JPH083211A - 新規有機遷移金属化合物およびそれを用いたポリオレフィンの製造方法 - Google Patents

新規有機遷移金属化合物およびそれを用いたポリオレフィンの製造方法

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JPH083211A
JPH083211A JP13429194A JP13429194A JPH083211A JP H083211 A JPH083211 A JP H083211A JP 13429194 A JP13429194 A JP 13429194A JP 13429194 A JP13429194 A JP 13429194A JP H083211 A JPH083211 A JP H083211A
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 触媒として安定性に優れ、取扱いの容易な新
規有機遷移金属化合物およびそれを用いたオレフィンの
重合方法を提供する。 【構成】 下記一般式(1) 【化1】 (Mはチタン、ジルコニウムおよびハフニウムであり、
XはMと結合した窒素または燐であり、Yは−OR4
−SR4、−NR4 2または−PR4 2であり、R1はCpと
Xを結ぶアルキレン基または置換シリレン基であり、R
2はXとYを結ぶアルキレン基または置換シリレン基で
あり、ZはMと結合した水素原子、ハロゲン原子、炭素
数1〜20の炭化水素基またはアルコキシ基である。)
で表されることを特徴とする有機遷移金属化合物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、同一配位子上にシクロ
ペンタジエニル基、遷移金属と共有結合したヘテロ原
子、および遷移金属と配位結合することが可能なヘテロ
原子の三種類のリガンド基を有することを特徴とする新
規有機遷移金属化合物、および該有機遷移金属化合物を
主触媒として用いてオレフィンの重合を行う方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】オレフィンの重合には各種の触媒系およ
び重合方法が知られており、例えば、チーグラー−ナッ
タ触媒系を用いることにより分子量分布の広い高分子量
のポリオレフィンが製造できる。
【0003】最近、シクロペンタジエニル誘導体を配位
子として有する遷移金属化合物(一般に、メタロセン化
合物と呼ばれる)を含む触媒系が開発され、特にチタ
ン、ジルコニウムあるいはハフニウムなどの4族遷移金
属からなるメタロセン化合物を主触媒として用い、アル
ミノキサンを助触媒として用いることで、高活性にポリ
エチレン、エチレン系共重合体あるいはポリプロピレン
などのポリオレフィンを製造できることが知られている
(例えば、特開昭58−19309号公報など)。
【0004】さらに、メタロセン化合物を含有する触媒
系について多くの検討がなされ、メタロセン化合物の配
位子であるシクロペンタジエニル基に様々な置換基を導
入するなど、メタロセン化合物の構造設計を行うこと
で、生成するポリマーの分子量、立体構造、組成分布な
どの一次構造が制御可能であることが明かとなっている
(例えば、特開昭61−26491号公報、特開昭64
−51408号公報、特開昭64−66216号公報、
特開平1−301704号公報およびJ.Am.Che
m.Soc.,110,6255−6262,(198
8)など)。
【0005】また、Organometallics,
9,867(1990)や特開平3−163088号公
報などに記載されているシクロペンタジエニル基と窒素
原子などのヘテロ原子を配位子として有し、束縛幾何構
造なる特異な構造を有する有機遷移金属化合物を構成成
分とした触媒系は、オレフィンの重合に対して高い活性
を示し、得られる重合体の性状も優れていることが報告
されている。
【0006】しかしながら、これら有機遷移金属化合物
およびこれから生成する重合活性種は、空気中の酸素、
水分、重合系中の不純物などにより容易に失活し、容易
に重合活性をもたない化学種へと変化してしまう。そこ
で、取扱いが容易で、重合安定性に優れた新規の触媒開
発が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
解決するためになされたものであり、触媒として用いた
ときに安定性に優れ、取扱いの容易な新規有機遷移金属
化合物およびそれを用いたオレフィンの重合方法を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するため鋭意検討した結果、同一配位子上にシクロ
ペンタジエニル基、遷移金属と共有結合したヘテロ原
