JPH08320308A - 埋設管の防食塗覆装損傷部診断方法とその装置 - Google Patents

埋設管の防食塗覆装損傷部診断方法とその装置

Info

Publication number
JPH08320308A
JPH08320308A JP12528195A JP12528195A JPH08320308A JP H08320308 A JPH08320308 A JP H08320308A JP 12528195 A JP12528195 A JP 12528195A JP 12528195 A JP12528195 A JP 12528195A JP H08320308 A JPH08320308 A JP H08320308A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
ground
potential difference
output
anticorrosion coating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP12528195A
Other languages
English (en)
Inventor
Yosuke Amano
洋介 天野
Hiroyoshi Kudo
広芳 工藤
Masanobu Higuchi
雅信 樋口
Morio Sumiyama
守男 炭山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Kokan Koji KK
Original Assignee
Nippon Kokan Koji KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Kokan Koji KK filed Critical Nippon Kokan Koji KK
Priority to JP12528195A priority Critical patent/JPH08320308A/ja
Publication of JPH08320308A publication Critical patent/JPH08320308A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 埋設管の防食塗覆装損傷部が信号の通電点よ
り遠方であっても、その間隔が狭くてもその防食塗覆装
損傷部を容易に判読可能にすると共に、その防食塗覆装
損傷部の診断を速やかに行う。 【構成】 論理回路部37、信号調整部38により正ま
たは負の極性を付加された直流信号の波形Bと、この論
理回路とは関係なく出力された波形Aとの2種類の直流
電圧波形の零点を同じ位置に調整して出力すると、2つ
の波形が分離している状態から最初に重なる点を金属管
10の防食塗覆装損傷部14とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は埋設管の防食塗覆装損傷
部診断方法とその装置に係り、特に地中に敷設した鋼管
の外面に施された防食塗覆装損傷部を連続的に診断する
方法と装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、地中に敷設する鋼管などの金属
管は、外面にアスファルトなどのれき青質あるいはポリ
エチレン等の熱可塑性樹脂の防食塗覆装を施し腐食を防
止している。
【0003】ところが、防食塗覆装が施された鋼管がな
んらかの原因により金属面に達する損傷を受けると、そ
の金属面が土壌などの電解質と直接接触すると、その部
分が腐食してしまう。
【0004】この埋設管では、特に損傷部が酸素濃度差
などのために濃淡が生じる条件下や、電鉄などの迷走電
流などの影響を受け易い条件下におかれている場合に
は、異常な速度で腐食し、腐食孔などを生じる虞れがあ
る。
【0005】このように、埋設管の防食塗覆装を完全な
状態で維持することは、埋設管の腐食による腐食孔など
の防止をする上で、きわめて重要なことである。周知の
ように埋設管の防食塗覆装の損傷程度は、たとえば絶縁
抵抗を測定することにより、容易に推定することができ
る。
【0006】また、埋設管の防食塗覆装損傷部は、たと
えば電位法を応用して検出することができることが知ら
れている。この電位法を用いた埋設管の防食塗覆装損傷
部の検出装置には、たとえば直流電位検出装置と交流電
位検出装置が知られている。
【0007】たとえば、直流電位検出装置では、地中に
埋設した埋設管の金属管と地中に埋設した対極との間に
直流電源と間欠波発生器からなる直流信号源により信号
電圧を印加し、装置を埋設管の方向に沿って移動させて
装置の表示部の電圧メータの極性が反転する部位が埋設
管の防食塗覆装損傷部であるとしていた。
【0008】この直流電位検出装置では、作業性を向上
させるためセンサとして針電極を用いていた。また交流
電位検出装置では、先に説明した金属管と対極との間に
交流信号源により信号電圧を印加し、あらかじめ発信機
