JPH08324276A - 四輪駆動車 - Google Patents

四輪駆動車

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JPH08324276A
JPH08324276A JP13436595A JP13436595A JPH08324276A JP H08324276 A JPH08324276 A JP H08324276A JP 13436595 A JP13436595 A JP 13436595A JP 13436595 A JP13436595 A JP 13436595A JP H08324276 A JPH08324276 A JP H08324276A
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JP
Japan
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fluid pressure
motor
capacity
pump
increasing
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JP13436595A
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Inventor
Yorito Nakao
頼人 中尾
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】簡単な構成で流体圧ポンプや流体圧モータの容
量を変更可能にすることで、コスト低減を図ることが可
能な四輪駆動車を提供することを目的とする。 【構成】前車軸23に流体圧ポンプ1が連結する。流体
圧ポンプ1は第1配管及び第2配管を介して流体圧モー
タ2に連通する。流体圧モータ2は後車軸26に連結す
る。上記流体圧モータ2及び流体圧ポンプ1には、当該
モータ2及びポンプ1の容量を変化させる増減手段が設
けられている。増減手段は、第1配管3又は第2配管4
のうち高圧側の油圧を導く高圧優先形シャトル弁31
と、斜板103の傾きを変化させるアクチュエータ32
と、斜板103の傾きを小さくする方向に付勢するバネ
要素33と、を基本構成要素とする。また、規制手段に
よって、上記斜板103の最大傾斜角が規制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、二輪駆動状態と四輪駆
動状態に路面の状態等により自動的に切り換わる四輪駆
動車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】四輪駆動車において、パートタイム方式
のように手動で二輪駆動状態と四輪駆動状態との機械的
な連結を切り換える四輪駆動車の場合、その切換え操作
が面倒である他、タイトコーナーブレーキング現象等の
不具合を生じ乗用車には不向きである。また、フルタイ
ム方式の四輪駆動車ではタイトコーナーブレーキング現
象は解消できるが、センタデフに差動制限装置が必要と
なり装置が複雑になる。また、上記パートタイム方式及
びフルタイム方式のどちらの方式のものであっても、現
在の乗用車に用いられている四輪駆動方式ではプロペラ
シャフトを有するため、これが前輪駆動車に対する重量
の増加、車室内スペースへの悪影響、燃費の悪化、騒音
や振動の悪化をもたらし、また、後輪駆動車の場合でも
重量増、燃費の悪化を免れない。
【0003】そこで、従来から上記のような問題を解消
する目的で、特開昭63−176734号公報等に記載
されているような、油圧伝動装置を利用して駆動力の伝
達を行い、二輪駆動状態と四輪駆動状態との切換えを行
う装置がある。この装置は、自動車におけるエンジンの
出力軸が、変速機を介して駆動輪に連結して、当該駆動
輪を駆動可能とし、そのエンジンの出力軸から上記駆動
輪に至るいずれかの駆動系に油圧ポンプが連動してい
る。この油圧ポンプには、一対の油圧配管を介して油圧
モータが連通され、その油圧モータの回転軸は、従動輪
の車軸に連動している。そして、駆動輪側の回転速度が
従動輪側の回転速度よりも早く回転すると、油圧ポンプ
から吐出される作動油が増加し、その油圧によって油圧
モータが駆動され、もって、従動輪に出力トルクが伝動
されて四輪駆動状態となる。
【0004】このとき、上記油圧ポンプや油圧モータを
定容量としておくと、例えば、二輪駆動状態での高速走
行時には、前後輪がともに高速回転することによって、
上記油圧ポンプや油圧モータからの吐出流量が多くな
り、これによって配管抵抗が増大する。これは、圧力損
失が増大することにより燃費の悪化を招く等の問題を生
じるので、通常、上記油圧ポンプや油圧モータには、可
変容量型が使用される。
【0005】そして、上記可変容量型の油圧ポンプや油
圧モータが斜板式可変容量型であれば、例えば、図9に
示すように、ポンプ及びモータ50に流入する作動油の
油圧及び流量を、それぞれ圧力センサ51及び流量計5
2等で測定する。そして、コントローラ53が、その圧
力センサ51や流量計52等で測定した供給圧力及び供
給流量に応じて設定する傾斜角を求め、サーボ弁54を
介してアクチュエータ55を作動させる。これによっ
て、斜板50aを所定の傾斜角に強制的に設定変更し、
ポンプやモータ50の容量を規制する。なお、図9中、
56は、角度センサであって、斜板50aの実際の傾斜
角を監視してコントローラ53に供給している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の四輪駆動車では、可変容量型の油圧ポンプ
