JPH08320224A - レベル調整機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 オートレベルの水平設定及び高低差調整を容
易にかつ迅速に行うことのできるオートレベルのレベル
調整機を提供することを目的とする。 【構成】 上層部１４に載置されたオートレベル本体は
上下移動機構１６の駆動軸２０によって上層部１４の水
平が維持された状態で上下移動するので、オートレベル
の水平設定及び高低差調整を容易にかつ迅速に行うこと
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、レベル調整機、特に測
量等を行う場合に使用する水準儀（レベル）等の高さ設
定を行うレベル調整機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、測量等を行う場合には水準儀（レ
ベル）等の測量機器を用い地形の高低差や建造物の傾き
等を調べている。前記水準儀のうち、例えばオートレベ
ルは測量の際の雑振動やその他の振れを防止する機能を
備えているが、それらの機能を発揮するためには、オー
トレベルの設置に際して、該オートレベルを載置する三
脚上で傾き調整機構等によってオートレベル本体の十分
な水平調節が必要になる。また、正確な測量を行うため
には測量対象の基準レベルとオートレベル本体の基準ゲ
ージとの高低差を正確に合わせる必要がある。

【０００３】図３は従来の水平調整機（傾き調整機構）
を有するオートレベルが三脚上に載置された状態を示す
斜視図である。三脚１００には水平調整機構１０２を介
して、オートレベル本体１０４が配置されている。前記
水平調整機構１０２には１２０°間隔で均等配置された
３本の俯仰ネジ（水平調節ネジ）１０６（２本のみ図
示）が設けられている。また、オートレベル本体１０４
の望遠鏡部１０８と平行な平面部１０４ａには水準器
（円形気ホウ管）１１０が設けられている。

【０００４】オートレベル本体１０４の水平調整を行う
場合には、まずオートレベル本体１０４を載置する三脚
を固定した後、水準器１１０内の気ホウを目視しながら
水平調整機の３本の俯仰ネジ１０６を回し、オートレベ
ル本体１０４の傾き調整（水平調整）を行う。その後、
再度三脚１００の脚１１２や俯仰ネジ１０６の微調整を
行い、測量対象の建造物等の基準レベルと望遠鏡部１０
８内の基準ゲージ（不図示）との高低差を合わせてオー
トレベルの設定を行い測量を開始していた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のオート
レベルの設定は、オートレベル本体１０４の水平設定作
業と、基準レベルとの高低差調整作業とがある。従っ
て、設定作業を行う場合、脚１１２や俯仰ネジ１０６を
用いて、オートレベル本体１０４の水平設定と、測基準
レベルとの高低差調整とを順次行うか、或いは同時進行
で行う必要があり、設定作業が繁雑になるという問題が
あった。特に、前記設定作業を順次行う場合、一度調整
したオートレベル本体１０４の水平状態を脚１１２や俯
仰ネジ１０６の操作によって崩してしまうため、設定作
業が効率的にできないという問題があった。

【０００６】この発明は係る課題を解決するためになさ
れたもので、オートレベルの水平設定及び高低差調整を
容易にかつ迅速に行うことのできるオートレベルのレベ
ル調整機を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、第１として、三脚に搭載されるオートレベ
ルの高さ調整を行うレベル調整機であって、オートレベ
ル本体を支持するレベル支持部と、前記レベル支持部の
水平を維持しつつ該レベル支持部を上下移動する上下移
動機構と、を有することを特徴とする。

【０００８】また、第２として、前記上下移動機構は、
水平調整可能な水平調整機構に支持されていることを特
徴とする。

【０００９】さらに、第３として、前記上下移動機構は
ネジ機構によって上下移動することを特徴とする。

【００１０】

【作用】上記第１の構成によれば、レベル支持部に載置
されたオートレベル本体は上下移動機構によってレベル
支持部の水平が維持された状態で上下移動するので、オ
ートレベルの水平設定及び高低差調整を容易にかつ迅速
に行うことができる。

【００１１】また、第２の構成によれば、水平調整可能
な水平調整機構がレベル支持部を支持しているので、オ
ートレベルの水平設定を行った後、容易に高低差調整を
行うことができる。

【００１２】さらに、第３の構成によれば、上下移動機
構はネジ機構によって上下移動するので、容易にかつ正
確な上下移動調整を行うことができる。

【００１３】

【実施例】以下、本発明の好適な実施例を図面に基づき
説明する。

【００１４】図１はレベル調整機１０の外観斜視図であ
り、図２は図１に示すレベル調整機１０の要部断面図で
ある。このレベル調整機１０は図３の従来例と同様に下
面側の下層部１２の固定手段、例えば雌ネジ１２ａによ
って三脚に固定可能であり、上面側の上層部１４の固定
手段、例えば雄ネジ１４ａによってオートレベル本体１
０６（図３参照）を固定することができる。

【００１５】本実施例の特徴的事項は、前記下層部１２
と上層部１４との間に前記上層部１４の水平状態を維持
したまま上下に移動する上下移動機構を有しているとこ
ろである。

【００１６】上下移動機構１６は下層部１２上に１２０
°間隔で均等配置された３本の俯仰ネジ（水平調節ネ
ジ）１８によって支持され、俯仰ネジ１８をそれぞれ調
整することによって、上下移動機構１６を水平状態にす
ることができる。したがって、三脚が水平面に設置され
ない場合でも容易に水平状態を得ることができる。

