JPH08319150A - セラミックス部材及びその製造方法 - Google Patents

セラミックス部材及びその製造方法

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JPH08319150A
JPH08319150A JP7156616A JP15661695A JPH08319150A JP H08319150 A JPH08319150 A JP H08319150A JP 7156616 A JP7156616 A JP 7156616A JP 15661695 A JP15661695 A JP 15661695A JP H08319150 A JPH08319150 A JP H08319150A
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JP
Japan
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ceramic member
fine particles
oxide fine
negative value
layer
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JP7156616A
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Tetsuaki Wakefuji
哲昭 分藤
Koichi Hayashi
浩一 林
Susumu Narita
進 成田
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Toto Ltd
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Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 可視光の透過率を低下させず紫外線のみをカ
ットし、温度変化に対しても劣化の起こらないセラミッ
クス部材を提供すること。 【構成】 主としてセラミックスよりなる部材にギブス
の標準生成エネルギー(ΔGf゜)が、セラミックス部
材を構成する酸化物のうちギブスの標準生成エネルギー
の最も小さな負値よりも大きな負値を有する少なくとも
一種以上の酸化物微粒子が均一に分散した層を形成し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可視光の透過率を低下
させずに紫外線を十分にカットするセラミックス部材及
びその製造方法に関する。特に、放電灯用の発光管及び
その外管に好適に利用できるセラミックス部材に関す
る。
【0002】
【従来の技術】水銀ランプやメタルハライドランプなど
の高輝度放電灯は、波長が約400nm以下の紫外線を
放射するものが多い。これらの紫外線は、発光物質に含
まれる水銀の波長に起因するものが多い。紫外線は、人
体に悪影響を及ぼしたり、放電灯の周りのプラスチック
や衣類を変色させるなどの問題点を抱えているため紫外
線を積極的に利用するような殺菌灯以外は、紫外線を放
射させないように工夫している。
【0003】例えば、特公平5−69259号には、石
英ガラスのセラミックス部材内壁又は外壁上に紫外線を
透過させない物質であるCeO層を形成したものの開
示がある。具体的には、セラミックス部材の表面にCe
の前駆体であるセリウムアルコレート溶液を塗布
し、焼成することで、セラミックス部材表面に均質なC
eO膜を形成しようとするものである。
【0004】この方法によれば、温度変化が少ないか室
温域においては、セラミックス部材を透過する紫外線を
カットできるが、メタルハライドランプのように点灯時
の高温度領域から消灯時の低温度領域まで急激に変化す
る温度変化に対しては、石英ガラスとCeOとの熱膨
張率の違いによりCeO膜にクラックが発生し、剥離
が生じるため紫外線が漏洩してしまうという問題点を抱
えている。また、石英にCeOを均一に分散させるに
は、石英製造時に極めて高温に加熱する必要があり、技
術的、経済的に困難な点が多々あるとされている。更
に、紫外線のカットに関しては、従来の多くは、340
nm以下の特に殺菌力(酸化力)があり通常は問題のあ
る波長を10%程度迄カットするに過ぎなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題に鑑
みなされたものであって、その要旨を、主としてセラミ
ックスよりなる部材にギブスの標準生成エネルギー(Δ
Gf゜)が、セラミックス部材を構成する酸化物の内ギ
ブスの標準生成エネルギー(ΔGf゜)の最も小さな負
値よりも大きな負値を有する少なくとも一種以上の酸化
物微粒子が均一に分散した層を有することを特徴とする
セラミックス部材とする。
【0006】また、主としてセラミックスよりなる部材
にTiO(ルチル)微粒子とTiO(ルチル)のギ
ブスの標準生成エネルギー(ΔGf゜)の負値よりも大