や油圧モータ50の容量変化を電子制御によって強制的
に行う機構であるために、各種のセンサ51,52,5
6やサーボ弁54、コントローラ53等が必要となり、
コスト高に繋がるという問題がある。
【0007】また、上記センサ51,52,56等の検
出値に基づいて容量を強制的に設定しているので、該セ
ンサ51,52,56やサーボ弁54等が故障すると予
期しない容量に設定される恐れがある。従って、フェイ
ルセーフ対策を十分に考慮して設計し、信頼性を確保す
る必要があるという問題がある。本発明は、上記のよう
な問題点に着目してなされたもので、簡単な構成で流体
圧ポンプや流体圧モータの容量を変更可能にすること
で、コスト低減を図ることが可能な四輪駆動車を提供す
ることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の四輪駆動車は、主原動機により駆動される
駆動車軸と、該駆動車軸に連動して回転し作動流体を吐
出する流体圧ポンプを有する流体圧供給手段と、従動車
軸に連動して回転する流体圧モータを有する流体圧駆動
手段と、上記流体圧供給手段の流出口と流体圧駆動手段
の流入口とを連通する第1流路と、上記流体圧供給手段
の流入口と流体圧駆動手段の流出口とを連通する第2流
路と、を備えた四輪駆動車において、上記流体圧ポンプ
及び流体圧モータは、それぞれ容量変更手段を備えた可
変容量ポンプ及び可変容量モータからなり、上記各容量
変更手段は、上記第1流路又は第2流路内の流体圧によ
って駆動されて該第1流路又は第2流路内の流体圧に応
じて上記可変容量ポンプ及び可変容量モータの容量を増
減する増減手段と、上記可変容量ポンプ及び可変容量モ
ータの容量の上限を所定の最大容量で規制する規制手段
とから構成されることを特徴としている。
【0009】また、請求項2に記載した発明は、請求項
1に記載された構成に対し、上記可変容量ポンプ及び可
変容量モータの容量を、当該容量が小さくなる方向に付
勢する付勢手段を設けたことを特徴とする。また、請求
項3に記載した発明は、請求項1又は請求項2に記載さ
れた構成に対し、上記流体圧ポンプの最小容量は、上記
流体圧モータの最小容量よりも小さいことを特徴とす
る。
【0010】また、請求項4に記載した発明は、請求項
3に記載された構成に対し、上記流体圧モータの容量が
上記最小容量から大きくなる方向に変化し始める際の上
記流体圧モータの増減手段を駆動する流体圧値を、上記
流体圧ポンプの容量が最小容量から大きくなる方向に変
化し上記流体圧モータの最小容量と等しくなった際の上
記流体圧ポンプの増減手段を駆動する流体圧値よりも高
い値とし、且つ、上記流体圧モータの容量が上記最大容
量に達する際の上記流体圧モータの増減手段を駆動する
流体圧値を、上記流体圧ポンプの容量が上記最大容量に
達する際の上記流体圧ポンプの増減手段を駆動する流体
圧値よりも高い値に設定したことを特徴とする。
【0011】また、請求項5に記載した発明は、請求項
1から請求項4のいずれかに記載された構成に対し、上
記流体圧ポンプの最大容量は、上記流体圧モータの最大
容量よりも小さいことを特徴とする。また、請求項6に
記載した発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記
載された構成に対し、上記流体圧モータの容量が最大容
量の状態から小さくなる方向に変化し始める際の上記流
体圧モータの増減手段を駆動する流体圧値を、上記流体
圧ポンプの容量が最大容量の状態から小さくなる方向に
変化し始める際の上記流体圧ポンプの増減手段を駆動す
る流体圧値よりも小さい値とし、且つ、上記流体圧モー
タの容量が最小容量に達する際の上記流体圧モータの増
減手段を駆動する流体圧値を、上記流体圧ポンプの容量
が最小容量に達する際の上記流体圧ポンプの増減手段を
駆動する流体圧値より低くしたことを特徴とする。
【0012】また、請求項7に記載した発明は、上記流
体圧ポンプの増減手段による容量変化のヒステリシス特
性と上記流体圧モータの増減手段の容量変化によるヒス
テリシス特性とを相違させることで、上記請求項4又は
請求項6に記載される容量変化の特性に設定したことを
特徴とする。
【0013】
【作用】請求項1に記載した発明においては、流体圧ポ
ンプ及び流体圧モータの各容量は、増減手段を介して、
第1流路又は第2流路の流体圧の応じて増減する。この
とき、第1流路又は第2流路の流体圧は、流体圧ポンプ
及び流体圧モータによる作動流体の吐出及び吸入によっ
て決定されるので、上記流体圧ポンプ及び流体圧モータ
の各容量は、コントローラ等で強制制御されることな
く、それぞれ自己の吐出又は流入する作動流体に応じて
変化する。
【0014】そして、主原動機により駆動される駆動車
軸に回転によって流体圧ポンプから回転速度に応じた流
量の作動流体が吐出され、その作動流体が、第1流路を
通じて、従動車軸の回転によって駆動される流体圧モー
タの流入口側に供給される。また、この流体圧モータか
ら吐出される作動流体が第2流路を介して流体圧ポンプ
に戻され、作動流体が循環する。
【0015】このとき、駆動車軸と従動車軸との回転数
差が小さい状態では、上記流体圧ポンプ及び流体圧モー
タは、それぞれ吐出又は流入する作動流体に応じて容量
が増減することで、第1流路及び第2流路内の流体圧を
増加させることがない。この結果、上記流体圧モータ
は、従動輪の車軸に出力トルクを伝動することなく、車
両は二輪駆動状態が維持される。
