JPH08325101A - 動物組織保存方法 - Google Patents
動物組織保存方法Info
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- JPH08325101A JPH08325101A JP15715395A JP15715395A JPH08325101A JP H08325101 A JPH08325101 A JP H08325101A JP 15715395 A JP15715395 A JP 15715395A JP 15715395 A JP15715395 A JP 15715395A JP H08325101 A JPH08325101 A JP H08325101A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 組織の細胞レベルでの損傷が少なく、移植の
成功率あるいは組織の生物活性に関する臨床および非臨
床的研究の精度を向上する動物組織非凍結保存方法及び
保存後の再潅流処理方法。 【構成】 グルコースを含む第一液で血管内の血液を排
除かつ置換し、ジメチルスルフォキシドまたはグリセリ
ンとマンニットを含む第二液で第一液を置換した後、凍
結させずに0℃ないし20℃で保存する。保存後の組織
を、グルコース、マンニット、血清アルブミンを含む緩
衝液で再潅流する。
成功率あるいは組織の生物活性に関する臨床および非臨
床的研究の精度を向上する動物組織非凍結保存方法及び
保存後の再潅流処理方法。 【構成】 グルコースを含む第一液で血管内の血液を排
除かつ置換し、ジメチルスルフォキシドまたはグリセリ
ンとマンニットを含む第二液で第一液を置換した後、凍
結させずに0℃ないし20℃で保存する。保存後の組織
を、グルコース、マンニット、血清アルブミンを含む緩
衝液で再潅流する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は動物組織保存方法に関す
るもので、特に臓器の移植、臨床的及び非臨床的研究の
ための臓器等の動物組織の保存方法に関するものであ
る。
るもので、特に臓器の移植、臨床的及び非臨床的研究の
ための臓器等の動物組織の保存方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、心臓、肝臓、腎臓、すい臓等の臓
器を移植する際、摘出する臓器の潅流には、俗にUW液
と呼ばれる潅流液や、Collins液、modified Collins
液、Euro-Collins液とそれぞれ呼ばれる潅流液が多く用
いられていた。例えば、UW液は次のような組成を有す
る。 (水溶液1リットル当たり) ラクトビオン酸カリウム 100mmol 燐酸二水素カリウム 25mmol 硫酸マグネシウム 5mmol ラフィノース 30mmol アデノシン 5mmol グルタチオン 3mmol アロプリノール 1mmol インシュリン 100IU デキサメタゾン 8mg ヒドロキシエチル澱粉 50g 臨床的及び非臨床的研究のための臓器等の組織の保存の
際にも、このような液が潅流に用いられていた。また低
温保存後に組織の生物活性を回復させるための再潅流に
も、このような液や生理食塩水が用いられていた。
器を移植する際、摘出する臓器の潅流には、俗にUW液
と呼ばれる潅流液や、Collins液、modified Collins
液、Euro-Collins液とそれぞれ呼ばれる潅流液が多く用
いられていた。例えば、UW液は次のような組成を有す
る。 (水溶液1リットル当たり) ラクトビオン酸カリウム 100mmol 燐酸二水素カリウム 25mmol 硫酸マグネシウム 5mmol ラフィノース 30mmol アデノシン 5mmol グルタチオン 3mmol アロプリノール 1mmol インシュリン 100IU デキサメタゾン 8mg ヒドロキシエチル澱粉 50g 臨床的及び非臨床的研究のための臓器等の組織の保存の
際にも、このような液が潅流に用いられていた。また低
温保存後に組織の生物活性を回復させるための再潅流に
も、このような液や生理食塩水が用いられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの潅流
液で潅流し、同じ組成の保存液中で保存温度まで冷やさ
れた臓器は、保存を開始する前すでに組織の細胞レベル
での構造及び機能がかなり損なわれている。これが、保
存した臓器を移植に用いる場合の成功率を低下させる大
きな原因の一つとなっている。
液で潅流し、同じ組成の保存液中で保存温度まで冷やさ
れた臓器は、保存を開始する前すでに組織の細胞レベル
での構造及び機能がかなり損なわれている。これが、保
存した臓器を移植に用いる場合の成功率を低下させる大
きな原因の一つとなっている。
【0004】組織の代謝等生物活性に関する臨床的及び
非臨床的研究でも、本来の正常な機能を保った組織につ
いての実験的研究を行なうことが困難な現状にある。組
織の構造的、機能的損傷を伴う場合には、それが実験結
果に重大な影響を与えるおそれが大きく、事実その影響
が明らかに認められることもあり、研究の精度は著しく
制約されていた。保存後の活性回復に先立って行なう再
潅流についても、同様の問題が存在していた。
非臨床的研究でも、本来の正常な機能を保った組織につ
いての実験的研究を行なうことが困難な現状にある。組
織の構造的、機能的損傷を伴う場合には、それが実験結
果に重大な影響を与えるおそれが大きく、事実その影響
が明らかに認められることもあり、研究の精度は著しく
制約されていた。保存後の活性回復に先立って行なう再
潅流についても、同様の問題が存在していた。
【0005】それ故、移植の成功率の向上、組織の代謝
等生物活性に関する臨床的及び非臨床的研究の精度の向
上のため、保存される組織の細胞レベルでの構造的、機
能的損傷の極めて少ない潅流液を用いて臓器等の潅流を
行ない保存する方法が望まれていた。さらに保存後生物
活性回復前の再潅流についても、組織の細胞レベルでの
構造および機能を損なわない再潅流処理方法が望まれて
いた。
等生物活性に関する臨床的及び非臨床的研究の精度の向
上のため、保存される組織の細胞レベルでの構造的、機
能的損傷の極めて少ない潅流液を用いて臓器等の潅流を
行ない保存する方法が望まれていた。さらに保存後生物
活性回復前の再潅流についても、組織の細胞レベルでの
構造および機能を損なわない再潅流処理方法が望まれて
いた。
【0006】本発明の目的は、組織の細胞レベルでの損
傷が少なく、移植の成功率、あるいは組織の代謝等生物
活性に関する臨床的及び非臨床的研究の精度を向上する
ことができる組織非凍結保存方法を提供することにあ
る。
傷が少なく、移植の成功率、あるいは組織の代謝等生物
