JPH08318594A - 生物付着防止管およびその製造方法 - Google Patents

生物付着防止管およびその製造方法

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JPH08318594A
JPH08318594A JP12836795A JP12836795A JPH08318594A JP H08318594 A JPH08318594 A JP H08318594A JP 12836795 A JP12836795 A JP 12836795A JP 12836795 A JP12836795 A JP 12836795A JP H08318594 A JPH08318594 A JP H08318594A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ふじつぼ、紫い貝、藻類のような海生物の付
着を防止する機能をもつ生物付着防止管の製造方法を提
供する。 【構成】 生物付着防止管1は、ベリリウム銅合金管2
の外周に電気絶縁性の樹脂管3を接合し、この樹脂管3
の外周に炭素鋼管4を接合して形成される。ベリリウム
銅合金管2の材料は、ベリリウム含有率が0.2〜2.
8重量%であり、Be−Cu合金、Be−Co−Cu合
金、Be−Co−Si−Cu合金またはBe−Ni−C
u合金からの群から選ばれるいずれか1種である。ベリ
リウム銅合金は、防汚機能の発揮効果と銅イオンの溶出
持続作用とを有することから、単なる銅合金と異なり、
海生物に対して大きな忌避効果を発揮し、また生物の付
着および繁殖を防止する効果が大である。この生物付着
防止管1は、耐久性に優れ、メンテナンスの必要がな
く、また毒性が極めて少なく、海生物の付着および繁殖
を効果的に防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ふじつぼ、紫い貝、藻
類のような海生物の付着を防止する機能をもつ生物付着
防止管の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】海生物の付着を防止する海洋構造体とし
ては、特開平6−72817号公報に示されるように、
ベリリウム銅合金を使用した生物付着防止管が本件出願
人により提案されている。この公報には、ベリリウム銅
合金は、防汚機能の発揮効果と銅イオンの溶出持続作用
とを有することから、単なる銅合金と異なり、海生物に
対して大きな忌避効果を発揮し、また生物の付着、およ
び繁殖を防止する効果が大であることが開示されてい
る。この生物付着防止管は、耐久性に優れ、メンテナン
スの必要がなく、また毒性が極めて少なく、海生物の付
着および繁殖を効果的に防止する生物付着防止管の製造
方法を提供している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、この生物付
着防止管にさらに改良を加え、その具体的な構造並びに
製造方法さらには製造時の工夫を随所に具現化した生物
付着防止管およびその製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明による生物付着防止管は、ベリリウム銅合金か
らなる管の外周に電気絶縁性の樹脂管を接合し、この樹
脂管の外周に保形管を接合し、前記ベリリウム銅合金
は、銅合金を主成分とし、ベリリウム含有率が0.2〜
2.8重量%であり、Be−Cu合金、Be−Co−C
u合金、Be−Co−Si−Cu合金またはBe−Ni
−Cu合金からの群から選ばれるいずれか1種であるこ
とを特徴とする。
【0005】前記ベリリウム銅合金管はスパイラル管で
あることが望ましく、前記保形管は溶接管であることが
望ましく、そのうち前記保形管は炭素鋼管であることが
さらに望ましい。本発明による生物付着防止管の製造方
