JP4004912B2 - 舵面制御方法及び装置並びに航空機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、例えば、離着陸時,空中投下時等の飛行フェーズにおいて、機体ハードウェアの変更なしに機首上げ操舵のためのエレベータ舵角を大きくすることができる舵面制御方法及びその実施に使用する装置、並びに当該装置を搭載した航空機に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に大型航空機には、主操縦装置として縦(上下、以下ピッチと称す)方向、横(機軸回りの回転で、以下、ロールと称す)方向、方位(左右で、以下、ヨーと称す)方向の3軸回りの機体コントロールのするための操縦装置が設けられている。この内、ピッチ方向操縦のための舵面として、昇降舵(以下、エレベータと称す)と可動式のスタビライザ(以下、スタビライザと称す)が装備されている。エレベータは、高応答性のある高速作動が可能な舵面(以下、高速作動舵面と称す)であり、スタビライザは低速作動の舵面(以下、低速作動舵面と称す)でトリム操舵に使用される。このため、通常、高速作動舵面であるエレベータは、油圧アクチュエータによる強力なエレベータアクチュエータにより高速な操舵を可能としてあり、一方、低速作動舵面であるスタビライザは、大きな力を要する反面、操舵速度が遅くてもよいため、油圧モータ駆動のスクリュウジャッキ等のアクチュエータ(スタビライザ駆動用ジャッキ)により操舵されるようになっている。
【0003】
例えば、フライ・バイ・ワイヤ(FBW:fly-by-wire)方式におけるエレベータ及びスタビライザの制御系は、図7に示すようなものである。フライ・バイ・ワイヤ方式を採用した航空機は、温度,圧力,G(重力)等を検出する飛行状態センサ91を備えると共に、この飛行状態センサ91の検出データに基づいて速度,高度,姿勢等を演算するエアデータコンピュータ92を備えており、操縦桿95からの入力があると、この入力情報を、フライトコントロールコンピュータ(FCC)10が飛行状態センサ91及びエアデータコンピュータ92からの情報を勘案して処理し、エレベータ8及びスタビライザ7を駆動する電気式又は油圧駆動式等の各アクチュエータを作動させるようになっている。
【0004】
より詳しくは、フライバイワイヤ機では、通常自動トリム機能が働いておりFCC 10は、飛行状態センサ91及びエアデータコンピュータ92からの入力と操縦桿95からの入力とに基づいてエレベータコマンドを生成し(ステップS101)、該エレベータコマンドを、エレベータ8及びスタビライザ7の各アクチュエータに応じたエレベータ舵角コマンド及びスタビライザ舵角コマンドにそれぞれ変換する(ステップS102〜S104)。FCC 10は、エレベータ舵角コマンドを、例えば、コントロールバルブに与え、該コントロールバルブに接続されたエレベータアクチュエータによりエレベータ8を操舵する。一方、FCC 10は、スタビライザ舵角コマンドを、例えば、ジャッキコントローラに与え、該ジャッキコントローラが駆動するスタビライザ駆動用ジャッキを作動させてスタビライザ7を操舵しトリムを取る。
【0005】
ここで、エレベータ舵角コマンドは、通常は、操縦桿95からの入力の大きさに応じた舵角信号であり、スタビライザ舵角コマンドは、出力するエレベータ舵角コマンドに応じて、一定の条件下で、スタビライザ7に対するエレベータ8の舵角が舵面ニュートラル位置となるようにスタビライザ7を操舵するための舵角信号となる。
【0006】
なお、本明細書において、「舵面ニュートラル位置」とは、エレベータ8等の舵面がスタビライザ7等の舵面に対してなす角度が零度(0°)である角度位置で操縦桿は操舵原点(即ち、保舵力を必要としない位置)にある状態を示す。従って、上記舵面ニュートラル位置は、一般には、エレベータ8が上下均等な角度でその動作角度範囲を有している状態である。