の出力電圧の位相と、受信装置の地表面の電位差検出器
の位相を合わせてから2つの信号波形に分離し、受信装
置を埋設管の方向に沿って移動させて参照電圧の極性が
反転する部位が埋設管の防食塗覆装損傷部であるとして
位置検出を行い、プリンタなどにその検出部を印字して
いた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上に
説明した埋設管の防食塗覆装損傷部の検出装置では、た
とえば直流電位検出装置を用いた場合に、作業性を向上
させるためにセンサとなる針電極の間隔を10m以上広
げると、小さな損傷部は検出できない場合があり、短い
間隔で複数ある防食塗覆装損傷部の位置がずれる虞れが
ある。
【0010】また小さな防食塗覆装損傷部を検出し、短
い間隔で複数ある防食塗覆装損傷部を検出するために、
センサとなる針電極を1m程度にすると、著しく作業の
能率が悪くなる。
【0011】さらに直流電位検出装置で1カ所の防食塗
覆装損傷部を確定するためには、検出電位の極性が反転
した範囲において、針電極の間隔を徐々に狭くしながら
何度も測定しなければならず、作業員の作業時間がかさ
み、作業能率が低下していた。
【0012】またたとえば交流電位検出装置を用いた場
合には、あらかじめ磁気検出器の出力電圧と地表面の電
位差出力のそれぞれの出力電圧の位相を最初に一度合わ
せるだけであるため、埋設管が数kmに及ぶ場合などに
は時間の経過とともにタイミングがずれてしまい、埋設
管の防食塗覆装損傷部がどこなのか認識することができ
なくなる虞れがあった。
【0013】また、交流電位検出装置を用いた場合に
は、地表面電位差に対するレファレンス信号をケーブル
などで装置に供給する必要があるが、埋設管が数kmに
及ぶ場合にはレファレンス信号を装置側に供給すること
は道路交通上の問題およびコスト面から困難になる。
【0014】さらに、交流電位検出装置を用いた場合に
は、発信機側より無線によりレファレンス信号を装置の
受信装置側に送信すると、たとえば数km遠方に送信す
るための出力の電波管理法による規制があり、遠方では
使用することができなくなる。 一方、従来の装置など
により埋設管の防食塗覆装損傷部を印刷装置に印字する
場合には、埋設管の防食塗覆装損傷部が、たとえば5m
から10m程度以上離れているときには、それぞれの防
食塗覆装損傷部を検出及び判読することができるが、防
食塗覆装損傷部がたとえば5m以内になると、防食塗覆
装損傷部を検出したグラフの波形と、一つの防食塗覆装
損傷部と他の防食塗覆装損傷部の中間点を検出したグラ
フの波形が近似しているため、判読できなくなる虞れが
あった。
【0015】このため、これまでの装置などでは、防食
塗覆装損傷箇所の補修作業にあたってこの防食塗覆装損
傷部と他の防食塗覆装損傷部の中間点も掘削範囲に入っ
てしまうため、余分な作業費用や労働時間がかさんでい
た。
【0016】そこで、本発明の目的は、埋設管が数km
におよぶ場合や埋設管の防食塗覆装損傷部と防食塗覆装
損傷部の距離が5m以下であっても、容易に防食塗覆装
損傷部を判読できるようにするとともに、埋設管の防食
塗覆装損傷部の診断を速やかに行うことができるように
することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するため、以下の手段を採用した。 (1)第1の発明の要旨 この第1の発明においては、外面に防食塗覆装を施して
地中に敷設した金属管に交流信号電流を流し、この通電
により生じる磁気成分を磁気検出器により検出する一
方、前記交流信号によって生じる地表面の電位差を同時
に検出し、これらの二種類の検出信号のうち、地表面電
位差を整流したものを出力の一つとし、地表面電位差と
磁気検出器との位相関係により整流した値に正負の極性
を付加したものを出力の他の一つとし、これらの二つの
出力信号の零点を同じ位置にすると、二つの信号波形が
分離している状態から最初に重なる点を金属管の防食塗
覆装損傷部とし、その防食塗覆装損傷部を直流電圧波形
として表示し、その直流電圧波形から防食塗覆装損傷部
を診断する。
【0018】(2)第2の発明の要旨 この第2の発明は、外面に防食塗覆装を施して地中に敷
設した金属管の防食塗覆装損傷部を検出する装置であ
り、地盤に埋設した対極との間に発信機から交流信号電
流を流す発信機と、この発信機からの通電により地上に
対して鋼管軸と直角方向の磁気成分を検出する磁気検出
器と、また発信機からの交流信号電流によって生じる地
表面の電位差を、地表面を移動するセンサにより検出す
る地表面電位差検出器と、この地表面電位差検出器で検
出された地表面の電位差の出力と、磁気検出器で検出さ
れた出力との位相を調整する位相調整器と、この位相調
整器で調整された地表面電位差検出器からの交流信号を
全波整流する整流器と、この整流器で全波整流された直
流信号に地表面電位差検出器からの出力と磁気検出器か
らの出力が同位相ならば正、逆位相なら負の極性を付加
