならび
に加工性などの諸性能が、就中、此の密着性が悪いと言
われている金属上に対してさえも、叙上のような優秀な
る諸性能が発現されるという、加えて、光沢や透明性な
どにも優れた塗膜を与え得るという、極めて実用性の高
い金属被覆用熱硬化型水性組成物を提供するにある。 【解決手段】 特定のカルボン酸と、隣原子に結合した
水酸基を有する化合物と、エポキシ樹脂とを反応せしめ
て得られる変性エポキシ樹脂と、水溶性ないしは水分散
性樹脂とを含有することから成る形の熱硬化型水性組成
物を用いるということによって始めて、叙上のような効
果を最大限に発現する処となった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規にして有用なる金
属被覆用熱硬化型水性組成物に関する。さらに詳細に
は、本発明は、特定のカルボン酸成分と、一分子中に少
なくとも2個の、燐原子に結合した水酸基を有する化合
物と、エポキシ樹脂とを反応させて得られるという、特
定の変性エポキシ樹脂と;水溶性ないしは水分散性の樹
脂と;硬化剤とを、必須の皮膜形成成分として含有する
ことから成る、
【0002】とりわけ、耐水性、耐食性、密着性、硬度
ならびに加工性などの諸性能に優れるという、就中、此
の密着性が悪いと言われている金属上に対してさえも、
叙上のような優秀なる諸性能が発現されるという、さら
には、光沢ならびに透明性などにも優れるという、加え
て、貯蔵安定性や塗装性などにも優れるという、極めて
実用性の高い塗膜を与え得る金属被覆用熱硬化型水性組
成物に関する。
【0003】
【従来の技術】近年、塗料業界においては、大気汚染の
防止、省資源ならびに危険物対策などの問題を解決する
ためにも、水性塗料の開発が求められるようになり、塗
料用樹脂の水性化という大きな課題が、否応なしに、提
起される処となって来ている。
【0004】ところで、水溶性ないしは水分散性の、ア
ルキド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂またはア
ミノ樹脂などの使用により、耐食性ならびに耐水性など
を有する塗膜の検討が為されてこそ来てはいるものの、
依然として、満足し得るほどの、充分なる耐食性ならび
に耐水性などを有するものは、得られていないというの
が実状である。
【0005】その後には、これらの諸性能に優れるよう
な水性樹脂として、燐酸化エポキシ樹脂が知られるに到
って、当塗料樹脂業界も、少なからず、進展したという
感はある。
【0006】しかしながら、かかる燐酸化エポキシ樹脂
と;他の水溶性ないしは水分散性の樹脂と;硬化剤とを
併用しようとすると、どうしても、塗膜の光沢や透明性
などが悪くなるという処から、さらには、斯かる併用系
の組成物を顔料分散化せしめるということになると、塗
膜の光沢が悪くなるのに加えて、塗装性なども悪くなる
という処から、こうした諸性能が要求されるような用途
には、不向きであるということは否めない。
【0007】加えて、貯蔵安定性も悪く、したがって、
これらの悉くの性能が、いわゆるネックとなって、実用
上の障壁ともなり、ひいては、実用化が果たされ得ない
侭にある、というのが実状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、本発明者ら
は、上述した従来型技術における種々の欠点の存在に鑑
み、耐水性、耐食性、密着性、硬度ならびに加工性など
の諸性能は勿論のこと、とりわけ、密着性が悪いと言わ
れている金属上に対してさえも、叙上のような優秀なる
諸性能が発現されるという、また、貯蔵安定性や塗装性
なども良好であって、しかも、光沢や透明性などにも優
れた塗膜を与え得るという、極めて実用性の高い金属被
覆用熱硬化型水性組成物を求めて、鋭意、研究を開始し
た。
【0009】したがって、本発明が解決しようとする課
題は、一にかかって、とりわけ、貯蔵安定性や塗装性な
どが良好であって、しかも、耐水性、耐食性、密着性、
硬度ならびに加工性などの諸性能が、就中、此の密着性
が悪いと言われている金属上に対してさえも、叙上のよ
うな優秀なる諸性能が発現されるという、加えて、光沢
や透明性などにも優れた塗膜を与え得るという、極めて
実用性の高い金属被覆用熱硬化型水性組成物を提供する
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上述した、発明が解決しようとする課題に照準を合わせ
て、鋭意、検討を重ねた結果、まず、種々の方向からの
原因の究明により、こうした上述の諸欠点、とりわけ、
貯蔵安定性、塗装性、塗膜の光沢ならびに透明性などの
ような諸性能が悪くなるという欠点は、燐酸化エポキシ
樹脂が、他の水溶性ないしは水分散性の樹脂や硬化剤と
相溶し得る範囲が狭い、という処から来ていることを突
き止めるに到った。
【0011】すなわち、少なくとも、こうした上述の諸
性能、つまり、耐水性、耐食性、密着性、硬度ならびに
加工性などが、就中、此の密着性が悪いと言われている
金属上での諸性能を向上化せしめるに必要な配合量で
は、どうしても、此の相溶性が悪く、とりわけ、貯蔵安
定性および塗装性ならびに塗膜の光沢および透明性など
が問題となったのである。
【0012】かかる原因究明から出発し、引き続いて、
特定のカルボン酸成分と、一分子中に少なくとも2個
の、燐原子に結合した水酸基を有する化合物と、エポキ
シ樹脂とを反応させて得られるという、特定の変性エポ
キシ樹脂と;水溶性ないしは水分散性の樹脂と;硬化剤
とから構成されるような、斬新なる形の金属被覆用熱硬
化型水性組成物が、とりわけ、貯蔵安定性や塗装性など
が良好であるという、さらには、耐水性、耐食性、密着
性、硬度ならびに加工性などが、就中、此の密着性が悪
いと言われている金属上においてさえも、叙上のような
優秀なる諸性能が得られるという、加えて、塗膜の光沢
ならびに透明性なども、悉く、満足し得るということを
見出すに及んで、ここに、本発明を完成させるに到っ
た。
【0013】すなわち、本発明は、上述したような問題
点ないしは課題を解決するために為されたものであり、
その目的とする処は、とりわけ、塗膜の耐水性、耐食
性、密着性、硬度ならびに加工性などが、就中、此の密
着性が悪いと言われている金属上に対してさえも、叙上
のような優秀なる諸性能が発現されるという、加えて、
光沢ならびに透明性などにも優れた塗膜を与え得るとい
う、就中、高度なる耐水性および耐食性などを有すると
いうものであって、
【0014】しかも、主として、金属被覆用水性塗料な
どとしての用途にも有用なる、とりわけ、優れた塗装性
および貯蔵安定性、ならびに塗膜の光沢および透明性な
どをも有するという、極めて実用性の高い金属被覆用熱
硬化型水性組成物を提供しようとするものである。
【0015】つまり、本発明は、基本的には、それぞ
れ、飽和カルボン酸またはその誘導体;エチレン性不飽
和カルボン酸またはその誘導体;芳香環を有するカルボ
ン酸またはその誘導体;ならびにオキシカルボン酸また
はその誘導体よりなる群から選ばれる、少なくとも1種
のカルボン酸と、一分子中に少なくとも2個の、燐原子
に結合した水酸基を有する化合物と、エポキシ樹脂とを
反応せしめて得られる変性エポキシ樹脂(a)と、
【0016】該変性エポキシ樹脂(a)を除いた、水溶
性ないしは水分散性の樹脂(b)と、アミノプラスト樹
脂;フェノプラスト樹脂およびブロック・イソシアネー
ト樹脂よりなる群から選ばれる、少なくとも1種の硬化
剤(c)とを、必須の皮膜形成成分として、含有するこ
とから成るか、
【0017】あるいはこれらの、それぞれ、上記した特
定の変性エポキシ樹脂(a)と、上記した特定の、水溶
性ないしは水分散性の樹脂(b)と、上記した特定の硬
化剤(c)とを、必須の皮膜形成成分として、含有する
ことから成り、さらに、顔料(d)をも含有することか
ら成る、とりわけ、貯蔵安定性ならびに塗装性が良好で
あり、
【0018】しかも、耐水性、耐食性、密着性、硬度な
らびに加工性などが、就中、此の密着性が悪いと言われ
ている金属上であっても、優れた諸性能が得られるよう
な、高度な耐水性および耐食性などを有する、加えて、
塗膜の光沢ならびに透明性などにも優れるという、極め
て実用性の高い塗膜を与え得る金属被覆用熱硬化型水性
組成物を提供しようとするものである。
【0019】ここにおいて、本発明に係る金属被覆用熱
硬化型水性組成物を構成する、第一成分とも言うべき、
前記したエポキシ樹脂として特に代表的なもののみを例
示するにとどめれば、エチレングリコール、プロピレン
グリコール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、
ペンタエリトリトール、グリセリン、ジグリセリン、ソ
ルビトール、スピログリコールもしくは水添ビスフェノ
ールAの如き、各種の脂肪族ポリオールジグリシジルエ
ーテル型エポキシ樹脂;
【0020】カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノ
ン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノ
ールSもしくはビスフェノールADの如き、各種の芳香
族系ポリヒドロキシ化合物のポリ(メチル)グリシジル
エーテル型エポキシ樹脂;または芳香族系ポリヒドロキ
シ化合物のエチレンオキシドもしくはプロピレンオキシ
ド付加体の如き、各種のポリオール類のジグリシジルエ
ーテル型エポキシ樹脂;
【0021】ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコールもしくはポリテトラメチレングリコールの如
き、各種のポリエーテルポリオールのポリグリシジルエ
ーテル型エポキシ樹脂;またはビス(3,4−エポキシ
シクロヘキシルメチル)アジペートもしくは3,4−エ
ポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシ
クロヘキシルカルボキシレートの如き、各種の環状脂肪
族型(脂環式型)ポリエポキシ樹脂;
【0022】プロパントリカルボン酸、ブタンテトラカ
ルボン酸、アジピン酸、フタル酸、テレフタル酸もしく
はトリメリット酸の如き、各種の脂肪族ないしは芳香族
ポリカルボン酸のポリグリシジルエステル型エポキシ樹
脂;またはブタジエン、ヘキサジエン、オクタジエン、
ドデカジエン、シクロオクタジエン、α−ピネンもしく
はビニルシクロヘキセンの如き、各種の炭化水素系ジエ
ンのビスエポキシ樹脂;
【0023】ポリブタジエンもしくはポリイソプレンの
如き、各種のジエンポリマーのエポキシ樹脂;あるいは
テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、テトラグ
リシジルビスアミノメチルシクロヘキサン、ジグリシジ
ルアニリンもしくはテトラグリシジルメタキシリレンジ
アミンの如き、各種のグリシジルアミン型エポキシ樹脂
などをはじめ;さらには、トリアジンもしくはヒダント
インの如き、各種の複素環を含有するエポキシ樹脂など
である。
【0024】さらに、これらのエポキシ樹脂として、一
般に市販されているものを例示することにするならば、
ビスフェノールAより誘導される、種々のエポキシ樹脂
などであり、それらのうちでも特に代表的なもののみを
例示するにとどめれば、「エピクロン 850、86