【0007】
一般に、離着陸時のノーズアップ(引き起こし)動作のような飛行フェーズの際に、エレベータは、最大の舵効きを要求され、この要求によって、エレベータだけでなく水平尾翼全体の大きさが設計上制約されることがある。
【0008】
上記飛行フェーズにおけるエレベータ及びスタビライザの制御を、例えば、着陸時を想定して図8(a)〜(d)を参照しながら説明する。
【0009】
まず、図8(a)は、航空機が着陸アプローチを開始した時点でのエレベータ8及びスタビライザ7の状態を示している。次いで、図示しないフラップが着陸位置に動作されるのに応じて機首下げモーメントが発生した場合、この機首下げを抑えるために、図8(b)に示す如く、例えば、パイロットがエレベータ8を上げる方向に操舵する。
【0010】
FCCは、エレベータ8が操舵されると、図8(c)に示す如く、エレベータ舵面ニュートラル位置になる方向にスタビライザ7を上げて自動的にトリムを取り、これに合わせてパイロットはエレベータ操舵を戻す方向に操縦桿を戻しパイロットによる保舵力を低減して行き、エレベータ7の舵角がスタビライザ7に対して0°(舵面ニュートラル位置)に戻るようにする。
【0011】
着陸直前に、機体が地面に近づくと、水平尾翼が下向きに発生していた力が急激に減少するため、図8(d)に示す如く、パイロットは、エレベータ8を上げてこれを補うが、この時点では、その舵面ニュートラル位置にあるエレベータ8をその片側動作角度範囲の全体が上げ操舵に使える上限である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例えば、上述の如き状態の後で着陸復行をする場合には、より大きな舵効きを必要となるため、必要な舵効きが最大舵効き(上記の場合には「上げ方向の片側動作角度範囲」)を超える場合には、水平尾翼サイズ等をその設計から変更する必要がある。
【0013】
具体的な設計変更としては、エレベータ舵面の拡大とこれに伴うエレベータ用のアクチュエータの大型化,舵面失速を起こし難い翼型の採用,ボルテックス・ジェネレータの如き空力デバイスの採用等が考えられるが、これらの設計変更は、機体重量,抗力,及びヒンジモーメントの増加等の不都合を伴うため、設計上の制約がある場合には実質的に困難である。
【0014】
本願発明は、上記状況に鑑みて行なわれたものであり、例えば、スタビライザ及びエレベータ等の同一操縦軸(ここでは、ピッチ軸)にかかる2つの操縦舵面の一方(例えば、エレベータ)を、それ以後に必要となる操舵方向が判っている場合に、反対方向へ予め切った状態で機体の姿勢を維持できるようにスタビライザでトリムを取ることにより、機体重量,抗力,及びヒンジモーメントの増加等を伴う機体ハードウェアの設計変更なしに、エレベータの最大舵角を大きく取ることができる舵面制御方法及び装置、並びに当該装置を搭載した航空機を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本願発明に係る舵面制御方法は、航空機の3軸回り操縦で、その任意の1軸回りの操縦用に高速作動および低速作動する2つの舵面を有し、高速作動舵面は機体運動の制御に、低速作動舵面はトリムを取るように利用する航空機において、高速作動舵面を要求される飛行形態まで操舵し、低速作動舵面で自動的にトリムして高速作動舵面を戻しながら舵面ニュートラルになるようにする第1ステップと、更に高速作動舵面を前記位置を越えて操舵する第2ステップと、現状の機体姿勢を維持できるような空力平衡を取るため、高速作動の前記位置を越えた舵面位置に対応する位置まで低速作動舵面を操舵する第3ステップとを有することを特徴とする。
【0016】