【0016】また、駆動輪がスリップ等して、駆動車軸
の回転数が従動車軸の回転数よりも高くなると、流体圧
ポンプからの吐出量、即ち流体圧モータへの流入量が相
対的に上昇し、それに応じて該流体圧モータの容量も増
加する。そして、規制手段で規制する最大容量となった
時点から、上記流体圧モータは、供給される作動流体に
より駆動されて従動車軸に出力トルクを伝動する。この
結果、車両は四輪駆動状態となる。
【0017】また、請求項2に記載した発明において
は、各可変容量ポンプ及び可変容量モータの容量が、常
に付勢手段によって小さくなる方向に付勢されているの
で、第1流路又は第2流路内の流体圧が所定圧以下の状
態、即ち二輪駆動状態では、各可変容量ポンプ及び可変
容量モータの容量は、それぞれ最小容量に設定される。
また、請求項3に記載した発明においては、上記流体圧
ポンプの最小容量が、上記流体圧モータの最小容量より
も小さいので、上記二輪駆動状態では、流路内の圧力は
ゼロ等の最小値に保持されて、圧力損失が抑えられる。
【0018】また、請求項4に記載した発明において
は、駆動車軸の回転数が従動車軸の回転数よりも高くな
って、二輪駆動状態から四輪駆動状態に移行する際に、
先に流体圧ポンプの容量から増加し始め、常に流体圧ポ
ンプの容量が流体圧モータの容量に比べて大きく設定さ
れる結果、流路内の流体圧の上昇が確実に上昇する。こ
の結果、駆動車軸の回転数が従動車軸の回転数よりも大
きくなるに追従して、流体圧モータの容量がスムーズに
増加するようになる。
【0019】また、請求項5に記載した発明において
は、駆動車軸と従動車軸との回転数差が小さい二輪駆動
状態では、流体圧ポンプの容量が最大容量に変化して
も、上記流体圧ポンプの最大容量が上記流体圧モータの
最大容量よりも小さいので、流体圧ポンプから供給され
る作動液に応じて流体圧モータの容量は増減されて、流
体圧モータから従動輪側に出力トルクが伝動されること
なく、二輪駆動状態が維持される。
【0020】また、四輪駆動状態から、駆動車軸と従動
車軸との回転数差が小さくなる方向に移行する際、流体
圧ポンプの最大容量の方が小さいので、確実に流路内の
圧力が減少、即ち、上記流体圧ポンプ及び流体圧モータ
の容量を小さくする方向に変化させることができる。ま
た、請求項6に記載した発明では、四輪駆動状態から二
輪駆動状態に移行する際、即ち、駆動車軸と従動車軸と
の回転数差が小さくなっていく際に、先に流体圧ポンプ
の容量が減少を開始する共に、常に流体圧ポンプの容量
が流体圧モータの容量に比べて小さく設定されて、確実
に流路内の流体圧が減少する。この結果、駆動車軸と従
動車軸との回転数差が小さくなっていくに追従して、流
体圧モータの容量がスムーズに減少するようになる。
【0021】また、請求項7に記載した発明では、各増
減手段のヒステリシス特性を調整することで、上記請求
項4又は請求項6の作用が実現される。
【0022】
【実施例】本発明の実施例について図面に基づいて説明
する。本実施例は、流体圧ポンプ及び流体圧モータとし
て、斜板式可変容量型のポンプ及びモータを使用した例
であり、図1は、本願発明を、前輪駆動車をベースとし
た四輪駆動車に適用した場合の実施例を示す概略構成図
である。
【0023】図1中、20は主原動機としてのエンジン
であって、このエンジン20の回転駆動力が変速機21
を介して前輪側差動装置22に入力される。さらに、こ
の差動装置22の出力側には、駆動車軸である前車軸2
3を介して、前輪24が連結されている。また、上記前
車軸23には、上記差動装置22を介して、流体圧供給
手段を構成する流体圧ポンプ1の回転軸1cが連結され
ていて、上記前車軸23の回転に連動して当該流体圧ポ
ンプ1が回転駆動されるようになっている。
【0024】その流体圧ポンプ1の流出口1a(車両後
進走行時には流入口となる)は、車両前進走行時には第
1流路となり車両後進走行時には第2流路となる第1配
管3を介して、流体圧モータ2の流入口2b(車両後進
走行時には流出口となる)に連通している。また、上記
流体圧モータ2の流出口2a(車両後進走行時には流入
口となる)は、車両前進走行時には第2流路となり車両
後進走行時には第1流路となる第2配管4を介して、流
体圧駆動手段を構成する流体圧ポンプ1の流入口1b
(車両後進走行時には流出口となる)に連通している。
【0025】上記流体圧モータ2の回転軸2cは、後輪
側差動装置25を介して、従動車軸である後車軸26に
連結することで、後車軸26の回転に連動して回転する
ようになっている。この後車軸26には、後輪27が連
結している。また、上記第1配管3と第2配管4との間
には、第1のバイパス配管28及び第2のバイパス配管
29が並列して介挿されている。
【0026】また、上記2本のバイパス配管28,29
の途中は、第3のバイパス配管30によって連通し、そ
の第3のバイパス配管30の途中には、流路内の最大油
圧を規定するリリーフ弁5が介挿されている。また、上
記第1のバイパス配管28には、1対のチェック弁6
a,6bが介挿されている。その一対のチェック弁6
a,6bは、第1配管3及び第2配管4のうち油圧の高
い方の油圧を上記リリーフ弁5に導くようになってい
る。
【0027】また、上記第2のバイパス配管28にも、
1対のチェック弁7a,7bが介挿されている。その一
対のチェック弁7a,7bは、リリーフ弁5を通過した
作動油を、第1配管3及び第2配管4のうち油圧の低い
側に導くようになっている。さらに、上記第1配管3及
び第2配管4の間には、シャトル弁9が介挿されてい
