JPH08323495A - 鉛フリーはんだ及びそれを用いた実装品 - Google Patents
鉛フリーはんだ及びそれを用いた実装品Info
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- JPH08323495A JPH08323495A JP7584896A JP7584896A JPH08323495A JP H08323495 A JPH08323495 A JP H08323495A JP 7584896 A JP7584896 A JP 7584896A JP 7584896 A JP7584896 A JP 7584896A JP H08323495 A JPH08323495 A JP H08323495A
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Abstract
度220〜230℃でのはんだ付けが可能で、かつ15
0℃の高温でも機械的強度面で十分な信頼性を有する鉛
フリーはんだ及びそれを用いた実装品を提供することを
目的とする。 【解決手段】上記目的は、Zn:3〜9重量%、Bi:1〜
16重量%、In:1〜10重量%、残部がSnから成り、
且つZn+Bi≧9重量%である鉛フリーのはんだにより達
成される。もしくはZn:4〜7重量%、Bi:5〜13重
量%、In:1〜7重量%、残部がSnから成り、且つZn+
Bi≧9重量%である鉛フリーのはんだにより達成され
る。これにより環境に優しく、資源的に安定供給可能
で、コスト高にならず、また、従来のPb‐Sn共晶はんだ
と同等のリフロー温度で従来から使用されている有機基
板に半田付けが可能となる半田を提供できる。
Description
品等を接続するために、従来のPb−Sn共晶はんだの
代替用として、はんだ付け温度220〜230℃ではん
だ付けが可能で,かつ機械的強度でもPb−Sn共晶と
同等の信頼性を有するPbフリ−はんだ組成及びそれを
用いた実装品に関するものである。
は大部分はガラスエポキシ製である。ガラスエポキシ基
板の耐熱温度はリフロー炉を用いた場合、最高220〜
230℃である。これに使用する接続用はんだは、Pb
−63重量%Sn共晶はんだ(融点:183℃)、若しく
は共晶近傍で融点も類似なはんだ組成が使用されてお
り、汎用的に用いられているガラスエポキシ基板の耐熱
温度(230℃)以内で十分な接続が可能であった。ま
た,高温での信頼性は製品によって異なるが最高150
℃まで保証できた。以下、重量%をすべて%と示す。
気製品からはんだ中に含まれる鉛(以下、Pbと記す)
が酸性雨等によって溶出して地下水に溶け込み、これら
の地下水は飲料水に使用されると人体に悪影響を及ぼす
ことが公表されている。そこで、環境、人体への毒性が
少ないように、Pbを含有しないPbフリ−はんだ合金
がクローズアップされている。既に2元系はんだではS
n−3.5%Ag(融点221℃)、Sn−5%Sb(融
点240℃)はPbフリ−はんだとして使用実績があ
る。しかし、融点が高過ぎるためガラスエポキシ基板の
はんだ付けには使用できない。Sn−9%Zn(融点1
99℃の共晶)は融点は下がるが、一般に使用されてい
るガラスエポキシ基板に電子部品を、220〜230℃
で大気中でリフローできない。すなわち表面が著しく酸
化されやすく、CuもしくはNiに対するぬれ性がSn
−Ag系、Sn−Sb系に比べ低下し、一般に使用して
いるロジン系のフラックス(塩素0.2%含有)を用いて
も、通常の230℃のリフロー温度では大気中で母材に
対しほとんどぬれず、はんだ付けが困難であることが分
かっている。
−58%Bi;融点138℃)、Sn−In系はんだ(代