また、本願発明に係る舵面制御装置は、航空機の3軸回り操縦で、その任意の1軸回りの操縦用に高速作動および低速作動する2つの舵面を有し、高速作動舵面は機体運動の制御に、低速作動舵面はトリムを取るように利用する航空機において、高速作動舵面を要求される飛行形態まで操舵し、低速作動舵面で自動的にトリムして高速作動舵面を戻しながら舵面ニュートラルになるようにする第1手段と、更に高速作動舵面を前記位置を越えて操舵する第2手段と、現状の機体姿勢を維持できるような空力平衡を取るため、高速作動の前記位置を越えた舵面位置に対応する位置まで低速作動舵面を操舵する第3手段とを備えることを特徴とする。
【0017】
本願発明に係る舵面制御方法及び装置を搭載した、同一操縦軸に作用する2つの舵面、例えば、スタビライザおよびエレベータを有する航空機では、それ以後に必要となるエレベータ操舵方向が定まっている場合、その反対方向にエレベータ舵角を取った状態で空力ニュートラルとなるようにスタビライザでトリムを取ることにより、機体重量、抗力およびヒンジモーメントの増加等を伴う機体ハードウェアの設計変更なしに、操舵すべき方向のエレベータ操舵量を大きく確保することができる。
【0018】
このような制御は、現存する航空機が元々備えているFCCの制御プログラムを書き換えるだけで対応することができ、機体重量,抗力,及びヒンジモーメントの増加等を伴う機体ハードウェアの設計変更なしに、最大舵角を大きく取ることができる。
【0019】
上記の如き制御は、操縦にかかる舵面の角度位置を「舵面ニュートラル位置」から「空力的ニュートラル位置」へシフトさせることになるため、後で詳述するように、着陸(着陸復行等を含む)時,空中投下時等のように操縦にかかる舵面の主となる操舵方向が決まっているような条件において利用することが望ましい。従って、本願発明に係る制御は、機体が着陸時,空中投下時等の如き所定の状態とされたときにのみ行なうように構成することが可能である。
【0020】
例えば、航空機が着陸態勢に入り、降下を開始した時点においては、図1(a)に示すように、スタビライザ7が上げられ、機体は機首を上げた姿勢を維持するようになっており、図示しないフラップの展開及び/又は着陸装置(ランディングギヤ)の下げにより、機首下げモーメントが発生するのに応じて、パイロットは、図1(b)に示すように、エレベータ8を上げて機体の姿勢を維持するように操舵する。その後、図示しないFCCは、図1(c)に示すように、パイロットによるエレベータ8の保舵力を軽減する方向にスタビライザ7を更に上げて、エレベータ8の舵角がスタビライザ7に対して舵面ニュートラル位置となるようにトリムを取る。ここまでは、前述した従来のFCCによる制御と同様である。
【0021】
続いて、本願発明では、図1(d)に示すように、エレベータ8を逆方向に操舵する。スタビライザ7は、同じ機体姿勢が維持するため、これに伴う空力モーメント変化を打ち消す方向に更に操舵される。制御しこの状態を保つ。この状態は、スタビライザとエレベータが一直線上になる舵面ニュートラル位置ではなく、「へ」の字の状態である。
【0022】
これによって、パイロットは、図1(e)に示すように、その後の着陸までに必要となるエレベータ8を上げ操舵する場合に、エレベータ8の上げ方向の片側動作角度範囲を大きく取ることができるようになる。
【0023】
但し、本願発明においては、図1(c)に示したような状態を中間状態として保持する必要はなく、図1(b)の状態から図1(d)の状態へ連続的に移行するように制御してもよい。
【0024】
このような本願発明に係る制御は、上記したような着陸時だけでなく、図2(a)に示す如く、更なる機首上げ操舵が要求される着陸復行時にも適しており、また、図2(b)に示す如き空中投下時にも適している。
【0025】
