JPH08316000A - 高周波加速システム - Google Patents

高周波加速システム

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JPH08316000A
JPH08316000A JP11472195A JP11472195A JPH08316000A JP H08316000 A JPH08316000 A JP H08316000A JP 11472195 A JP11472195 A JP 11472195A JP 11472195 A JP11472195 A JP 11472195A JP H08316000 A JPH08316000 A JP H08316000A
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JP
Japan
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frequency
cavity
cooling water
acceleration
temperature
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Application number
JP11472195A
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English (en)
Inventor
Kiyokazu Sato
潔和 佐藤
Takashi Miura
俊 三浦
Makoto Tanabe
允 田辺
Hiroshi Hirata
寛 平田
Hideo Kozu
秀雄 神津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高周波加速空洞の厳密温調の本来の目的である
空洞に起因するビーム不安定性を確実に抑制することが
でき、また複雑で大がかりな冷却水温調系を簡素化する
こと。 【構成】荷電粒子ビームを加速する加速器の高周波加速
システムにおいて、高周波加速空洞の入口側および出口
側の冷却水温度を測定し、その平均値が一定となるよう
に冷却水温度を調整する制御部を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば半導体製造用X
線リソグラフィや医療用に使用されている、荷電粒子ビ
ームを加速する加速器の高周波加速システムに係り、特
に高性能かつ簡素でしかも信頼性に富んだ高周波加速シ
ステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図7は、この種の従来の高周波加速シス
テムの一例を示す構成図である。図7において、高周波
加速システムは、超高真空に保たれた高周波加速空洞1
と、高周波電力源7からの高周波電力を高周波加速空洞
1に入力するための入力カプラー2と、高周波加速空洞
1の共振周波数を、入力される高周波電力の周波数に同
調させるための可動チューナー3と、加工誤差等による
周波数の初期調整を行なうための固定チューナー4と、
高周波加速空洞1内の電磁場をモニターするためのRF
モニタープローブ5と、高周波加速空洞1に入力される
高周波信号を取り出す方向性結合器6と、可動チューナ
ー3を制御するチューナー制御盤8と、冷却水温度調整
機能(ヒーターやクーラー)を有し、高周波加速空洞1
に対して空洞冷却用の冷却水を供給・排出する冷却装置
9と、高周波加速空洞1の入口側における冷却水温度を
測定する温度センサー11と、温度センサー11により
測定された冷却水温度の値が一定となるように冷却装置
9を制御する制御部10とから構成されている。
【0003】かかる構成の高周波加速システムにおい
て、高周波電力源7からの高周波電力は、入力カプラー
2を介して、超高真空に保たれた高周波加速空洞1に入
力され、高周波加速空洞1内にビーム加速に必要なある
一定の共振周波数の電磁界を発生させる。これによっ
て、高周波加速空洞1を通過する粒子が加速される。
【0004】また、高周波加速空洞1の共振周波数は、
温度変化に伴って変化する。そこで、これを補正するた
めに、RFモニタープローブ5で高周波加速空洞1内の
共振電磁界をモニターし、方向性結合器6からの高周波
加速空洞1に入力されている高周波信号との位相差をチ
ューナ制御盤8で比較して、両者の差がなくなるように
可動チューナー3を高周波加速空洞1に出し入れする制
御を行なう。
【0005】さらに、高周波加速空洞1には、冷却のた
め、冷却装置9に対して冷却水が供給・排出される。こ
の場合、高周波加速空洞1は、その共振周波数を一定に
保つ等の理由から、温度調整された冷却水で冷却され
る。特に、近年の高周波加速システムでは、加速器の高
性能化に伴って、高周波加速空洞1に起因するビーム不
安定性を抑制するために、高次モードも含めた共振周波
数を厳密に制御する必要が生じ、冷却水温度の調整にも
±0.1度以下の精度が要求されるようになってきてい
る。その理由は、可動チューナー3により加速に係わる
共振周波数を一定に保っても、高次モードの共振周波数
は変化してしまい、冷却水温度の制御が必要になるため
である。
【0006】従って、従来の高周波加速システムでは、
冷却水の高周波加速空洞1入口側で温度センサー11に
よって冷却水温度を測定し、その値を目的の精度で一定
となるように、冷却水温調系である冷却装置9のヒータ
ーやクーラーを制御部10で制御するようにしている。
【0007】しかしながら、このような制御方法では、
冷却水の高周波加速空洞1入口側温度を一定としても、
実際に共振周波数を決める高周波加速空洞1の実体温度
は、大気温度、入力電力、ビーム負荷等により変化する
ことから、ビーム不安定性を抑制するために、高次モー
ドも含めた共振周波数を厳密に制御するという目的を十
分に達成していない。
【0008】また、一般に、高周波加速空洞1で使用す
る数十〜数百リットル/分という多量の冷却水を、±
0.1度以下の精度で温度調整するためには、複雑で大
がかりな冷却水温調系である冷却装置9が必要である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
高周波加速システムにおいては、ビーム不安定性を確実
に抑制することができないばかりでなく、冷却水温調系