表組成Sn−52%In;融点117℃)があるが、融
点が低すぎるためPb−Sn並みの高温強度を保証でき
ない。従ってこれらの組成はPb−63%Sn共晶はん
だ代替用のはんだと言えるものではない。このため、新
たな組合せでの要求を満たす新はんだ材料の開発が要求
されている。
主成分としてSn,AgにZnを添加した無鉛ハンダ材
料が特開平6−238479号公報に記載されている。
このはんだは、Sn−Agはんだのはんだぬれ性に対す
る優れた特性を維持しながら機械的強度、クリープ特性
を改善するためにZnを加えたものである。しかし、S
n−3.5%Ag−1%Zn3元合金の融点はその公報
に記載されている様に約215℃であり、従来のSn−
Pb共晶はんだの代替材料としてガラスエポキシ基板の
はんだ付けにそのまま用いることはできない。
頼性が両立できるPb−Sn共晶はんだの代替材料は見
あたらない。
エポキシ基板を中心とする有機基板にLSI、部品等の
電子部品を高信頼で実装するため、230℃以下でリフ
ローまたはフローでき、かつ使用実績のある一般のフラ
ックスでCu導体上、および部品のSn系はんだめっき
端子等に対して十分なぬれ性を確保できる、Pbを用い
ない、Pb−Sn共晶はんだの代替用はんだを供給する
ことを目的としている。
度での高温での使用に耐えるため固相温度が少なくとも
150℃以上、望ましくは155℃以上、また、基板、
部品に対する熱影響を小さくするため、液相温度は最高
195℃以下とすることにある。
に、Pbフリーはんだとして、環境への影響が少なく、
人体への毒性が少なく、資源の枯渇の問題がなく、目的
の溶融温度範囲を持ち、ぬれ性を確保できるSn−Zn
−Bi−Inの4元系はんだをベースにしたはんだ組成
を検討した。この4元系はんだの融点はわかっていな
い。このため、組成と融点(固相温度、液相温度)との関
係、組成とぬれ性、物性、機械的特性等の関係等を明ら
かにする必要があった。本発明のはんだは、Znが3〜
9%、Biが1〜16%、Inが1〜10%,残部がS
nであり、且つZn+Bi≧9%であるSn−Zn−B
i−In系をベースとした合金、望ましくはZnが4〜
7%,Biが5〜13%,Inが1〜7%残部がSnで
ある合金、あるいはこれらの合金にAgを1〜3%、S
bを1〜3%、Cuを1〜3%のうちいずれか1つもし
くは2種以上を添加してぬれ性、機械的性質を改良した
ものである。また更に、これらのはんだ表面にSnまた
はSn合金を1〜10μm、もしくはAuを0.2μm
以下被覆したものである。
りである。Snをベースにした2元系共晶はんだのう
ち、Sn−Pb共晶はんだの代替材料として、Sn−P
b共晶はんだの融点183℃に最も近いのはSn−9%
Zn合金である。しかし、この合金でも融点は199℃
であり、またZnの表面酸化の問題もあり、前述した如
く従来の大気中、220℃〜230℃のリフローは難し
い。そこで、このSn−Zn系合金の融点を低温化させ
ることが可能と考えられる材料でかつ、環境、実績、コ
ストの面で総合的に優れるBi、Inを添加することで
この問題点を解決することにした。
えると環境に対する耐食性に問題が出てくる。またIn
が多くなるとはんだのコストが高くなり実用的でない。
従ってInの添加量は10%以下、望ましくは7%以下
におさえる必要がある。また、1%以下になると所定の
効果が得られない。
Inを添加した時に固相温度が150℃を下回ってしま
う。更にBiを多く添加すると、はんだの脆化を引き起
こす。このためBiは16%以下、望ましくは13%以
下とした。つまりBiが16%以下であれば固相温度1
50℃以上を確保でき、13%以下であれば固相温度1
55℃以上を確保できるからである。この固相温度15
0℃を基準としているのは、150℃程度の使用状態で