子、遷移金属と配位結合することが可能なヘテロ原子の
少なくとも三種類のリガンド基を有していることを特徴
とする新規な有機遷移金属化合物を見出し、さらに、こ
の有機遷移金属化合物を含む触媒はオレフィンに対して
優れた重合活性を示すことを見出し、本発見を完成する
に到った。
【0009】すなわち本発明は、下記一般式(1)
【0010】
【化9】
【0011】(式中、Mはチタン原子、ジルコニウム原
子およびハフニウム原子から選ばれた遷移金属であり、
Cpは遷移金属Mと結合した下記一般式(2)、
(3)、(4)または(5)
【0012】
【化10】
【0013】(式中、R3は各々独立して水素原子また
は炭素数1〜20の炭化水素基である。)で表される炭
化水素基であり、Xは遷移金属Mと結合した窒素原子ま
たは燐原子であり、Yは−OR4、−SR4、−NR4 2
たは−PR4 2であり、遷移金属Mと配位結合を形成する
ことが可能な電子供与性リガンド基を示す。ただし、R
4は各々独立して炭素数1〜20の炭化水素基である。
1はCpとXを結ぶアルキレン基または置換シリレン
基を示し、CpとXを架橋する作用をしており、R2
XとYを結ぶアルキレン基または置換シリレン基を示
し、XとYを架橋する作用をしている。Zは各々同一で
も異なっていてもよく、遷移金属Mと結合した水素原
子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基または
アルコキシ基である。)で表されることを特徴とする有
機遷移金属化合物である。また、本発明は、この有機遷
移金属化合物、有機アルミニウム化合物、並びに下記一
般式(6)
【0014】
【化11】
【0015】(式中、L1は各々独立してルイス塩基で
あり、lは0<l≦2であり、M2はホウ素原子、アル
ミニウム原子またはガリウム原子であり、R5は各々独
立して炭素数6〜20のハロゲン置換アリール基であ
る。)で表されるプロトン酸、下記一般式(7)
【0016】
【化12】
【0017】(式中、Cはカルボニウムカチオンまたは
トロピリウムカチオンであり、M2はホウ素原子、アル
ミニウム原子またはガリウム原子であり、R5は各々独
立して炭素数6〜20のハロゲン置換アリール基であ
る。)で表されるルイス酸、下記一般式(8)
【0018】
【化13】
【0019】(式中、M3は周期表の1族、2族、8
族、9族、10族、11族または12族から選ばれる金
属の陽イオンであり、M2はホウ素原子、アルミニウム
原子またはガリウム原子であり、R5は各々独立して炭
素数6〜20のハロゲン置換アリール基であり、L2
ルイス塩基またはシクロペンタジエニル基であり、mは
0≦m≦2である。)で表されるイオン化イオン性化合
物または下記一般式(9)
【0020】
【化14】
【0021】(式中、M2はホウ素原子、アルミニウム
原子またはガリウム原子であり、R5は各々独立して炭
素数6〜20のハロゲン置換アリール基である。)で表
されるルイス酸性化合物等の前記遷移金属化合物をカチ
オン化することが可能な化合物のうちの1種以上を構成
成分とする重合用触媒、または、有機遷移金属化合物お
よび下記一般式(10)または(11)
【0022】
【化15】
【0023】
【化16】
【0024】(式中、R6は各々独立して水素原子、炭
素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール
基、アリールアルキル基またはアルキルアリール基であ
り、qは2〜50の整数である。)で表されるアルミノ
キサンを構成成分とする重合用触媒である。さらに、本
発明は、前記重合用触媒を用いてオレフィンの重合を行
うことを特徴とするポリオレフィンの製造方法である。
【0025】以下に、本発明を詳細に説明する。本発明
の有機遷移金属化合物は一般式(1)の構造を有してお
り、Mはチタン原子、ジルコニウム原子およびハフニウ
ム原子から選ばれた周期表4族の遷移金属であり、Cp
は一般式(2)、(3)、(4)または(5)で表さ
れ、遷移金属Mとη5結合様式で結合を形成している単
環式もしくは多環式炭化水素基である。Cpの具体例と
して、シクロペンタジエニル基やテトラメチルシクロペ
ンタジエニル基などの置換シクロペンタジエニル基、イ
ンデニル基やテトラヒドロインデニル基、2−メチルイ
ンデニル基などの置換インデニル基、フルオレニル基や
2,7−ジメチルフルオレニル基、2,7−ジ−ter
t−ブチルフルオレニル基、オクタヒドロフルオレニル
基などの置換フルオレニル基を挙げることができる。X
は遷移金属Mと共有結合した窒素原子もしくは燐原子で
あり、CpとR1、X、Mで一つの縮合環系を形成して