が複雑で大がかりになるという問題があった。
【0010】本発明の目的は、高周波加速空洞の厳密温
調の本来の目的である空洞に起因するビーム不安定性を
確実に抑制することができ、また複雑で大がかりな冷却
水温調系を簡素化することが可能な高性能かつ簡素でし
かも信頼性に富んだ高周波加速システムを提供すること
にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、まず、請求項1に対応した発明の高周波加速シス
テムは、高周波電力が入力されると、空洞本体内にビー
ム加速に必要なある一定の共振周波数の電磁界を発生さ
せることによって、空洞本体を通過する粒子を加速する
超高真空に保たれた高周波加速空洞と、高周波加速空洞
の共振周波数を、入力される高周波電力の周波数に同調
させる可動チューナーと、高周波加速空洞内の共振電磁
界をモニターするRFモニタープローブと、RFモニタ
ープローブによりモニターされた共振電磁界と、高周波
加速空洞に入力されている高周波信号との位相差を比較
して、両者の差がなくなるように可動チューナーを高周
波加速空洞に出し入れする制御を行なうチューナ制御部
と、冷却水温度調整機能を有し、高周波加速空洞に対し
て空洞冷却用の冷却水を供給・排出する冷却装置と、高
周波加速空洞の入口側および出口側における冷却水温度
をそれぞれ測定する温度センサーと、温度センサーによ
り測定された冷却水の入口側温度と出口側温度との平均
値を算出し、かつ当該平均値が一定となるように冷却装
置を制御する制御部とを備えて成る。
【0012】また、請求項2に対応した発明の高周波加
速システムは、高周波電力が入力されると、空洞本体内
にビーム加速に必要なある一定の共振周波数の電磁界を
発生させることによって、空洞本体を通過する粒子を加
速する超高真空に保たれた高周波加速空洞と、高周波加
速空洞の共振周波数を、入力される高周波電力の周波数
に同調させる可動チューナーと、高周波加速空洞内の共
振電磁界をモニターするRFモニタープローブと、RF
モニタープローブによりモニターされた共振電磁界と、
高周波加速空洞に入力されている高周波信号との位相差
を比較して、両者の差がなくなるように可動チューナー
を高周波加速空洞に出し入れする制御を行なうチューナ
制御部と、冷却水温度調整機能を有し、高周波加速空洞
に対して空洞冷却用の冷却水を供給・排出する冷却装置
と、高周波加速空洞の実体温度を測定する温度センサー
と、温度センサーにより測定された高周波加速空洞の実
体温度の値が一定となるように冷却装置を制御する制御
部とを備えて成る。
【0013】一方、請求項3に対応した発明の高周波加
速システムは、高周波電力が入力されると、空洞本体内
にビーム加速に必要なある一定の共振周波数の電磁界を
発生させることによって、空洞本体を通過する粒子を加
速する超高真空に保たれた高周波加速空洞と、高周波加
速空洞の共振周波数を、入力される高周波電力の周波数
に同調させる可動チューナーと、高周波加速空洞内の共
振電磁界をモニターするRFモニタープローブと、RF
モニタープローブによりモニターされた共振電磁界と、
高周波加速空洞に入力されている高周波信号との位相差
を比較して、両者の差がなくなるように可動チューナー
を高周波加速空洞に出し入れする制御を行なうチューナ
制御部と、冷却水温度調整機能を有し、高周波加速空洞
に対して空洞冷却用の冷却水を供給・排出する冷却装置
と、高周波加速空洞の入口側および出口側の少なくとも
一方における冷却水温度を測定する温度センサーと、温
度センサーにより測定された冷却水温度の値が一定とな
るように冷却装置を制御する制御部と、温度センサーに
より測定された冷却水の入口側温度と出口側温度との平
均値を算出し、かつ当該平均値が一定となるように高周
波加速空洞に入力される高周波電力を調整する高周波電
力制御部とを備えて成る。
【0014】また、請求項4に対応した発明の高周波加
速システムは、高周波電力が入力されると、空洞本体内
にビーム加速に必要なある一定の共振周波数の電磁界を
発生させることによって、空洞本体を通過する粒子を加
速する超高真空に保たれた高周波加速空洞と、高周波加
速空洞の共振周波数を、入力される高周波電力の周波数
に同調させる可動チューナーと、高周波加速空洞内の共
振電磁界をモニターするRFモニタープローブと、RF
モニタープローブによりモニターされた共振電磁界と、
高周波加速空洞に入力されている高周波信号との位相差
を比較して、両者の差がなくなるように可動チューナー
を高周波加速空洞に出し入れする制御を行なうチューナ
制御部と、冷却水温度調整機能を有し、高周波加速空洞
に対して空洞冷却用の冷却水を供給・排出する冷却装置
と、高周波加速空洞の入口側または出口側における冷却
水温度を測定する第1の温度センサーと、高周波加速空
洞の実体温度を測定する第2の温度センサーと、第1の
温度センサーにより測定された冷却水温度の値が一定と
なるように冷却装置を制御する制御部と、第2の温度セ
ンサーにより測定された高周波加速空洞の実体温度の値
が一定となるように高周波加速空洞に入力される高周波
電力を調整する高周波電力制御部とを備えて成る。
【0015】一方、請求項5に対応した発明の高周波加
速システムは、高周波電力が入力されると、空洞本体内
にビーム加速に必要なある一定の共振周波数の電磁界を
発生させることによって、空洞本体を通過する粒子を加
速する超高真空に保たれた高周波加速空洞と、高周波加
速空洞の共振周波数を、入力される高周波電力の周波数
に同調させる可動チューナーと、高周波加速空洞内の共
振電磁界をモニターするRFモニタープローブと、RF
モニタープローブによりモニターされた共振電磁界と、
高周波加速空洞に入力されている高周波信号との位相差
を比較して、両者の差がなくなるように可動チューナー
を高周波加速空洞に出し入れする制御を行なうチューナ
制御部と、冷却水温度調整機能を有し、高周波加速空洞
に対して空洞冷却用の冷却水を供給・排出する冷却装置
と、RFモニタープローブによりモニターされたビーム
不安定性の原因となる高次モードの強度が小さくなるよ
うに冷却装置を制御する制御部とを備えて成る。
【0016】また、請求項6に対応した発明の高周波加
速システムは、高周波電力が入力されると、空洞本体内
にビーム加速に必要なある一定の共振周波数の電磁界を