法は、前記保形管の内部にベリリウム銅合金管を挿入
し、前記保形管の端部から突き出したベリリウム銅合金
管の端部を外側に折り曲げ加工し、次いでベリリウム銅
合金管と前記保形管の中心軸線を芯合わせし、次いでベ
リリウム銅合金管の外周部と前記保形管の内周部との間
に形成される隙間に樹脂を注入充填し、その後前記保形
管の両端部から突き出した突出部分を端面仕上げするこ
とを特徴とする。
【0006】このベリリウム銅合金管は帯状薄板をらせ
ん状に巻いて形成したスパイラル管であることが望まし
い。また製造時、前記スパイラル管と前記保形管との間
に形成される隙間にスペーサを挿入することが望まし
い。T字状の生物付着防止管の製造方法は、ベリリウム
銅合金管を保形管の内部に挿入し、外形がT字状の二重
管を形成し、この径内側のベリリウム銅合金管の外周部
と保形管の内周部との間の隙間に樹脂を注入充填し、こ
の注入充填時に傾斜することにより重力による注入樹脂
が均一に充填されることを特徴とする。その後に、上記
T字状管の製造後に切削工程を含むことが良い。熱収縮
による端面仕上げ加工するためである。樹脂充填時に揺
動することがよい。樹脂の均質な充填を行うためであ
る。
【0007】エルボ型の生物付着防止管の製造方法は、
エルボ型のベリリウム銅合金管をエルボ型の鋼管の内部
に挿入し、両者の間に樹脂を注入充填する。このエルボ
型のベリリウム銅合金管は、プレス成形して形成したも
のを使用するのが望ましい。この場合、エルボ型鋼管の
端部には直管部を形成することが望ましい。樹脂の注入
充填時にエルボ管を揺動することが望ましい。
【0008】生物付着防止管の端部同志を接続する方法
は、保形管のフランジと他方の保形管のフランジとを締
付結合するとき、ベリリウム銅合金管の端部に隙間を形
成し、この隙間の大きさは、海生物付着を防止するとと
もに、熱膨張でくっつかない程度の大きさをもつ隙間に
設定することを特徴とする。この場合、前記保形管のフ
ランジと他方の保形管のフランジとの間にパッキンを介
在させることがよい。また、保形管のフランジと他方の
保形管のフランジとをボルト締め結合するのがよい。
【0009】ベリリウム銅合金管の外周部とを保形管の
内周部との間に充填する樹脂は、 伸び率 :0.2%以上 体積固有抵抗:20Ω以上 引張接着強度:3kgf/cm2 以上 のいずれか一つ以上の特性を満たすことが望ましい。
【0010】ベリリウム銅合金管を保形管の内部に挿入
して両者の軸線合わせするとき用いる調心用治具は、そ
の治具はベリリウム銅合金管を支持する凸部と、このベ
リリウム銅合金管の外周部に隙間を形成するように保形
管を支持する部分を有する構成にすることが望ましい。
【0011】
【作用および発明の効果】本発明による請求項1記載の
生物付着防止管は、径方向内側のベリリウム銅合金管と
径方向外側の保形管の間に形成される筒状の隙間に電気
絶縁性の樹脂管が接合されているため、管内外の電気絶
縁が保たれるので管内部に海水等が流通する場合ベリリ
ウムイオンによる効果的な海生物の忌避効果が発生す
る。このため管の内壁に海生物が付着しにくいという効
果がある。
【0012】ベリリウム銅合金は、銅合金を主成分と
し、ベリリウム含有率が0.2〜2.8重量%であり、
Be−Cu合金、Be−Co−Cu合金、Be−Co−
Si−Cu合金またはBe−Ni−Cu合金からの群か
ら選ばれるいずれか1種であることによって、防汚機能
の発揮効果と銅イオンの溶出持続作用とを有することか
ら、単なる銅合金と異なり、海生物に対して大きな忌避
効果を発揮し、また生物の付着、および繁殖を防止する
効果が大である。さらに、この生物付着防止管は、耐久
性に優れ、メンテナンスの必要がなく、また毒性が極め
て少なく、海生物の付着および繁殖を効果的に防止する
効果がある。
【0013】請求項2記載の生物付着防止管によると、
ベリリウム銅合金管がスパイラル管であることによっ
