JPH08318164A - 触媒構造体、及びそれを用いたガス燃焼分解装置 - Google Patents

触媒構造体、及びそれを用いたガス燃焼分解装置

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JPH08318164A
JPH08318164A JP7349192A JP34919295A JPH08318164A JP H08318164 A JPH08318164 A JP H08318164A JP 7349192 A JP7349192 A JP 7349192A JP 34919295 A JP34919295 A JP 34919295A JP H08318164 A JPH08318164 A JP H08318164A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】スタートアップ特性が良好である上、負荷変動
にも容易に対応することができるのみならず、安価であ
ると共に、触媒反応の制御性に優れ、引火性の気体にも
安全に使用することができる、高温においても安全性が
高く使用が容易である触媒構造体、及び、ガス燃焼分解
装置を提供すること。 【解決手段】気体の流入口と流出口を有する熱交換器型
の構造体の外壁に絶縁被覆された電気加熱手段を配した
触媒構造体であって、該触媒構造体の内部がセパレート
シートとコルゲートフィンを交互に積み重ねて構成され
ていると共に、少なくともコルゲートフィンが、陽極酸
化された表面に触媒を担持してなることを特徴とする触
媒構造体、及びそれを用いたガス燃焼分解装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は触媒構造体及びそれを用
いたガス燃焼分解装置に関し、特に、スタートアップ特
性が良好であると共に、負荷変動にも容易に対応するこ
とのできる安価な触媒構造体、及び、それを用いた有害
ガス燃焼分解装置に関する。
【0002】
【従来技術】近年、熱交換機能を有する板状触媒体を使
用して反応の熱効率を高めることが提案されている(例
えば、特開昭62−237947号及び実開昭63−1
6835号の各公報)。また、触媒体に電流を流すこと
によって、触媒反応をより直接的に制御する方法も提案
されている(特開平2−227135号公報)。
【0003】しかしながら、従来の板状触媒体は反応熱
を有効に利用することを主眼としていたために、反応の
迅速な制御という観点からは満足することができない
上、最初に板状触媒体を作製し、次いで、これを例えば
ハニカム構造体に組み立てて反応室内部に配置するとい
うことが行われていたために、高価なものとならざるを
得ないと言う欠点があった。
【0004】また、触媒体に電流を流して加熱する方法
は、触媒自体を均一な温度に保てること、スタートアッ
プ特性が良好であること及び負荷変動に容易に対応する
ことができること等の利点を有するものの、触媒体とそ
の他の支持部材等を電気的に絶縁する必要があるので、
これを触媒構造体に利用した場合には更に高価なものと
ならざるを得ない。更に、この方法では電気的スパーク
によって爆発の可能性があるので、引火性の気体を用い
る反応に対しては使用することができないという欠点が
あった。
【0005】一方、近年大気汚染の原因となっているト
ルエン、キシレン、トリクロロエチレン等の揮発性有機
化合物や、塩化ビニルモノマー、塩化メチル、アクリル
ニトリル等の有害ガスを浄化するために、従来から、こ
れらを触媒を用いて燃焼させることが行われている。こ
の場合、処理効率を良くするために圧損の少ないハニカ
ム型触媒体が用いられるが、それでも、ガス流量の空間
速度(SV)は最高40,000程度であるので、処理
速度が十分でない上、基材がセラミックスであるために
熱衝撃に弱いという欠点があった。
【0006】また、触媒反応を迅速に制御したり、劣化
した触媒を再活性化することを目的として電気加熱手段
を付加しても、セラミックの熱伝導度が小さいために昇
温特性が悪く、迅速な反応制御や触媒の再活性化の要望
に対して十分に対応することができないという欠点があ
った。同様の欠点は、やはり基材がセラミックである配
ガスの脱硝触媒体の場合にも存在し、触媒活性の再生が
出来にくいという欠点があった。
【0007】更に、セラミックス基材を使用する場合に
は、装置を大型に加工することが出来ないので、作業性
が悪いという欠点もあった。尚、大型化に適した陽極酸
