JPH08316249A - Ii−vi 族化合物半導体基板およびその製造法 - Google Patents
Ii−vi 族化合物半導体基板およびその製造法Info
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Abstract
代わり、亜鉛の蒸発を防止しながら低抵抗な特性を有す
るII-VI 族化合半導体基板およびその製造法の提供。 【構成】 単結晶から切り出したZnSe単結晶基板2
を、スライドボード1に組み込まれたスライダー8に設
けられたメルト槽4底部のキャビティ3にセットし、こ
の基板上に高純度亜鉛5を、さらにその上に液体封止剤
6としてB2 O3を入れ蓋7をした後、このスライドボ
ードを横型管状炉で800℃に昇温後、この温度で60
時間保持して溶融亜鉛処理する。その後徐冷してZnS
e基板を取り出す。
Description
て使用されるZnSe等のII-VI 族化合物半導体結晶体
基板およびその製造法に関する。
晶の製造法としては高圧溶融法や気相成長法が知られて
いるが、このうち特に高圧溶融法は気相成長法に比べ大
口径で長尺な結晶を得ることが可能とされている。
熱し、凝固させて結晶を得る方法であり、例えばZnS
eの単結晶体を製造するには、1550℃以上にまで加
熱した後、徐冷しながら凝固させるが、このようにして
得た単結晶体は多量の不純物を含み、非常に高抵抗であ
ることから、ZnSeホモエピタキシアル成長用基板と
しては不適当であった。
る改良法として、石英ガラス製封管を用いて溶融亜鉛中
で熱処理を施し、結晶体中の不純物を溶出して純化さ
せ、低抵抗化させる方法が用いられるようになった。
良法では溶融亜鉛の熱処理中亜鉛の蒸発を防ぐため、石
英ガラス容器を密封しなければならず、このため容器封
止の際、石英ガラス製のキャップを溶着する必要があ
り、装置を大型化する場合には構造上の制約があり、工
業化には無理があった。また、材質的には容器に用いる
石英ガラスの軟化を防ぐために、熱処理温度を1000
℃以上に上げることができないため、熱処理時間を長く
する必要があった。
る溶融亜鉛処理用容器の密封手段に代わり、亜鉛の蒸発
を防止しながら低抵抗な特性を有するII-VI 族化合物半
導体基板およびその製造法を提供することにある。
達成するべく研究の結果、溶融亜鉛処理を行う際、亜鉛
融液の上に液体封止剤を浮かべて封止し、好ましくはさ
らに封止剤上から亜鉛の蒸気圧以上の圧力を加えるよう
にすれば、亜鉛の蒸発が防げると共に、このような処理
によって得られる結晶は高純度でかつ低抵抗な特性を有
することを見いだし本発明に到達した。
下、キャリア密度2×1016cm-3以下の特性を有するこ
とを特徴とするII-VI 族化合物半導体基板;第2に所定
形状のII-VI 族化合物半導体結晶体に、液体封止剤にて
封止した溶融亜鉛浴中で熱処理を施すことにより、抵抗
率2Ωcm以下の低抵抗基板を得ることを特徴とするII-V
I 族化合物半導体基板の製造法;第3に所定形状のII-V
I 族化合物半導体結晶体に、液体封止剤にて封止した溶
融亜鉛浴中で熱処理を施し、その際該封止剤上から亜鉛
の蒸気圧以上の圧力を加えて亜鉛の蒸発を防止して、抵
抗率2Ωcm以下の低抵抗基板を得ることを特徴とするII
-VI 族化合物半導体基板の製造法を提供するものであ
る。
晶基板は、垂直ブリッジマン炉(VB炉)または垂直徐
冷炉(VGF炉)を用いて、高圧溶融法により融液から
ZnSeバルク結晶を製造する際に、ZnSe多結晶を
種結晶として使用し、該種結晶の上に単結晶を育成する
ことによって得られたZnSeバルク単結晶を、スライ
サーで[100]方位に切り出したものを、ラッピング
研磨して作製した基板を所定形状に切り出したものであ
る。
用する液体封止剤はB2 O3 であり、この物質は沸点で
ある1860℃まで安定であり、さらに亜鉛の融点(約
420℃)に近い460℃の融点と亜鉛の比重(7.1
4g/cm3 )よりも低い2.86g/cm3 の比重を持つ
ものである。
処理の際、液体封止剤として用いると、亜鉛の蒸発が抑
えられるため従来のように石英ガラス容器等で密封する
必要ががなくなる。