する論理回路部と、この論理回路部により正または負の
極性を付加された直流信号および、この論理回路部とは
関係なく地表面電位差検出器から出力された直流信号の
二種類の信号波形を、零点を同じ位置に調整して出力す
る表示部とを備えた。
【0019】
【作用】
(1)第1の発明では、外面に防食塗覆装を施して地中
に敷設した金属管に交流信号電流を流し、この通電によ
り生じる磁気成分を磁気検出器により検出する一方、前
記交流信号によって生じる地表面の電位差を同時に検出
する。
【0020】この時には、これらの二種類の検出信号の
うち、地表面電位差を整流したものを出力の一つとし、
地表面電位差と磁気検出器との位相関係により整流した
値に正負の極性を付加したものを出力の他の一つとし、
これらの二つの出力信号の零点を同じ位置にすると、二
つの信号波形が分離している状態から最初に重なる点を
金属管の防食塗覆装損傷部とし、その防食塗覆装損傷部
を直流電圧波形として表示し、その直流電圧波形から防
食塗覆装損傷部を診断する。
【0021】(2)第2の発明の要旨 この第2の発明は、外面に防食塗覆装を施して地中に敷
設した金属管の防食塗覆装損傷部を検出する装置であ
り、地盤に埋設した対極との間に発信機から交流信号電
流を流し、この発信機からの通電により地上に対して鋼
管軸と直角方向の磁気成分を磁気検出器において検出
し、また発信機からの交流信号電流によって生じる地表
面の電位差を、地表面を移動するセンサである地表面電
位差検出器により検出し、この地表面電位差検出器で検
出された地表面の電位差の出力と、磁気検出器で検出さ
れた出力との位相を位相調整器において調整し、この位
相調整器で調整された地表面電位差検出器からの交流信
号を整流器において全波整流し、この整流器で全波整流
された直流信号に地表面電位差検出器からの出力と磁気
検出器からの出力が同位相ならば正、逆位相なら負の極
性を付加する論理回路部と、この論理回路部により正ま
たは負の極性を論理回路部において付加し、この論理回
路部により正または負の極性を付加された直流信号およ
び、この論理回路部とは関係なく地表面電位差検出器か
ら出力された直流信号の二種類の信号波形を、零点を同
じ位置に調整して表示部において出力する。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。 〔実施例の概要〕この実施例では、直流電圧波形から防
食塗覆装損傷部を診断する。
【0023】〔実施例の内容〕図1は本発明埋設管の防
食塗覆装損傷部診断方法とその装置の実施例を示す概要
説明図、図2ないし図4は本発明埋設管の防食塗覆装損
傷部診断方法とその装置に適用した防食塗覆装損傷部診
断装置を示す図で、図2がその平面図、図3がその側面
図、図4が正面から見た図である。
【0024】これらの図において、防食塗覆装を施して
構成した金属管10が地中に埋設され、かつ地盤の地表
側に埋設した対極12および金属管10が発信機11に
接続されている。
【0025】なお、金属管10には、防食塗覆装の欠落
による防食塗覆装損傷部14が生じているものとして、
以下の説明をする。図1ないし図4に示す防食塗覆装損
傷部診断装置には、車輪15、22が設けられている。
【0026】この車輪15の直径は車輪22の直径より
大きなものが用いられている。取手21はこの装置を前
進または後退させるためのものである。またこの装置に
は、金属管10の長手方向に間隔をおいて配置された、
たとえば2つの車輪電極17、18を備え、それらの車
輪電極17、18が導電性の車輪により構成されてい
る。
【0027】この車輪電極17、18は、たとえば図示
を省略するスリプリングを介在して干渉部材であるスプ
リングを咬ませて取付られている。この干渉部材である
スプリングは、たとえば5cm程度の路面上の断差を吸
収することができるものである。
【0028】先に説明した車輪電極17、18は、地表
面20を前記発信機11から流れる信号電流の電位差を
検出する地表面電位差検出器として機能する。また、車
輪電極17と車輪電極18とのほぼ中間位置にには磁気
センサ19が設けられており、この磁気センサ19は埋
設管10の中を流れる信号電流により発生した磁気を検
出する。
【0029】さらに、図1〜図3の受信装置16には、
上部ボックス24内に信号処理部25、記録部26およ
び表示部27が設けられている。この信号処理部25内
には、図7〜図10に示す増幅器30,31、フイルタ
32,33平滑回路34、位相調整回路36、論理回路
37および信号調整回路部38が設けれている。
【0030】信号処理部25の詳細については後ほど説
明することにする。ここでは、先に図5および図6の図
面を参照してこの実施例で採用している動作原理の概要
を説明する。
【0031】なお、これらの図5および図6の説明にお
いては、図1〜図3の説明において符号を付して説明し
た構成と同一の構成については同一の符号を付して説明
する。
【0032】図5および図6のの説明において、受信装