る。このシャトル弁9は、タンク10からの油路を常に
第1配管3又は第2配管4のうち低圧側の流路に連通す
るためのものである。
【0028】また、図1中、11は、上記一対のチェッ
ク弁7a,7bの一方を介して、上記第1配管3又は第
2配管4のうち低圧側流路の作動油を高圧側流路に導く
切換弁であり、この切換弁11は、第1配管3と第2配
管4との油圧によって作動して、二輪駆動状態における
上記流体圧モータ2の自吸性能を補うための油路を切り
換えるためのものである。
【0029】また、図1中、8a,8bは、流体圧ポン
プ1及び流体圧モータ2のハウジング内にリークした作
動油を、回路内の油圧が最も低い位置まで導くためのド
レン油路である。また、上記流体圧モータ2及び流体圧
ポンプ1には、モータ2及びポンプ1の各斜板103の
傾きを変化させて、当該モータ2及びポンプ1の容量を
変化させる増減手段がそれぞれ設けられている。
【0030】この増減手段は、第1配管3又は第2配管
4のうち高圧側の油圧を導く高圧優先形シャトル弁31
と、上記斜板103の傾きを変化させるアクチュエータ
32と、斜板103の傾きを小さくする方向に変化させ
るように付勢する付勢手段を兼ねたバネ要素33と、を
基本構成要素としている。上記高圧優先形シャトル弁3
1は、流体圧モータ2又は流体圧ポンプ1を挟んで第1
配管3及び第2配管4に連通していて、両配管3,4の
うち高圧側の油圧を上記アクチュエータ32に供給する
ようになっている。アクチュエータ32は、上記供給さ
れた油圧に応じて、バネ要素33に抗して上記斜板10
4を押し当該斜板103の傾斜を大きくする。また、上
記バネ要素33は、斜板103の傾きが小さくなる方向
に付勢するように、当該斜板103を常に押圧力又は引
張力を付与している。
【0031】また、上記流体圧モータ2及び流体圧ポン
プ1には、規制手段が設けられている。この規制手段
は、上記斜板103が所定角度まで傾斜した時点で当該
斜板103に当接して、それ以上傾斜しないように規制
する。その増減手段及び規制手段からなる容量変更手段
を備えた可変容量ポンプ及び可変容量モータの具体的構
成は、例えば、次のような構成となっている。
【0032】即ち、上記容量変更手段を備えた斜板式可
変容量モータ2及びポンプ1は、図2及び図3に示すよ
うに、ポンプハウジング100に対して回転軸1c,2
cがベアリング111によって回転自在に支持されてい
る。ハウジング100内に配置された円筒状のシリンダ
ブロック101が、上記回転軸1c,2cに対して同軸
にセレーション嵌合されている。このシリンダブロック
101内には、該シリンダブロック101の回転方向に
沿って奇数個,例えば7個のピストン102が等間隔で
配置されている。各ピストン102は、それぞれシリン
ダブロック101の軸と平行な方向に摺動自在に該シリ
ンダブロック101に支持されている。
【0033】また、ハウジング100内のシリンダブロ
ック101の右端面に対向する位置に、斜板103が配
設されている。この斜板103は、円板部103aと、
その円板部103aの上端から突出する突出部103b
とから構成され、その傾斜角が所定揺動軸Pを中心とし
て揺動自在となっている。上記揺動軸Pは、回転軸10
cから斜板103がシリンダブロック101の対向面に
接近する方向に所定量εだけオフセットして設定されて
いる。
【0034】この斜板103の対向面に対して、各ピス
トン102の右端に被冠したシュー109がシューホル
ダ109によって摺接される。このシューホルダ109
は、シリンダブロック101の内周面に配設された押圧
スプリング110によってニードル112を介して斜板
103側に押圧されている。ここで、上記斜板103を
揺動自在に構成することと揺動軸Pを回転軸から偏心す
るという簡単な機構を採用するだけで、上記高圧優先形
シャトル弁31及びアクチュエータ32が、ポンプ1及
びモータ2に装備された状態となる。
【0035】また、斜板103は付勢手段113によっ
て傾斜角が小さくなる方向に付勢されている。この付勢
手段113は、斜板103の突出部103bの左端面に
当接して、該斜板103の突出部103bを右方向、即
ち斜板103の傾斜角を小さくする方向に押圧可能なコ
ントロールピストン113aを本体としたシリンダ装置
と、シリンダ装置の流体圧室113bに配置され該コン
トロールピストン113aを斜板103側に付勢可能な
バネ部材113cと、該流体圧室113bを斜板式可変
容量モータ10内の低圧部、例えばドレン油路8a,8
b等に接続したり大気に開放する連通管113dと、該
連通管113dの途中に介装された絞りであるオリフィ
ス113eと、から構成されていて、該バネ部材113
cの弾性力によって上記コントロールピストン113a
が斜板103側に付勢されている。なお、上記シリンダ
装置のシリンダチューブ本体は、ポンプハウジング10
0の一部によって構成されている。
【0036】また、該ポンプハウジング100内面から
斜板103に向けて規制手段を構成するストッパ114
が突設していて、該斜板103が所定傾斜角、即ち設定
された最大傾斜角となったときに当該ストッパ114に
当接して斜板103の傾斜を規制するようになってい
る。当該ストッパ114は、ネジ部材などから構成して
斜板103への突出量を調整可能としてもよい。
【0037】一方、シリンダブロック101の左端面に
はハウジング100に固定されたバルブプレート115
が摺接され、このバルブプレート115と各ピストン1
02を収容するボア116との間に連通孔117が穿設
