JP2002127992A - 飛行機の動翼作動装置 - Google Patents
飛行機の動翼作動装置Info
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Abstract
エレベータ機能)を持つ飛行機の動翼に、更に抗力低減
機能を併せ持たせる。 【解決手段】 センターシャフト11にセンタープーリ
12およびスライダ22が支持されており、センタープ
ーリ12およびスライダ22がセンターシャフト11ま
わりに回転すると、左右のドライブプーリ15L,15
Rが同方向に回転して左右のフラッペロンが相互に逆方
向に作動し、エルロン機能を発揮する。アクチュエータ
23でスライダ22がセンターシャフト11上を後方に
スライドすると、左右のドライブプーリ15L,15R
が相互に逆方向に回転して左右のフラッペロンが共に下
降し、フラップ機能を発揮する。アクチュエータ23で
左右のフラッペロンを同位相で微小角度昇降させれば、
主翼の境界層を制御して抗力を低減することができる。
Description
にそれぞれ上下動可能に設けた左右の動翼を相互に逆位
相で、あるいは同位相で上下動させる飛行機の動翼作動
装置に関する。
60−47156号公報、実公昭53−33360号公
報、特開昭49−124800号公報により公知であ
る。
行機の動翼作動装置は、エルロン操作入力およびフラッ
プ操作入力を多数のリンクやレバーを組み合わせた複雑
なミキシング機構を介して動翼に伝達しているので、部
品点数が多くなって構造が複雑化し、コストの増加、重
量の増加、故障の発生の要因となるだけでなく、装置全
体が大型化して機体への搭載スペースの確保が難しくな
るという問題があった。また上記従来の動翼はエルロン
機能やフラップ機能を備えるだけで、抗力の低減機能を
備えていなかった。
で、シンプルで小型軽量な構造であって機体への搭載が
容易であり、かつエルロン機能、エレベータ機能あるい
はフラップ機能に加えて抗力低減機能を併せ備えた飛行
機の動翼作動装置を提供することを目的とする。
に、請求項1に記載された発明によれば、左右の主翼の
後縁にそれぞれ動翼を上下動可能に設け、前記左右の動
翼を相互に逆位相で上下動させてローリングモーメント
を制御し、前記左右の動翼を同位相で上下動させて揚力
あるいはピッチングモーメントを制御し、かつ前記左右
の動翼を同位相で微小舵角だけ上下動させて抗力を制御
する飛行機の動翼作動装置であって、機体前後方向に延
びるロータ軸まわりに左右回転自在に設けられたロータ
と、ロータと一体に左右回転し、かつロータ軸に沿って
前後動自在に設けられたスライダと、一端がロータ軸に
枢支された左第1リンクと、一端がロータ軸に枢支され
た右第1リンクと、一端がスライダに枢支されて他端が
左第1リンクの中間ないし他端に枢支された左第2リン
クと、一端がスライダに枢支されて他端が右第1リンク
の中間ないし他端に枢支された右第2リンクと、左右方
向内端が左第1リンクの前記他端に枢支されて左右方向
外端が連結機構を介して左動翼に接続された左第3リン
クと、左右方向内端が右第1リンクの前記他端に枢支さ
れて左右方向外端が連結機構を介して右動翼に接続され
た右第3リンクとを備え、ロータおよびスライダをロー
タ軸まわりに左右回転させ、左右の第2リンクおよび左
右の第1リンクを介して左右の第3リンクを左右同方向
に移動させることにより、左右の動翼を相互に逆位相で
上下動させるとともに、スライダをロータ軸に沿って前
後動させ、左右の第2リンクを介して左右の第1リンク
および左右の第3リンクを左右逆方向に移動させること
により、左右の動翼を同位相で上下動させることを特徴
とする飛行機の動翼作動装置が提案される。
をロータ軸まわりに左右回転させることにより、左右の
第2リンクおよび左右の第1リンクを介して左右の第3
リンクを左右同方向に移動させ、左右の動翼を相互に逆
位相で上下動させてエルロンとして機能させることがで
き、またスライダをロータ軸に沿って前後動させること
により、左右の第2リンクを介して左右の第1リンクお
よび左右の第3リンクを左右逆方向に移動させ、左右の
動翼を同位相で上下動させてフラップあるいはエレベー
タとして機能させることができ、更に左右の動翼を同位
相で微小角度上下動させて主翼の境界層を制御すること
で抗力を低減することができる。これにより、動翼にフ
ラップ機能を発揮させて最大揚力の増加を図り、あるい
は動翼にエレベータ機能を発揮させてピッチングをコン
トロールしながら、同時にエルロン機能を発揮させてロ
ーリングのコントロールを支障なく行うことができ、更
に巡航時には主翼の抗力を低減して燃料消費量を節減す
ることができる。しかも共通のロータ軸上に支持したロ
ータおよびスライダにそれぞれ左右の第1リンクの一端
および左右の第2リンクの一端を枢支するとともに左右
の第1リンクの中間ないし他端に左右の第2リンクの他
端を枢支し、かつ左右の第1リンクの他端に枢支した左
右の第3リンクで左右の動翼を作動させるので、極めて
シンプルな構造で低コストであるばかりか、小型軽量で
あって機体への搭載も容易である。
請求項1の構成に加えて、スライダをロータ軸に沿って
前後動させるアクチュエータと、主翼の抗力を最小にす
る左右の動翼の舵角を算出し、この舵角に基づいて前記
アクチュエータの作動を制御する制御手段とを備えたこ
とを特徴とする飛行機の動翼作動装置が提案される。
を最小にする左右の動翼の舵角を算出し、この舵角に基
づいてアクチュエータが作動して左右の動翼の舵角を制
御するので、主翼の抗力を効果的に低減することができ
る。
は本発明の動翼に対応し、実施例のセンターシャフト1