0、1050、1055、2055、3050もしくは
4050」[大日本インキ化学工業(株)製の商品名]
などををはじめ、
【0025】さらには、「エピコート 828、83
4、1001、1002、1004もしくは1007」
(スイス国シェル社製の商品名)などであるが、これら
のものは、いずれも、単独使用でも2種以上の併用でも
よいことは、勿論である。
【0026】また、前記したカルボン酸成分のうちの、
まず、飽和カルボン酸またはその誘導体として特に代表
的なもののみを例示するにとどめれば、ギ酸(蟻酸)、
酢酸、グリオキシル酸、プロピオン酸、メトキシ酢酸ま
たはピルビン酸、
【0027】あるいはピバリン酸、エナント酸、ペラル
ゴン酸、デカン酸またはバーサチック酸(バーサティッ
ク酸)などのような、各種の脂肪族モノカルボン酸類な
どである。
【0028】あるいはまた、シクロプロパンカルボン
酸、シクロブタンカルボン酸、2−メチルシクロプロパ
ンカルボン酸、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキ
サンカルボン酸、シクロペンチル酢酸またはシクロヘプ
タンカルボン酸、
【0029】さらには、シクロヘキサンプロピオン酸、
シクロヘキサン酪酸、3−メチル−1−アダマンタン酢
酸または1,3−アダマンタン二酢酸などのような、各
種の脂環式モノカルボン酸類などあり、さらにはまた、
上掲したような各種の化合物の種々の誘導体などであ
る。
【0030】また、前記した飽和カルボン酸またはその
誘導体のうちでも、飽和ジカルボン酸またはその誘導体
として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、
シュウ酸(蓚酸)、マロン酸、メチルマロン酸(無水
物)、ジグリコール酸(無水物)、(無水)コハク酸、
2−オキソグルタル酸、3−オキソグルタル酸、(無
水)グルタル酸、
【0031】ジメチルコハク酸(無水物)、3−オキサ
アジピン酸、アジピン酸、ジメチルグルタル酸(無水
物)、3−メチルアジピン酸、ピメリン酸、スベリン
酸、ジアセチル酒石酸(無水物)、アゼライン酸または
セバシン酸などのような、各種の脂肪族ジカルボン酸類
またはそれらの誘導体などをはじめ、
【0032】さらには、1,1−シクロプロパンジカル
ボン酸、1,1−シクロブタンジカルボン酸、1,2−
シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサン
ジカルボン酸(無水物)、1,4−シクロヘキサンジカ
ルボン酸またはメチル−1,2−シクロヘキサンジカル
ボン酸(無水物)、
【0033】あるいは4−メチル−1,2−シクロヘキ
サンジカルボン酸(無水物)、1,1−シクロヘキサン
二酢酸またはビシクロ[2.2.2]オクタンジカルボ
ン酸(無水物)などのような、各種の脂環式ジカルボン
酸類またはそれらの誘導体などである。
【0034】さらに、飽和ポリカルボン酸またはその誘
導体として特に代表的なもののみを例示するにとどめれ
ば、1,2,3−プロパントリカルボン酸またはβ−メ
チルトリカルバリル酸などであり、あるいは以上のよう
な各種の化合物の種々の誘導体などである。
【0035】次いで、前記したエチレン性不飽和カルボ
ン酸として特に代表的なもののみを例示するにとどめれ
ば、アクリル酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、クロトン
酸、チグリン酸、3,3−ジメチルアクリル酸またはペ
ンテン酸、
【0036】あるいはソルビン酸、フリルアクリル酸、
6−ヘプテン酸、ペニシリン酸、2−オクテン酸、2−
ノネン酸またはカプロレイン酸などのような、各種のエ
チレン性不飽和モノカルボン酸類などであり、あるいは
以上のような各種の化合物の種々の誘導体などである。
【0037】次いでまた、前記したエチレン性不飽和カ
ルボン酸のうちでも、エチレン性不飽和ジカルボン酸ま
たはその誘導体として特に代表的なもののみを例示する
にとどめれば、(無水)イタコン酸、(無水)マレイン
酸、フマル酸、メサコン酸、グルタコン酸、(無水)シ
トラコン酸、
【0038】3−メチレンシクロプロパン−1,2−ジ
カルボン酸、ムコン酸、2,3−ジメチルマレイン酸
(無水物)、1−シクロペンテン−1,2−ジカルボン
酸、テトラヒドロフタル酸(無水物)、3,6−エポキ
シ−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸(無水
物)、4−メチルテトラヒドロフタル酸(無水物)、
【0039】5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸
(無水物)、ビシクロ[2.2.2]オクト−5−エン
−2,3−ジカルボン酸(無水物)、4−オクテン−
1,8−ジカルボン酸またはトラウマト酸などのよう
な、各種の化合物などであり、あるいは上掲したような
各種の化合物の種々の誘導体などである。
【0040】さらにはまた、エチレン性不飽和ポリカル
ボン酸またはその誘導体として特に代表的なもののみを
例示するにとどめれば、アコニット酸などであり、ある
いは上掲したような各種の化合物の種々の誘導体などで
ある。
【0041】続いて、前記した芳香環を有するカルボン
酸またはその誘導体として特に代表的なもののみを例示
するにとどめれば、安息香酸、ベンゾイルギ酸、トルイ
ル酸、アニス酸、アセチル安息香酸、ジメチル安息香
酸、ヒドロけい皮酸、トリル酢酸、クミン酸、2,4,
6−トリメチル安息香酸、クマリン−3−カルボン酸、
【0042】2−フェニルグルタル酸(無水物)、4−
ベンゾイル酪酸、p−tert−ブチル安息香酸、3,
4,5−トリメトキシけい皮酸(桂皮酸)、ビフェニル
カルボン酸、フェノキシ安息香酸、ベンゾイル安息香
酸、ジフェニル酢酸、フェニルけい皮酸またはジフェニ
ルプロピオン酸などで以て代表されるような、種々のモ
ノカルボン酸類である。
【0043】さらには、前記した芳香環を有するカルボ
ン酸またはその誘導体のうちでも、ジカルボン酸または
その誘導体として特に代表的なもののみを例示するにと
どめれば、(無水)フタル酸、イソフタル酸、テレフタ
ル酸、4−メチルフタル酸(無水物)、ホモフタル酸
(無水物)、カルボキシフェノキシ酢酸、フェニルマロ
ン酸、フェニレン二酢酸、フェニルコハク酸、ベンジル
マロン酸またはカルボキシけい皮酸(桂皮酸)などであ
り、
【0044】さらにはまた、5−tert−ブチルイソ
フタル酸、ジフェン酸またはベンゾフェノン−4,4−
ジカルボン酸などである。
【0045】また、芳香環を有するポリカルボン酸また
はその誘導体として特に代表的なもののみを例示するに
とどめれば、トリメリット酸(無水物)またはピロメリ
ット酸(無水物)などである。
【0046】さらに続いて、前記したオキシカルボン酸
として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、
グリコール酸、乳酸、グリセリン酸、3−ヒドロキシプ
ロピオン酸、ヒドロキシピルビン酸、1−ヒドロキシ−
1−シクロプロパンカルボン酸、2−ヒドロキシイソ酪
酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、2−ヒドロキ
シイソ吉草酸またはヒドロキシピバリン酸、
【0047】ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、
コメン酸、2−ヒドロキシカプロン酸、メバロン酸、グ
ルコン酸、メコン酸、サリチル酸、p−ヒドロキシ安息
香酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、トリヒドロキシ
安息香酸、レソルシル酸、ゲンチシン酸、プロトカテキ
ュ酸、ヘキサヒドロサリチル酸、シキミ酸、バニリン
酸、イソバニリン酸、ヒドロキシ−o−トルイル酸また
はヒドロキシ−m−トルイル酸、
【0048】ヒドロキシ−p−トルイル酸、ヒドロキシ
フェニル酢酸、マンデル酸、ホモゲンチシン酸、ジヒド
ロキシマンデル酸、ヒドロキシオクタン酸、o−オルセ
リン酸、p−ヒドロキシフェニルピルビン酸、ヒドロク
マル酸、メリロット酸、フロレチン酸、ヒドロキシノナ
ン酸、カフェイン酸、ヒドロキシけい皮酸、ヒドロキシ
ヒドロけい皮酸、バニリルマンデル酸、シリンガ酸、ホ
モバニリン酸、アトロラクチン酸、トロパ酸または2−
ヒドロキシデカン酸、
【0049】あるいはヘスペリチン酸、フェルラ酸、ヒ
ドロキシデカン酸、10−ヒドロキシ−2−デセン酸、
3−イソプロピルサリチル酸、ロイヤルジェリー酸、o
−チモチン酸、カルバクロチン酸、ヒドロキシ−1−ナ
フトエ酸、ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ジヒドロキシ
ナフトエ酸、ベンジル酸、ヒドロキシステアリン酸、フ
ロイオノル酸、ロイコトリエンB4 、α−ヒオデオキシ
コール酸、ケノデオキシコール酸、ウルソデオキシコー
ル酸、デオキシコール酸、ヒオコール酸またはアザフリ
ンなどのような、各種のオキシモノカルボン酸類や、
【0050】(無水)タルトロン酸、ジヒドロキシマロ
ン酸、リンゴ酸、酒石酸、オキサロ酢酸、2,3−ジヒ
ドロキシコハク酸、テトラヒドロキシコハク酸、ジヒド
ロキシフマル酸、シトラマル酸、3−ヒドロキシグルタ
ル酸、ガラクタル酸、ジクロタリン酸、2−ヒドロキシ
−2−イソプロピルコハク酸、ヒドロキシフタル酸(無
水物)、ヒドロキシイソフタル酸、2−ヒドロキシテレ
フタル酸またはエチル(2−ヒドロキシ−3−ブテニ
ル)−マロン酸、
【0051】2−(ヒドロキシメチル)−3−イソブチ
ル−コハク酸、3−ヒドロキシ−5−メチル−4−シク
ロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、4−ヒドロキシ−
1,3−ジメチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン
酸、5−(2−ヒドロキシエチル)−ベンゼンジカルボ
ン酸、2,5−ジヒドロキシ−1,4−ベンゼン二酢
酸、フロイオン酸またはクエン酸などような、各種のオ
キシポリカルボン酸類あるいはそれらの種々の誘導体な
どである。
【0052】また、前記した、一分子中に少なくとも2
個の、燐原子に結合した水酸基を有する化合物として特
に代表的なもののみを例示するにとどめれば、五酸化二
燐を水和せしめることによって得られる、それぞれ、オ
ルト燐酸、メタ燐酸、ピロ燐酸、三燐酸または四燐酸な
どのような、種々の燐酸化合物に加えて、亜燐酸または
次亜燐酸などである。
【0053】さらには、燐酸モノエステルもまた使用し
得るが、それらのうちでも特に代表的なもののみを例示
するにとどめれば、モノメチルホスフェート、モノエチ
ルホスフェート、モノブチルホスフェートまたはモノプ
ロピルホスフェートなどであって、これらは、単独使用
でも2種以上の併用でもよいことは、勿論である。
【0054】本発明において使用される、前記した変性
エポキシ樹脂(a)を得るには、たとえば、前掲したよ
うなエポキシ樹脂中に存在するエポキシ基の1.0モル
に対し、それぞれ、前掲したようなカルボン酸中のカル
ボキシル基が約0.1〜約0.9モルとなるような割合
で以て、しかも、一分子中に少なくとも2個の、燐原子