化触媒を用いる例は、例えば実開平3−123532号
公報、及び特開平4−200745号公報に開示されて
いるが、この場合のSVは約3,000と小さく、実用
的な装置とすることができなかった。
【0008】このような欠点を解決するために、ステン
レス鋼からなるハニカムヒーターを用いる方法も提案さ
れている(例えば、特開平2−223622号公報等)
が、この方法では、前記ステンレス鋼に直接通電するた
めに、低電圧で大電流を流す必要があり、使用し難い
上、350℃程度の高温域においては電極部の安全性が
十分でないという欠点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者等
は、圧損が低く高性能であり、反応制御が容易である上
安価な熱交換型の触媒構造体を得るために鋭意検討した
結果、近年市販されている、セパレートシートとコルゲ
ートフィンを交互に積み重ねてなるアルミニウム製の熱
交換器の内部を陽極酸化した後、更に触媒を担持させる
と共に、その外壁に電気加熱手段を配した場合には、安
価であるにも係わらず、熱効率が良い上反応制御が容易
となること、及び、引火性の気体の場合に使用しても安
全であると共に、高温においても安全性が高いので極め
て使用しやすく、特に燃焼分解装置の反応室として好適
な触媒構造体となるということを見出し、本発明に到達
した。
【0010】従って、本発明の第1の目的は、スタート
アップ特性が良好である上、負荷変動にも容易に対応す
ることができる、熱効率及び反応制御性に優れた、安価
な触媒構造体を提供することにある。本発明の第2の目
的は、空間速度を従来品より大きくとれ、装置のコンパ
クト化を可能とする触媒構造体を提供することにある。
本発明の第3の目的は、高温においても安全性が高く使
用し易い、安価な触媒構造体を提供することにある。更
に本発明の第4の目的は、揮発性有機化合物や有害ガス
を含む排ガス等の浄化に適した、安価で高性能な燃焼分
解装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の諸目的
は、気体の流入口と流出口を有する熱交換器型の構造体
の外壁に絶縁被覆された電気加熱手段を配した触媒構造
体であって、該触媒構造体の内部がセパレートシートと
コルゲートフィンを交互に積み重ねて構成されていると
共に、少なくともコルゲートフィンが、陽極酸化された
表面に触媒を担持してなることを特徴とする触媒構造体
及びそれを用いた燃焼分解装置によって達成された。
【0012】本発明においては、既に市販されている熱
交換器の内部を順次陽極酸化、熱水処理、触媒担持処理
(焼成も含む)したものを使用しても良いが、予め、陽
極酸化、熱水処理(焼成を含む)されてなるコルゲート
フィンと、セパレートシート(セパレートシートはコル
ゲートフィンと同一基材でなくても良いし、又、触媒は
担持されなくても良い)とを交互に重ね合わせて匡体内
部に配した後、少くともコルゲートフィンの表面に触媒
を担持させてなる、熱交換器型の触媒構造体を製造した
後、その外壁に電気加熱手段を設けることもできる。
【0013】前者の方法を利用した触媒構造体は、製造
工程が少ない上、管理工数を下げることもできるので特
に安価となり、本発明における好ましい実施態様であ
る。上記前者の場合に使用する熱交換器は、セパレート
シートとコルゲートフィンを交互に積み重ねろう付けし
た内部構造を有するものであり、その具体例としては、
例えば住友精密工業(株)製のプレートフィン型熱交換
器(商品名:スマレックス)を挙げることができる。
【0014】本発明において使用する場合には、これら
の熱交換器の中でも、特に、少なくともコルゲートフィ
ンの基材表面が、陽極酸化可能であることが必要であ
る。このような基材としては、アルミニウム単体、クラ
ッド法や溶射法によって表面にアルミニウム層を設けた
金属、又は、60重量%以上のアルミニウムを含有する
ジュラルミン等の合金を挙げることができる。また、コ
ルゲートフィンの形状は、プレートフィン型、ヘリンボ
ーン型、セレート型等のいずれの形状でも良いが、通
常、触媒体内のガス流速は0.5〜1.5m/秒の層流
状態であるので、特に乱流を発生させてガスがより触媒
と接触し易いヘリンボーン型又はセレート型等であるこ
とが、反応効率を高める観点から好ましい。
【0015】このような複雑な構造体の内部の陽極酸化
は、公知の陽極酸化法を単に応用しても不可能である。
