JP2581979B2 - 水中翼船の緊急着水姿勢制御装置 - Google Patents

水中翼船の緊急着水姿勢制御装置

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JP2581979B2 JP1180057A JP18005789A JP2581979B2 JP 2581979 B2 JP2581979 B2 JP 2581979B2 JP 1180057 A JP1180057 A JP 1180057A JP 18005789 A JP18005789 A JP 18005789A JP 2581979 B2 JP2581979 B2 JP 2581979B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は水中翼船の緊急着水姿勢制御装置に関し、特
に緊急着水時における乗心地の改善を図ったものに関す
る。
〔従来技術〕
最近、特公昭53−37636号公報に記載されているよう
な高速水中翼船が実用化されているが、この水中翼船で
は船首部と船尾部とに夫々回動式ストラットを介して前
部翼と後部翼が設けられ、前部翼には前部フラップ装置
がまた後部翼には後部フラップ装置が夫々設けられ、船
尾部にはウォータジェット方式の推進装置が設けられ、
種々の検出機器からの検出信号に基いて制御装置によっ
て前部フラップ装置と後部フラップ装置とラダー(前部
ストラット)を制御するようになっている。
上記水中翼船が翼走から艇走へ移行するため着水する
場合、通常の着水では操縦者が後進発令レバーを操作
し、リバーサーを介して推進装置のウォータジェットを
逆方向へ切換えることにより、船速を低下させて円滑な
着水を行なっている。
ところで、他船との衝突回避などの為に緊急着水する
場合には、操縦者が前部翼の深度を設定する深度設定レ
バーを最大深度まで操作すると、深度設定信号に従って
制御装置から前部フラップ装置のサーボアンプへ前部フ
ラップを最大限上方へ傾動させる駆動信号が出力され、
船首下がりの前傾姿勢で緊急着水するようになってい
る。
尚、参考までに特公昭56−49798号公報には、電源系
統の故障対策技術を組込んだ水中翼船の着水に係る制御
装置が記載されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来の緊急着水技術においては、深度設定レバー
からの深度設定信号で前記フラップ装置へ指令が出力さ
れ、前部フラップのみが操作され、船首部が著しく下が
った前傾姿勢で着水することから、乗客や乗組員には前
傾方向へ大きな慣性力が作用すること、甲板面が前方下
がりに大きく傾くこと、などの問題がある。
本発明の目的は、船体が前方下がりに前傾して船首部
接水直後に船尾部を下方移動させて船体の前傾姿勢を緩
和し得るような水中翼船の緊急着水姿勢制御装置を提供
することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明に係る水中翼船の緊急着水姿勢制御装置は、船
首部及び船尾部に夫々設けた前部翼及び後部翼と、前部
翼に設けられた前部フラップ及び後部翼に設けられた後
部フラップと、前部フラップを駆動する前部フラップ駆
動手段及び後部フラップを駆動する後部フラップ駆動手
段と、前部翼の深度を設定する深度設定信号を出力する
深度設定レバーと、深度設定信号を受けて深度設定信号
の増大に応じて前部フラップの上方への傾動角を増大さ
せるように前部フラップ駆動手段を制御する制御手段と
を備えた水中翼船において、前記深度設定レバーから深
度設定信号を受け、深度設定信号が所定値以上になった
ときに動作開始信号を出力する動作開始信号発生手段
と、上記動作開始信号を受けてそれを所定短時間だけ遅
延させる遅延手段と、上記遅延手段から遅延動作開始信
号を受けて、後部フラップ駆動手段へ後部フラップを上
方へ所定角度傾動させる傾動バイアス信号を出力する傾
動バイアス信号発生手段とを備えたものである。
〔作用〕
本発明に係る水中翼船の緊急着水姿勢制御装置におい
ては、水中翼船が翼走状態から緊急着水する際に、操縦
者が深度設定レバーを最大深度を設定するように操作す
ると、その深度設定信号を受けて制御手段により前部フ
ラップ駆動手段が前部フラップを上方へ最大限傾動させ