に結合した水酸基を有する化合物が約0.1〜約0.9
モルとなるような割合で以て、これらの各原料成分を反
応せしめるようにすればよい。
【0055】当該(a)成分を調製するためには、
(1) 全成分を一括仕込みして反応せしめるという方
法であるとか、 (2) 予め、前記エポキシ樹脂と、前
記カルボン酸とを反応せしめ、次いで、一分子中に少な
くとも2個の、燐原子に結合した水酸基を有する化合物
を反応せしめるという方法であるとか、
【0056】あるいは (3) 予め、前記エポキシ樹脂
と、一分子中に少なくとも2個の、燐原子に結合した水
酸基を有する化合物とを反応せしめ、次いで、前記カル
ボン酸を反応せしめるという方法などが適用できるけれ
ども、これらのうちでも、効果上の面からは、上記
(2)なる方法によるのが、特に望ましい。
【0057】また、これらの諸々の反応は、無溶媒で以
て、あるいは有機溶媒中で以て行ない、必要に応じて、
アミン化合物のような、種々の触媒を使用してもよいこ
とは、勿論である。
【0058】こうした、必要により使用される触媒とし
て特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、ジメ
チルアミン、トリエチルアミンもしくはジメチルベンジ
ルアミンなどのような、種々の有機アミン類またはそれ
らの無機酸ないしは有機酸塩類をはじめ、さらには、三
フッ化ホウ素、塩化リチウム、塩化錫、臭化リチウムま
たは臭化錫などのような、種々のハロゲン化金属類;
【0059】塩化水素、臭化水素の如き、各種のハロゲ
ン化水素類;水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどの
ような、種々の金属水酸化物;2−メチルイミダゾー
ル、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニ
ルイミダゾールの如き、各種のイミダゾール類またはそ
れらの無機物ないしは有機物などのような、種々の付加
物類;あるいはトリフェニルホスフィン、トリフェニル
アンチモンなどであるが、これらは、単独使用でも2種
以上の併用でもよいことは、勿論である。
【0060】このようにして得られる、当該変性エポキ
シ樹脂(a)の酸価が、大約150mgKOH/gより
も大きい場合には、どうしても、塗膜の耐水性などが低
下するようになり易い処からも、大約150mgKOH
/g未満であることが好ましい。より好ましくは、5〜
75mgKOH/gなる範囲内が適切である。
【0061】また、塗料配合に際して、この変性エポキ
シ樹脂(a)を、必ずしも、水性化せしめる必要はない
けれども、組み合わせるべき水溶性ないしは水分散性の
樹脂(b)と;硬化剤(c)との組成ならびに配合量の
如何によっては、水性化したのちにおいて、混合せしめ
るというようにした方がよい場合もある。
【0062】水性化するに当たっては、樹脂中の酸基
を、アンモニアまたは有機アミンなどのような、種々の
揮発性塩基で以て、完全中和ないしは部分中和せしめる
ことによって、水に、あるいは此の水と水可溶性溶媒と
の混合物に溶解ないしは分散化せしめるというようにす
ればよい。
【0063】斯かる中和に使用される有機アミンとして
特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、モノメ
チルアミン、ジメチルアミン、モノエチルアミン、ジエ
チルアミンまたはトリエチルアミンなどに代表されるよ
うな、種々のアルキルアミン類;
【0064】N−メチルアミノエタノール、N,N−ジ
メチルアミノエタノール、N,N−ジエチルアミノエタ
ノール、2−アミノ−2−メチルプロパノール、ジエタ
ノールアミンまたはトリエタノールアミンなどに代表さ
れるような、種々のヒドロキシルアミン類;
【0065】あるいはエチレンジアミンまたはジエチレ
ントリアミンなどによって代表されるような、種々の多
価アミン類などであるが、これらは、単独使用でも2種
以上の併用でもよいことは、勿論である。
【0066】さらに、前記した水可溶性溶媒として特に
代表的なもののみを例示するにとどめれば、ジメチルケ
トン、メチルエチルケトンまたはジアセトンアルコール
などのような、種々のケトン類;
【0067】エチレングリコールモノメチルエーテル、
エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコ
ールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチル
エーテル、エチレングリコールモノ(イソ)プロピルエ
ーテル、エチレングリコールモノ(イソ)ブチルエーテ
ル、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテ
ル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エ
チレングリコールモノヘキシルエーテル、1,3−ブチ
レングリコール−3−モノメチルエーテル、3−メチル
−3−メトキシブタノール、
【0068】ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレ
ングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコー
ルジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチル
エーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、
プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレン
グリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコール
モノメチルエーテルまたはジプロピレングリコールジメ
チルエーテルの如き、各種のエーテルアルコール類ない
しはエーテル類;
【0069】エチレングリコールモノメチルエーテルア
セテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセ
テートまたは1−メトキシ−2−プロピルアセテートの
如き、各種のエステル類ないしはエーテルエステル類な
どであるとか、
【0070】さらには、メチルアルコール、エチルアル
コール、ノルマルプロパノール、2−プロパノール、s
ec−ブタノール、tert−ブタノールまたはフルフ
リルアルコールなどのような、種々のアルコール類であ
るが、これらは、単独使用でも2種以上の併用でもよい
ことは、勿論である。
【0071】さらに、組み合わせるべき水溶性ないしは
水分散性の樹脂(b)と;硬化剤(c)との組成ならび
に配合量の如何によっては、水と、前掲した水可溶性溶
媒と、その他の水難溶性溶媒ないしは水不溶性溶媒と
を、混合した形で以て溶解ないしは分散化せしめるよう
にした方がよい場合もあるので、特に注意を要する。
【0072】斯かる、その他の水難溶性溶媒ないしは水
不溶性溶媒として特に代表的なもののみを例示するにと
どめれば、メチルイソブチルケトン、2,6−ジメチル
−4−ヘプタノン、2−オクタノン、メチルアミルケト
ン、シクロヘキサノンまたは3,5,5−トリメチル−
2−シクロヘキセン−1−オンなどのような、種々のケ
トン類;
【0073】ノルマルブチルアルコール(n−ブチルア
ルコール)、イソブタノール、1−ペンタノール、イソ
アミルアルコール、2−エチルヘキサノール、4−メチ
ル−2−プロパノール、ベンジルアルコールまたはフル
フリルアルコールなどのような、種々のアルコール類;
【0074】酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピ
ル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチ
ル、酢酸イソアミル、エチレングリコールモノブチルエ
ーテルアセテート、メチル−1,3−ブチレングリコー
ルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテ
ルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテ
ート、3−エトキシプロピオン酸エチル、
【0075】プロピレングリコールモノメチルエーテル
アセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノ(イソ)プロピルエーテ
ル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリ
プロピレングリコールモノブチルエーテルまたはプロピ
レングリコールフェニルエーテルの如き、各種のエステ
ル類、エーテル類およびエーテルエステル類;
【0076】トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n
−ヘキサン、オクタン、ミネラルスピリットまたは石油
系混合溶剤の如き、種々の炭化水素類などである。
【0077】また、本発明において用いられる、前記し
た、水溶性ないしは水分散性の樹脂(b)としては、公
知慣用の種々のものが使用可能であるけれども、それら
のうちでも特に代表的なもののみを例示するにとどめれ
ば、水性アクリル樹脂、水性ポリエステル樹脂、水性ア
ルキド樹脂または水性ポリウレタン樹脂などである。
【0078】こうした各種の、いわゆる水性樹脂は、本
発明に係る金属被覆用熱硬化型水性組成物の使用目的な
らびに要求性能などに応じて、適宜、選択して使用する
ことが出来るのは、勿論である。
【0079】上掲したような、各種の水溶性ないしは水
分散性の樹脂(b)のうちの、水性アクリル樹脂の特に
代表的なものとしては、側鎖に、カルボキシル基、カル
ボン酸塩基、スルホン酸基、スルホン酸塩基またはポリ
エーテル基などの親水性基を有しているものを、さらに
好ましくは、水酸基などのような、いわゆる架橋用の官
能基をも有しているという形のものを挙げることが出来
る。
【0080】該親水性基のうちの、カルボキシル基また
はカルボキシレート基を、主たる親水性基として有して
いるものの使用が、特に望ましい。
【0081】斯かる水性アクリル樹脂として特に代表的
なるもののみを例示するにとどめれば、カルボキシル基
含有ビニルモノマーと、架橋用の官能基含有ビニルモノ
マーと、これらと共重合可能なる他のビニルモノマーと
からなるモノマー混合物を、有機溶媒中で以てラジカル
重合せしめることにより、通常、数平均分子量で以て、
大約1,000〜大約30,000なる範囲内の共重合
体を得、
【0082】次いで、かくして得られる共重合体溶液か
ら、必要により、余剰の有機溶媒を減圧溜去したのち
に、アンモニアまたは前掲したような種々の有機アミン
などのような揮発性塩基で以て、カルボキシル基を、完
全中和ないしは部分中和し、水に、あるいは水と前掲し
たような水可溶性溶媒との混合物に溶解ないしは分散化
せしめるということによって得られるような形のもので
ある。
【0083】また、上述のようにして調製される、有機
溶媒を含有する水性アクリル樹脂、つまり、水性アクリ
ル樹脂溶液から、有機溶媒を、水と共に減圧溜去せしめ
るという方法によって、有機溶媒含有量の低い水性アク