されている。バルブプレート115には、図3に示すよ
うに、連通孔117の移動軌跡に沿って左半部に流入口
(後進時流出口)が、右半部に流出口(後進時流入口)
が形成されている。
【0038】このような構造のモータ及びポンプでは、
回転軸と偏心した揺動軸Pを中心に斜板103を揺動自
在に設定されているので、流入する作動油量によって斜
板103の傾斜が自動的に変更されて容量が増減する。
そして、本実施例の流体圧モータ2及び流体圧ポンプ1
では、供給圧力に対する容量変化が、図4に示すヒステ
リシス特性となるように、上記流体圧ポンプ1の最大容
量である最大固有吐出量(斜板103が最大傾斜角とな
っている状態での固有吐出量)QPMAX が、上記流体圧
モータ2の最大容量である最大固有吐出量QMMAX より
も小さくなるように設定されていると共に、上記流体圧
ポンプ1の最小容量である最小固有吐出量(斜板103
が傾斜角ゼロ等の最小傾斜角となっている状態での固有
吐出量)QPMIN が、上記流体圧モータ2の最小容量で
ある最小固有吐出量QMMIN よりも小さくなるように設
定されている。
【0039】さらに、上記流体圧モータ2の容量が上記
最小容量QMMIN から大きくなる方向に変化し始める際
の上記流体圧モータ2の増減手段を駆動する油圧値d
を、上記流体圧ポンプ1の容量が最小容量QPMIN から
大きくなる方向に変化し上記流体圧モータ2の最小容量
QMMIN と等しくなった際の流体圧ポンプ1の増減手段
を駆動する油圧値cよりも高い値とし、且つ、上記流体
圧モータ2の容量が上記最大容量QMMAX に達する際の
上記流体圧モータ2の増減手段を駆動する油圧値gを、
上記流体圧ポンプ1の容量が上記最大容量QPMAX に達
する際の上記流体圧ポンプ1の増減手段を駆動する油圧
値fよりも高い値に設定されている。
【0040】さらにまた、上記流体圧モータ2の容量が
最大容量QMMAX の状態から小さくなる方向に変化し始
める際の上記流体圧モータ2の増減手段を駆動する油圧
値eを、上記流体圧ポンプ1の容量が最大容量QPMAX
の状態から小さくなる方向に変化し始める際の上記流体
圧ポンプ1の増減手段を駆動する油圧値fよりも小さい
値とし、更に、上記流体圧モータ2の容量が最小容量Q
MIN に達する際の上記流体圧モータ2の増減手段を駆
動する油圧値aを、上記流体圧ポンプ1の容量が最小容
量QPMIN に達する際の上記流体圧ポンプ1の増減手段
を駆動する油圧値bより低く設定されている。
【0041】次に、上記実施例の動作等について説明す
る。まず、二輪駆動状態について説明する。今、車両が
乾燥路面等の高摩擦係数路に停車して、エンジン20が
アイドリング状態にある制動状態から、ブレーキペダル
を解放してアクセルペダルを踏むと、エンジン20の回
転力が変速機21を介して前輪側差動装置22に伝達さ
れ、この前輪側差動装置22で前輪24を前進方向に回
転駆動して、車両の前進が開始される。
【0042】このとき、流体圧ポンプ1の回転軸1cが
回転駆動されることにより、この流体圧ポンプ1から上
記回転速度に応じた吐出流量の作動油が吐出される。こ
の吐出された作動油は、第1流路となる第1配管3を介
して流体圧モータ2の流入口2bに供給されるが、車両
の発進により後輪27も前輪24と同一方向に且つ同一
回転速度で回転駆動されるので、後輪側差動装置25を
介して流体圧モータ2の回転軸2cも回転し、これによ
って流体圧モータ2の上記流入口2bから作動油が吸入
され吐出される。
【0043】このとき、流路内の油圧は図4中のa以下
であるので、流体圧ポンプ1及び流体圧モータ2の各斜
板103は、増減手段による操作力が小さいために、バ
ネ要素33によって傾斜角が最小の状態に付勢された状
態となっている。つまり、上記流体圧ポンプ1及び流体
圧モータ2の各容量は、共に最小容量QPMIN ,QM
MIN となっている。
【0044】また、流体圧ポンプ1の最小容量QPMIN
<流体圧モータ2の最小容量QMMI N に設定されている
ので、流体圧ポンプ1から吐出される作動油が流体圧モ
ータ2の最小容量QMMIN を越えないので、流体圧モー
タ2側の容量増加の原因とならない。ここで、上記QP
MIN <QMMIN 状態では、流体圧モータ2側の吸入油量
が不足するが、その不足分は、流体圧モータ2から第2
配管4側に吐出された作動油の一部が、切換弁11及び
チェック弁6a,6bを介して流体圧モータ2の流入ポ
ート側に供給されることで補われる。なお、上記ように
第1配管3が第1流路として機能する場合には、当該第
1配管3側は第2配管4側より高圧となるため、上記切
換弁11は、図1に示す、11a側となっている。
【0045】また、なんらかの理由によって配管内の流
体圧が一時的に高い方に変動して、流体圧ポンプ1及び
流体圧モータ2に吸入される作動油の量が一時的に増え
ても、その供給される作動油の流量に応じて、斜板10
3の傾きが自動調整されて、流体圧ポンプ1及び流体圧
モータ2は、供給された流入量と略同一量を吐出する。
このために、流体圧モータ2が、従動車軸26に対して
出力トルクを伝動することはない。
【0046】このように、高圧側である第1配管3の圧
力は上昇することなく所定圧力値以下を維持すると共
に、流体圧モータ2は、従動車軸26,即ち後輪27に
出力トルクを伝動しない。従って、車両は前進駆動車
(二輪駆動車)と同様な状態で前進走行する。また、上
記流体圧ポンプ1及び流体モータの容量を決定する斜板
103の傾動変化は、車速に依存しないので、流体圧ポ
ンプ1からの吐出量を極端に絞っても問題はない。従っ