の信頼性を確保するためである。従って固相温度を15
5℃以上にすれば、150℃程度の使用状態での信頼性
をさらに向上させることができる。また、Biが1%以
上、望ましくは5%以上としたのは、それ以下であれ
ば、液相温度が上昇しすぎてしまうからである。つま
り、BiやInを添加すると全体の液相温度は下降する
ものの、Biが5%未満(特に1%未満)であれば、本
発明の期待する液相温度:195℃以下を実現できない
からである。
り、ぬれ性を劣化させる要因となる。このためZnの添
加量はできるだけ少なくする必要がある。Znは9%以
下であれば、従来のロジン系フラックス(ハロゲン含
有)、N2雰囲気下で、ぬれ性が確保できる。従ってZ
n量は9%以下、望ましくは7%以下とした。 Zn量
は9%以下であれば、O2が100ppmの場合に必要なぬ
れ性を確保でき、7%以下であれば、O2が1000ppm
の場合に必要なぬれ性を確保できるからである(図6参
照:図6については後述する)。 Znを3%以上、望
ましくは4%以上としたのは、それ以下であれば、液相
温度が上昇しすぎてしまい、BiやInを添加したとし
ても、本発明の期待する液相温度:195℃以下、固相
温度:150℃以上を実現できないからである。
nリッチの領域では、融点(液相温度)が高くなってし
まうので、Sn−Zn系合金にIn、Biを添加して、
目的の融点域(液相温度:195℃以下)に入るには、
Znは3%以上、Biは1%以上で且つ、Zn+Biが
9%以上、望ましくはZnが4%以上、Biが5%以上
である必要がある。ここでZn+Biを9%以上とした
のは、Zn+Biが9%未満であれば、全体の液相温度
は205℃以上となり、Inを添加したとしても本発明
の期待する液相温度:195℃以下を実現できないから
である。
Pbを含有しないので、環境、人体に対して毒性が少な
く、融点的には220〜230℃のリフローが可能であ
り、かつ150℃付近での接続信頼性も保証でき、ぬれ
性、機械的強度、コストの面に優れたはんだ合金を供給
することができる。
する。
公知の状態図〔International Critical Tables、2(192
7)、418〕である。全体の概略的な融点(液相温度)の温
度分布は分かるが、詳細な分布、明確な温度等は分かっ
ていないのが実状である。また、液相温度と固相温度と
の関係は不明である。更にこれらSn−Zn−Biの3
元系合金にInを添加した4元系はんだについては液相
温度さえも知られていない。そこで、まずSn−Zn−
Bi3元系について、固相温度を測定した結果を図2に
示す。合金の作成はそれぞれ材料を正確に秤り取り、N
2雰囲気中でるつぼ内で加熱し、十分撹拌した後急冷さ
せて行った。融点測定はDSC(Differential Scannin
g Calorimetry)を用いて2℃/分の昇温速度で行っ
た。図2はZnが3,5,7,9%のとき、Bi量を変
えたときの固相温度である。この結果から、Znが3〜
9%の範囲で、Znの量によって固相温度は変わらず、
ほぼBiの量によって固相温度が決まることがわかっ
た。Biは17%の含有量を超えると固相温度は150
℃を下まわってしまう。従って150℃での信頼性を確
保するためには、更にInを1%以上添加することを考
えれば、Bi量は16%以下、望ましくは固相温度が1
55℃以上になるように13%以下である必要がある。
%、Znを5%、残りSnを混ぜた合金(Sn−10%
Bi−5%Zn)にInを2、5%添加した時の融点を
図3に示す。Sn−10%Bi−5%Zn合金では、液
相温度は202℃と高いため、ガラスエポキシ基板に対
して、電子部品を220〜230℃でリフローはんだ付
けすることは困難である。しかし、このはんだ合金にI