そこで、陽極となる構造体の内部に電解液を流し通すと
共に、構造体の電解液に対する入り口及び出口の近傍
に、該入口及び出口に各々垂直又は略垂直で、且つ電解
液の流れを阻害しないようにそれぞれ陰極を配し、該二
つの陰極と、陽極となる構造体の間に電流を流すことが
必要である。
【0016】本発明における電解液の流速については、
構造体の長さ、電流密度、酸の濃度などにより異なるた
め限定することができず、目的とする陽極酸化皮膜の形
成に適した条件を選択すれば良い。例えば、均一な膜厚
の陽極酸化皮膜を形成させる場合には、入口付近の温度
と出口付近の温度の差が2℃以内となるように流速を調
整すればよい。また、入口から出口に向かって膜厚分布
を形成させる場合には、入口付近と出口付近の間に温度
差が生じるように流量を調整すればよい。
【0017】本発明で使用する電解液は、硫酸、クロム
酸、シュウ酸、リン酸等の、陽極酸化に用いられる公知
の電解液の中から適宜選択することができるが、取り扱
い容易性及び陽極酸化の制御の観点から、シュウ酸が最
も好ましい。酸濃度は、1重量%〜10重量%、液温度
は5℃〜45℃、電流密度は10A/m2 〜1,000
A/m2 の範囲で適宜選択することができるが、酸濃度
は3重量%〜5重量%、液温度は15℃〜25℃、電流
は50A/m2 〜100A/m2 であることが好まし
い。上述した条件で30分から50時間陽極酸化するこ
とにより、構造体内面に、30μm〜500μmの陽極
酸化皮膜を自由に形成させることができる。
【0018】本発明の触媒構造体は、上記の方法によっ
て、熱交換機をそのままの形で陽極酸化処理して、内部
の少なくともコルゲートフィンの表面に陽極酸化皮膜を
形成させ、次いで、熱水処理(水和処理と同じ)をして
該酸化皮膜表面のBET表面積を増大させた後、又は、
熱水処理と同時に触媒担持処理を行い、焼成処理するこ
とによって製造することができる。熱水処理は、陽極酸
化された熱交換器を15分〜3時間処理液中に浸漬して
行うことが好ましい。
【0019】前記熱水処理を加熱した水又は水蒸気で行
えば、次工程で触媒担持処理を行う必要があるが、熱水
処理を触媒の水溶性塩を溶解した水溶液中で行えば、熱
水処理と同時に触媒担持処理を行うことができる。熱水
処理は5℃〜80℃で行うことが好ましい。また、その
後の焼成処理としては、300℃〜500℃で空気焼成
する方法を用いることが好ましい。
【0020】また、本発明の触媒構造体の外壁の基材
は、前記触媒を担持せしめる基材であっても良いことは
当然であるが、例えば、ステンレスを使用する等、熱伝
導性が良好である限り、必要に応じて他の基材を使用す
ることもできる。本発明で使用する電気加熱手段は、本
発明の構造体の外壁を介して構造体内部に熱を与えるも
のであり、絶縁被覆された面状ヒーター、線状ヒーター
等、公知の電気加熱手段の中から適宜選択して使用する
ことができる。用いる電気加熱手段の熱出力等は、触媒
反応の温度や用いる触媒構造体の大きさ等に従って適宜
決めることができる。
【0021】上記加熱手段から構造体に与えられる熱
は、構造体外壁と接触している反応ガスに直接供給され
る他、熱伝導によってコルゲートフィンにも供給され、
これによって触媒表面温度が迅速に制御される。従っ
て、本発明の触媒構造体のスタートアップ特性、及び、
対負荷変動特性は著しく良好となる。
【0022】本発明の触媒構造体は、全体の重量を25
kg以下として持ち運び可能とすることが好ましい。ま
た、大型の触媒構造体を必要とする場合のために、個々
の触媒構造体を互に接続可能とする観点から、触媒構造
体の両端部を、他の触媒構造体と互いに接続可能に形成
することが好ましい。本発明の触媒構造体の流れ方向の
長さは取扱性を良好とする観点から50〜200mmで
あることが好ましい。更に大型のものが必要である場合
には、上記した如く、複数の触媒構造体を接続させれば
良い。
【0023】次に、本発明の触媒構造体を図に従って更
に詳細に説明する。図1は、本発明の触媒構造体の1例
を示した斜視概略図である。図中の符号1は本発明の触
媒構造体、2は気体と触媒の接触面積を大きくするため
に構造体の内部を細かく分割している、触媒を担持する
コルゲートフィンであり、例えばアルミニウム板からな
っている。符号3は気体流路を多層に仕切るためのセパ
レートシートであり、この基材も陽極酸化可能な基材で
あれば、当然この表面にも触媒が担持される。符号4は