活性に関する臨床的及び非臨床的研究の精度を向上する
ことができる組織非凍結保存方法を提供することにあ
る。
【0007】本発明の他の目的は、非凍結保存後の組織
の生物活性を回復させる前に、組織の細胞レベルでの構
造及び機能を損なわないよう再潅流処理する方法を提供
することにある。
の生物活性を回復させる前に、組織の細胞レベルでの構
造及び機能を損なわないよう再潅流処理する方法を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明において上記目的
を達成する動物組織の保存方法は、動物の器官に通ずる
少なくとも一つの血管に、少なくとも1.5重量%のグル
コースを含む第一の水性液を潅流して、器官中の血液を
排除しかつ置換する過程(以下、第一潅流過程と称す
る)と、その器官に通ずる少なくとも一つの血管に、ジ
メチルスルフォキシドとグリセリンのうち少なくとも一
方とマンニットとを含む第二の水性液を潅流して、器官
中の第一の水性液をこの第二の水性液で置換するととも
に、器官の洞様血管を含む血管内および器官の組織を構
成する細胞の間隙を第二の水性液で満たす過程(以下、
第二潅流過程と称する)と、器官の組織の少なくとも一
部を0℃から20℃までの温度で保存する過程(以下、
低温保存過程と称する)から成る。組織は、筋肉、皮
膚、血管等でもよく、器官は必ずしも明確な形をもたな
くともよい。本発明は動物組織を凍結させないで保存す
る方法を対象とし、動物組織を利用前に凍結して保存す
る方法を包含しない。
を達成する動物組織の保存方法は、動物の器官に通ずる
少なくとも一つの血管に、少なくとも1.5重量%のグル
コースを含む第一の水性液を潅流して、器官中の血液を
排除しかつ置換する過程(以下、第一潅流過程と称す
る)と、その器官に通ずる少なくとも一つの血管に、ジ
メチルスルフォキシドとグリセリンのうち少なくとも一
方とマンニットとを含む第二の水性液を潅流して、器官
中の第一の水性液をこの第二の水性液で置換するととも
に、器官の洞様血管を含む血管内および器官の組織を構
成する細胞の間隙を第二の水性液で満たす過程(以下、
第二潅流過程と称する)と、器官の組織の少なくとも一
部を0℃から20℃までの温度で保存する過程(以下、
低温保存過程と称する)から成る。組織は、筋肉、皮
膚、血管等でもよく、器官は必ずしも明確な形をもたな
くともよい。本発明は動物組織を凍結させないで保存す
る方法を対象とし、動物組織を利用前に凍結して保存す
る方法を包含しない。
【0009】動物組織の保存に関する本発明の目的は、
器官に通ずる血管から液を潅流させる方法に限らず、組
織を第一の水性液に流動的に接触させて組織中の血液を
排除しかつ置換する過程(第一潅流)と、さらに第二の
水性液に流動的に接触させて、第二の水性液で組織中の
第一の水性液を置換するとともに、洞様血管を含む血管
および組織を構成する細胞の間隙をこの第二の水性液で
満たす過程(第二潅流)と、組織を低温保存する過程
(低温保存)から成る方法により達成された。流動的に
接触させるとは、組織の表面に接触する液と組織を相対
的に運動させること、具体的には、液を組織の少なくと
も表面で流動させるか、静止した液中で組織を運動させ
ることを意味する。
器官に通ずる血管から液を潅流させる方法に限らず、組
織を第一の水性液に流動的に接触させて組織中の血液を
排除しかつ置換する過程(第一潅流)と、さらに第二の
水性液に流動的に接触させて、第二の水性液で組織中の
第一の水性液を置換するとともに、洞様血管を含む血管
および組織を構成する細胞の間隙をこの第二の水性液で
満たす過程(第二潅流)と、組織を低温保存する過程
(低温保存)から成る方法により達成された。流動的に
接触させるとは、組織の表面に接触する液と組織を相対
的に運動させること、具体的には、液を組織の少なくと
も表面で流動させるか、静止した液中で組織を運動させ
ることを意味する。
【0010】第一の水性液(以下、第一液という)中の
グルコースの濃度が1.5重量%未満であると、組織への
エネルギー供給が不充分である。第一液は1.5ないし5
重量%のグルコースを含むことが好ましい。5重量%を
超えるグルコースを含むと、液の細胞に対する浸透圧が
過大となり、潅流による場合は液の粘度が上昇して、細
胞を損傷するおそれがある。第一液はさらに0.15±0.05
モルの塩化ナトリウムを含むことが好ましい。この濃度
の塩化ナトリウムは、イオンによる浸透圧を確保する。
第一液は、後述の理由により血液の溶血を生じない組成
であることが好ましい。
グルコースの濃度が1.5重量%未満であると、組織への
エネルギー供給が不充分である。第一液は1.5ないし5
重量%のグルコースを含むことが好ましい。5重量%を
超えるグルコースを含むと、液の細胞に対する浸透圧が
過大となり、潅流による場合は液の粘度が上昇して、細
胞を損傷するおそれがある。第一液はさらに0.15±0.05
モルの塩化ナトリウムを含むことが好ましい。この濃度
の塩化ナトリウムは、イオンによる浸透圧を確保する。
第一液は、後述の理由により血液の溶血を生じない組成
であることが好ましい。
【0011】第二の水性液(以下、第二液という)は、
3ないし15重量%のジメチルスルフォキシド、グリセ
リン又はそれらの混合物、及び3ないし8重量%のマン
ニットから成ることが好ましい。第二液はさらに0.15±
0.05モルの塩化ナトリウムを含むことが好ましい。
3ないし15重量%のジメチルスルフォキシド、グリセ
リン又はそれらの混合物、及び3ないし8重量%のマン
ニットから成ることが好ましい。第二液はさらに0.15±
0.05モルの塩化ナトリウムを含むことが好ましい。
【0012】第一液として好ましい組成物は、ナトリウ
ム、カリウム、水素、塩素、燐酸、好ましくはさらにカ
ルシウム、マグネシウム、硫酸、重炭酸の各イオンを含
む、好ましくはpH7.4±0.1 の緩衝液と、1ないし5
重量%のグルコースと、1.5ないし7.5重量%の血清ア
ルブミンとから成り、塩化ナトリウム濃度が0.15 ±
0.05 モルである水性液組成物である。血清アルブミン
は、保存する組織に適合性があればどの哺乳動物の血清
アルブミンでもよいが、牛血清アルブミンが量的に得や
すく、安価である。
ム、カリウム、水素、塩素、燐酸、好ましくはさらにカ
ルシウム、マグネシウム、硫酸、重炭酸の各イオンを含
む、好ましくはpH7.4±0.1 の緩衝液と、1ないし5
重量%のグルコースと、1.5ないし7.5重量%の血清ア
ルブミンとから成り、塩化ナトリウム濃度が0.15 ±
0.05 モルである水性液組成物である。血清アルブミン
は、保存する組織に適合性があればどの哺乳動物の血清
アルブミンでもよいが、牛血清アルブミンが量的に得や
すく、安価である。