ここで、空中投下時とは、図2(b)に示すようなものであり、機体後方から排出される貨物等の投下物が機体後方へ移動されるのに伴って、機体重心が後方へ移動し、機首上げモーメントが発生する。そこで、パイロットは、この機首上げモーメントを打ち消すべくエレベータを下げて機体の水平を保つが、上記貨物が機体から離脱するのに伴って、機体重心が急激に前方へ移動する。そこで、この際に発生する機首下げモーメントを打ち消すべくエレベータを上げる。このような貨物の離脱時の機首下げモーメントは、急激に発生し、しかも比較的大きな機首上げ操舵を必要とすることから、予め機首上げ方向のエレベータ操舵角度を大きく取る本願発明の適用は有効である。
【0026】
本発明の作動を要求するトリガーとして、着陸の際のフラップ着陸装置あるいは降着装置の脚下げ位置への操作やその他の機体情報を検知して利用しても良く、また、空中投下等ではそのミッションに入るモードを選定したことを検知して利用しても良い。
【0027】
以上のように、本願発明に係る舵面制御装置は、前述したように、既存のFCCに機能を追加することによって容易に実現することが可能であるが、勿論、FCCとは別の制御装置を採用することも可能である。但し、本願発明は、所謂「フライ・バイ・ワイヤ方式」を採用した電気式の制御系に限定するものではなく、機械式の制御系に対しても適用可能である。
【0028】
また、本願発明に係る舵面制御装置は、従来技術で例示したような大型機に限らず、各種サイズの航空機に対して適用可能であることは言うまでもない。
【0029】
但し、本願発明は、航空機の3軸回りの操縦でその任意の1軸回りの操縦用に高速作動および低速作動する2つの舵面を装備した航空機に適用可能であり、これらの2つの舵面の組み合わせの例としては、
(1)全浮動式(オールフライング式)垂直尾翼とラダーとの組み合わせ、
(2)直接揚力制御(Direct Lift Control)における主翼迎え角とフラッペロンとの組み合わせ(例えば、主翼取り付け角とフラッペロンとの組み合わせ、前縁スラットとフラッペロンとの組み合わせ、スタビレータと水平カナードとの組み合わせ等)、
(3)直接横力制御(Direct Side-force Control)における横滑り角に作用する舵面と横力舵面との組み合わせ(例えば、ラダーと垂直カナードとの組み合わせ)
のようなものがある。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明に係る舵面制御方法を実施するための装置について、当該装置を搭載した航空機を例として添付の図面を参照しながら具体的に説明する。
【0031】
図3は、本願発明に係る舵面制御方法を実施するための装置を搭載した航空機の一例を示す一部透過斜視図であり、操縦系統のうちピッチ軸方向の操舵装置のみを示してある。図3において、1は一般的な大型の旅客機の如き航空機であり、該航空機1は、胴体2の前後方向の中央に低翼型の主翼3を左右に備えている。各主翼3の中間部には、吊り下げ式の推進エンジン4をそれぞれ備えている。また、各主翼3の後縁には、フラップ5がそれぞれ設けられている。
【0032】
胴体2の後端部には、垂直尾翼6と左右一対の水平尾翼とが設けられている。各水平尾翼は、スタビライザ7とエレベータ8とからなり、これらは、それぞれスタビライザ駆動用ジャッキ71及びエレベータ駆動用油圧アクチュエータ(エレベータアクチュエータ)81により操舵されるようになっている。
【0033】
胴体2の前端部には、操縦室9が設けられており、該操縦室9の後方には、機体の各部を制御するフライトコントロールコンピュータ(FCC)10が設けられている。
【0034】
図4は、図3と同様に、ピッチ軸方向の操縦系統のみを示してあり、本実施の形態に係る航空機1は、フライ・バイ・ワイヤ方式の操縦系統を備え、そのFCC 10には、飛行状態センサ91,エアデータコンピュータ92,コクピット表示装置/操作パネル/警報システム93,パイロット操作モジュール94,コントロールバルブ80,ジャッキコントローラ70,及びフラップ操作バルブ50等が接続されている。
