JPH08317950A - 開放型使い捨ておむつ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】開放型使い捨ておむつにおけるテープファスナ
使用時の不快感を解消する。 【構成】開放型使い捨ておむつ１において、前後身頃の
少なくともいずれか一方の側縁部内面に粘着剤１７を塗
布して止着手段を形成し、離型紙１３の一端部１６を粘
着剤１７に当接して保護し、おむつ１の側縁部から側方
へ延出するその反対側端部１５をおむつ外面側へ折り返
して固着する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、使い捨ておむつに関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来、開放型使い捨ておむつの後身頃の
左右側縁部にテープファスナの一端部を固着し、その側
縁部から側方へ延出する自由端部を前身頃の外面に剥離
可能に止着しておむつを着用する技術は、周知である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前記従来技術では、着
用したおむつの前後身頃を腰周りでしっかりと連結する
ことができるように、テープファスナには比較的剛性の
高いクラフト紙やプラスチックフィルム、それらのラミ
ネートを使用することがある。この種テープを緊張させ
ると、テープ周縁は肌が触れても容易に変形することが
なく、むしろ肌に食い込むように作用して、痛みや不快
感などの刺激を与えかねないという問題がある。

【０００４】この発明は、従来のテープファスナに替え
ておむつ側縁部の内面に止着用の粘着部位を形成するこ
とで前記問題を解決することを課題にしている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明が前記課題を解
決するために手段とするところは、以下のとおりであ
る。

【０００６】この発明においては、透液性表面シートと
不透液性裏面シートとの間に吸液性コアが介在し、前後
身頃の少なくともいずれか一方の左右側縁部に他方の身
頃に対する接着・剥離可能な止着手段を備えた開放型使
い捨ておむつを前提にしている。

【０００７】かかる前提において、前記止着手段を構成
する粘着剤を前記一方の側縁部の内面に塗布し、該粘着
剤の少なくとも塗布域における該側縁部の外面に離型紙
を剥離不能に固着するとともに、該側縁部から側方へ延
出する前記離型紙部分を前記粘着剤側へ折り曲げて該粘
着剤に剥離可能に当接してあることがこの発明の特徴で
ある。

【０００８】かかる発明の好ましい実施態様において
は、前記離型紙が前記当接してある部位と前記固着して
ある部位との間の所要位置に、左右に二分することを可
能にする切り取り案内部を有する。

【０００９】

【作用】このように構成した使い捨ておむつでは、前後
身頃のいずれか一方の側縁部をそれに塗布した粘着剤を
利用して他方の身頃の側縁部に接合する。粘着剤を保護
する離型紙は、接合に先立って剥離し、切り取り案内部
で不要な部分を切り捨てる。離型紙は、粘着剤を塗布し
た部位に対応する側縁部外面側に固着していることによ
ってその部位の剛性を高め、一方の側縁部を他方の側縁
部に接合する操作を容易にする。

【００１０】

【実施例】この発明に係る使い捨ておむつの詳細を添付
の図面を参照して説明すると、以下のとおりである。

【００１１】図１は、おむつ１の表面側を示す部分破断
平面図である。おむつ１は、透液性不織布からなる表面
シート２と、不透液性プラスチックフィルムからなる裏
面シート３と、それら両シート２、３間に介在する粉砕
パルプと高吸水性ポリマーとの混合物からなる吸液性コ
ア４とで構成され、表裏面シート２、３は、コア４の周
縁から延出する部分が水密に接合してある。おむつ１の
前後方向は、前身頃６と、後身頃７と、股下域８とで構
成され、股下域８の左右側縁は、脚周りになじみ易いよ
うに切り欠いてある。その左右側縁の内側と、後身頃７
の端縁の内側とには、それら各縁に沿う脚周り弾性部材
１０と、腰周り弾性部材１１とが伸長状態で表裏面シー
ト２、３の少なくともいずれか一方の内面に貼着してあ
る。後身頃７の左右両側縁部には後身頃７を前身頃６と
連結するための粘着剤１７を被覆する帯状のプラスチッ
クフィルムからなる離型紙１３がある。