いる。Yは−OR4、−SR4、−NR4 2または−PR4 2
であり、遷移金属Mと配位結合を形成することが可能な
電子供与性リガンド基を示す。ここで、R4は各々独立
して炭素数1〜20の炭化水素基であり、具体例として
メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル
基、tert−ブチル基、フェニル基などを挙げること
ができる。リガンド基の種類によりYの配位の状態は変
化し、Yは遷移金属Mと強い配位結合を形成している場
合もあるが、単に遷移金属Mと弱い相互作用のみをして
いる場合もあり、Yと遷移金属Mの配位の状態について
は特に制限はない。R1はCpとXを結ぶアルキレン基
または置換シリレン基を示す。具体的には下記一般式
(12)または(13)の構造を有しており、
【0026】
【化17】
【0027】(式中、R7は各々同一でも異なっていて
もよく、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシド基、ま
たはアルキル基、アリール基、アラルキル基などの炭化
水素基であり、pは1〜3の整数である。) CpとXを架橋する作用をしているものを挙げることが
できる。R1のさらなる具体例としては、メチレン基、
エチレン基、プロピレン基、ジメチルメチレン基、ジフ
ェニルメチレン基、ジメチルシリレン基、メチルフェニ
ルシリレン基、ジフェニルシリレン基、テトラメチルエ
チレン基などを挙げることができる。R2はXとYを結
ぶアルキレン基または置換シリレン基を示す。具体的に
は下記一般式(14)または(15)の構造を有してお
り、
【0028】
【化18】
【0029】(式中、R8は各々同一でも異なっていて
もよく、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシド基、ま
たはアルキル基、アリール基、アラルキル基などの炭化
水素基であり、rは1〜10の整数である。) XとYを架橋する作用をしているものを挙げることがで
きる。R2のさらなる具体例としては、メチレン基、エ
チレン基、プロピレン基、ブチレン基、ジメチルメチレ
ン基、テトラメチルエチレン基などの炭素数1〜20の
炭化水素基、ジメチルシリレン基、ジフェニルシリレン
基などの置換シリレン基を挙げることができる。Zは各
々同一でも異なっていてもよく、遷移金属Mと結合した
水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基
またはアルコキシ基である。
【0030】本発明の一般式(1)で示される有機遷移
金属化合物は、例えば、下記のような経路により合成す
ることができる。
【0031】
【化19】
【0032】本発明の一般式(1)で示される有機遷移
金属化合物の具体的な例としては、ジメチルシリル(テ
トラメチル−η5−シクロペンタジエニル)(メトキシ
メチルアミド)チタンジクロライド、ジメチルシリル
(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)(メト
キシエチルアミド)チタンジクロライド、ジメチルシリ
ル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)(メ
トキシプロピルアミド)チタンジクロライド、ジメチル
シリル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)
(メトキシブチルアミド)チタンジクロライド、ジメチ
ルシリル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニ
ル)(メトキシペンチルアミド)チタンジクロライド、
ジフェニルシリル(テトラメチル−η5−シクロペンタ
ジエニル)(メトキシメチルアミド)チタンジクロライ
ド、ジフェニルシリル(テトラメチル−η5−シクロペ
ンタジエニル)(メトキシエチルアミド)チタンジクロ
ライド、ジフェニルシリル(テトラメチル−η5−シク
ロペンタジエニル)(メトキシプロピルアミド)チタン
ジクロライド、ジフェニルシリル(テトラメチル−η5
−シクロペンタジエニル)(メトキシブチルアミド)チ
タンジクロライド、ジフェニルシリル(テトラメチル−
η5−シクロペンタジエニル)(メトキシペンチルアミ
ド)チタンジクロライド、ジメチルシリル(テトラメチ
ル−η5−シクロペンタジエニル)(エトキシエチルア
ミド)チタンジクロライド、ジメチルシリル(テトラメ
チル−η5−シクロペンタジエニル)(イソプロポキシ
エチルアミド)チタンジクロライド、ジメチルシリル
(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)(ブチ