構造体の壁に配されている電気加熱用ヒーター、5はコ
ンセントである。また、図1は一方向流れ型であるが、
直交流れ型で熱交換機能を持たせるものであっても良い
ことは当然である。
【0024】本発明の触媒構造体の外壁をヒーター4で
加熱すると、ヒーター4の熱は外壁を介して一部は反応
ガスに与えられるが、大部分の熱は触媒を担持する金属
板に伝えられ、触媒を加熱する。これによって触媒の表
面温度を迅速に上昇させることができるので、スタート
アップ特性を良好にすることができるのみならず、電気
加熱用ヒーターに流す電流を調節することによって触媒
の表面温度を迅速に変えることができるので、負荷変動
にも容易に対応することができる。触媒表面に温度セン
サを設けることにより、触媒表面温度が一定になるよう
に、ヒーター電流を自動制御することもできる。
【0025】次に、本発明の触媒構造体を2つ接続して
使用する場合を、図2に従って説明する。図中の符号6
は、触媒構造体同士が接続するために、他の構造体の後
部の下端に設けられた片7を受けるためのエル字状に折
れ曲げられた片であり、8は他の構造体を接続し固着す
るための片である。尚、接続に際しては、他の触媒体の
片7をエル字状片6に差し込んだ後構造体同士の端部を
合わせ、互いの片8で固着する。固着手段としてはネジ
止め等の公知の手段を用いることができる。
【0026】構造体同士の接続は、構造体の一方の端部
外周に雄状の縁10を設け、他方の端部外周に、接続す
る構造体の前記雄状の縁が嵌合する雌状の縁11を設け
ることによって行っても良い(図3参照)。この場合、
嵌合部には、シールを良好とするためにパッキング12
を設けることが好ましい(図3参照)。2以上の構造体
を直列に接続するのみならず、並列に束ねて使用するこ
ともできる。このようにして、応用する触媒反応の種類
又は反応量に応じて、触媒構造体を任意の大きさのもの
に組み立てることができる。
【0027】次に、本発明の触媒構造体を用いた、本発
明の燃焼分解装置について説明する。通常、排ガス等に
含まれる揮発性有機化合物(VOC)や悪臭物質は、空
気中の酸素を用いて触媒下で完全燃焼させられ、下式の
如く、無害・無臭のCO2 とH2 Oになる。 CX Y Z +mO2 →XCO2 +(Y/2)H2 O この場合の燃焼フローは、例えば図4に示されるが、本
発明の燃焼分解装置は、このうち、少くとも燃焼させる
ガスの加熱装置と触媒部分を含むものであり、必要に応
じて、更に、フィルター等の前処理装置や、熱交換機能
を持たせることもできる。
【0028】以下、本発明の燃焼分解装置を図面に基づ
いて詳述する。図5は、本発明の触媒構造体を反応室と
して用いた、基本的な、本発明の箱型の燃焼分解装置の
概念図である。図中符号20はガス導入口、21はガス
加熱手段、22は本発明の触媒構造体からなる反応室で
あり、本図においては二つの構造体22−a及び22−
bが使用されているが、これは、一つだけであっても、
三つ以上使用しても良いことは当然である。尚、複数の
構造体を使用する場合には、各構造体はそれぞれ独立に
温度制御できるように配線しておくことが好ましい。符
号23はガスを排気するためのファン、24は流量計、
25は排気口であり、26は、ガス流路30以外におけ
る、二つの反応室間のガスの流れを防止するための中央
仕切り板である。
【0029】ガス加熱手段21の前段には、適宜、フィ
ルター等の前処理手段を設けても良い。ガス加熱手段
は、ヒーター等の公知の加熱手段の中から適宜選択する
ことができるが、熱効率の観点から、蓄熱体を設置して
も良い。この場合には、二つの反応室をつないでいるガ
ス流路30内に、更にヒーターを配しておくことが好ま
しい。勿論、本図のような箱型にせず、単純な筒状とし
ても良いことは当然である。このような形状の場合に
は、例えば、自動車の排気管中に組み込むこともでき
る。
【0030】図6は、必要に応じてガス流路を逆転させ
るための、2組みのダンパー27−a及び27−bを有
する、本発明の燃焼分解装置の他の実施例である。この
ようにガス流路を逆転させるのは、例えば、第1の構造
体中の触媒と、第2の構造体中の触媒が異なっている場
合等に意味がある。この場合には、各反応室は全く対等
であるから、ガス加熱手段21や、必要に応じて設ける
ことのある蓄熱体等は、各反応室に対してそれぞれ設け
る必要がある。このようにして得られる本発明の燃焼分
解装置は、小は自動車等の排ガス処理装置として、大
は、焼却炉や工場からの廃棄ガス処理装置として使用す