1は本発明のロータ軸に対応、実施例のセンタープーリ
12は本発明のロータに対応し、実施例のコントロール
ユニットCUは本発明の制御手段に対応する。
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
ので、図1は飛行機の主翼の平面図、図2は図1の要部
拡大図、図3はフラッペロンの作動装置の斜視図、図4
は図3の要部拡大図、図5は図3の5方向拡大矢視図、
図6は5の6−6線拡大矢視図、図7は図5の7−7線
拡大矢視図、図8は図3の8方向拡大矢視図、図9は図
8の9−9線矢視図、図10はフラッペロンを左に操作
したときの作用説明図、図11はフラッペロンを下げた
ときの作用説明図、図12はフラッペロンを下げた状態
から左に操作したときの作用説明図、図13はフラッペ
ロンを微小舵角上げたときの作用説明図、図14は左右
のフラッペロンの舵角差を説明する図、図15は飛行機
の主翼のプロフィールを示す図、図16は飛行機の抗力
低減制御のブロック図、図17は飛行機の縦の運動にお
ける揚力L、抗力D、推力Tおよび迎角αの関係を示す
図、図18はXYZ座標軸および飛行機の運動状態を表
す変数を示す図、図19はフラッペロンの舵角を種々に
変化させたときの迎角に対する抗力係数の変化特性を示
すグラフ、図20は飛行制御のブロック図、図21は抗
力低減制御のフローチャート、図22はフラッペロンの
舵角と抗力との関係を示す図、図23は抗力低減制御の
シミュレーション結果を示すグラフである。
L,WRの後縁には、翼根側に位置する左右のフラップ
FL,FRと、翼端側に位置する左右のフラッペロンF
EL,FERとが設けられる。フラップFL,FRは飛
行機の離着陸時に最大揚力を増加させるべく、図示した
格納位置から後方に迫り出しながら下降する。フラッペ
ロンFEL,FERはエルロン機能と、フラップ機能
と、抗力低減機能とを兼ね備えるもので、巡行時に左フ
ラッペロンFELが上がって右フラッペロンFERが下
がると左ローリングモーメントが発生し、右フラッペロ
ンFERが上がって左フラッペロンFELが下がると右
ローリングモーメントが発生する。また離着陸時には左
右のフラッペロンFEL,FERが同位相で下がるとフ
ラップ機能を発揮し、その下げ位置を基準として左右の
フラッペロンFEL,FERが相互に逆位相で上下動す
るとエルロン機能を発揮する。更に、左右のフラッペロ
ンFEL,FERが同位相で微小舵角だけ昇降すると、
主翼WL,WRの境界層の遷移点が変化して抗力低減機
能を発揮する。
装置の構造を図2〜図9に基づいて説明する。
ンFEL,FERの作動装置は、主翼WL,WRの後縁
付近の機体中心線CL上に前後方向に配置されたセンタ
ーシャフト11を備えており、このセンターシャフト1
1に回転自在に支持されたセンタープーリ12は、パイ
ロットにより操作されるコントロールホイール(図示せ
ず)にコントロールケーブル13を介して接続される。
センタープーリ12の左右両側には前後方向に延びるプ
ーリシャフト14L,14Rが設けられており、これら
プーリシャフト14L,14Rに左ドライブプーリ15
Lおよび右ドライブプーリ15Rがそれぞれ回転自在に
支持される。また左右のフラッペロンFEL,FERの
翼根側端部の近傍にプーリシャフト16L,16Rが設
けられており、これらプーリシャフト16L,16Rに
左ドリブンプーリ17Lおよび右ドリブンプーリ17R
がそれぞれ回転自在に支持される。そして左ドライブプ
ーリ15Lおよび左ドリブンプーリ17Lが、左フラッ
プFLの前縁に沿って延びるコントロールケーブル18
Lで接続され、また右ドライブプーリ15Rおよび右ド
リブンプーリ17Rが、右フラップFRの前縁に沿って
延びるコントロールケーブル18Rで接続される。
うに、センタープーリ12には後方に向かって延びる3
本のガイドロッド21…が植設されており、このガイド
ロッド21…にはスライダ22が前後摺動自在に支持さ
れる。センタープーリ12の後方に電気モータよりなる
アクチュエータ23が設けられる。アクチュエータ23
の出力軸24はセンターシャフト11の同軸上に配置さ
れており、その外周に形成された雄ねじがスライダ22
に設けたナット部材25に螺合する。従って、アクチュ
エータ23を駆動すると、ナット部材25と共にスライ
ダ22が3本のガイドロッド21…に案内されて前後動
する。アクチュエータ23は、パイロットがフラップ操
作レバー(図示せず)を操作した際に出力される電気信
号に基づいて作動する。
に挟まれたセンターシャト11に、二股になった左第1
リンク31Lの一端および二股になった右第1リンク3
1Rの一端が上下回動自在に枢支される。図6から明ら
かなように、後面視で左第1リンク31Lはセンターシ
ャト11から左下方に延び、右第1リンク31Rはセン
ターシャト11から右下方に延びている。またスライダ
22の左上に一端をボールジョイント32Lで枢支され
た左第2リンク33Lの他端は、ボールジョイント34
Lで左第1リンク31Lの中間に枢支される。同様に、
スライダ22の右上に一端をボールジョイント32Rで
枢支された右第2リンク33Rの他端は、ボールジョイ
ント34Rで右第1リンク31Rの中間に枢支される。
尚、左右の第2リンク33L,33Rの他端を左右の第
1リンク31L,31Rの中間に枢支する代わりに、左
右の第1リンク31L,31Rの他端に枢支しても良
い。後面視(図6参照)で、左第2リンク33Lは一端
側から他端側に向けて左上方から右下方に延びており、
また右第2リンク33Rは一端側から他端側に向けて右
上から左下に延びている。そして側面視(図7参照)