置16を矢印Aの方向に受信装置16Aの位置まで移動
させたとき、金属管10に防食塗覆装損傷部14がある
ことを地表面電位差検出器として機能する車輪電極1
7,18と磁気検出器19の検出値にしたがって診断す
る。
【0033】磁気検出器19は、金属管10を流れる信
号電流110によって生じる磁気を検出130すると同
時に、地表面電位差検出器として機能する車輪電極1
7,18は、大地を流れる信号電流111によって生じ
る地表面20における電位120を検出する。
【0034】図6には受信装置16が防食塗覆装損傷部
14へ向かうときの極性と、受信装置16が防食塗覆装
損傷部14を通過した後の極性のそれぞれについて、信
号電流の瞬時における向き、信号電流による磁気(V
S)の極性、信号電流による大地の電位(VB)および
2つの極性の相関関係が示されている。
【0035】たとえば、図5の受信装置16が防食塗覆
装損傷部14へ向かうときの極性は、図6に示すように
信号電流による磁気(VS)の極性と、信号電流による
大地の電位(VB)の2つの極性の相関関係が逆相関に
なる。
【0036】これに対して受信装置16が防食塗覆装損
傷部14を通過し受信装置16Aの位置まで移動したと
きの極性は、図6に示すように信号電流による磁気(V
S)の極性と、信号電流による大地の電位(VB)の2
つの極性の相関関係が正相関になる。
【0037】すなわち、本実施例では、信号電流による
磁気(VS)の極性と、信号電流による大地の電位(V
B)の2つの極性が逆相関になっているとき、受信装置
16が防食塗覆装損傷部14へ向かっていることが認識
でき、正相関になっているとき、受信装置16が防食塗
覆装損傷部14を通過していることを認識することがで
きる。
【0038】したがって、本実施例では、2つの極性の
相関特性を利用して逆相関のときには、信号電流による
大地の電位(VB)を負の信号として出力し、また正相
関のときには、正の信号として出力することにより、図
12に示すような大地の電位(VS)を全波整流した波
形Aと、正負の極性を付加した信号の波形Bの零点を同
じ位置にして出力すると、防食塗覆装損傷部14が判読
容易となる。
【0039】さらに、図14に示す金属管10に防食塗
覆装損傷部14が多くあり、それらの防食塗覆装損傷部
14と他の防食塗覆装損傷部14の間が僅かである場合
にあっても、防食塗覆装損傷部14を判読に熟練を要さ
なくてもだれでも容易に判読することができる。
【0040】図7〜図9はこのような信号処理部25の
説明をするためのブロック図を示す図10は信号処理部
の具体的な回路図である。これらの図7〜図10におい
て、入力端子T1には図1〜図3に示した車輪電極1
7、18より検出された地表面電位差を表す信号などが
入力し、また入力端子T2には図1〜図3に示した磁気
検出器19より検出された磁気信号が入力する。
【0041】たとえば、入力端子T1,T2に入力され
た地表面電位差信号と磁気信号は、増幅器30、31で
増幅され、所定の電圧にされる。フイルタ回路32、3
3では、増幅器30、31で増幅された信号電圧の必要
な信号だけを通過させる。
【0042】なお整流回路34では、フイルタ回路32
から出力された信号電圧を整流し直流出力波形Aを得る
とともに信号調整回路38にその全波整流された信号電
圧を入力する。
【0043】また位相調整回路36では、入力端子T
1,T2より入力された地表面電位差信号と磁気信号の
位相ずれを調整する。さらに位相調整回路36でフイル
タ回路32の出力である地表面電位差信号電圧の位相と
フイルタ回路33の出力である磁気信号電圧の位相を調
整した後には、論理回路37において2つの電圧の相関
関係を調べ、正相関ならばハイレベル(TTLレベ
ル)、逆相関ならばローレベル(TTLレベル)を出力
する。
【0044】信号調整回路38において、整流回路34
から出力された直流信号に論理回路37からの入力がハ
イレベルならば正の直流信号を、ローレベルならば負の
直流信号を波形Bとして出力する。
【0045】図8は位相調整回路36を説明したもの
で、フイルタ32、33から出力された交流信号は方形
波変換回路40,41にて同じ周波数のTTLレベルの
パルス波に変換され、位相調整回路36に入力する。
【0046】この位相調整回路36にはコントローラ4
2が接続されており、このコントローラ42からの位相
調整用制御信号を位相調整回路36に入力することによ
り、位相調整回路36では位相のズレを調整することが
できる。この位相調整回路36の出力側からは位相の調
整された出力が得られ、その出力が図7に示す論理回路
37に入力する。
【0047】このときの信号波形の処理をさらに詳細に
説明したものが図9の模式説明図である。すなわち、信
号処理部25では、入力端子ブロック50には交流信号
電圧が入力し、増幅回路51でその交流信号電圧が増幅
される。
【0048】またフイルタ回路ブロック52では、増幅
回路51で増幅された交流信号電圧のうち必要な信号が