るように制御されて船首部が下がり着水が開始される。
一方、動作開始信号発生手段は、深度設定レバーから
深度設定信号を受けて緊急着水の為それが所定値以上に
なったときには動作開始信号を出力する。この動作開始
信号は値え回路により所定短時間遅延されて傾動バイア
ス信号発生手段へ出力される。傾動バイアス信号発生手
段は、遅延動作開始信号を受けると、後部フラップ駆動
手段へフラップを上方へ所定角度傾動させる傾動バイア
ス信号を出力するので、後部フラップが上方へ傾動して
船尾側が下がり、船体は後傾姿勢で着水することにな
る。
従って、緊急着水開始時には船体は船首下がりの前傾
姿勢で安定性よく着水を開始し、その直後には後部フラ
ップを介して船尾部が下げられた後傾姿勢で着水するこ
とになる。
〔発明の効果〕
本発明に係る水中翼船の緊急着水姿勢制御装置によれ
ば、以上説明したように、動作開始信号発生手段と、遅
延手段と、傾動バイアス信号発生手段とを設けたことに
より、翼走状態から緊急着水時、船首下がりの前傾姿勢
で安定性よく着水を開始させ、着水開始直後に船尾部を
下げた後傾姿勢で着水させることが出来る。これによ
り、緊急着水時に乗客や乗員に作用する前傾方向への慣
性力が緩和されるとともに甲板面の前方下がり傾斜が緩
和され、緊急着水時の乗心地を改善することが出来る。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例について図面に基いて説明す
る。
本実施例は、通称ジェットフォイルと称する水中翼船
に本発明を適用した場合の一例である。
第1図・第2図に示すように、水中翼船JFの船体10の
船尾部の下部中央には翼形断面のラダーを兼ねる前部ス
トラット12がその上端部において鉛直軸回り及び左右方
向水平軸回りに回動可能に設けられ、前部ストラット12
の下端部には前部翼13が設けられ、前部翼13の後縁部に
は前部フラップ14が設けられている。翼走時に前部スト
ラット12は図示のように鉛直に下方へ伸張されまた艇走
時には矢印11方向へ回動して前方へ水平に起される。
船体10の船尾部の下部には、左右1対の翼形断面の後
部ストラット20・22がその上端部において左右方向の水
平枢支ピン21を介して回動可能に設けられ、左右の後部
ストラット20・22の中間位置には中間ストラット23がそ
の上端において左右方向の水平枢支ピンを介して回動可
能に設けられ、左舷後部ストラット20と右舷後部ストラ
ット22の下端部同士に亙って後部翼24が設けられ、後部
翼24は中間ストラット23の下端部にも固着されている。
上記後部翼24の後縁部には左舷側2枚及び右舷側2枚計
4枚の後部フラップ26〜29が設けられている。但し、通
常の場合各舷の内側後部フラップ26・28と外側後部フラ
ップ27・29とは同期作動される。上記中間ストラット23
及びその上端近傍の船体底部とに亙ってウォータジェッ
ト方式の推進装置(図示略)が設けられている。但し、
これに代えてプロペラ方式の推進装置を設けることも可
能である。翼走時に後部ストラット20・22及び中間スト
ラット23は図示のように鉛直に下方へ伸張されまた艇走
時に矢印25方向へ回動して後方へ水平に起される。
第2図・第4図に示すように、前部フラップ14と左舷
内側後部フラップ26と左舷外側後部フラップ27と右舷内
側後部フラップ28と右舷外側後部フラップ29とを夫々回
動駆動する油圧式アクチュエータ30・32〜34が設けら
れ、また前部ストラット12を鉛直軸回りに回動駆動する
油圧式アクチュエータ31が設けられ、更に前部ストラッ
ト12を水平軸回りに前方へ回動駆動する油圧式アクチュ
エータ及び後部ストラット20・22・23を枢支軸21回りに
回動駆動する油圧式アクチュエータも設けられている。
但し、上記油圧式アクチュエータ30〜35などの代りに電
気式アクチュエータを設けることも可能である。
次に、前部翼13と後部翼24の揚力で船体10を水面上に
浮上させて航行する翼走時における船体運動について第
3図に基いて説明する。翼走時に船体10は水面から浮上
状態になるが、前部と後部の翼13・24及び前部と後部の
ストラット12・20・22・23が波浪の影響を受けるので、
船体10は鉛直方向にヒービングしまたロール軸40の回り
にローリングしまたピッチ軸41の回りにピッチングしま