nを添加すると、図3のように固相温度、液相温度とも
に下がり、Inを5%添加した時には液相温度が189
℃、固相温度が150℃と目的の融点領域に入ることが
わかった。このように、Sn−Zn−Bi3元系合金に
Inを添加してゆくと、固相温度、液相温度がともに下
がり、目的の融点領域のはんだ合金が得られることがわ
かった。この結果は、他の組成のSn−Zn−Bi合金
についても同様で、In添加により融点が下がる。
る働きをする。Biを15%、Znを5%、残りSnを
混ぜた合金(Sn−15%Bi−5%Zn)にInを1、
3、5%添加した合金について、はんだのぬれ性を測定
した。測定は、直径1mmの各組成のはんだボールをC
u板上にのせ、フラックスを塗布し、ホットプレート上
で100℃/分で液相温度より50℃高い温度まで加熱
し、凝固後の拡がり面積を測定した。雰囲気は、大気中
で行った。この結果、Inを加えない合金の拡がり面積
を100%とすると、1、3、5%添加した合金の拡が
り面積はそれぞれ103%、110%、113%となっ
た。即ち、Inの添加により、はんだのぬれ性が向上す
る。
明する。図4は、Znが5%以下の範囲内で、Bi量を
変えたときの液相温度である。これから、Bi量が一定
の時は、Znが少なくなると液相温度が上昇し、Zn量
が一定の時はBi量が少なくなると液相温度が上昇する
ことがわかった。また、図5にBi量を10%に固定し
たときの液相温度と固相温度の温度差を示したが、Zn
が少なくなると温度差が大きくなる。従ってInを1〜
10%添加して、目的の融点領域のはんだ合金を得るた
めには、In添加により融点が下がることを考慮する
と、Znは3%以上、Biは1%以上で且つ、Bi+Z
nが9%以上、望ましくはZnは4%以上、Biは5%
以上である必要がある。
図6は、Sn−10%Bi−2%InにZnを添加した
時のはんだの拡がり面積を示した。実験は、組成を変え
たはんだボールをCu板上にのせ、フラックスを塗布
し、ホットプレート上で100℃/分で液相温度より5
0℃高い温度まで加熱し、拡がり面積を測定した。雰囲
気は、酸素を100ppm以下、及び、1000ppm
以上含む窒素中で行った。はんだボールの大きさは、直
径1mmであり、フラックスはロジン系で塩素を0.2
%含有するものを用いた。この結果から、酸素が100
ppm以下ではZnが9%で少しぬれ性が劣化するだけ
だが、酸素が1000ppm以上になるとZnが7%で
ぬれが劣化することがわかった。現状の窒素リフロー炉
を用いることなどを考えると、Znは、9%以下、望ま
しくは7%以下である必要がある。
−Bi−Inの合金のうち、いくつかの組成の合金につ
いてのはんだ付け性、強度等を述べる。
−5%Inはんだは、上記の様に目的の融点域にあるの
で、ガラスエポキシ基板に対して電子部品と220〜2
30℃ではんだ付けが可能であり、また高温における信
頼性を確保することができる。このSn−10%Bi−
5%Zn−5%In合金を粒径40〜50μm程度の粉
末状にして、これにフラックス成分を全体の約10%混
ぜてはんだペーストを作成した。フラックス成分は溶
剤、ロジン、活性剤、有機ハロゲン、粘稠剤等である。
はんだの粘度は約50万cpsに調整した。有機ハロゲ
ン中に含まれる塩素量は約0.15%とした。このはん
だペーストをガラスエポキシ基板上に約150μmの厚
みになるように印刷し、0.5mmピッチのQFP(Quad F
lat Package)を搭載して100ppmの酸素濃度にした
N2雰囲気中でリフローした。0.5mmピッチQFPのリ
ードは42アロイ上にSnめっきが7μm程度施してあ
る。リフロー温度は予熱が140℃約30秒、本加熱が
220℃を30秒、最高温度は230℃とした。このよ