【0035】
上記飛行状態センサ91は、エアデータコンピュータ92を介してFCC 10に接続されており、温度,圧力,重力(G)等を検出し、検出結果をエアデータコンピュータ92に与える。エアデータコンピュータ92は、飛行状態センサ91から与えられる情報をFCC 10に与える一方、飛行状態センサ91から与えられる情報に基づいて、速度,高度,姿勢等を演算し、演算結果をFCC 10に与える。
【0036】
コクピット表示装置/操作パネル/警報システム93は、操縦室9に設置された各種の表示・操作装置であり、パイロットによる操作入力をFCC 10に与える一方、FCC 10からの情報を表示するようになっている。
【0037】
パイロット操作モジュール94は、パイロットによる操縦操作のためのモジュール化された操縦装置であり、操縦桿95等を備えている。パイロット操作モジュール94は、パイロットによる例えば操縦桿95からの操作入力をFCC 10に与える。
【0038】
コントロールバルブ80は、航空機1の油圧系統に接続されており、FCC 10から与えられるエレベータ舵角コマンドに応じて開閉し、これによって流量制御されるエレベータアクチュエータ81を作動させることによって、該エレベータアクチュエータ81に連結されたエレベータ8を操舵する。操舵されたエレベータ8の舵角量(エレベータ舵角量)は、エレベータアクチュエータ81からFCC 10にフィードバックされる。
【0039】
ジャッキコントローラ70は、例えば電動アクチュエータを備え、FCC 10から与えられるスタビライザ舵角コマンドに応じて、それが備えるスタビライザ駆動用ジャッキ71を作動し、該スタビライザ駆動用ジャッキ71に連結されたスタビライザ7を操舵する。操舵されたスタビライザ7の舵角量(スタビライザ舵角量)は、スタビライザ7の舵角量を検出するスタビライザ舵角センサ72からFCC 10にフィードバックされる。
【0040】
フラップ操作バルブ50は、航空機1の油圧系統に接続されており、操縦室9内に配置されたフラップ操作モジュール96がパイロットによって操作されるのに応じて該フラップ操作モジュール96から与えられるフラップ舵角コマンドに応じて開閉し、これによって流量制御されるフラップアクチュエータ51を作動させることによって、該フラップアクチュエータ51に連結されたフラップ5を操舵する。操舵されたフラップ5の舵角量(フラップ舵角量)は、フラップアクチュエータ51からFCC 10にフィードバックされる。
【0041】
本実施の形態に係る航空機1の操縦系統は以上の如きハードウェア構成を備えており、一般的なフライ・バイ・ワイヤ方式の操縦系統の如く、エアデータコンピュータ92からのコマンド及びパイロット操作モジュール94の操作に応じて、FCC 10が、エレベータ8及びスタビライザ7を操舵する。フラップ5は、パイロットによるフラップ操作モジュール96の操作に応じて、フラップ操作バルブ50によりFCC 10を介さずに操舵される。一方、FCC 10は、各舵面の操舵により変化する機体の状態を、飛行状態センサ91及びエアデータコンピュータ92から与えられる各情報、並びにエレベータアクチュエータ81、スタビライザ舵角センサ72、及びフラップアクチュエータ51から与えられる各舵角量に応じた表示を、コクピット表示装置/操作パネル/警報システム93に表示させるようになっている。
【0042】
一般にフライバイワイヤ機の通常飛行では自動トリム機能が有効となっており、エレベータ8およびスタビライザ7の操舵のより詳しくは、所要の飛行形態に合わすためパイロットによるエレベータ8の操舵が同一方向へ所定の時間継続保持された場合に、同じ空力モーメントを維持できる状態を保ちつつ、エレベータ8のスタビライザ7に対する舵面ニュートラル位置に戻し、操縦桿95が操縦原点に戻るパイロットによる保舵力を軽減する方向に、スタビライザ7を同一方向へ操舵されるように制御される。このスタビライザ7の操舵による機体姿勢変化を打ち消すため、パイロットは操縦桿を操作しエレベータ8を元の方向に戻す操舵を行う。これにより、エレベータ8は舵面ニュートラルに戻り操縦桿も操縦原点に戻り、操縦桿の保持力は解消されることになる。