で、左右の第2リンク33L,33Rは一端側から他端
側に向けて後上方から前下方に延びている。
介して左第3リンク36Lの右端に枢支されており、略
左右方向に延びる左第3リンク36Lの左端は左ドライ
ブプーリ15Lの下部にピン37Lを介して枢支され
る。また右第1リンク31Rの他端がピン35Rを介し
て右第3リンク36Rの左端に枢支されており、略左右
方向に延びる右第3リンク36Rの右端は右ドライブプ
ーリ15Rの下部にピン37Rを介して枢支される。
に、左ドリブンプーリ17Lの左端部後面にアーム41
Lが突設される。左フラッペロンFELのヒンジライン
HL(図8参照)よりも前方位置にコ字状のブラケット
42Lが設けられており、このブラケット42Lに上下
方向に延びるピン43Lを介してフラッペロンリンク4
4Lが枢支される。そして左ドリブンプーリ17Lのア
ーム41Lの先端と、フラッペロンリンク44Lの先端
とがボールジョイント45Lで枢支される。
ッペロンFELとを、左ドライブプーリ15L、コント
ロールケーブル18L、左ドリブンプーリ17Lおよび
フラッペロンリンク44Lよりなる連結機構を介して連
結したので、機体中心線CLから左右に離れた位置にあ
る左フラッペロンFELを、簡単かつ軽量な構造で確実
に駆動することができる。
FERとの連結機構の構造は、上述した左第3リンク3
6Lと左フラッペロンFELとの連結機構に対して左右
対称な同一構造であるため、その重複する説明は省略す
る。
の作用について説明する。
行時にフラップFL,FRおよびフラッペロンFEL,
FERは共に下げ角0°の上げ位置にあり、パイロット
がコントロールホイールを左右に操作していないとき、
フラッペロンFEL,FERの舵角は共に0°で中立位
置にある。従って、機体中心線CLを通る鉛直面に対し
て、左右の第1リンク31L,31R,左右の第2リン
ク33L,33R、左右の第3リンク36L,36R、
左右のドライブプーリ15L,15Rおよび左右のドリ
ブンプーリ17L,17Rは左右対称な位置にある。
ホイールを例えば左に操作すると、図10に示すよう
に、コントロールホイールにコントロールケーブル13
を介して接続されたセンタープーリ12がセンターシャ
フト11まわりに左に回転し、このセンタープーリ12
に3本のガイドロッド21…を介して支持されたスライ
ダ22も一体で左に回転する。するとスライダ22にボ
ールジョイント32Lを介して一端を枢支された左第2
リンク33Lが押し下げられ、この左第2リンク33L
の他端にボールジョイント34Lを介して接続された左
第1リンク31Lがセンターシャフト11まわりに左に
回転するとともに、前記左第1リンク31Lの他端にピ
ン35Lを介して接続された左第3リンク36Lが右方
向に移動する。左第3リンク36Lの右方向の移動に伴
って、プーリシャフト14Lに支持された左ドライブプ
ーリ15Lが左に回転し、その左ドライブプーリ15L
にコンロールケーブル18Lを介して接続された左ドリ
ブンプーリ17Lがプーリシャフト16Lまわりに左に
回転する。
たアーム41Lがボールジョイント45Lを介してフラ
ッペロンリンク44Lの先端を押し下げる。このとき、
フラッペロンリンク44Lの先端は左フラッペロンFE
LのヒンジラインHLよりも前方に位置しているため、
左フラッペロンFELの前縁がヒンジラインHLを支点
にして下がり、左フラッペロンFELの後縁がヒンジラ
インHLを支点にして上がる。このときの左フラッペロ
ンFELの上方向の最大舵角は25°に設定される。
2が一体で左に回転すると、スライダ22にボールジョ
イント32Rを介して一端を枢支された右第2リンク3
3Rが引き上げられ、この右第2リンク33Rの他端に
ボールジョイント34Rを介して接続された右第1リン
ク31Rがセンターシャフト11まわりに左に回転する
とともに、前記右第1リンク31Rの他端にピン35R
を介して接続された右第3リンク36Rが右方向に移動
する。右第3リンク36Rの右方向の移動に伴って、プ
ーリシャフト14Rに支持された右ドライブプーリ15
Rが左に回転し、その右ドライブプーリ15Rにコント
ロールケーブル18Rを介して接続された右ドリブンプ
ーリ17Rがプーリシャフト16Rまわりに左に回転す
る。
たアーム41Rがボールジョイント45Rを介してフラ
ッペロンリンク44Rの先端を押し上げる。このとき、
フラッペロンリンク44Rの先端は右フラッペロンFE
RのヒンジラインHLよりも前方に位置しているため、
右フラッペロンFERの前縁がヒンジラインHLを支点
にして上がり、右フラッペロンFERの後縁がヒンジラ
インHLを支点にして下がる。このときの右フラッペロ
ンFERの下方向の最大舵角は20°に設定される。
に操作すると、左フラッペロンFELの後縁が中立位置
から上がって左主翼WLの揚力が減少し、また右フラッ
ペロンFERの後縁が中立位置から下がって右主翼WR
の揚力が増加するため、左右の主翼WL,WRの揚力差
によって左ローリングモーメントが発生する。
て左ローリングモーメントを発生させる場合について説
明したが、コントロールホイールを右に操作して右ロー
リングモーメントを発生させる場合の作用は、左右が逆
になるだけで実質的に同一である。
ERを同じ角度だけ上下逆方向に操舵すると、フラッペ
ロンFEL,FERを下げた方の主翼WL,WRの抗力
が増加するのに対し、フラッペロンFEL,FERを上
げた方の主翼WL,WRの抗力が減少するため、旋回方
向と逆向きのヨーイングモーメントが発生し(アドバー
スヨー現象)、スムーズな旋回が妨げられてしまう。そ
こで、フラッペロンFEL,FERをエルロンとして機