て、二輪駆動状態における車速が高速域での循環流量を
従来よりも少なく設定できる。また、従来では必要であ
った車速検知のための流量検知オリフィス等が不要とな
る。
【0047】このように、流路内は最小の差動油だけが
最小の油圧で循環するので、配管内の圧力損失が従来よ
りも大幅に低減可能となり、中高速時の燃費が向上す
る。また、上記流体圧ポンプ1及び流体圧モータ2は、
第1配管3又は第2配管4内の流体圧に応じて斜板10
3の傾きが自動調整されることで、ピストン102の液
圧室に圧力に対する所定の逃げを持たせた状態となる。
このため、流体圧ポンプ1及び流体圧モータ2のシリン
ダブロック101内の閉じ込め圧が従来よりも緩和され
て騒音低下に繋がる。
【0048】次に、四輪駆動状態となる、凍結路、降雪
路等の低摩擦係数路を走行する場合について説明する。
上述したように、先ず前輪24が回転駆動されるが、低
摩擦係数路であるために駆動輪である前輪24がスリッ
プすることで、前輪24の回転数が後輪27の回転数に
比べて高い回転数となり、前輪24と後輪27との間に
所定の回転数差が生じる。
【0049】これによって、前輪24の滑りが大きくな
るほど流体圧ポンプ1の単位時間当たりの吐出量が相対
的に増加し、それに追従して第1配管3内の油圧が上昇
し始める。その油圧がb値を越えた時点で、流体圧ポン
プ1の斜板103の傾き、即ち容量が増加し始めて、さ
らに上記第1配管3内の油圧が上昇し、その油圧がd値
を越えた時点で流体圧モータ2の斜板103の傾き、即
ち容量が増加し始める。
【0050】上記前輪24と後輪27との間の回転数差
がさらに増加すると、それに追従して、第1配管3内の
油圧が上昇し続け、その油圧の上昇に従って、上記流体
圧ポンプ1及び流体圧モータ2の各斜板103の傾きも
大きくなっていく。そして、上記第1配管3内の油圧が
f値及びg値を越えた時点で、流体圧ポンプ1及び流体
圧モータ2の各斜板103は、ストッパ114に当接し
てそれ以上の傾きの増加が阻止され、もって、流体圧ポ
ンプ1及び流体圧モータ2は、最大容量QPMA X 及びQ
MAX で規制される。
【0051】この状態から、上記前輪24と後輪27と
の間の回転数差がさらに増加しても、第1配管3内の油
圧のみが上昇していくこととなり、この油圧の上昇分が
流体圧モータ2の負荷となる。そして、当該流体圧モー
タ2は、第1配管3からの供給圧力に応じた出力トルク
を発生し、その出力トルクが後輪側差動装置25を介し
て後輪27に伝達されて、車両は四輪駆動車と同様な状
態で前進走行する。
【0052】この後輪27側に伝達される出力トルク
は、前後輪27に所定の回転数差が生じ始めて発生し且
つ回転数差の増大と共に急増するが、リリーフ弁5によ
る圧力制限によって最大トルクが規制される。このトル
ク制限作用によって、後輪側差動装置25、ドライブシ
ャフト等の構成部材の強度を従来の四輪駆動車に比べて
下げることが可能となり、重量、燃費、及びコストの低
減を図っている。
【0053】また、本実施例の四輪駆動車にあっては、
従来のように車速等に基づいてアクチュエータやコント
ローラ等で斜板103の傾きを強制制御する必要はな
く、斜板103の傾きを流路の油圧に応じて揺動自在と
すると共に揺動軸Pを偏心させるという簡単な構造によ
ってオン/オフ的にモータ作用を発揮するので、流体圧
モータ2の低コスト化及び小型化に繋がり且つ信頼性が
向上する。
【0054】なお、流体圧モータ2の最大容量の方が、
流体圧ポンプ1の最大容量よりも大きいので、故障等で
2輪駆動状態で流体圧ポンプ1の容量が増大しても、流
体圧モータ1は、後車軸26に出力トルクを伝動するこ
となく、二輪状態が維持される。また、モータ作用での
トルク特性は、増減手段の容量変化のヒステリシス特
性、つまり、流体圧ポンプ1及び流体圧モータ2の流量
特性で決められるので、性能が安定し品質向上に繋が
る。
【0055】次に、上記四輪駆動状態から、前輪24の
スリップが低減して前輪24と後輪27との回転数差が
減少すると、流体圧ポンプ1から流体圧モータ2に供給
される吐出量が減少して第1配管3の油圧が低下し始
め、油圧がf値よりも小さな値となった時点で、先に流
体圧ポンプ1の容量が低下し始め、さらに、油圧が低下
してe値よりも小さな値となった時点で流体圧モータ2
の容量が低下し始める。
【0056】前輪24のスリップがさらに低減して前輪
24と後輪27との回転数差が小さくなると、流体圧ポ
ンプ1の容量が減少して上記油圧の低下を促進し、それ
に追従して流体モータの容量も低下する。そして、第1
配管3の油圧がb値及びa値よりも小さくなると、流体
圧モータ2及び流体圧ポンプ1の容量は最小値となる。
このとき、QPMIN <QMMIN であることから、第1配
管3内の油圧は最低値となり、二輪駆動状態に復帰す
る。
【0057】また、上記付勢手段113によって、常
時,斜板103を小さな力で付勢している状態では、二
輪駆動状態であっても、ピストン102と斜板103と
の間に常時、小さな反力が発生しているので、上記回転
軸に所定のトルクが伝達された状態となっている。この
ため、該付勢手段113の付勢力を大きくするに応じ
て、上記二輪駆動状態から四輪駆動状態への駆動トルク
の立ち上がりを早くすることも可能となる。
【0058】次に、車両を後進させた場合には、前輪2
4及び後輪27が上記前進と逆回転することで、流体圧
ポンプ1及び流体圧モータ2の回転軸も上記前進時とは
逆方向に回転して、流体圧ポンプ1から第2配管4側に