ルメトキシエチルアミド)チタンジクロライド、ジメチ
ルシリル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニ
ル)(フェノキシエチルアミド)チタンジクロライド、
ジメチルシリル(テトラメチル−η5−シクロペンタジ
エニル)(ベンゾキシエチルアミド)チタンジクロライ
ド、上記化合物の中心金属をチタンからジルコニウム、
ハフニウムに変えた有機遷移金属化合物、金属に結合し
ている塩素原子を炭化水素基、アルコキシ基等に変えた
有機遷移金属化合物、式(1)のCpであるシクロペン
タジエニル基をインデニル基、フルオレニル基等に変え
た有機遷移金属化合物などが挙げられるが、これらに限
定されるものではない。
【0033】また、本発明は上記有機遷移金属化合物を
主触媒として含む重合用触媒およびそれを用いてオレフ
ィンの重合を行うことを特徴とするポリオレフィンの製
造方法である。ここで、重合用触媒の他の構成成分とし
て用いられる一般式(6)で表されるプロトン酸、一般
式(7)で表されるルイス酸、一般式(8)で表される
イオン化イオン性化合物および一般式(9)で表される
ルイス酸性化合物は、上記有機遷移金属化合物をカチオ
ン性化合物にしうる化合物であり、生成したカチオン性
化合物に対して弱く配位および/または相互作用するも
のの、反応しない対アニオンを提供する化合物である。
【0034】一般式(6)で表されるプロトン酸の具体
例としては、ジエチルオキソニウムテトラキス(ペンタ
フルオロフェニル)ボレート、ジメチルオキソニウムテ
トラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラ
メチレンオキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェ
ニル)ボレート、ヒドロニウムテトラキス(ペンタフル
オロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアンモニウ
ムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ト
リ−n−ブチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)ボレート、ジエチルオキソニウムテトラキ
ス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、ジメチル
オキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ア
ルミネート、テトラメチレンオキソニウムテトラキス
(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、ヒドロニウ
ムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネー
ト、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタ
フルオロフェニル)アルミネート、トリ−n−ブチルア
ンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アル
ミネート等を挙げることができる。
【0035】また、一般式(7)で表されるルイス酸と
しては、具体的にトリチルテトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)ボレート、トリチルテトラキス(ペンタフル
オロフェニル)アルミネート、トロピリウムテトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トロピリウムテ
トラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート等を
挙げることができるが、これらに限定されるものではな
い。
【0036】そして、一般式(8)で表されるイオン化
イオン性化合物としては、具体的にはリチウムテトラキ
ス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、リチウムテト
ラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート等のリ
チウム塩、またはそのエーテル錯体、フェロセニウムテ
トラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェロ
セニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミ
ネート等のフェロセニウム塩、シルバーテトラキス(ペ