【００１７】上下移動機構１６の内部には、オートレベ
ル本体１０４を支持するレベル支持部としての上層部１
４と一体化された駆動軸２０を有している。この駆動軸
２０は表面にネジ部２０ａを有し、さらに、この駆動軸
２０の下端には、ピニオンギア２２を介してモータ２４
の駆動力が伝達されるギア２６が固定されている。ま
た、駆動軸２０やモータ２４等を収納するケース２８の
上面には前記駆動軸２０を進退自在に支持する開口部２
８ａが設けられている。この開孔部２８ａの表面には前
記駆動軸２０の表面のネジ部２０ａと噛合可能なネジ部
が形成され、駆動軸２０が前記モータ２４の駆動に伴っ
て回転し、上下移動する時のガイドとして機能し、ガタ
ツクことなく上層部１４を上下移動させる。つまり、モ
ータ２４の駆動に伴ってギア２６はピニオンギア２２上
を上下方向（軸方向）に滑りながら回転する。駆動軸２
０による上下調整範囲は、例えば２ｃｍ程度の上下移動
調整ができれば十分である。なぜなら、三脚１００の設
置時に大体の上下位置調整を行うことができるので、上
下移動の調整範囲は望遠鏡部１０８の視野範囲内で行え
れば十分であるからである。また、精密な上下移動を行
うために駆動軸２０の表面のネジ部２０ａのピッチは
０．５ｍｍ程度が望ましい。なお、前記ギア２６は回転
軸３０を有し、該回転軸３０はドライベアリング３２等
の支持手段によって回転及び上下方向の摺動が可能に支
持されている。したがって、ギア２６が下方に移動した
場合、回転軸３０がケース２８の下面から突出できるよ
うに構成されている。尤も、ケース２８が回転軸３０の
上下移動を吸収できる程度の大きさを有する場合はその
必要はない。

【００１８】この他、上下移動機構１６の内部には、前
記モータ２４を駆動する電源３４や前記モータ２４の正
回転・逆回転を行い上層部１４を上下移動させるポータ
ブルスイッチ３６を接続するコネクタ３８等を有してい
る。前記ポータブルスイッチ３６の設けられた下降ボタ
ン３６ａ、上昇ボタン３６ｂは押下している時のみモー
タ２４を正転または逆転させるスイッチであることが望
ましい。

【００１９】図１、図２を用いてレベル調整機の動作に
ついて説明する。なお、オートレベル本体や水準器等は
図３を参照する。まず、ポータブルスイッチ３６の下降
ボタン３６ａを押下し、モータ２４を例えば逆回転させ
て上層部１４を最下位置に移動させる。この状態で水平
調整を行う。つまり、従来の水平調整と同様に、オート
レベル本体１０４を載置する三脚１００を固定し、脚１
１２を調整して測量対象に対してオートレベル本体１０
４の大体の高さ調整を行う。そして、水準器１１０内の
気ホウを目視しながら下層部に設けられた３本の俯仰ネ
ジ１８を回し、オートレベル本体１０４の傾き調整を行
い、水準器１１０内の気ホウに従った水平調整を行う。

【００２０】次に、望遠鏡部１０８内部の基準ゲージと
測量対象の建造物等の基準レベルとを一致させるため
に、ポータブルスイッチ３６の上昇ボタン３６ｂを押下
し、モータ２４を例えば正回転させてオートレベル本体
１０４を搭載する上層部１４を所望量だけ水平を維持し
たまま上昇させて高低差調整を行う。なお、駆動軸２０
の回転に伴い上層部１４も回転するが、オートレベル本
体１０４と上層部１４との接続部または、望遠鏡部１０
８の接続部にはベアリング等の水平回転手段が内蔵さ
れ、上層部１４が回転した場合でも望遠鏡部１０８を所
望の方向に向けられるように構成されている。

【００２１】このように、オートレベル本体は上下移動
機構によってレベル支持部の水平が維持された状態で上
下移動するので、オートレベルの水平設定及び高低差調
整を容易にかつ迅速に行うことができる。

【００２２】なお、本実施例では上下移動機構の水平調
整を俯仰ネジ１８を手動によって回転することによって
設定する例を説明したが、モータ等の駆動手段と水平検
出センサ等を組み合わせて自動設定できるようにしても
よい。

【００２３】また、本実施例では、電源３４を上下移動
機構１６内部に設けた例を説明したが、ポータブルスイ
ッチ３６側に設けてもよい。

【００２４】

【発明の効果】本発明のレベル調整機によれば、レベル
支持部に載置されたオートレベル本体は上下移動機構に
よってレベル支持部の水平が維持された状態で上下移動
するので、オートレベルの正確な水平設定及び高低差調
整を容易にかつ迅速に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係るレベル調整機の外観斜視図であ
る。

【図２】 本発明に係るレベル調整機の要部断面図であ
る。

【図３】 三脚に載置されたオートレベルの斜視図であ
る。

【符号の説明】

１０ レベル調整機、１２ 下層部、１４ 上層部、１
６ 上下移動機構、１８ 俯仰ネジ（水平調節ネジ）、
２０ 駆動軸、２２ ピニオンギア、２４ モータ、２
６ ギア、２８ ケース、３６ ポータブルスイッチ、
１００ 三脚、１０４ オートレベル本体、１０８ 望
遠鏡部、１１２ 脚。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 三脚に搭載されるオートレベルの高さ調
   整を行うレベル調整機であって、 オートレベル本体を支持するレベル支持部と、 前記レベル支持部の水平を維持しつつ該レベル支持部を
   上下移動する上下移動機構と、 を有することを特徴とするレベル調整機。
2. 【請求項２】 請求項１記載のレベル調整機において、 前記上下移動機構は、水平調整可能な水平調整機構に支
   持されていることを特徴とするレベル調整機。
3. 【請求項３】 請求項１または請求項２記載のレベル調
   整機において、 前記上下移動機構はネジ機構によって上下移動すること
   を特徴とするレベル調整機。