能させる際に、その上方向の舵角が下方向の舵角よりも
大きくなるように設定することにより、左右の主翼W
L,WRの抗力差を減少させてスムーズな旋回を可能に
している。
ク33L,33Rと第3リンク36L,36Rとを接続
するピン35L,35Rがセンターシャフト11の直下
に在り、左右のドライブプーリ15L,15Rのピン3
7L,37Rがプーリシャフト14L,14Rの直下に
あり、センタープーリ12および左右のドライブプーリ
15L,15Rの直径が等しく、かつセンターシャフト
11の高さと左右のプーリシャフト14L,14Rの高
さとが一致していれば、センタープーリ12の回転角が
左右のドライブプーリ15L,15Rの回転角と等しく
なり、左右のフラッペロンFEL,FERをエルロンと
して機能させる際に舵角差を発生させることはできな
い。
に、センターシャフト11の高さに対して左右のプーリ
シャフト14L,14Rの高さを異ならせたり、図14
(C)に示すように、センタープーリ12の直径に対し
て左右のドライブプーリ15L,15Rの直径を異なら
せたりすると、左右のドライブプーリ15L,15Rの
回転角を異ならせて左右のフラッペロンFEL,FER
を異なる舵角で上下逆方向に作動させることができる。
しかしながら、これらの手法で得られる左右のフラッペ
ロンFEL,FERの舵角差は僅かであるため、アドバ
ースヨー現象を充分に補償することは困難である。
左第1リンク31Lと左第3リンク36Lとを接続する
ピン35Lがセンターシャフト11の左下方に在り、ま
た右第1リンク31Rと右第3リンク36Rとを接続す
るピン35Rがセンターシャフト11の右下方に在るた
め、例えばセンタープーリ12およびスライダ22がセ
ンターシャフト11まわりに左に回転したとき、左第1
リンク31Lと左第3リンク35Lとを接続するピン3
5Lの右方向への移動量が大きくなり、右第1リンク3
1Rと右第3リンク36Rとを接続するピン35Rの右
方向への移動量が小さくなる。従って、右方向に大きく
動く左第3リンク36Lに接続された左フラッペロンF
ELの上方向の舵角が大きくなり、右方向に小さく動く
右第3リンク36Rに接続された右フラッペロンFER
の下方向の舵角は小さくなり、左右の主翼WL,WRの
抗力差を減少させてアドバースヨー現象を充分に補償す
ることができる。
左右のプーリシャフト14L,14Rの高さを高くする
ことと、センタープーリ12の直径に対して左右のドラ
イブプーリ15L,15Rの直径を小さくすることと
は、アドバースヨー現象を増長させる方向に働くが、ピ
ン35L,35Rの位置をセンターシャフト11の左右
下方にずらしたことは、上記アドバースヨー現象を増長
させる作用を打ち消して余りある効果を発揮するため、
フラッペロンFEL,FERの上方への舵角を下方への
舵角よりも充分に大きくし、アドバースヨー現象を確実
に補償して旋回性能を高めることができる。
ERを同位相で下げてフラップ機能を発揮させるには、
図7および図11に示すように、パイロットのフラップ
操作レバーの操作によりアクチュエータ23を駆動し、
雄ねじよりなる出力軸24に螺合するナット部材25を
牽引することにより、スライダ22をガイドロッド21
…に沿って後方に移動させる。図7から明らかなよう
に、スライダ22が後退すると、その左右両端に設けた
ボールジョイント32L,32Rの位置も後退するた
め、これらボールジョイント32L,32Rに上端を枢
支された左右の第2リンク33L,33Rが、実線の状
態から鎖線の状態に傾斜する。これにより左右の第2リ
ンク33L,33Rの下端のボールジョイント34L,
34Rが引き上げられ、左右の第1リンク31L,31
Rがセンターシャフト11まわりに上方に回動する。
Rの下端にピン35L,35Rを介して接続された左右
の第3リンク36L,36Rが、相互に離反するように
左右方向外側に等距離だけ移動するため、左ドライブプ
ーリ15Lが右方向に、右ドライブプーリ15Rが左方
向に同じ角度だけ回転する。而して、左右のドライブプ
ーリ15L,15Rにコントロールケーブル18L,1
8Rを介して接続された左右のドリブンプーリ17L,
17Rも相互に逆方向に同じ角度だけ回転し、左右のフ
ラッペロンFEL,FERが何れも10°ずつ下がる。
尚、フラッペロンFEL,FERの下げ角は任意に設定
することが可能である。このフラッペロンFEL,FE
Rの下げ状態から、アクチュエータ23を逆方向に駆動
してスライダ22を元の位置まで前進させると、左右の
フラッペロンFEL,FERは中立位置まで上がる。
げ状態において、機体のローリングを制御すべく、パイ
ロットがコントロールホイールを例えば左に操作する
と、図12に示すように、センタープーリ12およびス
ライダ22がセンターシャフト11まわりに左に回転す
る。するとスライダ22に連結された左第2リンク33
Lが押し下げられ、この左第2リンク33Lに接続され
た左第1リンク31Lがセンターシャフト11まわりに
左に回転し、左第1リンク31Lに接続された左第3リ
ンク36Lが右方向に移動する。左第3リンク36Lの
右方向の移動に伴って、プーリシャフト14Lに支持さ
れた左ドライブプーリ15Lが左に回転し、その左ドラ
イブプーリ15Lにコンロールケーブル18Lを介して
接続された左ドリブンプーリ17Lがプーリシャフト1
6Lまわりに左に回転する。その結果、左ドリブンプー
リ17Lに設けたアーム41Lがボールジョイント45
Lを介してフラッペロンリンク44Lの先端を押し下げ
るため、左フラッペロンFELの前縁がヒンジラインH
Lを支点にして下がり、左フラッペロンFELの後縁が