英の軟化温度以下に限られていたが、上記封止剤により
この制限を受けないためより高温での処理が可能となり
短時間の処理で低抵抗なZnSeの結晶基板を得ること
ができる。
が本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
装置(スライドボード)の模式断面図であって、この図
を参照して以下説明する。 (1)まず、あらかじめZnSeの単結晶から5mm角×
1mm厚の単結晶基板2を切り出したものを準備し、該基
板の表面を研磨処理した後、エッチング処理を施してか
ら、スライドボード1内に組み込まれたスライダー8に
設けられた複数のメルト槽4底部のキャビティ(座ぐ
り)3にそれぞれセットした。 (2)次いで上記基板上に純度5Nの高純度亜鉛5の2
0gを、さらにその上部に液体封止剤6としてB2 O3
の10gずつ入れて蓋7をした。 (3)次いで上記スライドボード1を横型管状炉に入
れ、炉内を窒素雰囲気とした後、3時間かけて800℃
まで昇温させ、この800℃の状態で60時間保持して
溶融亜鉛処理を施した。 (4)この後、スライドボードを横型管状炉から移動し
て、室温下で8時間かけて徐冷し、ZnSe基板2を溶
融亜鉛より分離した。この場合、冷却後のメルト槽4内
の亜鉛の重量を測定し、亜鉛の初期重量から溶融亜鉛処
理後の重量を差し引いた重量を溶融亜鉛処理時間で除し
て亜鉛蒸発速度を求めたところ、0.2g/時間であっ
た。
6を用いない場合の亜鉛蒸発速度は8g/時間であり、
溶融亜鉛処理の際、液体封止剤の使用は亜鉛の蒸発を抑
えるために極めて有効である事が確認された。 (5)また、溶融亜鉛処理後の残った亜鉛について、液
体封止剤であるB2 O3からボロン(B)の混入があっ
たか否かをICP(Injected Coupled Plasma)法で分析
したところ、ボロンの混入は認められなかった。 (6)上記溶融亜鉛処理後のZnSe単結晶基板は表面
に付着した亜鉛を研磨により除去した後、0.1%臭化
メタノール液にてエッチング処理を行い、Inのオーミ
ック電極を形成した。 (7)このオーミック電極を用いて、ファンデルポウ
(Van der Pauw)法によりホール測定を行い、伝導型、
抵抗率、キャリア密度、移動度について評価を行ったと
ころ表1にサンプルAとして示されている結果を得た。
果を表1にまとめたが、これらの結果から、溶融亜鉛処
理を60時間施して得た本発明の方法による基板は著し
く抵抗率が低く、優れたn型特性を示していた。
をあらかじめスライドボードにセットして横型管状炉に
入れた後、炉内条件として窒素ガスを5kg/cm 2 の圧力
で加え、炉温度を1100℃一定で24時間溶融亜鉛処
理を行った。
亜鉛の蒸発速度を求めたところ、0.1g/時間であっ
た。このことから液体封止剤の上から圧力を加えると、
より高温下において亜鉛の蒸発を抑えながら処理が可能
であることが判明した。
と同様にホール測定を行い、その結果を表1中のBサン
プルとして示したが、この基板も低抵抗率を有し、n型
特性を示すものである。
つぼを示す模式断面図、同図(b)は溶融亜鉛処理後、
バッチ式るつぼを逆さにして溶融亜鉛とZnSe基板と
を分離した状態を示す模式断面図であって、これらを参
照して以下説明する。 (1)図2(a)に示すカーボンるつぼ9を用い、あら
かじめ準備した直径25mm×厚さ1mmのZnSe単結晶
基板2を、該るつぼ9内の下室にセットし、その基板上
に5N高純度亜鉛を150g入れた。 (2)さらに上記亜鉛上に液体封止剤6としてB2 O3
を20g入れた後、るつぼ上部をカーボン製ねじ込みキ
ャップ10で蓋をして縦型管状炉に入れた。 (3)炉内を窒素雰囲気として、3時間で800℃まで
昇温し、この温度で60時間保持し、溶融亜鉛処理を行
った。 (4)次いで図2(b)に示すように、処理後のカーボ
ンるつぼ2自体を逆さにして、溶融亜鉛とZnSe基板
とを分離し、室温下に徐冷した。 (5)冷却後、るつぼ9内に残った亜鉛の重量を測定
し、亜鉛の蒸発速度を調べたところ0.1g/時間以下
であった。
施例1と同様にホール測定を行ったところ、どの部分も
均一であり、n型の低抵抗率を示していた。
融亜鉛処理条件として、液体封止剤としてB2 O3 を用