取り出され、整流回路ブロック53では取り出され信号
の全波整流が行われ、直流出力波形Aが得られる。
【0049】また矩形波変換ブロック54では、フイル
タ回路ブロック52の出力を方形波信号として出力す
る。位相調整ブロック55では、地表面電位差に相当す
る方形波信号電圧と、磁気信号に相当する方形波信号電
圧の位相ずれを調整する。
【0050】また論理発生ブロック56では、位相調整
ブロック55の出力によりハイレベル(TTLレベル)
またはローレベル(TTLレベル)の信号電圧を出力す
る。さらに論理回路ブロック57では、先ず排他的論理
和出力を求め、否定回路を通して出力する。
【0051】極性付加ブロック58では、論理回路ブロ
ック53から出力された直流信号に論理回路ブロック5
7からの論理値がハイレベル(TTLレベル)ならば正
の極性を、ローレベル(TTLレベル)ならば負の極性
を付加する。これで直流電圧波形Bが得られる。
【0052】このように得られた直流出力波形Aと直流
出力波形Bを零点を同じ位置に調整して出力すると、2
つの波形A,Bが分離している状態から最初に重なる点
が、たとえば図11および図12に示す防食塗覆装損傷
部A〜Lであることを認識することができる。
【0053】(本実施例の動作)次に本実施例の動作を
説明する。この説明においては、図1〜図14を用いて
説明する。
【0054】本実施例では、外面に防食塗覆装を施して
地中に敷設した図1〜図3の金属管10の防食塗覆装損
傷部14と、地盤に埋設した対極との間に発信器11か
ら交流信号電流を流し、この通電により地上に対して鋼
管軸と直角方向の磁気成分を磁気検出器19で検出する
とともに発信器11から交流信号電流によって生じる地
表面の電位差を、地表面を移動する受信装置16におけ
る車輪電極17、18により地表面電位差として検出す
る。
【0055】そして、この実施例では、このようにして
検出された検出信号を信号処理して図11および図12
の防食塗覆装損傷部A〜Lを判読できるようにするた
め、以下の信号処理をする。
【0056】すなわち、位相調整回路36では、車輪電
極17,18で検出された地表面の電位差と磁気検出器
19の検出出力の位相を調整する。またフイルタ回路3
2から出力された交流信号電圧を、整流回路34により
直流信号電圧に変換し波形Aを得るとともに、論理回路
ブロック57からの論理値によりこの直流信号電圧に正
負の極性を付加した波形Bを同時に得る。
【0057】この2つの波形の零点を同じ位置に調整し
て出力すると、二つの波形が分離している状態から最初
に重なる点を、金属管10の防食塗覆装損傷部14と
し、その防食塗覆装損傷部14を図4に示す印刷部26
に直流電圧波形として表示することができる。
【0058】これをさらに説明すると、図5および図6
の説明において、受信装置16を矢印Aの方向に受信装
置16Aの位置まで移動させたとき、金属管10に防食
塗覆装損傷部14があることを地表面電位差検出器とし
て機能する車輪電極17,18と磁気検出器19の検出
値にしたがって診断する。
【0059】たとえば、図5の受信装置16が防食塗覆
装損傷部14へ向かうときの極性は、図6に示すように
信号電流による磁気(VS)の極性と、信号電流による
大地の電位(VB)の極性の2つの関係は逆相関にな
る。
【0060】これに対して受信装置16が防食塗覆装損
傷部14を通過した後には、図6に示すように信号電流
による磁気(VS)の極性と、信号電流による大地の電
位(VB)の極性の2つの関係は正相関になる。
【0061】すなわち、本実施例では、信号電流による
磁気(VS)の極性と、信号電流による大地の電位(V
B)の2つの関係が逆相関になっているとき、受信装置
16が防食塗覆装損傷部14へ向かっていることが認識
でき、正相関になっているとき、受信装置16が防食塗
覆装損傷部14を通過していることを認識することがで
きる。
【0062】以上に説明した信号処理を図9の模式説明
図にしたがってさらに説明する。この図9において、信
号処理部25では、入力端子ブロック50には交流信号
電圧が入力し、増幅回路51でその交流信号電圧が増幅
される。
【0063】またフイルタ回路ブロック52では、増幅
回路51で増幅された交流信号電圧のうち必要な信号が
取り出され、整流回路ブロック53ではその信号の全波
整流が行われて直流出力の波形Aを得る。
【0064】また矩形波変換ブロック54では、フイル
タ回路ブロック52の出力を方形波信号電圧として出力
する。位相調整ブロック55では、地表面電位差信号に
相当する方形波信号電圧と、磁気信号に相当する方形波
信号電圧の位相ずれを調整する。
【0065】また論理発生ブロック56では、位相調整
ブロック55の出力によりハイレベル(TTLレベル)
またはローレベル(TTLレベル)の信号電圧を出力す
る。さらに論理回路ブロック57では、排他的論理和出
力を求め、否定回路を通して出力する。
【0066】極性付加ブロック58では、整流回路ブロ