発生させることによって、空洞本体を通過する粒子を加
速する超高真空に保たれた高周波加速空洞と、高周波加
速空洞の共振周波数を、入力される高周波電力の周波数
に同調させる可動チューナーと、高周波加速空洞内の共
振電磁界をモニターするRFモニタープローブと、RF
モニタープローブによりモニターされた共振電磁界と、
高周波加速空洞に入力されている高周波信号との位相差
を比較して、両者の差がなくなるように可動チューナー
を高周波加速空洞に出し入れする制御を行なうチューナ
制御部と、冷却水温度調整機能を有し、高周波加速空洞
に対して空洞冷却用の冷却水を供給・排出する冷却装置
と、高周波加速空洞の入口側または出口側における冷却
水温度を測定する温度センサーと、温度センサーにより
測定された冷却水温度の値が一定となるように冷却装置
を制御する制御部と、RFモニタープローブによりモニ
ターされたビーム不安定性の原因となる高次モードの強
度が小さくなるように高周波加速空洞に入力される高周
波電力を調整する高周波電力制御部とを備えて成る。
【0017】
【作用】従って、まず、請求項1に対応した発明の高周
波加速システムにおいては、高周波加速空洞の入口側お
よび出口側における冷却水温度をそれぞれ測定し、その
平均値が一定となるように冷却装置を制御して冷却水温
度を調整することにより、高周波加速空洞の実体温度を
一定に保つことができる。
【0018】また、請求項2に対応した発明の高周波加
速システムにおいては、高周波加速空洞の実体温度を測
定し、その値が一定となるように冷却装置を制御して冷
却水温度を調整することにより、厳密に空洞温度を一定
に保つことができる。
【0019】一方、請求項3に対応した発明の高周波加
速システムにおいては、高周波加速空洞の入口側および
出口側の少なくとも一方における冷却水温度を測定し、
その値が一定となるように冷却装置を制御して冷却水温
度を調整すると共に、高周波加速空洞の入口側および出
口側における冷却水温度の平均値が一定となるように高
周波加速空洞に入力される高周波電力を調整することに
より、冷却水温度の精度に対する要求が緩和される。
【0020】また、請求項4に対応した発明の高周波加
速システムにおいては、高周波加速空洞の入口側または
出口側における冷却水温度を測定し、その値が一定とな
るように冷却装置を制御して冷却水温度を調整すると共
に、高周波加速空洞の実体温度を測定し、その値が一定
となるように高周波加速空洞に入力される高周波電力を
調整することにより、冷却水温度の精度に対する要求が
緩和される。
【0021】一方、請求項5に対応した発明の高周波加
速システムにおいては、RFモニタープローブによりモ
ニターされたビーム不安定性の原因となる高次モードの
強度が小さくなるように冷却装置を制御して冷却水温度
を調整することにより、問題となっている高次モードの
強度を確実に下げることができる。
【0022】また、請求項6に対応した発明の高周波加
速システムにおいては、高周波加速空洞の入口側または
出口側における冷却水温度を測定し、その値が一定とな
るように冷却装置を制御して冷却水温度を調整すると共
に、RFモニタープローブによりモニターされたビーム
不安定性の原因となる高次モードの強度が小さくなるよ
うに高周波加速空洞に入力される高周波電力を調整する
ことにより、問題となっている高次モードの強度を確実
に下げることができ、かつ冷却水温度の精度に対する要
求が緩和される。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て詳細に説明する。 (第1の実施例)図1は、本実施例による高周波加速シ
ステムを示す構成図であり、図7と同一要素には同一符
号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分につ
いてのみ述べる。
【0024】すなわち、本実施例の高周波加速システム
は、図1に示すように、図7に加えて、前記高周波加速
空洞1の出口側における冷却水温度を測定する温度セン
サー12を備え、さらに前記制御部10として、各温度
センサー11と12により測定された冷却水の入口側温
度と出口側温度との平均値を算出し、かつこの平均値が
一定となるように冷却装置9を制御する制御部を備えた
構成としている。
【0025】次に、以上のように構成した本実施例の高
周波加速システムの作用について説明する。なお、ここ
では、図7と異なる部分の作用についてのみ述べる。図
1において、高周波加速空洞1には、冷却のため、冷却
装置9から冷却水が供給・排出される。
【0026】この場合、温度センサー11および温度セ
ンサー12によって、高周波加速空洞1の入口側および
出口側の冷却水の温度が測定される。そして、制御部1
0では、この冷却水の入口側温度と出口側温度との平均
値を算出し、その値が目的の精度(例えば±0.1度)
で一定となるように、冷却装置9のヒーターやクーラー
が制御される。
【0027】これにより、高周波加速空洞1の入口側の
冷却水の温度のみを測定して、制御を行なっていた従来
の場合に比べて、高周波加速空洞1の実体温度をより一
層一定に保つことができ、共振周波数を確実に一定に保
ち、ビーム不安定性を抑制することができる。
【0028】上述したように、本実施例の高周波加速シ
ステムでは、高周波加速空洞1の入口側および出口側に
おける冷却水温度をそれぞれ測定し、その平均値が一定
となるように冷却装置9を制御して冷却水温度を調整す
るようにしたものである。
【0029】従って、高周波加速空洞1の実体温度を一
定に保つことができるため、高周波加速空洞1の厳密温
調の本来の目的である空洞に起因するビーム不安定性を
確実に抑制することが可能となる。
【0030】また、複雑で大がかりな冷却水温調系であ
る冷却装置9を簡素化することが可能となる。これによ
り、高性能かつ簡素で、信頼性に富んだ高周波加速シス
テムを得ることができる。
【0031】(第2の実施例)図2は、本実施例による
高周波加速システムを示す構成図であり、図7と同一要
素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異
なる部分についてのみ述べる。
【0032】すなわち、本実施例の高周波加速システム
は、図2に示すように、図7における温度センサー11