ヒンジラインHLを支点にして上がる。このときの左フ
ラッペロンFELの上方向の最大舵角は、前記フラッペ
ロンFELの下げ位置(下向きに10°)を基準として
20°に設定される。
2がセンターシャフト11まわりに左に回転すると、ス
ライダ22に連結された右第2リンク33Rが引き上げ
られ、この右第2リンク33Rに接続された右第1リン
ク31Rがセンターシャフト11まわりに左に回転し、
右第1リンク31Rに接続された右第3リンク36Rが
右方向に移動する。右第3リンク36Rの右方向の移動
に伴って、プーリシャフト14Rに支持された右ドライ
ブプーリ15Rが左に回転し、その右ドライブプーリ1
5Rにコンロールケーブル18Rを介して接続された右
ドリブンプーリ17Rがプーリシャフト16Rまわりに
左に回転する。その結果、右ドリブンプーリ17Rに設
けたアーム41Rがボールジョイント45Rを介してフ
ラッペロンリンク44Rの先端を押し上げるため、右フ
ラッペロンFERの前縁がヒンジラインHLを支点にし
て上がり、右フラッペロンFERの後縁がヒンジライン
HLを支点にして下がる。このときの右フラッペロンF
ERの下方向の最大舵角は、前記フラッペロンFELの
下げ位置(下向きに10°)を基準として下方向に10
°に設定される。
Rが下げ状態にあっても、その下げ状態を基準として左
右のフラッペロンFEL,FERを相互に逆方向に作動
させることができるので、離着陸時にフラップFL,F
RおよびフラッペロンFEL,FERを共に下ろして最
大限の揚力を確保しながら、フラッペロンFEL,FE
Rにエルロン機能を発揮させて機体のローリング制御を
支障なく行うことができる。このとき、コントロールホ
イールの操作とアクチュエータ23の作動とは相互に干
渉しないため、コントロールホイールの操作がアクチュ
エータ23によって阻害されたり、アクチュエータ23
の作動がコントロールホイールに伝達されたりする虞が
ない。
て左ローリングモーメントを発生させる場合について説
明したが、コントロールホイールを右に操作して右ロー
リングモーメントを発生させる場合の作用は、左右が逆
になるだけで実質的に同一である。
に示す下げ状態にあるとき、図3に示す中立位置状態に
あるときに比べて、左第1リンク31Lと左第3リンク
36Lとを接続するピン35Lの位置が機体中心線CL
に対して更に左寄りの位置に移動し、また右第1リンク
31Rと右第3リンク36Rとを接続するピン35Rの
位置が機体中心線CLに対して更に右寄りに位置に移動
する。このように、ピン35L,35Rの位置が左右方
向外側に移動すると、センタープーリ12の回転角に対
する左右のドライブプーリ15L,15Rの回転角の比
率が低下するため、フラッペロンFEL,FERの下げ
状態を基準とした上下方向の舵角が減少する。
位置状態での舵角を0°として、エルロン操作による上
方向の最大舵角は25°、下方向の最大舵角は20°で
あるが、フラッペロンFEL,FERの下げ状態での舵
角を0°として、エルロン操作による上方向の最大舵角
は20°、下方向の最大舵角は10°となる。つまりフ
ラッペロンFEL,FERの中立位置状態では、エルロ
ンの全舵角(左右舵角差)は25°+20°=45°で
あるのに対し、フラッペロンFEL,FERの下げ状態
では、エルロンの全舵角(左右舵角差)は20°+10
°=30°である。従って、フラッペロンFEL,FE
Rの下げ状態で最大舵角でエルロン操作を行った場合、
フラッペロンFEL,FERの最大下げ角が本来は10
°+20°=30°となる筈のところ、10°+10°
=20°に抑えることが可能となり、コントロールホイ
ールの操舵力の軽減を図るともに、フラッペロンFE
L,FERの過剰な下げ角による翼端失速の発生を回避
することができる。
よびアクチュエータ23をセンターシャフト11の軸線
上に整列して配置し、センタープーリ12およびスライ
ダ22をセンターシャフト11の軸線まわりに回転させ
るだけでフラッペロンFEL,FERにエルロン機能を
発揮させ、またスライダ22をセンターシャフト11の
軸線に沿って往復動させるだけでフラッペロンFEL,
FERにフラップ機能を発揮させるので、極めてシンプ
ルな構造で低コストであるばかりか小型軽量であり、か
つ一つのフラッペロンユニットなので機体への搭載も容
易である。
FERを同位相で微小舵角(例えば、最大値で±5°)
昇降させて主翼WL,WRの抗力低減機能を発揮させる
ことができる、左右のフラッペロンFEL,FERを同
位相で下げるには、図11で説明したように、アクチュ
エータ23を駆動してナット部材25を牽引することに
よりスライダ22をガイドロッド21…に沿って後方に
移動させれば良い。逆に、左右のフラッペロンFEL,
FERを同位相で上げるには、図13に示すように、ア
クチュエータ23を駆動してナット部材25を押圧する
ことによりスライダ22をガイドロッド21…に沿って
前進させれば良い。
フラッペロンFEL,FERの下げ角および上げ角は微
小であるため、図11で説明したフラップ機能を発揮さ
せる場合に比べてアクチュエータ23の作動量は小さく
なる。またフラッペロンFEL,FERにフラップ機能
を発揮させる場合には、パイロットによるフラップ操作
レバーの操作に基づいてアクチュエータ23を駆動して
いたが、フラッペロンFEL,FERに抗力低減機能を
発揮させる場合には、アクチュエータ23は後述するコ
ントロールユニットにより自動的に駆動される。
を同位相で微小舵角だけ昇降させて飛行機の抗力を低減
する制御の内容を、図15〜図23に基づいて説明す
る。
を示すもので、その後縁にはフラッペロンFEL,FE