ック53から出力された直流信号に論理回路ブロック5
7からの論理値がハイレベル(TTLレベル)ならば正
の極性を、ローレベル(TTLレベル)ならば負の極性
を付加する。これで直流電圧波形Bが得られる。
【0067】したがって、本実施例では、整流回路ブロ
ック53からの信号を直接出力した直流電圧波形Aと、
整流回路ブロック53からの信号に論理回路ブロック5
7の理論値を付加した直流電圧波形Bとの2種類の直流
電圧波形の零点を同じ位置に調整して出力すると、2つ
の波形A,Bが分離している状態から最初に重なる点
が、たとえば図11および図12に示す防食塗覆装損傷
部A〜Lであることを認識することができる。
【0068】さらに、本実施例では、金属管10の防食
塗覆装損傷部14の位置を正確に診断するため、先に例
示した図1〜図3の信号処理部25による信号処理によ
り、1周期の長さが短い信号波形のどこに防食塗覆装損
傷部14があるかを判読できない場合、すなわち金属管
10に防食塗覆装損傷部14が多くあり、それらの防食
塗覆装損傷部14と他のある防食塗覆装損傷部14の間
が僅かである場合にあっても、防食塗覆装損傷部14の
判読に熟練を要さずだれでも容易に判読することができ
るので、使い勝手を向上させることができる。
【0069】したがって、本実施例では、直流電圧波形
から防食塗覆装損傷部14を診断する埋設管の防食塗覆
装損傷部14を示す位置が近接して複数ある場合でも、
その埋設管の防食塗覆装損傷部14がどこであるかを熟
練などによらずにだれでも容易に判読することができる
から、便利かつ使い易くなる。
【0070】図13の特性図においては、図1〜図3の
印刷部26の出力であるチャート紙の左側から右側に受
信装置16を走行させ、防食塗覆装損傷部14Aに近づ
くと2つの信号が上下にわかれ始める。
【0071】そして、防食塗覆装損傷部14Aの真上で
は、2つの信号が1つに重ね合わされる。このとき、次
の損傷部14Bに近づいてくると、ふたたび2つの信号
が上下に分かれ始める。
【0072】図14の特性図においては、たとえば5m
以内のように接近している防食塗覆装損傷部14C,1
4Dの防食塗覆装損傷部の中間位置Cを有するものであ
ってもすみやかにかつ判読することができる。
【0073】実施例として、図11においては、さらに
防食塗覆装損傷部A、防食塗覆装損傷部B付近のような
複雑な信号パターンであっても明確に防食塗覆装損傷部
を判読することができる。
【0074】これにより、上記実施例のごとく、表示部
の防食塗覆装損傷部を表す直流電圧波形A,Bから金属
管の防食塗覆装損傷部を容易に診断することができる。
【0075】
【発明の効果】
(1)第1の発明によれば、電波管理法による規制や長
時間による位相ズレの影響を受けることなく、正確かつ
緻密な埋設管の防食塗覆装損傷部の検出を行って、埋設
管の防食塗覆装損傷部の損傷を診断することができるの
で、定期的に埋設管の診断を行うことにより、たとえば
埋設管からのガス漏れや水漏れ事故による損害を未然に
食い止めることができるという効果を得ることができ
る。 (2)第2の発明によれば、表示部の防食塗覆装損傷部
を表す直流電圧波形から埋設管の防食塗覆装損傷部を診
断することができ、たとえば直流電圧波形から防食塗覆
装損傷部を診断する埋設管の防食塗覆装損傷部を示す位
置が近接して複数ある場合でも、その防食塗覆装損傷部
がどこであるかを熟練などによらずにだれでも容易に判
読することができるという効果を得ることができる。
【0076】また第2の発明によれば、防食塗覆装損傷
部の位置が、5m以下の距離で複数個近接している場合
でも、埋設管の防食塗覆装損傷部がどこであるかを容易
に認識させることができる装置を提供することができる
という効果も得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明埋設管の防食塗覆装損傷部診断方
法とその装置の実施例を示す概要説明図である。
【図2】図2は本発明の実施例における平面図である。
【図3】図3は本発明の実施例における側面図である。
【図4】図4は本発明の実施例における前面図である。
【図5】図5は本発明の実施例における原理説明図であ
る。
【図6】図6は本発明の実施例における原理を説明する
ための参考図である。
【図7】図7は本発明の実施例における信号処理部のブ
ロック図である。
【図8】図8は本発明の実施例における信号処理部のブ
ロック図である。
【図9】図9は本発明の実施例における信号処理部の模
式図である。
【図10】図10は本発明の実施例における信号処理部
の具体的回路図である。
【図11】図11は本発明の実施例を示す図である。
【図12】図12は本発明の実施例を示す図である。
【図13】図13は本発明の方法または装置を適用して
得られた特性図の例である。
【図14】図14は本発明の方法または装置を適用して
得られた特性図の例である。
【符号の説明】
