JPH0832526B2 - 水中翼船の後部フラップ制御装置 - Google Patents

水中翼船の後部フラップ制御装置

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JPH0832526B2
JPH0832526B2 JP18565089A JP18565089A JPH0832526B2 JP H0832526 B2 JPH0832526 B2 JP H0832526B2 JP 18565089 A JP18565089 A JP 18565089A JP 18565089 A JP18565089 A JP 18565089A JP H0832526 B2 JPH0832526 B2 JP H0832526B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は水中翼船の後部フラップ制御装置に関し、特
に艇走から翼走へ離水するときの離水性能を格段に向上
し得るようにしたものに関する。
〔従来技術〕
最近、特公昭53−37636号公報に記載されているよう
な高速水中翼船が実用化されているが、この水中翼船で
は船首部と船尾部とに夫々回動式ストラットを介して前
部翼と後部翼が設けられ、前部翼には前部フラップ装置
がまた後部翼には後部フラップ装置が夫々設けられ、船
尾部にはウォータジェット方式の推進装置が設けられ、
種々の検出機器からの検出信号に基いて制御装置によっ
て前部フラップ装置と後部フラップ装置とラダー(前部
ストラット)を制御するようになっている。
上記水中翼船の推進抵抗は、実施例に係る第6図の曲
線R1のように船速20〜25ノットまでは艇走状態なので船
速の増大に応じて抵抗が増大し、その後船体が徐々に浮
上して離水するのに応じて抵抗が減少し、船速30〜35ノ
ットになると完全に離水して抵抗が最小になり、その後
船速の増大に応じて前部及び後部ストラットと前部及び
後部の翼の抵抗が増大するので抵抗が増加していく。こ
のように、艇走状態から加速して翼走状態へ移行すると
きの推力特性は推進用ガスタービンエンジンの略定格出
力においてウォータジェット用遠心ポンプの特性から図
示の直線THのようになっている。
水中翼船の離水時には船速が小さいので、前部及び後
部の翼に作用する揚力は余り大きくならず、艇走から翼
走へ離水することは容易ではない。特に、海象条件の悪
い場合或いは迎え風の場合には抵抗が増加して加速性が
低下し、載荷荷重が満載付近の場合には離水所要揚力が
増大することから、離水性能が著しく低下し、離水に失
敗することが少なからず発生したり、或いは航路から外
れ風下に向って航行しながら離水を実行したり、或いは
数回に亙って離水を試み長時間かけないと離水できない
などの問題がある。
上記水中翼船を艇走から翼走へ離水させるときの操作
及び制御は次の通りである。
先ず、モード切換スイッチで離水モードを設定し、深
度設定レバーを操作して翼深度を徐々に所定の浅い深度
に設定し且つ推進用ガスタービンエンジンのスロットル
レバーを出力増大方向へ操作していくと、前部フラップ
装置が制御されて前部フラップが下方へ傾動されて船首
部が上昇していく。これに並行して船体のピッチ角が増
大しようとするが、制御装置はピッチジャイロからのピ
ッチ信号に基いてピッチ角を零に近づけるように後部フ
ラップ装置を制御し、後部フラップを制御装置内に固定
的に設定された所定のピッチバイアス角(約5゜)だけ
下方へ傾動させる。
海象条件が良好で載荷重量が満載の70%未満の場合に
は、上記の離水操作及び制御によって後部の翼及びフラ
ップの揚力が十分に大きくなるので艇走から翼走へ離水
する。但し、この場合にも実際のピッチ角は零とならず
約2゜程度になる。
しかし、海象条件が悪いとき又は逆風のとき又は載荷
重量が満載付近のときには、後部の翼及びフラップの揚
力が不足し船体後部が上昇せず離水困難となる。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記のように、離水時に後部の翼及びフラップの揚力