を省略すると共に、これに代えて、前記高周波加速空洞
1の実体温度を測定する温度センサー13を備え、さら
に前記制御部10として、温度センサー13により測定
された高周波加速空洞1の実体温度の値が一定となるよ
うに冷却装置9を制御する制御部を備えた構成としてい
る。
【0033】次に、以上のように構成した本実施例の高
周波加速システムの作用について説明する。なお、ここ
では、図7と異なる部分の作用についてのみ述べる。図
2において、高周波加速空洞1には、冷却のため、冷却
装置9から冷却水が供給・排出される。
【0034】この場合、温度センサー13によって、実
体温度が測定される。そして、制御部10では、この高
周波加速空洞1の実体温度の値が目的の精度(例えば±
0.1度)で一定となるように、冷却装置9のヒーター
やクーラーが制御される。
【0035】これにより、高周波加速空洞1の入口側の
冷却水の温度のみを測定して、制御を行なっていた従来
の場合に比べて、実際に共振周波数を決める高周波加速
空洞1の実体温度を測定し、それを一定に制御するた
め、共振周波数を確実に一定に保ち、ビーム不安定性を
抑制することができる。
【0036】上述したように、本実施例の高周波加速シ
ステムでは、高周波加速空洞1の実体温度を測定し、そ
の値が一定となるように冷却装置9を制御して冷却水温
度を調整するようにしたものである。
【0037】従って、高周波加速空洞1の温度を厳密に
一定に保つことができるため、高周波加速空洞1の厳密
温調の本来の目的である空洞に起因するビーム不安定性
を確実に抑制することが可能となる。
【0038】また、複雑で大がかりな冷却水温調系であ
る冷却装置9を簡素化することが可能となる。これによ
り、高性能かつ簡素で、信頼性に富んだ高周波加速シス
テムを得ることができる。
【0039】(第3の実施例)図3は、本実施例による
高周波加速システムを示す構成図であり、図7と同一要
素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異
なる部分についてのみ述べる。
【0040】すなわち、本実施例の高周波加速システム
は、図3に示すように、図7に加えて、前記高周波加速
空洞1の出口側における冷却水温度を測定する温度セン
サー12を備え、さらに各温度センサー11と12によ
り測定された冷却水の入口側温度と出口側温度との平均
値を算出し、かつこの平均値が一定となるように高周波
電力源7から高周波加速空洞1に入力される高周波電力
を制御する高周波電力制御部14を備えた構成としてい
る。
【0041】次に、以上のように構成した本実施例の高
周波加速システムの作用について説明する。なお、ここ
では、図7と異なる部分の作用についてのみ述べる。図
3において、高周波加速空洞1には、冷却のため、冷却
装置9から冷却水が供給・排出される。
【0042】この場合、温度センサー11および温度セ
ンサー12によって、高周波加速空洞1の入口側および
出口側の冷却水の温度が測定される。そして、制御部1
0では、この冷却水の入口側温度の値が目的の精度(例
えば±0.5度)で一定となるように、冷却装置9のヒ
ーターやクーラーが制御される。
【0043】また、高周波電力制御部14では、この冷
却水の入口側温度と出口側温度との平均値を算出し、そ
の値がさらに厳密な精度(例えば±0.1度)で一定と
なるように、高周波加速空洞1に入力する高周波電力が
調整される。そして、この高周波電力の大小によって
も、高周波加速空洞1の温度が制御される。
【0044】これにより、高周波加速空洞1の入口側の
冷却水の温度のみを測定して、制御を行なっていた従来
の場合に比べて、本来問題となっている高次モードの強
度を確実に下げることができ、共振周波数を確実に一定
に保ち、ビーム不安定性を抑制することができる。
【0045】また、高周波電力を制御することにより、
冷却水温度に対する要求精度を緩和することができる。
上述したように、本実施例の高周波加速システムでは、
高周波加速空洞1の入口側および出口側の少なくとも一
方における冷却水温度を測定し、高周波加速空洞1の入
口側の冷却水温度の値が一定となるように冷却装置9を
制御して冷却水温度を調整すると共に、高周波加速空洞
1の入口側および出口側における冷却水温度の平均値が
一定となるように高周波加速空洞1に入力される高周波
電力を調整するようにしたものである。
【0046】従って、本来問題となっている高次モード
の強度を確実に下げることができるため、高周波加速空
洞1の厳密温調の本来の目的である空洞に起因するビー
ム不安定性を確実に抑制することが可能となる。
【0047】また、複雑で大がかりな冷却水温調系であ
る冷却装置9を簡素化することが可能となる。さらに、
高周波電力を制御しているため、冷却水温度に対する要
求精度を緩和することが可能となる。
【0048】これにより、高性能かつ簡素で、信頼性に
富んだ高周波加速システムを得ることができる。 (第4の実施例)図4は、本実施例による高周波加速シ
ステムを示す構成図であり、図7と同一要素には同一符
号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分につ
いてのみ述べる。
【0049】すなわち、本実施例の高周波加速システム
は、図4に示すように、図7に加えて、前記高周波加速
空洞1の実体温度を測定する温度センサー13を備え、
さらに温度センサー13により測定された高周波加速空
洞1の実体温度の値が一定となるように高周波電力源7
から高周波加速空洞1に入力される高周波電力を制御す
る高周波電力制御部14を備えた構成としている。
【0050】次に、以上のように構成した本実施例の高
周波加速システムの作用について説明する。なお、ここ
では、図7と異なる部分の作用についてのみ述べる。図
4において、高周波加速空洞1には、冷却のため、冷却
装置9から冷却水が供給・排出される。
【0051】この場合、温度センサー11によって、高
周波加速空洞1の入口側の冷却水の温度が測定される。
そして、制御部10では、この冷却水の入口側温度の値
が目的の精度(例えば±0.5度)で一定となるよう
に、冷却装置9のヒーターやクーラーが制御される。
【0052】また、温度センサー13によって、高周波
加速空洞1の実体温度が測定される。そして、高周波電
力制御部14では、この高周波加速空洞1の実体温度の