【0013】第二液として好ましい組成物は、ナトリウ
ム、カリウム、水素、塩素、燐酸、さらに好ましくはカ
ルシウム、マグネシウム、硫酸、重炭酸の各イオンを含
む、好ましくはpH7.4±0.1 の緩衝液と、3ないし8
重量%のマンニットと、1.5ないし7.5重量%の血清ア
ルブミンと、3ないし15重量%のジメチルスルフォキシ
ド、グリセリン又はその混合物とから成り、塩化ナトリ
ウム濃度が0.15±0.05モルである水性液組成物である。
ム、カリウム、水素、塩素、燐酸、さらに好ましくはカ
ルシウム、マグネシウム、硫酸、重炭酸の各イオンを含
む、好ましくはpH7.4±0.1 の緩衝液と、3ないし8
重量%のマンニットと、1.5ないし7.5重量%の血清ア
ルブミンと、3ないし15重量%のジメチルスルフォキシ
ド、グリセリン又はその混合物とから成り、塩化ナトリ
ウム濃度が0.15±0.05モルである水性液組成物である。
【0014】保存後組織の再潅流処理方法に関する本発
明の目的は、ナトリウム、カリウム、水素、塩素、燐
酸、さらに好ましくはカルシウム、マグネシウム、硫
酸、重炭酸の各イオンから成る、好ましくはpH7.4±
0.1 の緩衝液と、0.5ないし3重量%のグルコースと、
0.5ないし3重量%のマンニットと、1.5ないし7.5重
量%の血清アルブミンとから成り、塩化ナトリウム濃度
が0.15±0.05モルである水性液組成物により達成され
た。
明の目的は、ナトリウム、カリウム、水素、塩素、燐
酸、さらに好ましくはカルシウム、マグネシウム、硫
酸、重炭酸の各イオンから成る、好ましくはpH7.4±
0.1 の緩衝液と、0.5ないし3重量%のグルコースと、
0.5ないし3重量%のマンニットと、1.5ないし7.5重
量%の血清アルブミンとから成り、塩化ナトリウム濃度
が0.15±0.05モルである水性液組成物により達成され
た。
【0015】本発明の動物組織の保存方法において第一
潅流過程は、動物の器官等の組織を低温保存するための
前処理として、所要の部分(臓器等)の血管(洞様血管
を含む)中の血液を排除し、第一液で置換することを目
的とする。第一液は、その際血液の溶血を生じないこと
が好ましい。溶血は組織細胞表面への血球成分の付着を
生じ、組織の機能を阻害する。組織試料が薄切による薄
片(スライス)またはバイオプシーによる糸状である場
合等には、組織試料を第一液に浸漬(液は流動させるこ
とが好ましい)し、あるいは組織の上から注いでもよ
い。
潅流過程は、動物の器官等の組織を低温保存するための
前処理として、所要の部分(臓器等)の血管(洞様血管
を含む)中の血液を排除し、第一液で置換することを目
的とする。第一液は、その際血液の溶血を生じないこと
が好ましい。溶血は組織細胞表面への血球成分の付着を
生じ、組織の機能を阻害する。組織試料が薄切による薄
片(スライス)またはバイオプシーによる糸状である場
合等には、組織試料を第一液に浸漬(液は流動させるこ
とが好ましい)し、あるいは組織の上から注いでもよ
い。
【0016】本発明の方法において第二潅流過程は、血
液が排除され、第一液で満たされた動物の器官等の組織
内の血管(洞様血管を含む)および細胞間隙を、第二液
でさらに置換し、保存に適する状態にすることを目的と
する。保存される組織を第二液に浸漬し、あるいは組織
の上から注いでもよい。
液が排除され、第一液で満たされた動物の器官等の組織
内の血管(洞様血管を含む)および細胞間隙を、第二液
でさらに置換し、保存に適する状態にすることを目的と
する。保存される組織を第二液に浸漬し、あるいは組織
の上から注いでもよい。
【0017】本発明の方法に用いる好ましい第一液組成
において、緩衝液のpHは、7.4±0.1 が好ましい。そ
れは細胞の損傷がこのpHで最も少ないからである。ナ
トリウム、カリウム、水素、塩素、燐酸の各イオンを含
む緩衝液によりこのpHを実現できるが、さらにカルシ
ウム、マグネシウム、硫酸、重炭酸の各イオンを含む緩
衝液、例えばKrebs Henseleit 重炭酸塩緩衝液を用いれ
ば、pH7.4が容易に且つ安定に実現できる。
において、緩衝液のpHは、7.4±0.1 が好ましい。そ
れは細胞の損傷がこのpHで最も少ないからである。ナ
トリウム、カリウム、水素、塩素、燐酸の各イオンを含
む緩衝液によりこのpHを実現できるが、さらにカルシ
ウム、マグネシウム、硫酸、重炭酸の各イオンを含む緩
衝液、例えばKrebs Henseleit 重炭酸塩緩衝液を用いれ
ば、pH7.4が容易に且つ安定に実現できる。
【0018】第二液に含まれるマンニット(mannitol)
は、組織中での活性酸素生成を抑制する。3重量%未満
ではこの作用が小さく、8重量%を超えると液の粘度及
び浸透圧の上昇に伴い、細胞に損傷を与える可能性が増
すので、3ないし8重量%の濃度が好ましい。
は、組織中での活性酸素生成を抑制する。3重量%未満
ではこの作用が小さく、8重量%を超えると液の粘度及
び浸透圧の上昇に伴い、細胞に損傷を与える可能性が増
すので、3ないし8重量%の濃度が好ましい。
【0019】第二液に含まれるジメチルスルホキシド又
はグリセリンの濃度は、3〜15%の範囲に選ばれるが、
5〜10%が好ましい。濃度が15%を超えると、細胞に対
する毒性が増大する。
はグリセリンの濃度は、3〜15%の範囲に選ばれるが、
5〜10%が好ましい。濃度が15%を超えると、細胞に対
する毒性が増大する。
【0020】第一液、第二液及び再潅流液は、実質的に
組織に対し等張(isotonic)または若干高い浸透圧を有す
ることが好ましいが、血液やリンパ液の約1/2ないし
3倍の範囲の浸透圧であればよい。第一液及び第二液は
それぞれ、グルコース又はマンニット以外の糖質、塩
類、酸、塩基、界面活性剤、増粘剤、殺菌剤等を含んで
もよい。再潅流液についても同様である。潅流の際の第
一液および第二液の温度は、組織の変化を防ぐため、液
の氷点以上のなるべく低い温度(−5℃ないし+10
℃)に保つことが好ましい。
組織に対し等張(isotonic)または若干高い浸透圧を有す
ることが好ましいが、血液やリンパ液の約1/2ないし
3倍の範囲の浸透圧であればよい。第一液及び第二液は
それぞれ、グルコース又はマンニット以外の糖質、塩
類、酸、塩基、界面活性剤、増粘剤、殺菌剤等を含んで
もよい。再潅流液についても同様である。潅流の際の第
一液および第二液の温度は、組織の変化を防ぐため、液
の氷点以上のなるべく低い温度(−5℃ないし+10
℃)に保つことが好ましい。
【0021】第一液による潅流の際には動物の、特に対
象となる器官付近の、末梢神経を遮断しておくことが組
織機能の保持のために好ましい。対象器官付近の末梢神
経の遮断は、モノアミンオキシダーゼ阻害作用を有する
物質(以下、MAO阻害物質と略記)を潅流液中に約0.