10 埋設管 11 発信機 12 接地端子 13 大地 14 防食塗覆装損傷部 15 車輪 16 受信装置 17 車輪電極 18 車輪電極 19 磁気検出器 20 地表面 21 手押し部 25 信号処理部 26 印刷部 27 表示パネル部 30 増幅部 31 増幅部 32 フイルタ 33 フイルタ 34 整流回路 36 位相調整回路 37 論理回路 38 信号調整部 40 方形波変換部 41 方形波変換部 42 コントローラ 50 入力端子ブロック 51 増幅回路ブロック 52 フイルタ回路ブロック 53 整流回路ブロック 54 矩形波変換ブロック 55 位相調整ブロック 56 論理発生ブロック 57 論理回路ブロック 58 極性付加ブロック

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外面に防食塗覆装を施して地中に敷設
    した金属管に交流信号電流を流し、この通電により生じ
    る磁気成分を磁気検出器により検出する一方、前記交流
    信号によって生じる地表面の電位差を同時に検出し、こ
    れらの二種類の検出信号のうち、前記地表面電位差を整
    流したものを出力の一つとし、前記地表面電位差と前記
    磁気検出器との位相関係により整流した値に正負の極性
    を付加したものを出力の他の一つとし、これらの二つの
    出力信号の零点を同じ位置にすると、二つの信号波形が
    分離している状態から最初に重なる点を金属管の防食塗
    覆装損傷部とし、その防食塗覆装損傷部を直流電圧波形
    として表示し、その直流電圧波形から防食塗覆装損傷部
    を診断する、埋設管の防食塗覆装損傷部診断方法。
  2. 【請求項2】 外面に防食塗覆装を施して地中に敷設し
    た金属管の防食塗覆装損傷部を検出する装置であり、 地盤に埋設した対極との間に発信機から交流信号電流を
    流す発信機と、 この発信機からの通電により地上に対して鋼管軸と直角
    方向の磁気成分を検出する磁気検出器と、 また発信機からの交流信号電流によって生じる地表面の
    電位差を、地表面を移動するセンサにより検出する地表
    面電位差検出器と、 この地表面電位差検出器で検出された地表面の電位差の
    出力と、磁気検出器で検出された出力との位相を調整す
    る位相調整器と、 この位相調整器で調整された地表面電位差検出器からの
    交流信号を全波整流する整流器と、 この整流器で全波整流された直流信号に地表面電位差検
    出器からの出力と磁気検出器からの出力が同位相ならば
    正、逆位相なら負の極性を付加する論理回路部と、 この論理回路部により正または負の極性を付加された直
    流信号および、この論理回路部とは関係なく地表面電位
    差検出器から出力された直流信号の二種類の信号波形
    を、零点を同じ位置に調整して出力する表示部とを備え
    た、埋設管の塗覆装損傷部診断装置。
JP12528195A 1995-05-24 1995-05-24 埋設管の防食塗覆装損傷部診断方法とその装置 Pending JPH08320308A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12528195A JPH08320308A (ja) 1995-05-24 1995-05-24 埋設管の防食塗覆装損傷部診断方法とその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12528195A JPH08320308A (ja) 1995-05-24 1995-05-24 埋設管の防食塗覆装損傷部診断方法とその装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08320308A true JPH08320308A (ja) 1996-12-03

Family

ID=14906199

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12528195A Pending JPH08320308A (ja) 1995-05-24 1995-05-24 埋設管の防食塗覆装損傷部診断方法とその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08320308A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3073279A4 (en) * 2013-11-19 2018-01-03 Hyun Chang Lee Mobile electric leakage detection device and method
CN108254434A (zh) * 2018-02-11 2018-07-06 广东省特种设备检测研究院顺德检测院 一种埋地管道免开挖磁感检测的探头阵列装置及检测方法
KR20220064581A (ko) * 2020-11-12 2022-05-19 앤스코 주식회사 지중 매설관의 피복결함 여부를 탐상하기 위한 이동형 다전극 탐상장치