が不足するにも拘らず、離水時の後部フラップのピッチ
バイアス角が制御装置内に固定的に設定されているの
で、後部フラップの下方傾動角を増大させて揚力の増大
を図ることが出来なかった。
本発明の目的は、艇走から翼走へ離水するときの離水
性能を高め得るような水中翼船の後部フラップ制御装置
を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明に係る水中翼船の後部フラップ制御装置は、船
首部及び船尾部に夫々設けた前部翼及び後部翼と、前部
翼に設けられた前部フラップ及び後部翼に設けられた後
部フラップと、前部フラップを駆動する前部フラップ駆
動手段及び後部フラップを駆動する後部フラップ駆動手
段とを備えた水中翼船において、船速を検出する船速検
出手段と、後部フラップの最大フラップバイアス角を入
力設定する為の角度設定手段と、船速検出手段からの船
速信号と、角度設定手段からの最大フラップバイアス角
信号とを受けて、少なくとも船速が所定の完全離水船速
以下のときに、船速をパラメータとして最大フラップバ
イアス角を最大値とする所定の特性に基いて船速に対応
したフラップバイアス角を決定してフラップバイアス角
信号を出力するフラップバイアス角信号発生手段と、上
記フラップバイアス角信号を受けそのフラップバイアス
角信号に基いて後部フラップを下方へ傾動させるフラッ
プ制御信号を発生し後部フラップ駆動手段へ出力するフ
ラップ制御信号発生手段とを備えたものである。
〔作用〕
本発明に係る水中翼船の後部フラップ制御装置におい
ては、船速検出手段によって船速が検出され、操縦者は
少なくとも載荷重量との関連で予め設定された最大フラ
ップバイアス角を角度設定手段を介して入力設定する。
フラップバイアス角信号発生手段は、船速信号と、最
大フラップバイアス角信号とを受けて、少なくとも船速
が所定の完全離水船速以下のときに、船速をパラメータ
とし最大フラップバイアス角を最大値とする所定の特性
に基いて船速に対応したフラップバイアス角を決定しフ
ラップバイアス角信号をフラップ制御信号発生手段へ出
力する。
フラップ制御信号発生手段は、フラップバイアス角信
号を受けて後部フラップを下方へ傾動させるフラップ制
御信号を発生し後部フラップ駆動手段へ出力する。
このように、少なくとも載荷重量との関連で予め最大
フラップバイアス角を入力設定し、この最大フラップバ
イアス角が設定されて船速が完全離水船速以下の離水時
に、所定の特性に基いて船速に対応させて決定したフラ
ップバイアス角となるように後部フラップを制御するの
で、後部の翼とフラップの揚力を増大させることが出
来、その結果船体後部の上昇が促進されるため推進抵抗
が減少して船速の増大により揚力が増々増大し、離水性
能が飛躍的に向上する。
〔発明の効果〕
本発明に係る水中翼船の後部フラップ制御装置によれ
ば、上記〔作用〕の項に説明したように、角度設定手段
とフラップバイアス信号発生手段とフラップ制御信号発
生手段等を設けたことにより、水中翼船が艇走から翼走
へ離水するときの後部フラップのフラップアイアス角を
船速と対応づけてまた最大フラップバイアス角以下の所
定の特性で適切に制御し、離水時の後部の翼とフラップ
の揚力を増大させ、離水性能を飛躍的に向上させること
が出来る。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例について図面に基いて説明す
る。
本実施例は、通称ジェットフォイルと称する水中翼船
に本発明を適用した場合の一例である。
第1図・第2図に示すように、水中翼船JFの船体10の
船首部の下部中央には翼形断面のラダーを兼ねる前部ス
トラット12がその上端部において鉛直軸回り及び左右方
向水平軸回りに回動可能に設けられ、前部ストラット12
の下端部には前部翼13が設けられ、前部翼13の後縁部に
は前部フラップ14が設けられている。翼走時に前部スト
ラット12は図示のように鉛直に下方へ伸張されまた艇走
時には矢印11方向へ回動して前方へ水平に起される。