きな負値を有する少なくとも一種以上の酸化物微粒子と
が均一に分散した層を有することを特徴とするセラミッ
クス部材とする。
【0007】更に、アルカリ金属含有率が10ppm以
下で平均粒径が10μm以下のSiO粒子を主体とし
て、それにSiOのギブスの標準生成エネルギー(Δ
Gf゜)の負値よりも大きな負値を有する少なくとも一
種以上の酸化物微粒子を合計量で100ppm以上80
0ppm以下を添加し、分散媒体と共に混合しスラリー
を得る工程、得られたスラリーを多孔質の型に鋳込み成
形体を得る工程、成形体を焼成しセラミックス部材を得
る工程を有することを特徴とするセラミックス部材を製
造する方法とする。
【0008】以下、詳述する。セラミックス部材を構成
する主たるセラミックスとしては、石英ガラス(SiO
)、アルミナ(Al)、部分安定化ジルコニア
(ZrO+Y)イットリア−アルミナ−ガーネ
ット(YAG)等が挙げられる。これらのセラミックス
は、例えば、放電灯用の発光管内に封入する発光物質に
対する耐ハロゲン性を高めるために、99.9%以上の
高純度の原料を利用したものが望ましい。特に、アルカ
リ金属は、腐食を促進するとされているので、アルカリ
金属の含有量を10ppm以下とすることが望ましい。
これらのセラミックスは、粉体として使用し、下記する
紫外紫外線吸収に用いる酸化物粒子と混合してセラミッ
クス部材原料とする。セラミックス粉体の平均粒径とし
ては、30μm以下望ましくは20μm以下の粒子を利
用する。30μm以上であると、紫外紫外線吸収に用い
る酸化物粒子の分散状態にむらができ、紫外線を透過す
る欠陥ができるからである。
【0009】また、紫外線吸収に用いる酸化物微粒子と
しては、セラミックス部材を構成する酸化物のうち、ギ
ブスの標準生成エネルギー(ΔGf゜)が最も小さい負
値を有する酸化物よりも大きな負値を有する酸化物を利
用できる。例えば、石英ガラスよりなるセラミックス部
材であれば、SiOの−856.7KJ/molより
も大きな酸化物を利用すれば良い。すなわち、CeO
(−1025KJ/mol)、Sc(−181
9.4KJ/mol)、La(−1706KJ/
mol)、TiO(−890KJ/mol)、Ta
(−1911KJ/mol)、Ho(−17
91KJ/mol)、Y(−1727KJ/m
ol)、Yb(−1727KJ/mol)、Dy
(−1772KJ/mol)、Lu(−1
789KJ/mol)、Nb(−1766KJ/
mol)等が利用できる。これらの酸化物は、複数種利
用しても構わない。
【0010】また、例えば、紫外線吸収能に優れている
と言われるTiO(ルチル)を基に他の酸化物を複合
して用いる場合には、セラミックス部材の主組成が、上
記したセラミックスであれば、一番小さな負値を持つT
iO(ルチル)の−890KJ/molよりも大きな
負値をもつ酸化物を利用すればよい。
【0011】上記した紫外線吸収に用いる酸化物微粒子
の原料の粒径としては、5nm〜100nmが好適に利
用できる。5nm未満や100nmより大きい粒子で
は、セラミックス部材素材への分散が、均一にならず多
少の欠陥が生じ、紫外線を十分にカットできない。添加
量としては、上記酸化物微粒子が均一に分散した層中に
100ppm以上800ppm以下添加するようにす
る。100ppm以下では、紫外線を十分にカットでき
ず、800ppm以上であると可視光の透過率が低下し
てしまう。
【0012】セラミックス部材を構成する主たる材料で
ある上記した石英ガラス等と紫外線吸収に用いる酸化物
粒子は、水やメタノール、エタノール等のアルコール
類、ホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド
類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類の分散
媒体と共にボールミルで12時間以上十分に混合し、セ
ラミックス部材の原料とする。
【0013】また、透光性を阻害せずに340nm以下
の紫外線を完全にカットする為には、セラミックス部材
に形成する紫外線吸能を有する酸化物微粒子が均一に分
散した層は、少なくとも0.7mm以上の厚みが必要で
ある。0.7mm未満であると紫外線が透過する欠陥が
存在してしまうからである。層の状態としては、セラミ
ックス部材全体であっても、内面や外面から前記厚み分
設けても、また、中間層として設けてもよい。すなわ
ち、紫外線の放射方向に対して紫外線を厚み方向の何処
かで遮るように配置(紫外線に対して光学的に不透明な
構成)にすればよい。
【0014】上記した原料を用いて、セラミックス部材
を製造する方法としては、鋳込成形、押し出し成形等種
々の成形方法が適用できるが、セラミックス部材の形状
の自由度を考慮すると鋳込成形が好適に利用できる。特
に、紫外線吸能を有する酸化物微粒子が、均一に分散し
た層をセラミックス部材の一部、例えば、表層に設ける
ような場合には、鋳込成形によれば、セラミックス部材