リル樹脂を得ることも出来ることは、勿論である。
【0084】ここにおいて、前記した架橋用の官能基と
は、熱硬化用の官能基として用いる場合に、後述するよ
うな、アミノプラスト樹脂、フェノプラスト樹脂ないし
はブロック・イソシアネート樹脂またはポリカルボン酸
などのような、一般的には、いわゆる架橋剤成分と組み
合わせ得る、該架橋剤成分と反応し得る官能基を指称す
るものである。
【0085】当該水性アクリル樹脂を調製するに際して
使用される、カルボキシル基含有ビニルモノマーのうち
でも特に代表的なものとしては、アクリル酸、メタクリ
ル酸、マレイン酸またはフマル酸などが挙げられるが、
就中、アクリル酸またはメタクリル酸などの使用が望ま
しい。
【0086】こうしたカルボキシル基含有ビニルモノマ
ーの使用量としては、モノマー合計量の大約1〜大約2
5重量%なる範囲内とするのが、好ましくは、2〜20
重量%なる範囲内とするのが、適切である。
【0087】架橋用の官能基含有ビニルモノマーのうち
の、まず、水酸基含有ビニルモノマーとして特に代表的
なもののみを例示するにとどめれば、2−ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)
アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレー
トまたはヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレートなど
であるが、該水酸基含有ビニルモノマーの使用量として
は、大約1〜大約40重量%なる範囲内が適切である。
【0088】さらに、上記した、それぞれ、カルボキシ
ル基含有ビニルモノマーと、架橋用の官能基含有ビニル
モノマーとの、これらの両ビニルモノマーと共重合可能
なる他のビニルモノマーとして特に代表的なもののみを
例示するにとどめれば、メチル(メタ)アクリレート、
エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アク
リレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert
−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレー
ト、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル
(メタ)アクリレートもしくはベンジル(メタ)アクリ
レートの如き、各種の(メタ)アクリル酸エステル類;
【0089】N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミ
ド、N−イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミドも
しくはN−n−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド
の如き、各種のN−アルコキシアルキル置換アミド含有
ビニルモノマー類;またはスチレン、ビニルトルエンも
しくはα−メチルスチレンの如き、各種の芳香族ビニル
モノマー類;
【0090】あるいはマレイン酸ジメチル、マレイン酸
ジブチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジブチル、イタ
コン酸ジメチルもしくはイタコン酸ジブチルの如き、各
種の不飽和二塩基酸のジアルキルエステル類;または酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニルもし
くはバーサチック酸ビニル(バーサティック酸ビニル)
の如き、各種のカルボン酸ビニルエステル類などであ
る。
【0091】斯かる水性アクリル樹脂として、一般に市
販されているもののうちでも特に代表的なもののみを例
示するにとどめれば、「ウォーターゾール S−75
1」[大日本インキ化学工業(株)製の商品名]などの
ような、種々の水溶性アクリル樹脂;
【0092】「ウォーターゾール S−709」(同上
社製の商品名)などのような、種々の水分散性アクリル
樹脂などであるが、これらは、単独使用でも2種以上の
併用でもよいことは、勿論である。
【0093】次いで、前述したような、(b)成分のう
ちの、水性ポリエステル樹脂ないしは水性アルキド樹脂
の特に代表的なものとしては、とりわけ、その樹脂中
に、カルボキシル基、カルボン酸塩基、水酸基、スルホ
ン酸基、スルホン酸塩基またはポリエーテル基などのよ
うな、各種の親水性基を導入せしめた形のものを挙げる
ことが出来る。
【0094】斯かる水性ポリエステル樹脂として特に代
表的なるもののみを例示するにとどめれば、ポリオール
と、ポリカルボン酸(無水物)とを加熱溶融し、大約1
60〜大約270℃なる反応温度で以て、反応物の酸価
が、通常、大約1〜大約80mgKOH/gという範囲
内となるまで、必要により、減圧下で、脱水縮合せし
め、数平均分子量で以て、大約500〜大約25,00
0なる程度の脱水縮合物を得たのちに、
【0095】アンモニアなどをはじめとして、前掲した
ような各種の有機アミンなどによって代表される部類
の、いわゆる揮発性塩基で以て、カルボキシル基を、完
全中和ないしは部分中和し、水に、あるいは此の水と前
掲したような水可溶性溶媒との混合物に溶解ないしは分
散化せしめるということによって得られるような形のも
のである。
【0096】さらに、上記した水性アルキド樹脂として
特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、
(1) 脂肪酸と、ポリオールと、ポリカルボン酸(無
水物)とを反応せしめるという方法であるとか、
【0097】(2) 油脂類と、ポリオールとを、公知
慣用の反応触媒を用いて、エステル交換せしめたのち
に、ポリカルボン酸(無水物)およびポリオールを加え
て、さらに、反応せしめるという方法であるとか、ある
いは、
【0098】(3) 油脂類と、ポリカルボン酸(無水
物)とをエステル交換させたのちに、ポリオールおよび
ポリカルボン酸(無水物)を加えて、さらに、反応せし
めるという方法などのような、
【0099】種々の方法によって得られる、数平均分子
量で以て、大約500〜大約25,000なる程度の反
応生成物を、アンモニアをはじめ、前掲したような、各
種の有機アミンなどのような、いわゆる揮発性塩基で以
て、
【0100】カルボキシル基を、完全中和ないしは部分
中和し、水に、あるいは此の水と前掲したような水可溶
性溶媒との混合物に溶解ないしは分散化せしめるという
ことによって調製されるような形のものである。
【0101】上述したような、それぞれ、水性ポリエス
テル樹脂ないしは水性アルキド樹脂を調製するに際して
使用されるポリオールとして特に代表的なもののみを例
示するにとどめれば、エチレングリコール、プロピレン
グリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブ
チレングリコール、1,6−ヘキサンジオールまたはジ
エチレングリコール、
【0102】あるいはジプロピレングリコール、ネオペ
ンチルグリコール、トリエチレングリコールまたは水添
ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキサイ
ド付加物もしくはビスフェノールAプロピレンオキサイ
ド付加物の如き、各種の2価アルコールなどをはじめ、
【0103】さらには、グリセリン、トリメチロールエ
タン、トリメチロールプロパン、トリスヒドロキシメチ
ルアミノメタン、ペンタエリトリトール、ジペンタエリ
トリトールまたはジグリセリンの如き、各種の2価以上
のアルコールなどである。
【0104】また、斯かる水性ポリエステル樹脂ないし
は水性アルキド樹脂を調製するに際して使用されるポリ
カルボン酸(無水物)として特に代表的なもののみを例
示するにとどめれば、前述した変性エポキシ樹脂につい
て、既に記述したような、それぞれ、ポリカルボン酸、
(無水)トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカ
ルボン酸(無水物)または(無水)ピロメリット酸など
である。
【0105】さらには、必要に応じて、安息香酸や、t
ert−ブチル安息香酸などのような、種々の一塩基酸
を、斯かる酸成分として併用することも出来るのは、勿
論である。
【0106】さらにまた、水性アルキド樹脂を調製する
に際して使用される、油脂類として特に代表的なものの
みを例示するにとどめれば、ヒマシ油、脱水ヒマシ油、
桐油、サフラワー油、大豆油、アマニ油、トール油また
はヤシ油などであるし、また、脂肪酸としては、こうし
た種々の油脂類から誘導されるような、各種の化合物な
どを使用することが出来るが、これらは、単独使用でも
2種以上の併用でもよいことは、勿論である。
【0107】斯かる水性ポリエステル樹脂ないしは水性
アルキド樹脂として、一般に市販されているもののうち
でも特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、
「ウォーターゾール S−212ないしはS−279」
(前出社製の商品名)などのような、種々の水溶性ポリ
エステル樹脂や、
【0108】「FINETEX ES−650、ES−
670もしくはES−850」[大日本インキ化学工業
(株)製の商品名]などのような、種々の水分散性ポリ
エステル樹脂;
【0109】「ウォーターゾール S−123、S−1
26、S−196、S−117、S−118、S−14
5もしくはS−346」(同上社製の商品名)などのよ
うな、種々の水溶性アルキド樹脂;
【0110】あるいは「ウォーターゾール S−32
3、S−317もしくはS−318」(同上社製の商品
名)などのような、種々の水分散性アルキド樹脂である
が、これらは、単独使用でも2種以上の併用でもよいこ
とは、勿論である。
【0111】また、上述したような、当該(b)成分の
うちの、水性ポリウレタン樹脂として特に代表的なもの
のみを例示するにとどめれば、前述したような、いわゆ
る親水性基を導入した形のものなどであるが、こうした
水性ポリウレタン樹脂は、たとえば、 (1) ノニオン
系の親水性基を有するポリオールと、イソシアネートと
を反応させて得られるような形のポリウレタン樹脂であ
るとか、
【0112】あるいは、 (2) カルボキシル基を有す
るポリオールを、その他のポリオールと共に、ジイソシ
アネートと反応せしめ、次いで、アンモニアまたは前掲
したような、各種の有機アミンなどのような、いわゆる
揮発性塩基で以て、カルボキシル基を、完全中和ないし
は部分中和せしめることにより得られる形の、アニオン
性の親水性基を有するポリウレタン樹脂を、
【0113】水に、あるいは此の水と前記した水可溶性
溶媒との混合物に溶解ないしは分散化せしめるなどのよ
うな、公知慣用の種々の方法によって、調製されるよう
な形のものであって、就中、数平均分子量で以て、大約
1,000〜大約25,000なる範囲内のものであ
る。
【0114】本発明において使用される、前記したアミ
ノプラスト樹脂、フェノプラスト樹脂およびブロック・
イソシアネート樹脂よりなる群から選ばれる、少なくと
も1種の硬化剤(c)のうちの、アミノプラスト樹脂と