値がさらに厳密な精度(例えば±0.1度)で一定とな
るように、高周波電力源7から高周波加速空洞1に入力
される高周波電力が調整される。
【0053】これにより、高周波加速空洞1の入口側の
冷却水の温度のみを測定して、制御を行なっていた従来
の場合に比べて、本来問題となっている高次モードの強
度を確実に下げることができ、共振周波数を確実に一定
に保ち、ビーム不安定性を抑制することができる。
【0054】また、高周波電力を制御することにより、
冷却水温度に対する要求精度を緩和することができる。
上述したように、本実施例の高周波加速システムでは、
高周波加速空洞1の入口側または出口側における冷却水
温度を測定し、その値が一定となるように冷却装置9を
制御して冷却水温度を調整すると共に、高周波加速空洞
1の実体温度を測定し、その値が一定となるように高周
波加速空洞1に入力される高周波電力を調整するように
したものである。
【0055】従って、本来問題となっている高次モード
の強度を確実に下げることができるため、高周波加速空
洞1の厳密温調の本来の目的である空洞に起因するビー
ム不安定性を確実に抑制することが可能となる。
【0056】また、複雑で大がかりな冷却水温調系であ
る冷却装置9を簡素化することが可能となる。さらに、
高周波電力を制御しているため、冷却水温度に対する要
求精度を緩和することが可能となる。
【0057】これにより、高性能かつ簡素で、信頼性に
富んだ高周波加速システムを得ることができる。 (第5の実施例)図5は、本実施例による高周波加速シ
ステムを示す構成図であり、図7と同一要素には同一符
号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分につ
いてのみ述べる。
【0058】すなわち、本実施例の高周波加速システム
は、図5に示すように、図7における温度センサー11
を省略し、さらに前記制御部10として、RFモニター
プローブ5によりモニターされたビーム不安定性の原因
となる高次モードの強度が小さくなるように冷却装置9
を制御する制御部を備えた構成としている。
【0059】次に、以上のように構成した本実施例の高
周波加速システムの作用について説明する。なお、ここ
では、図7と異なる部分の作用についてのみ述べる。図
5において、高周波加速空洞1には、冷却のため、冷却
装置9から冷却水が供給・排出される。
【0060】この場合、RFモニタープローブ5によっ
て、ビーム不安定性の原因となる高次モードの強度がモ
ニターされる。そして、制御部10では、このビーム不
安定性の原因となる高次モードの強度が小さくなるよう
に、冷却装置9のヒーターやクーラーが制御される。
【0061】これにより、高周波加速空洞1の入口側の
冷却水の温度のみを測定して、制御を行なっていた従来
の場合に比べて、本来問題となっている高次モードの強
度を確実に下げることができ、共振周波数を確実に一定
に保ち、ビーム不安定性を抑制することができる。
【0062】上述したように、本実施例の高周波加速シ
ステムでは、RFモニタープローブ5によりモニターさ
れたビーム不安定性の原因となる高次モードの強度が小
さくなるように、冷却装置9を制御して冷却水温度を調
整するようにしたものである。
【0063】従って、問題となっている高次モードの強
度を確実に下げることができるため、高周波加速空洞1
の厳密温調の本来の目的である空洞に起因するビーム不
安定性を確実に抑制することが可能となる。
【0064】また、複雑で大がかりな冷却水温調系であ
る冷却装置9を簡素化することが可能となる。これによ
り、高性能かつ簡素で、信頼性に富んだ高周波加速シス
テムを得ることができる。
【0065】(第6の実施例)図6は、本実施例による
高周波加速システムを示す構成図であり、図7と同一要
素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異
なる部分についてのみ述べる。
【0066】すなわち、本実施例の高周波加速システム
は、図6に示すように、図7に加えて、前記RFモニタ
ープローブ5によりモニターされたビーム不安定性の原
因となる高次モードの強度が小さくなるように高周波電
力源7から高周波加速空洞1に入力される高周波電力を
制御する高周波電力制御部14を備えた構成としてい
る。
【0067】次に、以上のように構成した本実施例の高
周波加速システムの作用について説明する。なお、ここ
では、図7と異なる部分の作用についてのみ述べる。図
6において、高周波加速空洞1には、冷却のため、冷却
装置9から冷却水が供給・排出される。
【0068】この場合、温度センサー11によって、高
周波加速空洞1の入口側の冷却水の温度が測定される。
そして、制御部10では、この冷却水の入口側温度の値
が目的の精度(例えば±0.5度)で一定となるよう
に、冷却装置9のヒーターやクーラーが制御される。
【0069】また、RFモニタープローブ5によって、
ビーム不安定性の原因となる高次モードの強度がモニタ
ーされる。そして、高周波電力制御部14では、このビ
ーム不安定性の原因となる高次モードの強度が小さくな
るように、高周波電力源7から高周波加速空洞1に入力
される高周波電力が調整される。
【0070】これにより、高周波加速空洞1の入口側の
冷却水の温度のみを測定して、制御を行なっていた従来
の場合に比べて、本来問題となっている高次モードの強
度を確実に下げることができ、共振周波数を確実に一定
に保ち、ビーム不安定性を抑制することができる。
【0071】また、高周波電力を制御することにより、
冷却水温度に対する要求精度を緩和することができる。
上述したように、本実施例の高周波加速システムでは、
高周波加速空洞1の入口側または出口側における冷却水
温度を測定し、その値が一定となるように冷却装置9を
制御して冷却水温度を調整すると共に、RFモニタープ
ローブ5によりモニターされたビーム不安定性の原因と
なる高次モードの強度が小さくなるように高周波加速空
洞1に入力される高周波電力を調整するようにしたもの
である。
【0072】従って、本来問題となっている高次モード
の強度を確実に下げることができるため、高周波加速空
洞1の厳密温調の本来の目的である空洞に起因するビー
ム不安定性を確実に抑制することが可能となる。
【0073】また、複雑で大がかりな冷却水温調系であ