Rが舵角δfを下方および上方に可変にして設けられ
る。主翼WL,WRの表面に沿って形成される境界層は
上流側の層流境界層BLL と下流側の乱流境界層BLT
とから構成される。層流境界層BLL および乱流境界層
BLT の遷移点tの位置は、フラッペロンFEL,FE
Rの舵角δfを変化させることにより前後に移動する。
層流境界層BLL の摩擦抵抗は乱流境界層BLTの摩擦
抵抗に比べて大幅に小さいため、フラッペロンFEL,
FERの舵角δfを制御して層流境界層BLL および乱
流境界層BLT の遷移点tをできるだけ後縁側に移動さ
せれば、層流境界層BLL の領域を拡大して主翼WL,
WRの抗力を低減することができる。
L,FERの舵角δfの制御ユニットCUは、飛行機の
推力Tを推定する推力推定手段M1と、飛行機の運動状
態(速度、角速度、姿勢角、迎角)を検知する運動状態
検知手段M2と、推力Tおよび飛行機の前記運動状態に
基づいて飛行機の抗力Dを推定する抗力推定手段M3
と、フラッペロンFEL,FERの舵角δfを変化させ
たことにより発生する抗力Dの変化に基づいて、該抗力
Dを最小化するためのフラッペロンFEL,FERの舵
角δfの操作量を算出する操作量算出手段M4と、前記
操作量に基づいてフラッペロンFEL,FERの舵角δ
fを操作する操作手段M5とを備える。
レバー操作により変化するもので、推力推定手段M1は
エンジン回転数等に基づいて推力Tの大きさを推定す
る。
行機の運動状態を表す変数は、 φ;ロール姿勢角(X軸まわりのオイラー角) θ;ピッチ姿勢角(Y軸まわりのオイラー角) U;X軸方向の速度 V;Y軸方向の速度 W;Z軸方向の速度 P;ロール角速度(X軸まわりの角速度) Q;ピッチ角速度(Y軸まわりの角速度) R;ヨー角速度(Z軸まわりの角速度) α;飛行体の進行方向と飛行体の中心線との成すピッチ
角(迎角α) である。ロール姿勢角φ、ピッチ姿勢角θおよび迎角α
は垂直ジャイロ等で検知可能であり、ロール角速度P、
ピッチ角速度Qおよびヨー角速度Rはレートジャイロ等
で検知可能であり、X軸方向の速度U、Y軸方向の速度
VおよびZ軸方向の速度Wはピトー管等で検知可能であ
る。
と、運動状態検知手段M2による飛行機の運動状態の検
知との順序は任意であり、推力Tを推定した後に運動状
態を検知しても良いし、運動状態を検知した後に推力T
を推定してもも良いし、両者を同時に行っても良い。
推定した推力Tと、運動状態検知手段M2で検知した運
動状態φ,θ,U,V,W,Z,P,Q,R,αとに基
づいて、飛行機の抗力Dを推定する。以下、その手順を
説明する。
座標軸(X軸を定常釣合い飛行時の機体速度ベクトルの
方向に一致させた安定軸)を用いて、機体が外乱を受け
ている状態での揚力L、抗力D、推力Tおよび迎角αの
関係を示したものである。X軸方向およびZ軸方向の力
の釣合いから、X軸方向の空気力XaおよびZ軸方向の
空気力Zaは、揚力L、抗力D、推力Tおよび迎角αを
用いて、 Xa=T+L・ sinα−D・ cosα …(1) Za=−L・ cosα−D・ sinα …(2) で与えられる。
消去すると、抗力Dは、 D=(T−Xa)・ cosα−Za・ sinα …(3) で与えられる。(3)式は、X軸方向の空気力Xa、Z
軸方向の空気力Za、推力Tおよび迎角αを知れば、抗
力Dが推定できることを示している。そして推力Tは前
記推力推定手段M1により推定可能であり、迎角αは前
記運動状態検知手段M2により検知可能である。残るX
軸方向の空気力XaおよびZ軸方向の空気力Zaは、前
記運動状態検知手段M2で検知した運動状態から以下の
ようにして算出可能である。
向およびZ軸方向の運動方程式は、mを機体の質量と
し、gを重力加速度として、(4)式および(5)式で
表される(図18参照)。ここで、機体の質量mおよび
重力加速度gは既知であり、燃料の消費に伴う質量mの
変化も算出可能であり、更に飛行機の運動状態φ,θ,
U,V,W,Z,P,Q,R,αは運動状態検知手段M
2で検知可能である。
Zaは、(6)式および(7)式で与えられ、これを前
記(3)式に代入すれば飛行機の抗力Dを算出すること
ができる。
小化するためのフラッペロンFEL,FERの舵角δf
の操作量を算出する。以下、その手順を説明する。
舵角δfを種々に変化させたときの迎角αに対する抗力
係数CD の変化特性を示すもので、迎角αが何れの大き
さにあっても、フラッペロンFEL,FERの舵角δf
の変化に応じて抗力係数CDが変化することを示してい
る。換言すると、フラッペロンFEL,FERの舵角δ
fを変化させれば抗力係数CD を変化させることができ
る。
角δfを変化させることで飛行機の抗力Dを低減するシ
ステムを示すものである。抗力低減制御によりフラッペ
ロンFEL,FERの舵角δfを変化させるとピッチン
グモーメント係数CM が変化し、このピッチングモーン
ト係数CM に動圧ρ(U2 +W2 )/2および翼面積S
の積を乗算して算出したピッチングモーメントMは、エ
レベータ等の操舵翼の制御により更に変化する。このピ
ッチングモーメントMを積分することにより、飛行機の
ピッチ姿勢角θが算出される。
FERの舵角δfの変化および前記ピッチ姿勢角θの変
化により揚力係数CL が変化し、この揚力係数CL に動
圧ρ(U2 +W2 )/2および翼面積Sの積を乗算して
算出した揚力Lは、操舵翼の制御により更に変化する。
この揚力Lを機体重量mgで除算した値を積分すること
により、Z軸方向の速度Wが算出される。
FERの舵角δfの変化および前記ピッチ姿勢角θの変
化により抗力係数CD が変化し、この抗力係数CD に動
圧ρ(U2 +W2 )/2および翼面積Sの積を乗算して