を構成する原料のスラリーと紫外線吸能を有する酸化物
微粒子が、均一に分散したスラリーを準備し、この順に
スラリー流し込んで、着肉させることで形成できる。
【0015】成形したセラミックス部材は、1200〜
1800℃で真空、大気、N、Ar、H等の雰囲気
で焼成すればよい。また、この後、高温高圧下におい
て、熱間静水圧処理(HIP)を施してもよい。HIP
処理は透明度、強度を高める点で優れている。
【0016】
【作用】セラミックス部材内に紫外線吸収能を有する酸
化物微粒子を均一に分散させた層を所定厚み設けること
で、紫外線は、セラミックス部材内で透過する前に、酸
化物微粒子(及び/又は、金属イオン)に接触し、吸収
されることになる(図1参照)。セラミックス部材にp
pmオーダーで均一に分散させた状態であるので、可視
光はこれを無視して透過できる。また、微粒子であるこ
とに起因して、従来の膜に発生するような熱応力が集中
せず、更に、ギブスの標準生成エネルギー(ΔGf゜)
の負値を大きなもので構成しているので、金属ハロゲン
化物に対しても安定である。
【0017】
【実施例】
(実施例1)アルカリ金属含有率が10ppm以下で平
均粒径が20μm以下のSiO微粒子にエチルアルコ
ールを分散溶媒としてCeOゾル(W−15:多木化
学(株))を800ppm以下好ましくは500ppm
となるように添加したすラリーをZrOポットにZr
製ボールを72rpmで12時間混合した。得られ
たスラリーを樹脂型に鋳込み、成形体を得、この成形体
を150℃×1時間(空気中)で乾燥させた後、一旦、
ハンドリングをしやすくする為、900℃で仮焼し、あ
る程度の強度を確保した。その後、仮焼体をEDTA溶
液に浸潰し、不純物として存在するCa分の除去を行っ
た。焼成方法としては、リングの中心に複数の火炎口が
向くように配置されたリングバーナーのリング内に仮焼
体を位置させ、1700℃以上の炎の温度で、これを回
転させ、且つ上下方向に動かせながら均一に焼成せしめ
る。又は、真空炉で10−4torr以上で焼成する。
加熱パターンは、1時間で1400℃迄昇温させ、10
分間キープし、更に、短時間(1分程度)で1450〜
1490℃(これ以上であると製品が軟化する。)迄昇
温させ、1分間キープした後、5分以内で1000℃迄
冷却(5分以上かけるとガラスの結晶化が促進し冷却時
に製品が崩壊する。)させ焼成を完了する。得られた放
電灯用の発光管を分光光度計で測定した直線透過率の結
果を図2に示す。
【0018】また、上記した発光管内に金属ハロゲン化
物を封入し、JISに従いながら1000時間、発光管
の熱サイクル試験(最高温度1200℃)を試みたが、
セラミックス部材内表面にクラック等の欠陥は観察され
ない。また、金属ハロゲン化物により発光管の腐食、反
応痕(失透)等も見られていない。
【0019】(実施例2)実施例1において、紫外線吸
収能を有する酸化物をCeOの代わりに、CeO
TiOの複合物にした以外は同様にし、結果を図2に
示す。表からCeOとTiOの添加量は、合計で1
00ppmより大きく800ppmより小さくすること
がよく、且つ、TiO2の添加量を50ppmとする。
TiOの添加量が、50ppmより小さいと250
〜300nmの波長を多少透過してしまう。CeO
けに比べTiOを微量添加することで、340nm以
下の紫外線を全てカットできている。
【0020】また、上記した発光管内に金属ハロゲン化
物を封入し、JISに従いながら1000時間、発光管
の熱サイクル試験(最高温度1200℃)を試みたが、
セラミックス部材内表面にクラック等の欠陥は観察され
ない。また、金属ハロゲン化物により発光管の腐食、反
応痕(失透)等も見られていない。
【0021】尚、本発明の構成では、例えば、放電灯か
ら放射する赤外線をも反射させる効果も期待できる。即
ち、Ta、Nb等の酸化物のようにギブスの標準生成エ
ネルギーの負値の大きな微粉体を利用することにより容
易に達成される。特に、放電灯では、発光管内の温度を
上昇させ、発光管内のハロゲンサイクルを円滑に回す為
にも有効にも寄与する。したがって、紫外線及び赤外線
を同時にカットするのであれば、例えば、Ta、Nbと
Ti、Ceとの酸化物微粉末を同時に混合すればよい。
【0022】
【発明の効果】本発明は、セラミックス部材に均一に紫
外線吸収能を有する酸化物を分散させる構成としたの
で、セラミックス部材内からの紫外線を透過させず、且
つ、温度変化に対しても初期の高い強度を維持し、十分
な耐ハロゲン性を有し、クラック等の欠陥を形成しない
セラミックス部材を提供できる。
【0023】また、原料として、粉体を利用し、紫外線
吸収能を有する酸化物の微粒子をppmオーダーで添加
し、成形したので、従来のようにセラミックス部材のバ
ルク体を高温で加熱溶融し分散させることをしないで、
セラミックス部材内に紫外線吸収能を有する微粒子を均
一に分散できるため安価である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のセラミックス部材の紫外線をカット