うに上記はんだ合金ではんだ付けしたQFPのリード部
は、従来のSn−Pb共晶はんだペーストを用いた場合
と比べ、フィレット部の形成が十分とは言えないが実用
上問題のない範囲である。またフラックスの適正化によ
りぬれ性も十分確保される。
認するため、−55℃を30分、125℃を30分を1
サイクルとする温度サイクル試験を行い、SEM(Scan
ningElectron Microscopy)ではんだフィレット部のク
ラックの発生を観察した。この結果500サイクルでも
僅かなクラックが発生するだけで、Sn−Pb共晶はん
だと同様で寿命に影響を与える程のものではない。ま
た、上記はんだペーストでQFPをはんだ付けした基板
を炭化水素系の有機溶剤で洗浄し、絶縁抵抗を測定した
がSn−Pb共晶はんだペーストを用いた場合と同程度
の絶縁抵抗が得られた。このようにSn−10%Bi−
5%Zn−5%Inの合金を用いることにより、Pbを
含有しなくても、従来のSn−Pb共晶はんだと同様に
はんだ付けが可能であることが確認できた。
%、Znを5%、残りSn(Sn−13%Bi−5%Z
n)合金についてInを添加した例を示す。Sn−13
%Bi−5%Zn合金では、液相温度は194℃、固相
温度は157℃であり、ほぼ目的の融点を有するが、更
に液相温度を下げるためにInを3%添加した。このS
n−13%Bi−5%Zn−3%In合金においては、
液相温度は189℃、固相温度は151℃となり、22
0〜230℃でのリフローはんだ付けが可能である。こ
のはんだ合金に対して実施例1と同様にフラックス成分
と混ぜ合わせてはんだペーストを試作した。はんだ付け
性を0.5mmピッチのQFPリードをベーパーリフロー
ではんだ付けした結果、Sn−Pb共晶と同様の結果が
得られた。ベーパーリフローはN2リフロ−と同様に、
はんだの酸化によるぬれの大幅な低下をおさえることが
できる。
残りSnであるSn−15%Bi−5%Zn合金に対し
てInを添加してはんだ合金を作成し合金の強度を測定
した。試料はそれぞれの合金を1(t)×2(w)mm×
平行部10mmの試験片に加工した。
を図7に示した。Inを加えることにより融点を低下さ
せるとともに強度も改善することがわかった。この合金
について、125℃で200時間高温放置をし、同条件
で引張強度を測定したが、高温放置による強度の劣化は
見られなかった。
SnであるSn−13%Bi−5%Zn合金にInを添
加したはんだ合金について室温、及び高温での伸び率を
測定した結果を図8に示した。高温での伸び率は、各組
成について100℃、125℃、150℃の高温槽内に
放置して十分平衡に達したところで測定を行なった。こ
の結果、Inの添加により高温での伸びが上昇すること
がわかった。従って、Inの添加により、接続時の材料
間の熱膨張差によって生じる応力を緩和でき、製品の信
頼性が向上するといえる。
−ドの無い構造、つまり、Siチップのダイボンディン
グ、BGA(Ball Grid Array)、フリップチップ実装の
ようなはんだバンプを用いた構造体、及び、はんだ箔を
用いたモジュ−ル接合等において特に効果がある。これ
は、QFP等のようにリ−ドを用いてはんだ付けされる
構造体では、部品、基板材料間の熱膨張差によって発生
する応力が、リ−ドの変形によって吸収され、はんだへ
の影響を小さくすることができる。また、実稼動時のく
り返し応力もリ−ドの変形によって吸収できる。従っ
て、伸びの悪いはんだでも使用可能範囲は広い。しか
し、リ−ドのないはんだのみを介した構造では、熱膨張
差によって発生する応力を、すべてはんだが吸収しなけ
ればならない。このため、伸びの悪い、硬いはんだ材料
では、応力を吸収できず、界面に応力が集中してクラッ
クが発生し、はんだ付け界面での破壊が起こってしま