して特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、就
中、数平均分子量が大約300〜大約2,000なる範
囲内の、アルキルエーテル化メラミン樹脂、アルキルエ
ーテル化ベンゾグアナミン樹脂、アルキルエーテル化尿
素樹脂、アルキルエーテル化アセトグアナミン樹脂、ア
ルキルエーテル化スピログアナミン樹脂またはアルキル
エーテル化シクロヘキシルグアナミン樹脂などである。
【0115】この際のエーテル化用アルコールとして特
に代表的なもののみを例示するにとどめれば、メタノー
ル、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピ
ルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアル
コール、sec−ブチルアルコール、tert−ブタノ
ール、シクロヘキサノール、n−オクチルアルコール、
sec−オクチルアルコールまたは2−エチルヘキシル
アルコールなどのような、C1 〜C8 なる種々のアルコ
ール類;
【0116】エチレングリコールモノメチルエーテル、
エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレ
ングリコールモノブチルエーテルまたはジエチレングリ
コールモノメチルエーテルの如き、各種のエーテルアル
コール類;あるいは、ケトブタノール、ジアセトンアル
コールまたはアセトインなどのような、種々のケトンア
ルコール類などである。これらは、単独使用でも2種以
上の併用でもよいことは、勿論である。
【0117】就中、メチルエーテル化メラミン樹脂、メ
チルエーテル化ベンゾグアナミン樹脂、メチルエーテル
化スピログアナミン樹脂、メチルエーテル化アセトグア
ナミン樹脂またはメチルエーテル化シクロヘキシルグア
ナミン樹脂などの使用が望ましい。
【0118】斯かるアミノ樹脂として、一般に市販され
ているもののうちでも特に代表的なもののみを例示する
にとどめれば、「ウォーターゾール S−695もしく
はS−683−IM」(前出社製の商品名)をはじめ、
さらには、「サイメル 303、325、327、37
0もしくは1123」または「マイコート 105、1
06もしくは130」[三井サイテック(株)製の商品
名]などであり、これらは、単独使用でも2種以上の併
用でもよいことは、勿論である。
【0119】さらに、前記した硬化剤(c)のうちの、
フェノプラスト樹脂として特に代表的なもののみを例示
するにとどめれば、フェノール、クレゾール、キシレノ
ール、p−tert−ブチルフェノール、p−tert
−アミルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノ
ニルフェノール、p−フェニルフェノールまたはビスフ
ェノールAなどでもって代表されるようなフェノール類
と、ホルムアルデヒドまたはアセトアルデヒドなどでも
って代表されるようなアルデヒド類の縮合生成物などで
あって、就中、レゾール樹脂またはノボラック樹脂など
のようなものである。
【0120】また、当該硬化剤(c)のうちの、ブロッ
ク・イソシアネート樹脂として特に代表的なもののみを
例示するにとどめれば、イソシアネート基に、前傾した
如きフェノールまたはキシレノールなどのような、種々
のフェノール類、前傾した如きアルコール類、ε−カプ
ロラクタム、メチルエチルケトオキシム(MEKオキシ
ム)ないしはアセチルアセトンなどのようなブロック化
剤で以て、常法により、反応せしめるということによっ
て得られるものなどである。
【0121】次いで、本発明において使用される、前記
した顔料(d)として特に代表的なもののみを例示する
にとどめれば、着色顔料、体質顔料、防錆顔料、金属粉
顔料または加工顔料などである。
【0122】斯かる着色顔料として特に代表的なものの
みを例示するにとどめれば、二酸化チタン、酸化亜鉛、
カーボン・ブラック、ランプ・ブラック、四三酸化鉄、
モリブデート・オレンジ、べんがら(弁柄)、黄鉛、黄
色酸化鉄、クロム・グリーン、酸化クロム・グリーン、
群青、紺青、コバルト・ブルー、コバルト・バイオレッ
トまたはマンガン・バイオレットなどの如き、各種の無
機系顔料類;
【0123】パーマネント・レッド4R、ジニトロアニ
リン・オレンジ、ブリリアント・カーミンFB、パーマ
ネント・レッドF5RK、ピラゾロン・レッド、ピラゾ
ロン・オレンジ、ベンツイミダゾロン・オレンジ、パー
マネント・レッド2B、レーキ・レッドR、アントラキ
ノン・レッド、アンタントロン・レッド、チオインジゴ
・ボルドー、ペリレン・レッド、ペリレン・レッドB
L、ペリレン・マルーン、キナクリドン・レッド、ジケ
トピロロピロール・レッドBO、
【0124】ファースト・イエローG、ファースト・イ
エローFGL、ベンツイミダゾロン・イエローH3G、
パーマネント・イエローHR、イソインドリノン・イエ
ロー、アントラピリミジン・イエロー、キノフタロン・
イエロー、塩素化フタロシアニン・グリーン、フタロシ
アニン・ブルー、インダンスレン・ブルーまたはジオキ
サン・バイオレットなどの如き、各種の有機系顔料類な
どである。
【0125】さらに、上記した体質顔料として特に代表
的なるもののみを例示するにとどめれば、黄土、重質炭
酸カルシウム、カオリン、クレー、けい藻土(珪藻
土)、タルク、(沈降性)硫酸バリウム、珪砂またはウ
オラストナイトなどである。
【0126】また、上記した防錆顔料として特に代表的
なもののみを例示するにとどめれば、亜鉛末、亜鉛化
鉛、四酸化三鉛、ジンク・クロメート、鉛酸カルシウ
ム、ストロンチウム・クロメート、シアナミド鉛、塩基
性クロム酸鉛、塩基性硫酸鉛、燐酸亜鉛、モリブデン酸
亜鉛またはMIO(雲母状酸化鉄)などである。
【0127】本発明の係る金属被覆用熱硬化型水性組成
物を得るに当たっては、以上に記述して来たような各成
分を用いるということによって、それぞれ、クリヤー塗
料ないしはエナメル塗料の両方に適用できることは、勿
論である。
【0128】さらにまた、サイズ用は勿論のこと、中塗
りないしは外塗りなどの各種用途の塗料としても、各種
の金属素材ないしは金属製品類に適用されて、優れた諸
性能を付与せしめるということができる。
【0129】以上において記述して来たような、それぞ
れ、変性エポキシ樹脂(a)と、該変性エポキシ樹脂
(a)を除いた、水溶性ないしは水分散性の樹脂(b)
と、硬化剤(c)との使用割合は、本発明の効果を奏す
るような範囲内であれば、如何なる範囲でも差し支えが
無く、
【0130】通常、樹脂固形分として、成分(a)の大
約1〜大約90重量%と、成分(b)の大約10〜大約
99重量%と、成分(c)の大約2〜大約70重量%と
からなるというような割合内が適切であるし、好ましく
は、(a)の10〜70重量%と、(b)の30〜90
重量%と、(c)の5〜60重量%とからなる割合内が
適切である。
【0131】さらにまた、顔料(d)の使用割合として
は、通常、全固形分中の大約1〜大約70重量%、好ま
しくは、3〜60重量%なる範囲内が適切であり、斯か
る範囲内で以て、本発明の効果を、より一層、発現させ
るということが出来る。
【0132】本発明に係る金属被覆用熱硬化型水性組成
物には、必要に応じて、さらに、p−トルエンスルホン
酸、ドデシルベンゼンスルホン酸またはジノニルナフタ
レンジスルホン酸などのような、種々の酸触媒;あるい
は、これらの各種のアミン塩などを、いわゆる硬化触媒
として使用し、樹脂固形分の100重量部に対して、通
常、大約0.1〜大約2.0重量部となるような範囲内
で以て、添加せしめるというようにしてもよい。
【0133】また、同様にして、塗料用として公知慣用
の、それぞれ、レベリング剤、消泡剤、滑剤、顔料分散
剤、タレ防止剤、色分かれ防止剤、つや消し剤、老化防
止剤または紫外線吸収剤などのような、種々の添加剤類
を添加せしめることが可能であることも、勿論である。
【0134】上述したような、それぞれ、顔料(d)
を、さらには、硬化触媒または種々の添加剤類を用いる
に際しては、公知慣用の種々の混合ないしは練肉方法を
利用し適用することが出来る。これらのうちでも特に代
表的なもののみを例示するにとどめれば、ロールミル、
サンドミル、ボールミルまたはペイント・ミキサーなど
である。
【0135】本発明の金属被覆用熱硬化型水性組成物
は、たとえば、浸漬法、刷毛塗り、スプレ−塗装または
ロ−ル塗装などのような、公知慣用の種々の方法によっ
て塗装することが出来るというものであり、そして、冷
延鋼板、熱延鋼板、亜鉛めっき鋼板、ブリキ(錫メッキ
鋼板)、ティンフリースチール(クロムめっき鋼板)、
ステンレス鋼板、アルミニウムめっき鋼板、銅めっき鋼
板、アルミニウム板、チタン板などの各種薄板および表
面処理板は勿論のこと、密着性が悪いと言われているよ
うな金属、たとえば、未処理鋼板、
【0136】ターン・シート(鉛合金めっき鋼板)、ス
テンレス(たとえば、SUS304、SUS430また
はSUS436など)、アルミニウム(たとえば、アル
ミニウム生地、アルミダイキャスト、アルマイトまたは
着色アルマイトなど)、亜鉛(たとえば、亜鉛ダイキャ
ストまたは溶融亜鉛めっきなど)、クロム(たとえば、
プラスチック上のクロムめっきまたは金属上のクロムめ
っきなど)、ニッケル(たとえば、プラスチック上の無
電解ニッケルめっきまたは金属上のニッケルめっき)な
どのような、各種の基材の金属表面に塗装されて、優れ
た諸性能を付与せしめるということが出来る。
【0137】また、本発明の金属被覆用熱硬化型水性組
成物は、通常、大約80〜大約300℃なる範囲内の温
度において、約5秒間から約30分間というような加熱
条件で以て焼き付けるという加熱硬化によって、諸性能
の優れた、極めて実用性の高い硬化塗膜を形成すること
が出来るというものである。
【0138】かくして得られる、本発明に係る金属被覆
用熱硬化型水性組成物は、一般の金属素材ないしは金属
製品などに、とりわけ、PCM(プレ・コート・メタ
ル)などに利用するということが出来るが、就中、上述
したような、それぞれ、未処理鋼板、ターン・シート
(鉛合金めっき鋼板)、ステンレス(たとえば、SUS
304、SUS430またはSUS436など)、
【0139】アルミニウム(たとえば、アルミニウム生
地、アルミダイキャストまたはアルマイト、着色アルマ
イトなど)、亜鉛(たとえば、亜鉛ダイキャストまたは
溶融亜鉛めっきなど)、クロム(たとえば、プラスチッ
ク上のクロムめっきまたは金属上のクロムめっきな
ど)、ニッケル(たとえば、プラスチック上の無電解ニ
ッケルめっきまたは金属上のニッケルめっき)などのよ
うな、一般に、密着性が悪いと言われているような金属
表面に塗装されても、大いに、役立つというものであ
る。
【0140】
【実施例】次に、本発明を、合成例、実施例および比較
例により、一層、具体的に説明することにするが、本発
明は、決して、これらの諸例のみに限定されるものでは
ない。なお、以下において、「部」および「%」は、特
に断りの無い限り、すべて、重量基準であるものとす
る。
【0141】合成例1〔変性エポキシ樹脂(a)の調製
例〕 攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備
えた反応容器に、「エピクロン 1050」の345.