て、高価なベリリウム銅合金の管を低コストに製作でき
る。請求項3記載の生物付着防止管によると、前記保形
管は溶接管であるため、高強度かつ安価である利点があ
り、さらに、請求項4記載の生物付着防止管によると、
前記保形管は炭素鋼管であり、この点で好ましい一例で
ある。
【0014】請求項5記載の生物付着防止管の製造方法
によると、ベリリウム銅合金管の外周部と前記保形管の
内周部との間に樹脂を注入充填するため、高強度、管内
外の電気絶縁性の確保、生物付着防止機能等が安価に製
作できる。請求項6では、前記ベリリウム銅合金管が帯
状薄板をらせん状に巻いて形成したスパイラル管である
ことから、帯状薄板で筒状管を高速に安価に製作でき
る。
【0015】請求項7記載の生物付着防止管の製造方法
によると、前記スパイラル管と前記保形管との間に形成
される隙間にスペーサを挿入したため、形崩れしないで
生物付着防止管を製造することができる。請求項8記載
のT字状管の製造方法によると、径内側のベリリウム銅
合金管の外周部と保形管の内周部との隙間に樹脂を均質
に充填することができる。請求項9では、T字状管の製
造後に切削工程を含めることで、端面仕上げが容易にで
きる。請求項10によると、樹脂充填時に揺動するた
め、前記隙間のすべてに樹脂を充填注入することができ
る。
【0016】請求項11記載のエルボ管の製造方法によ
ると、複雑形状のエルボ型であっても、ベリリウム銅合
金管の外周部とエルボ型の鋼管の内周部の間に樹脂を注
入充填することにより、比較的容易に生物付着防止管と
してのエルボ管を製造することができる。請求項12記
載のエルボ管の製造方法によると、エルボ型のベリリウ
ム銅合金管をプレス成形して形成するため、高速で効率
良くエルボ管を製造することができる。
【0017】請求項13記載のエルボ管の製造方法によ
ると、エルボ型鋼管の端部に直管部を形成するため、用
途に適用できる。請求項14記載のエルボ管の製造方法
によると、樹脂の注入充填時にエルボ管を揺動すること
により均質に樹脂を充填させることができる。請求項1
5記載の生物付着防止管の接続方法によると、保形管の
フランジと他方の保形管のフランジとを締付結合すると
き、ベリリウム銅合金管の端部に所定の隙間を形成する
ため、海生物付着を防止するとともに、熱膨張で干渉す
ることなしに過大応力による破損破壊が防止される。請
求項16では、前記保形管のフランジと他方の保形管の
フランジとの間にパッキンを介在させることで、前記隙
間を簡単に形成することができる。
【0018】請求項17の生物付着防止管の接続方法に
よると、保形管のフランジと他方の保形管のフランジと
をボルト締め結合したことにより生物付着防止管の端部
同志を堅固に接続することができる。請求項18記載に
よると、ベリリウム銅合金管の外周部とを保形管の内周
部との間に充填する樹脂は、所定の特性をもつため、製
作時に発生する熱収縮に対応でき、電気絶縁性を確保で
きる。
【0019】請求項19記載の生物付着防止管製造用治
具によると、ベリリウム銅合金管の外周部と保形管の内
周部との隙間確保の調心(軸合わせ)を正確に行えるた
め、生物付着防止管を効率よく製造することができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。まず、生物付着防止管の構造について図1〜図5
に基づいて説明する。図1は、生物付着防止管の一例を
示す断面図である。図1に示すように、この生物付着防
止管1は、ベリリウム銅合金からなる薄板筒状のベリリ
ウム銅合金管2の外周部に電気絶縁性の円筒状の樹脂か
らなる樹脂管3が接合されており、この樹脂管3の外周
部に保形管としての炭素鋼管4が接合されている。炭素
鋼管4の両端にはフランジ4a、4bが形成されてい
る。この生物付着防止管1は、炭素鋼管4のもつ強度と
ベリリウム銅合金管2のもつ防汚性を合わせもつ構造を