う。しかし、Inを添加することにより、高温での伸び
が向上し、且つ柔らかくなるので、はんだにかかる応力
をはんだ内の変形によって吸収できる。また、Siチッ
プをダイボンドする場合などは、柔らかい接合ができる
ので、Siチップの破壊を防止できる。従って、特には
んだバンプを用いた実装構造体、及びSiチップを接合
する構造体の信頼性向上に寄与できる。
nを5%、残りSnからなる合金(Sn−7%Zn−8%
Bi−5%In合金)を用いて、約100μmのはんだ
ボールを作成した。このはんだ合金は目的の融点領域を
有する。このはんだボールに2μmのSnめっき、Sn
−Biめっき及び、Sn−Inめっきと3種類の表面処
理を施した。表面処理の前処理として、Sn−7%Zn
−8%Bi−5%In合金を硫酸を含む溶液に浸せきさ
せ表面の酸化膜を完全に除去した。めっきはバレルめっ
きで行った。このように表面処理すると、表面はSnも
しくはSn−BiめっきもしくはSn−Inめっきで覆
われているため、ぬれの阻害原因となるZnの溶融時の
酸化が起きにくいため、表面が被覆されていないはんだ
ボールに比べて、基板パッド、部品の端子上のぬれ性を
確保できる。このため、活性の弱い通常のフラックスを
用いて、最高230℃の温度でエアーリフローが可能と
なる。このときはんだ上に被覆したSnまたはSn−B
iまたはSn−In量はペースト中のはんだ量と比較し
て少ないので、成分はほとんど変化しない。従って、最
終的なはんだ組成の融点は、もとのはんだの融点とほと
んど変わらなかった。この表面処理を施したはんだボー
ルについて230℃におけるCu板上でのぬれ拡がり面
積を測定した。フラックスはロジン、及び有機ハロゲン
を塩素が0.15%になるように添加したイソプロピル
アルコール溶液を用いた。これによるとSnめっきまた
はSn−BiめっきまたはSn−Inめっきを施したは
んだボールの拡がり面積は、Sn−Pb共晶はんだを1
00%とすると、それぞれ75%、74%、78%であ
り実用化可能なぬれ性を確保でき、被覆をしなかったは
んだボールの68%よりぬれ性が向上した。
μm被覆したはんだボールを同様に作成したが、このは
んだボールも被覆しないはんだボールに比較してぬれが
改善したことを確認した。
ワ−モジュ−ル実装に適用した例を示す。図9中の
(a)はAl2O3基板、(b)はCu基板を使用した例
である。
Sn 上記はんだ箔(t=0.1〜0.15mm厚)1を作
り、蒸着、電子ビ−ム等でメタライズ2を施した10m
m角のSiチップ3を、厚膜のメタライズを施したAl
2O3基板4、Cu基板5等にはんだ付けした。Siチッ
プ3には、Cr(0.1μm厚)−Ni(1.5μm
厚)−Au(0.1μm厚)のメタライズ2を施し、A
l2O3基板4には、W−Niめっき−Auめっきのメタ
ライズ6、Cu基板5にはNiめっき7を施した。はん
だ付けは、窒素雰囲気中で、はんだ箔表面を清浄後、高
温まで安定な酸化防止膜を塗布後に行なった。接合後の
温度サイクル試験(−55〜125℃)での1000サ
イクル後の特性劣化は、熱膨張係数の差の大きいCu基
板の場合でも少なかった。
硬さを低減し、高温での伸びを向上させることができ
る。このため、Siチップに対する応力的負担が少な
く、大形チップでもダイボンドが可能である。はんだ供
給法として、はんだ箔以外にはんだペ−ストでも可能で
ある。はんだペ−ストの粒径は30〜50μmとし、ぺ
−ストのポットライフ向上のため、粒子表面が直接ロジ
ンを接しない処理を施して、接続時に溶けて接合される
工夫を施した。
i−In系はんだは、Pbを含有しないので環境、人体
に対して有害でなく、資源的に安定して供給可能で涸渇
の問題がなく、コスト高にならず、かつ、従来のPb−