ンタフルオロフェニル)ボレート、シルバーテトラキス
(ペンタフルオロフェニル)アルミネート等の銀塩等を
挙げることができるが、これらに限定されるものではな
い。
【0037】さらに、一般式(9)で表されるルイス酸
性化合物の具体的な例としては、トリス(ペンタフルオ
ロフェニル)ボラン、トリス(2,3,5,6−テトラ
フルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,4,5−
テトラフェニルフェニル)ボラン、トリス(3,4,5
−トリフルオロフェニル)ボラン、フェニルビス(パー
フルオロフェニル)ボラン、トリス(3,4,5−トリ
フルオロフェニル)アルミニウム等を挙げることができ
るが、これらに限定されるものではない。
【0038】プロトン酸、ルイス酸、イオン化イオン性
化合物またはルイス酸性化合物と共に用いられる有機ア
ルミニウム化合物としては、例えば下記一般式(16)
で表される化合物を挙げることができる。
【0039】
【化20】
【0040】(式中、R9、R9′9″は各々同一でも
異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、アミド
基、アルコキシド基、炭化水素基を示し、そのうち少な
くとも1つは炭化水素基である。) このような化合物としては、トリメチルアルミニウム、
トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウ
ム、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミ
ニウムクロライド等を具体的に挙げることができる。
【0041】以上述べた化合物と有機遷移金属化合物か
ら触媒を調製する方法は特に制限はなく、調製の方法の
例として、各成分に関して不活性な溶媒中あるいは重合
を行うモノマーを溶媒として用い、混合する方法などを
挙げることができる。また、これらの成分を反応させる
順番に関しても特に制限はなく、この処理を行う温度、
処理時間も特に制限はない。
【0042】触媒調製の際の有機遷移金属化合物と有機
アルミニウム化合物の比は特に制限はないが、好ましく
は有機遷移金属化合物と有機アルミニウム化合物の金属
原子当りのモル比が(有機遷移金属化合物の金属):
(有機アルミニウム化合物の金属)=100:1〜1:
1000000の範囲であり、特に好ましくは1:1〜
100000の範囲である。
【0043】また、有機遷移金属化合物とプロトン酸、
ルイス酸、イオン化イオン性化合物および/またはルイ
ス酸性化合物の比も特に制限はなく、好ましくは有機遷
移金属化合物とこれらの化合物のモル比が(有機遷移金
属化合物):(プロトン酸、ルイス酸、イオン化イオン
性化合物および/またはルイス酸性化合物)=10:1
〜1:1000、特に好ましくは1:1〜1:100の
範囲である。
【0044】さらに、本発明は前記有機遷移金属化合物
とアルミノキサンを構成成分とする重合用触媒およびそ
れを用いてオレフィンの重合を行うことを特徴とするポ
リオレフィンの製造方法である。ここで、アルミノキサ
ンはアルミニウムと酸素の結合を有する化合物であり、
一般式(10)または(11)で表される。これら一般
式においてR6は各々同一でも異なっていてもよく、水
素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20
のアリール基、アリールアルキル基またはアルキルアリ
ール基であり、R6の具体的な例としてメチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、フェニル
基、トリル基、シクロヘキシル基等を挙げることができ
る。また、qは2〜50の整数である。
【0045】アルミノキサンと有機遷移金属化合物から
触媒を調製する方法は特に制限はないが、調製の方法の
例として、両者に不活性な溶媒中あるいは重合を行うモ
ノマーを溶媒として用い、混合することを挙げることが
できる。なお、この処理を行う温度に特に制限はなく、
処理時間も特に制限されない。
【0046】触媒調製の際の遷移金属化合物とアルミノ
キサンの比は特に制限はないが、好ましくは遷移金属化
合物とアルミノキサンの金属原子当りのモル比が(遷移
金属化合物の金属):(アルミノキサンの金属)=10
0:1〜1:1000000の範囲であり、特に好まし
くは1:1〜100000の範囲である。
【0047】本発明におけるオレフィンの重合は、液相
でも気相でも行うことができる。重合を液相で行う場合
の溶媒としては、一般に用いられている有機溶媒であれ
ばいずれでもよく、具体的にはベンゼン、トルエン、キ
シレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、塩化メチレン
等が挙げられ、またプロピレン、ブテン−1、オクテン
−1など重合するオレフィンそれ自身を溶媒として用い
ることもできる。
【0048】本発明において重合に供されるオレフィン
はエチレン、プロピレン、ブテン−1、4−メチルペン
テン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、スチレン等の
α−オレフィン、ブタジエン、1,4−ヘキサジエン等
の共役および非共役ジエン、シクロブテン等の環状オレ
フィン等が挙げられ、これら2種以上の混合成分を重合
することもできる。重合温度、重合時間、溶媒の濃度に
は特に制限はないが、重合温度は−100〜230℃の
範囲で行うことが好ましい。
【0049】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるもの
ではない。
【0050】反応はすべて不活性ガス雰囲気下で行い、
反応に用いた溶媒はすべて予め公知の方法により精製、
乾燥または脱酸素を行ったものを用いた。有機金属化合
物の同定には1H−NMR(日本分光社製 GPX−4
00型 NMR測定装置)を用いて行った。
【0051】実施例1 「ジメチルシリル(テトラメチル−η5−シクロペンタ
ジエニル)(メトキシエチルアミド)チタンジクロライ
ド」の合成 窒素気流下、−78℃に冷却したジメチルシリル(テト
ラメチルシクロペンタジエニル)(メトキシエチルアミ
ン)(3.35mg,13mmol)のTHF溶液(7
0ml)に、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(28
mmol)をゆっくり滴下し、−78℃で1時間、さら
に室温で1時間攪拌した。反応終了後、減圧下で溶媒を
留去し、得られた反応混合物をヘキサンで洗浄したとこ
ろ、淡黄色の固体を得た。この固体を再び−78℃に冷
却し、ジエチルエーテル(70ml)に懸濁させ、この
懸濁液に予め調製したおいた四塩化チタン(13mmo
l)とジエチルエーテル(30ml)の反応溶液をゆっ
くり加えた。そのまま終夜攪拌後、室温まで昇温し、減
圧下で溶媒を留去した後、塩化メチレンで抽出し、塩化
メチレン/ヘキサンで再結晶することで濃緑色固体を得
た。
【0052】得られた固体の1H−NMRスペクトル
(CDCl3)は、 δ=4.37(t,2H,J=4.0Hz,CH2),
3.47(t,2H,J=4.0Hz,CH2),3.
31(s,3H,OMe),2.26(s,6H,Cp
−Me),2.15(s,6H,Cp−Me),0.6
8(s,6H,Si−Me) であり、この固体はジメチルシリル(テトラメチル−η
5−シクロペンタジエニル)(メトキシエチルアミド)
チタンジクロライド(3.44g,9.3mmol)と
同定された。
【0053】実施例2 2lのオートクレーブに500mlのトルエンを加え、
これにメチルアルミノキサン(東ソー・アクゾ(株)
製、分子量1121)をアルミニウム原子換算で20m
molおよび実施例1で得たジメチルシリル(テトラメ
チル−η5−シクロペンタジエニル)(メトキシエチル
アミド)チタンジクロライドを1.85mg加えた。そ
の後、オークレーブにエチレンが20kg/cm2Gと
なるようにエチレンを供給しながら80℃で30分間エ
チレンの重合を行い、4.2gのポリエチレンを得た。
【0054】実施例3 2lのオートクレーブに500mlのトルエンを加え、
これにトリイソブチルアルミニウムを0.25mmo
l、実施例1で得たジメチルシリル(テトラメチル−η
5−シクロペンタジエニル)(メトキシエチルアミド)
チタンジクロライドを1.85mgおよびN,N−ジメ
チルアニリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボ
レートを20.0mgを加えた。その後、オークレーブ
にエチレンが20kg/cm2Gとなるようにエチレン
を供給しながら80℃で30分間エチレンの重合を行
い、3.2gのポリエチレンを得た。
【0055】実施例4 2lのオートクレーブに500mlのトルエンおよび1
5mlのヘキセン−1を加え、これにメチルアルミノキ
サン(東ソー・アクゾ(株)製、分子量1121)をア
ルミニウム原子換算で20mmolおよび実施例1で得
たジメチルシリル(テトラメチル−η5−シクロペンタ
ジエニル)(メトキシエチルアミド)チタンジクロライ
ドを1.85mg加えた。その後、オークレーブにエチ
レンが15kg/cm2Gとなるようにエチレンを供給
しながら80℃で30分間エチレンの重合を行い、0.