船体10の船尾部の下部には、左右1対の翼形断面の後
部ストラット20・22がその上端部において左右方向の水
平枢支ピン21を介して回動可能に設けられ、左右の後部
ストラット20・22の中間位置には中間ストラット23がそ
の上端において左右方向の水平枢支ピンを介して回動可
能に設けられ、左舷後部ストラット20と右舷後部ストラ
ット22の下端部同士に亙って後部翼24が設けられ、後部
翼24は中間ストラット23の下端部にも固着されている。
上記後部翼24の後縁部には左舷側2枚及び右舷側2枚計
4枚の後部フラップ26〜29が設けられている。但し、通
常の場合各舷の内側後部フラップ26・28と外側後部フラ
ップ27・29とは同期作動される。上記中間ストラット23
及びその上端近傍の船体底部とに亙ってウォータジェッ
ト方式の推進装置(図示略)が設けられている。但し、
これに代えてプロペラ方式の推進装置を設けることも可
能である。翼走時には後部ストラット20・22及び中間ス
トラット23は図示のように鉛直に下方へ伸張されまた艇
走時に矢印25方向へ回動して後方へ水平に起される。
第2図・第4図に示すように、前部フラップ14と左舷
内側後部フラップ26と左舷外側後部フラップ27と右舷内
側後部フラップ28と右舷外側後部フラップ29とを夫々回
動駆動する油圧式アクチュエータ30・32〜34が設けら
れ、また前部ストラット12を鉛直軸回りに回動駆動する
油圧式アクチュエータ31が設けられ、更に前部ストラッ
ト12を水平軸回りに前方へ回動駆動する油圧式アクチュ
エータ及び後部ストラット20・22・23を枢支軸21回りに
回動駆動する油圧式アクチュエータも設けられている。
但し、上記油圧式アクチュエータ30〜35などの代りに電
気式アクチュエータを設けることも可能である。
次に、前部翼13と後部翼24の揚力で船体10を水面上に
浮上させて航行する翼走時における船体運動において第
3図に基いて説明する。翼走時に船体10は水面から浮上
状態になるが、前部と後部の翼13・24及び前部と後部の
ストラット12・20・22・23が波浪の影響を受けるので、
船体10は鉛直方向にヒービングしまたロール軸40の回り
にローリングしまたピッチ軸41の回りにピッチングしま
たヨー軸42の回りにヨーイングする。翼走時において、
前部ストラット12と後部ストラット20・22・23はローリ
ングを抑制するように作用するとともに、翼走の方向安
定性を増大させる。一方、前部翼13と前部フラップ14と
後部翼24と後部フラップ26〜29はピッチングを抑制する
ように作用する。
ここで、前部フラップ14を下方へ傾けると前部翼13と
前部フラップ14の揚力が増加して船首側が上方へ移動し
またその反対に上方へ傾けると船首側が下方へ移動す
る。このことは後部フラップ26〜29についても同様であ
り、前部フラップ14と後部フラップ26〜29とを同方向へ
傾けることにより水面に対する船体10の高度(つまり、
翼深度)を変えることが出来る。但し、実際には、前部
フラップ14のみを介して船体10の水面に対する高度を調
節するようになっている。また、前部フラップ14と後部
フラップ26〜29を介してピッチ角(つまり、トリム)を
制御することが出来、また前部フラップ14と後部フラッ
プ26〜29とをピッチングに同期して相互に逆方向へ傾け
ることによりピッチングを抑制することが出来、また左
舷の後部フラップ26・27と右舷の後部フラップ28・29と
を相互に逆方向へ傾けることによりロール角を付与した
状態で前部ストラット12(ラダー)を鉛直軸回りに回動
させることによりロール方向へ円滑に旋回航行すること
が出来、また左舷の後部フラップ26・27と右舷の後部フ
ラップ28・29とをローリングに同期して相互に逆方向へ
傾けることによりローリングを抑制することが出来る。
次に、船体10の姿勢制御(高度、翼深度、ピッチ角、
トリクなど)とピッチング及びローリングの抑制制御等
に必要な種々の検出信号を得る為の検出器等について説
明する。
第2図に示すように、船首部には、水面までの距離を