たヨー軸42の回りにヨーイングする。翼走時において、
前部ストラット12と後部ストラット20・22・23はローリ
ングを抑制するように作用するとともに、翼走の方向安
定性を増大させる。一方、前部翼13と前部フラップ14と
後部翼24と後部フラップ26〜29はピッチングを抑制する
ように作用する。
ここで、前部フラップ14を下方へ傾けると前部翼13と
前部フラップ14の揚力が増加して船首側が上方へ移動し
またその反対に上方へ傾けると船首側が下方へ移動す
る。このことは後部フラップ26〜29についても同様であ
り、前部フラップ14と後部フラップ26〜29とを同方向へ
傾けることにより水面に対する船体10の高度(つまり、
翼深度)を変えることが出来る。但し、実際には、前部
フラップ14のみを介して船体10の水面に対する高度を調
節するようになっている。また、前部フラップ14と後部
フラップ26〜29を介してピッチ角(つまり、トリム)を
制御することが出来、また前部フラップ14と後部フラッ
プ26〜29とをピッチングに同期して相互に逆方向へ傾け
ることによりピッチングを抑制することが出来、また左
舷の後部フラップ26・27と右舷の後部フラップ28・29と
を相互に逆方向へ傾けることによりロール角を付与した
状態で前部ストラット12(ラダー)を鉛直軸回りに回動
させることによりロール方向へ円滑に旋回航行すること
が出来、また左舷の後部フラップ26・27と右舷の後部フ
ラップ28・29とをローリングに同期して相互に逆方向へ
傾けることによりローリングを抑制することが出来る。
次に、船体10の姿勢制御(高度、翼深度、ピッチ角、
トリムなど)とピッチング及びローリングの抑制制御等
に必要な種々の検出信号を得る為の検出器等について説
明する。
第2図に示すように、船首部には、水面までの距離を
検出する超音波式の1対の船首高度検出器50と、船首の
水平左右方向加速度を検出する船首横加速度計51と、船
首の上下方向加速度を検出する船首上下加速度計52が設
けられている。
船首部の左舷と右舷には上下方向の加速度を検出する
左舷上下加速度計53及び右舷上下加速度計54が夫々設け
られている。操舵室には、ピッチ角を県内するピッチジ
ャイロ55と、ロール角を検出するロールジャイロ56と、
ヨー運動の速度を検出するヨーレートジャイロ57とが設
けられている。前部ストラット12の下端近傍部には船速
を検出する船速計が設けられている。
操舵室には、上記種々の検出機器からの検出信号を受
けるコントロールユニットCUと、旋回を指令する舵輪60
と、前部フラップ14を介して翼13・24の深度(船体の水
面に対する高度)を設定する深度設定レバー61と、推進
装置を駆動するガスタービンエンジンのスロットル弁を
操作するスロットルレバー(図示略)と、その他種々の
スイッチ類・計器類が設けられている。
次に、上記水中翼船JFの制御系の概要について説明す
る。
第4図の制御系のブロック線図に示すように、船首高
度検出器50からの信号HDと深度設定レバー61からの信号
HCとが深度誤差増幅器64へ出力されて両信号の差(HC−
HD)を増幅した制御信号ΔHAが前部フラップサーボアン
プ80へ出力され、そのサーボアンプ80から前部フラップ
アクチュエータ30へ駆動信号が出力される。
舵輪60からの操舵信号WC(又は針路保持回路(図示
略)からの操舵信号)とロールジャイロ56からの信号RD
がロール微分増幅器66へ供給され、両信号の差(WC−R
D)の変化速度を増幅した制御信号ΔRAが左舷フラップ
サーボアンプ82・83へ出力され、制御信号ΔRAを反転器
69で反転した信号が右舷フラップサーボアンプ84・85へ
出力される。そして、左舷フラップサーボアンプ82・83
からはフラップアクチュエータ32・33へ夫々駆動信号が
供給される。従って、旋回航行への移行時及び旋回航行
中には操舵信号WCで指令されるロール角となるように且
つ旋回内側へ船体10がロールするように左舷後部フラッ
プ26・27と右舷後部フラップ28・29とが相互に逆方向へ
駆動される。これと同時に、ロールジャイロ56からの信
号RDが増幅器74により制御信号RDAに増幅されて方向舵
サーボアンプ81へ供給され、このサーボアンプ81から前
部ストラット旋回用アクチュエータ31へ駆動信号が出力
される。従って、舵輪60からの操舵信号に従って船体10