001 ないし0.05wt%添加することにより達成できる。本
発明に適用できるMAO阻害物質には、例えばN-アミノ
アルキルフェノチアジン系化合物、N-アミノアルキルジ
ベンゾアザシクロヘプタジエン系化合物、イソニコチン
酸ヒドラジド系化合物、プロパルギルアミン誘導体があ
る。例えば、クロルプロマジン、プロメタジン、イミプ
ラミン、イプロニアジド、パルジリン等である。潅流前
にMAO阻害物質を血管内または腹腔内に注入してもよ
い。
象となる器官付近の、末梢神経を遮断しておくことが組
織機能の保持のために好ましい。対象器官付近の末梢神
経の遮断は、モノアミンオキシダーゼ阻害作用を有する
物質(以下、MAO阻害物質と略記)を潅流液中に約0.
001 ないし0.05wt%添加することにより達成できる。本
発明に適用できるMAO阻害物質には、例えばN-アミノ
アルキルフェノチアジン系化合物、N-アミノアルキルジ
ベンゾアザシクロヘプタジエン系化合物、イソニコチン
酸ヒドラジド系化合物、プロパルギルアミン誘導体があ
る。例えば、クロルプロマジン、プロメタジン、イミプ
ラミン、イプロニアジド、パルジリン等である。潅流前
にMAO阻害物質を血管内または腹腔内に注入してもよ
い。
【0022】潅流は通常、器官に通ずる血管に留置針
(中空の)を刺し込んで行なう。潅流は一個所から行な
ってもよいが、2本以上の血管(例えば、肝動脈と門
脈)から行なってもよい。流量は、充分な栄養及び酸素
が供給される一方、血管及び組織が損傷しないよう、器
官の種類、血管の種類、太さ、潅流液の粘度等に応じて
選ばれる。潅流液および保存液による置換は、それぞれ
血液及び潅流液が実質的に残らないように、十分行な
う。保存中は、保存液が組織に保持されるように、必要
な箇所の血管を閉塞しておく。
(中空の)を刺し込んで行なう。潅流は一個所から行な
ってもよいが、2本以上の血管(例えば、肝動脈と門
脈)から行なってもよい。流量は、充分な栄養及び酸素
が供給される一方、血管及び組織が損傷しないよう、器
官の種類、血管の種類、太さ、潅流液の粘度等に応じて
選ばれる。潅流液および保存液による置換は、それぞれ
血液及び潅流液が実質的に残らないように、十分行な
う。保存中は、保存液が組織に保持されるように、必要
な箇所の血管を閉塞しておく。
【0023】保存すべき器官等の組織の動物体からの摘
出または切除は、血液の第一液による置換前、第一液に
よる潅流中、第一液による潅流と第二液による潅流の
間、第二液による潅流中、第二液による潅流後のいずれ
の時期に行なってもよいが、潅流中または潅流の間に行
なうのが好ましい。摘出および切除は2または3段階に
分けて、異なる時期に行なってもよい。例えば肝臓を摘
出した後、肝葉の一つ又は二つを切除してもよい。潅流
及び切除を行なうには、動物の手術を行なう必要があ
る。
出または切除は、血液の第一液による置換前、第一液に
よる潅流中、第一液による潅流と第二液による潅流の
間、第二液による潅流中、第二液による潅流後のいずれ
の時期に行なってもよいが、潅流中または潅流の間に行
なうのが好ましい。摘出および切除は2または3段階に
分けて、異なる時期に行なってもよい。例えば肝臓を摘
出した後、肝葉の一つ又は二つを切除してもよい。潅流
及び切除を行なうには、動物の手術を行なう必要があ
る。
【0024】組織は0℃から20℃までの温度で凍結さ
せずに保存される。保存の温度は保存後の組織の使用目
的、必要な保存期間等に依り決められる。6℃から15℃
の範囲の温度で保存するのが一層好ましい。保存には冷
蔵庫を用いるのが便利である。保存中、組織が乾燥しな
いように配慮が必要である(例えば防湿フィルムを表面
に貼る)。組織を保存液(第二液)中に浸漬し、あるい
は保存液を組織の上に注いでもよい。組織中に充分な量
の保存液を保持することが困難な場合(例えば組織スラ
イス)、特にこのような処置が必要である。
せずに保存される。保存の温度は保存後の組織の使用目
的、必要な保存期間等に依り決められる。6℃から15℃
の範囲の温度で保存するのが一層好ましい。保存には冷
蔵庫を用いるのが便利である。保存中、組織が乾燥しな
いように配慮が必要である(例えば防湿フィルムを表面
に貼る)。組織を保存液(第二液)中に浸漬し、あるい
は保存液を組織の上に注いでもよい。組織中に充分な量
の保存液を保持することが困難な場合(例えば組織スラ
イス)、特にこのような処置が必要である。
【0025】保存を終了するとき、組織試料は適当な温
度、例えば6℃の、潅流液で再潅流した後、さらに温度
を25℃以上に上昇させて、必要とする生物活性を回復さ
せ、それ以後の用に供される。再潅流液としては生理食
塩水、糖質液(本発明の初期潅流液を包含する)、組織
培養液、その他を用いることもできるが、本発明の再潅
流液を用いることが好ましい。
度、例えば6℃の、潅流液で再潅流した後、さらに温度
を25℃以上に上昇させて、必要とする生物活性を回復さ
せ、それ以後の用に供される。再潅流液としては生理食
塩水、糖質液(本発明の初期潅流液を包含する)、組織
培養液、その他を用いることもできるが、本発明の再潅
流液を用いることが好ましい。
【0026】生物活性を回復させるに先立ち、再潅流液
で潅流しながら、保存終了時の温度から約25℃まで徐々
に温度を上昇させることが好ましい。保存終了時の温度
から約25℃までの温度上昇は平均毎分4℃以下とするこ
とが好ましく、平均毎分2.5℃未満とすることがさらに
好ましい。25℃に達するまでに充分の時間をかけて再
潅流を行ない、細胞間空間の第二液(保存液)を充分排
除することが、細胞の損傷を防ぐ上で重要と思われる。
温度25℃に達した後、さらに適当な組成の潅流液で潅流
しながら温度を37℃付近まで上昇させて、生物活性を回
復させる。温度25℃から37℃付近への上昇には特に時間
の制限はない。
で潅流しながら、保存終了時の温度から約25℃まで徐々
に温度を上昇させることが好ましい。保存終了時の温度
から約25℃までの温度上昇は平均毎分4℃以下とするこ
とが好ましく、平均毎分2.5℃未満とすることがさらに
好ましい。25℃に達するまでに充分の時間をかけて再
潅流を行ない、細胞間空間の第二液(保存液)を充分排