検出する超音波式の1対の船首高度検出器50と、船首の
水平左右方向加速度を検出する船首横加速度計51と、船
首の上下方向加速度を検出する船首上下加速度計52が設
けられている。
船尾部の左舷と右舷には上下方向の加速度を検出する
左舷上下加速度計53及び右舷上下加速度計54が夫々設け
られている。操舵室には、ピッチ角を検出するピッチジ
ャイロ55と、ロール角を検出するロールジャイロ56と、
ヨー運動の速度を検出するヨーレートジャイロ57とが設
けられている。前部ストラット12の下端近傍部には船速
を検出する船速計58が設けられている。
操舵室には、上記種々の検出機器からの検出信号を受
けるコントロールユニットCUと、旋回を指令する舵輪60
と、前部フラップ14を介して翼13・24の深度(船体の水
面に対する高度)を設定する深度設定レバー61と、推進
装置を駆動するガスタービンエンジンのスロットル弁を
操作するスロットルレバー(図示略)と、その他種々の
スイッチ類・計器類が設けられている。
次に、上記水中翼船JFの制御系の概要について説明す
る。
第4図の制御系のブロック図に示すように、船首高度
検出器50からの信号HDと深度設定レバー61からの信号HC
とが深度誤差増幅器64へ出力されて両信号の差(HC−H
D)を増幅した制御信号ΔHAが前部フラップサーボアン
プ80へ出力され、このサーボアンプ80から前部フラップ
アクチュエータ30へ駆動信号が出力される。
舵輪60からの操舵信号WC(又は針路保持回路(図示
略)からの操舵信号)とロールジャイロ56からの信号RD
がロール微分増幅器66へ供給され、両信号の差(WC−R
D)の変化速度を増幅した制御信号ΔRAが左舷フラップ
サーボアンプ82・83へ出力され、制御信号ΔRAを反転器
69で反転した信号が右舷フラップサーボアンプ84・85へ
出力される。そして、左舷フラップサーボアンプ82・83
からはフラップアクチュエータ32・33へ夫々駆動信号が
供給される。従って、旋回航行への移行時及び旋回航行
中には操舵信号WCで指令されるロール角となるように且
つ旋回内側へ船体10がロールするように左舷後部フラッ
プ26・27と右舷後部フラップ28・29とが相互に逆方向へ
駆動される。これと同時に、ロールジャイロ56からの信
号RDが増幅器74により制御信号RDAに増幅されて方向舵
サーボアンプ81へ供給され、このサーボアンプ81から前
部ストラット旋回用アクチュエータ31へ駆動信号が出力
される。従って、舵輪60からの操舵信号に従って船体10
が旋回方向へロールし、そのロール角に従って前部スト
ラット12が旋回方向へ旋回駆動されることになる。それ
故、船体10が円滑に旋回するうえ、乗客と乗組員には小
さな慣性力しか作用しない。
上記旋回時、ヨーレートジャイロ57からヨー軸42回り
の旋回速度に比例する信号YDが増幅器75により制御信号
YDAに増幅されて方向舵サーボアンプ81へ出力され、こ
の制御信号YDAにより前部ストラット12の旋回速度が制
御される。これと同様に、船首横加速度計51からの信号
LDが増幅器70により制御信号LDAに増幅されて方向舵サ
ーボアンプ81へ供給され、旋回時の船首部の横方向加速
度を制限する為に用いられる。
次に、ピッチングやローリングを抑制する作用につい
て説明する。
船首上下加速計52からの信号VDが積分増幅器68へ供給
されるとともに、ロールジャイロ56で検出されるロール
角を2乗した信号RRDがロール2乗回路67から積分増幅
器68へ供給され、両信号VD・RRDを結合して積分増幅し
た制御信号VRAが前部フラップサーボアンプ80へ供給さ
れる。即ち、船体10のピッチングに応じて船首部の上下
加速度が増大するが、ピッチングを打ち消すような制御
信号VRAがサーボアンプ80へ供給されて前部フラップ14
が制御される。更に、上記信号RRDを積分増幅器68へ供
給することにより、旋回時やローリング時のロール角に
より発生する上下加速度分だけ信号VDに対して補正する
ようになっている。
ピッチジャイロ55からの信号PDはピッチ微分増幅器65