作動油が吐出され、その吐出された作動油が流体圧モー
タ2に供給される。つまり、第2配管4が高圧側である
第1流路となると共に、流体圧モータ2の回転軸を前進
走行時とは逆転させて、後輪27を逆回転させる。この
ため、後進時においても、駆動力の伝達については前進
時と全く同様であり、前輪24がスリップし前後輪27
に所定の回転数差が生じたときのみ第2配管4の圧力が
増加し、出力トルクが後輪27に伝達される。
【0059】このように、従来のような流体圧モータ2
用の流量検知オリフィス,即ち車速検知オリフィスが不
要であると共に、流体圧モータ2に斜板制御用のアクチ
ュエータ32等が不要となるので、流体圧モータ2自体
も従来に比べて簡素化・小型化することができる。な
お、上記実施例では、後輪側差動装置25を設けた場合
について説明したが、これに限定されるものではなく、
後輪側差動装置25を省略し、これに代えて左右後輪2
7の左右車軸へ個別に流体圧モータ2を設けるように構
成してもよく、この場合には、車両旋回時の際などにお
ける左右輪で異なる負荷となる場合には、各流体圧モー
タ2で自然にその差に応じた吐出流量差を生じることか
ら差動装置と同等の差動機能を発揮することがきる。こ
の場合、2個の流体圧モータ2が必要となるが、本実施
例の流体圧モータ2は、従来比べて小型化可能であるの
で搭載スペース的に有利となっている。
【0060】また、上記実施例の四輪駆動車は、上述の
ように、車速が上昇した場合でも四輪駆動状態での走行
はできるが、高い車速で二輪駆動状態から四輪駆動状態
に切り換わった場合に、流体圧ポンプ1及び流体圧モー
タ2の容量が最大値に変化するため、図5に示すよう
に、回路内を流れる流量が激増して流路内の圧力損失が
大きくなる。
【0061】これを防止するために、図6に示すよう
に、リリーフ弁5に電磁ソレノイド12を付加すると共
に、車速信号を入力しその信号に応じて上記リリーフ弁
5に指令信号を与えるコントローラ35を設けて、所定
車速以上ではリリーフ弁5によるリリーフ圧を低下させ
るようにするとよい。このようにすれば、所定車速以上
では、流路の油圧の上昇が抑えられることで、上記流体
圧ポンプ1及び流体圧モータ2からの吐出流量の増加が
抑えられ、規定値以上の大流量が回路中に流れることを
防止可能となる。
【0062】また、上記のような電磁ソレノイド12及
びコントローラ35を設け、回路内の油温を監視するこ
とにより、回路内の油温が規定値以上に上昇した場合
に、これを検知してリリーフ弁5を開くことも可能とな
る。また、上記実施例では、低圧側への作動油の供給を
シャトル弁9によって行っているが、これに限定される
ものではなく、図7に示すように、流体圧ポンプ1又は
流体圧モータ2の回転軸1c,2cにチャージポンプ1
3を連動させ、リリーフ弁5の下流にタンク10内の作
動油を供給するように構成してもよい。なお、図5で
は、チャージポンプ13を流体圧ポンプ1側に連動させ
た例を図示している。
【0063】また、上記実施例では、切換弁11の両端
に第1配管3及び第2配管4の圧力を導くような構成と
しているが、これに限定されるものではなく、図8に示
すように、前進・後進を操作するシフトレバーのシフト
位置信号に基づいて、切換弁11の切り換え操作を行う
ようにしてもよい。また、上記実施例においては、前輪
駆動車をベースとした実施例について説明しているが、
これに限定されず後輪駆動車をベースとした場合にも、
流体圧ポンプ1を後輪27側に流体圧モータ2を前輪2
4側に配置することで、上記実施例と同様な作用効果を
得ることができる。
【0064】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の四輪
駆動車においては、流体圧ポンプ及び流体圧モータが、
それぞれ、自己の吐出又は流入してくる作動流体圧に応
じて容量が変化する簡単な構成を採用することで、従来
のような、前後輪のスリップ率、作動圧、流体圧ポンプ
等の容量を検出し当該検出値に基づく電子制御等により
制御バルブ等を駆動し強制的に容量を変更する制御が不
要となり、システムが簡素化して、低コスト化が図られ
るという効果がある。
【0065】また、上記のように容量調整のための電子
制御等が不要となり、流路内の圧力によって流体圧ポン
プ及び流体圧モータの容量が自動調整されるので、流体
圧ポンプ及び流体圧モータは、その構造が簡素化して小
型化する共に、信頼性が向上するという効果がある。こ
のとき、請求項2に記載した発明を採用すると、流路内
の圧力の小さな二輪駆動状態では、各可変容量ポンプ及
び可変容量モータの容量は、流体圧に多少の圧力変動が
あっても、常に最小容量に設定されるので、流路内を循
環する作動流体が最小となり圧力損失上、有利となると
いう効果がある。
【0066】また、請求項3に記載した発明を採用する
と、二輪駆動状態では、流路内の圧力はゼロ等の最小値
に保持されて、圧力損失が抑えられるという効果があ
る。また、請求項4に記載した発明を採用すると、駆動
車軸の回転数が従動車軸の回転数よりも高くなるにつれ
て、確実に、流体圧ポンプの容量及び流体圧モータの容
量が増加して、スムーズに四輪駆動状態へ移行させるこ
とができるという効果がある。
【0067】また、請求項5に記載した発明を採用する
と、駆動車軸と従動車軸との回転数差が小さい状態で
は、確実に二輪駆動状態が維持され、また、四輪駆動状
態から、駆動車軸と従動車軸との回転数差が小さくなる
方向に移行する際に、確実に、上記流体圧ポンプ及び流
体圧モータの容量が小さくなる方向に変化させることが