0部と、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセ
テートの254.6部とを仕込んで、加熱溶解させなが
ら、80℃において、プロピオン酸の38.0部を加え
てから、110℃にまで昇温した。
【0142】此の温度に、7時間のあいだ保持して、反
応を続行せしめることにより、樹脂溶液の酸価が1mg
KOH/g以下となった処で、80℃にまで降温して、
75%燐酸の14.0部およびプロピレングリコールモ
ノメチルエーテルアセテートの103.0部からなる混
合物を、1時間かけて連続滴下した。
【0143】滴下終了後も引き続いて、80℃で、4時
間のあいだ反応を行ない、次いで、N,N−ジメチルエ
タノールアミンの18.0部で以て中和せしめるという
ことによって、不揮発分が52%で、かつ、樹脂溶液の
酸価が15mgKOH/gなる、変性エポキシ樹脂の溶
液を得た。以下、これを変性エポキシ樹脂(a−1)と
略記する。
【0144】合成例2(同上) 攪拌機、温度計および還流冷却器を備えた反応容器に、
「エピクロン 1050」の300.0部と、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテルアセテートの219.
0部とを仕込み、加熱溶解させながら、80℃にまで昇
温した。
【0145】さらに、ここへ、酒石酸の28.1部を加
えて、100℃にまで昇温し、5時間のあいだ反応せし
め、引き続いて、80℃にまで降温した処で、89%燐
酸の18.0部と、3−エトキシプロピオン酸エチルの
96.7部との混合物を、1時間かけて連続滴下し、同
温度で、5時間のあいだ反応せしめた。
【0146】次いで、N,N−ジメチルエタノールアミ
ンの20.5部で以て中和せしめるということによっ
て、不揮発分が52%で、かつ、樹脂溶液の酸価が22
mgKOH/gなる変性エポキシ樹脂の溶液を得た。以
下、これを変性エポキシ樹脂(a−2)と略記する。
【0147】合成例3(同上) 攪拌機、温度計および還流冷却器を備えた反応容器に、
「エピコート 1001」の300.0部と、ジエチレ
ングリコールジメチルエーテルの313.7部とを仕込
み、加熱溶解させながら、70℃にまで昇温した。
【0148】さらに、ここへ、モノブチル燐酸の32.
2部を、1時間かけて連続滴下し、次いで、70%グリ
コール酸水溶液の20.3部を加えて、100℃にまで
昇温して、同温度で、8時間のあいだ反応せしめた。
【0149】しかるのち、70℃にまで降温した処で、
N,N−ジメチルエタノールアミンの11.6部で以て
中和せしめることによって、不揮発分が52%で、か
つ、樹脂溶液の酸価が11mgKOH/gなる、変性エ
ポキシ樹脂の溶液を得た。以下、これを変性エポキシ樹
脂(a−3)と略記する。
【0150】合成例4(同上) 攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備
えた反応容器に、「エピクロン 2055」の342.
9部と、ジエチレングリコールジメチルエーテルの29
2.9部を仕込んで、加熱溶解させながら、80℃に達
した処で、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸の1
5.1部を加えて、120℃にまで昇温して、同温度
で、5時間のあいだ反応せしめた。
【0151】次いで、80℃にまで降温して、85%燐
酸の15.4部およびエチレングリコールモノヘキシル
エーテルの75.9部からなる混合物を、1時間かけて
連続滴下した。
【0152】此の温度で、7時間のあいだ反応せしめた
のちに、トリエチルアミンの30.8部を加えるという
ことによって、不揮発分が50%で、かつ、樹脂溶液の
酸価が23mgKOH/gなる、変性エポキシ樹脂の溶
液を得た。以下、これを変性エポキシ樹脂(a−4)と
略記する。
【0153】合成例5(同上) 攪拌機、温度計および還流冷却器を備えた反応容器に、
「エピクロン 1050」の298.0部と、ジエチレ
ングリコールジメチルエーテルの227.2部とを仕込
んで、加熱溶解させながら、80℃にて、アクリル酸の
35.8部を加えて、110℃にまで昇温した。
【0154】同温度で、7時間のあいだ反応させること
によって、樹脂溶液の酸価が1mgKOH/g以下とな
った処で、70℃にまで降温してから、75%燐酸の
9.6部およびジエチレングリコールジメチルエーテル
の55.1部からなる混合物を添加し、引き続いて、7
0℃で、7時間のあいだ反応せしめ、次いで、トリエチ
ルアミンの12.3部で以て中和せしめるということに
よって、不揮発分が55%で、かつ、樹脂溶液の酸価が
12mgKOH/gなる変性エポキシ樹脂の溶液が得ら
れた。以下、これを変性エポキシ樹脂(a−5)と略記
する。
【0155】合成例6(同上) 攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備
えた反応容器に、「エピコート E4001P」[油化
シェルエポキシ(株)製の、ビスフェノールF型エポキ
シ樹脂の商品名]の400.0部と、エチレングリコー
ルモノブチルエーテルの286.9部とを仕込んで、加
熱溶解させながら、80℃において、アクリル酸の3
0.3部を加えて、110℃にまで昇温した。
【0156】同温度で、7時間のあいだ反応せしめ、樹
脂溶液の酸価が2mgKOH/g以下となった処で、8
0℃にまで降温して、亜燐酸の9.0部およびエチレン
グリコールモノブチルエーテルの72.5部からなる混
合物を添加し、80℃において、7時間のあいだ反応せ
しめ、次いで、N,N−ジメチルエタノールアミンの2
7.9部で以て中和せしめるということによって、不揮
発分が55%で、かつ、酸価が22なる変性エポキシ樹
脂の溶液を得た。以下、これを変性エポキシ樹脂(a−
6)と略記する。
【0157】合成例7(同上) 攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備
えた反応容器に、「エピクロン 850」の228.0
部と、ジアセトンアルコールの158.7部とを仕込ん
で、加熱溶解させながら、70℃にて、シトラコン酸の
66.7部を加えて、110℃にまで昇温した。
【0158】110℃で、7時間のあいだ反応せしめ、
樹脂溶液の酸価が2mgKOH/g以下となった処で、
70℃にまで降温して、85%燐酸の12.7部および
エチレングリコールモノブチルエーテルの69.9部か
らなる混合物を、1時間かけて連続滴下した。
【0159】引き続いて、70℃で、7時間のあいだ反
応せしめ、次いで、N,N−ジメチルエタノールアミン
の11.9部で以て中和せしめるということによって、
不揮発分が57%で、かつ、樹脂溶液の酸価が14mg
KOH/gなる、変性エポキシ樹脂の溶液を得た。以
下、これを変性エポキシ樹脂(a−7)と略記する。
【0160】合成例8(同上) 攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備
えた反応容器に、「エピコート 1001」の345.
0部と、ジエチレングリコールジメチルエーテルの27
7.9部とを仕込んで、加熱溶解させながら、80℃に
て、バーサチック酸の43.7部および安息香酸の3
1.0部を添加せしめ、130℃にまで昇温した。
【0161】130℃で、7時間のあいだ反応させたの
ちに、樹脂溶液の酸価が1mgKOH/g以下となった
処で、80℃にまで降温して、89%燐酸の12.1部
およびメトキシブタノールの73.0部からなる混合物
を、1時間かけて連続滴下した。
【0162】引き続いて、80℃で、7時間のあいだ反
応せしめ、次いで、N,N−ジメチルエタノールアミン
の21.7部で以て中和せしめるということによって、
不揮発分が55%で、かつ、樹脂溶液の酸価が17mg
KOH/gなる、変性エポキシ樹脂の溶液を得た。以
下、これを変性エポキシ樹脂(a−8)と略記する。
【0163】合成例9(同上) 攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備
えた反応容器に、「エピクロン 1050」の253.
8部と、ジエチレングリコールジメチルエーテルの22
2.7部とを仕込んで、加熱溶解させながら、80℃に
なった処で、ステアリン酸の80.3部を加え、さら
に、130℃にまで昇温して、此の温度で、7時間のあ
いだ反応せしめた。
【0164】引き続いて、樹脂溶液の酸価が1mgKO
H/g以下となった処で、90℃にまで降温して、89
%燐酸の9.9部およびメトキシブタノールの92.7
部とからなる混合物を、1時間かけて連続滴下した。
【0165】同温度で、7時間のあいだ反応せしめ、次
いで、60℃にまで降温した処で、トリエチルアミンの
27.4部で以て中和せしめるということによって、不
揮発分が52%で、かつ、樹脂溶液の酸価が23mgK
OH/gなる、変性エポキシ樹脂の溶液を得た。以下、
これを変性エポキシ樹脂(a−9)と略記する。
【0166】合成例10(対照用の変性エポキシ樹脂の
調製例) 攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備
えた反応容器に、「エピクロン 1050」の332.
5部と、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセ
テートの313.6部とを仕込んで、加熱溶解させなが
ら、75℃に達した処で、75%燐酸の15.2部を、
1時間かけて連続滴下した。
【0167】75℃で、8時間のあいだ反応させたのち
に、N,N−ジメチルエタノールアミンの15.7部で
以て中和せしめるということによって、不揮発分が52
%で、かつ、樹脂溶液の酸価が15mgKOH/gな
る、対照用の、変性エポキシ樹脂の溶液を得た。以下、
これを変性エポキシ樹脂(a’−1)と略記する。
【0168】合成例11(同上) 攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備
えた反応容器に、「エピクロン 2055」の237.
3部と、ジエチレングリコールジメチルエーテルの27
1.5部とを仕込んで、加熱溶解させながら、80℃に
達した時点で、ジイソプロピルホスフェートの34.2
部を、1時間かけて連続滴下した。
【0169】80℃において、7時間のあいだ反応せし
めたのちに、N,N−ジメチルエタノールアミンの1
4.6部で以て中和せしめるということによって、不揮
発分が50%で、かつ、樹脂溶液の酸価が17mgKO
H/gなる、対照用の、変性エポキシ樹脂の溶液を得
た。以下、これを変性エポキシ樹脂(a’−2)と略記
する。
【0170】合成例12(同上) 攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備
えた反応容器に、「エピコート 1001」の342.