へ供給され、ピッチ角の変化速度を増幅した制御信号Δ
PAは左舷及び右舷フラップサーボアンプ82〜85へ供給さ
れ、また制御信号ΔPAは反転器62で反転されて前部フラ
ップサーボアンプ80へ供給される。これにより、ピッチ
ングにより船首側が上方へ移動したときには前部フラッ
プ14を上方へ傾けて船首部を下げ且つ後部フラップ26〜
29を下方へ傾けて船尾部を上げるような制御がなされ、
ピッチングが抑制される。
船体10がローリングするときには、ロール角の変化速
度に相当する制御信号ΔRAを介して左舷後部フラップ26
・27と右舷後部フラップ28・29とが相互に逆方向へ且つ
ローリングを抑制する方向へ駆動されてローリングが抑
制される。
一方、左舷上下加速度計53からの信号LVDは増幅器71
により制御信号LVAに増幅されて左舷フラップサーボア
ンプ82・83へ供給され、また右舷上下加速度計54からの
信号RVDは増幅器73により制御信号RVAに増幅されて右舷
フラップサーボアンプ84・85へ供給される。こうして、
例えば左舷側へローリングしたときには左舷後部フラッ
プ26・27を下方へ傾け且つ右舷後部フラップ28・29を上
方へ傾けてローリングが抑制される。尚、第4図のコン
トロールユニットCUは実際にはA/D変換器類とコンピュ
ータとD/A変換器類と増幅器類などで構成されている。
次に、上記水中翼船JFが出港後艇操状態から翼走状態
へ離水する為の制御系について説明する。
先ず、第4図の制御系において、コントロールユニッ
トCUに離水モードと翼走モードとを択一的に設定するモ
ード切換スイッチ59が設けられ、このモード切換スイッ
チ59からの信号MCがピッチ微分増幅器65へ供給され、ま
た船首高度検出器50からの高度信号HDがピッチ微分増幅
器65へ出力されている。前記ピッチ微分増幅器65に関す
る説明は翼走モードのときに関するものであるが、この
ピッチ微分増幅器65はその内部に後部フラップ26〜29の
ピッチバイアス角を自動設定するピッチバイアス角制御
回路を備えており、モード切換スイッチ59からの信号MC
が離水モードを指示する信号のときにはピッチジャイロ
55からの信号PDに基いてピッチ角を零に近づける為後部
フラップ26〜29を下方へ一定のピッチバイアス角θ
(但し、θ=5゜)(第7図の折線A参照)だけ傾
動させるピッチバイアス角制御信号を左舷と右舷のフラ
ップサーボアンプ82〜85へ出力する。これに対して、モ
ード切換スイッチ59からの信号MCが翼走モードを指示す
る信号のときにはピッチバイアス角制御回路内に固定的
に設定された設定ピッチ角(例えば、1〜2゜)と検出
ピッチ角との偏差及び高度信号HDの変動分を積分制御す
ることにより約3゜前後のピッチバイアス角を与えるよ
うなピッチバイアス角制御信号をフラップサーボアンプ
82〜85へ出力する。
上記のように、艇走から翼走へ離水するときに、上記
のように一定の比較的小さなピッチバイアス角θを付
与するだけでは、後部翼24及び後部フラップ26〜29の揚
力が不足して十分な離水性能が得られないことがあるの
で、本願では次のような特有の後部フラップ制御装置AF
Cを設けてある。
次に、第5図〜第8図を参照しながら、第4図の制御
系に組込まれる後部フラップ制御装置AFCの構成及び作
用について説明する。
この後部フラップ制御装置AFCは、第5図に示すよう
に、前記船速計58と、モード切換スイッチ59と、最大フ
ラップバイアス角設定器90と、フラップバイアス角信号
発生装置91と、フラップ制御信号発生器92とを備えてい
る。
上記船速計58は電磁ロズからなり対水船速を検出して
船速信号SDを出力する。モード切換スイッチ59は既述の
ように離水モードと翼走モードとを択一的に指令する信
号MCを出力する。最大フラップバイアス角設定器90は、
例えばテンキーからなり、操縦者は予め準備された第8
図に示すようなテーブルやグラフと出港直前に乗員から
提出された載荷率のデータとに基いて載荷率に応じた最
大フラップバイアス角θを決定し、上記設定器90から
フラップバイアス角信号発生装置91へ入力する。但し、