できるという効果がある。
【0068】また、請求項6に記載した発明を採用する
と、駆動車軸と従動車軸との相対回転数差が小さくなる
につれて、スムーズに四輪駆動状態から二輪駆動状態に
移行させることができるという効果がある。また、請求
項7に記載した発明を採用すると、各増減手段のヒステ
リシス特性を調整するだけで、上記請求項4又は請求項
6の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例を示す四輪駆動車の概略構
成図である。
【図2】本発明に係る実施例の斜板式可変容量モータ/
ポンプを示す断面図である。
【図3】本発明に係る実施例の斜板式可変容量モータ/
ポンプの機構を示す概念図である。
【図4】本発明に係る実施例の流体圧ポンプ及び流体圧
モータにおける流路の圧力と容量との関係をしめす図で
ある。
【図5】本発明に係る実施例の流体圧ポンプ及び流体圧
モータにおける車速と吐出流量との関係を示す図であ
る。
【図6】本発明に係る実施例を示す別の例の四輪駆動車
の概略構成図である。
【図7】本発明に係る実施例を示す別の例の四輪駆動車
の概略構成図である。
【図8】本発明に係る実施例を示す別の例の四輪駆動車
の概略構成図である。
【図9】従来の斜板式可変容量モータ/ポンプにおける
斜板制御の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 流体圧ポンプ 2 流体圧モータ 3 第1配管 4 第2配管 20 エンジン(主原動機) 23 前輪車軸(駆動車軸) 26 従動車軸 31 高圧優先形シャトル弁(増減手段) 32 アクチュエータ(増減手段) 33 バネ要素(増減手段) 103 斜板 114 ストッパ部材(規制手段)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主原動機により駆動される駆動車軸と、
    該駆動車軸に連動して回転し作動流体を吐出する流体圧
    ポンプを有する流体圧供給手段と、従動車軸に連動して
    回転する流体圧モータを有する流体圧駆動手段と、上記
    流体圧供給手段の流出口と流体圧駆動手段の流入口とを
    連通する第1流路と、上記流体圧供給手段の流入口と流
    体圧駆動手段の流出口とを連通する第2流路と、を備え
    た四輪駆動車において、 上記流体圧ポンプ及び流体圧モータは、それぞれ容量変
    更手段を備えた可変容量ポンプ及び可変容量モータから
    なり、上記各容量変更手段は、上記第1流路又は第2流
    路内の流体圧によって駆動されて該第1流路又は第2流
    路内の流体圧に応じて上記可変容量ポンプ及び可変容量
    モータの容量を増減する増減手段と、上記可変容量ポン
    プ及び可変容量モータの容量の上限を所定の最大容量で
    規制する規制手段とから構成されることを特徴とする四
    輪駆動車。
  2. 【請求項2】 上記可変容量ポンプ及び可変容量モータ
    の容量を、当該容量が小さくなる方向に付勢する付勢手
    段を設けたことを特徴とする請求項1に記載された四輪
    駆動車。
  3. 【請求項3】 上記流体圧ポンプの最小容量は、上記流
    体圧モータの最小容量よりも小さいことを特徴とする請
    求項1又は請求項2に記載された四輪駆動車。
  4. 【請求項4】 上記流体圧モータの容量が上記最小容量
    から大きくなる方向に変化し始める際の上記流体圧モー
    タの増減手段を駆動する流体圧値を、上記流体圧ポンプ
    の容量が最小容量から大きくなる方向に変化し上記流体
    圧モータの最小容量と等しくなった際の上記流体圧ポン
    プの増減手段を駆動する流体圧値よりも高い値とし、且
    つ、上記流体圧モータの容量が上記最大容量に達する際
    の上記流体圧モータの増減手段を駆動する流体圧値を、
    上記流体圧ポンプの容量が上記最大容量に達する際の上
    記流体圧ポンプの増減手段を駆動する流体圧値よりも高
    い値に設定したことを特徴とする請求項3に記載された
    四輪駆動車。
  5. 【請求項5】 上記流体圧ポンプの最大容量は、上記流
    体圧モータの最大容量よりも小さいことを特徴とする請
    求項1から請求項4のいずれかに記載された四輪駆動
    車。
  6. 【請求項6】 上記流体圧モータの容量が最大容量の状
    態から小さくなる方向に変化し始める際の上記流体圧モ
    ータの増減手段を駆動する流体圧値を、上記流体圧ポン
    プの容量が最大容量の状態から小さくなる方向に変化し
    始める際の上記流体圧ポンプの増減手段を駆動する流体
    圧値よりも小さい値とし、且つ、上記流体圧モータの容
    量が最小容量に達する際の上記流体圧モータの増減手段
    を駆動する流体圧値を、上記流体圧ポンプの容量が最小
    容量に達する際の上記流体圧ポンプの増減手段を駆動す
    る流体圧値より低くしたことを特徴とする請求項1から
    請求項5のいずれかに記載された四輪駆動車。
  7. 【請求項7】 上記流体圧ポンプの増減手段による容量
    変化のヒステリシス特性と上記流体圧モータの増減手段
    による容量変化のヒステリシス特性とを相違させること
    で、上記請求項4又は請求項6に記載される容量変化の
    特性にしたことを特徴とする四輪駆動車。
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