Sn共晶はんだと同等のリフロー温度で従来から使用さ
れているガラスエポキシ基板に、同一のリフロー装置で
はんだ付けできる。本はんだは強度が強く、特に高温で
の強度、耐クリープ強度に優れる。電子部品の継手とし
ても従来のPb−Sn共晶と同等の信頼性を有してい
る。なお、有機基板をとしてガラスエポキシを対象とし
たが、コンポジット基板、紙フェノール基板、紙エポキ
シ基板、ケプラーエポキシ基板等も耐熱温度としてはガ
ラスエポキシ基板とほぼ同等であることから、適用可能
である。ガラスポリイミド、ケプラーポリイミド、セラ
ミック基板等は耐熱温度は高いので、これらのはんだを
使用しても温度的制約は受けない。
態図(液相温度)を示す。
0%、残りSnの範囲内の固相温度を示す。
n:2〜5%、残りSnの範囲内の液相、固相温度を示
す。
〜5%の範囲内の液相温度を示す。
%、残りSnの範囲内の固相、液相温度差を示す。
n量のぬれ性に及ぼす影響を示す。
残りSnの範囲内の引張強度を示す。
残りSnの範囲内の室温、高温伸びを示す。
した例を示す。
Claims (10)
- 【請求項1】Zn:3〜9重量%,Bi:1〜16重量
%,In:1〜10重量%,残部がSnから成り,且つ
Zn+Bi≧9重量%であることを特徴とする鉛フリ−
はんだ。 - 【請求項2】Zn:4〜7重量%,Bi:5〜13重量
%,In:1〜7重量%,残部がSnから成ることを特
徴とする鉛フリーはんだ。 - 【請求項3】電子部品と、該電子部品を実装する基板と
を、Zn:3〜9重量%,Bi:1〜16重量%,I
n:1〜10重量%,残部がSnから成り、且つZn+
Bi≧9重量%である鉛フリーはんだにより接続したこ
とを特徴とする実装品。 - 【請求項4】電子部品と、該電子部品を実装する基板と
を、Zn:4〜7重量%,Bi:5〜13重量%,I
n:1〜7重量%,残部がSnから成る鉛フリーはんだ
により接続したことを特徴とする実装品。 - 【請求項5】請求項1または2記載の鉛フリーはんだに
おいて,Sb:1〜3重量%,Ag:1〜3重量%,C
u:1〜3重量%のいずれか1つもしくは2種以上含有
することを特徴とする鉛フリ−はんだ。 - 【請求項6】前記鉛フリーはんだは、Sbを1〜3重量
%,Agを1〜3重量%,Cuを1〜3重量%のいずれ
か1つもしくは2種以上含有すること特徴とする請求項
3または4記載の実装品。 - 【請求項7】請求項1、2、5のいずれかに記載の鉛フ
リーはんだにおいて、その表面をSnもしくはSnを含
む合金で1〜10μmの厚さで覆ったことを特徴とする
鉛フリ−はんだ。 - 【請求項8】前記鉛フリーはんだは、その表面をSnも
しくはSnを含む合金で1〜10μmの厚さで覆ったこ
とを特徴とする請求項3、4、6のいずれかに記載の実
装品。 - 【請求項9】請求項1、2、5のいずれかに記載の鉛フ
リーはんだおいて、その表面をAuあるいはその合金で
0.2μm以下の厚さで覆ったことを特徴とする鉛フリ
−はんだ。 - 【請求項10】前記鉛フリーはんだは、その表面をAu
あるいはその合金で0.2μm以下の厚さで覆ったこと
を特徴とする請求項3、4、6のいずれかに記載の実装
品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07584896A JP3460438B2 (ja) | 1995-03-31 | 1996-03-29 | 鉛フリーはんだ及びそれを用いた実装品 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7-75489 | 1995-03-31 | ||
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