除することが、細胞の損傷を防ぐ上で重要と思われる。
温度25℃に達した後、さらに適当な組成の潅流液で潅流
しながら温度を37℃付近まで上昇させて、生物活性を回
復させる。温度25℃から37℃付近への上昇には特に時間
の制限はない。
【0027】本発明に用いる再潅流液には、組織のエネ
ルギー消費を抑制する物質、例えばラクトビオン酸を含
んでもよい。ラクトビオン酸の濃度は0.3ないし3%が
好ましい。本発明の再潅流液にはマンニット以外にも過
酸化物生成を抑止する物質、例えばアスコルビン酸、hy
drocortisoneを、含んでもよい。アスコルビン酸は1mg
/lないし2 g/l含むことができ、hydrocortisoneは
臨床用量の範囲で用いることができる。本発明の再潅流
液には、dibutyryl cyclicAMPを5×10-5ないし3
×10-4mol 含んでもよく、低酸素濃度下での細胞膜損
傷の防止に有効である。
ルギー消費を抑制する物質、例えばラクトビオン酸を含
んでもよい。ラクトビオン酸の濃度は0.3ないし3%が
好ましい。本発明の再潅流液にはマンニット以外にも過
酸化物生成を抑止する物質、例えばアスコルビン酸、hy
drocortisoneを、含んでもよい。アスコルビン酸は1mg
/lないし2 g/l含むことができ、hydrocortisoneは
臨床用量の範囲で用いることができる。本発明の再潅流
液には、dibutyryl cyclicAMPを5×10-5ないし3
×10-4mol 含んでもよく、低酸素濃度下での細胞膜損
傷の防止に有効である。
【0028】本発明は、特に哺乳動物の、肝臓、腎臓、
すい臓、脾臓、精巣、卵巣、副腎、脳、甲状腺、皮膚、
眼球、骨髄等の低温保存に有用である。肝臓の低温保存
に特に効果的である。
すい臓、脾臓、精巣、卵巣、副腎、脳、甲状腺、皮膚、
眼球、骨髄等の低温保存に有用である。肝臓の低温保存
に特に効果的である。
【0029】
【作用】動物の器官に通ずる血管に第一液を注入して、
血液を第一液で置換することにより、器官中の血液は排
除される。本発明の方法では、第一液による血液置換の
際に、細胞へのエネルギー供給が確保されるので、細胞
機能の不可逆的低下が防止される。さらに第二液を血管
に注入して、第一液を第二液で置換することにより、第
一液は排除され、血管内は第二液で満たされる。このと
き、洞様血管、細胞間隙もこの液で満たされる。潅流に
よらないで第一液、第二液と接触させた組織において
も、これと同様である。
血液を第一液で置換することにより、器官中の血液は排
除される。本発明の方法では、第一液による血液置換の
際に、細胞へのエネルギー供給が確保されるので、細胞
機能の不可逆的低下が防止される。さらに第二液を血管
に注入して、第一液を第二液で置換することにより、第
一液は排除され、血管内は第二液で満たされる。このと
き、洞様血管、細胞間隙もこの液で満たされる。潅流に
よらないで第一液、第二液と接触させた組織において
も、これと同様である。
【0030】組織に導入された第二液はマンニットを含
むので、細胞機能を損傷する過酸化物の生成が防止され
る。第二液中のジメチルスルホキシドまたはグリセリン
は、組織を凍結させない本発明の保存方法において、氷
結晶の生成防止の効果を有しておらず、その作用機構は
明確ではないが、水分子との配位結合、疎水結合により
細胞膜表面でのイオンの活性度を変化させ、細胞膜の変
化を妨げるものと思われる。
むので、細胞機能を損傷する過酸化物の生成が防止され
る。第二液中のジメチルスルホキシドまたはグリセリン
は、組織を凍結させない本発明の保存方法において、氷
結晶の生成防止の効果を有しておらず、その作用機構は
明確ではないが、水分子との配位結合、疎水結合により
細胞膜表面でのイオンの活性度を変化させ、細胞膜の変
化を妨げるものと思われる。
【0031】組織は、潅流前、潅流中、あるいは第一潅
流と第二潅流の間に動物体から摘出される。第二液で潅
流された組織試料は、凍結されずに、0℃ないし20℃
(好ましくは6℃から15℃)の温度で必要な期間保存さ
れる。
流と第二潅流の間に動物体から摘出される。第二液で潅
流された組織試料は、凍結されずに、0℃ないし20℃
(好ましくは6℃から15℃)の温度で必要な期間保存さ
れる。
【0032】本発明の方法において第一液を用いて前処
理され、第二液の存在下で保存された組織は、保存を終
了したとき、細胞レベルでの特性および機能が維持され
ているから、温度を25℃以上に上昇させれば、環境(栄
養、酸素濃度等)の調整により組織はその生物活性を回
復することができる。保存後の組織の温度を25℃まで上
昇させる間、本発明の再潅流処理により、生物活性の回
復前に有機溶媒(ジメチルスルフォキシド又はグリセリ
ン)が細胞内外から除去される一方、細胞へのエネルギ
ー供給は維持され、細胞の機能を損なう過酸化物の生成
も抑制される。それ故、温度を25℃以上に上昇させた後
に組織の生物活性の回復が生理食塩水やUW液による再
潅流より優れている。
理され、第二液の存在下で保存された組織は、保存を終
了したとき、細胞レベルでの特性および機能が維持され
ているから、温度を25℃以上に上昇させれば、環境(栄
養、酸素濃度等)の調整により組織はその生物活性を回
復することができる。保存後の組織の温度を25℃まで上
昇させる間、本発明の再潅流処理により、生物活性の回
復前に有機溶媒(ジメチルスルフォキシド又はグリセリ
ン)が細胞内外から除去される一方、細胞へのエネルギ
ー供給は維持され、細胞の機能を損なう過酸化物の生成
も抑制される。それ故、温度を25℃以上に上昇させた後
に組織の生物活性の回復が生理食塩水やUW液による再
潅流より優れている。
【0033】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明のさらに具体的
な説明とする。 [実施例1] (1) 潅流の準備 健康なラットの腹腔に、1ミリリットル当たり1000IUのヘパ
リン液を、体重100g当たり50マイクロリットル注射した後、常法
によりハロセン麻酔して、開腹手術を行ない、ポリエチ
レン細管と連結された留置針を肝門脈に挿入した(門脈