9部と、ジエチレングリコールジメチルエーテルの25
5.0部とを仕込んで、加熱溶解させながら、75℃に
達した時点で、無水コハク酸の39.6部を加えて、1
10℃まで昇温したのちに、7時間のあいだ反応せしめ
た。
【0171】引き続き、樹脂溶液の酸価が2mgKOH
/g以下となった処で、80℃にまで温度を下げたの
ち、ジイソプロピルホスフェートの59.9部およびメ
トキシブタノールの153.4部からなる混合物を、1
時間かけて連続滴下した。
【0172】さらに、同温度で、7時間のあいだ反応せ
しめ、次いで、トリエチルアミンの26.1部で以て中
和せしめるということによって、不揮発分が52%で、
かつ、樹脂溶液の酸価が17mgKOH/gなる、対照
用の、変性エポキシ樹脂の溶液を得た。以下、これを変
性エポキシ樹脂(a’−3)と略記する。
【0173】合成例13〔水溶性ないしは水分散性樹脂
(b)の調製例〕 攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管および滴
下槽を備えた反応容器に、エチレングリコールモノイソ
プロピルエーテルの450部を仕込んで、120℃にま
で昇温した。
【0174】此の温度を保持しつつ、滴下槽から、アク
リル酸エチルの87.0部、アクリル酸n−ブチルの8
7.0部、スチレンの75.0部、2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレートの30.0部およびアクリル酸の2
1.0部と、過酸化ベンゾイルの18.0部とからなる
混合物を、4時間かけて連続滴下した。
【0175】滴下終了の1時間後に、ジ−tert−ブ
チルパーオキサイドの3.0部を添加して、さらに、2
時間のあいだ反応させた。次いで、かくして得られた樹
脂溶液より、減圧下で、375.0部の溶剤を溜去せし
め、しかるのち、N,N−ジメチルエタノールアミンの
20.0部で以て中和せしめた。
【0176】引き続いて、水の200.0部で以て希釈
化せしめるということによって、有機溶剤などの含有量
が19%で、不揮発分が50%であり、樹脂溶液の酸価
が22mgKOH/gで、かつ、数平均分子量が4,1
00なる、アクリル樹脂の水溶液を得た。以下、これを
アクリル樹脂(x−1)と略記する。
【0177】合成例14(同上) 攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管、精溜管
およびデカンターを備えた反応容器に、無水トリメリッ
ト酸の92.2部、無水フタル酸の79.9部、アジピ
ン酸の26.3部およびネオペンチルグリコールの18
7.2部を仕込んで、160℃にまで加熱して、内容物
を溶融せしめた。
【0178】160℃に達してから、縮合水を系外に除
去しながら、2時間をかけて、190℃にまで昇温させ
た。さらに、同温度で、反応を続行せしめて、酸価が5
3.0となった処で、160℃にまで冷却して、エチレ
ングリコールモノブチルエーテルの78.2部を加え
た。
【0179】70℃にまで冷却させた時点で、N,N−
ジメチルエタノールアミンの28.5部で以て中和せし
め、さらに、水の245.0部で希釈化せしめるという
ことによって、不揮発分が49%で、樹脂溶液の酸価が
26mgKOH/gで、かつ、数平均分子量が970な
る、ポリエステル樹脂の水溶液を得た。以下、これをポ
リエステル樹脂(x−2)と略記する。
【0180】合成例15(同上) 攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管、精溜管
およびデカンターを備えた反応容器に、脱水ひまし油脂
肪酸の164部、トール油脂肪酸の177部、イソフタ
ル酸の227部、フタル酸の220部、ネオペンチルグ
リコールの130部およびペンタエリスリトールの17
0部を仕込んで、3時間かけて230℃にまで昇温し
た。
【0181】此の温度を保持しながら、脱水反応を進め
て、酸価が45.0となった処で、150℃にまで冷却
して、エチレングリコールモノブチルエーテルの50
0.0部を加えた。
【0182】さらに、60℃にまで冷却させた時点で、
トリエチルアミンを100%中和に相当する量と、不揮
発分が60%になる量のエチレングリコールモノブチル
エーテルとを加えて、1時間のあいだ攪拌を続行した。
【0183】かくして、油長が35%で、不揮発分が6
0%で、かつ、数平均分子量が1,130なる、アルキ
ド樹脂の溶液を得た。以下、これをアルキド樹脂(x−
3)と略記する。
【0184】合成例16(同上) 攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備
えた反応容器に、メタノールの320.0部、80%パ
ラホルムアルデヒドの187.5部およびベンゾグアナ
ミンの187.0部を仕込んでから、5N−水酸化ナト
リウム水溶液(水酸化ナトリウムの5規定水溶液;以下
同様)で以て、pHを10.0に調整して、70℃にま
で昇温した。
【0185】此の温度に、2時間のあいだ保持して、メ
チロール化反応を行なってから、50%硫酸で以て、p
Hを3.0に調整し、70℃で、4時間に及ぶエーテル
化反応を行なった。しかるのち、5N−水酸化ナトリウ
ム水溶液で以て、pHを7.0に調整してから、減圧下
で、メタノール、ホルムアルデヒドおよび水を溜去せし
めた。
【0186】最後に、エチレングリコールモノブチルエ
ーテルの59.5部で以て希釈し、析出した塩類を濾別
せしめるということによって、不揮発分が84%で、か
つ、数平均分子量が410なる、メチルエーテル化され
たベンゾグアナミン樹脂を得た。以下、これをベンゾグ
アナミン樹脂(x−4)と略記する。
【0187】実施例1 合成例13で得られたアクリル樹脂(x−1)の100
部と、「サイメル 303」[メチル化メラミン樹脂;
不揮発分=100%]の30部と、合成例1で得られた
変性エポキシ樹脂(a−1)の38部と、水の82部と
を混合せしめるということによって、有機溶剤などの含
有量が15%で、かつ、不揮発分が40%なるクリヤー
塗料を調製した。
【0188】さらに、予め、合成例13で得られたアク
リル樹脂(x−1)の75部に対し、「タイペーク C
R−93」[石原産業(株)製の、酸化チタンの商品
名]の75部になるような配合比率において、三本ロー
ルにより練肉せしめた分散ペーストの150部と、「サ
イメル 303」の22部と、合成例1で得られた変性
エポキシ樹脂(a−1)の29部と、エチレングリコー
ルモノブチルエーテルの9部と、水の40部とを混合せ
しめることによって、有機溶剤などの含有量が15%
で、かつ、不揮発分が60%なるホワイト塗料を調製し
た。
【0189】上記クリヤー塗料の方は、厚さが0.35
mmなる溶融亜鉛めっき鋼板(Z−25)およびステン
レス板(SUS304)上に、乾燥後の膜厚が5〜7ミ
クロン(μm)となるようにして、バーコーターによ
り、上記した塗料を、各別に塗布し、260℃におい
て、45秒間という条件で以て加熱乾燥を行い、次い
で、かくして得られたテスト・パネルを、後述するよう
な種々の試験に供した。
【0190】他方、上記ホワイト塗料の方は、0.35
mmなる、此の溶融亜鉛めっき鋼板(Z−25)および
ステンレス板(SUS304)上に、乾燥後の膜厚が1
5〜20μmとなるようにして、バーコーターにより、
上記した、それぞれの塗料を、各別に塗布し、260℃
において、45秒間という条件で以て加熱乾燥を行い、
次いで、かくして得られたテスト・パネルを、後述する
ような種々の試験に供した。
【0191】実施例2〜5ならびに8および10 実施例1と同様にして、アクリル樹脂、ポリエステル樹
脂またはアミノ樹脂と、変性エポキシ樹脂との固形分比
が、それぞれ、第1表(1)および第1表(2)に示す
ような配合比率となるようにして、各種の塗料を調製
し、次いで、テスト・パネルを作製した。
【0192】
【表1】
【0193】実施例6 合成例15で得られたアルキド樹脂(x−3)の117
部と、「スーパーベッカミン S−695」[大日本イ
ンキ化学工業(株)製の、メチル化メラミン樹脂の商品
名;不揮発分=66%]の15部と、合成例5で得られ
た変性エポキシ樹脂(a−5)の36部と、水の82部
とを混合せしめるということによって、不揮発分が40
%なるクリヤー塗料を調製した。
【0194】しかるのちに、ターン・シートおよびアル
ミ板(JIS A1050)上に、乾燥後の膜厚が10
〜15μmとなるようにして、スプレー塗装機により、
前記した塗料を、各別に塗布し、140℃において20
分という条件で以て加熱乾燥を行い、次いで、かくして
得られたテスト・パネルを、後述するような、種々の試
験に供した。
【0195】別に、予め、合成例15で得られたアルキ
ド樹脂(x−3)の88部に対し、「タイペーク CR
−93」の75部になるような配合比率において、三本
ロールにより練肉せしめた分散ペーストの163部と、
「スーパーベッカミン S−695」の11部と、合成
例5で得られた変性エポキシ樹脂(a−5)の27部
と、水の49部とを混合せしめるということによって、
不揮発分が60%なるホワイト塗料を調製した。
【0196】斯かるホワイト塗料の方は、ターン・シー
トおよびアルミ板(JIS A1050)上に、乾燥後
の膜厚が30〜35μmとなるようにして、スプレー塗
装機により、該ホワイト塗料を、各別に塗布し、140
℃において20分という条件で以て加熱乾燥を行い、次
いで、かくして得られたテスト・パネルを、後述するよ
うな、種々の試験に供した。
【0197】実施例7ならびに9 実施例6と同様にして、アルキド樹脂またはアミノ樹脂
と、変性エポキシ樹脂との固形分比が、第1表(2)に
示すような配合比率となるようにして、各種の塗料を調
製し、次いで、テスト・パネルを作製した。
【0198】
【表2】
【0199】《第1票の脚注》 「S−695」………「スーパーベッカミン S−69
5」の略記
【0200】比較例1および2 アクリル樹脂、ポリエステル樹脂またはアミノ樹脂と、
変性エポキシ樹脂との固形分比が、第1表(3)に示す
ような配合割合となるように変更した以外は、実施例1
と同様にして、対照用の、各種の塗料を調製し、次い
で、テストパネルを作製した。
【0201】比較例3および4 アルキド樹脂またはアミノ樹脂と、変性エポキシ樹脂と
の固形分比が、第1表(3)に示すような配合割合とな
るように変更した以外は、実施例6と同様にして、対照
用の、各種の塗料を調製し、次いで、テストパネルを作
製した。
【0202】
【表3】
【0203】実施例1〜10ならびに比較例1〜4で得
られた、それぞれの塗料について、下記のような要領で
以て、塗膜諸物性の試験と、塗装性の試験と、塗料の貯
蔵安定性の試験との、いわゆる評価判定を行った。それ
らの結果を、まとめて、第2表に示す。
【0204】
【表4】
【0205】
【表5】
【0206】《諸性能の評価判定の要領−1》各試験の
要領は、次の通りである。
【0207】1. 塗膜物性試験
【0208】1−1.湿潤試験………温度50℃、湿度
98±2%の雰囲気中において、72時間のあいだ暴露
したのちの各テスト・パネル(以下、「試験パネル1」
と略記する。)について、目視により、塗膜の外観
(“フクレ”)を評価判定した。
【0209】1−2.塩水噴霧試験…5%食塩水を、3
5℃、pH7の条件で、スクラッチ・マークを入れたテ
スト・パネルに、150時間のあいだ塩水噴霧を行なっ
たのちの、各テストパネル(以下、「試験パネル2」と
略記する。)について、目視により、スクラッチ部から
の“フクレ”幅または錆の程度を評価判定した。
【0210】1−3.密着試験………JIS K−54
00に準拠して、次のような、それぞれ、試験法(A)
および試験法(B)の評価判定を行なった。それらの結
果は、まとめて、示している。
【0211】試験法(A):前述した1−1.なる湿潤
試験と同様の試験を行った各テストパネル、すなわち、
「試験パネル1」について、いわゆる碁盤目テープ法に
よる試験を実施し、塗膜の剥離の程度を観察することに
よって、評価判定を行なった。
【0212】試験法(B):前述した1−2.なる塩水
噴霧試験と同様の試験を行った各テストパネル、すなわ
ち、「試験パネル2」について、碁盤目テープ法による
試験を実施し、剥離の程度を観察することによって、評
価判定を行なった。
【0213】1−5.鉛筆硬度………JIS K−54