算出した抗力Dは、エンジン制御により変化した推力T
と加算され、その加算した値を積分することにより、X
軸方向の速度Uが算出される。
と共に繰り返し抗力低減制御に用いられ、飛行機の抗力
Dを最小にすべくフラッペロンFEL,FERの舵角δ
fが更新される。
抗力低減制御の内容を説明する。
L,FERの舵角δfを予め設定された初期値Δaだけ
増加させた後、ステップS2で前記(3)式に基づいて
抗力Dを推定する。続くステップS3で抗力Dの前回値
および今回値の偏差Δdを算出する。ステップS1で舵
角δfを初期値Δaだけ増加させた結果、ステップS3
で前記偏差Δdが正値であれば、つまり舵角δfを増加
させた結果として抗力Dが増加していれば、ステップS
4で舵角δfを減少させ、逆に前記ステップS3で前記
偏差Δdが負値であれば、つまり舵角δfを増加させた
結果として抗力Dが減少していれば、ステップS4で舵
角δfを更に減少させる。而して、前記ステップS2〜
ステップS4を繰り返すことにより、フラッペロンFE
L,FERの舵角δfを抗力Dが最小になる舵角に収束
させることができる。
L,FERの舵角δfの操作量は、前記初期値Δaでは
なく、Kを定数として−Δa×(Δd/K)に設定され
る。その理由は、図22にで示すように操舵角Δfの
変化量に対する抗力Dの変化量が大きい領域では舵角δ
fの操作量を大きくし、また図22にで示すように操
舵角Δfの変化量に対する抗力Dの変化量が小さい領域
では舵角δfの操作量を小さくするためであり、これに
より舵角δfを抗力Dが最小になる目標舵角に収束させ
る制御の応答性および収束性を高めることができる。
Rの舵角δfを操作手段M5で微小角度変化させ、その
結果生じた抗力Dの増減を監視して前記舵角δfを更に
微小角度変化させる操作を繰り返すことにより、前記舵
角δfを飛行機の抗力Dが最小になる目標舵角に収束さ
せることができる。また、この抗力低減制御は実際の抗
力Dを監視しながら行われるので極めて効果的であるだ
けでなく、飛行体の運動状態に関わらずに効果を発揮す
ることができる。しかも飛行機の主翼WL,WRに元々
備えられているフラッペロンFEL,FERを抗力可変
手段として利用しているので、特別の抗力可変手段が不
要になって重量およびコストが削減される。
ートした計算結果が示されており、フラッペロンFE
L,FERの舵角δfの変化によって抗力Dおよび抗力
係数C D が減少していることが確認される。
L,FERの舵角δfを変化させて抗力を低減すると
き、それに伴ってピッチングモーメントおよび揚力も変
化してしまい、飛行機の姿勢や運動状態が望ましくない
方向に変化する可能性がある。例えば、フラッペロンF
EL,FERを下げ方向に操作すると、機首上げ方向の
ピッチングモーメントが発生するとともに主翼WL,W
Rの揚力も増加する。そこで、水平尾翼や先尾翼に設け
たエレベータをトリムすることにより機首下げ方向のピ
ッチングモーメントを発生させてピッチ軸まわりの釣合
いを保つことができる。このエレベータの操作に伴う抗
力の増加は無視できる程度であるため、全機の抗力は確
実に減少する。
明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行う
ことが可能である。
能およびフラップ機能を発揮するフラッペロンFEL,
FERを例示したが、本発明はデルタ翼の後縁に設けら
れてエルロン機能およびエレベータ機能を発揮するエレ
ボンに対しても適用することができる。
トロールホイールで作動させているが、それをコントロ
ールコラムで作動させても、電気アクチュエータあるい
は油圧アクチュエータで作動させても良い。
エータ23を電気モータで構成する代わりに油圧シリン
ダで構成することができ、またスライダ22をマニュア
ルで前後動させることも可能である。
によれば、ロータおよびスライダをロータ軸まわりに左
右回転させることにより、左右の第2リンクおよび左右
の第1リンクを介して左右の第3リンクを左右同方向に
移動させ、左右の動翼を相互に逆位相で上下動させてエ
ルロンとして機能させることができ、またスライダをロ
ータ軸に沿って前後動させることにより、左右の第2リ
ンクを介して左右の第1リンクおよび左右の第3リンク
を左右逆方向に移動させ、左右の動翼を同位相で上下動
させてフラップあるいはエレベータとして機能させるこ
とができ、更に左右の動翼を同位相で微小角度上下動さ
せて主翼の境界層を制御することで抗力を低減すること
ができる。これにより、動翼にフラップ機能を発揮させ
て最大揚力の増加を図り、あるいは動翼にエレベータ機
能を発揮させてピッチングをコントロールしながら、同
時にエルロン機能を発揮させてローリングのコントロー
ルを支障なく行うことができ、更に巡航時には主翼の抗
力を低減して燃料消費量を節減することができる。しか
も共通のロータ軸上に支持したロータおよびスライダに
それぞれ左右の第1リンクの一端および左右の第2リン
クの一端を枢支するとともに左右の第1リンクの中間な
いし他端に左右の第2リンクの他端を枢支し、かつ左右
の第1リンクの他端に枢支した左右の第3リンクで左右
の動翼を作動させるので、極めてシンプルな構造で低コ
ストであるばかりか、小型軽量であって機体への搭載も
容易である。
制御手段が主翼の抗力を最小にする左右の動翼の舵角を
算出し、この舵角に基づいてアクチュエータが作動して
左右の動翼の舵角を制御するので、主翼の抗力を効果的
に低減することができる。
図
ときの作用説明図
推力Tおよび迎角αの関係を示す図
変数を示す図
の迎角に対する抗力係数の変化特性を示すグラフ
グラフ