【0043】
本実施の形態の舵面制御装置としてのFCC 10は、上述の制御に加えて、例えば、フラップ5が着陸位置に選定された場合に、上述の舵面ニュートラル位置から更にエレベータ8を戻す方向に操舵し保持することにより、自動的にエレベータ8が操舵された位置で空力的ニュートラルを確保できるようにスタビライザ7がFCC 10のコマンドにより操舵され制御される。操縦桿は操縦原点では無い操舵された位置に保持され、その後必要とされるエレベータ8の操舵方向の操舵範囲を実質的に拡大できるようになる。
【0044】
次に、このようなFCC 10の制御について図5のフローチャートを参照しながら詳述する。図5において、FCC 10は、飛行状態センサ91,エアデータコンピュータ92,及び操縦桿95から与えられる情報に基づいてエレベータコマンドを生成し(ステップS101)、生成したエレベータコマンドを、コントロールバルブ80に応じたエレベータ舵角コマンドに変換し(ステップS102)、変換したエレベータ舵角コマンドをコントロールバルブ80に与えてエレベータ8の操舵を行う。
【0045】
一方、FCC 10は、エレベータコマンドの生成に応じて、フラップアクチュエータ51から与えられるフラップ舵角量に基づいてフラップ5が着陸位置とされているか否か、あるいはフラップ操作モジュール70によりフラップ5が着陸位置に選定されているか否かを判断することによって、本願発明に係る制御を適用すべき条件であるか否かを判断する(ステップS105)。フラップ5あるいはフラップ操作モジュール96がフラップ着陸位置とされていない場合(ステップS105で“NO”)には通常の自動トリム機能が働き、操縦桿操作によりエレベータ8が操舵されてその位置で保持されると、FCC 10により自動的にエレベータ8を舵面ニュートラル位置に戻すためにスタビライザ7の操舵させるコマンドを出力(ステップS107)し、スタビライザ操舵用ジャッキコントローラに指令を与えてスタビライザ7の操舵を行う。これに伴い、機体姿勢が変化し始めるので、この変化を抑えるため操縦桿95を元の位置にパイロットが戻して行き、エレベータ8は舵面ニュートラル位置に戻る。この舵面ニュートラル位置では操縦桿も操縦原点に戻り、エレベータ8は両方向の操縦範囲が均等な状態に戻る。
【0046】
フラップ5あるいはフラップ操作モジュール96がフラップ着陸位置に選定されている場合(ステップS105で“YES”)には、通常の自動トリムは解除され別途設定されたトリム機能が働き、操縦桿操作によりエレベータ8を所要量操舵してその位置で保持されると、FCC 10により自動的に、上述のスタビライザ7によるトリム操舵が働き舵面ニュートラル位置への操舵がされエレベータ8は戻す方向に操舵されると共に、その後のエレベータ8の逆方向の操舵量を大きく拡大するためエレベータ8が更に戻す方向に操舵され、その状態で空力ニュートラル位置になるようにスタビライザ7を操舵するコマンドを出力(ステップS106)し、スタビライザ操舵用ジャッキコントローラに指令を与えてスタビライザ7が操舵され、この状態で保持される。この状態ではスタビライザ7とエレベータ8は「へ」の字状態で空力的には平衡し機体姿勢は保持される。この状態では、操縦桿は操縦原点ではなくエレベータ操舵された状態に対応する位置となり、その後のエレベータ操舵する方向の操舵可能量は拡大した状態に維持される。
【0047】