設定器90は操作レバーとボリュームなどで構成してもよ
い。第8図において、載荷率が70%以下のときにはこの
後部フラップ制御装置AFCによりフラップバイアス角θ
(S)(第7図参照)を後部フラップ26〜29に付与しな
くとも前記ピッチバイアス角θにより略確実に離水可
能なので、最大フラップバイアス角θは第8図のよう
に載荷率70%以上のときには載荷率の増大に応じて増大
するように設定されている。但し、海象条件や風の条件
が悪いときには操縦者の判断で所望の最大フラップバイ
アス角θを設定器90から入力設定してもよい。
上記フラップバイアス角信号発生装置91は、A/D変換
器とマイクロコンピュータとD/A変換器などからなり、
船速計58からの船速信号SDとモード切換スイッチ59から
の信号MCと設定器90からの最大フラップバイアス角θ
を表わす信号MACとを受けて、これら信号を必要に応じ
てA/D変換器でA/D変換し、船速Sをパラメータとし最大
フラップバイアス角θを最大値とする第7図の折線B
のような所定の特性関数によって船速信号SDに対応する
フラップバイアス角θ(S)を演算し、そのフラップバ
イアス角θ(S)をD/A変換して得られるフラップバイ
アス角信号FACを出力する。
上記フラップ制御信号発生器92は、上記フラップバイ
アス角信号FACを受けて上記フラップバイアス角θ
(S)だけ追加的に後部フラップ26〜29を下方へ傾動さ
せるフラップ制御信号FAを発生した左舷及び右舷のフラ
ップサーボアンプ82〜85へ出力する。但し、モード切換
スイッチ59からのモード信号MCが離水モードを指定して
いるときにのみ上記のような後部フラップ制御が実行さ
れる。
上記離水モードのときには、第4図のピッチ微分増幅
器65内のピッチバイアス角制御回路からの制御信号によ
り後部フラップ26〜29はピッチバイアス角θだけ下方
へ傾動され、また上記フラップ制御信号FAにより後部フ
ラップ26〜29は追加的に検出船速に対応するフラップバ
イアス角θ(S)だけ下方へ傾動されることになる。但
し、ピッチ微分増幅器65内のピッチバイアス角制御回路
でピッチバイアス角θを付与するのを省略した場合に
は、フラップバイアス角信号発生器91でバイアス角(θ
+θ(S))に相当するバイアス角信号を発生させる
ように構成してもよい。
上記本願特有の後部フラップ制御装置AFCが設けられ
ておらず、離水時に後部フラップ26〜29がピッチバイア
ス角θだけ下方へ傾動される場合の推進抵抗は第6図
の曲線R1のようになる。尚、点P1は離水動作が開始する
点であり、離水の進行に応じて推進抵抗が急減して船速
Sが加速され、それに伴なって揚力が増大し離水が増々
進行し、約30ノットの船速で完全に離水状態となる。し
かし、離水開始前、後部フラップ26〜29の傾動角が小さ
いために後部翼24と後部フラップ26〜29の揚力が小さ
く、船体10の後部の上昇量が小さいことから抵抗が大き
くなり、推進装置の略定格の推力THと点P1の位置での最
大抵抗との差が小さいために十分な離水性能が得られな
い。
一方、当初から後部フラップ26〜29を仮にバイアス角
(θ+θ)だけ下方へ傾動させた場合の推進抵抗は
曲線R2のようになり、最大抵抗が低下する。即ち、後部
翼24と後部フラップ26〜29の揚力の増大により船体10の
後部の上昇が促進されて最大抵抗が若干低くなるが、離
水完了時にバイアス角(θ+θ)による抵抗増加が
生じるので、離水完了時の最小抵抗は若干高くなる。
本願の後部フラップ装置AFCにより折線Bのように台
形状の特性のフラップバイアス角θ(S)を付与するこ
とにより、推進抵抗が曲線R3のような特性となる。
即ち、フラップバイアス角θ(S)により揚力が増大
して船体10の後部の上昇が促進されて推進抵抗が低下
し、推力THと最大抵抗との差が増大して加速が促進され
る。これにより、後部翼24と後部フラップ26〜29の揚力
が増大して約15ノットという低船速で離水が開始し、離
水の開始により抵抗が減少して加速が進み揚力が増大す
る。このようにフラップバイアス角θ(S)を付与する