る冷却装置9を簡素化することが可能となる。さらに、
高周波電力を制御しているため、冷却水温度に対する要
求精度を緩和することが可能となる。
【0074】これにより、高性能かつ簡素で、信頼性に
富んだ高周波加速システムを得ることができる。尚、本
発明は上記各実施例に限定されるものではなく、次のよ
うにしても同様に実施できるものである。
【0075】上記第4および第6の各実施例では、高周
波加速空洞1の入口側における冷却水温度を測定し、そ
の値が一定となるように冷却装置9を制御して冷却水温
度を調整する場合について説明したが、これに限らず、
高周波加速空洞1の出口側における冷却水温度を測定
し、その値が一定となるように冷却装置9を制御して冷
却水温度を調整する場合についても、本発明を同様に適
用して前述の場合と同様の作用効果を得ることが可能で
ある。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように、まず、請求項1に
対応した発明によれば、高周波電力が入力されると、空
洞本体内にビーム加速に必要なある一定の共振周波数の
電磁界を発生させることによって、空洞本体を通過する
粒子を加速する超高真空に保たれた高周波加速空洞と、
高周波加速空洞の共振周波数を、入力される高周波電力
の周波数に同調させる可動チューナーと、高周波加速空
洞内の共振電磁界をモニターするRFモニタープローブ
と、RFモニタープローブによりモニターされた共振電
磁界と、高周波加速空洞に入力されている高周波信号と
の位相差を比較して、両者の差がなくなるように可動チ
ューナーを高周波加速空洞に出し入れする制御を行なう
チューナ制御部と、冷却水温度調整機能を有し、高周波
加速空洞に対して空洞冷却用の冷却水を供給・排出する
冷却装置と、高周波加速空洞の入口側および出口側にお
ける冷却水温度をそれぞれ測定する温度センサーと、温
度センサーにより測定された冷却水の入口側温度と出口
側温度との平均値を算出し、かつ当該平均値が一定とな
るように冷却装置を制御する制御部とを備えるようにし
たので、高周波加速空洞の厳密温調の本来の目的である
空洞に起因するビーム不安定性を確実に抑制することが
でき、また複雑で大がかりな冷却水温調系を簡素化する
ことが可能な高性能かつ簡素でしかも信頼性に富んだ高
周波加速システムが提供できる。
【0077】また、請求項2に対応した発明によれば、
高周波電力が入力されると、空洞本体内にビーム加速に
必要なある一定の共振周波数の電磁界を発生させること
によって、空洞本体を通過する粒子を加速する超高真空
に保たれた高周波加速空洞と、高周波加速空洞の共振周
波数を、入力される高周波電力の周波数に同調させる可
動チューナーと、高周波加速空洞内の共振電磁界をモニ
ターするRFモニタープローブと、RFモニタープロー
ブによりモニターされた共振電磁界と、高周波加速空洞
に入力されている高周波信号との位相差を比較して、両
者の差がなくなるように可動チューナーを高周波加速空
洞に出し入れする制御を行なうチューナ制御部と、冷却
水温度調整機能を有し、高周波加速空洞に対して空洞冷
却用の冷却水を供給・排出する冷却装置と、高周波加速
空洞の実体温度を測定する温度センサーと、温度センサ
ーにより測定された高周波加速空洞の実体温度の値が一
定となるように冷却装置を制御する制御部とを備えるよ
うにしたので、高周波加速空洞の厳密温調の本来の目的
である空洞に起因するビーム不安定性を確実に抑制する
ことができ、また複雑で大がかりな冷却水温調系を簡素
化することが可能な高性能かつ簡素でしかも信頼性に富
んだ高周波加速システムが提供できる。
【0078】一方、請求項3に対応した発明によれば、
高周波電力が入力されると、空洞本体内にビーム加速に
必要なある一定の共振周波数の電磁界を発生させること
によって、空洞本体を通過する粒子を加速する超高真空
に保たれた高周波加速空洞と、高周波加速空洞の共振周
波数を、入力される高周波電力の周波数に同調させる可
動チューナーと、高周波加速空洞内の共振電磁界をモニ
ターするRFモニタープローブと、RFモニタープロー
ブによりモニターされた共振電磁界と、高周波加速空洞
に入力されている高周波信号との位相差を比較して、両
者の差がなくなるように可動チューナーを高周波加速空
洞に出し入れする制御を行なうチューナ制御部と、冷却
水温度調整機能を有し、高周波加速空洞に対して空洞冷
却用の冷却水を供給・排出する冷却装置と、高周波加速
空洞の入口側および出口側の少なくとも一方における冷
却水温度を測定する温度センサーと、温度センサーによ
り測定された冷却水温度の値が一定となるように冷却装
置を制御する制御部と、温度センサーにより測定された
冷却水の入口側温度と出口側温度との平均値を算出し、
かつ当該平均値が一定となるように高周波加速空洞に入
力される高周波電力を調整する高周波電力制御部とを備
えるようにしたので、高周波加速空洞の厳密温調の本来
の目的である空洞に起因するビーム不安定性を確実に抑
制することができ、また複雑で大がかりな冷却水温調系
を簡素化することが可能な高性能かつ簡素でしかも信頼
性に富んだ高周波加速システムが提供できる。
【0079】また、請求項4に対応した発明によれば、
高周波電力が入力されると、空洞本体内にビーム加速に
必要なある一定の共振周波数の電磁界を発生させること
によって、空洞本体を通過する粒子を加速する超高真空
に保たれた高周波加速空洞と、高周波加速空洞の共振周
波数を、入力される高周波電力の周波数に同調させる可
動チューナーと、高周波加速空洞内の共振電磁界をモニ
ターするRFモニタープローブと、RFモニタープロー
ブによりモニターされた共振電磁界と、高周波加速空洞
に入力されている高周波信号との位相差を比較して、両
者の差がなくなるように可動チューナーを高周波加速空
洞に出し入れする制御を行なうチューナ制御部と、冷却
水温度調整機能を有し、高周波加速空洞に対して空洞冷
却用の冷却水を供給・排出する冷却装置と、高周波加速
空洞の入口側または出口側における冷却水温度を測定す
る第1の温度センサーと、高周波加速空洞の実体温度を
測定する第2の温度センサーと、第1の温度センサーに
より測定された冷却水温度の値が一定となるように冷却
装置を制御する制御部と、第2の温度センサーにより測
定された高周波加速空洞の実体温度の値が一定となるよ