有する。
【0021】このベリリウム銅合金管には、例えば図2
に示すようなベリリウム銅合金製の平板状の薄板6の両
縁6a、6bを対向させるようにして中空円筒状に作る
ことができる。あるいは図3に示すように、ベリリウム
銅合金製の帯状薄板8をスパイラル状に巻き、隣り合う
帯状薄板8の両縁に形成される凸部8aと凹部8bとを
嵌合する。この嵌合ははぜ折り構造をもっている。これ
により、帯状薄板8が軸方向に移動するのを防止するこ
とで、円筒状の管を形成する。その後の樹脂部分の形成
方法については後述する。
【0022】図2に示す薄板の両縁を対向するようにし
て円筒状の管を作る方法は、ベリリウム銅合金薄板の厚
さtがt>1.5mmのとき効果的である。これは、薄
板が余りに薄いと、円筒形状が保ち難くなるからであ
る。従って、ベリリウム銅合金薄板の板厚tが0.4〜
1.5mmの範囲にあるときには、図3に示すようにス
パイラル管に形成することが望ましい。スパイラル管に
よるはぜ折り部構造により高い補強効果をもたせられる
からである。
【0023】生物付着防止管1の接続部分については、
図4および図5に示すような接続構造を取ることが望ま
しい。図4および図5に示すように、一方の生物付着防
止管1のフランジ4bと他方の生物付着防止管1のフラ
ンジ4aとをパッキン9を挟んでその両側からボルト1
0とナット11により締付固定する。パッキン9の内径
側は、ベリリウム銅合金管2と樹脂管3のそれぞれの端
部間に隙間δを形成するようにする。この隙間δは、例
えば1〜3mmに設定する。この隙間δの下限値は、管
内に例えば加温された海水(温水)が流れる場合、管外
と管内の温度差とにより内部部分で膨張が生じ、この膨
張による隣合うベリリウム銅合金管2および樹脂管3の
端部間でのそれぞれの干渉を防止するのに十分な距離で
ある。また隙間δの上限値については、余りに隙間δが
大きいと、この部分に銅イオン溶出量が相対的に減るた
め、生物付着防止機能が低減するので、このような生物
付着防止機能を効果的に発揮する程度を上限値にする。
【0024】樹脂管3の材質は、次のような選定基準に
より選定した。スパイラル管としてのベリリウム銅合金
管2と炭素鋼管4の間の充填材、絶縁材(電気腐食防
止)、両者の温度差によって生じる軸方向伸びの吸収材
並びにベリリウム銅合金管と炭素鋼管との接着剤等の観
点からである。これらの樹脂のもつ諸性質は、伸び率
(%)、体積固有抵抗(Ωcm2 )、引張接着強度(k
gf/cm2 )および剥離強度(kgf/cm2 )であ
る。これらそれぞれの好ましい値は、伸び率:10〜2
00%、体積固有抵抗:25Ω以上、引張接着強度3k
gf/cm2 以上である。
【0025】パッキン9は、図5に示すように、炭素鋼
管4の内外をシールするとともに樹脂管3の端部間が接
触しない状態となっている。この接続部に設けられる布
入り全面ゴムパッキン9は、フランジを覆っている。ま
た樹脂管3の径内側のベリリウム銅合金管2の剥離防止
と端面保護を兼ねてベリリウム銅合金管2の端部にはL
字状折返し部15が形成されている。
【0026】ベリリウム銅合金管2に用いるベリリウム
銅合金は、次の組成のものを用いるのが望ましい。前記
ベリリウム銅合金は、銅を主成分とし、ベリリウムの含
有率が0.2〜2.8重量%であり、Be−Cu合金、
Be−Co−Cu合金、Be−Co−Si−Cu合金ま
たはBe−Ni−Cu合金からの群から選ばれるいずれ
か1種であることが望ましい。
【0027】前記ベリリウム銅合金の組成は、例えば
Be:0.2〜1.0重量%、Co:2.4〜2.7
重量%、残部Cuおよび不可避不純物、Be:0.2
〜1.0重量%、Ni:1.4〜2.2重量%、残部C
uおよび不可避不純物、Be:1.0〜2.0重量
%、Co:0.2〜0.6重量%、残部Cuおよび不可
避不純物、Be:1.6〜2.8重量%、Co:0.