カニュレーション)。同様な方法で下大動脈にもカニュ
レーションを施し(下大動脈カニュレーション)、下大
動脈と下大静脈をまとめて結紮した。大動脈をクレンメ
ルで止めておき、胸郭を開いて大動脈および大静脈を切
断した。
な説明とする。 [実施例1] (1) 潅流の準備 健康なラットの腹腔に、1ミリリットル当たり1000IUのヘパ
リン液を、体重100g当たり50マイクロリットル注射した後、常法
によりハロセン麻酔して、開腹手術を行ない、ポリエチ
レン細管と連結された留置針を肝門脈に挿入した(門脈
カニュレーション)。同様な方法で下大動脈にもカニュ
レーションを施し(下大動脈カニュレーション)、下大
動脈と下大静脈をまとめて結紮した。大動脈をクレンメ
ルで止めておき、胸郭を開いて大動脈および大静脈を切
断した。
【0034】(2) 潅流 下大静脈の結紮部を切断し、温度を−5℃とした下記組
成の第一潅流液を、下大動脈カニュレーションを通じて
毎分 1.5ミリリットルの流量で下大動脈に、門脈カニュレーシ
ョンを通じて毎分 1.0ミリリットルの流量で肝門脈に、それぞ
れ注入し、10分間潅流した。肝臓から血液が充分排除
されたことを確認した上で、肝臓をラットから摘出し
た。このとき門脈および下大動脈は、肝臓側に各カニュ
レーションを確保して切断される。 第一潅流液: D−グルコース 2 g BSA(牛血清アルブミン) 3 g Krebs-Henseleit 緩衝液* 100 ミリリットル (*重炭酸
塩、pH 7.4)
成の第一潅流液を、下大動脈カニュレーションを通じて
毎分 1.5ミリリットルの流量で下大動脈に、門脈カニュレーシ
ョンを通じて毎分 1.0ミリリットルの流量で肝門脈に、それぞ
れ注入し、10分間潅流した。肝臓から血液が充分排除
されたことを確認した上で、肝臓をラットから摘出し
た。このとき門脈および下大動脈は、肝臓側に各カニュ
レーションを確保して切断される。 第一潅流液: D−グルコース 2 g BSA(牛血清アルブミン) 3 g Krebs-Henseleit 緩衝液* 100 ミリリットル (*重炭酸
塩、pH 7.4)
【0035】摘出した肝臓を直ちに、温度0℃とした下
記組成の保存液中に浸漬するとともに、同じ組成の液を
下大動脈カニュレーションを通じて毎分 1.5ミリリットルの流
量で下大動脈に、門脈カニュレーションを通じて毎分
1.0ミリリットルの流量で肝門脈に、それぞれ注入し、10分
間潅流した。 保存液: ジメチルスルフォキシド 10 g D−マンニット 5 g BSA 3 g Krebs-Henseleit 緩衝液* 100ミリリットル (*重炭酸
塩、pH 7.4)
記組成の保存液中に浸漬するとともに、同じ組成の液を
下大動脈カニュレーションを通じて毎分 1.5ミリリットルの流
量で下大動脈に、門脈カニュレーションを通じて毎分
1.0ミリリットルの流量で肝門脈に、それぞれ注入し、10分
間潅流した。 保存液: ジメチルスルフォキシド 10 g D−マンニット 5 g BSA 3 g Krebs-Henseleit 緩衝液* 100ミリリットル (*重炭酸
塩、pH 7.4)
【0036】(3) 低温保存 潅流直後、肝臓をポリエチレン袋に封入し、冷蔵庫内に
10℃で24時間保存した。
10℃で24時間保存した。
【0037】(4) 保存後の再潅流 下記組成の第三潅流液を、下大動脈カニュレーションを
通じて毎分 1.5ミリリットルの流量で下大動脈に、門脈カニュ
レーションを通じて毎分 1.0ミリリットルの流量で肝門脈に、
それぞれ注入し、10分間潅流し、肝臓中の保存液を第
三潅流液で置換した。第三潅流液の温度は最初10℃と
し、潅流中に1分当たり約2℃の割合で温度を25℃ま
で上昇させた。 第三潅流液: D−マンニット 1 g D−グルコース 1 g ラクトビオン酸 5 mmol BSA 3 g アスコルビン酸 0.1g Krebs-Henseleit 緩衝液* 100 ミリリットル (*重炭酸
塩、pH 7.4)
通じて毎分 1.5ミリリットルの流量で下大動脈に、門脈カニュ
レーションを通じて毎分 1.0ミリリットルの流量で肝門脈に、
それぞれ注入し、10分間潅流し、肝臓中の保存液を第
三潅流液で置換した。第三潅流液の温度は最初10℃と
し、潅流中に1分当たり約2℃の割合で温度を25℃ま
で上昇させた。 第三潅流液: D−マンニット 1 g D−グルコース 1 g ラクトビオン酸 5 mmol BSA 3 g アスコルビン酸 0.1g Krebs-Henseleit 緩衝液* 100 ミリリットル (*重炭酸
塩、pH 7.4)
【0038】(5) 組織の評価 組織の一部を常法により固定、染色し、光学顕微鏡観察
したところ、切除直後(第一潅流液による潅流のみ)の
組織と比較して、組織の変化はほとんど見られなかっ
た。
したところ、切除直後(第一潅流液による潅流のみ)の
組織と比較して、組織の変化はほとんど見られなかっ
た。
【0039】第三潅流液で潅流を終えた肝臓を温度37
℃、相対湿度 100%の箱の中に収め、185 kBqの14C
を含む[2−14C]Diazepam 1.1μmol を門脈カニュレー
ションから注入し、その直後定量ポンプを用いて下記組
成の代謝試験用潅流液を毎分1ミリリットルの流量で供給し
た。同時に動脈カニュレーションを通じて同液を毎分
1.5ミリリットルの流量で供給した。 代謝試験用潅流液: ラット血液細胞 30ミリリットル D−グルコース 2 g BSA 3 g アスコルビン酸 0.1g Krebs-Henseleit 緩衝液* 70ミリリットル (*重炭酸
塩、pH 7.4) 20分間潅流を続け、このとき肝臓より流出する潅流液
をロウトに受け、2分毎に試験管に採取した。
℃、相対湿度 100%の箱の中に収め、185 kBqの14C
を含む[2−14C]Diazepam 1.1μmol を門脈カニュレー
ションから注入し、その直後定量ポンプを用いて下記組
成の代謝試験用潅流液を毎分1ミリリットルの流量で供給し
た。同時に動脈カニュレーションを通じて同液を毎分