【００１２】図２は、図１のＩＩ−ＩＩ線矢視図であ
る。離型紙１３は、一端部１５が表裏面シート２、３の
各内面にホットメルト接着剤（図示せず）により剥離不
能に固着してある。一端部１５の反対側端部１６は、側
縁部から側方へ延出する部分であって、おむつ１の内方
へ折り返し、その折り返した端部１６が対向する領域に
おける表面シート２の外面に塗布した粘着剤１７に剥離
可能に当接してある。反対側端部１６の先端部分１６Ａ
は、粘着剤１７を越えてその外にまで延びており、剥離
するときの摘持部となる。剥離紙１３の固着した一端部
１５と剥離可能に当接した反対側端部１６との間には、
離型紙１３を二分することが可能なミシン目、その他の
間欠的切り込み線などの切り取り案内部１８がある。

【００１３】図３は、着用状態にあるおむつ１の斜視図
であって、離型紙１３の一部が切り裂かれた状態にあ
る。この図では、図２における離型紙１３を摘持用先端
部分１６Ａを持って剥がし、それによって露出した粘着
剤１７を介して後身頃７における側縁部を前身頃６にお
ける側縁部の裏面シート外面に剥離可能に貼着してあ
る。貼着した後に離型紙１３を切り取り案内部１８で切
断し、不要となった反対側端部１６を取り除く。なお、
その後に残った切り取り案内部１８近傍の部分１８Ａ
は、前後身頃６、７を剥離するときの摘持部として使用
することができる。図２に示すように、粘着剤１７を塗
布してある部位は表裏面シート２，３と離型紙１３とが
重なり合っているから、当該部位はその周囲よりも剛性
が高く、前身頃６への接合が容易である。

【００１４】おむつ１において、離型紙１３を粘着剤１
７に対して剥離可能にするためには、反対側端部１６の
当接面に離型剤を塗布したり、該当接面を粗面にして粘
着剤１７に対する実質的な当接面積を所要程度にまで少
なくしたりすることができる。離型紙１３は、図２のよ
うに一端部１５を表裏面シート２、３間に介在させる他
に、裏面シート３の外面に固着してもよい。なお、おむ
つ１には、例示の素材の他に、当該技術分野における慣
用素材を使用することができる。

【００１５】

【発明の効果】この発明に係る使い捨ておむつでは、前
後身頃の一方の左右側縁部とその他方の左右側縁部とを
互いに重ね合わせた部位で接合するから、従来技術のよ
うにテープファスナが肌に食い込んで不快感を生じると
いう問題を解消することができるうえ、テープファスナ
を介しての接合の場合にみられるような接合部位の不安
定性をなくすこともできる。側縁部の粘着剤を塗布した
部位は離型紙によって裏打ちされ、周囲よりも剛性が高
くなるから、その周囲に対し当該部位を素早く識別する
ことが可能となり、かつ接合操作が楽になる。離型紙
は、切り取り案内部に沿って切断し、着用時に不要とな
る部分を捨てることができるから、邪魔になることがな
い。

【図面の簡単な説明】

【図１】おむつの部分切断平面図。

【図２】図１のＩＩ−ＩＩ線端面図。

【図３】着用状態にあるおむつの斜視図。

【符号の説明】

１ おむつ ２ 表面シート ３ 裏面シート ４ 吸液性コア ６ 前身頃 ７ 後身頃 １３ 離型紙 １５ 一端部 １６ 反対側端部 １７ 粘着剤（止着手段） １８ 切り取り案内部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】透液性表面シートと不透液性裏面シートと
   の間に吸液性コアが介在し、前後身頃の少なくともいず
   れか一方の左右側縁部に他方の身頃に対する接着・剥離
   可能な止着手段を備えた開放型の使い捨ておむつにおい
   て、 前記止着手段を構成する粘着剤を前記一方の側縁部の内
   面に塗布し、該粘着剤の少なくとも塗布域における該側
   縁部の外面に離型紙を剥離不能に固着するとともに、該
   側縁部から側方へ延出する前記離型紙部分を前記粘着剤
   側へ折り曲げて該粘着剤に剥離可能に当接してあること
   を特徴とする前記おむつ。
2. 【請求項２】前記離型紙の前記剥離可能に当接してある
   部位と前記固着してある部位との間の所要位置に、左右
   に二分することを可能にする切り取り案内部が形成して
   ある請求項１記載のおむつ。