ることができる。また、触媒構造体に熱交換能を持たせ
て使用することもできる。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明の触媒構造体は、例えば、
陽極酸化し得る素材からなるコルゲートフィン、及び、
セパレートシートとを交互に積み重ねてなると共に、気
体の流入口と流出口とを有する熱交換型の構造体の、少
くともコルゲートフィンを陽極酸化し、必要に応じて熱
水処理した後、又は触媒の塩を含有する水溶液を用いて
熱水処理と同時に触媒担持処理をし、次いで焼成した
後、得られた構造体の外壁に、絶縁被覆された電気加熱
手段を配することによって得ることができる。
【0032】また、本発明のガス燃焼分解装置は、ガス
導入口(20)、導入するガスを加熱するための加熱手
段(21)、加熱されたガスを燃焼・分解するための反
応室(22)、反応室(22)から排気口(25)へガ
スを流出させるためのファン(23)、及び、ファン
(23)と排気口(25)の間に設けられた流量計(2
4)からなるガス燃焼・分解装置における、前記反応室
として、本発明の触媒構造体を配置することにより得ら
れる。
【0033】
【発明の効果】本発明の触媒構造体は、触媒構造体の外
壁に電気加熱手段を配した熱交換型の構造であるので、
熱効率が良好であるのみならず、スタートアップ特性を
良好にすることができると共に負荷変動にも容易に対応
することができ、又、引火性の気体に対しても使用する
ことができる。また、本発明の触媒構造体は、高温にお
いても安全性が高いので使用し易い。
【0034】更に、本発明の触媒構造体は、既に製造さ
れている熱交換器を改造して製造することができるので
安価である。また、接続容易な構造である上軽量なもの
とすることができるので持ち運びも可能である。従っ
て、触媒反応に応じて適宜の大きさとすることも容易で
ある。また、本発明の構造体を用いた、本発明のガス燃
焼分解装置は、圧損失が少く高性能である上、小さい装
置から、大きい装置まで、必要に応じて任意に設計する
ことができるので応用範囲が極めて広い。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳述する
が、本発明はこれによって限定されるものではない。 実施例1.コルゲートフィンがプレートフィン型のアル
ミニウム板で作製されている、10cm×10cm×1
0cmの大きさの市販の熱交換器(図1参照)を、20
重量%の水酸化ナトリウム溶液中で3分間洗浄した後、
30重量%の硝酸水溶液中で1分間中和処理する前処理
を行った。次いで、20℃、30重量%の蓚酸水溶液中
で、電流密度を100A/m2 とし、熱交換器中に電解
液が流れる条件で8時間かけて陽極酸化した。次に、熱
交換器を切断し、コルゲートフィン表面に形成された陽
極酸化皮膜の厚みを測定したところ、約100μmであ
った。
【0036】上記の如くして内部を陽極酸化した熱交換
器を、公知の如く、塩化白金酸を含有する水溶液中に浸
漬し、80℃で60分間処理した後乾燥し、500℃で
焼成して、コルゲートフィンの陽極酸化皮膜に白金触媒
が担持された触媒構造体を得た。次に、外壁周囲に絶縁
被覆した50Wのリボンヒーターを配して本発明の触媒
構造体を作製した。
【0037】作製した触媒構造体を、238℃の電気炉
中で電気加熱用ヒータ(出力50W)に電流を断続的に
流した場合の、触媒表面温度の経時変化を測定した結果
は図7に示した通りである。図7の結果から、電流を通
すと5分以内に約140℃の温度上昇が認められ、電流
を遮断すると速やかにもとの温度に戻ること、即ち、応
答性が速やかである上、スタートアップ時間も極めて短
時間であることが確認された。因みに、電気炉自体の温
度を変えて触媒表面温度を140℃上昇させるためには
30分が必要であった。 実施例2.コルゲートフィンがセレート型の市販の熱交
換器を用いた他は実施例1と全く同様にして同じ大きさ
の触媒構造体を作製した。得られた触媒構造体を2個用
いて、図8に示す蓄熱式触媒燃焼試験装置を作製し、こ
の装置に揮発性有機化合物であるトルエンが200pp
m含まれる空気を1.0(m3 /分)流し、触媒構造体
の室内温度を250℃として処理したところ、図9の結
果が得られた。図9から明らかな如く、空間速度(S
V)が70,000における分解率は99%で、本発明
の燃焼分解装置の処理性能が極めて高いことが実証され