1.5ミリリットルの流量で供給した。 代謝試験用潅流液: ラット血液細胞 30ミリリットル D−グルコース 2 g BSA 3 g アスコルビン酸 0.1g Krebs-Henseleit 緩衝液* 70ミリリットル (*重炭酸
塩、pH 7.4) 20分間潅流を続け、このとき肝臓より流出する潅流液
をロウトに受け、2分毎に試験管に採取した。
【0040】採取した潅流液は毎分3000回転(回転半径
15cm)で10分間遠心分離し、その上清中の放射性代謝物
を、薄層クロマトグラフィにより分離し、ラジオルミノ
グラフィ(光輝尽を利用したイメージングプレートへ密
着後レーザビームにより読み出し)により検出解析を行
なった。その結果、流出液中には、親化合物であるDiaz
epamのほかに、その代謝物である4'-hydroxydiazepam,
Nordazepam,Temazepam, Oxazepam が検出された。これ
らは、凍結保存しない肝臓を用いて同じ実験を行なった
場合に認められる代謝物であり、本方法により保存され
た肝臓組織が代謝活性を有することを示している。
15cm)で10分間遠心分離し、その上清中の放射性代謝物
を、薄層クロマトグラフィにより分離し、ラジオルミノ
グラフィ(光輝尽を利用したイメージングプレートへ密
着後レーザビームにより読み出し)により検出解析を行
なった。その結果、流出液中には、親化合物であるDiaz
epamのほかに、その代謝物である4'-hydroxydiazepam,
Nordazepam,Temazepam, Oxazepam が検出された。これ
らは、凍結保存しない肝臓を用いて同じ実験を行なった
場合に認められる代謝物であり、本方法により保存され
た肝臓組織が代謝活性を有することを示している。
【0041】また、乳酸脱水素酵素(LDH)を定量し
たところ、20分間の潅流を通じていずれの流出液も約
100IU/リットルの正常値を示した。これは保存後の肝臓
組織が損傷を受けていないことを示す。
たところ、20分間の潅流を通じていずれの流出液も約
100IU/リットルの正常値を示した。これは保存後の肝臓
組織が損傷を受けていないことを示す。
【0042】[実施例2]第一潅流液として下記組成の
液を用いた以外は、実施例1と同様にして肝臓組織を保
存した。 第一潅流液: D−グルコース 2 g BSA 3 g Krebs-Henseleit 緩衝液* 100 ミリリットル (*重炭酸
塩、pH 7.4) クロルプロマジン 0.01g 実施例1とほぼ同様の結果を得た。
液を用いた以外は、実施例1と同様にして肝臓組織を保
存した。 第一潅流液: D−グルコース 2 g BSA 3 g Krebs-Henseleit 緩衝液* 100 ミリリットル (*重炭酸
塩、pH 7.4) クロルプロマジン 0.01g 実施例1とほぼ同様の結果を得た。
【0043】
【発明の効果】本発明の保存方法により凍結しないで保
存された器官、筋肉等の生物組織は、その細胞の特性及
び機能がよく維持される。本発明の再潅流処理方法は肝
臓等の組織の、移植および臨床的又は非臨床的研究のた
めの保存後処理に有用である。
存された器官、筋肉等の生物組織は、その細胞の特性及
び機能がよく維持される。本発明の再潅流処理方法は肝
臓等の組織の、移植および臨床的又は非臨床的研究のた
めの保存後処理に有用である。
Claims (26)
- 【請求項1】 動物組織を凍結させないで保存する動物
組織の保存方法において、 前記動物組織を、少なくとも1.5重量%のグルコースを
含む第一の水性液に接触させ、前記組織中に含まれる血
液を排除しかつ置換する過程と、 前記動物組織を、ジメチルスルフォキシドとグリセリン
のうち少なくとも一方とマンニットとを含む第二の水性
液に接触させ、前記組織中の前記第一の水性液を前記第
二の水性液で置換するとともに、前記組織中の洞様血管
を含む血管内および前記組織を構成する細胞の間隙を前
記第二の水性液で満たす過程と、 前記組織又はその一部を0℃から20℃までの温度で保
存する過程から成る、動物組織の保存方法。 - 【請求項2】 動物の器官に通ずる少なくとも一つの血
管に、前記第一の水性液を潅流して、前記器官中の血液
を排除しかつ置換する過程と、 前記器官に通ずる少なくとも一つの血管に、前記第二の
水性液を潅流して、前記器官中の前記第一の水性液を前
記第二の水性液で置換するとともに、前記器官の洞様血
管を含む血管内および前記器官の組織を構成する細胞の
間隙を前記第二の水性液で満たす過程と、 前記器官の組織の少なくとも一部を0℃から20℃まで
の温度で保存する過程、から成る、請求項1の動物組織
の保存方法。 - 【請求項3】 前記組織の少なくとも一部が6℃以上1
5℃以下の温度で保存される、請求項1又は2の動物組
織の保存方法。 - 【請求項4】 前記第一の水性液が1.5ないし5重量%
のグルコースを含む、請求項1ないし3いずれかの動物
組織の保存方法。 - 【請求項5】 前記第一の水性液が0.15 ±0.05 モル
の塩化ナトリウムを含む、請求項1ないし4いずれかの
動物組織の保存方法。 - 【請求項6】 前記第二の水性液が3ないし8重量%の
マンニットを含む、請求項1ないし5いずれかの動物組
織の保存方法。 - 【請求項7】 前記第二の水性液がジメチルスルフォキ
シドを含む、請求項1ないし6いずれかの動物組織の保
存方法。 - 【請求項8】 前記第二の水性液が3ないし15重量%
のジメチルスルフォキシドを含む、請求項7の動物組織
の保存方法。 - 【請求項9】 前記第二の水性液が3ないし15重量%
のジメチルスルフォキシドとグリセリンの少なくとも一
方と、3ないし8重量%のマンニットを含む、請求項1
ないし6いずれかの動物組織の保存方法。 - 【請求項10】 前記第二の水性液がさらに0.15 ±
0.05 モルの塩化ナトリウムを含む、請求項1ないし9
いずれかの動物組織の保存方法。 - 【請求項11】 前記第二の水性液がさらに哺乳動物血
清アルブミンを含む、請求項1ないし10いずれかの動
物組織の保存方法。 - 【請求項12】 前記第二の水性液が1.5ないし7.5重
量%の哺乳動物血清アルブミンを含む、請求項11の動
物組織の保存方法。 - 【請求項13】 前記第二の水性液が、ナトリウム、カ