うに高周波加速空洞に入力される高周波電力を調整する
高周波電力制御部とを備えるようにしたので、高周波加
速空洞の厳密温調の本来の目的である空洞に起因するビ
ーム不安定性を確実に抑制することができ、また複雑で
大がかりな冷却水温調系を簡素化することが可能な高性
能かつ簡素でしかも信頼性に富んだ高周波加速システム
が提供できる。
【0080】一方、請求項5に対応した発明によれば、
高周波電力が入力されると、空洞本体内にビーム加速に
必要なある一定の共振周波数の電磁界を発生させること
によって、空洞本体を通過する粒子を加速する超高真空
に保たれた高周波加速空洞と、高周波加速空洞の共振周
波数を、入力される高周波電力の周波数に同調させる可
動チューナーと、高周波加速空洞内の共振電磁界をモニ
ターするRFモニタープローブと、RFモニタープロー
ブによりモニターされた共振電磁界と、高周波加速空洞
に入力されている高周波信号との位相差を比較して、両
者の差がなくなるように可動チューナーを高周波加速空
洞に出し入れする制御を行なうチューナ制御部と、冷却
水温度調整機能を有し、高周波加速空洞に対して空洞冷
却用の冷却水を供給・排出する冷却装置と、RFモニタ
ープローブによりモニターされたビーム不安定性の原因
となる高次モードの強度が小さくなるように冷却装置を
制御する制御部とを備えるようにしたので、高周波加速
空洞の厳密温調の本来の目的である空洞に起因するビー
ム不安定性を確実に抑制することができ、また複雑で大
がかりな冷却水温調系を簡素化することが可能な高性能
かつ簡素でしかも信頼性に富んだ高周波加速システムが
提供できる。
【0081】また、請求項6に対応した発明によれば、
高周波電力が入力されると、空洞本体内にビーム加速に
必要なある一定の共振周波数の電磁界を発生させること
によって、空洞本体を通過する粒子を加速する超高真空
に保たれた高周波加速空洞と、高周波加速空洞の共振周
波数を、入力される高周波電力の周波数に同調させる可
動チューナーと、高周波加速空洞内の共振電磁界をモニ
ターするRFモニタープローブと、RFモニタープロー
ブによりモニターされた共振電磁界と、高周波加速空洞
に入力されている高周波信号との位相差を比較して、両
者の差がなくなるように可動チューナーを高周波加速空
洞に出し入れする制御を行なうチューナ制御部と、冷却
水温度調整機能を有し、高周波加速空洞に対して空洞冷
却用の冷却水を供給・排出する冷却装置と、高周波加速
空洞の入口側または出口側における冷却水温度を測定す
る温度センサーと、温度センサーにより測定された冷却
水温度の値が一定となるように冷却装置を制御する制御
部と、RFモニタープローブによりモニターされたビー
ム不安定性の原因となる高次モードの強度が小さくなる
ように高周波加速空洞に入力される高周波電力を調整す
る高周波電力制御部とを備えるようにしたので、高周波
加速空洞の厳密温調の本来の目的である空洞に起因する
ビーム不安定性を確実に抑制することができ、また複雑
で大がかりな冷却水温調系を簡素化することが可能な高
性能かつ簡素でしかも信頼性に富んだ高周波加速システ
ムが提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による高周波加速システムの第1の実施
例を示す構成図。
【図2】本発明による高周波加速システムの第2の実施
例を示す構成図。
【図3】本発明による高周波加速システムの第3の実施
例を示す構成図。
【図4】本発明による高周波加速システムの第4の実施
例を示す構成図。
【図5】本発明による高周波加速システムの第5の実施
例を示す構成図。
【図6】本発明による高周波加速システムの第6の実施
例を示す構成図。
【図7】従来の高周波加速システムの一例を示す構成
図。
【符号の説明】
1…高周波加速空洞、 2…入力カプラー、 3…可動チューナー、 4…固定チューナー、 5…RFモニタープローブ、 6…方向性結合器、 7…高周波電力源、 8…チューナー制御盤、 9…冷却装置、 10…制御部、 11…温度センサー、 12…温度センサー、 13…温度センサー、 14…高周波電力制御部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平田 寛 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内 (72)発明者 神津 秀雄 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高周波電力が入力されると、空洞本体内
    にビーム加速に必要なある一定の共振周波数の電磁界を
    発生させることによって、前記空洞本体を通過する粒子
    を加速する超高真空に保たれた高周波加速空洞と、 前記高周波加速空洞の共振周波数を、前記入力される高
    周波電力の周波数に同調させる可動チューナーと、 前記高周波加速空洞内の共振電磁界をモニターするRF
    モニタープローブと、 前記RFモニタープローブによりモニターされた共振電
    磁界と、前記高周波加速空洞に入力されている高周波信
    号との位相差を比較して、両者の差がなくなるように前
    記可動チューナーを高周波加速空洞に出し入れする制御
    を行なうチューナ制御部と、 冷却水温度調整機能を有し、前記高周波加速空洞に対し
    て空洞冷却用の冷却水を供給・排出する冷却装置と、 前記高周波加速空洞の入口側および出口側における冷却
    水温度をそれぞれ測定する温度センサーと、 前記温度センサーにより測定された冷却水の入口側温度
    と出口側温度との平均値を算出し、かつ当該平均値が一
    定となるように前記冷却装置を制御する制御部と、 を備えて成ることを特徴とする高周波加速システム。
  2. 【請求項2】 高周波電力が入力されると、空洞本体内
    にビーム加速に必要なある一定の共振周波数の電磁界を
    発生させることによって、前記空洞本体を通過する粒子
    を加速する超高真空に保たれた高周波加速空洞と、 前記高周波加速空洞の共振周波数を、前記入力される高
    周波電力の周波数に同調させる可動チューナーと、 前記高周波加速空洞内の共振電磁界をモニターするRF
    モニタープローブと、 前記RFモニタープローブによりモニターされた共振電