4〜1.0重量%、Si:0.2〜0.35重量%、残
部Cuおよび不可避不純物等である。
【0028】前記ベリリウム銅中に選択的に含有される
コバルト、ニッケル、シリコンの含有率は、それぞれ次
の範囲が望ましい。 コバルト(Co):0.2〜2.7重量% ニッケル(Ni):1.4〜2.2重量% シリコン(Si):0.2〜0.35重量% 前記各元素の添加目的、添加範囲の上限および下限の限
定理由は、次のとおりである。
【0029】ベリリウム(Be):0.2〜2.8重量
% Beを添加するのは、海水中に生物付着防止体を浸漬
したとき、Beを溶出させて生物付着防止効果を発揮さ
せ、ベリリウム銅合金の強度、耐食性等の特性を向上
し、熱処理性、結晶粒度調整等の製造性を向上し、ま
た、成形加工性、および鋳造性を向上するためであ
る。Beが0.2重量%未満では前記〜の効果が十
分に発揮されない。Beが2.8重量%を超えると、展
伸加工性が低下し、経済的にも高価になる。
【0030】コバルト(Co):0.2〜2.7重量% Coを添加するのは、微細なCoBe化合物を形成して
合金中に分散して機械的特性、および熱処理性、結晶粒
度調整等の製造性を向上するためである。Coが0.2
重量%未満であると、前記効果が十分に発揮されない。
Coが2.7重量%を超えると、湯流れ性が低下し、前
記特性はほとんど向上しないし、経済的に高価になるか
らである。
【0031】ニッケル(Ni):1.4〜2.2重量% Niを添加するのは、微細なNiBe化合物を形成して
合金中に分散して機械的特性、および熱処理性、結晶粒
度調整等の製造性を向上するためである。Niが1.4
重量%未満であると、前記効果が十分に発揮されない。
Niが2.2重量%を超えると湯流れ性が低下し、前記
特性はほとんど向上しないし、経済的に高価になるから
である。
【0032】シリコン(Si):0.2〜0.35重量
% Siを添加するのは、ベリリウム合金の湯流れ性を向上
するために添加する。Siが0.2重量%未満では、そ
の効果が十分に発揮されず、Siが0.35重量%を超
えると合金が脆くなり、靱性が低下する。本発明による
生物付着防止管の製造方法は、ベリリウム銅合金の帯状
薄板を例えば螺旋状に巻き、隣り合う帯状薄板の側部同
志が螺旋軸方向に移動しないように凸部と凹部ではぜ折
り嵌合し、しかる後、このベリリウム銅合金管と炭素鋼
管の隙間に電気絶縁性樹脂を注入充填するため、シール
性、内外の電気的絶縁および保形性を確保して比較的簡
便な手段により管内にベリリウム銅合金薄板を内張りで
きる。
【0033】ベリリウム銅合金管2と炭素鋼管4との間
に形成される樹脂管3は、樹脂の充填注入により形成さ
れる。この樹脂注入時、樹脂の基材と硬化材との混合比
を精度良く定量供給する必要があり、樹脂中に気泡が混
入せず、しかも樹脂基材と硬化材の混合状態を均一にで
きることが必要である。これは、例えばミキシング並び
に注入ノズルによりベリリウム銅合金管と炭素鋼管との
間の隙間に樹脂を注入充填する。
【0034】以下、具体的な各種形状の生物付着防止管
の製造方法について、(1) 直管、(2) T字状管(チー
ズ)(3) エルボ管について以下説明する。 (1) 直管 直管の製造方法を図6〜図9に基づいて説明する。まず
図6に示すように円筒状の炭素鋼管21を用意する。こ
の炭素鋼管21の両端には円環状のフランジ21a、2
1bが形成されている。次いで、ベリリウム銅合金の帯
状薄板を螺旋状に巻いてスパイラル管22(図7)を作
製する。
【0035】次いで炭素鋼管21の内部にベリリウム銅
合金管22を挿入し、図8に示す状態でベリリウム銅合
金管22の両端22a、22bをL字状に折返し両端に
円環状のフランジ部を形成する。これは挿入後、ベリリ
ウム銅合金管22の両端22a、22bを折り返すこと
によりベリリウム銅合金管22と炭素鋼管21の軸方向
長さの端面調整を行うためである。ベリリウム銅合金は
展伸性に富むため、この折り曲げは比較的容易に行え
る。
【0036】次いで炭素鋼管21とベリリウム銅合金管