ことにより相乗的又は累積的に離水が促進されるように
なるので、艇走から翼走へ移行する為の所要時間が約50
%短縮されて約2分で確実に離水可能となる。尚、離水
完了後にはモード切換スイッチ59が翼走モードへ切換え
られるので、後部フラップ制御装置AFCの動作が停止
し、ピッチ微分増幅器65内のピッチバイアス角制御回路
によりピッチ角が約1〜2゜になるようにピッチバイア
ス角が制御される。
尚、後部フラップ制御装置AFCのうちのフラップバイ
アス角信号発生装置91とフラップ制御信号発生器92はこ
れら単独で或いは第4図のコントロールユニットCUに含
まれる機器とともにコンピュータを主体として構成する
ことも出来る。
上記後部フラップ制御装置AFCによれば、水中翼船JF
の後部フラップ26〜29を載荷率及び船速Sに応じたフラ
ップバイアス角θ(S)だけ追加的に傾動させることに
より、離水性能を飛躍的に向上させ、海象条件や風や載
荷状態に拘らず確実に離水させることが出来、艇走から
翼走への移行所要時間を大幅に短縮することが出来、操
縦者の負担を軽減することが出来る。
尚、参考までに補足説明すると、符号58・59・90・91
で図示の機器の代りにフラップ制御信号発生器92に機械
的又は電気的に接続された手動操作レバーなどの入力手
段を設け、この入力手段を第7図の折線Bのような特性
で手動操作することによりフラップバイアス角信号FAC
に相当する信号を入力するように構成しても目的を達成
することが出来る。
或いは、フラップバイアス角信号発生装置91からのフ
ラップバイアス信号をピッチ微分増幅器65のピッチバイ
アス角制御回路へ出力することによっても目的を達成す
ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の実施例を示すもので、第1図は水中翼船
の右側面図、第2図は水中翼船の検出機器等の配置を示
す概略斜視図、第3図は水中翼船の運動の軸を説明する
概略斜視図、第4図は制御系の要部ブロック図、第5図
は後部フラップ制御装置のブロック図、第6図は推進抵
抗と推力の線図、第7図は後部フラップのピッチバイア
ス角とフラップバイアス角を示す線図、第8図は最大フ
ラップバイアス角の線図である。 JF……水中翼船、13……前部翼、14……前部フラップ、
24……後部翼、26〜29……後部フラップ、30・32〜35…
…アクチュエータ、58……船速計、80・82〜85……フラ
ップサーボアンプ、AFC……後部フラップ制御装置、90
……最大フラップバイアス角設定器、91……フラップバ
イアス角信号発生装置、92……フラップ制御信号発生
器。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】船首部及び船尾部に夫々設けた前部翼及び
    後部翼と、前部翼に設けられた前部フラップ及び後部翼
    に設けられた後部フラップと、前部フラップを駆動する
    前部フラップ駆動手段及び後部フラップを駆動する後部
    フラップ駆動手段とを備えた水中翼船において、 船速を検出する船速検出手段と、 後部フラップの最大フラップバイアス角を入力設定する
    為の角度設定手段と、 船速検出手段からの船速信号と、角度設定手段からの最
    大フラップバイアス角信号とを受けて、少なくとも船速
    が所定の完全離水船速以下のときに、船速をパラメータ
    とし最大フラップバイアス角を最大値とする所定の特性
    に基いて船速に対応したフラップバイアス角を決定して
    フラップバイアス角信号を出力するフラップバイアス角
    信号発生手段と、 上記フラップバイアス角信号を受けそのフラップバイア
    ス角信号に基いて後部フラップを下方へ傾動させるフラ
    ップ制御信号を発生し後部フラップ駆動手段へ出力する
    フラップ制御信号発生手段とを備えたことを特徴とする
    水中翼船の後部フラップ制御装置。
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