する状態を示す模式図
【図2】 本発明のセラミックス部材の波長とその直線
透過率を示すグラフ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主としてセラミックスよりなる部材にギ
    ブスの標準生成エネルギー(ΔGf゜)が、セラミック
    ス部材を構成する酸化物のうちギブスの標準生成エネル
    ギー(ΔGf゜)の最も小さな負値よりも大きな負値を
    有する少なくとも一種以上の酸化物微粒子が均一に分散
    した層を有することを特徴とするセラミックス部材。
  2. 【請求項2】 請求項1の記載のセラミックス部材であ
    って、前記酸化物微粒子が均一に分散した層の1mm厚
    の可視光全透過率が90%以上、直線透過率が65%以
    上であることを特徴とするセラミックス部材。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のセラミックス部材であ
    って、前記酸化物微粒子が均一に分散した層が、少なく
    とも0.7mm以上の厚みを有することを特徴とするセ
    ラミックス部材。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のセラミックス部材であ
    って、前記酸化物微粒子の合計添加量は、100ppm
    以上800ppm以下とすることを特徴とするセラミッ
    クス部材。
  5. 【請求項5】 主としてセラミックスよりなる部材にT
    iO(ルチル)微粒子とTiO(ルチル)のギブス
    の標準生成エネルギー(ΔGf゜)の負値よりも大きな
    負値を有する少なくとも一種以上の酸化物微粒子とが均
    一に分散した層を有することを特徴とするセラミックス
    部材。
  6. 【請求項6】 請求項5の記載のセラミックス部材であ
    って、前記TiO(ルチル)を含む酸化物微粒子が均
    一に分散した層の1mm厚の可視光全透過率が90%以
    上、直線透過率が65%以上であることを特徴とするセ
    ラミックス部材。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載のセラミックス部材であ
    って、前記TiO(ルチル)を含む酸化物微粒子が均
    一に分散した層が、少なくとも0.7mm以上の厚みを
    有することを特徴とするセラミックス部材。
  8. 【請求項8】 アルカリ金属含有率が10ppm以下で
    平均粒径が20μm以下のSiO粒子を主体として、
    それにSiOのギブスの標準生成エネルギー(ΔGf
    ゜)の負値よりも大きな負値を有する少なくとも一種以
    上の酸化物微粒子を合計量で100ppm以上800p
    pm以下を添加し、分散媒体と共に混合しスラリーを得
    る工程、得られたスラリーを多孔質の型に鋳込み成形体
    を得る工程、成形体を焼成しセラミックス部材を得る工
    程を有することを特徴とするセラミックス部材を製造す
    る方法。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載のセラミックス部材の製
    造方法であって、前記酸化物微粒子の粒径が5nm以上
    340nm以下であることを特徴とするセラミックス部
    材の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002046120A1 (fr) * 2000-12-04 2002-06-13 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Composants optiques ceramiques et procede de fabrication correspondant

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002046120A1 (fr) * 2000-12-04 2002-06-13 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Composants optiques ceramiques et procede de fabrication correspondant
US6863842B2 (en) 2000-12-04 2005-03-08 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Ceramic optical components and production method therefor

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Effective date: 20040413