尚、上述の空力ニュートラル位置によるエレベータ8の一方向の操舵可能量拡大の手順への判断のトリガーは、上述のフラップ位置検知に限らず、降着装置の脚下げ位置選定、あるいは、その他の機体情報を使用しても良い。
【0048】
図6は、従来の舵面制御方法を採用した航空機の機首上げ能力と、本願発明に係る舵面制御方法を採用した航空機の機首上げ能力との比較を示すグラフであり、縦軸には、機体の重心回りの縦揺れモーメントを主翼の面積と平均空力翼弦長及び一様流動圧とで除した縦揺れモーメント係数Cmを示し、横軸には、エレベータの舵角を示してある。ここで、縦揺れモーメント係数CmがCm=0のときにピッチトリムが取られている状態であることを示している。
【0049】
例えば、従来の航空機が図6の実線で示すエレベータ舵効き特性を有し、迎角αがα=8°での着陸引き起こし能力を評定としてその水平尾翼のサイズが定められているものとする。このとき、スタビライザのトリム舵角δHは、δH=-5°(エレベータ舵角δe=0°)であり、エレベータは、δe=±20°の間で効くことから、この航空機の機首上げ能力は、エレベータ舵角δeで0°から-20°までの差のΔCm=0.63となる。また、舵効きが線形とみなせる操縦特性が良好な範囲はδe=±12°程度である。
【0050】
このようなエレベータ舵効き特性を有する航空機に対し、本願発明に係る舵面制御方法を適用した場合を想定する。このとき、操縦桿が操舵原点にあるときのエレベータの角度位置をシフトさせる側への舵効きのために線形な範囲を半分残すとして、エレベータ舵効き特性は破線で示すものとなり操縦桿が操舵原点にあるときのエレベータの角度位置をδe=+6°とすると、トリム時のスタビライザ舵角δHは、δH=-10°となるが、機首上げ能力は、エレベータ舵角δeで+6°から-20°までの26°分のΔCm=0.89となり、従来方法よりも約40%増加させることができる。
【0051】
次に、この効果を前提として水平尾翼のサイズを再設計することを考える。舵面の面積と舵効きとの積が等しければ、同じ舵効き特性が得られるので、本願方法を採用すれば、舵面の面積は、元の約70%の大きさで済むことになる。重量及びヒンジモーメントは、舵面の面積のおよそ3/2乗に比例するので、約60%まで低減される。
【0052】
【発明の効果】
本願発明に係る舵面制御方法及び装置を搭載した、同一操縦軸に作用する2つの舵面、例えば、スタビライザおよびエレベータを有する航空機では、それ以後に必要となるエレベータ操舵方向が定まっている場合、その反対方向にエレベータ舵角を取った状態で空力ニュートラルとなるようにスタビライザでトリムを取ることにより、機体重量、抗力およびヒンジモーメントの増加等を伴う機体ハードウェアの設計変更なしに、操舵すべき方向のエレベータ操舵量を大きく確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)〜(e)は本願発明に係る舵面制御方法の原理を説明するためのスタビライザ及びエレベータの作動図である。
【図2】 本願発明に適した飛行フェーズの例を示す図である。
【図3】 本願発明に係る舵面制御方法の実施に使用する装置としてのフライトコントロールコンピュータ(FCC)を搭載した航空機の例を示す斜視図であり、操縦系統のうちピッチ軸方向の操舵装置のみを示してある。
【図4】 図3に示した航空機の舵面制御系の構成を示すブロック図であり、ピッチ軸方向の操縦系統のみを示してある。
【図5】 図4に示したフライトコントロールコンピュータ(FCC)の舵面制御手順を示すフローチャートである。
【図6】 本願発明の舵効き特性及び機首上げ能力を従来のものと比較して示すグラフである。
【図7】 従来のフライトコントロールコンピュータ(FCC)の舵面制御手順を示すフローチャートである。
【図8】 (a)〜(d)は従来の舵面制御方法の原理を説明するためのスタビライザ及びエレベータの作動図である。
【符号の説明】
1 航空機