00に準拠して、各テスト・パネルについて、室温での
鉛筆引っかき値を測定することによって、評価判定を行
なった。
【0214】1−6.加工性…………JIS K−54
00に準拠して、各テスト・パネルについて、デュポン
衝撃試験(荷重=500g、撃芯=1/2インチ)およ
びエリクセン試験(6.0mm)の評価判定を行なっ
た。それらの結果は、まとめて、示している。
【0215】1−7.塗膜の透明性…クリヤー塗料のテ
スト・パネルを、目視により、評価判定した。
【0216】1−8.塗膜の光沢……ホワイト塗料のテ
スト・パネルを、目視により、評価判定した。
【0217】2. 塗装性試験
【0218】前掲した、それぞれのホワイト塗料を、乾
燥後の膜厚が15〜20μmとなるように、ナチュラル
・ロール・コーターを用いて、溶融亜鉛めっき鋼板上に
塗装し、直ちに、200℃において、3分間という条件
で以て加熱乾燥をした。
【0219】以後は、かくして得られた、それぞれの塗
板について、レベリングの程度を観察して、評価判定を
行なった。
【0220】3. 塗料の貯蔵安定性試験
【0221】前掲した、それぞれの塗料を、40℃の温
度で以て、30日間のあいだ貯蔵したのちの、塗料の状
態ならびに粘度の変化などにより、評価判定を行ない、
此の貯蔵安定性と為した。
【0222】《諸性能の評価判定の要領−2》なお、評
価判定の基準は、次の通りである。
【0223】1………優 秀 2………良 好 3………やや良好 4……… 可 (実用域の限界)
【0224】5………やや不良 6………不 良 7………劣 悪
【0225】
【発明の効果】本発明の金属被覆用熱硬化型水性組成物
は、とりわけ、貯蔵安定性や塗装性などが良好である
し、しかも、優れた耐水性、耐食性、密着性、硬度なら
びに加工性などの諸性能を有するという、就中、此の密
着性が悪いと言われている金属上に対してさえも、叙上
のような優秀なる諸性能が発現されるという、加えて、
光沢ならびに透明性などにも優れた塗膜を与え得るとい
う、極めて実用性の高い金属被覆用熱硬化型水性組成物
を提供することが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 175/00 PHV C09D 175/00 PHV 201/00 PDC 201/00 PDC

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 必須の皮膜形成成分として、飽和カルボ
    ン酸またはその誘導体;エチレン性不飽和カルボン酸ま
    たはその誘導体;芳香環を有するカルボン酸またはその
    誘導体;ならびにオキシカルボン酸またはその誘導体よ
    りなる群から選ばれる、少なくとも1種のカルボン酸
    と、一分子中に少なくとも2個の、燐原子に結合した水
    酸基を有する化合物と、エポキシ樹脂とを反応せしめて
    得られる変性エポキシ樹脂(a)と、上記変性エポキシ
    樹脂(a)を除いた、水溶性ないしは水分散性の樹脂
    (b)と、アミノプラスト樹脂;フェノプラスト樹脂お
    よびブロック・イソシアネート樹脂よりなる群から選ば
    れる、少なくとも1種の硬化剤(c)とを含有すること
    を特徴とする、金属被覆用熱硬化型水性組成物。
  2. 【請求項2】 必須の皮膜形成成分として、飽和カルボ
    ン酸またはその誘導体;エチレン性不飽和カルボン酸ま
    たはその誘導体;芳香環を有するカルボン酸またはその
    誘導体;ならびにオキシカルボン酸またはその誘導体よ
    りなる群から選ばれる、少なくとも1種のカルボン酸
    と、一分子中に少なくとも2個の、燐原子に結合した水
    酸基を有する化合物と、エポキシ樹脂とを反応せしめて
    得られる変性エポキシ樹脂(a)と、上記変性エポキシ
    樹脂(a)を除いた、水溶性ないしは水分散性の樹脂
    (b)と、アミノプラスト樹脂;フェノプラスト樹脂お
    よびブロック・イソシアネート樹脂よりなる群から選ば
    れる、少なくとも1種の硬化剤(c)とを含有し、さら
    に、顔料(d)をも含有することを特徴とする、金属被
    覆用熱硬化型水性組成物。
JP7214896A 1995-03-29 1996-03-27 金属被覆用熱硬化型水性組成物 Pending JPH08325509A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7214896A JPH08325509A (ja) 1995-03-29 1996-03-27 金属被覆用熱硬化型水性組成物

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7148495 1995-03-29
JP7-71484 1995-03-29
JP7214896A JPH08325509A (ja) 1995-03-29 1996-03-27 金属被覆用熱硬化型水性組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08325509A true JPH08325509A (ja) 1996-12-10

Family

ID=26412583

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7214896A Pending JPH08325509A (ja) 1995-03-29 1996-03-27 金属被覆用熱硬化型水性組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08325509A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011067637A1 (en) 2009-12-01 2011-06-09 Basf Coatings Japan Ltd. Method for the formation of paint films and the paint films
WO2013140893A1 (ja) * 2012-03-22 2013-09-26 Dic株式会社 水性樹脂組成物及び硬化物
US9493674B2 (en) 2013-03-12 2016-11-15 Akzo Nobel Coatings International B.V. Synergistic catalyst combination for the preparation of radiation curable oligomers
WO2018191841A1 (en) * 2017-04-17 2018-10-25 Dic Corporation Aqueous resin composition, aqueous coating material and article having cured coating film of the aqueous coating material
US11203659B2 (en) * 2016-05-31 2021-12-21 Showa Denko K. K. Method for producing polyurethane, epoxy carboxylate composition, polyurethane, and polyurethane resin composition

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011067637A1 (en) 2009-12-01 2011-06-09 Basf Coatings Japan Ltd. Method for the formation of paint films and the paint films
WO2013140893A1 (ja) * 2012-03-22 2013-09-26 Dic株式会社 水性樹脂組成物及び硬化物
US9493674B2 (en) 2013-03-12 2016-11-15 Akzo Nobel Coatings International B.V. Synergistic catalyst combination for the preparation of radiation curable oligomers
US11203659B2 (en) * 2016-05-31 2021-12-21 Showa Denko K. K. Method for producing polyurethane, epoxy carboxylate composition, polyurethane, and polyurethane resin composition
WO2018191841A1 (en) * 2017-04-17 2018-10-25 Dic Corporation Aqueous resin composition, aqueous coating material and article having cured coating film of the aqueous coating material
JP2019516002A (ja) * 2017-04-17 2019-06-13 Dic株式会社 水性樹脂組成物、水性塗料及び該水性塗料の硬化塗膜を有する物品

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2012258930B2 (en) Phosphatized polyesters and coating compositions containing the same
RU2074210C1 (ru) Водный состав для нанесения покрытия
US7638201B2 (en) Acid functional phosphorus-containing polyester powder compositions and powder coatings made therefrom
AU2012258930A1 (en) Phosphatized polyesters and coating compositions containing the same
US5053463A (en) Nitrogen-containing alkyd resin coating composition
JP2002121469A (ja) 水性塗料組成物及びこの組成物を塗装した塗装物品
JPH08325509A (ja) 金属被覆用熱硬化型水性組成物
JPS585377A (ja) アニオン型電着塗料
JPH11241048A (ja) 水性塗料組成物及びこの組成物を塗装した塗装物品
JP3355765B2 (ja) 水性塗料組成物
JPH09263625A (ja) 常温乾燥型水性組成物
JP2002121470A (ja) 水性塗料組成物及びこの塗料組成物を塗装した塗装物品
US7858153B2 (en) Powder primer composition and method for forming coating film
AU658710B2 (en) Epoxy phosphate ester resin, its production and coating composition containing the resin
JP5078381B2 (ja) 粉体プライマー組成物及び塗膜の形成方法
JPS6026432B2 (ja) 塗料組成物
JP2005248046A (ja) ホイール用熱硬化型粉体塗料、その塗料を使用してなる塗膜の形成方法、その塗装製品の製造方法及び塗装製品
JP3635682B2 (ja) 水性被覆用組成物
JP2507806B2 (ja) 缶用水性塗料組成物
JP2002188046A (ja) 防錆力に優れた水性被覆用組成物
JPS63278973A (ja) 塗料用樹脂組成物
JPH07145342A (ja) 水性塗料組成物
JPH08188741A (ja) 塗料組成物
JP2002097345A (ja) 樹脂組成物
WO2023283524A1 (en) High-solids curable film-forming compositions and methods of improving appearance of coatings containing effect pigments