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3073279A4 (en) * 2013-11-19 2018-01-03 Hyun Chang Lee Mobile electric leakage detection device and method
EP3418757A1 (en) * 2013-11-19 2018-12-26 Hyun Chang Lee Mobile electric leakage detection device and method
CN109406925A (zh) * 2013-11-19 2019-03-01 李铉昌 移动漏电检测装置和方法
US10495679B2 (en) 2013-11-19 2019-12-03 Hyun Chang Lee Mobile electric leakage detection device and method
US10520540B2 (en) 2013-11-19 2019-12-31 Hyun Chang Lee Survey signal transmitter
US10996285B2 (en) 2013-11-19 2021-05-04 Hyun Chang Lee Method of detecting earth leaking point without interrupting a power supply
CN109406925B (zh) * 2013-11-19 2021-05-28 李铉昌 勘测电压变送器和勘测电流变送器
CN108254434A (zh) * 2018-02-11 2018-07-06 广东省特种设备检测研究院顺德检测院 一种埋地管道免开挖磁感检测的探头阵列装置及检测方法
CN108254434B (zh) * 2018-02-11 2022-02-01 广东省特种设备检测研究院顺德检测院 一种埋地管道免开挖磁感检测的探头阵列装置及检测方法
KR20220064581A (ko) * 2020-11-12 2022-05-19 앤스코 주식회사 지중 매설관의 피복결함 여부를 탐상하기 위한 이동형 다전극 탐상장치

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10996285B2 (en) Method of detecting earth leaking point without interrupting a power supply
CN101782621B (zh) 一种在电缆护层故障探测中判断故障点方位的方法和装置
US8228078B2 (en) Method and device for monitoring and detecting the coating defects of underground or underwater pipelines
SK3172000A3 (en) Eddy current pipeline inspection device and method
CN100430743C (zh) 直敷式电缆护层故障的定向与定位测量方法及其测量装置
JPH08320308A (ja) 埋設管の防食塗覆装損傷部診断方法とその装置
JP4044303B2 (ja) 2種類の周波数信号を用いた埋設金属管類の防食被覆損傷位置検出方法
JPH049469B2 (ja)
US4689552A (en) Method and device for detecting insulation damage to a buried object
JP2005091191A (ja) 埋設金属管の塗覆装欠陥部検出方法
JP4106202B2 (ja) 積算手段を用いた埋設金属管類の防食被覆損傷位置検出方法
JP3670241B2 (ja) 地中埋設管の損傷監視装置と損傷監視方法
JP3167654B2 (ja) 埋設金属管の防食被覆損傷位置探査方法とその装置
JPH06249820A (ja) 防食電位推定方法
JPH0712950A (ja) 埋設管の位置及び防食電流検出方法とその装置
JP3451348B2 (ja) 埋設塗覆装鋼管の塗膜損傷検出方法
JP3932282B2 (ja) 埋設配管の防食被覆損傷検知装置
JPS63191049A (ja) 埋設金属管類の防食被覆損傷位置検出方法
JPH07270483A (ja) 送電線故障方向判別装置
CN113533856B (zh) 一种轨道对地电导率的测试装置及方法
JP2001004575A (ja) 埋設塗覆装鋼管の塗膜損傷検出方法
CN201637810U (zh) 一种在电缆护层故障探测中判断故障点方位的装置
JP4029118B2 (ja) 埋設金属管のメタルタッチ部検出方法
JPS61209349A (ja) 埋設金属管類の防食被覆損傷位置検出方法
JPH1082865A (ja) 地中埋設管の位置探査法