リウム、水素、塩素、燐酸の各イオンを含むpH7.4±
0.1 の緩衝液と、3ないし8重量%のマンニットと、
1.5ないし7.5重量%の哺乳動物血清アルブミンと、3
ないし15重量%のジメチルスルフォキシドとグリセリ
ンの少なくとも一方とから成る、請求項12の動物組織
の保存方法。 - 【請求項14】 前記緩衝液がさらにカルシウム、マグ
ネシウム、硫酸、重炭酸の各イオンを含む、請求項13
の動物組織の保存方法。 - 【請求項15】 前記第一の水性液が、1.5ないし5重
量%のグルコースと、1.5ないし7.5重量%の哺乳動物
血清アルブミンと、0.15 ±0.05 モルの塩化ナトリウ
ムを含む、請求項1ないし14いずれかの動物組織の保
存方法。 - 【請求項16】 前記第一の水性液が、ナトリウム、カ
リウム、水素、塩素、燐酸の各イオンを含むpH7.4±
0.1 の緩衝液と、1.5ないし5重量%のグルコース、及
び1.5ないし7.5重量%の哺乳動物血清アルブミンとか
ら成る、請求項15の動物組織の保存方法。 - 【請求項17】 前記緩衝液がさらにカルシウム、マグ
ネシウム、硫酸、重炭酸の各イオンを含む、請求項18
の動物組織の保存方法。 - 【請求項18】 前記第一の水性液が末梢神経遮断剤を
含む、請求項1ないし17いずれかの動物組織の保存方
法。 - 【請求項19】 前記末梢神経遮断剤がモノアミンオキ
シダーゼ阻害作用を有する物質である、請求項18の動
物組織の保存方法。 - 【請求項20】 0℃から20℃までの温度で保存され
た組織に通ずる少なくとも一つの血管に、pH7.4±0.
1 の緩衝液、グルコース、マンニット及び血清蛋白から
成る潅流液を注入して、前記組織中の血管及び前記組織
を構成する細胞の間隙を満たしていた保存液を前記組織
の生物活性の回復前に排除し、置換することから成る、
保存組織の処理方法。 - 【請求項21】 前記潅流液が、ナトリウム、カリウ
ム、水素、塩素、燐酸の各イオンから成るpH7.4±0.
1 の緩衝液と、 0.5ないし3重量%のグルコースと、 0.5ないし3重量%のマンニットと、 1.5ないし7.5重量%の血清アルブミンとから成り、 塩化ナトリウム濃度が0.15±0.05モルである、請求項2
0の保存組織の処理方法。 - 【請求項22】 前記緩衝液がさらにカルシウム、マグ
ネシウム、硫酸、重炭酸の各イオンを含む、請求項21
の保存組織の処理方法。 - 【請求項23】 前記潅流液がラクトビオン酸を含む請
求項20ないし22いずれかの保存組織の処理方法。 - 【請求項24】 前記潅流液がアスコルビン酸を含む請
求項20ないし23いずれかの保存組織の処理方法。 - 【請求項25】 前記動物組織に通ずる少なくとも一つ
の血管に前記潅流液を注入して、前記組織中の血管及び
前記組織を構成する細胞の間隙を満たしていた液を排除
かつ置換するとともに、前記組織の温度を平均毎分4℃
以下の速度で25℃まで上昇させる、請求項20ないし2
4いずれかの保存組織の処理方法。 - 【請求項26】 前記組織の温度を平均毎分2.5℃未満
で上昇させる、請求項25の保存組織の処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15715395A JPH08325101A (ja) | 1995-05-31 | 1995-05-31 | 動物組織保存方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15715395A JPH08325101A (ja) | 1995-05-31 | 1995-05-31 | 動物組織保存方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08325101A true JPH08325101A (ja) | 1996-12-10 |
Family
ID=15643345
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15715395A Pending JPH08325101A (ja) | 1995-05-31 | 1995-05-31 | 動物組織保存方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08325101A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000191401A (ja) * | 1998-12-24 | 2000-07-11 | Hayashibara Biochem Lab Inc | 臓器保存剤 |
KR100803384B1 (ko) * | 2007-01-15 | 2008-02-13 | 한스바이오메드 주식회사 | 피부조직의 장기 보관 방법 |
WO2008126430A1 (ja) * | 2007-03-13 | 2008-10-23 | Otsuka Pharmaceutical Factory, Inc. | 組織保存液の評価方法 |
JP2009500006A (ja) * | 2005-07-01 | 2009-01-08 | シトネット ゲーエムベーハー ウント コー.カーゲー | 細胞貯蔵培地 |
WO2018110159A1 (ja) | 2016-12-14 | 2018-06-21 | 株式会社大塚製薬工場 | 哺乳動物細胞凍結保存液 |
WO2023199641A1 (ja) | 2022-04-12 | 2023-10-19 | 株式会社大塚製薬工場 | 哺乳動物細胞凍結保存液 |
-
1995
- 1995-05-31 JP JP15715395A patent/JPH08325101A/ja active Pending
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JP4590041B2 (ja) * | 1998-12-24 | 2010-12-01 | 株式会社林原生物化学研究所 | 臓器保存剤 |
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