96gのポリマーを得た。このポリマーは128℃の融
点を示した。
【0056】
【発明の効果】本発明における有機遷移金属化合物は取
り扱いが容易であり、本有機遷移金属化合物を主成分と
するオレフィン重合触媒を用いるとポリオレフィン製造
を安定に行うことができ、工業的に極めて価値がある。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1) 【化1】 (式中、Mはチタン原子、ジルコニウム原子およびハフ
    ニウム原子から選ばれた遷移金属であり、Cpは遷移金
    属Mと結合した下記一般式(2)、(3)、(4)また
    は(5) 【化2】 (式中、R3は各々独立して水素原子または炭素数1〜
    20の炭化水素基である。)で表される炭化水素基であ
    り、Xは遷移金属Mと結合した窒素原子または燐原子で
    あり、Yは−OR4、−SR4、−NR4 2または−PR4 2
    であり、遷移金属Mと配位結合を形成することが可能な
    電子供与性リガンド基を示す。ただし、R4は各々独立
    して炭素数1〜20の炭化水素基である。R1はCpと
    Xを結ぶアルキレン基または置換シリレン基を示し、C
    pとXを架橋する作用をしており、R2はXとYを結ぶ
    アルキレン基または置換シリレン基を示し、XとYを架
    橋する作用をしている。Zは各々同一でも異なっていて
    もよく、遷移金属Mと結合した水素原子、ハロゲン原
    子、炭素数1〜20の炭化水素基またはアルコキシ基で
    ある。)で表されることを特徴とする有機遷移金属化合
    物。
  2. 【請求項2】請求項1に記載された有機遷移金属化合
    物、有機アルミニウム化合物、並びに下記一般式(6) 【化3】 (式中、L1は各々独立してルイス塩基であり、lは0
    <l≦2であり、M2はホウ素原子、アルミニウム原子
    またはガリウム原子であり、R5は各々独立して炭素数
    6〜20のハロゲン置換アリール基である。)で表され
    るプロトン酸、下記一般式(7) 【化4】 (式中、Cはカルボニウムカチオンまたはトロピリウム
    カチオンであり、M2はホウ素原子、アルミニウム原子
    またはガリウム原子であり、R5は各々独立して炭素数
    6〜20のハロゲン置換アリール基である。)で表され
    るルイス酸、下記一般式(8) 【化5】 (式中、M3は周期表の1族、2族、8族、9族、10
    族、11族または12族から選ばれる金属の陽イオンで
    あり、M2はホウ素原子、アルミニウム原子またはガリ
    ウム原子であり、R5は各々独立して炭素数6〜20の
    ハロゲン置換アリール基であり、L2はルイス塩基また
    はシクロペンタジエニル基であり、mは0≦m≦2であ
    る。)で表されるイオン化イオン性化合物または下記一
    般式(9) 【化6】 (式中、M2はホウ素原子、アルミニウム原子またはガ
    リウム原子であり、R5は各々独立して炭素数6〜20
    のハロゲン置換アリール基である。)で表されるルイス
    酸性化合物等の前記遷移金属化合物をカチオン化するこ
    とが可能な化合物のうちの1種以上を構成成分とする重
    合用触媒。
  3. 【請求項3】請求項1に記載された有機遷移金属化合物
    および下記一般式(10)または(11) 【化7】 【化8】 (式中、R6は各々独立して水素原子、炭素数1〜20
    のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、アリール
    アルキル基またはアルキルアリール基であり、qは2〜
    50の整数である。)で表されるアルミノキサンを構成
    成分とする重合用触媒。
  4. 【請求項4】請求項2または3に記載された重合用触媒
    を用いてオレフィンの重合を行うことを特徴とするポリ
    オレフィンの製造方法。
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