22との軸芯を一致させるために図10に示す調心用治
具25を一方の端部に設ける。この治具25は、円状凸
部25aを有し、この円状凸部25aの周りに環状凹部
25bを有し、この凹部25bの周りに平坦部25cを
有する。凸部25aの外径は、ベリリウム銅合金管22
が外周部に嵌まる位置決め可能な外径をもつ。このベリ
リウム銅合金管22の外周部に隙間123を形成して炭
素鋼管21を平坦面25cに載置する。その後この隙間
123に樹脂を注入充填する。このとき図9(A)に示
すように、下部の調心用治具25に対し上部の治具27
によりベリリウム銅合金管22の上端と炭素鋼管21の
上端との間に環状の隙間ができるように治具27で保持
する。次いで図9(B)に示すように、この隙間123
に上方より樹脂を注入し、樹脂23を硬化させる。その
後、図9(C)に示すように、硬化後、再び樹脂23a
を注入し硬化するのを待つ。樹脂硬化後、上部治具27
を撤去し、下部の調心用治具25から樹脂注入品を取り
出す。すると図11に示すように熱収縮量の差異の関係
上、樹脂23の端部が下方に突き出す。この突出部23
aは、その後の端面仕上げにより炭素鋼管21、樹脂管
23およびベリリウム銅合金管22の各端部が平坦面に
なるように端面仕上げする。
【0037】このようにして、ベリリウム銅合金管22
が内張り材として存在するこの管の周りに樹脂管23が
形成され、この樹脂管23の周りに高強度の炭素鋼管2
1が形成される。こうして生物付着防止管が形成され
る。 (2) T字状管 T字状管の製造方法を図12〜図15に基づいて説明す
る。
【0038】図12に示すように、炭素鋼管は、第1の
鋼管31と第2の鋼管32からなり第1の鋼管31には
第2の鋼管32を取付けるための切欠部31aを形成し
ておく。図13に示すように、スパイラル管はベリリウ
ム銅合金からなる薄板帯状板で形成した第1のスパイラ
ル管33に切欠部33aを形成する。一方同様にベリリ
ウム銅合金の薄板帯状板でもって切欠部33aに嵌め合
わせられる第2のスパイラル管34を形成しておく。こ
れらのスパイラル管33、34の周りには保形を保つた
めに樹脂スペーサを張っておくことが望ましい。
【0039】次いで図14に示すように前述の第1の鋼
管31の内部に第1のスパイラル管33を挿入し、第2
の鋼管32を嵌めて第2のスパイラル管34を挿入す
る。このとき鋼管の両端からスパイラル管がはみ出した
部分についてはL字状に折り曲げ形状に折り曲げ加工す
る。次いで図15(A)、(B)、(C)に示すよう
に、T字状管30の一端を前記したように図10に示す
ような下部の調心用治具25を用いて押え、図15
(A)に示す上側を治具27で押え、第1のスパイラル
管33と第1の鋼管31の間に樹脂充填用の隙間が形成
されたのを確認し、上部から樹脂を注入充填する。次い
で図15(B)に示すようにT字状管30を傾斜し、矢
印方向から樹脂を充填する。同様に(C)に示すように
残る部分から樹脂を注入し、第1のスパイラル管33お
よび第2のスパイラル管34の外周部と第1の鋼管31
および第2の鋼管32の内壁部分との間に樹脂が充填さ
れ硬化される。硬化後、樹脂の膨張収縮によるはみ出し
部分を切削して端面仕上げをする。これによりT字状管
が完成される。
【0040】(3) エルボ管 エルボ管の製造方法について図16〜図19に基づいて
説明する。まず図16に示すように、炭素鋼からなる曲
がり鋼管41を用意し、この直角方向に曲がる曲がり鋼
管41の両端に軸方向長さの直管42、43を用意す
る。次いで図17に示すようにベリリウム銅合金からな
るスパイラル管あるいはエビ管を相互にスポット溶接し
て形成した直角方向に緩やかに曲がる曲がりスパイラル
管45を形成する。この曲がりスパイラル管45の両端
にベリリウム銅合金からなる直管46、47を用意す
る。
【0041】次いで図18に示すように曲がり鋼管41
の内部に曲がりスパイラル管45を挿入し、次いで直管
42と43を溶接し、その内部にベリリウム銅合金から
なる直管46、47をスポット溶接し取付ける。このと