が旋回方向へロールし、そのロール角に従って前部スト
ラット12が旋回方向へ旋回駆動されることになる。それ
故、船体10が円滑に旋回するうえ、乗客と乗組員には小
さな慣性力しか作用しない。
上記旋回時、ヨーレートジャイロ57からヨー軸42回り
の旋回速度に比例する信号YDが増幅器75により制御信号
YDAに増幅されて方向舵サーボアンプ81へ出力され、こ
の制御信号YDAにより前部ストラット12の旋回速度が制
御される。これと同様に、船首横加速度計51からの信号
LDが増幅器70により制御信号LDAに増幅されて方向舵サ
ーボアンプ81へ供給され、旋回時の船首部の横方向加速
度を制限する為に用いられる。
次に、ピッチングやローリングを抑制する作用につい
て説明する。
船首上下加速度52からの信号VDが積分増幅器68へ供給
されるとともに、ロールジャイロ56で検出されるロール
角を2乗した信号RRDがロール2乗回路67から積分増幅
器68へ供給され、両信号VD・RRDを結合して積分増幅し
た制御信号VRAが前部フラップサーボアンプ80へ供給さ
れる。即ち、船体10のピッチングに応じて船首部の上下
加速度が増大するが、ピッチングを打ち消すような制御
信号VRAがサーボアンプ80へ供給されて前部フラップ14
が制御される。更に、上記信号RRDを積分増幅器68へ供
給することにより、旋回時やローリング時のロール角に
より発生する上下加速度分だけ信号VDに対して補正する
ようになっている。
ピッチジャイロ55からの信号PDはピッチ微分増幅器65
へ供給され、ピッチ角の変化速度を増幅した制御信号Δ
PAは左舷及び右舷フラップサーボアンプ82〜85へ供給さ
れ、また制御信号ΔPAは反転器62で反転されて前部フラ
ップサーボアンプ80へ供給される。これにより、ピッチ
ングにより船首側が上方へ移動したときには前部フラッ
プ14を上方へ傾けて船首部を下げ且つ後部フラップ26〜
29を下方へ傾けて船尾部を上げるような制御がなされ、
ピッチングが抑制される。
船体10がローリングするときには、ロール角の変化速
度に相当する制御信号ΔRAを介して左舷後部フラップ26
・27と右舷後部フラップ28・29とが相互に逆方向へ且つ
ローリングを抑制する方向へ駆動されてローリングが抑
制される。
一方、左舷上下加速度計53からの信号LVDは増幅器71
により制御信号LVAに増幅されて左舷フラップサーボア
ンプ82・83へ供給され、また右舷上下加速度計54からの
信号RVDは増幅器73により制御信号RVAに増幅されて右舷
フラップサーボアンプ84・85へ供給される。こうして、
例えば左舷側へローリングしたときには左舷後部フラッ
プ26・27を下方へ傾け且つ右舷後部フラップ28・29を上
方へ傾けてローリングが抑制される。尚、第4図のコン
トロールユニットCUは実際にはコンピュータと増幅器類
などで構成されている。
次に、第5図・第6図を参照しながら、上記水中翼船
の制御系に組込まれる緊急着水姿勢制御装置EPCの構成
及び作用について説明する。
この緊急着水姿勢制御装置EPCは、翼走中に他船等と
の衝突の危険性が発生したような場合に、深度設定レバ
ー61を操作して前部フラップ14を上方へ傾動させること
により船首側を下げて前傾姿勢で緊急着水する際に、着
水開始後船尾側を下げた後傾姿勢にして着水できるよう
にしたものである。
この緊急着水姿勢制御装置EPCはコントロールユニッ
トCUに組込まれる動作開始信号発生器90と、遅延回路91
と、傾動バイアス信号発生器92とを備えている。
動作開始信号発生器90は、前述の深度設定レバー61か
ら深度設定信号HCを受けて、その信号HCが所定値K以上
になったときにパルス状の動作開始信号TPを出力する。
緊急着水しようとするときに操縦者は深度設定レバー
61を最大深度位置まで急操作するので、第6図に示すよ
うに深度設定信号HCが急激に増加し、所定値K以上に増
加する。
これに応じて、第4図に示す制御信号ΔHAが急激に大
きくなり、前部フラップサーボアンプ80からの駆動信号
により前部フラップ14が上方へ最大限傾動駆動され、前
部翼13の翼深度が急激に増大して船体10は著しい前下が
りに前傾姿勢となり、緊急着水を開始する。このように
船首部から着水しないと大きな迎え波等で船体10の安定
性が損なわれるからである。