    磁界と、前記高周波加速空洞に入力されている高周波信
    号との位相差を比較して、両者の差がなくなるように前
    記可動チューナーを高周波加速空洞に出し入れする制御
    を行なうチューナ制御部と、 冷却水温度調整機能を有し、前記高周波加速空洞に対し
    て空洞冷却用の冷却水を供給・排出する冷却装置と、 前記高周波加速空洞の実体温度を測定する温度センサー
    と、 前記温度センサーにより測定された高周波加速空洞の実
    体温度の値が一定となるように前記冷却装置を制御する
    制御部と、 を備えて成ることを特徴とする高周波加速システム。
  3. 【請求項3】 高周波電力が入力されると、空洞本体内
    にビーム加速に必要なある一定の共振周波数の電磁界を
    発生させることによって、前記空洞本体を通過する粒子
    を加速する超高真空に保たれた高周波加速空洞と、 前記高周波加速空洞の共振周波数を、前記入力される高
    周波電力の周波数に同調させる可動チューナーと、 前記高周波加速空洞内の共振電磁界をモニターするRF
    モニタープローブと、 前記RFモニタープローブによりモニターされた共振電
    磁界と、前記高周波加速空洞に入力されている高周波信
    号との位相差を比較して、両者の差がなくなるように前
    記可動チューナーを高周波加速空洞に出し入れする制御
    を行なうチューナ制御部と、 冷却水温度調整機能を有し、前記高周波加速空洞に対し
    て空洞冷却用の冷却水を供給・排出する冷却装置と、 前記高周波加速空洞の入口側および出口側の少なくとも
    一方における冷却水温度を測定する温度センサーと、 前記温度センサーにより測定された冷却水温度の値が一
    定となるように前記冷却装置を制御する制御部と、 前記温度センサーにより測定された冷却水の入口側温度
    と出口側温度との平均値を算出し、かつ当該平均値が一
    定となるように前記高周波加速空洞に入力される高周波
    電力を調整する高周波電力制御部と、 を備えて成ることを特徴とする高周波加速システム。
  4. 【請求項4】 高周波電力が入力されると、空洞本体内
    にビーム加速に必要なある一定の共振周波数の電磁界を
    発生させることによって、前記空洞本体を通過する粒子
    を加速する超高真空に保たれた高周波加速空洞と、 前記高周波加速空洞の共振周波数を、前記入力される高
    周波電力の周波数に同調させる可動チューナーと、 前記高周波加速空洞内の共振電磁界をモニターするRF
    モニタープローブと、 前記RFモニタープローブによりモニターされた共振電
    磁界と、前記高周波加速空洞に入力されている高周波信
    号との位相差を比較して、両者の差がなくなるように前
    記可動チューナーを高周波加速空洞に出し入れする制御
    を行なうチューナ制御部と、 冷却水温度調整機能を有し、前記高周波加速空洞に対し
    て空洞冷却用の冷却水を供給・排出する冷却装置と、 前記高周波加速空洞の入口側または出口側における冷却
    水温度を測定する第1の温度センサーと、 前記高周波加速空洞の実体温度を測定する第2の温度セ
    ンサーと、 前記第1の温度センサーにより測定された冷却水温度の
    値が一定となるように前記冷却装置を制御する制御部
    と、 前記第2の温度センサーにより測定された高周波加速空
    洞の実体温度の値が一定となるように前記高周波加速空
    洞に入力される高周波電力を調整する高周波電力制御部
    と、 を備えて成ることを特徴とする高周波加速システム。
  5. 【請求項5】 高周波電力が入力されると、空洞本体内
    にビーム加速に必要なある一定の共振周波数の電磁界を
    発生させることによって、前記空洞本体を通過する粒子
    を加速する超高真空に保たれた高周波加速空洞と、 前記高周波加速空洞の共振周波数を、前記入力される高
    周波電力の周波数に同調させる可動チューナーと、 前記高周波加速空洞内の共振電磁界をモニターするRF
    モニタープローブと、 前記RFモニタープローブによりモニターされた共振電
    磁界と、前記高周波加速空洞に入力されている高周波信
    号との位相差を比較して、両者の差がなくなるように前
    記可動チューナーを高周波加速空洞に出し入れする制御
    を行なうチューナ制御部と、 冷却水温度調整機能を有し、前記高周波加速空洞に対し
    て空洞冷却用の冷却水を供給・排出する冷却装置と、 前記RFモニタープローブによりモニターされたビーム
    不安定性の原因となる高次モードの強度が小さくなるよ
    うに前記冷却装置を制御する制御部と、 を備えて成ることを特徴とする高周波加速システム。
  6. 【請求項6】 高周波電力が入力されると、空洞本体内
    にビーム加速に必要なある一定の共振周波数の電磁界を
    発生させることによって、前記空洞本体を通過する粒子
    を加速する超高真空に保たれた高周波加速空洞と、 前記高周波加速空洞の共振周波数を、前記入力される高
    周波電力の周波数に同調させる可動チューナーと、 前記高周波加速空洞内の共振電磁界をモニターするRF
    モニタープローブと、 前記RFモニタープローブによりモニターされた共振電
    磁界と、前記高周波加速空洞に入力されている高周波信
    号との位相差を比較して、両者の差がなくなるように前
    記可動チューナーを高周波加速空洞に出し入れする制御
    を行なうチューナ制御部と、 冷却水温度調整機能を有し、前記高周波加速空洞に対し
    て空洞冷却用の冷却水を供給・排出する冷却装置と、 前記高周波加速空洞の入口側または出口側における冷却
    水温度を測定する温度センサーと、 前記温度センサーにより測定された冷却水温度の値が一
    定となるように前記冷却装置を制御する制御部と、 前記RFモニタープローブによりモニターされたビーム
    不安定性の原因となる高次モードの強度が小さくなるよ
    うに前記高周波加速空洞に入力される高周波電力を調整
    する高周波電力制御部と、 を備えて成ることを特徴とする高周波加速システム。
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