段) FEL,FER フラッペロン(動翼) WL,WR 主翼 11 センターシャフト(ロータ軸) 12 センタープーリ(ロータ) 22 スライダ 23 アクチュエータ 31L,31R 第1リンク 33L,33R 第2リンク 36L,36R 第3リンク
Claims (2)
- 【請求項1】 左右の主翼(WL,WR)の後縁にそれ
ぞれ動翼(FEL,FER)を上下動可能に設け、前記
左右の動翼(FEL,FER)を相互に逆位相で上下動
させてローリングモーメントを制御し、前記左右の動翼
(FEL,FER)を同位相で上下動させて揚力あるい
はピッチングモーメントを制御し、かつ前記左右の動翼
(FEL,FER)を同位相で微小舵角だけ上下動させ
て抗力を制御する飛行機の動翼作動装置であって、 機体前後方向に延びるロータ軸(11)まわりに左右回
転自在に設けられたロータ(12)と、 ロータ(12)と一体に左右回転し、かつロータ軸(1
1)に沿って前後動自在に設けられたスライダ(22)
と、 一端がロータ軸(11)に枢支された左第1リンク(3
1L)と、 一端がロータ軸(11)に枢支された右第1リンク(3
1R)と、 一端がスライダ(22)に枢支されて他端が左第1リン
ク(31L)の中間ないし他端に枢支された左第2リン
ク(33L)と、 一端がスライダ(22)に枢支されて他端が右第1リン
ク(31R)の中間ないし他端に枢支された右第2リン
ク(33R)と、 左右方向内端が左第1リンク(31L)の前記他端に枢
支されて左右方向外端が連結機構を介して左動翼(FE
L)に接続された左第3リンク(36L)と、 左右方向内端が右第1リンク(31R)の前記他端に枢
支されて左右方向外端が連結機構を介して右動翼(FE
R)に接続された右第3リンク(36R)と、を備え、 ロータ(12)およびスライダ(22)をロータ軸(1
1)まわりに左右回転させ、左右の第2リンク(33
L,33R)および左右の第1リンク(31L,31
R)を介して左右の第3リンク(36L,36R)を左
右同方向に移動させることにより、左右の動翼(FE
L,FER)を相互に逆位相で上下動させるとともに、 スライダ(22)をロータ軸(11)に沿って前後動さ
せ、左右の第2リンク(33L,33R)を介して左右
の第1リンク(31L,31R)および左右の第3リン
ク(36L,36R)を左右逆方向に移動させることに
より、左右の動翼(FEL,FER)を同位相で上下動
させることを特徴とする飛行機の動翼作動装置。 - 【請求項2】 スライダ(22)をロータ軸(11)に
沿って前後動させるアクチュエータ(23)と、主翼
(WL,WR)の抗力を最小にする左右の動翼(FE
L,FER)の舵角を算出し、この舵角に基づいて前記
アクチュエータ(23)の作動を制御する制御手段(C
U)とを備えたことを特徴とする、請求項1に記載の飛
行機の動翼作動装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000328410A JP4270738B2 (ja) | 2000-10-23 | 2000-10-23 | 飛行機の動翼作動装置 |
US09/903,872 US6464175B2 (en) | 2000-07-14 | 2001-07-13 | Rotor blade operating device in airplane and flaperon operating device in airplane |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000328410A JP4270738B2 (ja) | 2000-10-23 | 2000-10-23 | 飛行機の動翼作動装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2002127992A true JP2002127992A (ja) | 2002-05-09 |
JP4270738B2 JP4270738B2 (ja) | 2009-06-03 |
Family
ID=18805266
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000328410A Expired - Lifetime JP4270738B2 (ja) | 2000-07-14 | 2000-10-23 | 飛行機の動翼作動装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP4270738B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112623194A (zh) * | 2020-12-22 | 2021-04-09 | 深圳墨菲航空科技有限公司 | 襟副翼联动系统和飞行器 |
CN113562162A (zh) * | 2021-08-07 | 2021-10-29 | 中国航空工业集团公司沈阳飞机设计研究所 | 一种改善飞机大迎角俯仰特性的机翼后缘襟副翼使用方法 |
-
2000
- 2000-10-23 JP JP2000328410A patent/JP4270738B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN113562162B (zh) * | 2021-08-07 | 2023-12-22 | 中国航空工业集团公司沈阳飞机设计研究所 | 一种改善飞机大迎角俯仰特性的机翼后缘襟副翼使用方法 |
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