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の触媒構造体を示した斜視概略図であ
る。
【図2】本発明の触媒構造体を2個接続して使用する場
合の斜視概略図である。
【図3】触媒構造体を2個連結した接続部の部分断面拡
大概略図である。
【図4】揮発性有機ガス等を処理するための燃焼フロー
の例である。
【図5】本発明の燃焼分解装置の一例を示す概念図であ
る。
【図6】燃焼ガスの流れ方向を逆転させることのでき
る、本発明の燃焼分解装置の概念図である。
【図7】電気加熱ヒーターに電流を断続的に流した場合
の触媒体表面温度の経時変化を示した図である。
【図8】蓄熱式とした、本発明の燃焼分解装置の概念図
である。
【図9】実施例2で得た、処理ガスの空間速度に対する
分解率を表すグラフである。
【符号の説明】
1 触媒構造体 2 コルゲートフィン 3 セパレートシート 4 電気加熱用ヒーター 5 電源用コンセント 6 下端部に設けられたL字状止め具 7 触媒構造体の下端部に設けられた他の構造体のL字
状止め具に嵌まる片 8 上端部に設けられた接続用片 9 気体の流れ方向 10 構造体端部の開孔部の外周に設けられた雄状の縁 11 雌状の縁 12 パッキング 20 ガス導入口 21 ガス加熱手段 22 本発明の触媒構造体からなる反応室 23 ファン 24 流量計 25 排気口 26 中央仕切り板 27 ダンパー 28 蓄熱体 29 熱電対 30 ガス流路

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】気体の流入口と流出口を有する熱交換器型
    の構造体の外壁に、絶縁被覆された電気加熱手段を配し
    た触媒構造体であって、該触媒構造体の内部がセパレー
    トシートとコルゲートフィンを交互に積み重ねて構成さ
    れていると共に、少なくともコルゲートフィンが、陽極
    酸化された表面に触媒を担持してなることを特徴とする
    触媒構造体。
  2. 【請求項2】セパレートシートとコルゲートフィンを交
    互に積み重ねた内部構成を有すると共に、少なくともコ
    ルゲートフィンが陽極酸化可能な表面を有す金属からな
    り、気体の流入口と流出口を有する熱交換器の内部を陽
    極酸化し、次いで熱水処理した後、又は熱水処理と同時
    に触媒担持処理してなる触媒構造体であって、その外壁
    に絶縁被覆された電気加熱手段を有することを特徴とす
    る触媒構造体。
  3. 【請求項3】コルゲートフィンがヘリンボーン型であ
    る、請求項1又は2に記載された触媒構造体。
  4. 【請求項4】コルゲートフィンがセレート型である請求
    項1又は2に記載された触媒構造体。
  5. 【請求項5】気体の流入口と流出口の間の長さが約50
    〜200mmである、請求項1〜4の何れかに記載され
    た触媒構造体。
  6. 【請求項6】全体の重量が25kg以下であって持ち運
    び可能である、請求項1〜5の何れかに記載された触媒
    構造体。
  7. 【請求項7】両端部が、他の触媒構造体と互いに接続可
    能に形成されている、請求項1〜6のいずれかに記載さ
    れた触媒構造体。
  8. 【請求項8】ガス導入口(20)、導入されたガスを加
    熱するための加熱手段(21)、加熱されたガスを燃焼
    ・分解するための反応室(22)該反応室(22)から
    排気口(25)へガスを流出させるためのファン(2
    3)及び、該ファン(23)と前記排気口(25)の間
    に設けられた流量計(24)を有する装置であって、前
    記反応室(22)が、請求項1〜7の何れかに記載され
    た触媒構造体であることを特徴とするガス燃焼分解装
    置。
  9. 【請求項9】ガス燃焼分解装置が、内部に少なくとも2
    個の触媒構造体を並列的に内包するコンパクトな箱型形
    状であると共に、各触媒構造体が、ガスが順次通過する
    如く配されている請求項8に記載されたガス燃焼分解装
    置。
  10. 【請求項10】各触媒構造体を流れるガスの流れ方法を
    逆転させるためのダンパー装置が、ガス導入口(20)
    とファン(26)の間に設けられている請求項9に記載
    されたガス燃焼分解装置。
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