いないほかはすべて実施例1と同様な方法で行ったとこ
ろ、冷却後メルト槽内の亜鉛はすべて蒸発して消失して
いた。
理を施してホール測定を行ったところ、高抵抗率(10
10Ωcm以上)であったため、移動度、キャリア密度等の
特性値を求めることができなかった。
べたところ、8g/時間であることが判明したが、この
ことからメルト槽内の20gの亜鉛は約3時間で蒸発し
て消失してしまい、溶融亜鉛処理が不十分となって低抵
抗化しなかったことがわかった。
れば、II-VI 族化合物半導体であるZnSe結晶体を溶
融亜鉛浴中で熱処理する際、該亜鉛浴上を液体封止剤で
封止し、好ましくはさらにこの封止剤上から亜鉛の蒸気
圧以上の圧力を加えて行うので、従来の石英ガラスの密
封容器中での処理では製造できなかった低抵抗率でしか
もキャリア密度も低いZnSe基板を簡易な手段で製造
できるようになった。
溶融亜鉛処理るつぼの模式断面図である。
理中のバッチ式るつぼを示す模式断面図、同図(b)は
溶融亜鉛処理後、バッチ式るつぼを逆さにして溶融亜鉛
とZnSe基板とを分離した状態を示す模式断面図であ
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 抵抗率2Ωcm以下、キャリア密度2×1
016cm-3以下の特性を有することを特徴とするII-VI 族
化合物半導体基板。 - 【請求項2】 所定形状のII-VI 族化合物半導体結晶体
に、液体封止剤にて封止した溶融亜鉛浴中で熱処理を施
すことにより、抵抗率2Ωcm以下の低抵抗基板を得るこ
とを特徴とするII-VI 族化合物半導体基板の製造法。 - 【請求項3】 所定形状のII-VI 族化合物半導体結晶体
に、液体封止剤にて封止した溶融亜鉛浴中で熱処理を施
し、その際該封止剤上から亜鉛の蒸気圧以上の圧力を加
えて亜鉛の蒸発を防止して、抵抗率2Ωcm以下の低抵抗
基板を得ることを特徴とするII-VI 族化合物半導体基板
の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14679895A JPH08316249A (ja) | 1995-05-22 | 1995-05-22 | Ii−vi 族化合物半導体基板およびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14679895A JPH08316249A (ja) | 1995-05-22 | 1995-05-22 | Ii−vi 族化合物半導体基板およびその製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08316249A true JPH08316249A (ja) | 1996-11-29 |
Family
ID=15415778
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14679895A Pending JPH08316249A (ja) | 1995-05-22 | 1995-05-22 | Ii−vi 族化合物半導体基板およびその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08316249A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001053080A (ja) * | 1999-08-05 | 2001-02-23 | Japan Energy Corp | 半導体単結晶の熱処理方法及び半導体装置の製造方法 |
-
1995
- 1995-05-22 JP JP14679895A patent/JPH08316249A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001053080A (ja) * | 1999-08-05 | 2001-02-23 | Japan Energy Corp | 半導体単結晶の熱処理方法及び半導体装置の製造方法 |
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