き両端からはみ出た部分はL字加工により折り返し構造
にする。次いで図9(A)、(B)、(C)に示すよう
に樹脂を注入し充填する。この樹脂を充填するときには
前述したように一方の端部に調心用治具を当て、鋼管4
1および直管42、43と曲がりスパイラル管45、銅
ベリリウム合金からなる直管46、47の間に樹脂注入
用の隙間が形成されるように治具を嵌め、この嵌めた隙
間の間に樹脂を充填する。この樹脂の充填が均一になる
よう図19(A)から(B)、(C)のように順にぐる
ぐる回して空間部に樹脂が全て充満されるように注入す
る。その後端面部分については端面仕上げ加工してエル
ボ管が製作される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の生物付着防止管の断面図であ
る。
【図2】ベリリウム銅合金の薄板の斜視図である。
【図3】ベリリウム銅合金の帯状薄板で形成したスパイ
ラル管の斜視図である。
【図4】生物付着防止管の接続状態を示す部分断面図で
ある。
【図5】図4に示す接続部分Vの拡大断面図である。
【図6】直管の鋼管の平面図である。
【図7】ベリリウム銅合金からなるスパイラル管の平面
図である。
【図8】鋼管の中にベリリウム銅合金を挿入した状態を
示す平面図である。
【図9】(A)、(B)および(C)は直管を製作する
工程を示す説明図である。
【図10】樹脂注入時に使用する調心用治具とその使用
時の状態を示す部分拡大断面図である。
【図11】樹脂硬化後の生物付着防止管の端面部分を示
す部分断面図である。
【図12】T字状管の鋼管を示す平面図である。
【図13】T字状管のスパイラル管を示す平面図であ
る。
【図14】鋼管の中にスパイラル管を挿入した状態を示
す平面図である。
【図15】(A)、(B)および(C)はT字状管を製
造する状態を示す説明図である。
【図16】エルボ管の鋼管の平面図である。
【図17】エルボ管のベリリウム銅合金からなる曲がり
スパイラル管を示す平面図である。
【図18】曲がり鋼管に曲がりスパイラル管を挿入した
状態を示す平面図である。
【図19】(A)、(B)および(C)はエルボ管を製
作する状態を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 生物付着防止管 2 ベリリウム銅合金管 3 樹脂管 4 炭素鋼管 6 薄板 8 帯状薄板 9 パッキン 10 ボルト 11 ナット 13 隙間 15 L字状折り曲げ部 21 炭素鋼管 22 ベリリウム銅合金管 23 樹脂管 25 調心用治具 27 上部の治具 31 第1の鋼管 32 第2の鋼管 33 第1のスパイラル管 34 第2のスパイラル管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 9/00 C22C 9/00 F16L 9/02 F16L 9/02

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベリリウム銅合金からなる管の外周に電
    気絶縁性の樹脂管を接合し、この樹脂管の外周に保形管
    を接合し、 前記ベリリウム銅合金は、銅合金を主成分とし、ベリリ
    ウム含有率が0.2〜2.8重量%であり、Be−Cu
    合金、Be−Co−Cu合金、Be−Co−Si−Cu
    合金またはBe−Ni−Cu合金からの群から選ばれる
    いずれか1種であることを特徴とする生物付着防止管。
  2. 【請求項2】 前記ベリリウム銅合金管はスパイラル管
    であることを特徴とする請求項1記載の生物付着防止
    管。
  3. 【請求項3】 前記保形管は溶接管であることを特徴と
    する請求項1記載の生物付着防止管。
  4. 【請求項4】 前記保形管は炭素鋼管であることを特徴
    とする請求項3記載の生物付着防止管。
  5. 【請求項5】 前記保形管の内部にベリリウム銅合金管
    を挿入し、前記保形管の端部から突き出したベリリウム
    銅合金管の端部を外側に折り曲げ加工し、次いでベリリ