一方、深度設定レバー61の急操作に応じて深度設定信
号HC≧Kになると、動作開始信号発生器90は、その内部
に有する比較回路により深度設定信号HC≧Kを検出して
動作開始信号TPを出力する。
遅延回路91は動作開始信号発生器90から動作開始信号
TPを受けてこの信号TPを所定短時間Δt(例えば、0.5
〜1.0秒)遅延させ、その遅延動作開始信号DTPを出力す
る。但し、上記遅延時間Δtは深度設定レバー61の操作
から着水終了に要する時間の約1/2程度の時間とするの
が望ましい。
傾動バイアス信号発生器92は、遅延回路91から遅延動
作開始信号DTPを受けて、後部フラップ26〜29を上方へ
所定角度(例えば、5〜10゜)傾動させるように指令す
る傾動バイアス信号BSを左舷及び右舷のフラップサーボ
アンプ82〜85へ十分に長い所定時間に亙って出力する。
これにより、後部フラップ26〜29が上方へ傾動し、後部
翼24及び後部フラップ26〜29の揚力が減少し船体10の船
尾側が下方へ移動して船体10はトリム角を有する後傾姿
勢で船体10の全長に亙って着水する。
従って、緊急着水時、乗客や乗員に対しては着水開始
時に前傾方向(前下がり方向)への若干の慣性力が作用
するが、その後は船体10の姿勢が後傾に修正されるの
で、船体軸の前方向の慣性力が緩和されるので乗心地が
著しく改善される。加えて、着水開始時には甲板面が前
傾状に大きく傾斜するがその後直ちに後傾状態に修正さ
れるので、種々の面で望ましいこととなる。
尚、動作開始信号発生器90と遅延回路91と傾動バイア
ス信号発生器92はこれら単独で或いはコントロールユニ
ットCU内のその他の機器と共にコンピュータで構成する
ことも可能であり、その場合深度設定信号HCをD/A変換
するD/A変換器や傾動バイアス信号BSを増幅する増幅器
などを必要に応じて設ければよい。
尚、緊急着水停止時、操縦者は後進発令レバーを操作
して、推進力の方向を後方向きに切換えたり、推進用ガ
スタービンエンジンのスロットルレバーを全閉位置へ操
作するので、上記両レバーからの指令信号を傾動バイア
ス信号発生器92へ入力しておいて、緊急着水停止時には
傾動バイアス信号BSを大きくするように構成してもよ
い。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の実施例を示すもので、第1図は水中翼船
の右側面図、第2図は水中翼船の検出機器等の配置を示
す概略斜視図、第3図は水中翼船の運動の軸を説明する
概略斜視図、第4図は制御系の要部ブロック図、第5図
は緊急着水姿勢制御装置のブロック図、第6図は深度設
定信号等のタイムチャートである。 JF……水中翼船、13……前部翼、14……前部フラップ、
24……後部翼、26〜29……後部フラップ、30・32〜35…
…アクチュエータ、61……深度設定レバー、80・82〜85
……フラップサーボアンプ、90……動作開始信号発生
器、91……遅延回路、92……傾動バイアス信号発生器。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】船首部及び船尾部に夫々設けた前部翼及び
    後部翼と、前部翼に設けられた前部フラップ及び後部翼
    に設けられた後部フラップと、前部フラップを駆動する
    前部フラップ駆動手段及び後部フラップを駆動する後部
    フラップ駆動手段と、 前部翼の深度を設定する深度設定信号を出力する深度設
    定レバーと、深度設定信号を受けて深度設定信号の増大
    に応じて前部フラップの上方への傾動角を増大させるよ
    うに前部フラップ駆動手段を制御する制御手段とを備え
    た水中翼船において、 上記深度設定レバーから深度設定信号を受け、深度設定
    信号が所定値以上になったときに動作開始信号を出力す
    る動作開始信号発生手段と、 上記動作開始信号をを受けてそれを所定短時間だけ遅延
    させる遅延手段と、 上記遅延手段から遅延動作開始信号を受けて、後部フラ
    ップ駆動手段へ後部フラップを上方へ所定角度傾動させ
    る傾動バイアス信号を出力する傾動バイアス信号発生手
    段とを備えたことを特徴とする水中翼船の緊急姿勢制御
    装置。
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