5 フラップ
7 スタビライザ
8 エレベータ
10 フライトコントロールコンピュータ(FCC)

Claims (9)

  1. 機体のロール方向、ピッチ方向及びヨー方向の3軸のうち少なくとも任意の1軸回りの機体運動用に高速作動および低速作動する2つの舵面を有しパイロットによって高速作動舵面が或る方向に操舵されたに、両舵面全体として発生する空気力を同じに保持しながら、前記高速作動舵面を前記或る方向とは逆方向に舵面ニュートラル位置まで戻すように、前記低速作動舵面を制御する航空機の舵面制御方法において
    前記高速作動舵面を、以後パイロットが操舵するのと逆方向に作動させるように制御する第ステップと、
    該第1ステップと並行して、前記第1ステップを開始する直前の機体姿勢を維持できるような空力平衡を取るため、前記低速作動舵面を、前記高速作動舵面を含めて前記第1ステップを開始する直前の空気力を発生する位置まで作動させるように制御する第ステップと
    を有することを特徴とする舵面制御方法。
  2. 前記第ステップでは、前記高速作動舵面の舵面位置が操舵均等な前記舵面ニュートラル位置では無く、パイロットによるその後の前記高速作動舵面の操舵方向の操舵可能量が大きくなるように、前記低速作動舵面を作動させるように制御することを特徴とする請求項1記載の舵面制御方法。
  3. 機体の所定の状態に応じて、前記第1及び第2ステップを行なうことを特徴とする請求項1又は2記載の舵面制御方法。
  4. 前記機体の所定の状態は、パイロットによってフラップが着陸位置に動作される場合又はパイロットによって着陸装置が下げ位置に動作される場合であり、前記高速作動舵面は、エレベータであり、前記低速作動舵面は、スタビライザであることを特徴とする請求項3記載の舵面制御方法。
  5. 機体のロール方向、ピッチ方向及びヨー方向の3軸のうち少なくとも任意の1軸回りの機体運動用に高速作動および低速作動する2つの舵面を有しパイロットによって高速作動舵面が或る方向に操舵されたに、両舵面全体として発生する空気力を同じに保持しながら、前記高速作動舵面を前記或る方向とは逆方向に舵面ニュートラル位置まで戻すように、前記低速作動舵面を制御する航空機の舵面制御装置において
    前記高速作動舵面を、以後パイロットが操舵するのと逆方向に作動させるように制御する第手段と、
    該第1手段による制御と並行して、前記第1手段による制御を開始する直前の機体姿勢を維持できるような空力平衡を取るため、前記低速作動舵面を、前記高速作動舵面を含めて前記第1手段による制御を開始する直前の空気力を発生する位置まで作動させるように制御する第手段と
    を備えることを特徴とする舵面制御装置。
  6. 前記第手段は、前記高速作動舵面の舵面位置が操舵均等な前記舵面ニュートラル位置では無く、パイロットによるその後の前記高速作動舵面の操舵方向の操舵可能量が大きくなるように、前記低速作動舵面を作動させるように制御することを特徴とする請求項5記載の舵面制御装置。
  7. 前記第1及び第2手段は、機体の所定の状態に応じて作動すべくなしてあることを特徴とする請求項5又は6記載の舵面制御装置。
  8. 前記機体の所定の状態は、パイロットによってフラップが着陸位置に動作される場合又はパイロットによって着陸装置が下げ位置に動作される場合であり、前記高速作動舵面は、エレベータであり、前記低速作動舵面は、スタビライザであることを特徴とする請求項7記載の舵面制御装置。
  9. 機体のロール方向、ピッチ方向及びヨー方向の3軸のうち少なくとも任意の1軸回りの機体運動用に高速作動および低速作動する2つの舵面と、該2つの舵面を制御する上記請求項5乃至8記載の舵面制御装置とを備えることを特徴とする航空機。
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