    ウム銅合金管と前記保形管の中心軸線を芯合わせし、次
    いでベリリウム銅合金管の外周部と前記保形管の内周部
    との間に形成される隙間に樹脂を注入充填し、その後前
    記保形管の両端部から突き出した突出部分を端面仕上げ
    することを特徴とする生物付着防止管の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記ベリリウム銅合金管は帯状薄板をら
    せん状に巻いて形成したスパイラル管であることを特徴
    とする請求項5記載の生物付着防止管の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記スパイラル管と前記保形管との間に
    形成される隙間にスペーサを挿入したことを特徴とする
    請求項6記載の生物付着防止管の製造方法。
  8. 【請求項8】 ベリリウム銅合金管を保形管の内部に挿
    入し、外形がT字状の二重管を形成し、この径内側のベ
    リリウム銅合金管の外周部と保形管の内周部との間の隙
    間に樹脂を注入充填し、この注入充填時に傾斜すること
    により重力による注入樹脂が均一に充填されることを特
    徴とするT字状管の製造方法。
  9. 【請求項9】 T字状管の製造後に切削工程を含むこと
    を特徴とする請求項8記載のT字状管の製造方法。
  10. 【請求項10】 樹脂充填時に揺動することを特徴とす
    る請求項8記載のT字状管の製造方法。
  11. 【請求項11】 エルボ型のベリリウム銅合金管をエル
    ボ型の鋼管の内部に挿入し、両者の間に樹脂を注入充填
    するエルボ管の製造方法。
  12. 【請求項12】 エルボ型のベリリウム銅合金管をプレ
    ス成形して形成することを特徴とする請求項11記載の
    エルボ管の製造方法。
  13. 【請求項13】 エルボ型鋼管の端部に直管部を形成す
    ることを特徴とする請求項11のエルボ管の製造方法。
  14. 【請求項14】 樹脂の注入充填時にエルボ管を揺動す
    ることを特徴とする請求項11のエルボ管の製造方法。
  15. 【請求項15】 保形管のフランジと他方の保形管のフ
    ランジとを締付結合するとき、ベリリウム銅合金管の端
    部に隙間を形成し、この隙間の大きさは、海生物付着を
    防止するとともに、熱膨張でくっつかない程度の大きさ
    をもつ隙間であることを特徴とする生物付着防止管の接
    続方法。
  16. 【請求項16】 前記保形管のフランジと他方の保形管
    のフランジとの間にパッキンを介在させることを特徴と
    する請求項15記載の生物付着防止管の接続方法。
  17. 【請求項17】 保形管のフランジと他方の保形管のフ
    ランジとをボルト締め結合したことを特徴とする請求項
    15記載の生物付着防止管の接続方法。
  18. 【請求項18】 ベリリウム銅合金管の外周部とを保形
    管の内周部との間に充填する樹脂は、 伸び率 :0.2%以上 体積固有抵抗:20Ω以上 引張接着強度:3kgf/cm2 以上 のいずれか一つ以上の特性を満たすことを特徴とする生
    物付着防止管。
  19. 【請求項19】 ベリリウム銅合金管を保形管の内部に
    挿入して両者の軸線合わせするとき用いる治具であっ
    て、 その治具はベリリウム銅合金管を支持する凸部と、 このベリリウム銅合金管の外周部に隙間を形成するよう
    に保形管を支持する部分を有することを特徴とする生物
    付着防止管製造用治具。
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WO2014171630A1 (ko) * 2013-04-19 2014-10-23 Song In Do 이중관형 엘보의 성형방법

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